JP2005154004A - 乾燥剤用包装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷層のインクが菓子などの食品に付着あるいは接触することがなく、防水性に優れるとともに、強度の大きな乾燥剤用包装材を提供する。
【解決手段】表面に多数の薄肉部2aが形成されるとともに、背面に印刷層6が形成された透明もしくは半透明のナイロンフィルム2の背面に、接着剤4を介して紙3が積層され、紙3の背面に、多数の通気孔5aが形成されたポリエチレンラミネート層5が一体に積層されている。
【選択図】 図1
【解決手段】表面に多数の薄肉部2aが形成されるとともに、背面に印刷層6が形成された透明もしくは半透明のナイロンフィルム2の背面に、接着剤4を介して紙3が積層され、紙3の背面に、多数の通気孔5aが形成されたポリエチレンラミネート層5が一体に積層されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、乾燥剤を収容する包装袋として好適に使用される乾燥剤用包装材に関するものである。
一般に、菓子や海苔などの湿気を嫌う食品が収容された収容袋内には、包装袋に収容された乾燥剤、例えば、生石灰が食品とともに収容されるようになっており、収容袋内に収容された食品を乾燥した状態に保持している。
これらの乾燥剤の包装袋に使用される包装材11は、図3に示すように、通気性を有する紙や不織布からなるシート基材12の背面に、ポリエチレンあるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのプラスチックラミネート層13が積層され、このプラスチックラミネート層13の背面に、通気性を有するプラスチック製補強材層14、例えば、網目構造を有するポリエチレン製ワリフシートやポリエチレン製クロスシートが積層され、さらに、プラスチック製補強材層14の背面に、ポリエチレンあるいはEVAなどのプラスチックラミネート層15が順に積層されて構成されている。そして、包装材11を構成するシート基材12の表面には、文字などの印刷層16が形成され、また、各プラスチックラミネート層13,15には、多数の通気孔13a,15aがそれぞれ形成されている(例えば、特許文献1参照)。
このような包装材11によって乾燥剤が収容された包装袋を形成するには、方形状の一対の包装材11を、各包装材11のプラスチックラミネート層15同士が対向するように重ね合わせ、その周縁部の三方を熱溶着して一方の周縁部が開口された包装袋を製造し、あるいは、1枚の方形状の包装材11をプラスチックラミネート層15同士が対向するように折り重ね、その周縁部の二方を熱溶着して一方の周縁部が開口された包装袋を製造し、この後、包装袋内に乾燥剤を収容した後、開口した周縁部を熱溶着するものである。
特開2000−109122号公報
ところで、包装材のシート基材には、通気性を有する紙や不織布が採用されていることから、その表面に印刷層が形成されている。したがって、乾燥剤が収容された包装袋の印刷層のインクが、収容袋内に収容された菓子などの食品に付着あるいは接触することになる。このため、包装材の印刷層のインクには、食品に付着あるいは接触しても問題のないものを使用しなければならず、インキの選定が困難なばかりでなく、コストがかさむという問題があった。
また、包装袋の最外層に積層されたシート基材としての紙や不織布は、乾燥剤である生石灰が突き刺さると破れ易く、シート基材が破れた場合、収容袋内に収容された菓子などの食品に乾燥剤が混入することになり、安全性に難がある。
さらに、誤って乾燥剤が収容された包装材を水分が存在する場所に投棄した場合、紙や不織布からなるシート基材、通気孔が形成されたプラスチックラミネート層、通気性を有するプラスチック製補強材層および通気孔が形成されたプラスチックラミネート層を通して乾燥剤である生石灰に水分が供給され、生石灰が発熱するという欠点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、印刷層のインクが菓子などの食品に付着あるいは接触することがなく、防水性に優れるとともに、強度の大きな乾燥剤用包装材を提供するものである。
本発明は、背面に印刷層が形成された透明もしくは半透明のナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの背面に、接着剤を介して紙または不織布が積層され、紙または不織布の背面に、多数の通気孔が形成された合成樹脂ラミネート層が一体に積層されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、透明または半透明のナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの背面に印刷層が形成されたことにより、印刷層のインクが収容袋に収容された菓子などの食品に付着あるいは接触することがなく、衛生面に優れ、しかも、外部から印刷層の文字などを容易に読み取ることができる。また、ナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムは、シート基材としての紙に比較して強度が大きいため、乾燥剤が突き刺さっても破れることがなく、乾燥剤が食品と混合することを確実に防止できるとともに、容易に裂けにくいため誤って開封されることも防止できる。さらに、ナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムには、通気孔が形成されていないため、誤って水分が存在する場所に投棄したとしても、乾燥剤である生石灰に水が接触することがなく、生石灰の発熱を確実に防止することができる。
前記合成樹脂ラミネート層としては、ヒートシール性を有する材料、例えば、ポリエチエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなどが採用される。
合成樹脂ラミネート層の通気孔は、熱凸ロールまたはブラシロールを転動させることにより形成することができる。
なお、乾燥剤用包装材から乾燥剤の包装袋を製造するには、ヒートシール性を有する合成樹脂ラミネート層同士を対向させて熱溶着すればよい。
本発明において、前記ナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの表面に多数の薄肉部が形成されていると、紙や不織布に比較して相対的に低いナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの透湿性をより向上させることができるため、好ましい。
前記ナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの薄肉部は、その表面に熱凸ロールまたはブラシロールを転動させることにより形成することができる。
本発明によれば、印刷層のインクが菓子などの食品に付着あるいは接触することがなく、防水性に優れるとともに、強度の大きな乾燥剤用包装材を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の乾燥剤用包装材1の一実施形態が示されている。
この乾燥剤用包装材1は、乾燥剤の包装袋として使用されるように全体に透湿性を有しており、表面に薄肉部2aが形成された透明あるいは半透明なシート基材としてのナイロンフィルム2と、ナイロンフィルム2の背面に接着剤4を介して積層された補強材としての紙3と、紙3の背面に積層され、多数の通気孔5aが形成されたポリエチレンラミネート層5と、から構成され、ナイロンフィルム2の背面に印刷層6が形成されている。
ナイロンフィルム2は、二軸延伸ナイロンフィルムであって、東洋紡(株)やユニチカ(株)などより市販されており、破れにくい他、柔軟性があり、乾燥剤である生石灰が突き刺さっても破れにくく、また、水が浸透しない性状を有している。そして、JIS Z−0208に準拠して測定されたナイロンフィルム(厚み15μm)の透湿度は、180g/m2 ・24hr(40℃・90%RH)である。
ここで、ナイロンフィルム2の表面には、図示しない対向する熱凸ロールと加圧ロールとの間にナイロンフィルム2を通過させることによって、多数の薄肉部2aが形成されており、このため、透湿度が210g/m2 ・24hr(40℃・90%RH)と向上し、紙に比較して透湿性が低い点を補っている。
なお、半透明のナイロンフィルム2を使用すると、外部から読み取る文字などが控え目に表現されるため、菓子などの食品を引き立たせることができ、好ましい。
紙3は、ナイロンフィルム2の補強材として、また、乾燥剤としての生石灰が湿気を吸収して粉末状の消石灰になった場合に、消石灰がナイロンフィルム2側に漏出しないように使用される。したがって、粉末状にならない乾燥剤を採用する場合は、紙3に代えて不織布を用いることもできる。
なお、紙3は、乾燥剤を充填する際、合成樹脂系材料を補強材として使用する場合よりも、ヒートシール時の熱による劣化、変質が少なく、また、シール適性およびシール強度が良好である特性を有している。
紙3をナイロンフィルム2に接着する接着剤4は、種類は問わないが、ナイロンフィルム2および紙3にわたる透湿性を損なわないように、トーン状のスポット接着が採用される。このため、接着剤4によるナイロンフィル2と紙3との接着部以外の隙間を通してナイロンフィル2の薄肉部2aを通過した湿気を紙3に導くことができる。
なお、ナイロンフィルム2と紙3との接着剤4による接着に際して、透湿性を有する接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂系接着剤などを採用する場合や、接着力の弱いノンソルベント方式(接着剤が乾かないうちに被着材を貼り合わせた後、接着剤を乾燥硬化させる)を採用する場合は、スポット接着に限らず全面接着であってもかまわない。
ポリエチレンラミネート層5は、包装材によって乾燥剤の包装袋をヒートシールによって形成するために使用される。したがって、ヒートシール性を有すればよく、ポリエチエン以外に、エチレン−酢酸ビニル共重合体やポリプロピレンなどを採用することもできる。
ポリエチレンラミネート層5には、図示しない対向するブラシロールと加圧ロールとの間にポリエチレンラミネート層5を通過させることによって、多数の通気孔5aが形成されており、ナイロンフィルム2の薄肉部2a、紙3を通過した湿気を通気孔5aを通して乾燥剤に導くことができる。
この結果、ナイロンフィルム2、紙3およびポリエチレンラミネート層5を順に積層して形成された包装材1は、ナイロンフィルム2の表面に形成された多数の薄肉部2a、紙3、ポリエチレンラミネート層5に形成された多数の通気孔5aを通して十分な透湿性を確保することができ、収容袋内の湿気を乾燥剤に導いて収容袋に収容された菓子などの食品を乾燥状態に保持することができる。そして、ナイロンフィルム2の背面に印刷層6が形成されているため、印刷層6のインクが収容袋に収容される菓子などの食品と付着あるいは接触することがなく、衛生面に優れるとともに、外部から印刷層6の文字などを容易に読み取ることができる。また、ナイロンフィルム2は、シート基材として紙を採用した場合に比較して十分な強度を有しているため、乾燥剤が突き刺さっても破れることがなく、乾燥剤が食品と混合することを確実に防止することができるとともに、容易に裂けにくいため誤って開封されることも防止できる。さらに、ナイロンフィルム2には、通気孔が形成されていないため、誤って水分が存在する場所に投棄したとしても、乾燥剤である生石灰に水が接触することがなく、生石灰の発熱を確実に防止することができる。さらにまた、切れ目を有すると、その切れ目に沿って簡単に裂け易いナイロンフィルム2は、紙3によって補強されているため、容易に裂けることもない。
このような包装材1は、適宜の大きさに切断されて加工メーカーに供給された後、各加工メーカーにおいて、包装材1のポリエチレンラミネート層5同士を対向するように重ね合わせ、その周縁部の三方を熱溶着して一方の周縁部が開口された包装袋を製造し、あるいは、方形状の包装材1をポリエチレンラミネート層5同士を対向するように折り重ね、その周縁部の二方を熱溶着して一方の周縁部が開口された包装袋を製造し、この包装袋内に乾燥剤を収容した後、開口した周縁部を熱溶着すれば、乾燥剤を収容した包装袋を形成することができる。
ところで、前述した実施形態においては、ナイロンフィルム2の補強材として紙3を採用したが、図2に示すように、不織布3Aを補強材として用いることもできる。
ここで、不織布3Aとしては、合成樹脂繊維と木材パルプやレーヨンなどの非溶融繊維を熱により溶融接着してシート化したサーマルボンド不織布、特に、ヒートロールをウエッブの全面に当てて熱処理したヒートロールタイプの高強度のサーマルボンド不織布を好適に採用することができる。このような不織布3Aを用いると、表面に熱処理によって薄膜が形成されているため、乾燥剤としての生石灰が湿気を吸収して粉末状の消石灰になった場合であっても、消石灰がナイロンフィルム2側に漏出することはない。
なお、この実施形態においては、ナイロンフィルム2には、薄肉部は形成されていない。したがって、紙や不織布に比較して相対的に透湿性は低いことから、食品が収容された収容袋内を一定の湿度に保持する必要がある場合に使用される。
また、前述した実施形態においては、シート基材としてナイロンフィルム2を採用した場合を例示したが、ナイロンフィルム2に代えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料とする透明あるいは半透明なエステルフィルム、具体的には、二軸延伸エステルフィルムや、ビニロンフィルム、具体的には、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルムを採用してもよい。
ここで、JIS Z−0208に準拠して測定されたポリエステルフィルム(厚み12μm)の透湿度は、46g/m2 ・24hr(40℃・90%RH)である。
また、ビニロンフィルムは、商品名「ボブロン」として日本合成化学工業(株)より市販されており、同様にして測定されたビニロンフィルム(厚み14μm)の透湿度は、150g/m2 ・24hr(40℃・90%RH)である。
なお、エステルフィルムまたはビニロンフィルムにおいても、その表面に多数の薄肉部2aを形成することにより、紙に比較して相対的に低い透湿性を向上させることができる。
シート基材としてのフィルムの選択は、収容袋内に収容する食品が必要とする乾燥度に対応して選択すればよい。例えば、海苔やおかきなどの食品の場合、より乾燥した状態に保持する必要があることから、透湿度が相対的に大きなナイロンフィルムまたはビニロンフィルムを採用し、また、クッキーなどの食品の場合、一定の湿度に保持する必要があることから、透湿度が相対的に小さなエステルフィルムを採用すればよい。
以上のように発明によれば、印刷層のインクが菓子などの食品に付着あるいは接触することがなく、また、乾燥剤が突き刺さっても破れることがなく、乾燥剤が食品と混合することを確実に防止することができるとともに、容易に裂けにくいため誤って開封されることも防止できる、防水性に優れた乾燥剤の包装袋を提供することができる。
1 乾燥剤用包装材
2 ナイロンフィルム
2a 薄肉部
3 紙
3A 不織布
4 接着剤
5 ポリエチレンラミネート層(合成樹脂ラミネート層)
6 印刷層
2 ナイロンフィルム
2a 薄肉部
3 紙
3A 不織布
4 接着剤
5 ポリエチレンラミネート層(合成樹脂ラミネート層)
6 印刷層
Claims (2)
- 背面に印刷層が形成された透明もしくは半透明のナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの背面に、接着剤を介して紙または不織布が積層され、紙または不織布の背面に、多数の通気孔が形成された合成樹脂ラミネート層が一体に積層されていることを特徴とする乾燥剤用包装材。
- 前記ナイロンフィルムまたはエステルフィルムあるいはビニロンフィルムの表面に多数の薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の乾燥剤用包装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004208389A JP2005154004A (ja) | 2003-11-04 | 2004-07-15 | 乾燥剤用包装材 |
Applications Claiming Priority (2)
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---|---|---|---|
JP2003374693 | 2003-11-04 | ||
JP2004208389A JP2005154004A (ja) | 2003-11-04 | 2004-07-15 | 乾燥剤用包装材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005154004A true JP2005154004A (ja) | 2005-06-16 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004208389A Pending JP2005154004A (ja) | 2003-11-04 | 2004-07-15 | 乾燥剤用包装材 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005154004A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010076826A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Powdertech Co Ltd | 脱酸素剤包装用フィルム及び脱酸素剤用包装袋 |
WO2017084762A1 (en) * | 2015-11-17 | 2017-05-26 | Amcor Flexibles France Sas | Method for ripening or heat treating packaged food |
-
2004
- 2004-07-15 JP JP2004208389A patent/JP2005154004A/ja active Pending
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WO2017084762A1 (en) * | 2015-11-17 | 2017-05-26 | Amcor Flexibles France Sas | Method for ripening or heat treating packaged food |
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A02 | Decision of refusal |
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