JP2005154322A - ザクロ果皮抽出物 - Google Patents
ザクロ果皮抽出物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005154322A JP2005154322A JP2003393452A JP2003393452A JP2005154322A JP 2005154322 A JP2005154322 A JP 2005154322A JP 2003393452 A JP2003393452 A JP 2003393452A JP 2003393452 A JP2003393452 A JP 2003393452A JP 2005154322 A JP2005154322 A JP 2005154322A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pomegranate
- pomegranate peel
- extract
- present
- ion exchange
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Abstract
【課題】 ザクロ果皮から特別な操作を施すことなく、毒性のある塩基性物質を含まない、種々の作用を有するザクロ果皮抽出物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ザクロ果皮を水及び/又は有機溶媒に浸漬して得られる抽出液をイオン交換樹脂により塩基性物質を選択的に除去してザクロ果皮抽出物を得る。
【解決手段】 ザクロ果皮を水及び/又は有機溶媒に浸漬して得られる抽出液をイオン交換樹脂により塩基性物質を選択的に除去してザクロ果皮抽出物を得る。
Description
本発明は、食品中脂質の酸化を抑制及び生物の酸化的障害を保護する抗酸化作用、炭酸脱水酵素阻害作用、抗炎症作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、コラゲナーゼ阻害作用並びに有害微生物の増殖による異臭・悪臭に対し優れた抗菌・消臭作用を有するザクロ果皮抽出物に関する。
生理作用に関しては以下のような例が開示されているが、いずれも塩基性物質に関しての言及は見当たらない。例えば、抗炎症作用(特開平5−310745)、抗酸化作用(特開平5−320037)、活性酸素抑制作用(特開平5−310063)、ヒアルロニダーゼ阻害作用(特開平6−9371)、コラゲナーゼ阻害作用(特開平7−196526)などが挙げられるが全て塩基性物質についての記載が全くない。
ザクロ(学名Punica granatum L.)の根皮や樹皮にはペレチエリンというアルカロイドの塩基性物質が含まれており、毒性が比較的大きいことが中薬大辞典(1456頁、小学館)に記載されているが、果皮については塩基性物質の存在の記載はなく、ペレチエリンの毒性はウサギ静脈内投与における致死量が40mg/kgと比較的高いものであることがTHE MERCK INDEX(11th、7015、MERCK)に収載されている。しかしながら、同一植物体なので存在の可能性を否定できないので、ザクロ果皮抽出物についてドラーゲンドルフ試液及びヨウ化白金酸試液による試験を行なった結果、呈色する塩基性物質が含まれており、アルカロイドの存在が示唆された。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、特別な操作を施すことなく、毒性のある塩基性物質を含まない、種々の作用を有するザクロ果皮抽出物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、イオン交換樹脂を利用して塩基性物質を除去することにより本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、ザクロ果皮を水及び/又は有機溶媒で抽出し,塩基性物質を除去してなるザクロ果皮抽出物及びその製造法に関する。
本発明で言うザクロ(セキリュウ、石榴とも呼ばれ、学名Punica granatum L.、英名Pomegranate)は、ザクロ科の植物で原産地の中近東だけでなく亜熱帯地方で広く栽培され、果皮は下痢止め、駆虫に利用されている。使用する果皮は、乾燥及び未乾燥(生)のいずれでも好適であり、そのままでもよく、裁断機や破砕機で破砕してもよく、粉砕機で粉砕してもよい。
本発明において抽出に用いる溶媒は、水及び有機溶媒であり、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、ヘキサン、ベンゼンなどの炭化水素類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸、氷酢酸、プロピオン酸などの常温で液体の有機酸などであり、単一又は混合して用いる。その使用量は、ザクロ果皮1部に対し1〜50部である。1部以下では析出物の収量が低くなり、50部以上では溶媒留去に時間がかかるので好ましくない。
本発明で塩基性物質を除去するために使用するイオン交換樹脂とは、H形酸性イオン交換樹脂を指し、強酸性型のスルフォン酸樹脂が好適である。その使用量は、ザクロ果皮1部に対し0.01〜5部の範囲であり、好ましくは0.05〜2部である。0.01部以下では効果を奏することができず、5部以上は不必要で不経済である。
本発明のザクロ果皮抽出物は次のようにして製造することができる。
ザクロ果実1部(重量)に前記溶媒1〜50部を加えて常温でときどきかき混ぜながら、必要ならば加温して成分を溶出させ、濾過して不溶物を除去し、濾液をイオン交換樹脂カラムに通すか(カラム法)、或いは濾液にイオン交換樹脂を添加(バッチ法)して塩基性物質を吸着させた後、常圧又は減圧濃縮により溶媒を留去するか、又は凍結乾燥することによりザクロ果皮抽出物を得ることができる。
ザクロ果実1部(重量)に前記溶媒1〜50部を加えて常温でときどきかき混ぜながら、必要ならば加温して成分を溶出させ、濾過して不溶物を除去し、濾液をイオン交換樹脂カラムに通すか(カラム法)、或いは濾液にイオン交換樹脂を添加(バッチ法)して塩基性物質を吸着させた後、常圧又は減圧濃縮により溶媒を留去するか、又は凍結乾燥することによりザクロ果皮抽出物を得ることができる。
必要ならば、濾液にゼラチン、卵白(乾燥卵白)、アルブミン、カゼイン、グルテンなどの蛋白を添加してタンニンを除去することができる。更に必要ならば本抽出物をシリカゲル及び逆相カラムクロマトグラフ法により精製することができる。
本発明で言う加温処理とは、浸漬液を室温以上の温度にすることであり、好ましくは40℃より高い温度で浸漬する操作(工程)を意味する。
本発明によると、有害な塩基性物質を除去したザクロ果皮抽出物は、安全性の心配がなくなり、安心して食品やペット用品に利用することができて利用範囲が広くなり、食品だけでなく化粧品、衣類、衛生品等、種々の分野への利用が可能となる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1
細断した乾燥ザクロ果皮100gに水1kgを加えて3時間加熱還流した後、濾過した。濾液をH形強酸性イオン交換樹脂(Dowex 50W×8、50g)カラムに通した。通過液を減圧濃縮、凍結乾燥して粉末状の本発明ザクロ果皮抽出物47.3gを得た。
実施例1
細断した乾燥ザクロ果皮100gに水1kgを加えて3時間加熱還流した後、濾過した。濾液をH形強酸性イオン交換樹脂(Dowex 50W×8、50g)カラムに通した。通過液を減圧濃縮、凍結乾燥して粉末状の本発明ザクロ果皮抽出物47.3gを得た。
H形強酸性イオン交換樹脂を水洗した後、1M塩酸340mlを流した。流出液を減圧濃縮乾固した後、メタノール100mlを加えて溶かし、濾過した。濾液を減圧濃縮乾固してシロップ状の塩基性物質3.2gを得た。
本発明ザクロ果皮抽出物及び本塩基性物質の薄層クロマトグラフィー(TLC;展開液:n‐ブタノール/氷酢酸/水=3/1/1)を行い、ドラーゲンドルフ試液を噴霧したとき、本塩基性物質はRf値0.4付近に黄色の発色スポットを示した。
実施例2
細断したザクロ果皮365gに50%エタノール900gに室温で7日間浸漬した後、濾過した。濾液を減圧濃縮してエタノールを留去後、H形強酸性イオン交換樹脂(Dowex 50W×8、35g)カラムに通した。通過液を減圧濃縮乾固して飴状の本発明ザクロ果皮抽出物22.4gを得た。
細断したザクロ果皮365gに50%エタノール900gに室温で7日間浸漬した後、濾過した。濾液を減圧濃縮してエタノールを留去後、H形強酸性イオン交換樹脂(Dowex 50W×8、35g)カラムに通した。通過液を減圧濃縮乾固して飴状の本発明ザクロ果皮抽出物22.4gを得た。
実施例3
細断した乾燥ザクロ果皮200gを水3kgに60℃で3時間浸漬した後、濾過した。濾液にH形強酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR120BHAG)60gを添加して30分間攪拌後、濾過し、濾液にゼラチン40gを含む水溶液840gを加えて遠心した。上清を減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥して粉末状の本発明ザクロ果皮抽出物35.8gを得た。
細断した乾燥ザクロ果皮200gを水3kgに60℃で3時間浸漬した後、濾過した。濾液にH形強酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR120BHAG)60gを添加して30分間攪拌後、濾過し、濾液にゼラチン40gを含む水溶液840gを加えて遠心した。上清を減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥して粉末状の本発明ザクロ果皮抽出物35.8gを得た。
実施例4
細断した乾燥ザクロ果皮350gを水4kgに80℃で3時間浸漬した後、濾過した。濾液にゼラチン160gを含む水溶液1.3kgを加えて遠心した。上清にH形強酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR120BHAG)70gを添加して30分間攪拌後、濾過し、濾液を1M水酸化ナトリウムで中和した。中和液にデキストリン35gを溶解した後、減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥して粉末状の本発明ザクロ果皮抽出物100.8gを得た。
細断した乾燥ザクロ果皮350gを水4kgに80℃で3時間浸漬した後、濾過した。濾液にゼラチン160gを含む水溶液1.3kgを加えて遠心した。上清にH形強酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR120BHAG)70gを添加して30分間攪拌後、濾過し、濾液を1M水酸化ナトリウムで中和した。中和液にデキストリン35gを溶解した後、減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥して粉末状の本発明ザクロ果皮抽出物100.8gを得た。
各実施例で得られたザクロ果皮抽出物の最小発育阻止濃度は、枯草菌が0.01〜0.1%、大腸菌が0.1〜0.3%、ミュータンス菌が0.01〜0.05%であり、抗菌効果を示した。
Claims (2)
- ザクロ果皮を水及び/又は有機溶媒で抽出し,塩基性物質を除去してなるザクロ果皮抽出物。
- ザクロ果皮を水及び/又は有機溶媒に浸漬して得られる抽出液をイオン交換樹脂により塩基性物質を選択的に除去することを特徴とするザクロ果皮抽出物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393452A JP2005154322A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | ザクロ果皮抽出物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393452A JP2005154322A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | ザクロ果皮抽出物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005154322A true JP2005154322A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34719807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003393452A Pending JP2005154322A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | ザクロ果皮抽出物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005154322A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008074761A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Naris Cosmetics Co Ltd | 化粧料 |
NL2000887C2 (nl) * | 2007-09-28 | 2009-04-15 | Hafed Ben Soltana Seghari | Werkwijze voor de bereiding van kaas waarbij gebruik gemaakt wordt van granaatappel voor de korstvorming. |
JP2013538805A (ja) * | 2010-08-15 | 2013-10-17 | ガニール、(1992)、リミテッド | 植物生産物及び作物を保護するための天然成分を含む組成物 |
ES2458715A1 (es) * | 2012-11-02 | 2014-05-06 | Vitalgrana Pomegranate, Sl | Método para el aprovechamiento de la corteza de granada |
-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003393452A patent/JP2005154322A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008074761A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Naris Cosmetics Co Ltd | 化粧料 |
NL2000887C2 (nl) * | 2007-09-28 | 2009-04-15 | Hafed Ben Soltana Seghari | Werkwijze voor de bereiding van kaas waarbij gebruik gemaakt wordt van granaatappel voor de korstvorming. |
BE1018300A5 (nl) * | 2007-09-28 | 2010-08-03 | Hafed Ben Soltana Seghari | Werkwijze voor de bereiding van kaas waarbij gebruik gemaakt wordt van granaatappel voor de kortstvorming. |
JP2013538805A (ja) * | 2010-08-15 | 2013-10-17 | ガニール、(1992)、リミテッド | 植物生産物及び作物を保護するための天然成分を含む組成物 |
ES2458715A1 (es) * | 2012-11-02 | 2014-05-06 | Vitalgrana Pomegranate, Sl | Método para el aprovechamiento de la corteza de granada |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106916133B (zh) | 一种具有抑制ptp1b活性的间苯三酚衍生物及其制备方法、应用 | |
WO2008142178A1 (es) | Procedimiento para la obtención de extractos con alto contenido en hidroxitirosol a partir de subproductos de la oliva | |
EP0810222B1 (fr) | Procédé d'extraction de polyphénols catéchiques à partir de potentilles, extrait obtenu et son utilisation | |
JPWO2011004733A1 (ja) | 酸化タンパク質分解酵素活性増強化剤 | |
JP2011148715A (ja) | タンパク質のカルボニル化抑制剤及び肌の透明感向上剤 | |
CA2614360C (en) | Salix extract, its use and formulations containing it | |
KR20150119336A (ko) | 산화 단백질 분해효소 활성 증강화제 | |
JP3610358B2 (ja) | 抗酸化剤 | |
JP2006225270A (ja) | 性ホルモン修飾作用を有するトリペプチド又はそれを含有する抽出物、エイコサペンタエン酸を結合してなるトリペプチド、それからなる食品製剤、化粧品製剤、子宮内膜症治療剤 | |
RU2441661C1 (ru) | Способ переработки панциря морских ежей | |
JP2005154322A (ja) | ザクロ果皮抽出物 | |
JP2009155259A (ja) | カシューアップルの用途 | |
JPH07223940A (ja) | 活性酸素消去剤及びこれを含有する組成物 | |
JPH10265403A (ja) | チロシナーゼ活性阻害剤 | |
JP2013048564A (ja) | プラセンタエキスの抽出方法および栄養補給サプリメント | |
DE2243777A1 (de) | Dihydrochinolinderivate, ihre verwendung und verfahren zur herstellung derselben | |
JP2021113173A (ja) | インターロイキン37発現促進剤 | |
JPH03227985A (ja) | イチョウ葉からフラボノイドを高含有する抽出物の簡易な製造法 | |
WO2017169311A1 (ja) | ネポジン高含有ギシギシ抽出物の製造方法及びネポジン高含有ギシギシ抽出物 | |
JP7423780B2 (ja) | 精製サラシア属植物抽出物の製造方法 | |
DE2609533A1 (de) | Verfahren zur extraktion von wirkstoffen, insbesondere von heterosidestern, der kaffeesaeure, sowie diese verbindungen enthaltende arzneimittel | |
US3584123A (en) | Method of treatment of skin diseases and therapeutic products from the roots of securidaca longipedonculata | |
Daddala et al. | SECOISOLARICIRESINOL DIGLUCOSIDE-A POTENTIAL BIOMEDICINE OF LINUM USITATISSIMUM | |
WO2006054363A1 (ja) | フラバン化合物含有組成物 | |
JPH03504507A (ja) | 癌細胞の選択的解離および傷、ケロイド、および炎症の後処理のために用いられる活性物質として適用される植物の光合成系由来タンパク質分画と、該タンパク質分画を含む薬剤学的産物 |