JP2005146040A - 高防湿性塗工組成物 - Google Patents

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Abstract


【課題】優れた防湿性および耐ブロッキング性を有するとともに容易に水中に離解され易いリサイクル可能な防湿紙用塗工組成物。
【解決手段】合成樹脂エマルジョン中の固形分100重量部に対して融点55〜70℃、かつ相転移が認められ、その転移点が45〜60℃であるパラフィンワックスを主成分とするワックスエマルジョンを固形分として1〜15重量部配合してなる防湿性塗工組成物。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は包装、容器などに用いられるリサイクル可能な防湿紙を製造する際の原紙表面に塗工する塗工組成物に関し、特に常態防湿性および高温防湿性に優れる塗工組成物に関する。
従来、防湿性を必要とする包装の分野においては、ポリエチレン、ポリプロピレンなど高分子化合物を紙にラミネートし、水蒸気バリアー性および耐水性を付与したものが使用されている。現在、一般的にはポリエチレンをクラフト紙にラミネートしたポリエチレンラミネート紙が使用されている。これらラミネート紙は防湿性に関して十分な機能を発揮し得るものであるが、防湿紙製造工程で発生する損紙、トリミング屑および製袋加工時に発生する損紙、また製品になった後の回収品などは水中離解性が極端に劣るため、再利用化が困難で古紙として回収することができない。これは高分子フィルムが強固な連続皮膜を形成していて、かつ水不溶性であることに起因する。このため、省資源、環境問題の観点から容易に再利用可能な防湿紙の開発が進められている。
これまで防湿性塗工組成物を塗工し、防湿性を得る技術がいくつか提案されている。例えばブタジエン系合成ラテックスにワックスエマルジョンを配合したものを塗工し、防湿紙を得る方法(例えば、特許文献1参照。)、アクリルエマルジョンにワックスエマルジョンを配合し塗工する方法(例えば、特許文献2参照。)、およびこの系でさらにアクリルエマルジョンを架橋させたものを用いることにより、離解性、ヒートシール性を向上させた防湿紙を得る方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
また主成分を特定したワックスエマルジョンを合成ゴム系ラテックスに配合したものを塗工し、防湿紙を得る方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。さらに(例えば、特許文献5参照。)には合成樹脂エマルジョン中の固形分100重量部に対し、融点60℃〜90℃のワックスを1〜20重量部含有する防湿層を紙基材の少なくとも片面に設けることにより、高防湿性で易離解性の防湿紙が得られることが開示されている。しかし、ワックスの相転移に着目した発明はなされていない。
特公昭55−22597号公報 特公昭62−28826号公報 特開平7−133600号公報 特公平3−10759号公報 特開2003−119697号公報
本発明は従来のポリエチレンラミネート紙に近似する常態防湿性および高温防湿性を有するとともに耐ブロッキング性にも優れる水離解性防湿紙の塗工組成物を提供することを目的とする。
本発明者は常態防湿性および高温防湿性に加え耐ブロッキング性にも優れる防湿性塗工組成物を得るべく、ワックスの構造の面から検討を行った。この結果、特定のワックスを主成分とするワックスエマルジョンを合成樹脂エマルジョンに配合することにより、上記の目的とする性能が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
1.合成樹脂エマルジョン中の固形分100重量部に対し融点55℃〜70℃、かつ相転移が認められ、その転移点が45℃〜60℃であるパラフィンワックスを主成分とするワックスエマルジョンを固形分として1〜15重量部配合してなる防湿性塗工組成物。
2.合成樹脂エマルジョンが、少なくとも2点以上のガラス転移温度(Tg)を有し、かつ最も高いガラス転移温度(TgH)が0〜100℃、最も低いガラス転移温度(TgL)が−70℃〜10℃の範囲にあり、その差(TgH−TgL)が10℃以上の共重合体樹脂エマルジョンである上記1.記載の防湿性塗工組成物。
本発明の合成樹脂エマルジョンと特定のワックスを主成分とするワックスエマルジョンからなる組成物を塗工して得られる塗工紙は優れた常態防湿性および高温防湿性を有するとともに水中に容易に離解されるため、リサイクルできる機能をも有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明は天然ワックスのうち、特定の構造を有するパラフィンワックスを使用することを特徴とする。パラフィンワックスは一般に多くの炭化水素の混合物であり、融点範囲が大きいものと小さいものがある。融点範囲が大きいものをカットが広い、小さいものをカットが狭いと云う。さらにパラフィンワックスは融点以下の温度でしばしば結晶構造が変化することがある。相転移の認められるこの温度が転移点であり、通常のパラフィンワックスは潜熱を伴う転移点が存在するものが多いが、カットが広いと認められない。ここで云う転移点は示差走査熱量計(島津製作所製のDSC−60)の測定値である。常態防湿性を示す透湿度の測定条件は温度40℃、相対湿度90%であり、高温防湿性を示す透湿度の測定条件は温度50℃、相対湿度54%である。融点(JISK2235の測定値)の範囲は55℃〜70℃であり、好ましくは58℃〜67℃である。又、転移点の範囲は45℃〜60℃であり、好ましくは48℃〜57℃である。転移点の有無および値にかかわらず、常態防湿性および高温防湿性の観点から融点が55℃以上であり、ワックスのブリードおよび合成樹脂の成膜性の観点から70℃以下である。
転移点が認められない場合は融点の範囲が広く、低融点のものを含むため高温防湿性が低下する。
本発明において、ワックスエマルジョンは固形分として合成樹脂エマルジョン100重量部(固形分換算)に対して、防湿性の観点から1重量部以上、また水離解性およびワックスのブリートによる滑りの点から15重量部以下であり、好ましくは2〜10重量部配合する。
ワックスエマルジョンの乳化剤は特に制限されるものではないが、不飽和脂肪酸などのアニオン性乳化剤、ソルビタン酸脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性乳化剤が好適である。
本発明で使用し得る合成樹脂エマルジョンは耐ブロッキング性および水中離解性を有し、ワックスエマルジョンを配合することによって高度な防湿性を発現することが必要である。そのような性能を有する樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン・ブタジエン系樹脂、アクリル系およびスチレン・ブタジエン系の共重合体樹脂が挙げられる。
具体的に重合可能な単量体としては、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリルアミド系単量体、カルボン酸ビニルエステル系単量体、アミノ基含有エチレン性単量体類、ハロゲン化ビニル、スルホン酸基やリン酸基含有単量体などを挙げることができる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用できる。
共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3ペンタジエン、クロロプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、シクロブタジエンなどを挙げることができ、これらを単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも1,3−ブタジエンが好適に使用できる。
芳香族ビニル系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどを挙げることができ、これらを単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でもスチレンが好適に使用できる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどを挙げることができ、これらを単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。エチレン系不飽和カルボン酸は防湿性の点から、全単量体の20重量%以下の使用が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールエトキシアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビスメタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、これらを単独に、または2種以上を組み合わせて使用できる。
シアン化ビニル系単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどを挙げることができ、これらを単独に、または組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリルアミド系単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドやN−メチル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、グリシジルメタアクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができ、これらを単独、または2種以上組み合わせて使用できる。
他の単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび2−ビニルピリジンなどのアミノ基含有エチレン性単量体、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、塩化ビニルや塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル、スチレンスルホン酸塩や2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸およびアリルスルホン酸塩などのスルホン酸基含有単量体、燐酸エチレン(メタ)アクリレートや燐酸プロピレン(メタ)アクリレートおよび2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの燐酸基含有単量体などを挙げることができ、これらを単独に、または2種以上組み合わせて使用できる。
本発明2.の合成樹脂エマルジョンは、少なくとも2点以上のガラス転移温度(Tg)を有し、かつ最も高いガラス転移温度(TgH)が0℃〜100℃、最も低いガラス転移温度(TgL)が−70℃〜10℃の範囲にあり、その差(TgH−TgL)が10℃以上の共重合体樹脂エマルジョンである。本発明に使用し得る合成樹脂エマルジョンは、耐ブロッキング性および水中離解性を有し、ワックスエマルジョンを配合することによって高度な防湿性を発現することが必要である。Tgに着目した場合、耐ブロッキング性はTgが高い程向上するが、成膜性はTgが低い程向上する。成膜性が低下すると、常態防湿性および高温防湿性が顕著に低下し、好ましくない。従って、要求される性能のバランスをとるためには、少なくとも2点以上のガラス転移温度(Tg)を有し、TgHとTgLの差が10℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは、15℃以上である。TgHの範囲は、耐ブロッキング性の観点から0℃以上、常態および高温防湿性の観点から100℃以下であり、好ましくは10℃〜80℃である。TgLの範囲は、耐ブロッキング性の観点から−70以上、防湿性の観点から10℃以下であり、好ましくは−50℃〜5℃である。この合成樹脂エマルジョンは常態防湿性および高温防湿性に加え、Tgが1点の場合には得られない高度の耐ブロッキング性が得られ、好ましい。
本発明の合成樹脂エマルジョンとワックスエマルジョンからなる塗工組成物に生成塗膜の耐ブロッキング性向上などを目的として顔料を必要に応じて配合することができる。顔料としては特に制限はなく、無機および有機の顔料が使用できる。例えば、マグネシウム、亜鉛、バリウム、チタン、アルミニウム、アンチモン、鉛などの各種金属酸化物、水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩または珪酸塩化合物やポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの固体高分子微粉末などが挙げられる。具体的には、炭酸カルシウム、カオリン(クレー)、タルク、雲母、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、合成ゼオライト、バライト粉、アルミナホワイト、サチンホワイトなどである。配合する顔料の割合は防湿性が顕著に損なわれない程度に配合することが好ましく、合成樹脂エマルジョン100重量部(固形分)に対して100重量部以下が一般的である。
これに加えてさらに必要に応じて、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、デキストリン、酸化処理澱粉、架橋澱粉、エステル澱粉、グラフトコポリマー澱粉などの澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなどの各種水溶性高分子、ならびに公知の消泡剤、濡れ剤、レベリング剤、成膜助剤、可塑剤、顔料分散剤、着色剤、耐水化剤、潤滑剤、防腐剤、防滑剤、撥水剤、離型剤、ブロッキング防止剤、架橋剤(例えば水溶性エポキシ化合物)、水溶性金属および各種溶剤なども加えることができる。
本発明の塗工組成物を塗工する原紙は特に制限はないが、例えば広葉樹未晒しクラフトパルプ、広葉樹晒しクラフトパルプ、針葉樹未晒しクラフトパルプ、針葉樹晒しクラフトパルプなどの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、RGP(リファイナーグラウンドパルプ)などの機械パルプを原料として用い、長網多筒型抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機、丸網ヤンキー型抄紙機などで抄紙されてできる上質紙、中質紙、片艶紙およびクラフト紙などの酸性紙、中性紙を包含するものである。原紙中には紙力増強剤、サイズ剤、填料、歩留向上剤などの製紙薬品が含まれていてもよい。特に限定するものではないが、原紙の坪量は50g/m〜150g/m程度のものが用いられる。
原紙に塗工組成物を塗工する設備としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーターおよびブレードコーターなどから任意に選定することができる。塗工量は少ない方がコストの点で有利であるが、防湿性の観点から10g/m〜30g/m(固形分)好ましい。塗工組成物塗工後の乾燥条件は特に限定されないが、乾燥温度:100℃〜250℃、乾燥時間:5秒〜120秒程度の加熱乾燥が適している。塗工液の固形分濃度も特に限定されないが、35%〜70%程度が好ましい。また、本発明の塗工組成物は、原紙に2回以上の塗工操作により塗工することもできる。
次に、本発明の防湿性塗工組成物について実施例および比較例により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例における塗工量、部数、混合割合などはすべて固形分基準で示した。
合成樹脂の物性は以下の方法で測定した。
(1)Tg
共重合体エマルジョンをガラス板上に流延し、加熱乾燥して皮膜を形成させる。次いで得られた皮膜をTg測定容器に入れ蓋をし、示差走査熱量計(セイコー電子製)にセットして昇温速度10℃/分で測定する。
合成樹脂とワックスを含む塗工紙を以下の方法で作成した。
合成樹脂エマルジョンに所定量のワックスエマルジョンを配合し、塗工液(固形分濃度40%〜50%)を作成する。次いで坪量約70g/mの未晒しクラフト原紙に塗工液をワイヤーバーにて塗布し、熱風乾燥機にて温度130℃・時間60秒の条件で乾燥して、塗工量約20g/mの塗工紙を作成した。
上記の方法で作成した塗工紙の性能は以下の方法で測定した。
(1)常態透湿度
JIS Z0208防湿包装材料の透湿度試験(恒温恒湿条件40℃、90%RH)に準じて透湿度を測定した。
評価基準:透湿度が50g/m・24時間以下であれば十分実用性がある。
(2)高温透湿度
JIS Z0208防湿包装材料の透湿度試験に準じ、恒温恒湿条件だけを50℃、54%RHに変更して透湿度を測定した。
評価基準:透湿度が50g/m・24時間以下であれば十分実用性がある。
(3)耐ブロッキング性
塗工紙の塗工面と非塗工面とを重ね合わせ、40g/cmで加圧し、40℃、90%RHの雰囲気下に24時間放置する。次いで重ね合わせた部分をゆっくりと引き離し、付着の程度を観察する。
◎:抵抗なく、引き離すことができる。
○:少し抵抗があるが、引き離すことができる。
△:抵抗はあるが、引き離すことができる。
×:抵抗が大きく、紙が破れる。
(4)水離解性
試料5gを小片に切断し、2Lの水とともに家庭用ミキサーで10分間撹拌後、塗工紙の離解状態を観察した。
○:単繊維状となる。
△:少し凝集物がみられる。
×:凝集物が見られる。
[製造例1]
撹拌装置と温度調節用ジャケットを備えた耐圧反応容器に、イオン交換水を72部、約20nmの平均粒子径を有するシード粒子の水分散体(固形分)0.45部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部を入れ、内温を80℃に昇温してスチレン19部、ブタジエン21部、t−ドデシルメルカプタン0.2部およびα−メチルスチレンダイマー0.1部からなる単量体混合物を2時間かけて添加した(1段目)。単量体混合物を添加し始めるとほぼ同時に、水21部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部、水酸化ナトリウム0.1部、ペルオキソ二硫化カリ0.7部を6時間かけて添加した。また、スチレン35部、2−エチルヘキシルアクリレート23部、アクリル酸2部からなる単量体混合物(2段目:最終段)を1段目の単量体混合物の添加が終了した時点から30分〜90分後に2時間かけて追添し、重合を行った。重合終了後も約2時間反応系の温度を80℃に維持した。その後水酸化ナトリウムを加えて反応系のPHを約8.0に調整した。次いで、スチームストリッピングで単量体を除去し、冷却後80メッシュの濾布で濾過して、得られた異相構造共重合体ラテックスの固形分を48%に調整した。粒子径(光散乱法、体積平均)は130nmで、トルエン不溶分(ラテックス乾燥皮膜をトルエンに入れ、3時間振とう後、325メッシュの濾布で濾過したときの乾燥濾過残渣分)は97%であった。なお、ガラス転移温度の測定結果は、−20℃および29℃であった。
[実施例1]
製造例1の異相構造共重合体ラテックスにワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:M−305)をラテックス固形分100重量部に対し6重量部(固形分)配合し、塗工液を作成した。次いで坪量約70g/mの未晒しクラフト原紙に塗工液を約20g/m(固形分)の塗工量になるようワイヤーバーにて塗布し、熱風乾燥機にて乾燥温度130℃・乾燥時間60秒の条件で乾燥して、塗工紙を作成した。得られた塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例2]
ワックスエマルジョンの配合部数を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗工紙を作成した。得られた塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例3]
ワックスエマルジョンの種類を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗工紙を作成した。得られた塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例4]
ワックスエマルジョンの種類および配合部数を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗工紙を作成した。得られた塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例5]
合成樹脂エマルジョンを製造例1の異相構造共重合体ラテックスからアクリル系合成樹脂エマルジョン(旭化成ケミカルズ(株)製のA−65、Tg:7℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして塗工紙を作成した。得られた塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例1〜4]
ワックスエマルジョンの種類を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗工紙を作成した。得られた各塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例5〜6]
ワックスエマルジョンの配合部数を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗工紙を作成した。得られた塗工紙について前述の測定法に従って常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例7]
アクリル系合成樹脂エマルジョン(旭化成ケミカルズ(株)製のA−65、Tg:7℃)にワックスエマルジョン(日本精蝋(株)製、商品名:EM−0560)をラテックス固形分100重量部に対し6重量部(固形分)配合し、塗工液を作成した。次いで実施例1と同様にして塗工紙を作成し、得られた塗工紙について常態透湿度、高温透湿度、耐ブロッキング性および水離解性を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2005146040
Figure 2005146040
本発明の防湿性塗工組成物は常態条件および高温条件で防湿性を必要とする包装紙の分野において、好適に利用できる。

Claims (2)

  1. 合成樹脂エマルジョン中の固形分100重量部に対して、融点55℃〜70℃、かつ相転移が認められ、その転移点が45℃〜60℃であるパラフィンワックスを主成分とするワックスエマルジョンを固形分として1〜15重量部配合してなる防湿性塗工組成物。
  2. 合成樹脂エマルジョンが、少なくとも2点以上のガラス転移温度(Tg)を有し、かつ最も高いガラス転移温度(TgH)が0℃〜100℃、最も低いガラス転移温度(TgL)が−70℃〜10℃の範囲にあり、その差(TgH−TgL)が10℃以上の共重合体樹脂エマルジョンである請求項1記載の防湿性塗工組成物。
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