JP2005144923A - 印刷物の製造方法 - Google Patents

印刷物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005144923A
JP2005144923A JP2003387523A JP2003387523A JP2005144923A JP 2005144923 A JP2005144923 A JP 2005144923A JP 2003387523 A JP2003387523 A JP 2003387523A JP 2003387523 A JP2003387523 A JP 2003387523A JP 2005144923 A JP2005144923 A JP 2005144923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
ink
radiation
meth
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003387523A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Ariyoshi
泰 有吉
Hideaki Kumada
英明 熊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2003387523A priority Critical patent/JP2005144923A/ja
Publication of JP2005144923A publication Critical patent/JP2005144923A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、高印刷適正、印刷面の各種耐性だけでなく、環境負荷が少なく、かつインキ取扱者の安全衛生性をも満足する印刷物の製造方法に関する。
【解決手段】ラジエーション硬化型水性インキを用いた、二つ以上の印刷部を有する印刷機による印刷物の製造方法であって、前記インキが、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失する、ラジエーション硬化型水性インキであり、かつ、二つ以上の印刷部において印刷し、前記溶媒を蒸発させた後、電離放射線照射装置でラジエーション硬化することを特徴とする印刷物の製造方法。
また、印刷部では、まず印刷基材へ印刷版からインキを転移させ、次に溶媒蒸発装置で溶媒を揮発させ、印刷面と接触するガイドロールを通過することを特徴とする印刷物の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高印刷適正、印刷面の各種耐性だけでなく、環境負荷が少なく、かつインキ取扱者の安全衛生性をも満足する印刷物の製造方法に関する。
近年、印刷業界では溶剤型インキが溶剤を大量に使用し大気汚染、火災の危険性、労働安全衛生性の悪さなどの問題があることから、いわゆる環境対応の理念の下、印刷インキの無溶剤化、水性化が推進されている。
まず、インキの無溶剤化の代表的なものとしてアクリロイル基を有するモノマー、オリゴマーをインキバインダーとして使用し、印刷後紫外線や電子線などの電離放射線で硬化させるラジエーション硬化方法がある。この方法は、インキ成分全てが揮発せず瞬時に硬化することから、印刷後すぐに加工、流通でき生産性の良い方法として知られている。しかし、安全性、実用性のあるインキ硬化被膜を得るためには一分子中にアクリロイル基が3つ以上ある多官能オリゴマーやモノマーが必要になり、それら多官能オリゴマーやモノマーの粘度が高いものが多いことから、使用される印刷方式はインキの粘度が高くて構わない平版印刷やスクリーン印刷が主で、より低い粘度のインキが必要になるフレキソ印刷方式では極僅か、さらに低い粘度のインキが必要となるグラビア印刷方式では皆無と言った状況であり、特にグラビアインキの無溶剤化は現状では非常に難度が高いと考えられている。
更に、上記無溶剤ラジエーション硬化型インキで、もし粘度の問題を解決できたとしても多色刷りをする場合には問題がある。これを図4、5を使用して説明する。図4は一般的なグラビア印刷機であり、印刷基材(2)は巻出部(1)から巻取部(11)まで、図面上左から右へ進行する。その印刷基材(2)は印刷版(7)からインキを転移させられた後、乾燥機(8)を通過して印刷面と接触するガイドロール(10)と接触するが、ここで印刷基材(2)上に転移させられた無溶剤ラジエーション硬化型インキは乾燥機(8)を通過しても液状であることから、印刷面と接触するガイドロール(10)にインキが転移して続く印刷面を汚す「ガイドロール取られ」と言う問題がある。図5はライン型狭幅フレキソ印刷機の一例であり、印刷基材(22)は巻出部(21)から巻取部(34)まで図面上左から右へ進行する。図4のグラビア印刷機同様、印刷基材(22)は印刷版(30)からインキを転移させられた後、乾燥機(33)を通過して印刷面と接触するガイドロール(32)と接触するが、ここで印刷基材(22)上に転移させられた無溶剤ラジエーション硬化型インキは乾燥機(33)を通過しても液状であることから、印刷面と接触するガイドロール(32)にインキが転移して続く印刷面を汚す「ガイドロール取られ」と言う問題がある。
グラビア印刷機および狭幅フレキソ印刷機は印刷面に接触するガイドロールによる搬送方式を採用しているものが数多く使用されており、上記に説明した「ガイドロール取られ」を解決するためには電離放射線装置が各色の印刷部に一台必要、つまり図4で言うならば乾燥機(8)の部分を全て電離放射線装置にする必要があり、図5で言うならば乾燥機(33)の部分を全て電離放射線装置にする必要があり、もともと無溶剤ラジエーション硬化型でないインキを用い、ガイドロールを有する印刷機を用いてグラビアもしくはフレキソ印刷を行っていた印刷業者にとっては設置面積の問題や設備投資費の問題が生じる。
また、広幅フレキソ印刷機に使用されるセントラルインプレッション型印刷機を代表とする印刷面に接触するガイドロールを設計上なくすことができる印刷機でも上記無溶剤ラジエーション硬化型インキを印刷する場合は問題がある。図6はセントラルインプレッション型四色印刷機の一部を例示したものである。図面上基材(52)は巻出部より、圧胴(49)を反時計回りに搬送され、第一の印刷部(53)、第二の印刷部(46)、第三の印刷部(54)、第四の印刷部(55)の順で印刷され、最終乾燥機(51)で乾燥を受け巻取部へ搬送される。ここで、第一の印刷部(53)により一色目のインキが転移させられ、色間乾燥機(48)で乾燥を受けた後第二の印刷部(46)において二色目のインキが転移させられる。この場合、色間乾燥機(48)で無溶剤ラジエーション硬化型インキは硬化しないことから二色目のインキが必要量転移しない「ウェットトラッピング」という現象や、一色目のインキが二色目の印刷版(45)側に逆転移してインキが混ざる「バックトラッピング」と呼ばれる現象が起こるという問題がある。これは以降続く第三の印刷部(54)、第四の印刷部(55)でも同様な現象が起こることから、多色刷りでインキが重なるフレキソ版を使用した場合結局は色間乾燥機(48)を全て電離放射線装置に変更する必要がある(非特許文献1)。ラジエーション硬化型印刷システムを有していなかった印刷業者にとっては、設置面積の問題や設備投資費の問題が生じる。
また、水性型は安全な水が低粘度化を促すため検討が熱心に進められている分野であり、フレキソ印刷方式ではもちろんのことグラビア印刷方式でも一部使用され始めている。しかし、水性インキにおいては再溶解性、グラビア印刷方式での版かぶり、フレキソ印刷方式での版詰まりを代表する印刷適正を維持するための策が、耐アルカリ性、耐水性、耐ブロッキング性を悪くする原因となっており、使用用途が広がらない一因となっている。
以上のように、比較的低粘度のインキが必要になるグラビアおよびフレキソ印刷方式で無溶剤化は設備投資の問題、粘度の問題があり、水性化は硬化膜物性の問題があった。
一方で、粘度の問題を解決する一つの方法として水性のラジエーション硬化型インキを用いる方法が提案されている。例えば、疎水性で低分子量の電離放射線硬化型オリゴマー、モノマーを乳化剤と乳化助剤で強制乳化してインキの硬化成分とする水性のコーティング剤や印刷インキの開示がある(特許文献1参照)。ここに開示された方法により、グラビアまたはフレキソ印刷方式で印刷可能な粘度にすることは可能であるが、ここに開示されているインキでは、電離放射線硬化型オリゴマー、モノマーの乳化状態が一度破壊されると再度水に分散することが難しいので、印刷機上でインキ中の水が一部揮発した場合の再溶解性の問題があるもの、また液状で低分子量の電離放射線硬化型オリゴマー、モノマーを使用することから「ガイドロール取られ」や「ウェットトラッピング」、「バックトラッピング」の問題が解決できていないというものであった。
米国特許第6140386号明細書 フレキソ印刷総覧 2000年 (株)加工技術研究所発行 P.59
本発明は、溶媒の蒸発によりタックを消失するラジエーション硬化型水性インキを使用することにより、電離放射線装置が複数台必要なく各色印刷後の一ヶ所にのみ存在すれば良く、また印刷面に接触するガイドロールを有する印刷機でも行える印刷物の製造方法に関し、また、印刷物の耐アルカリ性、耐水性、耐ブロッキング性も良好である印刷物の製造方法に関する。
本発明は、ラジエーション硬化型水性インキを用いた、二つ以上の印刷部を有する印刷機による印刷物の製造方法であって、
前記インキが、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失する、ラジエーション硬化型水性インキであり、かつ、二つ以上の印刷部において印刷し、前記溶媒を蒸発させた後、電離放射線照射装置でラジエーション硬化することを特徴とする印刷物の製造方法に関する。
また、本発明は、ラジエーション硬化型水性インキを用いた、少なくとも一つの印刷部を有する印刷機による印刷物の製造方法であって、
前記インキが、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失する、ラジエーション硬化型水性インキであり、かつ、前記印刷部では、まず印刷基材へ印刷版からインキを転移させ、次に溶媒蒸発装置で溶媒を揮発させ、印刷面と接触するガイドロールを通過することを特徴とする印刷物の製造方法に関する。
また、本発明は、印刷部が、二つ以上である上記印刷物の製造方法に関する。
また、本発明は、2番目以降の印刷部で印刷版から印刷基材へインキを転移させる際に、前記印刷版がすでに印刷基材に転移させられタックを消失したインキに接触することを特徴とする上記印刷物の製造方法に関する。
また、本発明は、印刷部が、グラビア印刷方式および/またはフレキソ印刷方式であることを特徴とする上記印刷物の製造方法に関する。
また、本発明は、ラジエーション硬化型水性インキが、下記一般式1で表されるウレタンウレア樹脂を含む上記印刷物の製造方法に関する。
一般式1
Figure 2005144923
(式中、R1は3〜15価の有機残基を示す。R2は置換もしくは未置換の炭化水素基を示す。R3は主鎖にウレタン結合を有する2価の有機残基を示す。mは2〜14の整数、nは1〜13の整数、xは0以上の整数である。)
本発明により、高印刷適正、印刷面の各種耐性だけでなく、環境負荷が少なく、かつインキ取扱者の安全衛生性をも満足する印刷物の製造方法を提供できた。
本発明の印刷物の製造方法に使用される印刷機の形態の一例として、図1〜3が例示される。
まず、図1は一般的なグラビア印刷機の図4をもとに、本発明に好ましい位置に電離放射線照射装置(20)を示したものである。本発明では、印刷基材(2)は第一の印刷部(13)で一色目のラジエーション硬化型水性インキが転移された後、乾燥機(8)を通過することでタックが消失する。そのため、印刷面に接触するガイドロール(10)に「ガイドロール取られ」を生じることなく通過でき、続く印刷部(14)へ搬送される。ここで、一色目のラジエーション硬化型水性インキのタックはすでに消失しているため、第二以降の印刷部(14)において「ウェットトラッピング」や「バックトラッピング」の問題も生じない。図面中wは印刷機の繰り返し単位(12)の繰り返し数であり、2色印刷ならw=1、3色印刷ならw=2、4色印刷ならw=3と(印刷の色数−1)を表すものである。必要な色数を印刷した後、電離放射線照射装置(20)を通過させることで、ここまでに印刷された全てのラジエーション硬化型水性インキを一ヶ所の電離放射線照射装置(20)で硬化させることができる。
次に、図2は幅狭フレキソ印刷機に使用されているライン型印刷機の図5をもとに、本発明に好ましい位置に電離放射線照射装置(40)を示したものである。本発明では、印刷基材(22)は第一の印刷部(26)で一色目のラジエーション硬化型水性インキが転移された後、乾燥機(33)を通過することでタックが消失する。そのため、印刷面に接触するガイドロール(32)に「ガイドロール取られ」を生じることなく通過でき、続く第二以降の印刷部(36)へ搬送される。ここで、一色目のラジエーション硬化型水性インキのタックはすでに消失しているため、第二以降の印刷部(36)において「ウェットトラッピング」や「バックトラッピング」の問題は生じない。図面中yは印刷機の繰り返し単位(35)の繰り返し数であり、2色印刷ならy=1、3色印刷ならy=2、4色印刷ならy=3と(印刷の色数−1)を表すものである。必要な色数を印刷した後、電離放射線照射装置(40)を通過させることで、ここまでに印刷された全てのラジエーション硬化型水性インキを一ヶ所の電離放射線照射装置(40)で硬化させることができる。
次に、図3は幅広フレキソ印刷機に使用されているセントラルインプレッション型印刷機の図6をもとに、本発明に好ましい位置に電離放射線照射装置(60)を示したものである。本発明では、印刷基材(52)は第一の印刷部(53)で一色目のラジエーション硬化型水性インキが転移された後、スリット型乾燥機(48)を通過することでタックが消失する。そのため、続く第二以降の印刷部(46)において、一色目のラジエーション硬化型水性インキのタックはすでに消失しているため「ウェットトラッピング」や「バックトラッピング」の問題は生じない。同様に第二の印刷部(46)で二色目のラジエーション硬化型水性インキが転移された後、スリット型乾燥機を通過することで再度タックが消失し、第三の印刷部(54)でも「ウェットトラッピング」や「バックトラッピング」の問題は生じない。図3は4色印刷機を示したものであるが、圧胴(49)の周囲に配置された印刷部の数に限定はなく、印刷部の数だけの色数を印刷できるものである。必要な色数印刷した後、最終乾燥機(51)を通過した後に、電離放射線照射装置(60)を通過させることで、ここまでに印刷された全てのラジエーション硬化型水性インキを一ヶ所の電離放射線照射装置(60)で硬化させることができる。
上記、図1〜3を用いて例示したように、本発明は、二つ以上の印刷部を有する印刷機を用いて印刷する際、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失するラジエーション硬化型水性インキを用いることによって、必要な色数印刷した後、電離放射線照射装置でラジエーション硬化させる印刷物の製造方法である。
上記、図1〜3の例示では、印刷ライン中に電離放射線照射装置を設置しているが、図4〜6の様に通常の非ラジエーション硬化型で使用される電離放射線照射装置のない印刷機で、本発明で使用されるインキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失するラジエーション硬化型水性インキを用いて印刷した後、一度巻取る操作をし、別の装置に移動させてオフラインで電離放射線照射装置を通すことも本発明の技術範囲に含まれる。
本発明で使用できる印刷機は、少なくとも1つの印刷部を有する印刷機であって、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失するラジエーション硬化型水性インキを用いることによって、必要な色数印刷した後、電離放射線照射装置でラジエーション硬化させることができるものであれば図1〜6に示す形態のものに限定されることなく公知のものが制限なく使用可能である。
ここで、本発明で言う乾燥機とは、赤外線、遠赤外線、風、高周波加熱等の溶媒の蒸発を促す装置のことを示し、電離放射線照射装置は含まれない。また、本発明で言う印刷部とは、図1〜6に示したように一色のインキがインキパンから必要なロールに転移しながら印刷版に運ばれ、印刷基材へ転移するまでの一連装置部分を示す。また、本発明で言うタックを消失するとは、40℃、湿度50%の状況下、印刷基材上のインキ膜表面を指で触ったときに指にインキが付着しない状態のことを示す。
本発明では、電離放射線照射装置が印刷ラインに一ヶ所あるか、印刷ラインになくて別ラインにあっても良いことから、印刷業者にとっては設置面積の問題や設備投資費の問題が軽減される。
本発明に使用される電離放射線照射装置としては、特に紫外線もしくは電子線を照射できるものが好ましい。紫外線照射装置としては、光源として、通常200〜500nmの範囲の光を含む光源、たとえば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を有するものが使用できる。紫外線の積算光量は、用途、膜厚、光重合開始剤の種類と量により必要最低積算光量が左右されるため制限はない。紫外線によって硬化させる際には、特に必要がないが窒素等の不活性ガスを用いて酸素濃度を、空気よりも下げても良い。電子線照射装置としては、カーテンビーム型、エリアビーム型、ブロードビーム型、スキャンニングビーム型、真空管型等の装置が挙げられる。電子線の加速電圧は特に制限はなく、30〜500kVの範囲に設定することにより硬化物の形成が可能である。また、電子線の照射線量(DOSE)は、好ましくは1〜1000kGy、更に好ましくは5〜200kGyの範囲である。これより少ないと充分な硬化皮膜が得られにくく、またこれより大きいと塗膜や基材に対するダメージが大きいため好ましくない。また、硬化する際には酸素による阻害を抑制するため、窒素等の不活性ガスを用いて酸素濃度を500ppm以下、好ましくは200ppm以下まで低くするのが好ましい。
本発明の印刷物の製造方法に使用されるラジエーション硬化型水性インキは、色材、バインダー樹脂の他、必要に応じエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物、光重合開始剤を添加できる。
色材としては、公知の染料、顔料が使用できるが、印刷物の美称性、耐光性を考えると顔料が好ましい。本発明で用いることのできる顔料としては、通常インキまたは塗料に用いられるすべての顔料が使用できるが、例えば有機顔料および無機顔料が挙げられる。有機顔料の具体的な例としては、天然有機顔料および合成有機顔料が挙げられ、天然有機顔料としては、コチニール・レーキ、マダー・レーキなどが挙げられる。合成有機顔料としては、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料などのほか、エオシンなどのキサンタン・レーキ顔料、塩基性染料から作るレーキ顔料(ファナル・カラーなど)、塩基型の酸性染料から作るレーキ顔料(アシッド・グリーン・レーキなど)、バット染料からの顔料(インジゴ、アルゴン・イエローなど)などが挙げられる。無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、リトポン、鉛白などの白色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウムなどの透明性白色顔料、カーボンブラック、動物性黒、黒鉛などの黒色顔料、ベンガラ、鉛丹などの赤色顔料、アンバー、酸化鉄粉、バンダイク茶などの茶色顔料、黄鉛、ジンククロメート、黄酸化鉄などの黄色顔料、クロム緑、酸化クロム、ビリジアンなどの緑色顔料、群青、紺青などの青色顔料、マルス紫、淡口コバルト紫などの紫色顔料、アルミニウム粉、銅粉、ブロンズ粉などの金属粉顔料等が挙げられる。本発明では、これらの顔料を単独または2種類以上を併用して使用できる。
また、顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、55、60、61、65、71、73、74、81、83、86、93、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、168、175、180、185、C.I.ピグメントオレンジ1、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、242、243、245、254、255、264、265、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、30、32、36、37、38、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、 C.I. ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック1、7、C.I.ピグメントホワイト6等が例示できるが、制限はない。
バインダー樹脂としては、アクリル樹脂やウレタン樹脂に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基などのエチレン性不飽和二重結合が導入されているものが好ましい。この様な、ラジエーション硬化型水性樹脂としては、特開平5−65323号公報、特開平7−102037号公報、特開2003−226730号公報に開示されているものがより好ましく。さらにこの中で、本発明者が特開2003−226730号公報で開示しているものが、樹脂中に存在するエチレン性不飽和二重結合密度が高く、樹脂性質の設計自由度が高いことから特に好ましい。
すなわち、本発明では一般式1
Figure 2005144923

(式中、R1は3〜15価の有機残基を示す。R2は置換もしくは未置換の炭化水素基を示す。R3は主鎖にウレタン結合を有する2価の有機残基を示す。mは2〜14の整数、nは1〜13の整数、xは0以上の整数である。)で表されるウレタンウレア樹脂をラジエーション硬化型水性インキ中にバインダー樹脂として一部含むようにするのが、樹脂中に含まれるエチレン性不飽和二重結合の量、タックの調節が容易な点から特に好ましい。なお、R1、R2、R3、M1、M2、は、それぞれ由来する原料が複数である場合は、必ずしも同一であるない。
本発明に好適に使用される上記ウレタンウレア樹脂を得るには、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマー(C)を用い、その末端のイソシアナト基と一般式2
Figure 2005144923
(ここでR1は、(p+s)価の有機残基を示す。R2は、置換もしくは未置換の炭化水素基を示す。pは、1以上の整数であり、sは、1以上の整数であり、p+sは、3〜15である。)で表される二級アミノ基を有する化合物(M)を、反応させる方法が最も好ましい。また、化合物(M)は、例えば、一級アミノ基を一つ有する化合物(a)を、アクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)にマイケル付加させて得ることができる。
この場合、R1は、アクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)由来の3〜15価の有機残基となり、R2は、一級アミノ基を一つ有する化合物(a)由来の置換もしくは未置換の炭化水素基となり、R3は、ウレタンプレポリマー(C)由来の2価の有機残基となる。R1〜R3の具体的な例示は、それぞれ化合物(x)、化合物(a)、プレポリマー(C)を例示することで示す。
ウレタンプレポリマー(C)は、アニオン性官能基含有ポリオール、アニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオール、およびポリイソシアネートを反応させて製造される。
アニオン性官能基含有ポリオールとしては、例えば、アニオン性官能基であるカルボキシル基、スルフォン基等を有するポリオールを使用することができるが、特にカルボキシル基含有ポリオールを用いることが望ましい。
カルボキシル基含有ポリオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。特に、反応性、溶解性の点からジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸を使用することが好ましい。
また、アニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオールとしては、一分子中に水酸基を2個若しくはそれ以上有するものが好ましい。例えば、低分子量ポリオールとして、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,2,8,10−テトラオキソスピロ〔5.5〕ウンデカン等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
高分子量ポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール等がある
ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール等がある。
ポリエステルポリオールは、二塩基酸とポリオールの重縮合より得られる。二塩基酸成分として、例えばテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、ポリオール成分としては、例えば前記低分子量ポリオールとして列挙した化合物が挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオール類またはビスフェノール類と炭酸エステルとの公知の反応で製造され公知のものが使用される。
このとき用いられる炭酸エステルとして例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
また、ポリオール類としては、例えば前記低分子量ポリオールとして列挙した化合物が挙げられる。ビスフェノール類としては、ビスフェノールAやビスフェノールF、また前記ビスフェノールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させた化合物が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば水酸基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ジヒドロキシアクリレート、グリセロールメタクリレート等が挙げられ、これらと他のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を公知の方法で重合することで得られる。
エポキシポリオールとしては、2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基にエチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基を有する化合物をエポキシ基とカルボキシル基が当量になるように付加させて得られる化合物(E2)が挙げられる。化合物(E2)は、2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させたものであり、該2個以上のエポキシ基を有する化合物として例えば、エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、トリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、トリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ネオペンチルグリコ−ルジグリシジルエ−テル、ジブロモネオペンチルグリコ−ルジグリシジルエ−テル、テトラメチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリテトラメチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、1,6ヘキサンジオ−ルジグリシジルエ−テル、ポリ1,6ヘキサンジオ−ルジグリシジルエ−テル、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、エチレングリコ−ル付加ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、プロピレングリコ−ル付加ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、水添ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル、グリセロ−ルジグリシジルエ−テル、グリセロ−ルトリグリシジルエ−テル、トリメチロ−ルプロパンジグリシジルエ−テル、トリメチロ−ルプロパントリグリシジルエ−テル、ペンタエリスリト−ルジグリシジルエ−テル、ペンタエリスリト−ルトリグリシジルエ−テル、ペンタエリスリト−ルテトラグリシジルエ−テル、ヒドロキノンジグリシジルエ−テル、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられ、このうち、好ましくは2個のエポキシ基を有する化合物を用いた場合である。
上記のアニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオールの中で、分子量300以上の高分子量ポリオールを少なくとも用いるのが好ましく、更にはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを一部用いるのが、塗膜の基材密着性、硬度、製造の容易さ等の点で好ましい。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばω,ω'−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また一部上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート等が好ましい。
ただし、ウレタンプレポリマー(C)の原料は、上記に例示したアニオン性官能基含有ポリオール、アニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオール、およびポリイソシアネートに限定されるわけではない。
ウレタンプレポリマー(C)の製造の際、アニオン性官能基含有ポリオールのアニオン性基がイソシアネートと水酸基の反応触媒作用を有するため必ずしも触媒を添加する必要はないが、製造時間の短縮や製造温度の低減を促すために触媒を別に添加することもできる。イソシアネートと水酸基の反応に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。例えば3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−セン等が挙げられる。
有機金属系化合物としては錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。錫系化合物としては、例えばジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらは単独使用、もしくは併用することもできる。
このうちジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキサン酸錫等が好ましい。
ウレタンプレポリマー(C)を製造するときに、上記原料のみで製造することも可能であるが、高粘度になり反応が不均一になるなどの問題から溶剤を用いるのが好ましい。使用される溶剤としては、公知のものを使用できる。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。
アニオン性官能基含有ポリオール、アニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオール、およびポリイソシアネートを反応させてウレタンプレポリマー(C)をつくるウレタン化反応は、種々の方法が可能である。1)全量仕込みで反応する方法と、2)アニオン性官能基含有ポリオール、アニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオール、触媒をフラスコに仕込み、ポリイソシアネートを滴下する方法に大別されるが、反応を精密に制御する場合は2)が好ましい。ウレタンプレポリマー(C)を得る反応の温度は120℃以下が好ましい。更に好ましくは70〜120℃である。120℃を越えると、アロハネート反応が進行し所定の分子量と構造を有するウレタンプレポリマー(C)が得られなくなる。ウレタン化反応は、70〜120℃で2〜20時間行うのが好ましい。
アニオン性官能基含有ポリオール、アニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオール、およびポリイソシアネートの配合比は、末端にイソシアナト基が残るように、アニオン性官能基含有ポリオールとアニオン性官能基含有ポリオール以外のポリオールの水酸基モル当量の合計に対して、ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル当量が1倍より大きくなることが必要である。適切な配合比は、化合物の反応性、3価以上の化合物の存在比などで左右される。
一般式2
Figure 2005144923
(ここでR1は、(p+s)価の有機残基を示す。R2は、置換もしくは未置換の炭化水素基を示す。pは、1以上の整数であり、sは、1以上の整数であり、p+sは、3〜15である。)で表される二級アミノ基を有する化合物(M)は、一級アミノ基を一つ有する化合物(a)を、アクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)にマイケル付加させることで製造することができる。
一級アミノ基を一つ有する化合物(a)としては、一般式4
7−NH2
(式中R7は、活性水素基を有さない1価の置換もしくは未置換の炭化水素基)で表される化合物が挙げられる。具体的にはベンジルアミン、フェネチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンなどの1級アミンが挙げられ、そのなかでも炭素数10以下の置換もしくは未置換の炭化水素基を有するアミン類が反応の制御の点で好ましく、更にはシクロヘキシルアミンが好ましい。これらは単独使用または併用することができる。
アクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)としては、例えばグリセリントリアクリレート、グリセリンエチレンオキシド変性トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸プロピレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネートなどの三官能アクリレート類が挙げられる。
また、例えばペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート等の四官能以上のアクリレート類が挙げられる。これらは上記化合物に限定されるわけではなく上記化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトンなどを任意の割合で付加させた化合物なども含めアクリロイル基を三つ以上有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。これらは単独使用または併用することができる。化合物(x)として、好ましくは4官能〜15官能、更に好ましくは5官能〜15官能のアクリレートを用いると、ウレタンウレア樹脂に導入できるアクリロイル基の数が多くなり、硬化性が十分になる。
一級アミノ基を一つ有する化合物(a)を、アクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)にマイケル付加させるとき、この反応の最中もしくは後のウレタンプレポリマー(C)との反応でゲル化しなければどのような比で反応させても良いが、化合物(a)のモル数をa、化合物(x)のモル数をbとしたとき、a/b=0.2〜2となるように反応させるのが好ましい。更に好ましくはa/b=0.25〜1.9となる場合である。a/b<0.2であると、未反応の化合物(x)が大量に残り、水性化後の分散安定性が悪くなる。a/b>2であると、二級のアミノ基を3つ以上有する化合物が比較的多くできるため、ウレタンプレポリマー(C)との反応で三次元網目架橋を生じ、ゲル化する場合がある。
前記a/b=0.2〜2の場合、マイケル付加反応後の生成物には、2置換体つまり二級のアミノ基を二つ有する化合物、1置換体つまり二級のアミノ基を一つ有する化合物、および0置換体つまり未反応の化合物(x)が含まれる。ウレタンプレポリマー(C)との反応の際、2置換体は分子量を大きくする鎖延長剤として働き、1置換体は重付加反応を止める末端封止剤として働く。2置換体と1置換体の生成割合は、a/bが0.2に近い場合は1置換体が多く、a/bが2に近づくほど1置換体が減り、2置換体が多くなる。
ここで、二級アミノ基を有する化合物(M)とは、上記1置換体および2置換体以上の化合物の混合物を表す。
一級アミノ基を一つ有する化合物(a)を、アクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)にマイケル付加させるときは、局所的な反応を抑えるため化合物(x)を攪拌している反応槽へ、化合物(a)を逐次滴下する方法が好ましい。滴下時間および反応時間は化合物(a)と化合物(x)の反応性に依存するため制限はない。また、製造される化合物(M)の二級アミノ基がさらに別のアクリロイル基にマイケル付加するのを防ぐため、50℃以下、好ましくは40℃以下で行う。
この反応は上記原料のみで製造することも可能であるが、溶剤を用いて行う方が局所的な反応を抑えられるため好ましい。このとき例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル等が使用でき、これらは単独使用または併用することができる。
製造された化合物(M)は、保存中に二級アミノ基がさらにマイケル付加するのを防ぐため、製造後24時間以内にウレタンポリマ−(C)と反応させるか、製造後24時間を超える場合は使用までに10℃以下の冷所で保存されることが望ましい。
本発明で言うマイケル付加とは、一級もしくは二級アミノ基が、無触媒系、また、必要ならば触媒存在下に、アクリロイル基のエチレン性不飽和二重結合に付加する求核的イオン反応のことを示し、特に本発明では一級アミノ基を一つ有する化合物(a)がアクリロイル基を三つ以上有する化合物(x)にマイケル付加して二級になったアミノ基が、更にマイケル付加して三級アミンとならないように、化合物(a)および化合物(x)の種類、反応比率、反応濃度、温度を制御することが好ましい。
ウレタンプレポリマ−(C)と二級アミノ基を有する化合物(M)との反応比率は、ゲル化しなければどのような比でも構わないが、ウレタンプレポリマ−(C)に存在するイソシアナト基のモル数を〈N〉、前記化合物(M)の二級アミノ基のモル数を〈H〉とするとき、〈H〉/〈N〉=1の比率で反応させることが最も好ましいが、0.7<〈H〉/〈N〉<1の比率で反応させておいて、後に残存したイソシアナト基を低分子の二級アミン化合物で消費させることも可能である。〈H〉/〈N〉が0.7以下であると、得られるウレタンウレア樹脂のエチレン性不飽和二重結合の量が少なくなり好ましくない。低分子の二級アミン化合物としては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
ここで二級のアミノ基を有する化合物(M)を製造する際のa/bの値が小さいほど、ウレタンプレポリマー(C)に対して生成するウレタンウレア樹脂の分子量の延長度は小さくなり、a/bの値が大きいほど生成するウレタンウレア樹脂の分子量の延長度は大きくなる。
この二級アミノ基とイソシアナト基の反応を行う際、局所的な反応を抑えるためウレタンプレポリマー(C)を含む反応液を攪拌している反応槽へ、化合物(M)を逐次滴下する方法が好ましい。また、化合物(M)の二級アミノ基がアクリロイル基にマイケル付加するのを防ぐため、50℃以下、更に40℃以下で行うのが好ましい。
上記の方法で製造されたウレタンウレア樹脂の重量平均分子量は、使用に問題がなければどのような値でも構わないが、特にGPCによる標準ポリスチレン換算重量平均分子量で5000〜200000が好ましい。更に好ましくは、8000〜150000である。重量平均分子量5000未満になると、基材への密着性やラジエーション硬化型水性インキの保存安定性が悪くなる場合があり、200000を越えるとラジエーション硬化型水性インキの粘度が高くなるため印刷ができない場合がある。
上記の方法で製造されたウレタンウレア樹脂に含まれる乾燥重量に対するエチレン性不飽和二重結合の量は、使用に問題がなければどのような値でも構わないが、特に1.5mmol/g以上が好ましく、更に2.0mmol/g以上が好ましく、最も好ましくは2.5mmol/g以上である。1.5mmol/g未満の場合、ラジエ−ション硬化反応性が悪くなり、硬化物の耐溶剤性が不十分になる場合がある。
上記ウレタンウレア樹脂はアニオン性官能基を一部または全部中和して、中和と同時または中和後に水を添加することにより水性化できる。
このとき、ウレタンウレア樹脂の乾燥重量に対する酸価は5〜80mgKOH/gの範囲内であることが望ましい。酸価が5mgKOH/g未満であると水中での分散安定性が悪くなり、経時で凝集物や沈降物を生じる場合があり、80mgKOH/gを越えると、硬化後の塗膜の耐水性が悪くなる場合がある。
中和に使用する塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アンモニアまたは有機系の塩基性化合物が用いられ、三級アミン類が特に好ましい。具体的には、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
水性化の方法としては、アニオン性官能基を一部または全部中和後、水を徐々に滴下し、さらに減圧蒸留により反応に使用した溶剤を留去するのが好ましい。蒸留条件としては、温度は50℃以下、減圧度は、5〜300torrで行うのが好ましい。この際に、公知の消泡剤を添加することができる。
エチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物としては、特に限定はなくエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する公知の化合物ならば限定なく使用することができる。
具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等、
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有の(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類、
また、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリプロピオネートなどの三官能(メタ)アクリレート類。また、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステルテトラ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシ)ホスフェート等の多官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
さらに、上記したような化合物の他、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化マレイン酸変性ポリブタジエン等を挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、多塩基酸と多価アルコールとを重縮合せしめて、ヒドロキシル基ないしカルボキシル基を有するポリエステルを得、次いで該ポリエステル中のヒドロキシル基と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和脂肪族多塩基酸とのエステル化、あるいは該ポリエステル中のカルボキシル基と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとのエステル化によって得ることができる。あるいは酸無水物とグリシジル(メタ)アクリレートと少なくとも1個以上水酸基を有する化合物とを反応せしめることによっても得ることができる。
ポリウレタン(メタ)アクリレートは、分子中に少なくとも2個以上のイソシアナト基を有する化合物とヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとを反応させたり、あるいは分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有する化合物と多価アルコールとを反応させて分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得、次いでイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとを反応させたりすることによって得ることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、グリシジル基とアクリル酸またはメタクリル酸との反応により合成されるものであり、上記に化合物(E2)として例示した化合物の他に、ビスフェノール型、エポキシ化油型、フェノールノボラック型、脂環型等が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートは、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型ジグリシジルエーテルとアクリル酸若しくはメタクリル酸とを反応せしめてなるものであり、(メタ)アクリロイル基を一分子中に最大2個有する。エポキシ化油(メタ)アクリレートは、グリシジル基を含有する油やエポキシ化された大豆油等にアクリル酸またはメタクリル酸を反応せしめてなるものである。ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートは、ノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸とを反応せしめてなるものである。脂環型エポキシ(メタ)アクリレートは、脂環型エポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸とを反応せしめてなるものである。
(メタ)アクリル化マレイン酸変性ポリブタジエンは、ポリブタジエン中の二重結合に無水マレイン酸を付加し、次いで該マレイン化ポリブタジエン中の無水マレイン酸に由来する部分と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとを反応せしめて得ることができる。
ここで、(メタ)アクリレートとはアクリレートもしくはメタクリレートを、(メタ)アクリルアミドとはアクリルアミドもしくはメタクリルアミドを、(メタ)アクリロニトリルとはアクリロニトリルもしくはメタクリロニトリルを意味する。
また、エチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物として、水性用として使用できるものは数社から提供されており、具体的にはビームセットAQ−7、ビームセットAQ−9、ビームセットAQ−11、ビームセットEM−90、ビームセットEM−92、ビームセットEM−70(以上荒川化学工業(株)製)、アロニックスUVX−2350(東亞合成(株)製)、NeoRad R−440、NeoRad R−441、NeoRad R−445(以上楠本化成(株)製)、スーパーフレックスR−5000(第一工業製薬(株)製)、バイヒドロールUVVPLS2282(住友バイエルウレタン(株)製)、WBR828、WBR829(大成化工(株)製)などが具体例示でき、使用可能である。
上記のエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物を使用する場合、好ましくは分子量2000以下の(メタ)アクリロイル基、ビニル基を有する化合物およびN置換型(メタ)アクリルアミド類であり、更に好ましくは分子量2000以下のアクリロイル基を有する化合物およびN置換型アクリルアミド類であり、最も好ましくは分子量2000以下で二官能以上のアクリロイル基を有する化合物である。
光重合開始剤は紫外線により硬化させる場合に添加される。なお、電子線により硬化させる場合には開始剤は特に必要ではない。光重合開始剤としては、光励起によってビニル重合を開始できる機能を有するものであれば特に限定はなく、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物等が使用できる。
具体的にモノカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチル- ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチル-o- ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4(4-メチルフェニルチオ) フェニル- エネタノン、3,3'- ジメチル-4- メトキシベンゾフェノン、4-(1,3- アクリロイル-1,4,7,10,13- ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、3,3'4,4'- テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル) ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N- トリメチルベンゼンメタアンモニウムクロリド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイル- フェノキシ)-N,N,N-トリメチル-1- プロパンアミン塩酸塩、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1- オキソ-2- プロペニルオキシエチル) メタアンモニウム臭酸塩、2-/4-iso- プロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4- プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9- オキソ-9H チオキサントン-2- イロキシ)-N,N,N-トリメチル-1- プロパンアミン塩酸塩、ベンゾイルメチレン-3- メチルナフト(1,2-d) チアゾリン等が挙げられる。
ジカルボニル化合物としては、1,7,7-トリメチル- ビシクロ[2.1.1] ヘプタン-2,3- ジオン、ベンザイル、2-エチルアントラキノン、9,10- フェナントレンキノン、メチル- α- オキソベンゼンアセテート、4-フェニルベンザイル等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4- イソプロピルフェニル)2- ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-(4- イソプロピルフェニル)2- ヒドロキシ- ジ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-ヒドロキシ- シクロヘキシル- フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- スチリルプロパン-1- オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2- ジフェニルエタン-1- オン、2,2-ジエトキシ-1,2- ジフェニルエタン-1- オン、2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1- オン、2-ベンジル-2- ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノ- フェニル) ブタン-1- オン、1-フェニル-1,2- プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル) オキシム、3,6-ビス(2- メチル-2- モルホリノ- プロパノニル)-9-ブチルカルバゾール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-n-プロピルフェニル- ジ(2,6- ジクロロベンゾイル) ホスフィンオキシド等が挙げられる。
アミノカルボニル化合物としては、メチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、エチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-n ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2-( ジメチルアミノ) エチルベンゾエート、4,4'- ビス-4- ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'- ビス-4- ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5'- ビス-(4-ジエチルアミノベンザル) シクロペンタノン等が挙げられる。
これらは上記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があればどのようなものでも構わない。これらは単独使用または併用することができ、使用量に制限はないが、被硬化物の乾燥重量の合計100重量部に対して1〜50重量部の範囲で添加されるのが好ましい。また、増感剤として公知の有機アミンを加えることもできる。
本発明に使用されるインキに含有できる成分を上記に例示したが、インキがインキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失する性質を有していれば上記のうち液状のものでも使用可能である。
この他、本発明に使用されるインキには目的を損なわない範囲で任意成分として、さらに溶剤、染料、酸化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー等を添加することができる。
本発明に使用されるインキは、木材、金属、ガラス、布、皮革、紙、プラスチックを含めた被塗装物、被印刷物に適用でき、特に金属、ガラス、プラスチックなどの非浸透性基材上での使用も可能である。
本発明に使用されるインキは、比較的低粘度のインキが要求されるグラビア印刷またはフレキソ印刷での印刷が可能であり、インキはそれぞれの印刷方法に応じた顔料濃度、粘度、流動性を設定し使用することができる。
図1は、本発明で好適に使用されるグラビア印刷機の形態を示す。 図2は、本発明で好適に使用されるライン型フレキソ印刷機の形態を示す。 図3は、本発明で好適に使用されるセントラルインプレッション型フレキソ印刷機の形態の一部を示す。 図4は、一般的なグラビア印刷機の形態を示す。 図5は、一般的なライン型フレキソ印刷機の形態を示す。 図6は、一般的なセントラルインプレッション型フレキソ印刷機の形態の一部を示す。
符号の説明
1 巻出部
2 印刷基材
3 ガイドロール
4 ドクターブレード
5 インキパン
6 インキ
7 印刷版
8 乾燥機
9 圧胴
10 印刷面に接触するガイドロール
11 巻取部
12 二色目以降の印刷機繰り返し単位
13 第一の印刷部
14 第二以降の印刷部
20 電離放射線照射装置
21 巻出部
22 印刷基材
23 ガイドロール
24 インキパン
25 インキ
26 第一の印刷部
27 ファウンテンロール
28 アニロックスロール
29 版胴
30 印刷版
31 圧胴
32 印刷面に接触するガイドロール
33 乾燥機
34 巻取部
35 二色目以降の印刷機繰り返し単位
36 第二以降の印刷部
40 電離放射線照射装置
41 アニロックスロール
42 ファウンテンロール
43 インキパン
44 インキ
45 印刷版
46 第二の印刷部
47 版胴
48 色間乾燥機
49 圧胴
50 ガイドロール
51 最終乾燥機
52 印刷基材
53 第一の印刷部
54 第三の印刷部
55 第四の印刷部
60 電離放射線照射装置
w 二色目以降の印刷機繰り返し単位(12)の繰り返し数
y 二色目以降の印刷機繰り返し単位(35)の繰り返し数

Claims (6)

  1. ラジエーション硬化型水性インキを用いた、二つ以上の印刷部を有する印刷機による印刷物の製造方法であって、
    前記インキが、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失する、ラジエーション硬化型水性インキであり、かつ、二つ以上の印刷部において印刷し、前記溶媒を蒸発させた後、電離放射線照射装置でラジエーション硬化することを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. ラジエーション硬化型水性インキを用いた、少なくとも一つの印刷部を有する印刷機による印刷物の製造方法であって、
    前記インキが、インキ中の溶媒の蒸発によりタックを消失する、ラジエーション硬化型水性インキであり、かつ、前記印刷部では、まず印刷基材へ印刷版からインキを転移させ、次に溶媒蒸発装置で溶媒を揮発させ、印刷面と接触するガイドロールを通過することを特徴とする印刷物の製造方法。
  3. 印刷部が、二つ以上である請求項2記載の印刷物の製造方法。
  4. 2番目以降の印刷部で印刷版から印刷基材へインキを転移させる際に、前記印刷版がすでに印刷基材に転移させられタックを消失したインキに接触することを特徴とする請求項1または3記載の印刷物の製造方法。
  5. 印刷部が、グラビア印刷方式および/またはフレキソ印刷方式であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の印刷物の製造方法。
  6. ラジエーション硬化型水性インキが、下記一般式1で表されるウレタンウレア樹脂を含む請求項1ないし5いずれか記載の印刷物の製造方法。
    一般式1
    Figure 2005144923
    (式中、R1は3〜15価の有機残基を示す。R2は置換もしくは未置換の炭化水素基を示す。R3は主鎖にウレタン結合を有する2価の有機残基を示す。mは2〜14の整数、nは1〜13の整数、xは0以上の整数である。)
JP2003387523A 2003-11-18 2003-11-18 印刷物の製造方法 Pending JP2005144923A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003387523A JP2005144923A (ja) 2003-11-18 2003-11-18 印刷物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003387523A JP2005144923A (ja) 2003-11-18 2003-11-18 印刷物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005144923A true JP2005144923A (ja) 2005-06-09

Family

ID=34694852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003387523A Pending JP2005144923A (ja) 2003-11-18 2003-11-18 印刷物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005144923A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510091A (ja) * 2006-11-15 2010-04-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 基材への転写中における硬化を伴うフレキソ印刷
JP2010222580A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Ideon Llc 放射線硬化型液状インキによるグラビア印刷の方法
WO2017056703A1 (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 株式会社シンク・ラボラトリー センタードラム型グラビア印刷装置並びにそれを用いたグラビア印刷方法及び印刷物の製造方法
WO2019130960A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 信越化学工業株式会社 紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物、シリコーンゲル硬化物及びその製造方法並びに圧力センサー

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510091A (ja) * 2006-11-15 2010-04-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 基材への転写中における硬化を伴うフレキソ印刷
US9340053B2 (en) 2006-11-15 2016-05-17 3M Innovative Properties Company Flexographic printing with curing during transfer to substrate
US9579877B2 (en) 2006-11-15 2017-02-28 3M Innovative Properties Company Flexographic printing with curing during transfer to substrate
JP2010222580A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Ideon Llc 放射線硬化型液状インキによるグラビア印刷の方法
WO2017056703A1 (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 株式会社シンク・ラボラトリー センタードラム型グラビア印刷装置並びにそれを用いたグラビア印刷方法及び印刷物の製造方法
JPWO2017056703A1 (ja) * 2015-09-28 2018-07-19 株式会社シンク・ラボラトリー センタードラム型グラビア印刷装置並びにそれを用いたグラビア印刷方法及び印刷物の製造方法
EP3357693A4 (en) * 2015-09-28 2019-03-06 Think Laboratory Co., Ltd. LOW PRESSURE DEVICE WITH CENTRAL DRUM AND LOW PRESSURE METHOD AND METHOD FOR PRODUCING A PRINTED ARTICLE THEREFOR
WO2019130960A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 信越化学工業株式会社 紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物、シリコーンゲル硬化物及びその製造方法並びに圧力センサー
CN111527151A (zh) * 2017-12-28 2020-08-11 信越化学工业株式会社 紫外线固化型有机聚硅氧烷组合物、有机硅凝胶固化物及其制造方法以及压力传感器
JPWO2019130960A1 (ja) * 2017-12-28 2020-12-24 信越化学工業株式会社 紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物、シリコーンゲル硬化物及びその製造方法並びに圧力センサー
US11180598B2 (en) 2017-12-28 2021-11-23 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Ultraviolet curable organopolysiloxane composition, silicone gel cured product and method for producing same, and pressure sensor
CN111527151B (zh) * 2017-12-28 2022-06-24 信越化学工业株式会社 紫外线固化型有机聚硅氧烷组合物、有机硅凝胶固化物及其制造方法以及压力传感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4536067B2 (ja) 重ね塗り印刷用活性エネルギー線硬化型インキ組成物
EP3275905B1 (en) Water dispersion of gel particles, producing method thereof, and image forming method
CN102498142B (zh) 活性能量射线固化型树脂组合物、其固化物及薄膜
EP3211016B1 (en) Active energy ray-curable composition, active energy ray-curable printing ink using same, and print
JP2004518787A (ja) 低粘度で放射線硬化性のポリエステルウレタンオリゴマーを組み込んだインクおよびその他の組成物
US20050065310A1 (en) Urethane (meth)acrylate resin with acrylic backbone and ink compositions containing the same
CN113825809B (zh) 印刷用油墨和使用其的印刷物的制造方法、以及印刷物
JP4993151B2 (ja) 紫外線硬化型ジェットインク組成物
JP2012031388A (ja) 印刷方法、オーバープリントの作製方法、ラミネート加工方法、発光ダイオード硬化性コーティング組成物、及び、発光ダイオード硬化性インク組成物
WO2017135084A1 (ja) 水分散物及びその製造方法、並びに画像形成方法
EP3412729A1 (en) Microcapsules, aqueous dispersion, production method for aqueous dispersion, and image formation method
JP2020023614A (ja) 活性エネルギー線硬化性オフセットインキ、及び印刷物
JP4872157B2 (ja) 紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物およびこれを用いるカラー画像の形成方法
WO2018047438A1 (ja) 水分散物及びその製造方法、並びに画像形成方法
EP3412727A1 (en) Aqueous dispersion, production method for same, and image formation method
JP2005144923A (ja) 印刷物の製造方法
JP5733911B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物およびインクジェットインク用樹脂組成物
JP2004358303A (ja) ラジエーション硬化型水性顔料分散剤とそれを用いた着色剤およびインキ
JP4120373B2 (ja) ウレタンウレア樹脂および該樹脂を含むラジエーション硬化型樹脂組成物
JP2004027154A (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法
TW201602263A (zh) 活性能量線硬化性組成物、使用其之活性能量線硬化性印刷印墨、及印刷物
EP4036123A1 (en) Particles, aqueous dispersion, inkjet ink, film formation method, and image formation method
JPH11209448A (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP4422309B2 (ja) アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物
JP2005089545A (ja) ラジエーション硬化型ウレタンウレア樹脂組成物の製造方法