JP2005154721A - 水性コーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機溶剤からなる造膜助剤を使用せずとも、優れた低温造膜性を有し、基材とりわけポリエステルフィルムに対する密着性に優れ、かつ耐熱性、耐水性、耐溶剤性、透明性等に優れたコーティング層を形成可能な水性コーティング剤を提供すること。
【解決手段】 芳香族環式構造単位を15〜35重量%含有する水分散性ポリウレタン樹脂と、芳香族環式構造単位を20〜50重量%含有し、かつ常温で液状である疎水性ポリエステルポリオール及び/又は疎水性ポリエーテルポリオールとを含有する樹脂粒子が水に分散してなる水分散液と、水酸基と反応し得る架橋剤とからなることを特徴とする水性コーティング剤。
【選択図】


Description

本発明は、水性コーティング剤に関する。さらに詳しくは、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等のプラスチックフィルムの表面を改質し、易接着性を付与する目的で使用されるプライマーコート剤、アルミ蒸着プラスチックフィルムを製造する際に、プラスチックフィルムのアルミニウムの蒸着層との接着性を向上させる目的で使用されるアンカーコート剤、その他の塗料、インキ、繊維・皮革の表面処理剤として適応可能な水性コーティング剤に関する。
二軸延伸ポリエステルフィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、一般にPETフィルムといわれている。)は、電気絶縁性、透明性、寸法安定性及び強靱性等に優れることから、絶縁材料、製図、写真用フィルム、磁気テープ、金属蒸着フィルムあるいは各種包装材料等の幅広い分野で使用されている。
しかしながら、これら二軸延伸したポリエステルフィルムは、そのフィルムを構成する樹脂の分子鎖が高度に配向されているため表面の接着性に乏しく、このようなフィルム上に被覆される印刷インキ、磁性塗料、蒸着金属、接着剤などとの接着性に劣るという問題を有している。
かかる問題を改良するため、前記ポリエステルフィルムの表面を活性化し、印刷インキ等との接着性を向上させる手法として、フィルム表面にコロナ処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、或いは火焔処理を施す手段が一般的に適用されている。しかし、これらの手法により接着性の向上は認められるものの、その活性は経時的に低下する。従って、これらフィルム表面の活性化手段は必ずしも満足すべきものではない。
またフィルム表面の接着性を高める他の方法として、酸、アルカリ、トリクロル酢酸又はフェノール類らの薬剤を用いて表面を膨潤、あるいは溶解させるエッチング方法が提案されている。これはフィルム表面近傍の結晶配向を分解、溶解すると同時に凝集性を低下させ接着性を高めようとするものであり、その効果は最も確実な手段である。しかし、ここで用いられる薬剤には有害なものがあり、また取り扱い上危険を伴う問題がある。
この手法に類似する手段として、プライマーコート剤あるいはアンカーコート剤といわれるコーティング剤を使用して、予めフィルム上に基材とは異質のコーティング層(プライマー層、アンカー層又は下塗り層などといわれている。)を薄く形成する手法がある。 従来技術は有機溶剤に溶解した溶剤系コーティング剤をフィルムの表層に塗工する方法が一般的であったが、安全及び衛生上から最近では水性コーティング剤(水性プライマーコート剤あるいは水性アンカーコート剤などといわれている。)が主流となっている。とりわけ、様々な基材への接着性に優れる水性ポリウレタン樹脂組成物が、かかる水性コーティング剤として検討されてきた。
かかる水性コーティング剤を使用してコーティング層が形成されたプラスチックフィルムは、様々な用途で使用されている。なかでもポリエステルフィルムは、その透明性及び強靱性から食品包装用フィルムとして広く使用されている。かかる用途では、ポリエステルフィルム単独で使用されることは少なく、印刷された後、接着剤を使用し各種フィルムとラミネートされた積層フィルムとして使用されるのが一般的である。そのため、前記コーティング層が形成されたプラスチックフィルムには、様々な条件での印刷、ラミネート等の加工適性、及び耐久性に優れることが要求される。即ち、プラスチックフィルム上に形成されたコーティング層の上に塗布されるインキ、接着剤としては溶剤系樹脂組成物、水性樹脂組成物等の様々なものが使用されることから、プラスチックフィルム上に形成されたコーティング層には優れた耐溶剤性、耐水性、及び耐熱性等が求められ、これらの要請に応えるために、水性コーティング剤は各種架橋剤と併用されることが主流である。
また近年では、フィルム用途の多様化からフィルムに対して様々な機能が求められており、中でも包装材料のガスバリアー性能を向上する目的で、例えばポリ塩化ビニリデン等のコーティング層やアルミニウムの蒸着層が形成されたプラスチックフィルムなどが、包装材料の構成体として使用されている。その際、ポリ塩化ビニリデンやアルミニウムの蒸着層との接着性を向上させる目的で、予めプラスチック表面にコーティング剤を塗布しコーティング層を設ける方法が行われている。その際、高いガスバリヤー性能を発現するには、かかるコーティング層が均一に塗布されることが求められ、そのためには、コーティング剤が種々の塗工方式に対応可能で、様々な条件下においても常に均一なコーティング層が得られることが要求される。
前記プラスチックフィルムへのコーティング剤の塗工方法としては、プラスチックフィルムの二軸延伸工程途中にコーティング剤が塗布され、その後に横延伸工程が行われるインラインコーティング法と、二軸延伸工程の後、巻き取られたプラスチックフィルムにコーティング剤を塗布し乾燥することでコーティング層を設けるオフラインコーティング法が採用されている。
前記インラインコーティング法では、一般にプラスチックフィルムの二軸延伸工程の途中で結晶配向が完了する前にコーティング剤が塗布されるため、基材フィルムとコーティング層との接着性は強固となるが、コーティング剤を塗布した後、例えばPETフィルムの場合は更に150℃以上の温度にて延伸工程が行われる。その際、コーティング剤に含まれる主剤樹脂と架橋剤とが急激に反応することでコーティング層が硬化し、延伸過程の基材に対しコーティング層が追従できなくなり、結果としてコーティング層に割れ(クラック)が発生するという問題がある。
また、前記オフラインコーティング法では、基材の寸法安定性を保つ必要があることから、一般的には100℃以下の低温にて乾燥工程が実施される。そのため、硬質で低温において均一なコーティング層を形成可能な溶剤系コーティング剤が使用されていたが、安全性の問題や環境汚染等の問題から好ましいものではなく、オフラインコーティング法にも使用し得る水性コーティング剤の開発が切望されていた。
これらの問題の改善策として、種々の提案がなされてきた。
例えば、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物から得られる高分子量体中にアンモニア若しくは有機アミンで中和されたペンダントカルボキシル基を有する水性ポリエステルウレタン樹脂を含んでなる水性樹脂組成物が、耐水性や耐ブロッキング性に優れたプライマーコート剤等を提供できることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる手法によれば、芳香族環式構造を有するポリエステルを使用することで、硬質の水性ポリウレタン樹脂を得ることができるが、ポリウレタン樹脂が有する高いガラス転移温度に起因して、均一なコーティング層を得るには高温での造膜過程が必要となる。
また、実際には、コーティング層の耐溶剤性や耐熱性等を向上させる目的で、各種架橋剤と併用されることが多いが、その場合、前記インラインコーティング法におけるフィルムの延伸工程においては基材への追従性に劣るため、均一なコーティング層を形成し難いという問題があった。
かかる問題を解決し、均一なコーティング層を形成させることを目的として、一般的に高沸点の有機溶剤を造膜助剤として使用し、コーティング剤中の主成分たる樹脂を可塑化する手法が採用されている。
この造膜助剤を用いる方法として、例えば、親水性の融合剤である沸点80〜270℃のオキシアルキレングリコール誘導体を造膜助剤として用い、最低造膜温度(MFT)を低下させ、常温あるいは更に低温での造膜性を向上させるポリウレタン系エマルジョンコーティング剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、N−メチル−2−ピロリドンに代表される水溶性の有機溶剤を造膜助剤として用い、ポリエステルウレタン系樹脂と混合することで基材との接着性を向上させる金属蒸着用ポリプロピレンフィルム及び金属蒸ポリプロピレンフィルムが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、有機溶剤を使用するこれらの手法は、本質的に人体に対する有害性及び引火等の安全性等の問題を有しており、実質的に有機溶剤を含まず、低温での造膜性に優れるコーティング剤が求められている。またポリプロピレン、ナイロン及びポリエステルフィルムに代表される難接着性のプラスチックフィルムの表面改質を行う場合も、コーティング剤と基材との接着性に優れるコーティング剤の開発が求められてきた。
さらに有機溶剤を造膜助剤として用いると、前記のオフラインコーティングのような、100℃以下の比較的低温での乾燥条件を要求される場合、塗膜に造膜助剤が残留し、表面硬度が低下したり、耐摩耗性や耐ブロッキング性が低下するという問題があり、また造膜助剤は親水性が高いために塗膜を十分に乾燥しないと耐水性の低下を招くという問題があった。
また、耐熱性を保持しつつ接着性を向上させる手法として、ポリウレタン樹脂に接着性改善ポリマーを添加し、水中に分散させて得られるポリウレタン水性分散液が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
この水性分散液においては、接着性改善ポリマーとして80〜130℃の軟化温度を有する樹脂をポリウレタン樹脂に添加することで、接着性及び耐熱性を向上がはかられているが、かかる手法による水性分散液を前記インラインコーティング法に適用した場合、延伸工程での基材追従性が低下し、結果として塗膜欠陥の無い均一皮膜を得ることが困難であった。また、加工温度の低いオフラインコーティング法に適用した場合には、該水性分散液の造膜性が不十分で、結果として塗膜欠陥の無い均一皮膜を得ることが困難であった。
特公平8−22900号公報(第1頁左欄〜第2頁右欄) 特公昭63−14748号公報(第1頁左欄〜第2頁右欄) 特開2000−108262号公報(第2頁左欄請求項1〜第2頁右欄段落「0005」) 特開平5−230364号公報(第1頁左欄〜第2頁右欄)
本発明の目的は、例えば常温など比較的低温で塗工される場合においても、有機溶剤からなる造膜助剤を使用せずとも優れた造膜性を有し、基材とりわけポリエステルフィルムに対する接着性に優れたコーティング層を形成可能な水性コーティング剤を提供することにある。
また、本発明のもう一つの目的は、例えば150℃以上の高温で加工される前記インラインコーティング法においてフィルム延伸工程の途中で塗工されても、さらに継続して実施される延伸工程において、フィルム変形に対する追従性に優れ、割れ(クラック)等が発生することがないコーティング層を形成可能な水性コーティング剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族環式構造を有する水分散性ポリウレタン樹脂と、常温で液状であるポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールとを含有する樹脂粒子が水に分散してなる水分散液、及び水酸基と反応し得る架橋剤を含む水性コーティング剤を使用することで、比較的低温における塗工の際の造膜性を向上させることができ、前記したようなオフラインコーティング法においても良好な造膜性が得られることを見出した。
また、常温で液状であるポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールとして、分子内に芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを使用することにより、特にポリエステルフィルムに対する接着性を向上させることができた。
加えて、かかる手法によりインラインコーティング法において、通常行われるようにフィルム延伸工程の途中でコーティング剤を塗布しても、さらに実施される延伸工程において、形成されたコーティング層はフィルム変形に対する追従性に優れたものであり、割れ(クラック)等が発生することがなく、良好なコーティング層が得られることが判明した。
かかる低温造膜性向上効果は、前記芳香族環式構造を有する水分散性ポリウレタン樹脂が、前記常温で液状である、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールにより可塑化されることに帰因するものと考えられる。しかしながら、前記低温造膜性を向上効果を発現させるのに十分な量の、前記常温で液状である芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール等を、前記水分散液中に含有させると、耐熱性が低下し、耐ブロッキング性が不良になるという問題に直面した。
この問題を解決するために検討を進めた結果、前記常温で液状である芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール等は水分散液中に含有させるものではあるが、あえてそれ単独では水分散性を有さない疎水性を有するものを用いることにより、前記水分散液中に含有させる量が比較的少なくても、良好な低温造膜性及び、耐熱性を損なうこともないことをつきとめた。
前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール等として疎水性を有するものを用いると、前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール等は、水中で安定に存在する前記水分散性ポリウレタン樹脂より形成される分散粒子内に取り込まれ、該水分散性ポリウレタン樹脂の層に包まれる形態で存在するものと考えられ、このことが前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール等の使用量を少量化しても、低温造膜性向上効果等が得られることに影響していると推定される。
また、当初は前記水分散性ポリウレタン樹脂と前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール等の両者を含有する分散粒子を形成させるに際し、両者を化学結合により結合させるほうが、より効果的に低温造膜性を向上させることができるのではないかと考え検討したが、むしろ両者間に化学結合を形成させない方が、より低温造膜性を向上させることができた。
さらには、かかる手法によりポリエステルフィルム等の基材に対する接着性も向上し、前記インラインコーティング法に応用しても、形成されたコーティング層は、フィルム変形に対する追従性が一段と優れたものであり、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、透明性等に優れたものであることを見出すに及んで、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水分散性ポリウレタン樹脂(A)と疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び/又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)とを含有する樹脂粒子が水に分散してなる水分散液(C)と、水酸基と反応し得る架橋剤(D)とからなり、前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)が、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオール(a−1)及びポリイソシアネートを必須成分として反応させて得られ、芳香族環式構造を15〜35重量%含有するものであり、前記疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び/又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)が、常温で液状であり、芳香族環式構造を20〜50重量%含有することを特徴とする水性コーティング剤を提供するものである。
なお、「疎水性」なる技術用語は、一般的にはある物質が水との間の相互作用が弱く、水との親和力が弱い性質をもつことと解されているが、本明細書において「疎水性」というときは、ある物質がそれ単独では、水に分散又は溶解しない性質をもつことを意味する。
また、本明細書において「常温で液状」という場合、25℃で液状である場合を意味する。
本発明の水性コーティング剤は低温での造膜性に優れることから、幅広い温度での加工適性、及びプラスチックフィルムに対し優れた接着性を有し、更に耐ブロッキング性、耐水性、耐溶剤性、透明性等に優れることから、プラスチックフィルムに対するインラインコーティング法及びオフラインコーティング法にて使用されるコーティング剤として好適であり、プライマーコート剤又はアンカーコート剤として、食品包装用フィルム、装飾用材料、金属蒸着フィルムなどの用途、更には塗料、インキ、繊維・皮革の表面処理剤等に幅広く使用可能である。
以下に、発明を実施するための最良の形態について詳述する。
本発明の水性コーティング剤は、
水分散性ポリウレタン樹脂(A)と疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び/又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)とを含有する樹脂粒子が水に分散してなる水分散液(C)と、水酸基と反応し得る架橋剤(D)とからなるものである。
前記樹脂粒子に含有される前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)と疎水性ポリエステルポリオール(B−1)又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)との間には、実質的に化学結合を形成させないほうが、前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)を効果的に可塑化することができ、本発明により奏される低温での造膜性に優れるという効果をより高めることができることから好ましい。
次に、本発明で使用する芳香族環式構造を有する水分散性ポリウレタン樹脂(A)について説明する。
本発明で使用する水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、芳香族環式構造を有するものであって、水分散性を持たせるための親水基として、カルボキシル基又はスルホン酸基やそれらの塩に代表されるアニオン性基を分子内に有するものが好ましい。
かかる水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオール(a−1)及びポリイソシアネートを必須成分として使用し、必要によりその他のポリオールやポリアミン等を鎖伸長剤として使用して、従来公知の方法により反応させて得ることができる。また、後に詳述するが、これらポリエステルポリオール(a−1)、その他のポリオール及びポリアミンのうちの少なくとも一種は、アニオン性基を有するものを使用することにより、得られる水分散性ポリウレタン樹脂(A)にアニオン性基を導入することができる。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)に含まれるアニオン性基の含有量は、水分散性ポリウレタン樹脂(A)を水分散体にしたときの粒子径と強い相関性を有しており、前記アニオン性基の含有量が、水分散性ポリウレタン樹脂(A)に対して、50〜1000mmol/kgの範囲となるように調製することが好ましい。かかる範囲内であれば、耐水性を損なうことなく、分散した樹脂粒子が長期間の保存時においても凝集や沈殿を起こさず安定である、良好な樹脂粒子の分散安定性を得ることができる。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)にアニオン性基を導入する方法としては、公知の手法を採用することができる。
例えば、(i)カルボキシル基又はスルホン酸基やそれらの塩に代表されるアニオン性基を含有するポリオールを必須成分とするポリオール(この場合、アニオン性基を含有するポリオールはポリエステルポリオール(a−1)及び必要により使用するその他のポリオールのいずれであってもよい。)とポリイソシアネートとを反応させてアニオン性基を有する水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する方法、
(ii)前記(i)において、前記ポリオールが有する水酸基に対して、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が過剰となる条件で前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を含有するプレポリマーを製造し、さらに低分子量ポリオールやポリアミン等を反応させて鎖伸長(高分子量化)させることによりアニオン性基を有する水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する方法、
(iii)アニオン性基を有しないポリオール(ポリエステルポリオール(a−1)及び必要によりその他のポリオール。)を使用し、前記ポリオールが有する水酸基に対して、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が過剰となる条件で前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を含有するプレポリマーを製造し、アニオン性基を有する低分子量ポリオールやポリアミンを反応させて鎖伸長(高分子量化)させることによりアニオン性基を有する水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する方法などを採用することができる。
また、水分散性ポリウレタン樹脂(A)がアニオン性基としてカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する場合、それらの一部又は全部を中和することにより、良好な水分散性を付与することができる。その際、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン、更にNa、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の中和剤を使用することができる。中和率としては、好ましくは中和剤/アニオン性基=0.5〜3.0(モル比)、より好ましくは中和剤/アニオン性基=0.9〜2.0(モル比)の範囲で使用することが望まれる。かかる範囲であれば、耐水性を損なうことなく安定した水分散性を付与することができる。
前記(i)又は(ii)の手法において、アニオン性基を含有するポリオールとして使用することができるカルボキシル基を含有するポリオールとして代表的なものを例示すると、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。また、これらカルボキシル基を含有するポリオールと各種ポリカルボン酸とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオールも使用することができる。
また、前記(i)又は(ii)の手法において、アニオン性基を含有するポリオールとして使用することができるスルホン酸基を含有するポリオールとして代表的なものを例示すると、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のジカルボン酸、又はそれらとNa、K、Li、Ca等の金属イオン、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一種とのスルホン酸塩と、各種ポリオールとを反応させて得られる芳香族スルホン酸基又はそれらの塩を含有するポリエステルポリオールが挙げられる。
また、前記アニオン性基を含有するポリオールの他に、エチレンオキサイドの繰り返し単位を少なくとも30重量%以上含有し、更に少なくとも1個以上の活性水素原子含有基を含有する数平均分子量300〜10,000のポリアルキレングリコール等のノニオン基含有ポリオールを併用することができる。ノニオン基含有量としては、水分散性ポリウレタン樹脂(A)全体の10重量%以下となるように調製することが好ましい。かかる範囲内であれば、耐水性を損なうことなく、良好な水分散安定性を得ることができる。
次に水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する際に使用する、前記した芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られるポリエステルポリオール(a−1)について説明する。かかるポリエステルポリオール(a−1)は、公知の各種ジカルボン酸及び各種ポリオールを用いて公知の手法により製造することができる。
前記ポリエステルポリオール(a−1)を製造する際に使用することができる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−P,P’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸やそれらの酸無水物又はエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸やそれらのエステル形成性誘導体、5−スルホイソフタル酸等のスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸やそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、かかる芳香族ジカルボン酸の他に、脂肪族カルボン酸や脂環族カルボン酸を併用することができる。例えばコハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、それらの無水物あるいはエステル形成性誘導体が挙げられる。これらは単独使用でもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリエステルポリオール(a−1)を製造する際に使用可能なポリオールとして、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、あるいはそれらとアルキレンオキサイド付加物などの芳香族環式構造を有するポリオール;
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;また多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等が挙げられる。
また、前記ポリオール及び触媒存在下で、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステルを開環重合させて得られる脂肪族ポリオールも使用することができる。
これらは単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
かかるポリエステルポリオール(a−1)は、水酸基価が10〜350の範囲であることが好ましく、水酸基価が20〜300の範囲であることが特に好ましい。水酸基価がかかる範囲であれば得られるポリウレタン樹脂の凝集力が高くなり、水性コーティング剤で使用した場合の耐溶剤性、耐水性及び耐ブロッキング性が良好となる。
本発明で使用する水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造するには、ポリエステルポリオール(a−1)の中でも、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオールであって、前記ジカルボン酸の全量のうち70〜100モル%が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸であるものを使用することが好ましい。かかるポリエステルポリオールを使用することにより、基材とりわけポリエステルフィルムに対する接着性に優れ、かつ耐ブロッキング性などの耐熱性、耐水性、耐溶剤性、透明性等に優れたコーティング層を形成可能な水性コーティング剤を提供することができる。
本発明で使用する水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する際には、前記したポリエステルポリオール(a−1)以外の、ポリオールも基材接着性、及び耐ブロッキング性を阻害しない範囲で使用することができる。
かかるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられ、これらを単独使用、或いは2種以上を併用しても構わない。特に、広範囲の基材に対する優れた接着性と価格面からポリエステルポリオールを主体として使用することが好ましい。
前記ポリエステルポリオールは、前記したポリエステルポリオール(a−1)を製造する際に使用することができるものとして例示した、脂肪族カルボン酸や脂環族カルボン酸と各種ポリオールを、公知の方法で反応させることにより製造することができる。
この際、水分散性ポリウレタン樹脂(A)の高分子量化を阻害しない範囲で、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール等のモノアルコールを併用しても構わない。
前記したように水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造するにあたって、予め、ポリエステルポリオール(a−1)及び必要によりその他のポリオールと、各種ポリイソシアネートとを、全ポリオールが有する水酸基に対して、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が過剰となる条件で反応させて、予めイソシアネート基を含有するプレポリマーを製造し、これに低分子量ポリオールあるいはポリアミンを反応させて鎖伸長させて高分子量化する方法を採用することもできる。
この際、低分子量ポリオールとしては、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール;
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオールを使用することができ、さらに多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等を併用することもできる。
また、前記ポリアミンとしては、例えばN−(2−スルホエチル)エチレンジアミンの金属塩や2−(β−アミノアルキル−アミノプロピオンアミド)−アルカンスルホン酸塩等のジアミノスルホネート等、また、エチレンジアミン等の脂肪族1級ジアミンと(メタ)アクリル酸等のα−オレフィン系カルボン酸の付加物などのアニオン性基を有するポリアミン;
1,2−ジアミノエタン、1,2−ないしは1,3−ジアミノプロパン、1,2−又は1,3−又は1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−ないしは1,4−ジアミノシクロヘキサン又は1,3−ジアミノプロパン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、更にはヒドラジン、又はアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体、などのアニオン性基を有さないポリアミンを使用することができる。
更に、分子内にアミノ基とアルコール性の水酸基を併有するアミノアルコールも使用することができ、例えば、エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジエチレンアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等も使用することができる。
前記ポリアミンとしては、耐久性を阻害しないためにも官能基数が2以上のものを使用することが好ましく、この場合に官能基数が2以上のポリアミンを単独使用してもよく、あるいは2種類以上を併用し平均官能基数を2以上にして使用してもよい。
前記イソシアネート基を含有するプレポリマーを鎖伸長させて高分子量化する場合、ポリアミンの使用量としては、イソシアネート基に対して、好ましくは1.9当量比以下であり、より好ましくは0.6〜1.0当量比の範囲である。かかる範囲でポリアミンを使用し鎖伸長を行えば、得られる水性コーティング剤の耐久性及び耐光性を優れたものとすることができる。
本発明で使用する水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する際に使用するポリイソシアネートとしては、公知のものを使用することができる。
例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ないしは1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(別名水添MDI)、2−ないしは4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−ないしは1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ないしは1,4−α,α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4−ないしは2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2’−、2,4’−ないしは4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−ないしはm−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどを使用することができる。
これらの中でも、とりわけ機械的強度などの点を考慮する場合は芳香族ジイソシアネートの使用が望ましく、また、とりわけ耐久性や耐光性などの点を考慮する場合は、脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート化合物の使用が望ましい。
前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)を製造する際に使用する有機溶剤としては、水分散時の微粒子形成、及び脱溶剤後の水分散液(C)中に含まれる残留溶剤を除去することを考慮すると、沸点が150℃以下の有機溶剤を使用することが好ましい。
前記沸点が150℃以下の有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。これらを単独または混合して使用することができる。この中で水分散性ポリウレタン樹脂(A)の溶解性の高い溶媒として、特にアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを用いることは好適である。更に水分散性を高める目的で、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール溶剤をポリウレタン樹脂の高分子量化を阻害しない範囲で水分散時に使用しても構わない。
前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)1000g当たりのウレタン結合単位(−NH−COO−)の含有量は、1.0〜4.0モルの範囲であることが好ましい。
また、前記したようにプレポリマーをポリアミンを反応させて鎖伸長させた場合には、尿素結合が生成するが、この場合には、前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)1000g当たりのウレタン結合単位(−NH−COO−)及び尿素結合単位(−NH−CO−NH−)の含有量の合計が、1.0〜4.0モルの範囲であることが好ましい。
かかる範囲であれば、ポリウレタン分子の凝集力が高くなるため得られるコーティング層の硬度が好適となり、耐溶剤性及び耐ブロッキング性などの耐熱性を向上させることができる。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)における芳香族環式構造単位の含有量は、15〜35重量%の範囲が好ましく、さらに20〜30重量%の範囲がより好ましい。かかる範囲であれば、得られる水性コーティング剤は、とりわけポリエステル基材に対する接着性、耐溶剤性、耐水性、及び耐ブロッキング性などの耐熱性に優れたものになる。
また、水分散性ポリウレタン樹脂(A)が有する数平均分子量は、5000〜50000の範囲が好ましく、更に6000〜30000の範囲が最も好ましい。かかる範囲であれば、得られる水性コーティング剤は、耐溶剤性、耐水性、及び耐ブロッキング性などの耐熱性に優れたものになる。
次に、本発明に使用する常温で液状であり、かつ芳香族環式構造単位を20〜50重量%含有する疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)について説明する。
なお、本明細書において疎水性ポリオール(B)という場合は、疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)の両者を意味するものとする。
前記疎水性ポリオール(B)は、常温で液状であることから造膜助剤として作用し、前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)の可塑化を促進し、造膜性の向上が可能となる。かかる効果をより高めるためには、疎水性ポリオール(B)は水分散性ポリウレタン樹脂(A)と実質的に化学結合していないことが好ましい。
また前記疎水性ポリオール(B)は、それ単独では水分散性を有さないが、水中で安定に存在する前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)より形成される分散粒子内に取り込まれ、該水分散性ポリウレタン樹脂の層に包まれる形態で存在するものである。かかる形態をとることによって、前記疎水性ポリオール(B)の使用量を少量化しても、好適な低温造膜性向上効果が得られるものと推定される。
前記疎水性ポリオール(B)が疎水性となり得る親水性基の含有量としては、(1)イオン性基の場合、50mmol/kg以下、(2)繰り返し単位が5以上のエチレンオキシイド[(CHCHO)n;n≧5]構成単位の場合、5重量%以下、の両方の条件を満足することが好ましい。かかる疎水性ポリオール(B)を使用することによって、得られるコーティング層の耐水性も優れたものとなる。
本発明で使用する疎水性ポリエステルポリオール(B−1)は、公知の各種ジカルボン酸及び各種ポリオールを用いて公知の手法により製造することができるが、前記ジカルボン酸及び前記ポリオールの何れかは、芳香族環式構造を有するものを用いる必要がある。
かかる疎水性ポリエステルポリオール(B−1)を製造する際に使用することができる芳香族ジカルボン酸及びそれらと併用することができる脂肪族カルボン酸や脂環族カルボン酸、芳香族環式構造を有するポリオール及びそれらと併用することができる脂肪族ポリオールや脂環族ポリオールとしては、前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)の原料であるポリエステルポリオール(a−1)を製造する際に使用するものとして例示したものを、それぞれ使用することができる。
それらの中でも、前記疎水性ポリエステルポリオール(B−1)としては、使用するジカルボン酸としてはイソフタル酸及びオルソフタル酸から選ばれる少なくとも1種のポリカルボン酸が全ジカルボン酸の60モル%以上、使用するポリオールとしては炭素数2〜8の範囲の脂肪族であることが好ましい。
前記ジカルボン酸として更に好ましくは、前記ジカルボン酸の全量のうち少なくとも60モル%がオルソフタル酸であることが好ましい。かかるジカルボン酸を使用することにより、得られる疎水性ポリエステルポリオール(B−1)が有する結晶性は低いものとなり、本発明に好適な液状のものとなる。
前記ポリオールとして更に好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールが全ポリオールの50モル%以上であることが好ましい。
かかる範囲内であれば、得られる疎水性ポリエステルポリオール(B−1)は、結晶配向性が低く常温で液状のものとなり、水分散性ポリウレタン樹脂(A)をより効果的に可塑化することができることから低温造膜性が向上し、100℃以下の比較的低温にて乾燥が行われるオフライコーティング法に適用される場合において、さらには常温乾燥される場合においても、極めて均一な塗布層を形成することが可能となる。
前記疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)は、各種芳香族環式構造を有するポリオールに、アルキレンオキサイド等の環状エーテル化合物又は環状カーボネート化合物を触媒存在下で開環重合反応により付加させることにより製造することができる。なかでも多核フェノール系化合物とアルキレンオキサイドなど下記するような環状化合物とを触媒の存在下に反応させて得られる多核フェノール系化合物の環状化合物付加物がより好ましく、とりわけ多核フェノール系化合物のプロピレンオキサイド付加物が特に好ましい。
前記多核フェノール系化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールZ、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、4−4’−オキシビスフェノール、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、テルペンジフェノールなどのビスフェノール化合物、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、キシリレンノボラック、ビスフェノールAノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラックなどのノボラックが挙げられ、適宜選択して使用することができる。
前記環状化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル化合物、その他エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物などが挙げられ、適宜選択して使用することができる。
それらの中でも、疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)としては、プロピレンオキサイドに由来する構成単位を含むビスフェノール系化合物のプロピレンオキサイド付加物及びフェノールノボラック系化合物のプロピレンオキサイド付加物は、常温で液状であり好ましい。かかる疎水性ポリエーテルポリオールは、水分散性ポリウレタン樹脂(A)に対する可塑化効果がより大きくなることで低温造膜性が向上し、比較的低温条件で塗工され乾燥される場合においても、極めて均一な塗布層を形成することが可能となる。
またこの場合、前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)との相溶性の観点から、前記芳香族環式構造を有するポリオール1モルに対して、2〜60モルのプロピレンオキサイドを付加させたものが好ましく、さらに芳香族環式構造を有するポリオール1モルに対して、2.5〜30モルのプロピレンオキサイドを付加させたものがより好ましい。
また、前記疎水性ポリオール(B)は200〜4000の範囲の数平均分子量を有することが好ましく、250〜2000の範囲の数平均分子量を有することがより好ましい。かかる範囲内であれば、疎水性ポリオール(B)の常温での粘度が低くなり、水分散性ポリウレタン樹脂(A)に対する可塑化効果がより大きくなることで低温造膜性を向上させることができる。
また、前記疎水性ポリオール(B)が有する水酸基価は、20〜500の範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜400の範囲内である。前記疎水性ポリオール(B)が有する水酸基価と数平均分子量が前記範囲であれば、水酸基と反応し得る架橋剤(D)との反応性が好適となり、低温造膜性を阻害することなく架橋反応が進行するため、高温で加工される前記インラインコーティング法においてフィルム延伸工程の途中で塗工されても、さらに継続して実施される延伸工程において、フィルム変形に対する追従性に優れ、割れ(クラック)等が発生することがなく、架橋反応終了後は強靱なコーティング層の形成が可能となり、耐溶剤性、耐水性及び耐ブロッキング性などの耐熱性を向上させることができる。
疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)は、それぞれ単独使用、あるいは併用しても構わない。中でも、ポリエステル基材への接着性と耐ブロッキング性を考慮すれば、疎水性ポリエステルポリオール(B−1)が好ましい。
また、前記疎水性ポリオール(B)における芳香族環式構造単位の含有量は、20〜50重量%の範囲が好ましく、更に25〜40重量%の範囲が最も好ましい。
かかる範囲であれば、架橋後に得られる塗膜は、とりわけポリエステル基材に対する接着性、耐溶剤性、耐水性、及び耐ブロッキング性などの耐熱性に優れたものになる。
次に、本発明で使用する前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)と前記疎水性ポリオール(B)とを含有する樹脂粒子が水に分散してなる水分散液(C)の製造方法について説明する。
かかる水分散液(C)は、例えば、下記の(i)あるいは(ii)に示す手法など、公知の種々の手法を組み合わせて製造することができる。
(i)水分散性ポリウレタン樹脂(A)と疎水性ポリオール(B)とを均一に混合した後、中和を行い、水を該混合物中に加え乳化分散させ、必要に応じて脱溶剤することにより水分散液(C)を得ることができる。
(ii)分子内に活性水素原子含有基を含まない有機溶剤中で、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃の条件下で、ポリエステルポリオール(a−1)及び必要によりその他のポリオールとポリイソシアネートとをイソシアネート基と水酸基との当量比が、好ましくはイソシアネート基/水酸基=(1〜3)/1、より好ましくは(1〜2)/1の範囲で、ワンショット法或いは多段法により、イソシアネート基が残存するプレポリマーを製造する。
この際、ポリオールとしてカルボキシル基又はスルホン酸基を有するポリオールを使用することでアニオン性基を有するプレポリマーを得ることができる。この場合、カルボキシル基又はスルホン酸基を有するポリオールはポリエステルポリオール(a−1)及び必要により使用するその他のポリオールのいずれであってもよい。
得られたプレポリマーと、前記疎水性ポリオール(B)を混合して均一に溶融する。この際、前記プレポリマーが有するイソシアネート基と前記疎水性ポリオール(B)が有する水酸基が反応しないように60℃以下に保つことが重要である。
次いで該混合物を中和した後、水を該混合物中に滴下または分割投入することにより乳化分散を行う。この際、水との副反応を抑制するために60℃以下で乳化を行うことが重要である。
次いで得られたイソシアネート基が残存する水分散液中に、低分子量ポリオール又はポリアミンを含む水溶液を加えて鎖伸長(高分子量化)させることにより目的とする水分散液(C)が得られる。また、得られた水分散液を必要に応じて脱溶剤することで、より有害性の少ない水性分散液(C)を得ることができる。
本発明で使用する水分散性ポリウレタン樹脂(A)と疎水性ポリオール(B)との混合割合は、重量比で(A)/(B)=95/5〜50/50であることが好ましく、90/10〜70/30であることが特に好ましい。かかる範囲内であれば、水分散性を損なうことなく安定な粒子形成が可能となる。さらに、水分散性ポリウレタン樹脂(A)は疎水性ポリオール(B)によって適度に可塑化され、得られる水性コーティング剤の低温造膜性及び基材追従性は優れたものとなることから、インラインコーティング法及びオフラインコーティング法の何れに適用しても、塗膜欠陥を生じることなく良好なコーティング層を形成することが可能となる。
次に本発明で使用する、水酸基と反応し得る架橋剤(D)について説明する。
当該架橋剤(D)は、本発明の水性コーティング剤を用いて形成されるコーティング層の、耐ブロッキング性などの耐熱性、耐湿熱性、耐溶剤性を向上させるために使用するものである。かかる架橋剤(D)としては、例えばアミノ樹脂、ポリイソシアネート等を使用することができる。前記ポリイソシアネートとしては、分子中にポリオキシエチレン、カルボキシル基などの親水性基を有するもので、水溶性又は水分散性を有するものが好ましい。
これらの架橋剤(D)は、本発明で使用する水分散液(C)と混合すると、常温で経時的に疎水性ポリエステルポリオール(B−1)や、場合により水分散性ポリウレタン樹脂(A)と反応し、また架橋剤(D)自身も自己縮合することから、前記水分散液(C)と混合して長時間保存することは好ましくない。したがって、使用する架橋剤(D)の種類によってポットライフは異なるが、基材に塗布する直前に架橋剤(D)と水分散液(C)とを公知の手法により混合して本発明の水性コーティング剤を調製することが好ましく、とりわけ架橋剤(D)としてポリイソシアネートを使用する場合には、前記水分散液(C)と混合した後はなるだけ早く使用する方が望ましい。
前記架橋剤(D)の添加量は、本発明の水分散性ポリウレタン樹脂(A)及び疎水性ポリオール(B)対して、1〜20重量%の添加が好ましく、更に3〜10重量%の添加がより好ましい。かかる範囲であれば、基材への接着性及び追従性を阻害することなく、形成されるコーティング層の、耐ブロッキング性など耐熱性、耐湿熱性、耐溶剤性を向上させることが可能となる。
また前記の架橋剤(D)は2種類以上を併用することができ、さらに硬化促進剤を用いることもできる。また、エポキシ化合物、カルボジイミド、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等の架橋剤も併用することができる。
本発明の水性コーティング剤には、基材接着性及び低温造膜性を阻害しない範囲で、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、SBRラッテクス樹脂等を含ませることができる。これらの樹脂はコーティング剤中に固形分重量比で30%以下であることが好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
本発明の水性コーティング剤には、更に必要に応じて耐ブロッキング性あるいは耐滑り性を改良するための無機系微粒子(コロイダルシリカ)、濡れ性を改良するためのエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アニオン系、ノニオン系の炭化水素系あるいはフッ素系の界面活性剤、アセチレングリコール系のレベリング剤「サーフィノール」(エアープロダクツ社製)、あるいはBYK−348、346、345、341(BYK−Chemie GmbH製)に代表されるポリアルキレングリコール変性ポリシロキサンを含有させることができる。これらのうち、濡れ性を改良するためには、アセチレングリコール系レベリング剤が好ましい。また、帯電防止剤等の助剤を配合することもできる。
本発明の水性コーティング剤は、任意の樹脂濃度に調整した後、例えばグラビアコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法等の従来公知の塗工方法により、基材上に塗布することができる。
この際、樹脂の濃度は、0.1〜40重量%に調整するのが好ましい。
この際のコーティング層の厚みは、0.01〜100μmの範囲が好ましく、0.05〜50μmの範囲であることが好ましい。かかる範囲内であれば基材の特徴を阻害することなく基材表面の改質が可能となる。
本発明の水性コーティング剤は、繊維製品、合成皮革、人工皮革、天然皮革、金属(アルミ、鉄、銅)、ゴム、ガラス、紙、木材等との接着性に優れ、その乾燥皮膜は耐水性、耐ブロッキング性にも優れることから、繊維や皮革基材の処理剤、水性コーティング剤等の分野に利用可能であり極めて有用である。
更に、本発明の水性コーティング剤は、プラスチックに塗布しても前記の諸性能を発揮することができる。プラスチックとしては、プラスチックフィルムとして予め二軸延伸されたプラスチックフィルムを用いることができるが、本発明の効果を更に高めるために、プラスチックフィルムの二軸延伸工程中、すなわち二軸延伸処理が完結する前に塗布するのが最も好ましい。
本発明の水性コーティング剤を塗布するのに好適なプラスチックとしては、例えば塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド系樹脂(ナイロン)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルアルコール重合体、エチレン・ビニルアルコール系共重合体などが挙げられ、特にポリエステル樹脂及びポリアミド系樹脂が好適である。
前記ポリエステル樹脂としては、ポリアルキレンテレフタレートを主成分とした例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、シート、成型物が挙げられ、またこれらに他の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を共重合したもの、或いはそれらの混合物のフィルム、シート、成型物等も含まれる。
また前記ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6(ポリカプラミド)、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ナイロン610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイロン11(ポリウンデカナミド)、ナイロン12(ポリラウラミド)、メタキシリレンジアミン系ナイロン及びこれらの共重合物、変性物、及び混合物のフィルム、シート、成型物等も含まれる。
本発明の水性コーティング剤は、プラスチックフィルムの表面改質剤として好適に用いることができるが、特にプラスチックフィルム表面の易接着性の向上を目的としたプライマーコート剤、アンカーコート剤としての使用が好ましい。
また、本発明の水性コーティング剤は、表面処理を行っていないプラスチックに対しても有効な水性プライマーコート剤及び水性アンカーコート剤となり得るものであるが、さらに効果を高めるためには、プラスチックとして予めコロナ処理、アルカリ処理等の物理的及び化学的処理されたものを用いることが好ましい。
本発明の水性コーティング剤は、幅広い温度での加工適性、及び高い基材接着性を有し、更に耐ブロッキング性、耐水性、耐溶剤性等に優れることから、インライン加工だけでなく、オフライン加工にも対応可能となり、食品軽包装用フィルム、ガスバリアー性フィルム、金属蒸着フィルム等の幅広い用途にて用いることができる。
以下、本発明を実施例により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、「部」及び「%」は特に断りのない限り、全て重量基準であるものとする。なお、諸特性の評価方法については以下の通りである。
〔水性コーティング剤A、Bの調整〕
後述する実施例及び比較例で得られた水分散液100部を水100部を用いて希釈した水溶液に、アクアネート100(日本ポリウレタン工業(株)製 ポリエチレングリコール側鎖を有するヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体)2部を加えたものを均一に分散するように十分攪拌したものを水性コーティング剤Aとした。
また、実施例及び比較例で得られた水分散液100部を水100部を用いて希釈した水溶液に、ベッカミンAPM(大日本インキ化学工業(株)製 トリメチロールメラミン樹脂)5部を加えたものを均一に分散するように十分攪拌したものを水性コーティング剤Bとした。
〔造膜性の評価方法〕
前記のように調整した水性コーティング剤Bを、直径65mmの金属シャーレ上に1g採取し、次いで水4gを加え均一に希釈した試料を、温度5℃又は20℃で相対湿度50%の条件下で24時間乾燥させることで皮膜を作成し、得られた皮膜の表面状態を目視にて観測し、下記の3段階評価で表す。
○;均一な皮膜を形成した。
△;皮膜化するが皮膜に割れが発生した。
×;皮膜化せずに粉状になった。
〔コーティングフィルムの作成〕
基材フィルム上(PET;12μm、OPP;15μm)に乾燥時の膜厚が約0.3μmとなるように、前記のように調整した水性コーティング剤を塗布し、下記条件にて、熱処理及び養生を行い表面処理フィルムを得た。
水性コーティング剤A;80℃で60秒間熱処理を行い、その後23℃、相対湿度65%にて2日間養生した。
水性コーティング剤B;150℃で5分間熱処理を行い、その後23℃、相対湿度65%にて2日間養生した。
〔基材に対する接着性<セロハン粘着テープ剥離試験>〕
前記で得られた表面処理フィルム(PET、OPP)をニチバン(株)製の24mm幅の粘着テープによる剥離試験を行い、結果を5段階で評価した。
1・・・密着力は非常に弱く、完全に剥離する。
2・・・50%以上剥離する。
3・・・10〜50%剥離する。
4・・・密着力はかなり強く、10%未満しか剥離しない。
5・・・密着力は非常に強く、全く剥離しない。
〔基材追従性試験〕
前記水性コーティング剤Bを用いて得られた表面処理OPPフィルムを、室温にて手で引き延ばしコーティング層の表面状態を観測し、結果を3段階で評価した。
○・・・全くクラックが発生しない。
△・・・クラックが僅かに発生するが、コーティング層の剥離はなし。
×・・・クラックが発生し、コーティング層がフィルムから完全に剥離する。
〔耐ブロッキング性〕
前記水性コーティング剤Bを用いて得られた表面処理フィルムの処理面同士を貼り合わせ、100g/cmの荷重をかけて40℃、65%RHなる雰囲気中に24時間放置した後、該フィルムを剥がした時の粘着性を、次の3段階で評価した。
○・・・全く粘着性が無く、造作なく剥離できる
△・・・粘着性は多少あるが、塗布面には変化がない
×・・・何れかの塗布面に粘着による表面欠陥が生じている
〔耐溶剤性〕
前記水性コーティング剤Bを用いて得られた表面処理PETフィルムの塗布層を酢酸エチルをしみ込ませた綿棒にてラビングを行い、塗布層が脱落して基材層が現れるまでのラビングした回数を、5段階評価した。
1・・・10回未満
2・・・10回以上20回未満
3・・・20回以上30回未満
4・・・30回以上40回未満
5・・・50回以上
〔耐水性〕
前記水性コーティング剤Bを用いて得られた表面処理PETフィルムを40℃の温水に24時間浸漬した後、セロファン粘着テープによる剥離試験を行った。
〔インキに対する接着性〕
前記水性コーティング剤Bを用いて得られた表面処理PETフィルム上に下記組成で調製したグラビアインキを、乾燥時の膜厚が約10μmとなるように、バーコーターで塗布して80℃で乾燥せしめ、更に60℃で1日エージングした後、セロファン粘着テープによる剥離試験を行った結果を、5段階で評価した。
1・・・密着力は非常に弱く、完全に剥離する。
2・・・50%以上剥離する。
3・・・10〜50%剥離する。
4・・・密着力はかなり強く、10%未満しか剥離しない。
5・・・密着力は非常に強く、全く剥離しない。
評価に用いたグラビアインキ
・「CLS−709白」(大日本インキ化学工業(株)製セロファン印刷用グラビアインキ);50部
・トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケトン=1/1/1(重量比)からなる混合溶剤;100部
<水分散性ポリウレタン樹脂(A)を調製するためのポリエステルポリオールの調製>
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、テレフタル酸830部、イソフタル酸830部、エチレングリコール374部、ネオペンチルグリコール598部及びジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み180〜230℃で酸価が1以下になるまで230℃で15時間重縮合反応を行い、水酸基価74.5、酸価0.2のポリエステルポリオールP−1を得た。
表1に示した組成に従い、前記と同様の手順にて、ポリエステルポリオールP−3を得た。
また、温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、テレフタル酸664部、イソフタル酸631部、1,4−ブタンジオール472部、ネオペンチルグリコール447部及びジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み180〜230℃で5時間エステル化した後、酸価が1以下になるまで230℃で6時間重縮合反応を行った。次いで120℃まで冷却し、アジピン酸321部、2,2’−ジメチロールプロピオン酸268部を加え、再び170℃に昇温しこの温度で20時間反応させ、酸価46.5、水酸基価59.8のカルボキシル基を含有するポリエステルポリオールP−2を得た。(表1参照)
Figure 2005154721
<疎水性ポリエステルポリオールの調製>
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、オルソフタル酸1660部、ジエチレングリコール1637部及びジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み180〜230℃で酸価が1以下になるまで230℃で15時間重縮合反応を行い、水酸基価190、酸価0.3の芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールQ−1を得た。
表2に示した組成に従い、前記と同様の手順にて、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールQ−3、Q−4、及びポリエステルポリオールQ−2を得た。
<疎水性ポリエーテルポリオールの調製>
また、1モルのビスフェノールAに対し、2.8モルのプロピレンオキサイドを付加させた液状の化合物を、ポリエーテルポリオールRとした。このポリエーテルポリオールRの水酸基価は282、芳香族環式構造単位の含有量は39.9%であった。
Figure 2005154721
実施例1
ポリエステルポリオールP−1の1000部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン907部を加え十分に攪拌し溶解させ、2,2’−ジメチロールプロピオン酸80部を加え、次いでイソホロンジイソシアネート281部を加えて75℃で8時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。
イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却し、前記ポリエステルポリオールQ−1を340部を加えて均一溶液とした後、トリエチルアミン60部加えて中和した後、水7000部を加えて水溶化した。
得られた透明な反応生成物を減圧下、40〜60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行い不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、基材に対する接着性、基材追従性、耐ブロッキング性、耐溶剤性、耐水性、インキ接着性の何れも良好な物性が得られた。<表3−1>
実施例2
表3−1に示した如く、実施例1のポリエステルポリオールQ−1の代わりにポリエーテルポリオールHを340部使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−1に示した如く、何れも良好な物性が得られた。
実施例3
ポリエステルポリオールP−2の1000部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン812部を加え十分攪拌溶解し、1,4−ブタンジオール20部を加え、次いでジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)198部を加えて75℃で8時間反応させた。
イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却し、ポリエステルポリオールQ−1を135部を加えた後、トリエチルアミン84部加えて中和した後、水7000部を加えて水溶化した。
得られた透明な反応生成物を減圧下、40〜60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行い不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−1に示した如く、何れも良好な物性が得られた。
実施例4
表3−1に示した如く、実施例1のポリエステルポリオールQ−1の代わりにポリエステルポリオールQ−3を151部使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−1に示した如く、何れも良好な物性が得られた。
実施例5
表3−1に示した如く、実施例1のポリエステルポリオールQ−1の代わりにポリエステルポリオールQ−3を583部使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−1に示した如く、何れも良好な物性が得られた。
比較例1
ポリエステルポリオールP−3の1000部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン897部を加え十分攪拌溶解し、2,2’−ジメチロールプロピオン酸80部を加え、次いでイソホロンジイソシアネート244部を加えて75℃で8時間反応させた。
イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却し、ポリエステルポリオールQ−1を70部加えた後、トリエチルアミン53部加えて中和した後、水7000部を加えて水溶化した。
得られた透明な反応生成物を減圧下、40〜60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行い不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−2に示した如く、基材接着性、耐ブロッキング性、耐溶剤性等が十分ではなかった。
比較例2
表3−2に示した如く、実施例1のポリエステルポリオールQ−1を使用しない以外は実施例1と同様の操作を行い、不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−2に示した如く造膜性が低く、OPP接着性、及び基材追従性が十分ではなかった。
比較例3
表3−2に示した如く、実施例1のポリエステルポリオールQ−1の代わりにポリエステルポリオールQ−2を使用する以外は実施例1と同様の操作を行ったが、ポリウレタン樹脂とポリエステルポリオールQ−2との相溶性が悪く、安定な水分散体を得ることができなかった。
比較例4
表3−2に示した如く、実施例1のポリエステルポリオールQ−1の代わりにポリエステルポリオールQ−4を使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−2に示した如く、ポリエステルポリオールQ−4が常温で固体であるがために、コーティング剤の造膜性が低く、OPP基材への接着性と基材追従性が十分ではなかった。
比較例5
ポリエステルポリオールP−1の800部とポリエステルポリオールQ−1200部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン977部を加え十分攪拌溶解して後、2,2’−ジメチロールプロピオン酸80部を加え、次いでジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)385部を加えて75℃で8時間反応させた。
イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン60部加えて中和した後、水7000部を加えて水溶化した。得られた透明な反応生成物を減圧下、40〜60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行い不揮発分20%の安定な透明コロイド状の水分散液を得た。
得られた水分散液を用いて、前記した手法により水性コーティング剤A、Bを作成した後、各種評価を行ったところ、表3−2に示した如く、疎水性ポリオール(B)による可塑化効果がないため、造膜性及び基材追従性が十分ではなかった。
Figure 2005154721
注1)水添MDI;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
Figure 2005154721


Claims (7)

  1. 水分散性ポリウレタン樹脂(A)と疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び/又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)とを含有する樹脂粒子が水に分散してなる水分散液(C)と、水酸基と反応し得る架橋剤(D)とからなり、
    前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)が、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオール(a−1)及びポリイソシアネートを必須成分として反応させて得られ、芳香族環式構造単位を15〜35重量%含有するものであり、
    前記疎水性ポリエステルポリオール(B−1)及び/又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)が、常温で液状であり、芳香族環式構造単位を20〜50重量%含有することを特徴とする水性コーティング剤。
  2. 前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)1000g当たりのウレタン結合単位及び尿素結合単位の含有量の合計が1.0〜4.0モルの範囲である、請求項1に記載の水性コーティング剤。
  3. 前記疎水性ポリエステルポリオール(B−1)が、ジカルボン酸と炭素数2〜8の範囲の脂肪族ジオールとを縮合させて得られ、前記ジカルボン酸の全量のうち少なくとも60モル%がオルソフタル酸である、請求項1に記載の水性コーティング剤。
  4. 前記疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)が、多核フェノール系化合物のプロピレンオキサイド付加物である、請求項1に記載の水性コーティング剤。
  5. 前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)が、ジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオール(a−1)及びポリイソシアネートを必須成分として反応させて得られ、前記ジカルボン酸の全量のうち70〜100モル%が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸である、請求項1に記載の水性コーティング剤。
  6. 前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)と、前記疎水性ポリエステルポリオール(B−1)又は疎水性ポリエーテルポリオール(B−2)とが実質的に化学結合していない請求項1に記載の水性コーティング剤。
  7. 前記架橋剤(D)が、アミノ樹脂及びポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の水性コーティング剤。


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