JP2005152207A - 便蓋用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】腰掛け式便器の便蓋の装飾を、容易、安価に変更可能とする。
【解決手段】便蓋用シート1は、装飾用の図案6が印刷された基層2と、被着体に対して再剥離、再付着可能な粘着性を有し、エア抜け特性が良好な再剥離性粘着層3とが順次積層されてなり、被着体に貼り付ける前の状態では再剥離性粘着層3に、再剥離性粘着層3を保護するための、再剥離性粘着層3に対して剥離可能な保護層4が貼り付けられている。基層2の表面2aには装飾用の図案6が印刷されており、裏面2bには、主要な便器供給メーカが供給し、市場に流通している便蓋の形状に合わせて切断可能なように、各メーカの便蓋10の平坦面11の外縁を示す切断用の補助線5が印刷されている。
【選択図】 図5
【解決手段】便蓋用シート1は、装飾用の図案6が印刷された基層2と、被着体に対して再剥離、再付着可能な粘着性を有し、エア抜け特性が良好な再剥離性粘着層3とが順次積層されてなり、被着体に貼り付ける前の状態では再剥離性粘着層3に、再剥離性粘着層3を保護するための、再剥離性粘着層3に対して剥離可能な保護層4が貼り付けられている。基層2の表面2aには装飾用の図案6が印刷されており、裏面2bには、主要な便器供給メーカが供給し、市場に流通している便蓋の形状に合わせて切断可能なように、各メーカの便蓋10の平坦面11の外縁を示す切断用の補助線5が印刷されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、腰掛け式便器の便蓋に貼り付けるための、再剥離、再付着が可能な便蓋用シートに関するものである。
従来、トイレを快適に利用するための種々の工夫がなされている。そのひとつとして腰掛け式便器の便蓋に装飾を施したものがあげられる。便蓋は、トイレの構成部品のうちでも占有面積が広く、特に目立つ部分である。このような主要部分に装飾を施すことでトイレの印象は大きく変わる。
このため、例えば、特許文献1には、木材で形成し、これらに漆塗り等で装飾を施し、さらにセラミック系塗料を上塗りした便座及び便蓋が開示されている。また、特許文献2には、透明性を有する基材の裏面に模様や図柄としての印刷インキからなる印刷層が形成されたシートを、基材の表面を便蓋本体に露出させて一体成形した便蓋等が開示されている。
これら便蓋の直接的に装飾を施したものの他、特許文献3には、便座本体の上面の一部分を凹部に形成し、この凹部に、表面に装飾を施した装飾用部材を嵌め込む構成とすることで、装飾用部材を取り替え可能とした便器用便蓋が開示されている。
特許文献3のような構成の場合、装飾用部材を取り替えることができるため、図柄に飽きた場合、比較的容易に取り替えることは可能である。
実願平8―13307号公報
特願2000―206022号公報
特願平11―209792号公報
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2のように、便蓋の直接的に装飾を施す場合、便蓋自体を装飾されたものに交換する必要があるため、高価となってしまう場合がある。このため、ユーザが図柄に飽きてしまった場合も容易に取り替えるわけにはいかない場合がある。
また、特許文献3の場合、凹部が形成された専用の便蓋が必要となり、現在利用している便蓋をそのまま利用できないだけでなく、取り外した装飾用部材の廃棄処分も考慮しなくてはならないため、装飾用部材を頻繁に取り替えるわけにはいかないという問題がある。
さらには、特許文献1のように木材にて構成する、あるいは特許文献3のように装飾用部材を凹部に嵌め込む構成とすると便蓋の重量が増し、その重量増により開閉のしづらい便蓋となってしまう場合や、便蓋の自動開閉装置を有する場合においては駆動源に対して過負荷となってしまう場合もある。このように、便蓋の重量が増加することによって、便蓋を閉じずに開けたままにしてしまうということも考えられ、こうなると便蓋の装飾が意味をもたなくなってしまう。
そこで、本発明は、容易、かつ安価に装飾を変更することが可能な便蓋用シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の便蓋用シートは、腰掛け式便器の便蓋に貼り付ける便蓋用シートであって、装飾用の図案が表面に印刷された基層と、基層の裏面側に積層された、便蓋に対して再剥離および再付着が可能な粘着性を有する再剥離性粘着層と、を有することを特徴とする。
上記のとおりの本発明の便蓋用シートは、基層に図案が印刷されており、この基層に積層された再剥離性粘着層が再剥離および再付着が可能な粘着性を有する。すなわち、便蓋自身を取り替えることなく、便蓋に便蓋用シートを貼り付けるだけで、容易、かつ安価に装飾を変更することができる。また、便蓋に貼り付ける際、容易に貼り直しをすることができるので、一般ユーザであっても便蓋用シートを容易、かつきれいに便蓋に貼り付けることができる。
また、本発明の便蓋用シートは、再剥離性粘着層の表面に微細な凹凸が形成されているものであってもよい。この場合、便蓋用シートを便蓋に貼り付ける際、表面に微細な凹凸がエア排出用の隙間として機能し、貼り付け後に便蓋用シートと便蓋との間に気泡が残存するのを効果的に防止することができる。これにより、気泡を残存させずにシートを被着体に貼り付ける技術を有する専門業者に貼り付け、貼り換えを依頼する必要がないので、安価に便蓋の装飾を変更することができる。
また、本発明の便蓋用シートは、再剥離性粘着層に剥離可能な保護層が貼り付けられているものであってもよい。
また、本発明の便蓋用シートは、基層の裏面に、便蓋の形状に合わせて切断可能なように、切断用の補助線が印刷されているものであってもよい。この場合、便蓋のサイズ、形状等毎に同じ図案が印刷された便蓋用シートを提供する必要がないため、コストを低減させることができ、また、ユーザも現在使用している便蓋のサイズ、形状を気にすることなく、図案のみを見て便蓋用シートを選択することができる。
便蓋に本発明の便蓋用シートを貼り付けるだけであるので、便蓋自身を取り替える等することなく、容易、かつ安価に装飾を変更することができる。また、便蓋用シートの再剥離性粘着層が再剥離および再付着が可能な粘着性を有するため、便蓋に対して容易に貼り直しをすることができる。
図1に便蓋に貼り付ける前の状態、また、図2に便蓋に貼り付けた状態の、本発明の一実施形態における便蓋用シートの積層構造の模式図をそれぞれ示す。図3に本実施形態の便蓋用シートを貼り付け可能な便蓋の一例の平面図を、また、図4に本発明の一実施形態における便蓋用シートの裏面の平面図をそれぞれ示す。また、図5に本発明の一実施形態である便蓋用シートを便蓋に貼り付けた状態の腰掛け式便器の斜視図をそれぞれ示す。
図1に示すように、便蓋用シート1は、装飾用の図案6(図5参照)が印刷された基層2と、被着体に対して再剥離、再付着可能な粘着性を有し、エア抜け特性が良好な再剥離性粘着層3とが順次積層されてなり、被着体に貼り付ける前の状態では再剥離性粘着層3に、再剥離性粘着層3を保護するための、再剥離性粘着層3に対して剥離可能な保護層4が貼り付けられている。図2に示すように、便蓋用シート1はこの保護層4を剥離除去してから被着体である便蓋10に貼り付けられる。
基層2の素材としてはポリエチレン系樹脂が好適であり、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が好適である。なお、基層2は、その自重により、貼り付け時に、基層2と被着体との間からのエア排出を助長する程度の重量が好ましい。
再剥離性粘着層3を構成する成分としては、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、合成ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂等が好適である。また、良好なエア抜き特性を得るために再剥離性粘着層3に、例えば、その表面に微細な凹凸が形成されているものであってもよい。すなわち、再剥離性粘着層3の表面を、平坦に形成して再剥離性粘着層3を後述する便蓋10の平坦面12に貼り付けた状態で再剥離性粘着層3と平坦面12とをほぼ完全に密着させる構造とするのではなく、エア排出用の隙間が形成されているような構造とするものであってもよい。なお、微細な凹凸の大きさは、再剥離性粘着層3の、便蓋10に対する再剥離、再付着特性を損なわず、かつ、再剥離性粘着層3と便蓋10との間の気泡を排出可能な程度を意味する。
また、基層2に塗布した再剥離性粘着層3の通常市販されている便蓋に対する粘着強度は、剥離速度300mm/minで180°剥離により剥離した際、0.005〜2.000N/mの範囲内となるように設定するのが好ましい。
基層2に再剥離性粘着層3を塗布した状態でのLab(b値)は−3.6〜−3.7程度となるようにするのが好ましい。なお、Labは表色系の一つの指標であり、b値はプラス方向に移行すると、黄変を意味するものである。
保護層4は、特に制限はないが、例えば、PETフィルム、オレフィン樹脂フィルム、PPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂フィルム、TAC(トリアエチルセルロース)フィルム、アクリル樹脂フィルムなどが挙げられる。
便蓋用シート1の厚さは、特に制限はないが、100μm程度が好適であり、例えば、基層2を50μm、再剥離性粘着層3を38μm、保護層4を25μmとするものであってもよい。
図3および図5に示す、本実施形態の便蓋用シート1が適用可能な腰掛け式便器の便蓋10は、その材質は硬質樹脂等からなり、その形状は、図4の平面図に示すように概ね半楕円形状をなしており、二次元平面的な平坦面11と、三次元的な曲面からなる周縁部12を有する。また、便蓋10の後端部13はヒンジ構造によって便器本体に対して回動可能、すなわち、開閉可能に設けられている。
本実施形態の便蓋用シート1は、上述のような構成の便蓋10の平坦面11に貼り付けるものであり、その形状は平坦面11の略相似形に形成されている。
基層2は基材自身が予め着色されているものであってもよいし、あるいは、印刷によって着色するものであってもよい。なお、印刷によって着色する場合、基層2は透明のものを用い、これに着色するものであってもよい。
基層2の表面2aには、模様、色彩等からなる装飾用の図案6が印刷されており、裏面2bには、図4に示すように、便蓋10の形状に合わせて切断可能なように、便蓋10の平坦面11の外縁を示す切断用の補助線5が印刷されている。この補助線5は、基層2の色と異なる色とするのが好適である。また、補助線5は、例えば、主要な便器供給メーカが供給し、市場に流通している便蓋に合わせたものとするのが好適である。
補助線5を印刷することにより、便蓋10のサイズ、形状等毎に同じ図案6が印刷された便蓋用シート1を提供する必要がないため、コストを低減させることができる。また、ユーザも現在使用している便蓋10のサイズ、形状を気にすることなく、図案6のみを見て便蓋用シート1を選択することができる。
なお、この切断用の補助線5は必要に応じて印刷されるものであり、必須のものではない。
表面2aの図案6および裏面2bの補助線5の印刷には耐水性、耐光性等を考慮して顔料インクによる印刷とするのが好適である。本発明は、便蓋10における図案を容易に変更することができる点を特徴としているため、特に、表面2aに印刷される図案6に関しては様々な図案6を容易、かつ安価に作成可能であることが必要となる。これらの要件を満たすため、近年普及している顔料インクの使用が可能なインクジェットプリンタおよび画像処理ソフト等を用いての印刷が好適である。
次に、本実施形態の便蓋用シート1の、便蓋10への貼り付け手順について以下に説明する。
まず、貼り付けようとする便蓋10の平坦面11の形状に合うように裏面2bの補助線5に沿って便蓋用シート1を切断する。
次に、再剥離性粘着層3から保護層4を剥離し、平坦面11の形状に合うように位置決めしてから再剥離性粘着層3を平坦面11に対する貼り付け面として貼り付ける。この際、再剥離性粘着層3と平坦面11との間のエアを除去しながら貼り付ける。
以上のように、本実施形態の便蓋用シート1は、便蓋10自体への加工、便蓋10自身を取り替える等することなく、容易、かつ安価に便蓋10の模様、色彩等の装飾を変更することができる。
また、便蓋10に貼り付けられた本実施形態の便蓋用シート1は、再剥離性粘着層3が良好な再剥離特性および再付着特性を有するため、位置決めし直しての再度の貼り直しも容易である。さらに、長期使用によりユーザが貼り付けた便蓋用シート1の図案6に飽きて別の図案の便蓋用シートを貼り直す場合であっても、平坦面11に糊材を残すことなく使用していた便蓋用シート1を剥がすことができるため、新しい便蓋用シート1を貼り付けるに際して、平坦面11からの糊材除去といった手間も要しない。また、使用していた便蓋用シート1上に新しい便蓋用シート1を重ねて貼り付けることも可能である。
また、本実施形態の便蓋用シート1の再剥離性粘着層3は良好なエア抜き特性を有するため、便蓋10のように貼り付け面積の大きい面への貼り付けに際しても再剥離性粘着層3と平坦面11との間に気泡が残存しにくい。このため、気泡を残さずに良好に貼り付けるために専門業者に貼り付けを依頼する必要がなく、一般のユーザであっても再剥離性粘着層3を平坦面11にきれいに貼り付けることができる。
また、本実施形態の便蓋用シート1は、その厚さが100μm程度の樹脂フィルムであるため、非常に軽量である。このため、便蓋10の厚みは殆ど変わることがない。また、木材に装飾を施し、これを便蓋に取り付けるといった構成のものと比較して便蓋10の重量増加を抑制することができる。このような特性により、便蓋10の開閉に際しても従来どおり使用感により違和感なく、また、重く感じることなくも開閉することができる。また、腰掛け式便器が便蓋の自動開閉装置を備えたものである場合、自動開閉装置の駆動源に対して過負荷となることもない。
さらに、本実施形態の便蓋用シート1は、それ自体がかさばるものでないため、例えば、異なる図案のものを複数枚ストックしておくことも可能であるし、剥がした便蓋用シート1の廃棄も容易である。また、本実施形態の便蓋用シート1は、再剥離性粘着層3が良好な再付着特性を有するため、剥がした便蓋用シート1を廃棄せずに保護層4を再度貼り付けて保存しておき、剥がした便蓋用シート1を再利用することも可能である。
なお、本実施形態では、基層2として比較的厚みの薄い樹脂シートを用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、再剥離性粘着層3を積層することが可能な材料であれば、例えば、紙、アクリル板等の比較的厚い樹脂板、金属板等、どのようなものであってもよい。
また、本実施形態の便蓋用シート1は便蓋10の平坦面11に貼り付け可能な二次元的な形状を一例として示したが、これに限定されるものではなく、三次元的な曲面の周縁部12に対応した形状とするものであってもよい。
基層2の裏面2b側に積層される再剥離性粘着層3は、裏面2bの全面に渡り、均一な成分でなくてもよい。すなわち、便蓋10に貼り付けた便蓋用シート1の周縁部分からの剥がれを防止するため、周縁部分の粘着性を内側部分よりも高めたものとしてもよい。あるいは、その逆に剥がし易さを増すために周縁部分の粘着性を内側部分よりも低くしたものであってもよい。
以上説明したように、本実施形態の便蓋用シート1によれば、便蓋用シート1を便蓋10に貼り付けるだけであるので、便蓋10自身を取り替える等することなく、容易、かつ安価に便蓋10の装飾を変更することができる。また、便蓋用シート1の再剥離性粘着層3が再剥離および再付着が可能な粘着性を有するため、便蓋10に対して容易に貼り直しをすることができる。さらには、気泡も残存しにくいため、一般ユーザであっても容易にきれいに貼り付けることができる。また、本実施形態の便蓋用シート1は、便蓋10の重量増加に伴う問題も解消することができるとともに、保存性、廃棄の容易性、便蓋の保護、防汚機能も有する。
1 便蓋用シート
2 基層
2a 表面
2b 裏面
3 再剥離性粘着層
4 保護層
5 補助線
6 図案
10 便蓋
11 平坦面
12 周縁部
13 後端部
2 基層
2a 表面
2b 裏面
3 再剥離性粘着層
4 保護層
5 補助線
6 図案
10 便蓋
11 平坦面
12 周縁部
13 後端部
Claims (4)
- 腰掛け式便器の便蓋に貼り付ける便蓋用シートであって、
装飾用の図案が表面に印刷された基層と、前記基層の裏面側に積層された、前記便蓋に対して再剥離および再付着が可能な粘着性を有する再剥離性粘着層と、を有することを特徴とする便蓋用シート。 - 前記再剥離性粘着層の、前記基層が積層されている面と反対側の面に微細な凹凸が形成されている請求項1に記載の便蓋用シート。
- 前記再剥離性粘着層に、剥離可能な保護層が貼り付けられている請求項1または2に記載の便蓋用シート。
- 前記基層の裏面に、前記便蓋の形状に合わせて切断可能なように、切断用の補助線が印刷されている請求項1から3のいずれか1項に記載の便蓋用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003393725A JP2005152207A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 便蓋用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003393725A JP2005152207A (ja) | 2003-11-25 | 2003-11-25 | 便蓋用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=34720006
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-11-25 JP JP2003393725A patent/JP2005152207A/ja active Pending
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