JP2005150099A - 正孔輸送材料、層、有機エレクトロルミネッセンス素子および正孔輸送材料の精製方法 - Google Patents

正孔輸送材料、層、有機エレクトロルミネッセンス素子および正孔輸送材料の精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる正孔輸送材料および層、有機エレクトロルミネッセンス素子、さらには正孔輸送材料の精製方法を提供すること。
【解決手段】有機EL素子1では、陽極3と陰極5との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層41中を正孔が、また、電子輸送層43中を電子が移動し、発光層42において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層42では、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。本発明の正孔輸送材料は、正孔輸送層41に用いられるものであり、アニオン性不純物、カチオン性不純物および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量の全てが低く抑えられており、これにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰が抑制される。
【選択図】図1


Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層に用いられる正孔輸送材料、正孔を輸送する機能を有する層、有機エレクトロルミネッセンス素子および正孔輸送材料の精製方法に関する。
少なくとも一層の発光性有機層(有機エレクトロルミネッセンス層)が陰極と陽極に挟まれている構造を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する。)は、無機EL素子に比べて印加電圧を大幅に低下させることができ、多彩な発光色の素子が作製可能である。
現在、より高性能な有機EL素子を得るため、材料の開発・改良をはじめ、様々なデバイス構造が提案されており、活発な研究が行われている。
また、この有機EL素子については既に様々な発光色の素子、また高輝度、高効率の素子が開発されており、表示装置の画素としての利用や光源としての利用など多種多様な実用化用途が検討されている。
しかしながら、実用化において、長期間の使用に伴う有機EL素子の発光輝度の減衰が問題となっており、対策技術の確立が望まれている。
有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制する方法として、高純度の有機化合物を使用する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の有機EL素子では、素子を構成する材料中のハロゲン含有化合物(不純物)の含有量を、1000ppm未満に抑えることにより、素子の長期使用に伴う発光輝度の減衰を抑制しようというものである。
ところが、有機EL素子における発光輝度の減衰と、材料中に含まれる不純物の種類およびその含有量との関係については、明確な指針はできておらず、実用化に向けて、更なる検討がなされているのが現状である。
特開2002−175885号公報
本発明の目的は、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる正孔輸送材料および層、有機エレクトロルミネッセンス素子、さらには正孔輸送材料の精製方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の正孔輸送材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層に用いられる高分子の正孔輸送材料であって、
該正孔輸送材料を2.0wt%となるよう液体に溶解または分散させたとき、該液体中に含まれるアニオン性不純物の含有量が30ppm以下、カチオン性不純物の含有量が30ppm以下、かつ、分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量が40ppm以下であることを特徴とする。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる。
本発明の正孔輸送材料では、前記正孔輸送材料を2.0wt%となるよう液体に溶解または分散させたとき、該液体中に含まれるアニオン性不純物の含有量、カチオン性不純物の含有量および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量の合計は、90ppm以下であることが好ましい。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰をより確実に抑制することができる。
本発明の正孔輸送材料では、前記アニオン性不純物は、硫酸イオン、ギ酸イオン、シュウ酸イオンおよび酢酸イオンのうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これらのイオンは、いずれも、正孔輸送材料との反応性が極めて高く、正孔輸送材料を特に劣化させ易いので、かかるイオンを除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
本発明の正孔輸送材料では、前記カチオン性不純物は、金属イオンを主とするものであることが好ましい。
金属イオンを除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
本発明の正孔輸送材料では、前記金属イオンは、元素周期律表のIa族、IIa族、VIa族、VIIa族、VIII族およびIIb族に属する金属のうちの少なくとも1種のイオンであることが好ましい。
これらの金属イオンを除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制する効果が、特に顕著に発揮される。
本発明の正孔輸送材料では、前記ノニオン性不純物は、主に、前記正孔輸送材料を合成する際に生成および/または混入するものであることが好ましい。
ノニオン性不純物を除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
本発明の正孔輸送材料では、前記ノニオン性不純物は、多価アルコールおよび芳香族複素環化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これらのノニオン性不純物は、いずれも、正孔輸送材料との反応性が極めて高く、正孔輸送材料を特に劣化させ易いので、かかるノニオン性不純物を除去することにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる。
本発明の正孔輸送材料は、その体積抵抗率が10Ω・cm以上であることが好ましい。
これにより、発光効率のより高い有機EL素子を得ることができる。
本発明の正孔輸送材料は、チオフェン/スチレンスルホン酸系化合物、アリールシクロアルカン系化合物、アリールアミン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、カルバゾール系化合物、スチルベン系化合物、オキサゾール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ピラゾリン系化合物、ベンジン系化合物、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、アントラセン系化合物、フルオレノン系化合物、アニリン系化合物、シラン系化合物、チオフェン系化合物、ピロール系化合物、フローレン系化合物、ポルフィリン系化合物、キナクリドン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物およびベンジジン系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらものは、いずれも、高い正孔輸送能力を有している。
本発明の正孔輸送材料では、ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物を主成分とすることが好ましい。
これらものは、特に高い正孔輸送能力を有している。
本発明の正孔輸送材料では、前記ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物は、チオフェンとスチレンスルホン酸との比率が重量比で1:5〜1:50であることが好ましい。
これにより、より高い正孔輸送能力を有するものとなる。
本発明の層は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層であって、
該層中に含まれるアニオン性不純物の含有量が1500ppm以下、カチオン性不純物の含有量が1500ppm以下、かつ、分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量が2000ppm以下であることを特徴とする。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる。
本発明の層では、前記層中に含まれるアニオン性不純物の含有量、カチオン性不純物の含有量および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量の合計は、4500ppm以下であることが好ましい。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰をより確実に抑制することができる。
本発明の層は、有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層であって、
本発明の正孔輸送材料を主材料として構成されることを特徴とする。
これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、本発明の層を備えることを特徴とする。
これにより、高性能の有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
本発明の正孔輸送材料の精製方法は、本発明の正孔輸送材料を得るための方法であって、
前記正孔輸送材料の溶液または分散液中から、アニオン性不純物を分離または除去し得る第1の除去手段、カチオン性不純物を分離または除去し得る第2の除去手段および分子量5000以下のノニオン性不純物を分離または除去し得る第3の除去手段を、ほぼ同時にまたは連続して用いて、前記アニオン性不純物、前記カチオン性不純物および前記ノニオン性不純物を除去した後、溶媒または分散媒を除去して、前記正孔輸送材料の精製を行うことを特徴とする。
かかる方法によれば、比較的容易かつ短時間で、正孔輸送材料中から前記ノニオン性不純物の除去を行うことができる。
本発明の正孔輸送材料の精製方法では、前記第3の除去手段として、限外ろ過膜を用いることが好ましい。
これにより、限外ろ過膜の種類を適宜選択するだけで、目的とするノニオン性不純物を効率よくかつ確実に除去することができる。
まず、本発明の正孔輸送材料、層、有機エレクトロルミネッセンス素子および正孔輸送材料の精製方法について説明する前に、本発明の正孔輸送材料を用いて形成される正孔輸送層を備える有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の一例について説明する。
<有機EL素子>
図1は、有機EL素子の一例を示した縦断面図である。
図1に示す有機EL素子1は、透明な基板2と、基板2上に設けられた陽極3と、陽極3上に設けられた有機EL層4と、有機EL層4上に設けられた陰極5と、各前記層3、4、5を覆うように設けられた保護層6とを備えている。
基板2は、有機EL素子1の支持体となるものであり、この基板2上に各前記層が形成されている。
基板2の構成材料としては、透光性を有し、光学特性が良好な材料を用いることができる。
このような材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような各種樹脂材料や、各種ガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板2の厚さ(平均)は、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
陽極3は、有機EL層4(後述する正孔輸送層41)に正孔を注入する電極である。また、この陽極3は、有機EL層4(後述する発光層42)からの発光を視認し得るように、実質的に透明(無色透明、有色透明、半透明)とされている。
かかる観点から、陽極3の構成材料(陽極材料)としては、仕事関数が大きく、導電性に優れ、また、透光性を有する材料を用いるのが好ましい。
このような陽極材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
陽極3の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陽極3の厚さが薄すぎると、陽極3としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極3が厚過ぎると、陽極材料の種類等によっては、光の透過率が著しく低下し、実用に適さなくなるおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
一方、陰極5は、有機EL層4(後述する電子輸送層43)に電子を注入する電極である。
陰極5の構成材料(陰極材料)としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
このような陰極材料としては、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、陰極材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極材料として用いることにより、陰極5の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
陰極5の厚さ(平均)は、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、100〜400nm程度であるのがより好ましい。陰極5の厚さが薄すぎると、陰極5としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極5が厚過ぎると、有機EL素子1の発光効率が低下するおそれがある。
陽極3と陰極5との間には、有機EL層4が設けられている。有機EL層4は、正孔輸送層41と、発光層42と、電子輸送層43とを備え、これらがこの順で陽極3上に形成されている。
正孔輸送層41は、陽極3から注入された正孔を発光層42まで輸送する機能を有するものである。
正孔輸送層41の構成材料(正孔輸送材料)は、正孔輸送能力を有するものであれば、いかなるものであってもよいが、共役系の化合物であるのが好ましい。共役系の化合物は、その特有な電子雲の広がりによる性質上、極めて円滑に正孔を輸送できるため、正孔輸送能力に特に優れる。
また、正孔輸送材料は、常温で固形物、半固形物または液体であるもののいずれも使用可能である。かかる形態の正孔輸送材料は、取り扱いが容易であるため、このような正孔輸送材料を用いることにより、正孔輸送層41をより容易かつ確実に形成することができる。これにより、より高性能の有機EL素子1が得られる。
本発明では、正孔輸送材料として、以下に示すような化合物(モノマー)を主鎖または側鎖に有する高分子(プレポリマーやポリマー)のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
この化合物(モノマー)としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸のようなチオフェン/スチレンスルホン酸系化合物、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、TPTEのようなアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OZのようなオキサゾール系化合物、トリフェニルメタンm−MTDATAのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)のようなチオフェン系化合物、ポリ(2,2’−チエニルピロール)、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。これらの化合物の高分子は、いずれも、高い正孔輸送能力を有している。
なお、本明細書中において、高分子とは、分子量が5000を上回る化合物のことを言う。
これらの中でも、正孔輸送材料としては、特に、3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸の重合体であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(以下、「PEDT/PSS」と略す。)のようなポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物を主成分とするものが好適である。ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物は、特に高い正孔輸送能力を有している。
また、ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物は、チオフェンとスチレンスルホン酸との比率が、重量比で1:5〜1:50程度であるのが好ましく、1:10〜1:25程度であるのがより好ましい。これにより、ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物は、より高い正孔輸送能力を有するものとなる。
なお、正孔輸送層41は、このような高分子を主材料として構成されるものであればよいが、正孔輸送層41中には、例えば、前述したような化合物の低分子(モノマーやオリゴマー)が含まれていてもよい。
また、このような正孔輸送材料は、その体積抵抗率が10Ω・cm以上であるのが好ましく、10Ω・cm以上であるのがより好ましい。これにより、発光効率のより高い有機EL素子1を得ることができる。
正孔輸送層41の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。正孔輸送層41の厚さが薄すぎると、ピンホールが生じるおそれがあり、一方、正孔輸送層41が厚過ぎると、正孔輸送層41の透過率が悪くなる原因となり、有機EL素子1の発光色の色度(色相)が変化してしまうおそれがある。
また、本発明の正孔輸送材料は、かかる比較的薄い正孔輸送層41を形成する場合に、特に有用である。
電子輸送層43は、陰極5から注入された電子を発光層42まで輸送する機能を有するものである。
電子輸送層43の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物(スターバースト系化合物)、ナフタレンのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレンのようなペリレン系化合物、アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエンのようなブタジエン系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、キノリンのようなキノリン系化合物、ビスチリルのようなビスチリル系化合物、ピラジン、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリンのようなキノキサリン系化合物、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノンのようなナフトキノン系化合物、アントラキノンのようなアントラキノン系化合物、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、BMD、BND、BDD、BAPDのようなオキサジアゾール系化合物、トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロンのようなアントロン系化合物、フルオレノン、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、ジフェノキノン、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、スチルベンキノン、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられる。
また、電子輸送材料は、以上のような化合物のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層43の厚さ(平均)は、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。電子輸送層43の厚さが薄すぎると、ピンホールが生じショートするおそれがあり、一方、電子輸送層43が厚過ぎると、抵抗値が高くなるおそれがある。
陽極3と陰極5との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層41中を正孔が、また、電子輸送層43中を電子が移動し、発光層42において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層42では、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
この発光層42の構成材料(発光材料)としては、電圧印加時に陽極3側から正孔を、また、陰極5側から電子を注入することができ、正孔と電子が再結合する場を提供できるものであれば、いかなるものであってもよい。
このような発光材料には、以下に示すような、各種低分子の発光材料、各種高分子の発光材料があり、これらのうちの1種または任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、低分子の発光材料を用いることにより、緻密な発光層42が得られるため、発光層42の発光効率が向上する。また、高分子の発光材料を用いることにより、比較的容易に溶剤へ溶解させることができるため、インクジェット印刷法等の各種塗布法による発光層42の形成を容易に行うことができる。さらに、低分子の発光材料と高分子の発光材料とを組み合わせて用いることにより、低分子の発光材料および高分子の発光材料を用いる効果を併有すること、すなわち、緻密かつ発光効率に優れる発光層42を、インクジェット印刷法等の各種塗布法により、容易に形成することができるという効果が得られる。
低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III)(Almq)、(8−ヒドロキシキノリン)亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、(2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン)プラチナム(II)のような各種金属錯体等が挙げられる。
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
発光層42の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。発光層の厚さを前記範囲とすることにより、正孔と電子との再結合が効率よくなされ、発光層42の発光効率をより向上させることができる。
なお、本実施形態では、発光層42は、正孔輸送層41および電子輸送層43と別個に設けられているが、正孔輸送層41と発光層42とを兼ねた正孔輸送性発光層や、電子輸送層43と発光層42とを兼ねた電子輸送性発光層とすることもできる。この場合、正孔輸送性発光層の電子輸送層43との界面付近が、また、電子輸送性発光層の正孔輸送層41との界面付近が、それぞれ、発光層42として機能する。
また、正孔輸送性発光層を用いた場合には、陽極から正孔輸送性発光層に注入された正孔が電子輸送層によって閉じこめられ、また、電子輸送性発光層を用いた場合には、陰極から電子輸送性発光層に注入された電子が電子輸送性発光層に閉じこめられるため、いずれも、正孔と電子との再結合効率を向上させることができるという利点がある。
また、各層3、4、5同士の間には、任意の目的の層が設けられていてもよい。例えば、正孔輸送層41と陽極3との間には正孔注入層を、また、電子輸送層43と陰極5との間には電子注入層等を設けることができる。このように、有機EL素子1に正孔注入層を設ける場合には、この正孔注入層に、本発明の正孔輸送材料を用いることもできる。また、有機EL素子1に電子注入層を設ける場合には、この電子注入層には、前述したような電子輸送材料の他、例えばLiFのようなアルカリハライド等を用いることができる。
保護層6は、有機EL素子1を構成する各層3、4、5を覆うように設けられている。この保護層6は、有機EL素子1を構成する各層3、4、5を気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。保護層6を設けることにより、有機EL素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止等の効果が得られる。
保護層6の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、保護層6の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、保護層6と各層3、4、5との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
この有機EL素子1は、例えばディスプレイ用として用いることができるが、その他にも光源等としても使用可能であり、種々の光学的用途等に用いることが可能である。
また、有機EL素子1をディスプレイに適用する場合、その駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
このような有機EL素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、基板2を用意し、この基板2上に陽極3を形成する。
陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[2] 次に、陽極3上に正孔輸送層41を形成する。
正孔輸送層41は、例えば、前述したような正孔輸送材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる正孔輸送層材料(正孔輸送層形成用材料)を、陽極3上に塗布して形成することができる。
この塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。かかる塗布法によれば、正孔輸送層41を比較的容易に形成することができる。
正孔輸送材料を溶解する溶媒または分散する分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
得られた塗膜には、必要に応じて、例えば大気中、不活性雰囲気中、減圧(または真空)下等において熱処理を施すようにしてもよい。これにより、例えば、塗膜の乾燥(脱溶媒または脱分散媒)、正孔輸送材料の重合等を行うことができる。なお、塗膜は、熱処理によらず乾燥してもよい。
また、低分子の正孔輸送材料を用いる場合、正孔輸送層材料中には、必要に応じて、バインダー(高分子バインダー)を添加するようにしてもよい。
バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害せず、かつ、可視光の吸収率が低いものを用いるのが好ましく、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリビニリデンフロライド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、このバインダーには、前述したような高分子の正孔輸送材料を用いるようにしてもよい。
なお、低分子の正孔輸送材料を用いる場合、正孔輸送層41は、例えば真空蒸着法等を用いて形成することもできる。
[3] 次に、正孔輸送層41上に発光層42を形成する。
発光層42は、正孔輸送層41と同様にして形成することができる。すなわち、発光層42は、前述したような発光材料を用いて、正孔輸送層41で説明したような方法により形成することができる。
[4] 次に、発光層42上に電子輸送層43を形成する。
電子輸送層43は、正孔輸送層41と同様にして形成することができる。すなわち、電子輸送層43は、前述したような電子輸送材料を用いて、正孔輸送層41で説明したような方法により形成することができる。
[5] 次に、電子輸送層43上に陰極5を形成する。
陰極5は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[6] 次に、陽極3、有機EL層4および陰極5を覆うように、保護層6を形成する。
保護層6は、例えば、前述したような材料で構成される箱状の保護カバーを、各種硬化性樹脂(接着剤)で接合すること等により形成する(設ける)ことができる。
硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、反応性硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂のいずれも使用可能である。
以上のような工程を経て、有機EL素子1が製造される。
本発明では、有機EL素子を構成する正孔を輸送する機能を有する層、および正孔輸送材料に特徴を有する。以下、この点(特徴)について説明する。
本発明者は、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制すべく、有機EL素子を構成する各層の中でも、特に、正孔を輸送する機能を有する層に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者は、正孔を輸送する機能を有する層中に含まれる不純物、その中でも、アニオン性不純物、カチオン性不純物、分子量5000以下のノニオン性不純物(以下、単に「ノニオン性不純物」と言う。)の含有量を所定量以下に抑えることにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を効果的に抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、正孔を有する機能を有する層としては、前述したように、正孔輸送層の他、正孔注入層等があるが、以下では、正孔輸送層で代表する。
ここで、正孔輸送層中の各種不純物量が多くなると、正孔輸送材料と不純物との反応が生じたり、不純物がトリガーとなり正孔輸送材料の構造変化(例えば分解等)が生じたり等して、正孔輸送層が経時的に劣化する。または、これらのノニオン性不純物が正孔(電子)をトラップすることにより、抵抗として余分な発熱を引き起こし、正孔輸送層が経時的に劣化する。これが一要因となり、有機EL素子の発光輝度の低下が生じる。
これに対して、アニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物の含有量が、それぞれ下記に示す範囲のように低い正孔輸送層では、正孔輸送材料の構造変化が防止または抑制され、これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる。その結果、有機EL素子は、長期間に亘って良好な発光特性を維持することができるようになる。
これらの不純物の含有量は、できるだけ少ないのが好ましく、例えば、これらの含有量の合計が4500ppm以下であるのが好ましく、2500ppm以下であるのがより好ましく、1000ppm以下であるのが特に好ましい。これにより、有機EL素子の発光輝度の減衰をより確実に抑制することができる。各種不純物の含有量の合計は、このような範囲とするのが好ましいが、さらに、層中の各種不純物がバランスよく少なくなっているのがより好ましい。
具体的には、本発明では、正孔輸送層中のアニオン性不純物の含有量を1500ppm以下、カチオン性不純物の含有量を1500ppm以下、かつ、ノニオン性不純物の含有量を2000ppm以下とした。これにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰をさらに確実に抑制することができる。
なお、アニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物として、それぞれ、複数種のものを含む場合には、前記含有量とは、それらの合計量(すなわち、総含有量)のことを言う。
特に、アニオン性不純物の含有量は、1000ppm以下であるのが好ましく、500ppm以下であるのがより好ましい。
また、カチオン性不純物の含有量は、500ppm以下であるのが好ましく、250ppm以下であるのがより好ましい。
また、ノニオン性不純物の含有量は、1000ppm以下であるのが好ましく、100ppm以下であるのがより好ましい。
このようなアニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物の含有量が少ない正孔輸送層は、例えば、次のような正孔輸送材料を用いることにより、確実に形成することができる。
すなわち、正孔輸送材料としては、この正孔輸送材料を2.0wt%となるよう液体に溶解または分散させたとき、この液体中のカチオン性不純物の含有量を30ppm以下、カチオン性不純物の含有量を30ppm以下、かつ、ノニオン性不純物の含有量を40ppm以下とするのが好ましく、これらの含有量の合計を90ppm以下とするのが好ましい。
このような正孔輸送材料を用いて正孔輸送層を形成することにより、正孔輸送層中のアニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物の含有量を、確実に前述したような範囲とすることができる。
特に、アニオン性不純物の含有量は、20ppm以下であるのが好ましく、10ppm以下であるのがより好ましい。
また、カチオン性不純物の含有量は、10ppm以下であるのが好ましく、5ppm以下であるのがより好ましい。
また、ノニオン性不純物の含有量は、20ppm以下であるのが好ましく、2ppm以下であるのがより好ましい。
また、これらの含有量の合計は、50ppm以下であるのが好ましく、20ppm以下であるのがより好ましい。
除去すべきアニオン性不純物としては、各種のものが挙げられるが、特に、SO 2−(硫酸イオン)、HCO (ギ酸イオン)、C 2−(シュウ酸イオン)およびCHCO (酢酸イオン)のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。これらのイオンは、いずれも、正孔輸送材料との反応性が極めて高く、正孔輸送材料を特に劣化させ易いので、かかるイオンを除去することにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる正孔輸送材料とすることができる。
また、除去すべきカチオン性不純物としても、各種のものが挙げられるが、特に、金属イオンを主とするものであるのが好ましい。金属イオンも、正孔輸送材料との反応性が極めて高く、正孔輸送材料を特に劣化させ易いので、カチオン性不純物として金属イオン主とするものを除去することにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を、より確実に抑制することができる正孔輸送材料とすることができる。
金属イオンとしては、各種の金属のイオンが挙げられるが、特に、元素周期律表のIa族、IIa族、VIa族、VIIa族、VIII族およびIIb族に属する金属のうちの少なくとも1種のイオンであるのが好ましい。これらの金属イオンを除去することにより、有機EL素子1の発光輝度の減衰を抑制する効果が、特に顕著に発揮される。
さて、正孔輸送層中にノニオン性不純物が混入する原因としては、種々考えられるが、主たる原因は、正孔輸送層の主材料となる正孔輸送材料を合成する際に用いる各種物質(特に溶媒)や、合成過程において生成してくる各種物質(例えば、不本意に合成される物質、分解物等)が十分に除去されないことによるものであると考えられる。
かかる物質(ノニオン性不純物)としては、例えば、ジエチレングリコール(DEG)、エチレングリコール、グリセリンのような多価アルコール、N−メチル−ピロリドンのような芳香族複素環化合物等のうちの1種または2種以上が挙げられる。これらものは、特に、正孔輸送材料の経時的な構造変化を引き起こす可能が高い物質であるため、これらを除去することにより、正孔輸送層が経時的に劣化するのをより確実に防止することができる。
なお、除去すべきノニオン性不純物は、正孔輸送材料を合成する際に生成および/または混入するものが主たるものと考えられるが、その他、例えば、正孔輸送材料の保存時に、正孔輸送材料が分解して生じるものが挙げられる。
例えば、ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物を主成分とする正孔輸送材料で構成される正孔輸送層中に含まれるノニオン性不純物としては、主に、エチレングリコールが挙げられる。
このような正孔輸送材料を用いて正孔輸送層を形成することにより、正孔輸送層中のアニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物の含有量を、確実に前述したような範囲とすることができる。
なお、正孔輸送層は、必ずしもこのような正孔輸送材料を用いて形成する必要はなく、得られた層において、最終的にアニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物が前述のような範囲となっていればよい。
このような正孔輸送材料は、溶液または分散液とし、この溶液または分散液中から、アニオン性不純物を分離または除去し得る第1の除去手段、カチオン性不純物を分離または除去し得る第2の除去手段および分子量5000以下のノニオン性不純物を分離または除去し得る第3の除去手段を、ほぼ同時にまたは連続して用いて、アニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物を除去した後、溶媒または分散媒を除去することにより精製することができる。
ここで、第1および第2の除去手段としては、それぞれ、例えば、フィルタ、カラム充填剤(吸着剤)、透析膜(透析器)、密度勾配を形成した媒体等が挙げられる。
すなわち、第1および第2の除去手段を用いる除去方法としては、それぞれ、例えば、フィルトレーション法、吸着クロマトグラフィー法、イオン交換クロマトグラフィー法、分配(順相または逆相)クロマトグラフィー法、分子ふるいクロマトグラフィー法(ゲルろ過法)、向流分配クロマトグラフィー法、液滴向流分配クロマトグラフィー法のような各種クロマトグラフィー法、密度勾配遠心分離法のような遠心分離法、限外ろ過法、透析法等が挙げられる。
これらの中でも、第1および第2の除去手段を用いる除去方法としては、それぞれ、特に、フィルトレーション法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、比較的容易かつ短時間で、正孔輸送材料中からアニオン性不純物やカチオン性不純物の除去を行うことができる。また、用いるフィルタの種類を適宜選択するだけで、目的とするアニオン性不純物やカチオン性不純物を効率よくかつ確実に除去することができる。
また、第3の除去手段としては、例えば、限外ろ過膜、フィルタ、カラム充填剤(吸着剤)、透析膜(透析器)等が挙げられる。
これらの中でも、第3の除去手段としては、限外ろ過膜を用いるのが好ましい。除去手段として限外ろ過膜を用いることにより、比較的容易かつ短時間で、溶液または分散液中からノニオン性不純物の除去を行うことができる。また、限外ろ過膜は、分子量に応じた各種物質の分離特性に優れており、用いる限外ろ過膜の種類を適宜選択するだけで、目的とするノニオン性不純物を効率よくかつ確実に除去することができる。
このため、第3の除去手段として、限外ろ膜を用いることにより、特に精度の高いノニオン性不純物の除去が可能となる。
なお、第1の除去手段は、アニオン性不純物を分離または除去するだけでなく、カチオン性不純物および/またはノニオン性不純物を分離または除去する能力を有していてもよい。
また、第2の除去手段も、カチオン性不純物を分離または除去するだけでなく、ノニオン性不純物および/またはアニオン性不純物を分離または除去する能力を有していてもよい。
さらに、第3の除去手段も、ノニオン性不純物を分離または除去するだけでなく、アニオン性不純物および/またはカチオン性不純物を分離または除去する能力を有していてもよい。
以下、アニオン性不純物およびカチオン性不純物の除去方法として、それぞれ、フィルトレーション法を用い、ノニオン性不純物の除去方法として、限外ろ過法を用いる場合を代表に説明する。
まず、フィルトレーション法では、正孔輸送材料を溶媒に溶解または分散媒に分散してなる精製用溶液または精製用分散液(以下、これらを総称して、「精製用液」と言う。)をフィルタに通し、精製用液中からフィルタにより、それぞれ、アニオン性不純物およびカチオン性不純物を分離、除去する。
精製用液の調製には、有機EL素子1の製造方法(正孔輸送層41の形成工程)で挙げた溶媒(または分散媒)と同様のものを用いることができる。
フィルトレーション法で用いるフィルタとしては、各種のものが使用可能であるが、カチオン性不純物の場合には、陽イオン交換樹脂を主材料としてなるものが好適であり、アニオン性不純物の場合には、陰イオン交換樹脂を主材料としてなるものが好適である。これにより、目的とするイオン性不純物を、正孔輸送材料中から効率よく除去することができる。
陽イオン交換樹脂には、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、重金属を選択的に除去し得るキレート樹脂等があり、これらは、例えば、スチレン系、メタクリル系、アクリル系等の各種ポリマーの主鎖に、−SOM、−COOM、−N=(CHCOO)M等(なお、Mは、好ましくは水素である。)の各種の官能基が導入されてなるものを用いることができる。なお、官能基は、陽イオン交換樹脂の種類等に応じて、適宜選択される。
一方、陰イオン交換樹脂には、例えば、最強塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、中塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂等があり、これらは、例えば、スチレン系、アクリル系等の各種ポリマーの主鎖に、第4級アンモニウム塩基、第3アミン等の各種の官能基が導入されてなるものを用いることができる。なお、官能基は、陰イオン交換樹脂の種類等に応じて、適宜選択される。
精製用液をフィルタに通す際の速度(通液速度)は、特に限定されないが、1〜1000mL/min程度であるのが好ましく、50〜100mL/min程度であるのがより好ましい。精製用液の通液速度を前記範囲とすることにより、アニオン性不純物やカチオン性不純物の除去をより効率よく行うことができる。
また、精製用液の温度(溶液温度)も、特に限定されないが、イオン性不純物の除去操作に支障をきたさない範囲で高い方がよく、0〜80℃程度であるのが好ましく、10〜25℃程度であるのがより好ましい。溶液温度を前記範囲とすることにより、アニオン性不純物やカチオン性不純物の除去をより効率よく行うことができる。
また、この場合、精製用液は、フィルタに1回だけ通すのではなく、複数回フィルタに通すようにしてもよいし、異なる種類の複数枚のフィルタに通すようにしてもよいし、これらを組み合わせるようにしてもよい。これにより、アニオン性不純物やカチオン性不純物をより効率よく除去することができる。
次に、限外ろ過法では、前記フィルトレーション法によりアニオン性不純物やカチオン性不純物が除去された精製用液を限外ろ過膜に通し、精製用液中から限外ろ過膜によりノニオン性不純物を分離、除去した後、溶媒(または分散媒)を除去する。
限外ろ過法で用いる限外ろ過膜としては、除去するノニオン性不純物の分子量に応じて限外ろ過膜の開口径を選択すればよい。
精製用液を限外ろ過膜に通す際の速度(通液速度)は、特に限定されないが、1〜100mL/min程度であるのが好ましく、1〜20mL/min程度であるのがより好ましい。精製用液の通液速度を前記範囲とすることにより、ノニオン性不純物の除去をより効率よく行うことができる。
また、精製用液の温度(溶液温度)も、特に限定されないが、ノニオン性不純物の除去操作に支障をきたさない範囲で高い方がよく、0〜80℃程度であるのが好ましく、10〜25℃程度であるのがより好ましい。溶液温度を前記範囲とすることにより、ノニオン性不純物の除去をより効率よく行うことができる。
また、この場合、精製用液は、限外ろ過に1回だけ通すのではなく、複数回限外ろ過膜に通すようにしてもよいし、異なる種類の限外ろ過膜に通すようにしてもよいし、これらを組み合わせるようにしてもよい。これにより、ノニオン性不純物をより効率よく除去することができる。
以上の工程を経て、正孔輸送材料中の各種不純物の含有量を前述したような範囲に調整(設定)する。
なお、フィルトレーション法と限外ろ過法とを用いる順序は、前記と逆であってもよいし、ほぼ同時であってもよい。
また、精製後の精製用液は、溶媒(または分散媒)を除去することなく、そのまま有機EL素子の製造に供するようにしてもよいし、濃縮または希釈した後、有機EL素子の製造に供するようにしてもよい。
以上、本発明の正孔輸送材料、層、有機エレクトロルミネッセンス素子および正孔輸送材料の精製方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
なお、以下で使用した超純水中には、アニオン性不純物、カチオン性不純物およびノニオン性不純物は、検出されなかった。
また、以下の各実施例および各比較例において、有機EL素子を5個ずつ製造した。
1.有機EL素子の製造
(実施例1)
[正孔輸送材料の精製]
まず、精製用液として、正孔輸送材料であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(バイエル社製、「バイトロンP」)の2.0wt%水分散液を用意した。
なお、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)としては、3,4−エチレンジオキシチオフェンとスチレンスルホン酸との比率が、重量比で1:20のものを用いた。
次に、この精製用液を、超純水により20倍に希釈して溶液調製をした。
次に、この溶液調製した精製用液を、6枚のスチレン系第4級アンモニウム塩形の最強塩基性陰イオン交換樹脂製のフィルタを備えたカラム中を通過させた。これにより、アニオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は50mL/minとした。
次に、この精製用液を、6枚のスチレン系スルホン酸形の強酸性陽イオン交換樹脂製のフィルタを備えたカラム中を通過させた。これにより、カチオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は50mL/minとした。
次に、この精製用液を、限外ろ過セル(ミリポア社製 攪拌式セル8200 限外ろ過膜:分画分子量5000)中を通過させ、希釈前の精製用液と同量となるまで濃縮した。これにより、分画分子量5000以下のノニオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は10mL/minとした。
次に、各種不純物を除去した後の精製用液の分散媒を、揮発、除去して、精製後の正孔輸送材料を得た。
[有機EL素子の作製]
まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板上に、真空蒸着法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。
次に、ITO電極上に、前記正孔輸送材料を2.0wt%となるように、超純水に分散させた分散液を、スピンコート法により塗布した後、乾燥して、平均厚さ50nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)(重量平均分子量200000)の1.7wt%キシレン溶液を、スピンコート法により塗布した後、乾燥して、平均厚さ50nmの発光層を形成した。
次に、発光層上に、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールを真空蒸着し、平均厚さ20nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上に、真空蒸着法により、平均厚さ300nmのAlLi電極(陰極)を形成した。
次に、形成した各層を覆うように、ポリカーボネート製の保護カバーを被せ、紫外線硬化性樹脂により固定、封止して、有機EL素子を完成した。
(実施例2)
[正孔輸送材料の精製]
まず、精製用液として、前記実施例1と同様のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(バイエル社製、「バイトロンP」)の2.0wt%水分散液を用意した。
次に、この精製用液を、超純水により10倍に希釈して溶液調製をした。
次に、この溶液調製した精製用液を、4枚のスチレン系第4級アンモニウム塩形の最強塩基性陰イオン交換樹脂製フィルタを備えたカラム中を通過させた。これにより、アニオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は50mL/minとした。
次に、この精製用液を、4枚のスチレン系スルホン酸形の強酸性陽イオン交換樹脂製フィルタを備えたカラム中を通過させた。これにより、カチオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は50mL/minとした。
次に、この精製用液を、限外ろ過セル(ミリポア社製 攪拌式セル8200 限外ろ過膜:分画分子量5000)中を通過させ、希釈前の精製用液と同量となるまで濃縮した。これにより、分画分子量5000以下のノニオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は10mL/minとした。
次に、各種不純物を除去した後の精製用液の分散媒を、揮発、除去して、精製後の正孔輸送材料を得た。
[有機EL素子の作製]
このようにして精製された正孔輸送材料を用いて、前記実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
(実施例3)
[正孔輸送材料の精製]
まず、精製用液として、前記実施例1と同様のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(バイエル社製、「バイトロンP」)の2.0wt%水分散液を用意した。
次に、この精製用液を、超純水により1.5倍に希釈して溶液調製をした。
次に、この溶液調製した精製用液を、2枚のスチレン系第4級アンモニウム塩形の最強塩基性陰イオン交換樹脂製フィルタを備えたカラム中を通過させた。これにより、アニオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は50mL/minとした。
次に、この精製用液を、2枚のスチレン系スルホン酸形の強酸性陽イオン交換樹脂製フィルタを備えたカラム中を通過させた。これにより、カチオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は50mL/minとした。
次に、この精製用液を、限外ろ過セル(ミリポア社製 攪拌式セル8200 限外ろ過膜:分画分子量5000)中を通過させ、希釈前の精製用液と同量となるまで濃縮した。これにより、分画分子量5000以下のノニオン性不純物を除去した。
なお、精製用液の温度(溶液温度)は20℃、精製用液のカラムへの通過速度(通液速度)は10mL/minとした。
次に、各種不純物を除去した後の精製用液の分散媒を、揮発、除去して、精製後の正孔輸送材料を得た。
[有機EL素子の作製]
このようにして精製された正孔輸送材料を用いて、前記実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
(実施例4)
アニオン性不純物を、6枚のスチレン系第4級アンモニウム塩形の最強塩基性陰イオン交換樹脂製フィルタを備えたカラム中を通過させて除去した以外は、前記実施例3と同様にして、正孔輸送材料の精製を行った後、有機EL素子を製造した。
(実施例5)
カチオン性不純物を、6枚のスチレン系スルホン酸形の強酸性陽イオン交換樹脂製フィルタを備えたカラム中を通過させて除去した以外は、前記実施例3と同様にして、正孔輸送材料の精製を行った後、有機EL素子を製造した。
(実施例6)
超純水による精製用液の希釈倍率を、20倍とした以外は、前記実施例3と同様にして、正孔輸送材料の精製を行った後、有機EL素子を製造した。
(比較例1)
超純水による精製用液の希釈と、分子量5000以下のノニオン性不純物の除去とを省略した以外は、前記実施例3と同様にして、正孔輸送材料の精製を行った後、有機EL素子を製造した。
(比較例2)
カチオン性不純物および分子量5000以下のノニオン性不純物の除去を省略した以外は、前記実施例3と同様にして、正孔輸送材料の精製を行った後、有機EL素子を製造した。
(比較例3)
アニオン性不純物および分子量5000以下のノニオン性不純物の除去を省略した以外は、前記実施例3と同様にして、正孔輸送材料の精製を行った後、有機EL素子を製造した。
(比較例4)
アニオン性不純物、カチオン性不純物および分子量5000以下のノニオン性不純物の除去を省略した以外は、前記実施例3と同様にして、有機EL素子を製造した。
[評価]
1.イオン性不純物含有量の測定
1−1.アニオン性不純物含有量の測定
各実施例および比較例1〜3で得られた精製後の正孔輸送材料、および、比較例4の正孔輸送材料中のアニオン性不純物の含有量を、それぞれ、Ion Chromatography法(IC法)を用いて測定した。
具体的には、前記正孔輸送材料を、超純水に2.0wt%となるように分散させた分散液をIC法により分析した。
また、有機EL素子の正孔輸送層中のアニオン性不純物の含有量は、ここで得られた測定値から換算して求めた。
1−2.カチオン性不純物含有量の測定
各実施例および比較例1〜3で得られた精製後の正孔輸送材料、および、比較例4の正孔輸送材料中のカチオン性不純物含有量を、それぞれ、Inductively coupled plazma mass spectroscopy法(ICP−MS法)を用いて測定した。
具体的には、石英製のるつぼに、前記正孔輸送材料を、超純水に2.0wt%となるように分散させた分散液を、0.5g秤量し、ホットプレートおよび電気炉で、順次灰化処理を行った。次に、灰化物を硝酸で加熱分解した後、希硝酸で定容し、得られた定溶液をICP−MS法により分析した。
この分析結果は、カチオン性不純物の含有量に応じて、以下の7段階の基準に従って評価した。
また、有機EL素子の正孔輸送層中のカチオン性不純物の含有量は、ここで得られた測定値から換算して求めた。
<2.0wt%水分散液中のカチオン性不純物の含有量>
− :0.1ppm以下
+ :0.1ppm超、 1ppm以下
2+: 1ppm超、 5ppm以下
3+: 5ppm超、 10ppm以下
4+: 10ppm超、 30ppm以下
5+: 30ppm超、500ppm以下
6+:500ppm超
<正孔輸送層中のカチオン性不純物の含有量>
− : 5ppm以下
+ : 5ppm超、 50ppm以下
2+: 50ppm超、 250ppm以下
3+: 250ppm超、 500ppm以下
4+: 500ppm超、 1500ppm以下
5+: 1500ppm超、25000ppm以下
6+:25000ppm超
1−3.ノニオン性不純物含有量の測定
各実施例および比較例1〜3で得られた精製後の正孔輸送材料、および、比較例4の正孔輸送材料中のノニオン性不純物の含有量を、それぞれ、H−NMR法を用いて測定した。
具体的には、前記正孔輸送材料を、超純水に2.0wt%となるように分散させた分散液をH−NMRにより分析した。
このH−NMRによる測定の結果、H−NMRのスペクトルからは、PEDT/PSSに由来するピークと、分子量5000以下のノニオン性不純物として、エチレングリコールに由来するピークとが確認された。
そして、確認されたピークのうち、スチレンユニットに由来するピーク面積と、エチレングリコールに由来するピーク面積との比率から、スチレンユニットとエチレングリコールの割合を、モル比で算出した。この得られたスチレンユニットとエチレングリコールのモル比および溶液中の正孔輸送材料(PEDT/PSS)の濃度とPEDT/PSSの重量比から換算することにより正孔輸送材料中の含有量(ppm)を求めた。
また、有機EL素子の正孔輸送層中のノニオン性不純物の含有量は、ここで示したH−NMR法と同様の手法を用いて行った。
2.有機EL素子の発光輝度の減衰評価
各実施例および各比較例の有機EL素子について、それぞれ、発光輝度を測定し、発光輝度が初期値の半分になる時間(半減期)を測定した。
なお、発光輝度の測定は、ITO電極とAlLi電極との間に6Vの電圧を印加することにより行った。
これらの評価2−1、2−2の結果を、それぞれ、以下の表1に示す。
Figure 2005150099
Figure 2005150099
なお、表1において、A表には、2.0wt%水分散液中の不純物の含有量を、B表には、正孔輸送層中の不純物の含有量を示した。
また、表1中の各数値は、いずれも、5個の有機EL素子の平均値である。
また、アニオン性不純物については、SO 2−、HCO 、C 2−、CHCO のそれぞれの含有量および総含有量を、カチオン性不純物については、各カチオン性不純物のそれぞれの含有量および総含有量を、分子量5000以下のノニオン性不純物については、エチレングリコールの含有量を示した。
また、アニオン性不純物の含有量、カチオン性不純物の含有量および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量を加算したものを合計として示した。
次に、有機EL素子の発光輝度の減衰評価結果は、未精製の比較例4の正孔輸送材料を用いて製造された有機EL素子の発光輝度の半減期を「1」とし、各実施例および各比較例の有機EL素子の発光輝度の半減期を、それぞれ相対値で示した。
表1に示すように、各実施例では、いずれも、アニオン性不純物、カチオン性不純物、分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量、および、これらの含有量の合計は、2.0wt%水分散液中において、それぞれ、30ppm、30ppm、40ppmおよび90ppm以下であり、正孔輸送層中においても、それぞれ、1500ppm、1500ppm、2000ppmおよび4500ppm以下であった。
また、各実施例の有機EL素子では、いずれも、各比較例の有機EL素子に比べ、発光輝度の半減期が長くなり、発光輝度の減衰が抑制された。
また、各種不純物をバランスよく除去するとともに、各種不純物の含有量およびこれらの合計をより少なくすることにより、有機EL素子の発光輝度の半減期がより長くなる傾向を示した。
なお、各実施例の正孔輸送材料の体積抵抗率は、いずれも、各比較例の正孔輸送材料の体積抵抗率より大きく、10Ω・cm以上であった。
以上より、アニオン性不純物、カチオン性不純物および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量の、全てを、所定量に抑えた本発明の正孔輸送材料を用いた有機EL素子は、発光輝度の減衰が抑えられ、長期間に亘って良好な発光特性を維持することができ、優れたものとなることがわかった。
有機EL素子の一例を示した縦断面図である。
符号の説明
1……有機EL素子 2……基板 3……陽極 4……有機EL層 41……正孔輸送層 42……発光層 43……電子輸送層 5……陰極 6……保護層

Claims (17)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層に用いられる高分子の正孔輸送材料であって、
    該正孔輸送材料を2.0wt%となるよう液体に溶解または分散させたとき、該液体中に含まれるアニオン性不純物の含有量が30ppm以下、カチオン性不純物の含有量が30ppm以下、かつ、分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量が40ppm以下であることを特徴とする正孔輸送材料。
  2. 前記正孔輸送材料を2.0wt%となるよう液体に溶解または分散させたとき、該液体中に含まれるアニオン性不純物の含有量、カチオン性不純物の含有量および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量の合計は、90ppm以下である請求項1に記載の正孔輸送材料。
  3. 前記アニオン性不純物は、硫酸イオン、ギ酸イオン、シュウ酸イオンおよび酢酸イオンのうちの少なくとも1種である請求項1または2に記載の正孔輸送材料。
  4. 前記カチオン性不純物は、金属イオンを主とするものである請求項1ないし3のいずれかに記載の正孔輸送材料。
  5. 前記金属イオンは、元素周期律表のIa族、IIa族、VIa族、VIIa族、VIII族およびIIb族に属する金属のうちの少なくとも1種のイオンである請求項4に記載の正孔輸送材料。
  6. 前記ノニオン性不純物は、主に、前記正孔輸送材料を合成する際に生成および/または混入するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の正孔輸送材料。
  7. 前記ノニオン性不純物は、多価アルコールおよび芳香族複素環化合物のうちの少なくとも1種である請求項1ないし6のいずれかに記載の正孔輸送材料。
  8. 前記正孔輸送材料は、その体積抵抗率が10Ω・cm以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の正孔輸送材料。
  9. 前記正孔輸送材料は、チオフェン/スチレンスルホン酸系化合物、アリールシクロアルカン系化合物、アリールアミン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、カルバゾール系化合物、スチルベン系化合物、オキサゾール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ピラゾリン系化合物、ベンジン系化合物、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、アントラセン系化合物、フルオレノン系化合物、アニリン系化合物、シラン系化合物、チオフェン系化合物、ピロール系化合物、フローレン系化合物、ポルフィリン系化合物、キナクリドン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物およびベンジジン系化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし8のいずれかに記載の正孔輸送材料。
  10. 前記正孔輸送材料は、ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物を主成分とする請求項1ないし9のいずれかに記載の正孔輸送材料。
  11. 前記ポリ(チオフェン/スチレンスルホン酸)系化合物は、チオフェンとスチレンスルホン酸との比率が重量比で1:5〜1:50である請求項10に記載の正孔輸送材料。
  12. 有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層であって、
    該層中に含まれるアニオン性不純物の含有量が1500ppm以下、カチオン性不純物の含有量が1500ppm以下、かつ、分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量が2000ppm以下であることを特徴とする層。
  13. 前記層中に含まれるアニオン性不純物の含有量、カチオン性不純物の含有量および分子量5000以下のノニオン性不純物の含有量の合計は、4500ppm以下である請求項12に記載の層。
  14. 有機エレクトロルミネッセンス素子が備える正孔を輸送する機能を有する層であって、
    請求項1ないし11のいずれかに記載の正孔輸送材料を主材料として構成されることを特徴とする層。
  15. 請求項12ないし14のいずれかに記載の層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 請求項1ないし11のいずれかに記載の正孔輸送材料を得るための正孔輸送材料の精製方法であって、
    前記正孔輸送材料の溶液または分散液中から、アニオン性不純物を分離または除去し得る第1の除去手段、カチオン性不純物を分離または除去し得る第2の除去手段および分子量5000以下のノニオン性不純物を分離または除去し得る第3の除去手段を、ほぼ同時にまたは連続して用いて、前記アニオン性不純物、前記カチオン性不純物および前記ノニオン性不純物を除去した後、溶媒または分散媒を除去して、前記正孔輸送材料の精製を行うことを特徴とする正孔輸送材料の精製方法。
  17. 前記第3の除去手段として、限外ろ過膜を用いる請求項16に記載の正孔輸送材料の精製方法。
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