WO2011040193A1 - 有機el及び有機elの電極形成方法 - Google Patents

有機el及び有機elの電極形成方法 Download PDF

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Abstract

 有機層をスパッタリング法による陰極形成のダメージから保護する方法と、こうして得られる安定性の高い有機ELを提供する。本発明の有機ELは絶縁層12上に配置された下部電極膜13aと、下部電極膜13a上に配置された有機層21と、有機層21上に配置された上部電極膜28を有し、下部電極膜13aに正電荷を印加し、上部電極膜28に負電荷を印加すると有機層21が発光するように構成されている。有機層21上には導電性の保護膜23を蒸着法により形成し、保護膜23上に上部電極膜28をスパッタリング法で形成しているので、有機層21はスパッタリング法によるダメージを受けない。

Description

有機EL及び有機ELの電極形成方法
 本発明は、有機EL及び有機ELの電極形成方法に関する。
 有機ELは、発光効率が高く、薄い発光装置を組み立てることができることから、近年では、大面積化するテレビや照明用デバイスへの応用が提案されている。
 基板上に形成される有機ELは、光の取り出し側の違いにより二つのタイプに大別される。即ち、基板の反対側から光を取り出すトップエミッション型と、基板側から光を取り出すボトムエミッション型である。基板にTFT(薄膜トランジスタ)を形成する場合は、ボトムエミッション型ではTFTが光の取り出しを妨げるため、トップエミッション型が好ましい。この場合、光取り出し方向に透明な電極を配置する必要がある。
 図3(a)、(b)の符号100は従来技術のトップエミッション型有機ELを使用した有機ELランプであり、同図(a)は平面図、同図(b)はB-B線切断断面図である。
 有機ELランプ100は金属又はガラスの基板111を有している。基板111が導電体の場合は、基板111上に絶縁性の薄膜から成る絶縁層112が配置されている。絶縁層112上には突条115が配置されており、突条115によって囲まれた領域の内側の絶縁層112上に、下部電極膜113aと有機層121が形成されている。他方、突条115によって囲まれた領域の外側の絶縁層112上には、引出電極膜113bが配置されている。
 有機層121の表面上と引出電極膜113bの表面上には上部電極膜128が形成されており、有機層121は、上部電極膜128によって引出電極膜113bに電気的に接続されている。
 下部電極膜113aと引出電極膜113bとを電源に接続し、下部電極膜113aに正電圧、引出電極膜113bに負電圧を印加すると、下部電極膜113aと上部電極膜128との間に電流が流れ、有機層121内で発光光が発生する。上部電極膜128は透明であり、有機層121内で発生した発光光は上部電極膜128を透過して外部に放射される。
 上部電極膜128を形成する際には、真空蒸着法では、ピンホールのない膜を均一(±5%以下)に成膜するのが難しく、特に基板が大きくなると、基板全体の膜厚を制御できないという問題があるため、スパッタリング法で成膜するのが望ましい。
 ただし、スパッタリング法におけるスパッタ粒子は蒸着法と比較して数十~数百倍の運動エネルギーを有し、またスパッタリング法はプラズマを用いているため荷電粒子(電子、イオン)の発生や反跳アルゴンの入射による、有機層121への各種のダメージが懸念される。
 スパッタリング法による有機層121へのダメージは、有機EL素子の層構造を変化させ、発光効率の低下、リーク電流の発生、素子寿命低下などの問題を発生させる。
 従って、上部電極膜128をスパッタリング法により成膜する前に有機層121上に保護膜を形成しておくなどの対策が必要である。例えば特許文献1では、有機層上に金属酸化膜を形成し、その上に陽極を形成する技術を開示しているが、この技術では陰極を形成することはできない。有機ELは、有機層上には陰極を形成する構造が一般的であり、有機層上にスパッタリング法で陰極を形成すると有機層がダメージを受けるという問題があった。
特開2005-259550号公報
 有機層上に陰極を形成する場合でも、有機層をスパッタリング法によるダメージから保護して、有機EL素子の安定性を高めるための方法が求められていた。
 本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、有機層をスパッタリング法によるダメージから保護して陰極を形成する方法と、こうして得られる安定性の高い有機ELを提供することにある。
 上記課題を解決するために本発明は、絶縁層上に配置された下部電極膜と、前記下部電極膜上に配置された有機層と、前記有機層上に配置された上部電極膜とを有し、前記下部電極膜に正電圧を印加し、前記上部電極膜に負電圧を印加して、前記有機層に膜厚方向に電流を流すと、前記有機層が発光するように構成された有機ELであって、前記有機層と前記上部電極膜との間には、蒸着法で形成された透明な保護膜が配置され、前記上部電極膜は前記保護膜上にスパッタリング法で形成された有機ELである。
 本発明は有機ELであって、前記有機層と前記保護膜との間には、電子注入性金属が添加された電子輸送性の有機物からなる電子輸送層が配置された有機ELである。
 本発明は有機ELであって、前記保護膜は、化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が三酸化モリブデンの化学量論比よりも少ないモリブデン酸化物のいずれか一つ又は二つ以上の物質を含有する有機ELである。
 本発明は有機ELであって、前記保護膜は、SnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)と、Liを含有するSnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)と、Liを含有するMoO3-y(yは0より大きく3より小さい数)のいずれか一つ又は二つ以上の物質を含有する有機ELである。
 本発明は、絶縁層上に下部電極膜を形成し、前記下部電極膜上に有機層を形成し、前記有機層上に上部電極膜を形成し、前記下部電極膜に正電圧を印加し、前記上部電極膜に負電圧を印加して、前記有機層に膜厚方向に電流を流すと、前記有機層が発光するように構成された有機ELの電極形成方法であって、前記有機層上に透明な導電性の保護膜を蒸着法で形成したのち、前記保護膜上に前記上部電極膜をスパッタリング法により形成する有機ELの電極形成方法である。
 本発明は有機ELの電極形成方法であって、前記有機層上に電子注入性金属が添加された電子輸送性の有機物からなる電子輸送層を蒸着法で形成したのち、前記電子輸送層上に前記保護膜を蒸着法で形成する有機ELの電極形成方法である。
 本発明は有機ELの電極形成方法であって、前記保護膜として、化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が三酸化モリブデンの化学量論比よりも少ないモリブデン酸化物のいずれか一つ又は二つ以上を蒸着法により前記有機層上に形成する有機ELの電極形成方法である。
 本発明は有機ELの電極形成方法であって、前記保護膜として、SnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)と、Liを含有するSnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)と、Liを含有するMoO3-y(yは0より大きく3より小さい数)のいずれか一つ又は二つ以上を蒸着法により前記有機層上に形成する有機ELの電極形成方法である。
 陰極形成の際に、スパッタリング法によるダメージから有機層を保護して、素子欠陥の発生を防ぐことができるので、安定性の高い有機ELが得られ、大面積有機ELの生産性が向上できる。
本発明の有機ELを使用した有機ELランプを説明するための図 (a):平面図 (b):断面図 (a)~(f):本発明の有機ELを使用した有機ELランプの製造工程を説明するための図 従来技術の有機ELを使用した有機ELランプを説明するための図 (a):平面図 (b):断面図 本発明で使用する第一の真空蒸着装置の模式図 本発明で使用する第二の真空蒸着装置の模式図 本発明で使用するスパッタ装置の模式図
 12……絶縁層
 13a……下部電極膜
 21……有機層
 21c……電子輸送層
 23……保護膜
 28……上部電極膜
<有機ELの構造>
 図1(a)は本発明の有機ELを使用した有機ELランプ10の平面図、同図(b)はそのA-A線切断断面図を示している。
 有機ELランプ10は上方を向いた面が鏡面処理された基板11を有している。基板11の上方を向いた面上にSiO2等の透明な絶縁物から成る絶縁層12が配置され、その表面にITO等の透明な導電性薄膜13が配置されている。
 導電性薄膜13には内外で薄膜表面を二分する、一部開口を有するリング状、すなわち半リング状の溝が形成され、この溝内には樹脂性の突条15が溝の長さ方向に沿って配置されている。突条15の長さ方向の両端は、導電性薄膜13の縁に位置しており、リングの内側と外側で導電性薄膜13を二分している。導電性薄膜13が二分された部分のうち、突条15で一部囲まれた方を下部電極膜13aとし、突条15の外側の部分を引出電極膜13bとすると、下部電極膜13aと引出電極膜13bとは、突条15によって互いに絶縁されている。下部電極膜13aと引出電極膜13bは、絶縁層12によって、基板11とも絶縁されている。
 この有機ELランプ10では、下部電極膜13aはホール注入性を有する物質で構成されており、例えばITO膜が用いられている。下部電極膜13aの上方を向いた面上には、それぞれ有機薄膜から成るホール輸送層21aと、発光層21bと、電子輸送層21cとがこの順序で積層された有機層21が配置されている。(図2(d)参照)
 下部電極膜13aはホール輸送層21aと接触しており、下部電極膜13aがホール注入層として機能する。下部電極膜13aがホール注入性の無い物質で形成されている場合は、下部電極膜13aとホール輸送層21aとの間にホール注入層を配置すればよい。
 発光層21b上には、電子輸送性の有機物に電子注入性金属が2重量%添加された電子輸送層21cが配置されている。
 ここでは電子輸送性の有機物としてAlq3等の材料が用いられ、電子注入性金属としてLiが用いられている。
 電子輸送層21c上には、透明な導電性の保護膜23が配置されている。保護膜23は電子輸送層21c上に蒸着法によって形成されており、有機層21にダメージは与えられていない。
 保護膜23は、ここではSnO2-x(化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物、xは0より大きく2より小さい数)と、Li(リチウム)を2重量%含有するSnO2-x(化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物、xは0より大きく2より小さい数)と、Li(リチウム)を2重量%含有するMoO3-y(化学構造中の酸素が三酸化モリブデンの化学量論比よりも少ないモリブデン酸化物、yは0より大きく3より小さい数)のいずれか一つ又は二つ以上の物質で構成されている。
 すなわち、保護膜23は、SnO2-xと、Liを2重量%含有するSnO2-xと、Liを2重量%含有するMoO3-yのいずれか一つ又は二つ以上の物質を含有している。
 本発明では、保護膜23の膜厚は10Å~400Åの範囲の厚みが望ましい。
 保護膜23と引出電極膜13b上には、両方に亘って、スパッタリング法により、透明な導電性物質から成る上部電極膜28が形成されている。
 ここでは上部電極膜28としてIZOが用いられている。
 本発明では、上部電極膜28の膜厚は150Å~3000Åの範囲の厚みが望ましい。
 上部電極膜28は、IZOに電子注入性金属を2重量%添加した電子注入性金属含有IZOで構成されていてもよい。
 有機層21上には保護膜23が配置されているため、有機層21にはスパッタリング法によるダメージは与えられていない。
 有機層21は、上部電極膜28を介して引出電極膜13bに電気的に接続されている。
 下部電極膜13aと引出電極膜13bとは、有機層21の位置から離間した場所で露出され配線に接続されており、配線を介して下部電極膜13aに正電圧を印加し、引出電極膜13bに負電圧を印加すると、下部電極膜13aと上部電極膜28の間に電圧が印加される。
 その電圧に対し、下部電極膜13aと有機層21と保護膜23と上部電極膜28とは直列接続されて直列回路を形成しており、有機層21に膜厚方向に電流が流れ、発光層21bが発光する。
 絶縁層12、下部電極膜13a、有機層21、保護膜23、上部電極膜28はいずれも透明であり、発光層21bが発光し、上部電極膜28側に進行する発光光は、上部電極膜28を透過して外部に放射される。
 基板11の絶縁層12と接触する面は電解加工によって鏡面にされており、基板11側に向かった発光光は絶縁層12を透過し、基板11の鏡面で反射し、基板11上の各層を透過して外部に放射される。
 なお、基板11としてガラス基板を使用することもできる。ガラス基板を使用すれば、基板11側へも光を放射できる。またガラス基板の場合は絶縁層12が不要となる。
<有機ELの形成方法>
 次に、上記の有機ELランプ10の形成方法を説明する。
 金属の基板11の上方を向いた面を電解加工によって鏡面にし、基板11の鏡面上に透明な絶縁層12を成膜する。次いで、絶縁層12上に透明な導電性薄膜13を成膜する(図2(a))。
 ここでは、絶縁層12としてSiO2を成膜し、導電性薄膜13としてITOを成膜する。
 本発明の基板11は、金属又はガラスの基板11a上にSiO2等の基板絶縁層11bを成膜し、基板絶縁層11b上にスパッタリング法によってAl(アルミニウム)又はAg(銀)合金から成る鏡面層11cを成膜して、鏡面層11cを電界加工によって鏡面にして、形成されてもよい(図2(b))。
 次いで、導電性薄膜13に半リング状の溝をエッチングし、この溝の内部に絶縁性の樹脂を塗布して、突条15を形成する(図2(c))。
 突条15の長さ方向の両端は、導電性薄膜13の縁に位置している。従って、導電性薄膜13は突条15により、突条15で一部囲まれた部分の下部電極膜13aと、突条15の外側の部分の引出電極膜13bに二分される。
 次いで、この処理対象物の突条15の外側をマスクした状態で、下部電極膜13a上に、真空蒸着法によって有機薄膜から成るホール輸送層21aと、発光層21bとをこの順序で積層する。
 図4は本発明で使用する第一の真空蒸着装置40の模式図を示している。第一の真空蒸着装置40は、第一の主真空槽44と、第一の主真空槽44内に配置された第一の主るつぼ42aと、第一の副るつぼ42bを有している。
 第一の主真空槽44に設けられた第一の主排気口43は真空ポンプ47に接続され、第一の主真空槽44内部は排気可能にされている。
 発光層21bが形成された処理対象物を、突条15の外側をマスクした状態で、第一の主真空槽44内に配置された第一の主基板ホルダ45に、処理対象物の発光層21b側がるつぼの方を向くように取り付ける。図4の符号49はこの処理対象物を示している。
 第一の主るつぼ42aに電子輸送性の有機物を入れ、第一の副るつぼ42bに電子注入性金属を入れる。真空ポンプ47で第一の主真空槽44内を真空排気しながら、第一の主るつぼ42aと第一の副るつぼ42bを加熱器46a、46bでそれぞれ加熱し、電子輸送性の有機物と電子注入性金属とを別々に蒸発させ、有機層21上に一緒に到達させ、共蒸着させる。
 ここでは電子輸送性の有機物としてAlq3等の材料を用い、電子注入性金属としてLiを用いる。
 このとき、電子輸送性の有機物に電子注入性金属が2重量%添加されるようにし、電子輸送層21cを形成する(図2(d))。ここでは、ホール輸送層21aと発光層21bと電子輸送層21cとから有機層21が構成される。
 図5は本発明で使用する第二の真空蒸着装置50の模式図を示している。第二の真空蒸着装置50は、第二の主真空槽54と、第二の主真空槽54内に配置された第二のるつぼ52を有している。
 第二の主真空槽54に設けられた第二の主排気口53は真空ポンプ57に接続され、第二の主真空槽54内部は排気可能にされている。
 有機層21が形成された処理対象物を、突条15の外側をマスクした状態で、第二の主真空槽54内の第二の主基板ホルダ55に、処理対象物の有機層21側がるつぼの方を向くように取り付ける。図5の符号59はこの処理対象物を示している。
 第二のるつぼ52に金属酸化物から成る保護膜材料を入れる。真空ポンプ57で第二の主真空槽54内を真空排気しながら、第二のるつぼ52を加熱器56で加熱し、保護膜材料を蒸発させる。
 蒸発によりガス状の金属酸化物からO原子が外れ、このO原子から成るO2ガスが真空排気されることにより、電子輸送層21c上に酸素欠陥した金属酸化物が到達し、酸素欠陥した金属酸化物から成る保護膜23が形成される(図2(e))。
 ここでは保護膜材料としてSnO2を用いる。酸素欠陥した金属酸化物としてSnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)が形成される。
 本発明は、第二の主真空槽54内にもう一つるつぼを追加して配置し、追加したるつぼにリチウムを入れて、第二のるつぼ52内のSnO2と追加したるつぼ内のリチウムとを別々に蒸発させ、電子輸送層21c上に一緒に到達させ、共蒸着して、SnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)にリチウムが2重量%添加された保護膜23を形成してもよい。
 また本発明は、第二のるつぼ52内にMoO3を入れ、追加したるつぼにリチウムを入れて、第二のるつぼ内のMoO3と追加したるつぼ内のリチウムとを別々に蒸発させ、電子輸送層21c上に一緒に到達させ、共蒸着して、MoO3-y(yは0より大きく3より小さい数)にリチウムが2重量%添加された保護膜23を形成してもよい。
 すなわち、SnO2-xと、Liを2重量%含有するSnO2-xと、Liを2重量%含有するMoO3-yのいずれか一つ又は二つ以上の物質を電子輸送層21c上に蒸着して保護膜23を形成する。
 図6は本発明で使用するスパッタ装置60の模式図を示している。スパッタ装置60は、副真空槽64と、副真空槽64内に配置され、透明な導電性物質から成るスパッタターゲット68を有している。
 副真空槽64に設けられたガス供給口66はスパッタガスが貯蔵されたガスボンベ61に接続され、副真空槽64内部にスパッタガスを供給可能にされている。
 副真空槽64に設けられた副排気口63は真空ポンプ62に接続され、副真空槽64内部を排気可能にされている。
 保護膜23が形成された処理対象物から突条15の外側にされたマスクを除去したのち、副真空槽64内の副基板ホルダ65に、処理対象物を基板11側が副基板ホルダ65と接触するように取り付ける。図6の符号69はこの処理対象物を示している。
 真空ポンプ62で副真空槽64内を真空排気しながら、ガス供給口66からスパッタガスを副真空槽64内に供給し、スパッタターゲット68に負の高電圧を印加する。副基板ホルダ65と副真空槽64は共に接地されている。副基板ホルダ65とスパッタターゲット68間の放電により、スパッタガスが電離され、イオン化されたスパッタガスがスパッタターゲット68に衝突し、スパッタ粒子をはじき飛ばす。スパッタ粒子が処理対象物69上に到達することにより、処理対象物69の保護膜23と引出電極膜13bの両方に亘って、透明な導電性物質から成る上部電極膜28が形成される(図2(f))。
 このとき、処理対象物69の有機層21上に配置された保護膜23は、有機層21がスパッタリング法によりダメージを受けることから防ぐ。
 ここではスパッタガスとしてArガスとO2ガスを用いる。
 また、ここではスパッタターゲット68としてIZOを用いる。上部電極膜28としてはIZO膜が形成される。
 スパッタターゲット68として電子注入性金属を2重量%ドーピングしたIZOを用い、上部電極膜28として電子注入性金属含有IZO膜を形成してもよい。

Claims (8)

  1.  絶縁層上に配置された下部電極膜と、
     前記下部電極膜上に配置された有機層と、
     前記有機層上に配置された上部電極膜とを有し、
     前記下部電極膜に正電圧を印加し、前記上部電極膜に負電圧を印加して、前記有機層に膜厚方向に電流を流すと、前記有機層が発光するように構成された有機ELであって、
     前記有機層と前記上部電極膜との間には、蒸着法で形成された透明な保護膜が配置され、
     前記上部電極膜は前記保護膜上にスパッタリング法で形成された有機EL。
  2.  前記有機層と前記保護膜との間には、電子注入性金属が添加された電子輸送性の有機物からなる電子輸送層が配置された請求項1記載の有機EL。
  3.  前記保護膜は、化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が三酸化モリブデンの化学量論比よりも少ないモリブデン酸化物のいずれか一つ又は二つ以上の物質を含有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機EL。
  4.  前記保護膜は、SnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)と、Liを含有するSnO2-xと、Liを含有するMoO3-y(yは0より大きく3より小さい数)のいずれか一つ又は二つ以上の物質を含有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機EL。
  5.  絶縁層上に下部電極膜を形成し、
     前記下部電極膜上に有機層を形成し、
     前記有機層上に上部電極膜を形成し、
     前記下部電極膜に正電圧を印加し、前記上部電極膜に負電圧を印加して、前記有機層に膜厚方向に電流を流すと、前記有機層が発光するように構成された有機ELの電極形成方法であって、
     前記有機層上に透明な導電性の保護膜を蒸着法で形成したのち、
     前記保護膜上に前記上部電極膜をスパッタリング法により形成する有機ELの電極形成方法。
  6.  前記有機層上に電子注入性金属が添加された電子輸送性の有機物からなる電子輸送層を蒸着法で形成したのち、
     前記電子輸送層上に前記保護膜を蒸着法で形成する請求項5記載の有機ELの電極形成方法。
  7.  前記保護膜として、化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が二酸化スズの化学量論比よりも少ないスズ酸化物と、リチウムを含有する化学構造中の酸素が三酸化モリブデンの化学量論比よりも少ないモリブデン酸化物のいずれか一つ又は二つ以上を蒸着法により前記有機層上に形成する請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の有機ELの電極形成方法。
  8.  前記保護膜として、SnO2-x(xは0より大きく2より小さい数)と、Liを含有するSnO2-xと、Liを含有するMoO3-y(yは0より大きく3より小さい数)のいずれか一つ又は二つ以上を蒸着法により前記有機層上に形成する請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の有機ELの電極形成方法。
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