JP2005149924A - 蒸着装置および蒸着材料の回収・再利用方法並びに有機電界発光装置の製造方法。 - Google Patents

蒸着装置および蒸着材料の回収・再利用方法並びに有機電界発光装置の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】
減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置において、長時間の蒸着安定性を確保しながら非利用材料の回収効率を上げることができる蒸着装置を提供し、回収した有機材料を再利用できるまでに精製する具体的な手段を提供する。
【解決手段】蒸着源から蒸発させる蒸着材料が基板へ到達することを制御するために開閉動作を行うシャッターを備え、該シャッターは板状物質に開口部が設けられたものからなり、成膜時には蒸着源から前記開口部を通じて蒸着材料を基板に到達させ、非成膜時には蒸着源を前記板状物質で覆うことで蒸着材料をシャッターに付着させ、蒸着材料が基板へ到達しないように設置されることを特徴とする蒸着装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行うための蒸着装置、および、蒸着装置内に付着した蒸着材料を再度使用するための回収・再利用方法、並びに、表示装置、フラットパネルディスプレイ、バックライト、インテリア、照明などに利用可能な有機電界発光装置の製造方法に関する。
蒸着装置とは、蒸着源において加熱された蒸着材料が昇華もしくは蒸発し、蒸着源と対峙して配置された基板へ膜形成される装置で、減圧雰囲気下で蒸着を行う真空蒸着装置は、薄膜形成を目的とした場面で広く用いられる。実際に蒸着を行う蒸着槽内には、蒸着源と基板の他に、蒸着材料が基板へ到達することを制御するために開閉動作を行うシャッター、蒸着範囲の制限や槽内のクリーニングを簡易にするための着脱可能な防着板、蒸着膜の膜厚を管理するための膜厚モニター等が備えられる。蒸着源と基板間の距離は、膜厚分布の均一性と蒸着源からの輻射熱を避ける観点からはできる限り離した方が良いとされるが、その反面、蒸着源から蒸発した蒸着材料のうち基板上に付着する割合を示す利用効率は低下する。
有機電界発光装置を構成する有機材料は、1層が高々50nm程度の非常に薄い膜であり、その膜厚分布を数nmレベルで均一に保つ必要があるので、有機材料の利用効率は数%程度と小さい。さらに、有機電界発光装置に使用される有機材料は、高機能と高純度の両立が要求される特殊材料であり、その価格は貴金属と同等かそれ以上の高価なものである。したがって、蒸着材料の利用効率が小さいと、有機電界発光装置のコストが大幅に増加するという問題があった。
蒸着材料の利用効率を高める方法は種々検討されており、その1つに、成膜に寄与しなかった蒸着材料の回収・再利用が挙げられる。具体的には、シャッターに付着した蒸着材料を回収・再利用する方法(例えば、特許文献1参照。)、さらに、シャッターを不活性な材質で形成する方法(例えば、特許文献2参照。)や、防着板に付着した蒸着材料を回収・再利用する方法(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
シャッターに付着した蒸着材料を回収・再利用する従来の方法では、図6(a)に示すようにシャッター6を開けた際には蒸着材料をシャッター6に付着させることができないし、図6(b)に示すようにシャッター6を閉じた際でも、シャッター6を開けた際に基板1に付着する数%程度の有効成分15しかシャッター6に付着させることができないので、回収効率が非常に悪いという問題があった。回収効率を上げるためには、シャッター6を蒸着源3に近づけて、シャッター6により多くの材料を付着させる方法が一般的に採られる。しかし、シャッター6に付着する蒸着材料が厚くなった場合、シャッター6から自然剥離して蒸着源3内に落下し、蒸着速度が不安定になったり、突沸現象を引き起こしたりすることから、長時間安定して蒸着を継続することは困難であった。さらに、シャッター6を蒸着源3に近づけると、シャッター6を閉じた際に蒸着速度を膜厚モニター9で検出する余地がなくなり、蒸着速度を常に監視することができなくなるという問題があった。
また、成膜に利用されない無効成分16を防着板7に付着させて蒸着材料を回収・再利用する従来の方法では、蒸着源3と防着板7との距離が大きいので、防着板7に付着する蒸着材料の膜厚が非常に薄くなり、その面積が大きくなる。従来技術にはこの回収方法に大きな問題があった。
貴金属など従来の無機材料からなる蒸着材料の回収では、回収の際に不純物が多く混入しても、その後に溶融、精錬などの物理的な精製方法を利用して、回収材料の純度を高めることが容易である。したがって、不純物の混入が著しい反面、回収効率は高いサンドブラスト法などの方法を利用できるので、防着板7に付着する蒸着材料の膜厚が薄くても問題にはならなかった。しかしながら、有機電界発光装置を構成する有機材料の場合は、回収段階で不純物が混入すると後で精製するのが非常に困難である。したがって、サンドブラスト法などによる従来の回収技術を使用することが難しい。防着板を溶剤で洗浄する方法も考えられるが、有機電界発光装置を構成する有機材料は難溶性であるものが多い。溶解度が低いために回収には大量の溶剤が必要になるが、大量の溶剤を使用すると、そこに混入する不純物の濃度がわずかであっても、最終的に溶剤を蒸発させて蒸着材料を得たときには、不純物が濃縮されて大量に取り込まれることになり、回収した材料を再利用しても、得られた発光装置の性能が低下するという問題があった。
防着板に付着した有機材料を回収する望ましい方法は、防着板から擦り取る方法であるが、付着する蒸着材料の膜厚が薄く、大面積であると、擦り取りの方法は非常に困難である。さらに、擦り取りの際に防着板の削りクズが不純物として混入する問題も新たに発生する。
特開平11−229123号公報(第3〜4頁、図1) 特開2002−190389号公報(第3〜4頁、図1) 特開2003−115379号公報(第6頁、図1)
上記従来技術ではいずれも、具体的な回収方法や回収材料の精製方法は開示されていない。有機電界発光装置の発光層を形成する際には、ホスト材料とゲスト材料を共蒸着するドーピング手法がよく用いられる。したがって、回収される材料は両材料の混合物である。また、有機材料の場合には蒸着時に加熱されることで、分解物などの変質物が生じ、再利用時に変質物が悪影響を与えることが多い。このため、回収した材料をそのまま再利用することは、実際には困難であった。
本発明の目的は、減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置において、長時間の蒸着安定性を確保しながら非利用材料の回収効率を上げることができる蒸着装置を提供することである。また、回収した有機材料を再利用できるまでに精製する具体的な手段を提供することであり、回収した有機材料を再利用することで有機電界発光装置を低コストで製造することである。
すなわち本発明は、減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置であって、蒸着源と基板との間に、蒸発させた蒸着材料が基板へ到達することを制御するために開閉動作を行うシャッターを備え、該シャッターは板状物質に開口部が設けらたものからなり、成膜時には蒸着源から前記開口部を通じて蒸着材料を基板に到達させ、非成膜時には蒸着源を前記板状物質で覆うことで蒸着材料をシャッターに付着させ、蒸着材料が基板へ到達しないように設置されることを特徴とする蒸着装置であり、蒸着源と基板平面との間に防着板が存在し、該防着板は板状物質に開口部が設けらたものからなり、蒸着源から前記開口部を通じて蒸着材料を基板に到達させ、蒸着源から蒸発させた蒸着材料のうち基板に付着しない方向に出射された蒸着材料が前記防着板に付着するように配置されることを特徴とする蒸着装置である。
また本発明は、減圧条件下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置のシャッターおよび/または防着板に付着した蒸着材料を回収し、該回収材料を蒸着材料として再利用する蒸着材料の回収・再利用方法であって、該回収材料が有機材料であり、再結晶法および/または昇華精製法を利用して精製した後に、再利用することを特徴とする蒸着材料の回収・再利用方法である。
さらに本発明は、前記回収・再利用方法により精製された回収材料を用いて有機電界発光装置に含まれる有機層を成膜することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法である。
本発明の蒸着装置によれば、シャッターや防着板の形状や位置を工夫することで蒸着材料のうち成膜に寄与しない成分を効率よく付着させることができるので、蒸着材料の回収効率を向上できる。また、蒸着材料を5〜6日間に渡り長時間連続蒸着する場合にも、付着した蒸着材料が剥離することなく、安定した蒸着を長時間持続することができる。
さらに、不純物が混入しやすいサンドブラスト法や溶剤法を利用せずに、付着した材料を擦り取ることで回収できるので、回収材料の不純物混入を最小限に留めることができる。その後に回収材料の精製が容易になり、高純度を維持できるので、最終的に材料の回収効率を高くできる。特に、シャッターや防着板の構成材料である金属元素の混入がないので、回収材料を再び蒸着するために加熱する際に、有機材料に含まれる微量の金属が触媒として機能して、有機材料の予期せぬ反応が促進され、分解や変質物が生成するような悪影響を最小限に留めることができる。
本発明の回収・再利用方法によると、回収した有機材料を少なくとも再結晶法もしくは昇華精製法によって精製することから、回収材料がホスト材料とゲスト材料とが混合したようなものであったり、蒸着時の熱履歴を受けることにより変質成分が混ざったものであっても、それらの不純物成分を除去して、再利用できる純度レベルにまで高めることができる。
上記のように、高価な有機材料を、効率よく、かつ、高純度を維持した状態で回収できるので、回収材料を再利用して、最初の有機材料を用いて製造した有機電界発光装置と同じ品質のものを製造することができる。したがって、有機電界発光装置の製造コストを低減することが可能である。
以下、本発明の好ましい形態を図面などに基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(a)および(b)は本発明の蒸着装置の一例を示す全体概略断面図である。蒸着装置1は図示されていない排気装置21に接続されており、内部を減圧にすることができる構成になっている。蒸着装置1内の上部には基板2が、下部には蒸着源3が設置される。蒸着源3の内部には蒸着材料4が収納され、ヒーター5によって加熱することで蒸着できるようになっている。基板2と蒸着源3との間には、蒸発させた蒸着材料4が基板2に到達することを制御するために開閉動作を行うシャッター6が備えられている。図1(a)は蒸着材料4を基板2に付着させて膜8を形成する状態(成膜時)、図1(b)は蒸着材料4が基板2に到達しないようにする状態(非成膜時)である。
図2(a)はシャッター6の例を示す平面図である。シャッター6は板状物質11に開口部12が設けられたものである。成膜時には開口部12を通じて蒸着材料4の有効成分15を基板2に到達させることで成膜を行い、同時に無効成分16を板状物質11に付着させることができるので、効率よく蒸着材料4を回収できる。ここで、有効成分とは蒸着源3から蒸発した蒸着材料4のうち、基板2に付着して膜8を形成するのに寄与する成分、無効成分とは、その他の成分のことを示す。非成膜時にはシャッター6を回転させて開口部12の位置を移動させることで、板状物質11に蒸着材料4の大部分を付着させるように動作させる。図2(b)に示すように、シャッター6はドーナツ状の板状物質11に開口部12が設けられたようなものであってもよい。これを回転させることで、成膜時と非成膜時に蒸着材料が基板へ到達することを制御することができる。
図3(a)および(b)は本発明の蒸着装置の別の一例を示す全体概略断面図である。蒸着装置1は図示されていない排気装置21に接続されており、内部を減圧にすることができる構成になっている。蒸着装置1内の上部には基板2が、下部には蒸着源3が設置される。蒸着源3の内部には蒸着材料4が収納され、ヒーター5によって加熱することで蒸着できるようになっている。基板2が存在する平面と蒸着源3との間には防着板7が存在する。図4(b)は、防着板の例を示す平面図である。防着板7は板状物質11に開口部12が設けられたものであり、蒸着材料4の無効成分16が板状物質11に付着するように配置される。さらに、蒸着材料4の有効成分15が基板2に到達することを制御するために開閉動作を行うシャッター6が備えられている。
上記シャッター6もしくは防着板7の形状は特に限定されるものではないが、例えば図4(c)に示すように、板状物質11が蒸着源4を囲むような曲率や凹部を有することが好ましい。また、図4(d)に示すように、板状物質11の周囲に蒸着源4に向かって突出する縁部を有していることが好ましい。このような形状の工夫により、付着材料17が厚くなり、自然に剥離して落下することを防ぐことができる。
開口部12の形状は特に限定されない。長方形や正方形、円形、楕円形など任意の形状を取りうるが、蒸着源3が固定されて基板2を回転させながら成膜を行う蒸着装置1では円形を、基板2が固定された状態で成膜を行う蒸着装置1では長方形を好ましい形状として例示できる。
シャッターや防着板の材質は特に限定されない。通常はシャッターや防着板はそれほど高温にならないので、ステンレスやアルミニウム合金など、真空材料として公知のものも使用できる。しかし、有機材料を掻き取る際に、それらの構成材料が微量に混入する可能性がある。有機材料が金属錯体である場合には、アルミニウムや鉄、亜鉛など配位能力の強い元素の混入は好ましくない。金属錯体でなくても、白金、銅、鉄など有機化合物の化学反応に対して触媒能力をもつ元素の混入は好ましくない。このような観点からは、シャッターや防着板の材質は、石英、ソーダライム、無アルカリなどのガラスや、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ケイ素などのセラミックスを中心とした公知の非金属系不活性物質からなることが好ましい。
上記シャッター6もしくは防着板7の位置は重要な因子である。有機電界発光装置の典型的な製造条件においては、有機材料を最大50nmの厚さに蒸着する2分間の成膜時と、基板の入れ替えなどの2分間の非成膜時が繰り返される。つまり、1時間に15枚の基板を処理することができ、これを最大で6日間程度連続運転される。すなわち、6日間での有機材料の総蒸着量の最大値は基板上の膜厚に換算して約0.2mmとなる。
図6(a)および(b)に示すように、防着板7が基板平面とほぼ同等の位置か、蒸着装置1の内壁の近傍にある場合、防着板7に付着する有機材料の総量の最大厚さは、基板上の膜厚換算値と同程度の0.2mmかそれ以下となる。これは擦り取るには非常に薄すぎる膜厚であり、既に述べたとおり回収効率が非常に悪くなる。
シャッター6もしくは防着板7に付着した付着材料17を効率よく回収する観点からは、付着材料17の総量が最大厚さ1mm以上であることが好ましい。したがって、シャッター6もしくは防着板7は、蒸着源3から基板平面までの距離の1/51/2以下の位置に設置されることが好ましい。1/4以下の位置であればさらに好ましい。なお、蒸着源3からシャッター6または防着板7までの距離とは、蒸着源3の被加熱部のうち蒸着材料4が出射される部分の上端から、シャッター6または防着板7のうち開口部12近傍の下面を通る、基板に平行な平面までの距離を意味する。
一方、シャッター6もしくは防着板7は蒸着源3に近すぎても良くない。図6(a)および(b)に示すように、従来のシャッター6の挿入位置は蒸着源3の直上であった。例えば、防着板7が蒸着源から基板平面までの距離の1/20の位置(蒸着源3と基板平面との距離が60cmの場合には3cm)にあるとすると、上記の有機電界発光装置の典型的な製造条件においては、防着板7に付着する付着材料17の総量の厚さは8cmにも達することになる。同様にシャッター6に付着する付着材料17の厚さは、非成膜時間が運転時間の半分とすると4cmに達することになる。この場合には、連続蒸着を実施している途中で、蒸着源3と防着板7との距離よりも、防着板7に付着した付着材料17の厚さの方が厚くなってしまい、それ以上の付着が困難になる。さらに、シャッター6の開閉動作が不可能になったり、シャッター6や防着板7に付着した付着材料17が剥離して落下する可能性がある。
蒸着材料4が有機材料の場合には、金属などの場合と異なり、厚さが2cmを越えるとほとんどの場合自然落下が始まる。したがって、シャッター6もしくは防着板7は、蒸着源3から基板平面までの距離の1/10以上の位置に設置されることが好ましい。1/5以上の位置であればさらに好ましい。
また、蒸着源3から基板平面までの距離の1/10以上、さらに1/5以上の位置にシャッター6や防着板7を設置することで図1(a)および(b)や図3(a)および(b)に示すように、膜厚モニター9を蒸着源3とシャッター6や防着板7の間に設置することが可能になる。これにより、蒸着材料4の蒸発速度を常に監視することが可能になり、安定した蒸着を長時間に渡って実施することができる。
連続運転期間が3日の場合には、3日おきに付着材料を回収してもよいが、付着した厚さが十分ではないために高い回収効率が見込めないようであれば、連続運転2回に1回の割合で材料の回収をするなどして、総合的な回収効率を高めるように工夫することができる。
本発明の回収・再利用方法では、回収した有機材料を少なくとも再結晶法もしくは昇華精製法によって精製することを特徴とする。有機電界発光装置の発光層を形成する際には、同一の蒸着室内にホスト材料とゲスト材料を蒸着するための蒸着源が配置され、それぞれを同時に蒸着させることで、基板上にホスト材料にゲスト材料が少量混入(ドーピング)した薄膜を成膜する共蒸着法と呼ばれる手法が用いられる。同じ蒸着室内で異なる2種類以上の材料を同時に蒸発させるので、シャッターや防着板に付着する回収材料はそれらの混合物となる。しかも、その混合比は回収する場所によって変化する。したがって、回収した材料をそのまま再利用することは困難であり、何らかの精製が必要となるが、対象が有機材料であることから、その手法は特徴的なものとなる。その好適な手段が再結晶法と昇華精製法である。
回収材料が上記のホスト材料とゲスト材料との混合物である場合には、両者の昇華温度は大きく違わないことが多い。さらに、ゲスト材料に対するホスト材料の混合比が10%以下であることが多い。このような場合には再結晶法が有効な精製手段となる。再結晶法とは、ある溶液に対する溶解度の差を利用して、2種類以上の物質を分離する手法であり、再沈殿法と呼ばれる方法も含まれる。難溶性であることの多いホスト材料に対して、ゲスト材料は比較的可溶である。したがって、回収材料を有機溶媒に展開し、溶媒にゲスト材料を溶解させ、不溶物としてホスト材料を取り出すタイプの再結晶法が特に好ましい。
再結晶法は、有機電界発光装置に用いられる有機材料を合成する際にも使用される方法であが、その際には合成に使用した原料の除去や、異性体の除去が主目的である。本発明で使用する再結晶法では、例えばホスト材料中のゲスト材料や、材料の変質物を除去することが主目的であるので、使用する溶媒や条件などが大きく異なる。例えば、有機合成によく利用されるジクロロメタンやクロロホルム、アセトン、エタノール、THFなどの低沸点溶媒よりも、ピリジン、γ−ブチルラクトン(γBL)、メチルエチルケトン(MEK)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)など沸点が100℃以上で、取り扱いやすく、かつ、ある程度の極性を有する溶媒を使用する方が好ましい。このような溶媒を選択することにより、溶解度の温度差を利用した再結晶法を利用できるようになり、精製収率を一段と向上させることができる。
再結晶法の後に昇華精製法を組み合わせてもよい。昇華精製法とは、昇華温度の差を利用して、2種類以上の物質を分離する手法である。減圧雰囲気下および/または不活性ガス雰囲気下で対象となる回収材料を昇華温度以上に加熱(高温部)することで回収材料を蒸発させ、高温部よりも温度の低い領域(低温部)に付着させることで、所望の材料を回収できる。本手法は、再結晶法で用いた溶媒を除去する効果も期待できる。
回収材料の精製度は、その後に製造する有機電界発光装置の性能を決定する重要な指標である。回収材料が上記のホスト材料とゲスト材料との混合物であり、ホスト材料を再利用する場合を考える。発光層を形成するためにホスト材料中にドーピングされるゲストの濃度は5%、さらに1%程度に制御させることが多い。その濃度が10%変化すると、発光効率や色度など、有機電界発光装置の重要な性能に影響が出るので、ホスト材料に含まれるゲスト材料はドーピング濃度の1%以下にする必要がある。したがって、ホスト材料におけるゲスト材料の混合割合が500ppm以下、より好ましくは100ppm以下になるように精製することが好ましい。ゲスト材料を再利用する場合には、ゲスト材料におけるホスト材料の混合割合が1%以下になるように精製することが好ましい。
有機電界発光装置の正孔輸送層や電子輸送層を形成するキャリア輸送材料は、一般的に上記共蒸着法を採用しない方が多いので、共蒸着法による他の材料の混入はない。しかしながら、ホスト材料とゲスト材料にも言えることであるが、有機材料の場合には蒸着時に加熱されることで、分解物などの変質物が生ずるので、回収材料は元の材料とこれら変質物との混合物である。この変質物が薄膜にある程度以上含まれると、耐久性など有機電界発光装置の重要な性能に影響が出るので、除去する必要がある。具体的には、キャリア輸送材料を蒸着した際に生成された変質成分が1%以下、さらには0.5%以下、さらには0.2%以下になるまで精製することが好ましい。
回収材料を精製する純度の上記指標は、再利用されるまでに得られる最終的な純度であればよい。再結晶法の後に昇華精製法を行う場合には、再結晶法と昇華精製法の両方で上記純度が得られればよい。しかしながら、一般的に不純物が多く含まれた材料を昇華精製する場合には精製収率が悪くなるので、精製による材料ロスを極力少なくして、回収効率を向上させるためには再結晶法で上記純度を達成しておき、昇華精製法では再結晶法では除去しきれなかった不純物と、再結晶法で用いた溶媒を除去するように精製した方が、よい結果が得られるので好ましい。
再結晶法を用いずに、昇華精製法のみで精製することも可能である。この場合には、回収材料がシャッターや防着板に付着したままの一体物を昇華精製装置の高温部に挿入し、昇華精製装置内でこの一体物を加熱することにより有機材料を昇華させ、前記シャッターおよび/または防着板から有機材料を脱離させるとともに、低温部で有機材料を捕捉することで、有機材料を回収・精製することが好ましい。これにより、有機材料をシャッターや防着板から擦り取る作業が不要となり、材料の回収ロスや不純物の混入が最小限にできるという利点がある。この場合には、有機材料とシャッターや防着板が接した状態で高温に加熱されることから、ガラスやセラミックスからなるシャッターや防着板を使用することが好ましい。
有機電界発光装置に用いられる有機材料には、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料、電子注入材料などがある
正孔注入材料および正孔輸送材料として、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(NPDまたはNPB)、テトラナフチル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(TPB)などのトリフェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体に代表される複素環化合物などが挙げられる。
発光材料はホスト材料とゲスト材料に大別できる。ゲスト材料として、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデンなどの芳香族炭化水素化合物やその誘導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどの芳香族複素環化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体、TPDやNPDなどのトリフェニルアミン類、フタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレンなどのナフタセン誘導体、ピロメテン誘導体、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希土類錯体、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)やその類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニン誘導体、ローダミン化合物、デアザフラビン誘導体、フェノキサジン誘導体、オキサジン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、フェノキサゾン誘導体、チアジアゾロピレン誘導体などが挙げられる。さらに、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)に代表されるイリジウムや白金を中心金属としたリン光性金属錯体も好適な例として挙げられる。
ホスト材料として、アントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ピロロピロール誘導体などが挙げられる。
リン光性発光を示す発光層のホスト材料として、特に、4,4’−ビス(カルバゾリル−N−イル)ビフェニルに代表されるカルバゾール誘導体、トリアゾール、オキサジアゾール、イミダゾールなどのアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ナフチリジン誘導体、ビピリジン、ターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体などが挙げられる。
上記ホスト材料をゲスト材料として使用しても、上記ゲスト材料をホスト材料として使用してもよい。リン光性発光材料の多くはイリジウムや白金を中心金属とする錯体分子である。このような原子半径の大きい金属の錯体分子は、金属と配位子との結合力が弱い傾向にあるので、蒸着中に分解が生じやすいが、そのような材料にも本発明の回収・再利用方法は好ましく用いることができる。
電子輸送材料および電子注入材料として、Alq3に代表されるキノリノール誘導体金属錯体、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン誘導体、クマリン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体、ナフチリジン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体などが挙げられる。
本発明は、有機化合物を利用した電子・光機能デバイスである有機薄膜トランジスター、有機光学非線形素子、有機光波長変換素子、有機フォトダイオード、有機(色素増感)太陽電池、有機電界発光装置などの有機機能装置の製造に好適に用いられる。その中でも、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機、時計などの分野に利用可能な、電気エネルギーを光に変換できる有機電界発光装置の製造に特に好適に用いられる。その場合には、セグメント型やパッシブ型、アクティブ型などのディスプレイ型式や、モノクロ、マルチカラー、フルカラーなど表示色数、3色独立画素方式やカラーフィルター方式、色変換方式などのカラー化方式を問わず、本発明を用いることができる。
実施例1
(1)蒸着装置を使用した有機電界発光装置の作製と有機材料の回収
214×200mmの基板サイズに対応する蒸着設備を用意した。本蒸着設備は、図1(a)および(b)に示す発光層用の蒸着装置と、図3(a)および(b)に示すキャリア輸送層用の蒸着装置と、陰極用の蒸着装置を有しており、各蒸着装置間を真空を破ることなく基板2が移動できる構成になっている。各蒸着装置には4〜8つの蒸着源3が存在し、基板平面と蒸着源3との距離は60cmである。
発光層用の蒸着装置1において、赤色発光層を形成するホスト材料用蒸着源3の10cm上方にシャッター6を設置した。図5(a)に示すシャッター6はステンレス製で、外形が直径30cmの円盤を2つ繋げた形状の板状物質11に直径5cmの円形開口部12を1つ設けたものとした。この蒸着源3に赤色発光層を形成するホスト材料(RH材料)として3,6−(4−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−2,5−ジ(3,5−ジメチルベンジル)ピロロ[3,4−c]ピロールー1,4−ジオンを5g収容した。このRH材料の純度は99.7%であった。別の蒸着源には赤色発光層を形成するゲスト材料(RG材料)として4,4−ジフルオロ−8−フェニル−1,3,5,7−テトラ(4−ブチルフェニル)−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンを2g収容した。その他の発光色を形成する材料は、さらに別の蒸着源に収容した。
キャリア輸送層用の蒸着装置1において、電子輸送層を形成する電子輸送材料用の蒸着源3には、その10cm上方に防着板7を設置した。図5(b)に示す防着板7は石英ガラス製で、外形が直径30cmの板状物質11に直径5.2cmの円形開口部12を1つ設けたものとした。この防着板7は図5(c)に示すように蒸着源3を囲むように湾曲させた。防着板7のさらに1cm上方には、その開口部12を覆うシャッター6を設置した。図5(d)に示すシャッター6は石英ガラス製で、外形が直径30cmの板状物質とした。なお、シャッター6および防着板7の付着面には、スリガラス状に凹凸加工を施し、有機材料との付着力を増す工夫をした。蒸着源3には電子輸送層を形成する電子輸送材料(ET材料)として4,4’−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)テトラフェニルメタンを5g収容した。このET材料の純度は99.4%であった。その他のキャリア輸送層や注入層を形成する材料は別の蒸着源に収容した。
厚さ0.7mmの無アルカリガラス板上に、スパッタリング法によって厚さ130nmのインジウム錫酸化物(ITO)からなる透明電極膜を形成した。このITOガラス板を214×200mmの大きさに切断して基板とした。通常のフォトリソグラフィ法とエッチング法によって、ITOを長さ90mm、幅80μmのストライプ形状にパターニングした。この第一電極は、100μmピッチで816本配置されており、これを基板上に4面形成した。
次に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製、”OFPR−800”)をスピンコート法により第一電極を形成した基板上に厚さ3μmになるように塗布した。この塗布膜にフォトマスクを介してパターン露光し、現像してフォトレジストのパターニングを行い、現像後に200℃でキュアした。この絶縁層には、幅70μm、長さ250μmの開口部が幅方向には100μmピッチで816個、長さ方向には300μmピッチで200個配置されている。絶縁層はITOのエッジ部を覆い、かつ、その開口部からITOが露出している。
発光層を含む薄膜層を以下のように真空蒸着法によって形成した。なお、蒸着時の真空度は2×10-4Paであり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、銅フタロシアニンを15nm、ビス(N−エチルカルバゾール)を60nmを画素エリア全面に蒸着して正孔輸送層を形成した。
発光層用蒸着マスクを基板前方に配置して両者を密着させ、基板後方には磁石を配置した。発光層用蒸着マスクは厚さ30μmのNi板からなり、幅100μmのストライプ状開口部が幅方向に300μmピッチで272個設けられている。ストライプ状開口部の長さ方向には幅20μmの補強線が300μmピッチで200個形成されている。
この発光層用蒸着マスクと基板とを、ストライプ状第一電極が発光層用蒸着マスクの開口部の中心に位置し、補強線が絶縁層上に位置し、かつ補強線と絶縁層が接触するように配置した。この状態で、RH材料とRG材料を共蒸着し、1重量%のRG材料をドーピングしたRH材料を25nm蒸着して、赤色発光層をパターニングした。両材料とも蒸着速度を一定に保ち、シャッター6の開閉によって成膜を制御した。すなわち、成膜時にはシャッター6の開口部12を通じて蒸着材料4が基板に到達することで成膜が実現され、蒸着材料の無効成分16は板状物質11のうち開口部12を有する方の円盤に付着した。非成膜時にはシャッター6の板状物質11のうち開口部12が存在しない方の円盤に蒸着材料4が付着した。
次に、シャドーマスクを1ピッチ分ずらした位置の第一電極パターンに位置合わせして、0.3重量%の1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−ジフロロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(エキシントン社製、“PM546”)をドーピングしたアルミニウムキノリノール錯体(以降、Alq3と記載する)を15nm蒸着し、緑色発光層をパターニングした。さらにシャドーマスクを1ピッチ分ずらした位置の第一電極パターンに位置合わせし、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ジフェニルを15nm蒸着して、青色発光層をパターニングした。
次に、ET材料を50nm基板全面に蒸着して電子輸送層を形成した。赤色発光層の成膜と同様に、ET材料の蒸発速度を一定に保ち、シャッター6の開閉によって成膜を制御した。成膜時には防着板7に、非成膜時にはシャッター6と防着板7とにET材料が付着した。すなわち、成膜時には防着板7の開口部12を通じて蒸着材料4が基板に到達することで成膜が実現され、蒸着材料の無効成分16は防着板7に付着した。非成膜時にはシャッター6と防着板7に蒸着材料4が付着した。その後、薄膜層をリチウム蒸気に曝してドーピング(膜厚換算で0.5nm)した。
第二電極は、電子ビーム加熱(EB)方式による真空蒸着法によって形成した。なお、蒸着時の真空度は3×10-4Pa以下であり、蒸着中は基板を回転させた。発光層のパターニングと同様に、第二電極用マスクを基板前方に配置して両者を密着させ、基板後方には板磁石を配置した。この際、絶縁層がマスク部分に一致するように両者を配置する。この状態でアルミニウムを200nmの厚さに蒸着して、第二電極をパターニングした。
第二電極のパターニングを終了した基板を蒸着機から取り出し、露点−80℃以下の窒素雰囲気下に移した。この低湿雰囲気下で、基板と封止板とを硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせて封止した。
このようにして、ピッチ100μm、本数816本のITO膜からなるストライプ状第一電極上に、パターニングされた緑色発光層、赤色発光層および青色発光層が形成され、第一電極と直交するようにピッチ300μmのストライプ状第二電極が200本配置された単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を、1枚の基板から4面同時に作製した。得られた装置を線順次駆動したところ明瞭な画像表示が可能であることを確認した。
その後、RH材料とRG材料については、ITOが形成されていない素ガラス基板(ダミー基板)に対して、2分間の成膜期間によって厚さ25nmの赤色発光層を共蒸着で形成し、さらに2分間の非成膜期間を設けるという動作を交互に繰り返した。ET材料については、ダミー基板に対して、2分間の成膜期間によって厚さ50nmの電子輸送層を蒸着し、さらに2分間の非成膜期間を設けるという動作を交互に繰り返した。各有機材料がなくなれば蒸着源3に補給しながら、これらの動作を約6日間の連続運転に相当する2000回繰り返した。各有機材料の合計消費量は、RH材料が125g、RG材料が1.3g、ET材料が250gであった。
RH材料の蒸着源3に対応するシャッター6には最大で1.8mmの厚さの、RH材料を主とするRH材料とRG材料の混合物が付着した。ET材料の蒸着源3に対応する防着板7には最大で7.2mm、シャッター6には最大で3.6mmの厚さのET材料が付着した。これらの付着物は自然落下することなく、また、シャッター6の開閉動作を妨げるようなこともなかった。最後に、最初と同様の条件で有機電界発光装置を作製したところ、最初のものと同じ性能を有することが確認できた。
RH材料に対応するシャッター6に付着した材料を擦り取ったところ、105gのRH回収材料が得られ、回収率は84%であった。ET材料に対応するシャッター6と防着板7に付着したET回収材料は225gであり、回収率は90%であった。ET回収材料は擦り取らずに、シャッター6と防着板7に付着した状態のままにした。なお、同様にしてRG材料の回収をすることができる。
(2)回収材料の精製
前記RH回収材料を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、RG材料が約0.2%混入していた。さらに、RH材料およびRG材料の分解成分なども含まれており、その純度は99.3%であった。このRH回収材料105gをγBL:MEK=6:4の混合溶媒6lに120℃で加熱溶解させ、室温まで放冷した。析出した結晶を濾過し、結晶をNMP100ml、メタノール150mlで洗浄した。その後、真空下、50℃で加熱乾燥し、中間精製物85gを得た。本中間精製物のRG材料の含有量は100ppm以下であった。
さらに、本中間精製物を6×10-4Pa以下、250℃で2時間昇華精製し、RH回収・精製材料77gを得た。本RH回収・精製材料を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、RG材料の含有量は100ppm以下であり、その純度は99.7%であった。
なお、上記混合溶媒に溶解した成分のみを抽出することで、RG材料を精製することができる。その場合にはRH材料の含有量を1%以下にすることができる。
前記ET回収材料を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ET材料が蒸着時に加熱されて生じた変質成分が約1.1%混入しており、その純度は98.2%であった。変質成分の主なものはET材料の2量体などの高分子量化物であった。ET回収材料225gがシャッター6と防着板7に付着した状態の一体物を昇華精製装置に挿入した。6×10-4Pa下、350℃で2時間昇華精製し、ET回収・精製材料200gを得た。本ET回収・精製材料を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、変質成分の含有量は0.5%以下であり、その純度は99.3%であった。
RH回収材料およびET回収材料の上記精製に要したコストは、新規に合成するコストの20〜30%であった。
(3)回収・精製材料の再利用
前記RH回収・精製材料とET回収・精製材料とを再利用して、実施例1(1)と同様にして有機電界発光装置を作製したところ、最初のものと同じ性能を有することが確認できた。
実施例2(RH回収材料の簡易精製)
実施例1(2)においてRH回収材料を昇華精製法のみで精製し、再結晶法を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、RH回収・精製材料95gを得た。本RH回収・精製材料を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、RG材料の含有量は500ppmであり、その純度は99.4%であった。
本実施例のRH回収・精製材料と実施例1のET回収・精製材料とを再利用して、実施例1と同様にして有機電界発光装置を作製した。最初とものと比較して、赤色発光の色度がCIE座標において、xが0.005増加、yが0.004減少し、赤色発光の発光効率が6%低下したが、発光装置全体としては高い性能を維持した。
実施例3(ET材料の擦り取り回収と精製)
実施例1(1)において、ET材料に対応するシャッター6と防着板7に付着したET回収材料を擦り取ったところ、ET回収材料220gを得た。回収率は88%であった。本ET回収材料220gを昇華精製装置に挿入し、実施例1と同様に昇華精製したところ、実施例1と同じ純度のET回収・精製材料197gを得た。
比較例1(従来のシャッターと防着板)
発光層用の蒸着装置1において、赤色発光層を形成するホスト材料用蒸着源3の3cm上方にシャッター6を設置した。図7に示すシャッター6はステンレス製で、外形が直径8cmの板状物質11からなるものとした。キャリア輸送層用の蒸着装置1においても、電子輸送層を形成する電子輸送材料用蒸着源3の3cm上方に、上記と同じシャッター6を設置した。さらに、発光層用およびキャリア輸送層用の蒸着装置1には、図6に示すように、基板平面とほぼ同等の位置と、蒸着装置1の内壁に沿うような位置に防着板7を設置した。
これら以外は実施例1(1)と同様にして、RH材料およびET材料の蒸着動作を繰り返した。しかしながら、蒸着動作を1500回繰り返したころから、ET材料の付着物の厚さが3cm以上となり、蒸着源3とシャッター6の付着物とが接触した。シャッター6の開閉動作に支障が出るとともに、接触の際に付着物が蒸着源内に落下して、それが蒸着源内で急激に加熱されて蒸発速度が不安定になる、突沸、スプラッシュ現象が発生した。さらに、シャッター6の開閉動作時に付着したET材料が自然落下する現象も認められた。したがって、これ以降有機電界発光装置を作製することができなかった。
RH材料については、蒸着動作を2000回繰り返すことができた。シャッター6には最大で2cmの厚さの、RH材料を主とするRH材料とRG材料の混合物が付着した。この厚さは自然落下が始まるほぼ限界だった。これを擦り取ったところ、56gのRH回収材料が得られ、回収率は45%であった。
防着板7に付着したRH材料は最大厚み0.1mm、ET材料は最大厚み0.2mmしかなく、回収することができなかった。
実施例4(RH回収材料の直接再利用)
実施例1(2)においてRH回収材料を精製しなかった。本RH回収材料にはRG材料が約0.2%、さらにRH材料およびRG材料の分解成分などが含まれており、その純度は99.3%であった。
回収・精製材料の再利用において、RH材料を精製しなかったこと以外は実施例1と同様にして有機電界発光装置を作製した。最初のものと比較して、赤色発光の色度がCIE座標において、xが0.010増加、yが0.009減少し、赤色発光の発光効率が15%以上低下した。発光装置全体としても色バランスを維持できず、表示性能が低下した。
実施例1の蒸着装置を用いたので、再利用した材料のうちシャッターや防着板に付着した材料を効率よく回収することができたので、回収材料を精製した後に、もう一度再利用することができた。
実施例5(ET回収材料の直接再利用)
実施例1(2)においてET回収材料を精製しなかった。本ET材料が蒸着時に加熱されて生じた変質成分が約1.1%混入しており、その純度は98.2%であった。
回収・精製材料の再利用において、ET材料を精製しなかったこと以外は実施例1と同様にして有機電界発光装置を作製した。最初のものと比較して、全ての発光色の輝度半減寿命が10〜30%低下した。
実施例1の蒸着装置を用いたので、再利用した材料のうちシャッターや防着板に付着した材料を効率よく回収することができたので、回収材料を精製した後に、もう一度再利用することができた。
参考例(シャッターの材質の違い)
キャリア輸送層用の蒸着装置1において、電子輸送層を形成する電子輸送材料用蒸着源3のシャッター6および防着板7をステンレス製にしたこと以外は、実施例1と同様にして蒸着動作を繰り返した。
ET材料に対応するシャッター6と防着板7に付着したET回収材料は、実施例1と同様に225gであり、回収率は90%であった。ET回収材料は擦り取らずに、シャッター6と防着板7に付着した状態のままにした。ET回収材料225gがシャッター6と防着板7に付着した状態の一体物を昇華精製装置に挿入し、実施例1(2)と同様にして昇華精製を実施したが、ET回収材料とステンレスとが接触した状態で350℃に加熱したために、ET回収材料の変質が促進された。その結果、変質成分の含有量は5%以上に増加し、その純度は95%未満であった。
本発明の蒸着装置の例を示す概略図。(a)成膜時の全体断面図。(b)非成膜時の全体断面図。 本発明の蒸着装置のシャッターの例を示す概略図。(a)シャッターの例を示す平面図。(b)別のシャッターの例を示す平面図。 本発明の蒸着装置の別の一例を示す概略図。(a)成膜時の全体断面図。(b)非成膜時の全体断面図。 本発明の蒸着装置の別のシャッターおよび防着板の例を示す概略図。(a)シャッターの例を示す平面図。(b)防着板の例を示す平面図。(c)シャッターの別の例を示す断面図。(d)防着板の別の例を示す断面図。 本発明の蒸着装置のさらに別のシャッターおよび防着板の例を示す概略図。(a)シャッターの例を示す平面図。(b)防着板の例を示す平面図。(c)(b)の断面図。(d)シャッターの別の例を示す平面図。 従来の蒸着装置の例を示す全体概略図。(a)成膜時の全体断面図。(b)非成膜時の全体断面図。 従来の蒸着装置のシャッターの例を示す平面図。
符号の説明
1 蒸着装置
2 基板
3 蒸着源
4 蒸着材料
5 ヒーター
6 シャッター
7 防着板
8 膜
9 膜厚モニター
11 板状物質
12 開口部
15 蒸着材料の有効成分
16 蒸着材料の無効成分
17 付着材料
21 排気装置

Claims (9)

  1. 減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置であって、蒸着源と基板との間に、蒸発させた蒸着材料が基板へ到達することを制御するために開閉動作を行うシャッターを備え、該シャッターは板状物質に開口部が設けられたものからなり、成膜時には蒸着源から前記開口部を通じて蒸着材料を基板に到達させ、非成膜時には蒸着源を前記板状物質で覆うことで蒸着材料をシャッターに付着させ、蒸着材料が基板へ到達しないように設置されることを特徴とする蒸着装置。
  2. 減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置であって、蒸着源と基板平面との間に防着板が存在し、該防着板は板状物質に開口部が設けられたものからなり、蒸着源から前記開口部を通じて蒸着材料を基板に到達させ、蒸着源から蒸発させた蒸着材料のうち基板に付着しない方向に出射された蒸着材料が前記防着板に付着するように配置されることを特徴とする蒸着装置。
  3. 蒸着源から請求項1記載のシャッターまたは請求項2記載の防着板までの距離が、蒸着源から基板平面までの距離の1/10以上1/51/2以下であることを特徴とする請求項1または2記載の蒸着装置。
  4. 減圧雰囲気下で蒸着源から蒸発させた蒸着材料を基板に付着させることで成膜を行う蒸着装置のシャッターおよび/または防着板に付着した蒸着材料を回収し、該回収材料を蒸着材料として再利用する蒸着材料の回収・再利用方法であって、該回収材料が有機材料であり、再結晶法および/または昇華精製法を利用して精製した後に、再利用することを特徴とする蒸着材料の回収・再利用方法。
  5. 回収材料が有機電界発光装置の発光層を形成するホスト材料とゲスト材料との混合物であり、ホスト材料におけるゲスト材料の混合割合が500ppm以下になるまで前記回収材料を精製した後に、ホスト材料を再利用することを特徴とする請求項4記載の蒸着材料の回収・再利用方法。
  6. 回収材料が有機電界発光装置の発光層を形成するホスト材料とゲスト材料との混合物であり、ゲスト材料におけるホスト材料の混合割合が1%以下になるまで前記回収材料を精製した後に、ゲスト材料を再利用することを特徴とする請求項4記載の蒸着材料の回収・再利用方法。
  7. 回収材料が有機電界発光装置の電子輸送層もしくは正孔輸送層を形成するキャリア輸送材料であり、該キャリア輸送材料における、該キャリア輸送材料を蒸着した際に生成された変質成分が1%以下になるまで前記回収材料を精製した後に、キャリア輸送材料を再利用することを特徴とする請求項4記載の蒸着材料の回収・再利用方法。
  8. 回収材料がシャッターおよび/または防着板に付着したままの一体物を昇華精製装置に挿入し、昇華精製装置内で前記一体物を加熱することにより有機材料を昇華させ、前記シャッターおよび/または防着板から有機材料を脱離させるとともに、昇華精製装置内の低温部で有機材料を捕捉することで、有機材料を回収・精製することを特徴とする請求項4記載の蒸着材料の回収・再利用方法。
  9. 請求項4〜8いずれかに記載の回収・再利用方法により精製された回収材料を用いて有機電界発光装置に含まれる有機層を成膜することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
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