JP3928609B2 - ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法に関する。
少なくとも一層の発光性有機層(有機エレクトロルミネッセンス層)が陰極と陽極に挟まれている構造を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する。)は、無機EL素子に比べて印加電圧を大幅に低下させることができ、多彩な発光色の素子が作製可能である。
現在、より高性能な有機EL素子を得るため、材料の開発・改良をはじめ、様々なデバイス構造が提案されており、活発な研究が行われている。
また、この有機EL素子については既に様々な発光色の素子、また高輝度、高効率の素子が開発されており、表示装置の画素としての利用や光源としての利用など多種多様な実用化用途が検討されている。
ところで、上述のような有機EL素子を構成する各有機層の形成方法としては、各機能を有する有機材料を有機溶媒に溶解または分散させた塗料を、スピンコート法等により塗布する湿式法が汎用されている。湿式法は、真空蒸着法等の真空薄膜技術と異なり、真空装置等の大掛かりな設備を必要としないため、製造工程を簡略化、低コスト化することができる。
しかし、湿式法では、有機層の積層構造を形成するのが困難であるという問題がある。すなわち、例えば、有機材料により構成された第1層目の有機層上に、第2層目の有機層を形成するための有機溶媒を含有する塗料を塗布すると、有機溶媒により第1層目を構成する有機材料が溶解してしまい、第1層目の有機層と第2層目の有機層との界面が不明瞭になってしまうという問題がある。
そこで、第2層目の有機層を形成するための塗料(第2層目形成用の塗料)を調整するのに、水を用いる方法が提案されている。有機材料の多くのものは、水に溶解し難いので、水を用いて第2層目形成用の塗料を調整することにより、第1層目の有機層を構成する有機材料の溶解を防止しつつ、第2層目の有機層を形成することができる。
ところが、この場合、上述の如く有機材料は水に溶解し難いので、第2層目形成用の塗料は、有機材料を水に分散させた分散液として調製されるが、有機材料は、一般に水に対する分散性も低い。
このため、有機材料の基本構造に分散性を改善するための構造を付与することが行われており、例えば、正孔輸送材料として用いられるポリエチレン−ジ−オキシチオフェンの場合には、分散性を改善するための構造としてポリスチレンスルホン酸が導入される(例えば、特許文献1参照。)。
そして、このポリスチレンスルホン酸が導入されたポリエチレン−ジ−オキシチオフェンでは、ポリスチレンスルホン酸によって得られるドーピング効果による正孔輸送能力を高めること、水への分散性を向上させること等の理由から、合成段階から水に分散された状態とされ、この状態で長期間保存される。
しかし、ポリスチレンスルホン酸が導入されたポリエチレン−ジ−オキシチオフェンは、ポリスチレンスルホン酸がスルホン基を有することから、水に分散させた状態で強酸性を示し、長期保存により構造が経時的に変化してしまうという問題がある。
その結果、かかる状態のポリスチレンスルホン酸が導入されたポリエチレン−ジ−オキシチオフェンを用いて、有機EL素子を構成すると、十分な発光輝度が得られないという問題が生じる。
特開2001−261795号公報
本発明の目的は、強酸性を示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)を長期間安定して保存可能なポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)を、水に分散させて分散液とした状態で保存するポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法であって、
前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)を2wt%となるように前記水に分散させて分散液とし、このとき測定されるpH(25℃)より高くなるように、前記分散液のpH(25℃)を調整した状態で保存することを特徴とする。
これにより、長期間保存した場合でも、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の分子構造の経時的変化を防止または低減することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、pH調整前の前記分散液のpH(25℃)は、2.2以下であることが好ましい。
本発明は、このような極めて強い酸性を示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の長期保存に適している。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、pH調整後の前記分散液のpH(25℃)は、2.5〜7.5であることが好ましい。
このような範囲のpHに液体を調整してポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)を保存することにより、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の分子構造の経時的変化をより確実に防止または抑制することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記分散液のpHは、前記分散液中にpH調整剤を添加することにより調整されることが好ましい。
これにより、液体のpHの調整を比較的容易に行うことができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記pH調整剤は、金属元素を実質的に含有しないものであることが好ましい。
これにより、液体中に金属元素(金属単体、金属イオン、金属化合物等)が混入することを防止することができ、金属元素によるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の経時的劣化を回避することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記pH調整剤は、NHClであることが好ましい。
NHClの水溶液は、緩衝作用を有するため、pH調整剤としてNHClを用いることにより、液体のpH調整をより容易かつ高精度で行うことができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記分散液のpHは、前記分散液を水で希釈することにより調整されることが好ましい。
これにより、液体のpHの調整を比較的容易に行うことができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記水は、純水、蒸留水およびRO水のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
このような水を用いることにより、液体中に金属元素が混入することを防止することができ、金属元素によるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の経時的劣化を回避することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記分散液のpHは、水素イオンを除去する除去手段を用いて、前記分散液中の水素イオンを除去することにより調整されることが好ましい。
これにより、液体のpHの調整を比較的容易に行うことができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記除去手段は、水素イオンを水素ガスに変換して除去するものであることが好ましい。
かかる方法によれば、pH調整のための添加物の影響を考慮することや、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の使用に先立って濃縮等の作業を行うことが不要であるという利点がある。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存時の温度は、5〜40℃であることが好ましい。
これにより、溶解度の低下による材料の沈殿、分散状態の変化による材料の沈下を防止しつつ、保存時にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)から水素イオンが遊離するのを防止することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、外気遮断状態で保存することが好ましい。
これにより、保存時に液体中への異物の混入を防止することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、遮光状態で保存することが好ましい。
これにより、保存時にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)が光(特に、紫外線)により経時的に劣化するのを防止することができる。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法では、前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料であることが好ましい。
正孔輸送材料は、特に、その分子構造(その特有な電子雲の広がりによる性質)が正孔の輸送能力に大きく影響を与えるため、本発明を適用して、正孔輸送材料の分子構造の経時的変化を防止または抑制することにより、正孔輸送材料の正孔輸送能力の低下または消失を確実に防止することができる。
<ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法>
まず、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法について説明する。
なお、以下では、pHと記載する場合は、特に断らない限り、25℃でのpHを示すものとする。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法は、強酸性を示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(以下、「強酸性材料」と言う。)を、水を主成分とする液体に溶解または分散させた状態で保存する方法であり、保存する強酸性材料を2wt%となるように液体に溶解または分散させ、このとき測定されるpHより高くなるように、液体のpHを調整した状態で保存することを特徴とするものである。
ここで、強酸性材料を溶液または分散液として、pHを調整することなく長期間保存した場合、液体(溶媒または分散媒)中にHイオン(水素イオン)が高濃度で遊離し、この高濃度のHイオンにより、強酸性材料の分子構造が経時的に変化(例えば分解等)する。
これに対して、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、液体のpHを高くした状態で、強酸性材料を保存することにより、その分子構造の経時的変化を防止または低減することができることを見い出した。
また、本発明者は、pH調整前において、液体のpHが2.2以下(特に1.8以下)を示すような強酸性材料において、その分子構造の経時的変化が著しいことも確認している。すなわち、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法は、このような極めて強い酸性を示す強酸性材料の長期保存に適している。
pH調整後の液体(以下、「調整後液体」と言う。)のpHは、pH調整前の液体(以下、「調整前液体」と言う。)のpHに応じて適宜設定するようにすればよいが、調整前液体のpHが前記範囲である場合、調整後液体のpHは、2.5〜7.5程度であるのが好ましく、3.0〜5.0程度であるのがより好ましい。このような範囲のpHに液体を調整して強酸性材料を保存することにより、強酸性材料の分子構造の経時的変化をより確実に防止または抑制することができる。
なお、強酸性材料は、その種類等によっては、中性を超えた比較的高いpH(アルカリ領域)で保存した場合、OHイオン等のアルカリイオンの影響により、その分子構造に変化が生じる恐れがある。
本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法は、各種の強酸性材料に適用可能であるが、特に、スルホン基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)およびフェノール性水酸基(−OH)のうちの少なくとも1種を有するものに適用するのが好適である。これらの官能基は、極めて酸解離定数が高く、高濃度のHイオンが遊離するため、かかる官能基を有する強酸性材料の保存に、本発明を適用することは特に有効である。
また、強酸性材料の中には、各種機能を有する材料(機能性材料)が存在するが、本発明は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料に適用するのが好ましい。正孔輸送材料は、特に、その分子構造(その特有な電子雲の広がりによる性質)が正孔の輸送能力に大きく影響を与えるため、本発明を適用して、正孔輸送材料の分子構造の経時的変化を防止または抑制することにより、正孔輸送材料の正孔輸送能力の低下または消失を確実に防止することができる。
これらのことを考慮すると、本発明において保存対象とする強酸性材料は、各種のものの中でも、特に、下記化1に示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(以下、「PEDT/PSS」と略す。)が好適である。
Figure 0003928609
このPEDT/PSSは、PEDTがHイオンの攻撃を受け易い部分(C−O結合)を有している。このため、Hイオンが高濃度で存在すると、PEDT/PSSは、C−O結合が切断(酸加水分解)されることにより、エチレングリコールを放出し、その分子構造が変化する。これにより、PEDT/PSSは、その正孔輸送能力が極端に低下する。その結果、かかるPEDT/PSSを用いて、例えば、後述する有機EL素子を構成しても、その発光輝度等の特性が十分に得られない。
これに対し、PEDT/PSSをpH調整して保存することにより、Hイオンに起因した分子構造の経時的変化が防止または抑制される。その結果、有機EL素子の正孔輸送材料として使用したとき、有機EL素子の発光輝度等の特性を良好なものとすることができる。
さて、本発明において、強酸性材料の保存時には、水、または水を主成分として他の液体を含む混合液が用いられる。
使用可能な水としては、例えば、純水(超純水)、蒸留水、RO水等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、水と組み合わせて使用される液体としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、酢酸、過酸化水素水、アンモニア水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチルエーテル、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルアミン、ジエチルアミン、酢酸メチル、アセトニトリル等が挙げられる。
液体のpHの調整(pH調整)は、例えば、I:液体中にpH調整剤を添加する方法、II:水を主成分とする希釈液で希釈する方法、III:Hイオンを除去する除去手段を用いて、液体中のHイオンを除去する方法等により行うことができる。これらの方法によれば、液体のpH調整を比較的容易に行うことができる。
また、これらの方法は、1種または2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
以下、I〜IIIの方法について、それぞれ説明する。
I:pH調整剤によるpH調整
この方法で用いるpH調整剤としては、保存対象の強酸性材料に対して、塩基として働くもの、すなわち、強酸性材料より酸解離定数が小さい酸性物質または塩基性物質を用いることができる。
また、pH調整剤としては、金属元素を実質的に含有しないものが好ましい。なお、金属元素とは、金属単体、金属イオン、金属化合物のいずれの形態のものをも含む。これにより、液体中に金属元素が混入することを防止することができ、金属元素による強酸性材料の経時的劣化を回避することができる。
このようなことから、pH調整剤としては、例えば、NHCl、NH、NHOH、有機アミン類等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いるのが好適である。
これらの中でも、pH調整剤としては、特に、NHClを主成分とするものが好ましい。NHClの水溶液は、緩衝作用を有するため、pH調整剤としてNHClを主成分とするものを用いることにより、液体のpH調整をより容易かつ高精度で行うことができる。
II:希釈によるpH調整
この方法で用いる希釈液としては、水を主成分とするものを用いることができる。ここで用いられる水としては、前記Iの方法で説明したのと同様の理由から、金属元素を実質的に含有しないものが好ましい。
かかる水としては、純水、蒸留水およびRO水のうちの少なくとも1種を主とするものを用いるのが好ましい。このような水を主成分とする希釈液を用いることにより、液体中に金属元素が混入することを防止することができ、金属元素による強酸性材料の経時的劣化を回避することができる。
また、この方法を用いる場合、保存終了後、すなわち、強酸性材料を使用する際には、使用に先立って、液体中の強酸性材料の含有量が適正量となるように濃縮するのが好ましい。この濃縮の方法としては、特に限定されず、例えば限外ろ過法(透析法)等が好適に使用される。
III:Hイオン除去によるpH調整
このHイオンを除去する方法としては、例えば、除去手段として電極を用いて、水の電気分解の逆反応を利用することによりHイオンをH(水素ガス)に変換する方法、除去手段としてイオン交換樹脂を用いて、Hイオンを吸着・除去する方法等が挙げられるが、これらの中でも、除去手段として電極を用いてHイオンをHに変換する方法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、pH調整のための添加物の影響を考慮することや、強酸性材料の使用に先立って濃縮等の作業を行うことが不要であるという利点がある。
以上のようにしてpH調整がなされた強酸性材料を含む調整後液体は、この状態で保存される。強酸性材料(調整後液体)の保存時の温度は、特に限定されないが、5〜40℃程度であるのが好ましく、15〜30℃程度であるのがより好ましい。保存時の温度が低過ぎると、溶解度が低下し、材料が沈殿するまたは分散状態が変化し材料が沈下するおそれがあり、一方、保存時の温度が高過ぎると、保存時に強酸性材料からHイオンの遊離が起こり、強酸性材料の構造変化が生じるおそれがある。
また、調整後液体は、外気遮断状態で保存するのが好ましい。これにより、保存時に液体(強酸性材料)中への異物の混入を防止することができる。
また、調整後液体は、遮光状態で保存するのが好ましい。これにより、保存時に強酸性材料が光(特に、紫外線)により経時的に劣化するのを防止することができる。
<有機EL素子>
次に、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法により保存された正孔輸送材料(PEDT/PSS)を主材料として構成される層(正孔輸送層)を備える有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)について説明する。
図1は、有機EL素子の一例を示した縦断面図である。
図1に示す有機EL素子1は、透明な基板2と、基板2上に設けられた陽極3と、陽極3上に設けられた有機EL層4と、有機EL層4上に設けられた陰極5と、各前記層3、4、5を覆うように設けられた保護層6とを備えている。
基板2は、有機EL素子1の支持体となるものであり、この基板2上に各前記層が形成されている。
基板2の構成材料としては、透光性を有し、光学特性が良好な材料を用いることができる。
このような材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような各種樹脂材料や、各種ガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板2の厚さ(平均)は、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
陽極3は、有機EL層4(後述する正孔輸送層41)に正孔を注入する電極である。また、この陽極3は、有機EL層4(後述する発光層42)からの発光を視認し得るように、実質的に透明(無色透明、有色透明、半透明)とされている。
かかる観点から、陽極3の構成材料(陽極材料)としては、仕事関数が大きく、導電性に優れ、また、透光性を有する材料を用いるのが好ましい。
このような陽極材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
陽極3の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陽極3の厚さが薄すぎると、陽極3としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極3が厚過ぎると、陽極材料の種類等によっては、光の透過率が著しく低下し、実用に適さなくなるおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
一方、陰極5は、有機EL層4(後述する電子輸送層43)に電子を注入する電極である。
陰極5の構成材料(陰極材料)としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
このような陰極材料としては、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rb、Auまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、陰極材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極材料として用いることにより、陰極5の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
陰極5の厚さ(平均)は、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、100〜400nm程度であるのがより好ましい。陰極5の厚さが薄すぎると、陰極5としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極5が厚過ぎると、有機EL素子1の発光効率が低下するおそれがある。
陽極3と陰極5との間には、有機EL層4が設けられている。有機EL層4は、正孔輸送層41と、発光層42と、電子輸送層43とを備え、これらがこの順で陽極3上に形成されている。
正孔輸送層41は、陽極3から注入された正孔を発光層42まで輸送する機能を有するものである。
この正孔輸送層41は、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法により保存されたPEDT/PSS(正孔輸送材料)を主材料として構成されている。PEDT/PSSは、特に高い正孔輸送能力を有することから、有機EL素子1の発光輝度等の特性を優れたものとすることができる。
図1は、有機EL素子の一例を示した縦断面図である。
なお、正孔輸送層41は、PEDT/PSSの他に、以下に示すような正孔輸送材料の1種以上を組み合わせて構成するようにしてもよい。
PEDT/PSSと組み合わせて用いられる正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TPD1)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TPD2)、N,N,N',N'−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TPD3)、N,N'−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(α−NPD)、TPTEのようなアリールアミン系化合物、N,N,N',N'−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N',N'−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OZのようなオキサゾール系化合物、トリフェニルメタン、m−MTDATAのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)のようなチオフェン系化合物、ポリ(2,2’−チエニルピロール)、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。これらのものは、いずれも、高い正孔輸送能力を有している。
また、これらの化合物は、モノマーやオリゴマー(低分子の正孔輸送材料)や、これらの化合物を主鎖または側鎖に有するプレポリマーやポリマー(高分子の正孔輸送材料)のいずれの形態としても用いることができる。
なお、PEDT/PSSを低分子の正孔輸送材料と組み合わせて用いることにより、緻密かつ正孔輸送能力に優れる正孔輸送層41を、インクジェット印刷法等の各種塗布法により、容易に形成することができるという利点が得られる。
また、PEDT/PSSと、他の正孔輸送材料を組み合わせて用いる場合、他の正孔輸送材料は、保存前の分散液に予め混合しておいてもよく、PEDT/PSSとは別の条件で保存しておき、使用(正孔輸送層41を形成)する直前に混合するようにしてもよい。
正孔輸送層41の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。正孔輸送層41の厚さが薄すぎると、ピンホールが生じるおそれがあり、一方、正孔輸送層41が厚過ぎると、正孔輸送層41の透過率が悪くなる原因となり、有機EL素子1の発光色の色度(色相)が変化してしまうおそれがある。
電子輸送層43は、陰極5から注入された電子を発光層42まで輸送する機能を有するものである。
電子輸送層43の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物(スターバースト系化合物)、ナフタレンのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレンのようなペリレン系化合物、アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエンのようなブタジエン系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、キノリンのようなキノリン系化合物、ビスチリルのようなビスチリル系化合物、ピラジン、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリンのようなキノキサリン系化合物、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノンのようなナフトキノン系化合物、アントラキノンのようなアントラキノン系化合物、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、BMD、BND、BDD、BAPDのようなオキサジアゾール系化合物、トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロンのようなアントロン系化合物、フルオレノン、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、ジフェノキノン、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、スチルベンキノン、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層43の厚さ(平均)は、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。電子輸送層43の厚さが薄すぎると、ピンホールが生じショートするおそれがあり、一方、電子輸送層43が厚過ぎると、抵抗値が高くなるおそれがある。
陽極3と陰極5との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層41中を正孔が、また、電子輸送層43中を電子が移動し、発光層42において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層42では、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
この発光層42の構成材料(発光材料)としては、電圧印加時に陽極3側から正孔を、また、陰極5側から電子を注入することができ、正孔と電子が再結合する場を提供できるものであれば、いかなるものであってもよい。
このような発光材料には、以下に示すような、各種低分子の発光材料、各種高分子の発光材料があり、これらのうちの1種または任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、低分子の発光材料を用いることにより、緻密な発光層42が得られるため、発光層42の発光効率が向上する。また、高分子の発光材料を用いることにより、比較的容易に溶剤へ溶解させることができるため、インクジェット印刷法等の各種塗布法による発光層42の形成を容易に行うことができる。さらに、低分子の発光材料と高分子の発光材料とを組み合わせて用いることにより、低分子の発光材料および高分子の発光材料を用いる効果を併有すること、すなわち、緻密かつ発光効率に優れる発光層42を、インクジェット印刷法等の各種塗布法により、容易に形成することができるという効果が得られる。
低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III)(Almq)、(8−ヒドロキシキノリン)亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、(2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン)プラチナム(II)のような各種金属錯体等が挙げられる。
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
発光層42の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。発光層42の厚さを前記範囲とすることにより、正孔と電子との再結合が効率よくなされ、発光層42の発光効率をより向上させることができる。
なお、本実施形態では、発光層42は、正孔輸送層41および電子輸送層43と別個に設けられているが、正孔輸送層41と発光層42とを兼ねた正孔輸送性発光層や、電子輸送層43と発光層42とを兼ねた電子輸送性発光層とすることもできる。この場合、正孔輸送性発光層の電子輸送層43との界面付近が、また、電子輸送性発光層の正孔輸送層41との界面付近が、それぞれ、発光層42として機能する。
また、正孔輸送性発光層を用いた場合には、陽極から正孔輸送性発光層に注入された正孔が電子輸送層によって閉じこめられ、また、電子輸送性発光層を用いた場合には、陰極から電子輸送性発光層に注入された電子が電子輸送性発光層に閉じこめられるため、いずれも、正孔と電子との再結合効率を向上させることができるという利点がある。
また、各層3、4、5同士の間には、任意の目的の層が設けられていてもよい。例えば、正孔輸送層41と陽極3との間には正孔注入層を、また、電子輸送層43と陰極5との間には電子注入層等を設けることができる。このように、有機EL素子1に正孔注入層を設ける場合には、この正孔注入層を、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法により保存された正孔輸送材料を用いて構成することもできる。また、有機EL素子1に電子注入層を設ける場合には、この電子注入層には、前述したような電子輸送材料の他、例えばLiFのようなアルカリハライド等を用いることができる。
保護層6は、有機EL素子1を構成する各層3、4、5を覆うように設けられている。この保護層6は、有機EL素子1を構成する各層3、4、5を気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。保護層6を設けることにより、有機EL素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止等の効果が得られる。
保護層6の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、保護層6の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、保護層6と各層3、4、5との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
この有機EL素子1は、例えばディスプレイ用として用いることができるが、その他にも光源等としても使用可能であり、種々の光学的用途等に用いることが可能である。
また、有機EL素子1をディスプレイに適用する場合、その駆動方式としては、特に限定されず、アクティブマトリックス方式、パッシブマトリックス方式のいずれであってもよい。
このような有機EL素子1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、基板2を用意し、この基板2上に陽極3を形成する。
陽極3は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[2] 次に、陽極3上に正孔輸送層41を形成する。
正孔輸送層41は、前述したような正孔輸送材料の溶液または分散液を陽極3上に、例えば塗布して形成することができる。
この塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。かかる塗布法によれば、正孔輸送層41を比較的容易に形成することができる。
得られた塗膜には、必要に応じて、例えば大気中、不活性雰囲気中、減圧(または真空)下等において熱処理を施すようにしてもよい。これにより、例えば、塗膜の乾燥(脱溶媒または脱分散媒)、正孔輸送材料の重合等を行うことができる。なお、塗膜は、熱処理によらず乾燥してもよい。
また、低分子の正孔輸送材料を用いる場合、正孔輸送層材料中には、必要に応じて、バインダー(高分子バインダー)を添加するようにしてもよい。
バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害せず、かつ、可視光の吸収率が低いものを用いるのが好ましく、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリビニリデンフロライド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、このバインダーには、前述したような高分子の正孔輸送材料を用いるようにしてもよい。
[3] 次に、正孔輸送層41上に発光層42を形成する。
発光層42は、正孔輸送層41と同様にして形成することができる。すなわち、発光層42は、前述したような発光材料を用いて、正孔輸送層41で説明したような方法により形成することができる。
[4] 次に、発光層42上に電子輸送層43を形成する。
電子輸送層43は、正孔輸送層41と同様にして形成することができる。すなわち、電子輸送層43は、前述したような電子輸送材料を用いて、正孔輸送層41で説明したような方法により形成することができる。
[5] 次に、電子輸送層43上に陰極5を形成する。
陰極5は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[6] 次に、陽極3、有機EL層4および陰極5を覆うように、保護層6を形成する。
保護層6は、例えば、前述したような材料で構成される箱状の保護カバーを、各種硬化性樹脂(接着剤)で接合すること等により形成する(設ける)ことができる。
硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、反応性硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂のいずれも使用可能である。
以上のような工程を経て、有機EL素子1が製造される。
以上、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法および有機エレクトロルミネッセンス素子について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法は、前述したような有機エレクトロルミネッセンス素子の各層を構成する強酸性を示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存に適用することができる他、有機エレクトロルミネッセンス素子以外の他の電子デバイスを構成する強酸性を示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存に適用することができる。
さらには、本発明のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法は、電子デバイスを構成するポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)への適用に限定されず、その他、各種用途の強酸性を示すポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存に適用することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
正孔輸送材料であるPEDT/PSS(バイエル社製、「バイトロンP」)を、2wt%となるように純水に分散した分散液を用意した。
次に、この分散液を、分画分子量3000の透析膜に通過させ、エチレングリコールを除去した。
なお、この分散液のpH(25℃)は、1.2であった。
次に、この分散液に、30wt%となるようにNHCl(pH調整剤)を純水に溶解した溶液を、滴下することにより、分散液のpH(25℃)を3.0に調整した。
このpH調整後の分散液を密閉容器に入れ(外気遮断状態)、25℃の暗所(遮光状態)で、1ヶ月間、3ヶ月間、5ヶ月間保存した。
そして、各期間保存後の分散液を用いて、それぞれ、次のようにして有機EL素子を作製した。
まず、保存後の分散液(PEDT/PSS分散液)を、それぞれ、ITO(Indium Tin Oxide)よりなる陽極が形成された透明ガラス基板上に、スピンコート法により塗布し、加熱乾燥することにより、平均厚さ50nmの正孔輸送層を形成した。
次に、発光材料であるポリ[9,9’−ジヘキシル−2,7−(2−シアノビニレン)フルオレニン](重量平均分子量120,000)を、2wt%となるようにトルエンに溶解して発光材料溶液を調整した。
この発光材料溶液を、正孔輸送層上にスピンコート法により塗布し、加熱乾燥することで、平均厚さ50nmの発光層を形成した。
次に、この発光層上に、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール(電子輸送材料)を真空蒸着し、平均厚さ20nmの電子輸送層を形成した。
次に、この電子輸送層上に、真空蒸着法により、平均厚さ300nmのAlLi陰極(陰極)を形成した。
次に、形成した各層を覆うようにポリカーボネート製の保護カバーを被せ、紫外線硬化製樹脂により、固定、封止することにより、図1に示すような有機EL素子を作製した。
なお、有機EL素子の作製に先立って、後述するような方法により、各期間保存後の分散液中に生成したエチレングリコール量を測定した。
(実施例2)
前記実施例1と同様にして得られたエチレングリコールを除去した後の分散液を、純水(希釈液)で希釈することにより、分散液のpH(25℃)を3.0に調整し、それ以外は、前記実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
なお、保存後の分散液は、有機EL素子の作製に先立って、透析膜(ミリポア社製、「ペリコンバイオマックス」)を用いて濃縮し、PEDT/PSSの含有量が2wt%となるように調整した。
(実施例3)
前記実施例1と同様にして得られたエチレングリコールを除去した後の分散液に、Pt電極(除去手段)を浸漬して、分散液中に遊離したHイオンをHに変換することにより、分散液のpH(25℃)を3.0に調整し、それ以外は、前記実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(実施例4)
前記実施例1と同様にして得られたエチレングリコールを除去した後の分散液に、ジメチルアミンを滴下することにより、分散液のpH(25℃)を7.6に調整し、それ以外は、前記実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
なお、保存後の分散液は、有機EL素子の作製に先立って、所定濃度のHSO水溶液を用いて、分散液のpH(25℃)が3.0となるように調整した。
(比較例)
前記実施例1と同様にして得られたエチレングリコールを除去した後の分散液に対するpH調整を省略し、それ以外は、前記実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[評価]
エチレングリコールの生成量の測定
各期間保存後の分散液について、それぞれ、H−NMR測定によりエチレングリコールの生成量の測定を行った。
得られたチャートから、3.65ppmに認められるエチレングリコールに起因するピークの面積を求め、このピーク面積(積分値)からポリスチレンスルホン酸100個に対するエチレングリコールの個数を算出した。
その結果を図2に示す。
なお、図2中の縦軸は、ポリスチレンスルホン酸100個に対するエチレングリコールの個数を示す。
図2に示すように、各実施例においてpH調整した分散液では、いずれも、比較例においてpH調整を行っていない分散液に比べて、いずれの保存期間においても、エチレングリコールの生成量が少なく抑えられていた。
このことから、pH調整を行って分散液を保存することにより、PEDT/PSSの経時変化(分解)が抑制されることがわかった。
2.EL素子の発光輝度の測定
各実施例および比較例で作製された有機EL素子について、それぞれ、ITO電極とAlLi電極との間に5Vの電圧を印加して、発光輝度を測定した。
その結果を図3に示す。
なお、図3中の縦軸は、保存前の分散液(PEDT/PSS分散液)を用いて、前記と同様にして作製した有機EL素子について、ITO電極とAlLi電極との間に5Vの電圧を印加し、このとき得られた発光輝度を「1」としたときの相対値を示す。
図3に示すように、各実施例の有機EL素子は、いずれも、比較例の有機EL素子に比べて、いずれの保存期間においても、高い発光輝度が得られた。
このことから、pH調整を行って分散液を保存することにより、これを用いて作製した有機EL素子の特性を良好なものとすることができることがわかった。
なお、pHを7.6に調整して保存した分散液を用いて作製した実施例4の有機EL素子では、実施例1〜3の有機EL素子に対して、いずれの保存期間においても発光輝度が低くなる傾向を示した。
これは、分散液のpHを極端に高して保存することにより、PSSの構造に何らかの変化が生じ、PSS構造に由来するドーピング効果が低減することが一因となり、PEDT/PSSの正孔輸送能力が低下するものと推察される。
有機EL素子の一例を示した縦断面図である。 各実施例および比較例における分散液を、1ヶ月間、3ヶ月間、5ヶ月間、それぞれ保存した後のエチレングリコールの生成量を示すグラフである。 各実施例および比較例で作製された有機EL素子の発光輝度(相対値)を示すグラフである。
符号の説明
1……有機EL素子 2……基板 3……陽極 4……有機EL層 41……正孔輸送層 42……発光層 43……電子輸送層 5……陰極 6……保護層

Claims (14)

  1. ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)を、水に分散させて分散液とした状態で保存するポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法であって、
    前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)を2wt%となるように前記水に分散させて分散液とし、このとき測定されるpH(25℃)より高くなるように、前記分散液のpH(25℃)を調整した状態で保存することを特徴とするポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  2. pH調整前の前記分散液のpH(25℃)は、2.2以下である請求項1に記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  3. pH調整後の前記分散液のpH(25℃)は、2.5〜7.5である請求項1または2に記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  4. 前記分散液のpHは、前記分散液中にpH調整剤を添加することにより調整される請求項1ないし3のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  5. 前記pH調整剤は、金属元素を実質的に含有しないものである請求項4に記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  6. 前記pH調整剤は、NHClである請求項4または5に記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  7. 前記分散液のpHは、前記分散液を水で希釈することにより調整される請求項1ないし6のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  8. 前記水は、純水、蒸留水およびRO水のうちの少なくとも1種である請求項7に記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  9. 前記分散液のpHは、水素イオンを除去する除去手段を用いて、前記分散液中の水素イオンを除去することにより調整される請求項1ないし8のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  10. 前記除去手段は、水素イオンを水素ガスに変換して除去するものである請求項9に記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  11. 前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存時の温度は、5〜40℃である請求項1ないし10のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  12. 外気遮断状態で保存する請求項1ないし11のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  13. 遮光状態で保存する請求項1ないし12のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
  14. 前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料である請求項1ないし13のいずれかに記載のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)の保存方法。
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