JP2004027154A - 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光重合開始剤を溶解するための非反応性で揮発性の有機溶剤を含有せず、残留溶剤が人体や環境に悪影響を与えないとともに、硬化性に優れたインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型水性インク組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】水溶性または水分散性のオリゴマーと、光重合開始剤を沸点100℃未満の有機溶剤に溶解して作製した混合物に水を添加し、ついで有機溶剤を留去することにより前記混合物を有機溶剤相から水相に転送し、水性混合物を作製した後、前記水性混合物に着色剤を溶解または分散させる。
【選択図】 なし
【解決手段】水溶性または水分散性のオリゴマーと、光重合開始剤を沸点100℃未満の有機溶剤に溶解して作製した混合物に水を添加し、ついで有機溶剤を留去することにより前記混合物を有機溶剤相から水相に転送し、水性混合物を作製した後、前記水性混合物に着色剤を溶解または分散させる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用水性インク組成物に関し、更に詳しくは、硬化性、付着性、耐摩耗性、耐水性等に優れ、低沸点揮発性有機溶剤を含まず、臭気、皮膚毒性、環境汚染の少ない活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置による印刷は、ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式であり、該ノズルと被記録材が非接触状態にあるため、曲面や凹凸した不規則な形状を有する表面に対して、良好な印刷を行うことができる。
このため、広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。
【0003】
このようなインクジェット記録装置に使用されるインクには、主溶剤として水を用いる水性インクと、主溶剤として有機溶剤を用いる油性インクが一般に用いられている。油性インクに比較し、水性インクを用いた印刷画像は全般に耐水性に劣っているが、油性インクが安全性、臭気等に問題があるのに対し、水性インクは主溶剤が水であるため、安全性に優れている事から、インクジェット記録方式には水性インクが一般に使用されている。
【0004】
一方産業用塗についてはその速乾性、塗膜耐久性のため、紫外線、電子線等の活性エネルギー線硬化型インクジェット用水性インク組成物の開発が行われてきたが、特開2000−336295に記載されているようにインクの乾燥時間を短くする、または、特開2000−186242に記載されるオリゴマー成分や光重合開始剤成分の溶解といった理由から、アルコール類、エーテル類等の低沸点有機溶剤が添加されていた。
【0005】
しかしながら、活性エネルギー線硬化型インク組成物、水性インク組成物の本来の開発意図の一つには、低沸点有機溶剤の有害性を排除することにあることを考慮すると、これらを水性インク組成物中に含有しないことが必要である。たとえエタノールといえども体質の個人差から、人体に悪影響を及ぼすこともあるので含まれないことが望ましい。
更に有機溶剤の添加は、画像品質にも悪影響が現れることが特開2000−186242に示されているように、インクの性能面からも含有されないことが望ましい。
以上の理由から、低沸点で揮発性の高い有機溶剤を添加せずにジェットインク組成物を製造することは極めて重要である。
【0006】
この解決方法として、特開2000−186242、特開2000−186243のように水溶性の光重合開始剤を使用する事が知られている。しかし、入手容易な市販の水溶性光重合開始剤は種類も少なく、非水溶性の光重合開始剤を変性によって水溶性化して使用することはインク製造時のコストが高くなるため有利でない。更に特開2000−186243によれば、良好な水溶性を示す第4級アンモニウム基を有する化合物や第3級アミンの塩としての化合物は、組み合わせるアニオン性着色剤の種類によっては光重合開始剤にインク中における十分な安定性が得られない場合があり、紫外線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物に使用可能な水溶性の光重合開始剤は少数に制限されていた。
【0007】
一方、非水溶性光重合開始剤を光重合性モノマー混合物に加えて撹拌し、溶解させる方法も行われているが、水中に溶解又は分散させた光重合性モノマー中に非水溶性光重合開始剤を添加すると、溶解混合に長時間を必要とする。
【0008】
さらに、水溶性の光重合開始剤を使用した場合及び、非水溶性の光重合開始剤を有機溶剤に溶解させて使用した場合には各光重合開始剤は、水又は有機溶剤と共に印字面である紙や受理層等の吸収面に吸収されて、硬化時に照射されたエネルギーが到達せず、硬化速度が上がらないという問題がある。この問題は非水溶性の光重合開始剤を光重合性モノマー中に溶解した場合においても、光重合性モノマーが有機溶剤や水と同様に吸収面に吸収され易いので発生することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非水溶性光重合開始剤を溶解する溶媒として、非反応性で揮発性の有機溶剤を含有しないインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物の製造方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、硬化性に優れたインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型水性インク組成物の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線硬化性組成物の主成分として水溶性又は水分散性光重合性オリゴマーを用い、該光重合性オリゴマーと光重合開始剤を沸点100℃未満の有機溶剤に溶解し混合物を作製した後、水の添加に次いで有機溶剤を留去することにより、前記混合物を有機溶剤相から水相へと転相することで、光重合開始剤が非水溶性であっても使用できることを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、水溶性又は水分散性の光重合性オリゴマーと着色剤と非水溶性光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法であって、
1.前記光重合性オリゴマーと前記非水溶性光重合開始剤と沸点100℃未満の有機溶剤とを含有する混合物に水を添加し、前記有機溶剤を留去して水性混合物を作製する工程と、
2.前記水性混合物中に着色剤を溶解または分散させる工程
を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法を提供する。
【0012】
本願発明のインク組成物は有機溶剤を留去することにより、非水溶性の光重合開始剤は水中に溶解状態で存在できず、光重合性オリゴマーに近接し、これに吸着して存在していると考えられる。
本発明のインクジェット用水性インク組成物は、光重合開始剤を溶解するための有機溶剤を製造工程中で留去しているため、インク組成物中に実質的に非反応性の有機溶剤を含有しない。このために有機溶剤が残留して人体や環境に悪影響を与えることもない。
また被印刷部材が吸収性を持つ場合にも、光重合開始剤が溶剤とともに被印刷部材中にしみ込んで照射光が被印刷部材に遮断され、硬化が阻害されることがない。
さらに本願発明の製造方法を用いると、多種の非水溶性の光重合開始剤を広く水性インク組成物に対して用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
光重合性オリゴマーと光重合開始剤を溶解する有機溶剤としては、オリゴマー製造時の反応溶媒をそのまま用いることが、水性インク組成物の作製を効率的に行えるため好ましい。
【0014】
光重合性オリゴマーの反応は有機溶媒中にて行われ、反応終了後に水溶性化を行い、水を添加後、加熱や減圧留去等により有機溶媒を系外に除いて得ることが出来る。したがって反応終了後、水の添加前に非水溶性光重合開始剤を添加すると、反応に使用される極性有機溶媒に対して非水溶性光重合開始剤は易溶性であるため、短時間の撹拌混合で容易に溶解することができる。ここに水を加えて有機溶媒を除去するにつれ、非水溶性光重合開始剤は徐々に合成された光重合性オリゴマー周囲に集まり、遂にはオリゴマーに吸着される。このため水溶性の光重合性オリゴマーを用いた場合、得られた水性混合物は濁りが無く透明となる。
ついで該水性混合物中に着色剤を分散させることで、揮発性有機溶剤を含まず、硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インクを製造する事が可能である。また、この時に必要に応じて吐出部の乾燥を防止するための湿潤剤や、表面張力調製剤、その他助剤を加えても良い。
【0015】
また光重合性オリゴマーが活性エネルギー線硬化性不飽和二重結合を有する基を含有するポリウレタン化合物である場合には、塗膜の硬化性、硬化後の塗膜の耐久性がより改良されるため好ましい。
【0016】
また本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法においては、工程中の水性混合物または活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物が、該水性混合物または該水性インク組成物中に含有される光重合開始剤を溶解する光重合性モノマーを実質的に含まないことが好ましい。
このような光重合性モノマーは、光重合開始剤を溶解し、前記の有機溶剤を使用した場合と同様に、光重合性モノマーとともに被印刷部材中にしみ込むため、照射光が届かず、重合開始剤としての機能を有効に発揮することができない。
なおここで実質的に含まないとは、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の硬化に、影響を及ぼす量以上は含まないことを示すものとする。
【0017】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用される水溶性又は水分散性光重合性オリゴマーは、水に溶解可能なまたは、水に分散可能な、または水希釈性を保持した水性樹脂である。該水性樹脂としては、たとえば、分子中の塩の基を中和して、分子同士のイオンの反発を強めることによって水中に分子レベルの微小な粒子の分散を可能にし、または、塩の基を中和した分子を含む粒子同士がイオンの反発によって水に自己分散することによって、水に分散可能な状態となった樹脂を挙げることができる。例としては水性ポリウレタン、水性ポリエーテル、水性ポリエステル、水性エポキシ化合物及び、これら2種以上を組み合わせてなる化合物があり、いずれも利用することが出来る。このうち水性ポリウレタン及び、水性ポリウレタンとの組み合わせよりなる化合物は極性の高いウレタン結合をもっているため、比較的低分子でも水素結合によって高分子同様の分子の絡み合いが起こって優れた被膜性能を得る事ができる。従って、硬化性、耐久性など優れた被膜性能を有するインクを得ることができるため、水性ポリウレタン樹脂を使用する事が好ましい。
【0018】
水性ポリウレタン樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合と塩の基を併せ有し、水に溶解あるいは分散してなる水性ポリウレタン樹脂を代表として挙げることが出来る。その代表的な製造方法として、まず、塩の基を有する化合物類(a)と、2官能以上のポリイソシアネート化合物類(b)と、ポリオール化合物類(c)とをイソシアネート基が過剰になるように配合してイソシアネート基末端ポリウレタンプレ重合体を得る。次いで、このイソシアネート基末端ポリウレタンプレ重合体に、水酸基1〜2個とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物類(d)を反応させて、末端がエチレン性不飽和二重結合またはイソシアネート基である、活性エネルギー線硬化性エチレン性不飽和二重結合と塩の基を有するポリウレタンプレ重合体を得ることができる。次いで、この活性エネルギー線硬化性エチレン性不飽和二重結合と塩の基を有するポリウレタンプレ重合体中塩の基を塩基性の化合物(e)を用いて50℃以下で中和し、イオン化した中和溶液に非水溶性光重合開始剤を添加し撹拌溶解後、水中に分散し、水・有機溶剤混合溶液を調製する。最後に、水・有機溶剤混合溶液から有機溶剤を減圧留去することによって、活性エネルギー線硬化性を有する水性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0019】
前記した、塩の基、すなわち、塩を形成し得る基を有する化合物類(a)としては、たとえば、リン酸エステル基、スルホン酸基、N,N−ジ置換アミノ基、カルボキシル基、あるいは、中和されたリン酸エステル基、中和されたスルホン酸基、中和されたN,N−ジ置換アミノ基、中和されたカルボキシル基等の何れかを有するジオール類、およびジアミン類が適する。具体的例としては、トリメチロールプロパンモノリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノ硫酸エステル、二塩基酸成分の少なくとも一部がナトリウムスルホ琥珀酸、あるいはナトリウムスルホイソフタル酸であるポリエステルジオール、N−メチルジエタノールアミン、ジアミノカルボン酸類、たとえば、リシン、シスチンおよび3,5−ジアミノカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸ならびに3,5ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等のジヒドロキシアルキルアルカン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド、あるいは、ジヒドロキシアルキルアルカン酸にε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたカルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。また、相溶性向上のため、オキシエチレンの繰り返し単位が3以上の親水性分子鎖を有するポリエチレングリコールを塩の基を有する化合物と併用することができる。
【0020】
塩の基の必要量は、配合成分の種類と組成比に応じて適宜決定することができる。前記した例の中でも塩の基を有するものとして特に好ましいものは、分子中にカルボキシル基、 スルホン酸塩基から選ばれる何れか一種あるいは二種を併せ有するか、またはこれらを有するものの混合物である。とりわけカルボキシル基を導入するのが種々の点でバランスが取り易く好ましい。水性ポリウレタン樹脂の酸価は、20〜100KOHmg/gの範囲が好ましく、25〜60KOHmg/gの範囲がより好ましい。
【0021】
前記した、2官能以上のポリイソシアネート化合物類(b)としては、たとえば、1,6ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、前記脂肪族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂肪族イソシアネートのアダクト体等の脂肪族ポリイソシアネート、あるいはイソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、前記脂環族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂環族イソシアネートのアダクト体等の脂環族ポリイソシアネート、あるいはキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香脂肪族イソシアネートのアダクト体等の芳香脂環族ポリイソシアネート、あるいは4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、前記芳香族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香族イソシアネートのアダクト体等の芳香族ポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の3官能以上のポリイソシアネート、あるいはコスモネートLL(三井化学(株)製:カルボジイミド化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物)、あるいは、カルボジライトV−05(日清紡(株)製:ポリカルボジイミド基を有する末端脂肪族ポリイソシアネート化合物)等のカルボジイミド基を有するポリイソシアネート化合物類等が挙げられ、上記した二種類以上のポリイソシアネート化合物を混合して用いることができる。
【0022】
前記した、ポリオール化合物類(c)としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ひまし油変性ジオール、ひまし油変性ポリオール等を挙げることができる。
【0023】
さらに、高分子ポリオールとしてはポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等を好ましい高分子ポリオール類として挙げることができる。分子量については特に好ましい範囲として数平均分子量500〜2000の範囲のものが挙げられる。
【0024】
ポリエステルポリオールとしては、前記したポリオール類の他、エチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル類、あるいは、アルキルグリシジルエステル(製品名カージュラE10:シェルジャパン製)等から選ばれる1種以上のモノエポキシ化合物と、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基酸、または無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸またはその無水物、または無水ヒドロフタル酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸またはその無水物等から選ばれる1種以上の多塩基酸あるいは酸無水物{以下、多塩基酸(f)}との付加反応よって得られるポリオールが、さらに上記多塩基酸(f)と縮合反応することによって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。これらの他にも、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンの開環重合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0025】
前記ポリカーボネートポリオール類の例としては、1,6−ヘキサンジオールを原料とするヘキサメチレン系ポリカーボネートポリオール、1,4−ブチレングリコールからなるポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコールからなるポリカーボネートジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるポリカーボネートジオール、1,9−ノナンジオールからなるポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0026】
さらに、前記ポリエーテルポリオールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールが挙げられる。
【0027】
前記した、水酸基1〜2個とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物類(d)としては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレートあるいは、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ライトエステルG−201P(共栄社化学製)の如きモノヒドロキシアクリルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のモノヒドロキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のモノヒドロキシペンタアクリレート類や、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等のジヒドロキシモノ(メタ)アクリレート、およびこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランあるいはεカプロラクトンを付加重合した化合物等が挙げられる。
【0028】
さらには、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートと、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン等のジアルカノールアミンあるいは、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン等のモノアルキルモノアルカノールアミンとをマイケル付加反応した生成物が挙げられる。また、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の反応性の異なる二つのイソシアネート基を持つジイソシアネート類と、モノヒドロキシモノアクリレート、モノヒドロキシジ(メタ)アクリレート等との反応によって得られるハーフウレタンが挙げられる。あるいはメタクリルイソシアネートと、上記ジアルカノールアミン類あるいは、上記モノアルキルモノアルカノールアミン類とを反応させて得られる生成物も挙げることができる。
【0029】
前記した、塩の基を中和する塩基性の化合物(e)としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリアルキルアミン類、ジメチルモノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールモノメチルアミン等のアルキルアルカノールアミン類、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の塩基性ビニル単量体を挙げることができる。
【0030】
水性ポリウレタン樹脂を製造する際には、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、たとえば、ジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸第一錫、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n−ブトキシ)チタン等を用いる。
【0031】
エチレン性不飽和二重結合を有する基を導入する反応、あるいはエチレン性不飽和二重結合を有する基を導入後のその他の反応時においても、ハイドロキノン、tert.−ブチルハイドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤を用いることが望ましい。
【0032】
沸点100℃未満の有機溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、n−プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルメチルエーテル、tert.−ブチルメチルエーテル、n−ブチルエチルエーテル、tert.−ブチルエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独あるいは混合して用いることができる。これらのうち上記光重合性オリゴマーの合成反応に反応溶媒として使用可能な有機溶剤は、反応溶媒として使用した後そのまま本発明の製造方法に使用できるので好ましい。
【0033】
通常水性樹脂合成は、無溶剤又は沸点100℃未満の有機溶剤を用いて行うことができ、無溶剤で反応させた場合は、反応終了後に有機溶剤、光重合開始剤を加えて溶解し、水相に転相することで本発明の製造方法を行うことが可能である。
【0034】
前記非水溶性光重合開始剤としては、本発明で使用する有機溶剤に可溶で、インク中で安定に存在し、紫外線により発生したラジカルが、活性エネルギー線硬化性水性オリゴマー中の不飽和二重結合と効率的に反応するものであれば全て使用できる。具体的には、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きヒドロキシケトン系化合物、ベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンの如きα−アミノアルキルフェノン系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドの如きビスアシルフォスフィンオキサイド系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドの如きアシルフォスフィンオキサイド系化合物、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物、エチルアントラキノンの如きアントラキノン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上併用する事もできる。これらの光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー硬化性成分に対して、0.1〜20質量%とすることが通常である。また、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の光開始助剤も使用する事ができる。
【0035】
本発明に使用される着色剤としては、インクジェット記録用インクに一般的に用いられている染料、顔料を用いる事ができる。染料としては、例えば直接染料としてのアゾ染料、フタロシアニン染料、酸性染料としてのアゾ染料、アントラキノン染料等が挙げられる。
また、印刷画像に優れた耐水性、耐光性を与えるためには、顔料を用いる事が好ましく、従来公知な有機顔料、無機顔料を全て用いる事ができる。具体的には、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料等の有機顔料、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの着色材は単独または複数を組合せて使用する事ができる。着色材のインク組成物中の含有量は、良好な被膜強度と着色性を得るため、0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
【0036】
水としては、染料の溶解安定性、重金属イオンによるノズル目詰まりを防止するために、イオン交換水以上の純度のものを用いることが望ましい。インク組成物中の使用量は、40〜90質量%の範囲とすることが一般的である。
【0037】
本発明の製造方法には助剤として、アルカリ金属の水酸化物や、アルカノールアミンのようなpH調整剤、防菌、防黴剤、金属封鎖剤、顔料分散剤、水溶性樹脂等を使用してもよい。
【0038】
さらにまた本発明の製造方法には光重合性モノマーを使用することもできる。ただし上記したように、より良好な被記録材上の印刷塗膜の硬化性を実現するためには、光重合開始剤を溶解する光重合性モノマーは使用しないことが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はかかる実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例中、部は質量部を表す。
【0040】
(実施例)
還流冷却管、および窒素導入管、温度計を備えた攪拌機付き反応器に、プラクセルL205AL(分子量500、ダイセル化学工業(株)製ラクトンポリエステルジオール)36.0部、ジメチロールプロピオン酸20.5部、トリメチロールプロパン4.54部、ブチルエチルプロパンジオール10.2部、ポリエチレングリコールPEG#600を2.54部、ノルボルナンジイソシアナートメチル(三井東圧化学(株)製)96.1部、メチルエチルケトン261.7部、を入れて攪拌しながら70℃まで0.5時間で昇温し、70〜75℃で5時間反応後、窒素導入管を空気導入管に切り替えて、メトキノン0.18部、ビスコート#214HP(大阪有機化学(株)製)44.3部、オクチル酸第一錫0.11部を加え、再び70〜75℃で6時間反応させて、ポリエステルウレタン樹脂骨格の溶液を得た。50℃に冷却して、この溶液にトリエチルアミン15.4部を加え30分間撹拌した後、光重合開始剤としてイルガキュア1800(チバ・スペシャルティ製)10.7部を加えて更に10分間撹拌溶解した。ここに純水508.6部を除々に加え、35〜40℃に30分間保ち、サーフィノールAK02(日信化学工業(株)製)0.45部、を加えて50℃にて減圧蒸留し、メチルエチルケトンを除去して不揮発分:29.8質量%、ガードナー粘度:R−S、外観淡黄色透明の活性エネルギー線硬化性水性ウレタン化合物を有する組成物を調製した。
【0041】
このウレタン化合物の特性は以下の通りであった。
アクリロイル基濃度:0.911当量/kg
メタクリロイル基濃度:0.911当量/kg
アクリロイル基/メタクリロイル基当量比:100/100
固形分酸価:40KOHmg/g
この活性エネルギー線硬化性水性ポリウレタン組成物40部にオリエント化学製「BONJET BLACK CW−1」(カーボンブラックの水分散液)20部、精製グリセリン7.5部、界面活性剤としてTSF4452を0.2部、精製水32.5部を攪拌混合し、1.2μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、紫外線硬化性水性ジェットインクを得た。
【0042】
得られたインクを、洗浄、乾燥したエプソンプリンターPM−670Cカートリッジに充填し、同プリンターにより、ジェットプリンター用専用紙(花王製)、PETフィルムに印刷を行った結果、吐出安定性は良好であり、鮮明な印刷画像が得られた。得られた印刷物を空気雰囲気中で120w/cm2のメタルハライドランプ(ウシオ電機製)を用いて紫外線照射を行い、0.5J/cm2のエネルギーで硬化させ、以下に示す付着性、耐摩耗性、耐水性試験を行った。
【0043】
「付着性試験」
PETフィルムへの印刷物に対し、粘着テープ(ニチバン(株)製セロファン粘着テープ)による引き剥がし試験での印刷画像の剥離の有無を目視により評価した。
【0044】
「耐摩耗性試験」
ジェットプリンター用専用紙、PETフィルムに対し、ラビングテスターを用い、荷重0.5kg/cm2でフェルトにより印刷部分を100回こすり印刷画像の剥離の有無を目視により評価した。
【0045】
「耐水性」
ジェットプリンター用専用紙、PETフィルムに対し、印刷物を水道水に24時間浸せきし、印刷画像剥離の有無、印刷画像濃度の低下を目視により評価した。
【0046】
上記試験を実施した結果、ジェットプリンター用専用紙に対する耐摩耗性、耐水性は良好であり、PETフィルムに対する付着性、耐摩耗性、耐水性も良好であった。
【0047】
(比較例)
実施例で合成した水性ウレタン化合物と同様の合成を行い、光重合開始剤の添加をせずに、不揮発分:29.6質量%、ガードナー粘度:Q−R、外観透明の活性エネルギー線硬化性水性ウレタン化合物を有する組成物を調製した。このウレタン化合物の特性は以下の通りであった。
アクリロイル基濃度:0.911当量/kg
メタクリロイル基濃度:0.911当量/kg
アクリロイル基/メタクリロイル基当量比:100/100
固形分酸価:40KOHmg/g
【0048】
この活性エネルギー線硬化性水性ポリウレタン組成物40部に液状且つ水溶性の光重合開始剤であるダロキュア1173(チバ・スペシャルティ製)0.6部、オリエント化学製「BONJET BLACK CW−1」(カーボンブラックの水分散液)20部、精製グリセリン7.5部、界面活性剤としてTSF4452を0.2部、精製水32.5部を攪拌混合し、1.2μmのメンブランフィルターでろ過を行い、紫外線硬化性水性ジェットインクを得た。
【0049】
得られたインクを実施例と同様な方法でエプソンプリンターPM−670Cカートリッジに充填し、同プリンターにより、ジェットプリンター専用紙(花王製)、PETフィルムに印刷を行った結果、吐出安定性は良好であり、鮮明な印刷画像が得られた。
しかし、印刷物を実施例と同様な方法で紫外線照射したが、3J/cm2のエネルギーでもインクは硬化しなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法によれば、光重合性オリゴマーに非水溶性光重合開始剤が吸着されると考えられ、光重合開始剤が溶剤等に溶解して被記録材に浸透することが少なく、被記録材表面に残りやすい。このため活性エネルギー線照射時の硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物製造することができ、被記録材上に形成した印刷被膜の硬化性、付着性、耐水性、耐摩耗性が優れている。 さらに前記インク組成物の製造方法は、有機溶剤を留去する工程を含むので、実質的に有機溶剤を含有しない活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物を製造することができ、臭気、皮膚刺激性が少なく、また環境への影響が少ない。さらにまた本発明の製造方法を用いることにより、多種にわたる非水溶性の光重合開始剤を活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の重合開始剤として使用することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用水性インク組成物に関し、更に詳しくは、硬化性、付着性、耐摩耗性、耐水性等に優れ、低沸点揮発性有機溶剤を含まず、臭気、皮膚毒性、環境汚染の少ない活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置による印刷は、ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式であり、該ノズルと被記録材が非接触状態にあるため、曲面や凹凸した不規則な形状を有する表面に対して、良好な印刷を行うことができる。
このため、広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。
【0003】
このようなインクジェット記録装置に使用されるインクには、主溶剤として水を用いる水性インクと、主溶剤として有機溶剤を用いる油性インクが一般に用いられている。油性インクに比較し、水性インクを用いた印刷画像は全般に耐水性に劣っているが、油性インクが安全性、臭気等に問題があるのに対し、水性インクは主溶剤が水であるため、安全性に優れている事から、インクジェット記録方式には水性インクが一般に使用されている。
【0004】
一方産業用塗についてはその速乾性、塗膜耐久性のため、紫外線、電子線等の活性エネルギー線硬化型インクジェット用水性インク組成物の開発が行われてきたが、特開2000−336295に記載されているようにインクの乾燥時間を短くする、または、特開2000−186242に記載されるオリゴマー成分や光重合開始剤成分の溶解といった理由から、アルコール類、エーテル類等の低沸点有機溶剤が添加されていた。
【0005】
しかしながら、活性エネルギー線硬化型インク組成物、水性インク組成物の本来の開発意図の一つには、低沸点有機溶剤の有害性を排除することにあることを考慮すると、これらを水性インク組成物中に含有しないことが必要である。たとえエタノールといえども体質の個人差から、人体に悪影響を及ぼすこともあるので含まれないことが望ましい。
更に有機溶剤の添加は、画像品質にも悪影響が現れることが特開2000−186242に示されているように、インクの性能面からも含有されないことが望ましい。
以上の理由から、低沸点で揮発性の高い有機溶剤を添加せずにジェットインク組成物を製造することは極めて重要である。
【0006】
この解決方法として、特開2000−186242、特開2000−186243のように水溶性の光重合開始剤を使用する事が知られている。しかし、入手容易な市販の水溶性光重合開始剤は種類も少なく、非水溶性の光重合開始剤を変性によって水溶性化して使用することはインク製造時のコストが高くなるため有利でない。更に特開2000−186243によれば、良好な水溶性を示す第4級アンモニウム基を有する化合物や第3級アミンの塩としての化合物は、組み合わせるアニオン性着色剤の種類によっては光重合開始剤にインク中における十分な安定性が得られない場合があり、紫外線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物に使用可能な水溶性の光重合開始剤は少数に制限されていた。
【0007】
一方、非水溶性光重合開始剤を光重合性モノマー混合物に加えて撹拌し、溶解させる方法も行われているが、水中に溶解又は分散させた光重合性モノマー中に非水溶性光重合開始剤を添加すると、溶解混合に長時間を必要とする。
【0008】
さらに、水溶性の光重合開始剤を使用した場合及び、非水溶性の光重合開始剤を有機溶剤に溶解させて使用した場合には各光重合開始剤は、水又は有機溶剤と共に印字面である紙や受理層等の吸収面に吸収されて、硬化時に照射されたエネルギーが到達せず、硬化速度が上がらないという問題がある。この問題は非水溶性の光重合開始剤を光重合性モノマー中に溶解した場合においても、光重合性モノマーが有機溶剤や水と同様に吸収面に吸収され易いので発生することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非水溶性光重合開始剤を溶解する溶媒として、非反応性で揮発性の有機溶剤を含有しないインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型インク組成物の製造方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、硬化性に優れたインクジェット記録用活性エネルギー線硬化型水性インク組成物の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線硬化性組成物の主成分として水溶性又は水分散性光重合性オリゴマーを用い、該光重合性オリゴマーと光重合開始剤を沸点100℃未満の有機溶剤に溶解し混合物を作製した後、水の添加に次いで有機溶剤を留去することにより、前記混合物を有機溶剤相から水相へと転相することで、光重合開始剤が非水溶性であっても使用できることを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、水溶性又は水分散性の光重合性オリゴマーと着色剤と非水溶性光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法であって、
1.前記光重合性オリゴマーと前記非水溶性光重合開始剤と沸点100℃未満の有機溶剤とを含有する混合物に水を添加し、前記有機溶剤を留去して水性混合物を作製する工程と、
2.前記水性混合物中に着色剤を溶解または分散させる工程
を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法を提供する。
【0012】
本願発明のインク組成物は有機溶剤を留去することにより、非水溶性の光重合開始剤は水中に溶解状態で存在できず、光重合性オリゴマーに近接し、これに吸着して存在していると考えられる。
本発明のインクジェット用水性インク組成物は、光重合開始剤を溶解するための有機溶剤を製造工程中で留去しているため、インク組成物中に実質的に非反応性の有機溶剤を含有しない。このために有機溶剤が残留して人体や環境に悪影響を与えることもない。
また被印刷部材が吸収性を持つ場合にも、光重合開始剤が溶剤とともに被印刷部材中にしみ込んで照射光が被印刷部材に遮断され、硬化が阻害されることがない。
さらに本願発明の製造方法を用いると、多種の非水溶性の光重合開始剤を広く水性インク組成物に対して用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
光重合性オリゴマーと光重合開始剤を溶解する有機溶剤としては、オリゴマー製造時の反応溶媒をそのまま用いることが、水性インク組成物の作製を効率的に行えるため好ましい。
【0014】
光重合性オリゴマーの反応は有機溶媒中にて行われ、反応終了後に水溶性化を行い、水を添加後、加熱や減圧留去等により有機溶媒を系外に除いて得ることが出来る。したがって反応終了後、水の添加前に非水溶性光重合開始剤を添加すると、反応に使用される極性有機溶媒に対して非水溶性光重合開始剤は易溶性であるため、短時間の撹拌混合で容易に溶解することができる。ここに水を加えて有機溶媒を除去するにつれ、非水溶性光重合開始剤は徐々に合成された光重合性オリゴマー周囲に集まり、遂にはオリゴマーに吸着される。このため水溶性の光重合性オリゴマーを用いた場合、得られた水性混合物は濁りが無く透明となる。
ついで該水性混合物中に着色剤を分散させることで、揮発性有機溶剤を含まず、硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インクを製造する事が可能である。また、この時に必要に応じて吐出部の乾燥を防止するための湿潤剤や、表面張力調製剤、その他助剤を加えても良い。
【0015】
また光重合性オリゴマーが活性エネルギー線硬化性不飽和二重結合を有する基を含有するポリウレタン化合物である場合には、塗膜の硬化性、硬化後の塗膜の耐久性がより改良されるため好ましい。
【0016】
また本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法においては、工程中の水性混合物または活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物が、該水性混合物または該水性インク組成物中に含有される光重合開始剤を溶解する光重合性モノマーを実質的に含まないことが好ましい。
このような光重合性モノマーは、光重合開始剤を溶解し、前記の有機溶剤を使用した場合と同様に、光重合性モノマーとともに被印刷部材中にしみ込むため、照射光が届かず、重合開始剤としての機能を有効に発揮することができない。
なおここで実質的に含まないとは、活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の硬化に、影響を及ぼす量以上は含まないことを示すものとする。
【0017】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用される水溶性又は水分散性光重合性オリゴマーは、水に溶解可能なまたは、水に分散可能な、または水希釈性を保持した水性樹脂である。該水性樹脂としては、たとえば、分子中の塩の基を中和して、分子同士のイオンの反発を強めることによって水中に分子レベルの微小な粒子の分散を可能にし、または、塩の基を中和した分子を含む粒子同士がイオンの反発によって水に自己分散することによって、水に分散可能な状態となった樹脂を挙げることができる。例としては水性ポリウレタン、水性ポリエーテル、水性ポリエステル、水性エポキシ化合物及び、これら2種以上を組み合わせてなる化合物があり、いずれも利用することが出来る。このうち水性ポリウレタン及び、水性ポリウレタンとの組み合わせよりなる化合物は極性の高いウレタン結合をもっているため、比較的低分子でも水素結合によって高分子同様の分子の絡み合いが起こって優れた被膜性能を得る事ができる。従って、硬化性、耐久性など優れた被膜性能を有するインクを得ることができるため、水性ポリウレタン樹脂を使用する事が好ましい。
【0018】
水性ポリウレタン樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合と塩の基を併せ有し、水に溶解あるいは分散してなる水性ポリウレタン樹脂を代表として挙げることが出来る。その代表的な製造方法として、まず、塩の基を有する化合物類(a)と、2官能以上のポリイソシアネート化合物類(b)と、ポリオール化合物類(c)とをイソシアネート基が過剰になるように配合してイソシアネート基末端ポリウレタンプレ重合体を得る。次いで、このイソシアネート基末端ポリウレタンプレ重合体に、水酸基1〜2個とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する活性エネルギー線硬化性化合物類(d)を反応させて、末端がエチレン性不飽和二重結合またはイソシアネート基である、活性エネルギー線硬化性エチレン性不飽和二重結合と塩の基を有するポリウレタンプレ重合体を得ることができる。次いで、この活性エネルギー線硬化性エチレン性不飽和二重結合と塩の基を有するポリウレタンプレ重合体中塩の基を塩基性の化合物(e)を用いて50℃以下で中和し、イオン化した中和溶液に非水溶性光重合開始剤を添加し撹拌溶解後、水中に分散し、水・有機溶剤混合溶液を調製する。最後に、水・有機溶剤混合溶液から有機溶剤を減圧留去することによって、活性エネルギー線硬化性を有する水性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0019】
前記した、塩の基、すなわち、塩を形成し得る基を有する化合物類(a)としては、たとえば、リン酸エステル基、スルホン酸基、N,N−ジ置換アミノ基、カルボキシル基、あるいは、中和されたリン酸エステル基、中和されたスルホン酸基、中和されたN,N−ジ置換アミノ基、中和されたカルボキシル基等の何れかを有するジオール類、およびジアミン類が適する。具体的例としては、トリメチロールプロパンモノリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノ硫酸エステル、二塩基酸成分の少なくとも一部がナトリウムスルホ琥珀酸、あるいはナトリウムスルホイソフタル酸であるポリエステルジオール、N−メチルジエタノールアミン、ジアミノカルボン酸類、たとえば、リシン、シスチンおよび3,5−ジアミノカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸ならびに3,5ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等のジヒドロキシアルキルアルカン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド、あるいは、ジヒドロキシアルキルアルカン酸にε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたカルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。また、相溶性向上のため、オキシエチレンの繰り返し単位が3以上の親水性分子鎖を有するポリエチレングリコールを塩の基を有する化合物と併用することができる。
【0020】
塩の基の必要量は、配合成分の種類と組成比に応じて適宜決定することができる。前記した例の中でも塩の基を有するものとして特に好ましいものは、分子中にカルボキシル基、 スルホン酸塩基から選ばれる何れか一種あるいは二種を併せ有するか、またはこれらを有するものの混合物である。とりわけカルボキシル基を導入するのが種々の点でバランスが取り易く好ましい。水性ポリウレタン樹脂の酸価は、20〜100KOHmg/gの範囲が好ましく、25〜60KOHmg/gの範囲がより好ましい。
【0021】
前記した、2官能以上のポリイソシアネート化合物類(b)としては、たとえば、1,6ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、前記脂肪族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂肪族イソシアネートのアダクト体等の脂肪族ポリイソシアネート、あるいはイソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、前記脂環族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂環族イソシアネートのアダクト体等の脂環族ポリイソシアネート、あるいはキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香脂肪族イソシアネートのアダクト体等の芳香脂環族ポリイソシアネート、あるいは4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、前記芳香族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香族イソシアネートのアダクト体等の芳香族ポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の3官能以上のポリイソシアネート、あるいはコスモネートLL(三井化学(株)製:カルボジイミド化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物)、あるいは、カルボジライトV−05(日清紡(株)製:ポリカルボジイミド基を有する末端脂肪族ポリイソシアネート化合物)等のカルボジイミド基を有するポリイソシアネート化合物類等が挙げられ、上記した二種類以上のポリイソシアネート化合物を混合して用いることができる。
【0022】
前記した、ポリオール化合物類(c)としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ひまし油変性ジオール、ひまし油変性ポリオール等を挙げることができる。
【0023】
さらに、高分子ポリオールとしてはポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等を好ましい高分子ポリオール類として挙げることができる。分子量については特に好ましい範囲として数平均分子量500〜2000の範囲のものが挙げられる。
【0024】
ポリエステルポリオールとしては、前記したポリオール類の他、エチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル類、あるいは、アルキルグリシジルエステル(製品名カージュラE10:シェルジャパン製)等から選ばれる1種以上のモノエポキシ化合物と、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基酸、または無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸またはその無水物、または無水ヒドロフタル酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸またはその無水物等から選ばれる1種以上の多塩基酸あるいは酸無水物{以下、多塩基酸(f)}との付加反応よって得られるポリオールが、さらに上記多塩基酸(f)と縮合反応することによって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。これらの他にも、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンの開環重合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0025】
前記ポリカーボネートポリオール類の例としては、1,6−ヘキサンジオールを原料とするヘキサメチレン系ポリカーボネートポリオール、1,4−ブチレングリコールからなるポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコールからなるポリカーボネートジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるポリカーボネートジオール、1,9−ノナンジオールからなるポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0026】
さらに、前記ポリエーテルポリオールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールが挙げられる。
【0027】
前記した、水酸基1〜2個とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物類(d)としては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレートあるいは、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ライトエステルG−201P(共栄社化学製)の如きモノヒドロキシアクリルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のモノヒドロキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のモノヒドロキシペンタアクリレート類や、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等のジヒドロキシモノ(メタ)アクリレート、およびこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランあるいはεカプロラクトンを付加重合した化合物等が挙げられる。
【0028】
さらには、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートと、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン等のジアルカノールアミンあるいは、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン等のモノアルキルモノアルカノールアミンとをマイケル付加反応した生成物が挙げられる。また、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の反応性の異なる二つのイソシアネート基を持つジイソシアネート類と、モノヒドロキシモノアクリレート、モノヒドロキシジ(メタ)アクリレート等との反応によって得られるハーフウレタンが挙げられる。あるいはメタクリルイソシアネートと、上記ジアルカノールアミン類あるいは、上記モノアルキルモノアルカノールアミン類とを反応させて得られる生成物も挙げることができる。
【0029】
前記した、塩の基を中和する塩基性の化合物(e)としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリアルキルアミン類、ジメチルモノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールモノメチルアミン等のアルキルアルカノールアミン類、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の塩基性ビニル単量体を挙げることができる。
【0030】
水性ポリウレタン樹脂を製造する際には、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、たとえば、ジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸第一錫、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n−ブトキシ)チタン等を用いる。
【0031】
エチレン性不飽和二重結合を有する基を導入する反応、あるいはエチレン性不飽和二重結合を有する基を導入後のその他の反応時においても、ハイドロキノン、tert.−ブチルハイドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤を用いることが望ましい。
【0032】
沸点100℃未満の有機溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、n−プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルメチルエーテル、tert.−ブチルメチルエーテル、n−ブチルエチルエーテル、tert.−ブチルエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独あるいは混合して用いることができる。これらのうち上記光重合性オリゴマーの合成反応に反応溶媒として使用可能な有機溶剤は、反応溶媒として使用した後そのまま本発明の製造方法に使用できるので好ましい。
【0033】
通常水性樹脂合成は、無溶剤又は沸点100℃未満の有機溶剤を用いて行うことができ、無溶剤で反応させた場合は、反応終了後に有機溶剤、光重合開始剤を加えて溶解し、水相に転相することで本発明の製造方法を行うことが可能である。
【0034】
前記非水溶性光重合開始剤としては、本発明で使用する有機溶剤に可溶で、インク中で安定に存在し、紫外線により発生したラジカルが、活性エネルギー線硬化性水性オリゴマー中の不飽和二重結合と効率的に反応するものであれば全て使用できる。具体的には、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン系化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きヒドロキシケトン系化合物、ベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンの如きα−アミノアルキルフェノン系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドの如きビスアシルフォスフィンオキサイド系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドの如きアシルフォスフィンオキサイド系化合物、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンの如きチオキサントン系化合物、エチルアントラキノンの如きアントラキノン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上併用する事もできる。これらの光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー硬化性成分に対して、0.1〜20質量%とすることが通常である。また、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の光開始助剤も使用する事ができる。
【0035】
本発明に使用される着色剤としては、インクジェット記録用インクに一般的に用いられている染料、顔料を用いる事ができる。染料としては、例えば直接染料としてのアゾ染料、フタロシアニン染料、酸性染料としてのアゾ染料、アントラキノン染料等が挙げられる。
また、印刷画像に優れた耐水性、耐光性を与えるためには、顔料を用いる事が好ましく、従来公知な有機顔料、無機顔料を全て用いる事ができる。具体的には、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料等の有機顔料、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの着色材は単独または複数を組合せて使用する事ができる。着色材のインク組成物中の含有量は、良好な被膜強度と着色性を得るため、0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
【0036】
水としては、染料の溶解安定性、重金属イオンによるノズル目詰まりを防止するために、イオン交換水以上の純度のものを用いることが望ましい。インク組成物中の使用量は、40〜90質量%の範囲とすることが一般的である。
【0037】
本発明の製造方法には助剤として、アルカリ金属の水酸化物や、アルカノールアミンのようなpH調整剤、防菌、防黴剤、金属封鎖剤、顔料分散剤、水溶性樹脂等を使用してもよい。
【0038】
さらにまた本発明の製造方法には光重合性モノマーを使用することもできる。ただし上記したように、より良好な被記録材上の印刷塗膜の硬化性を実現するためには、光重合開始剤を溶解する光重合性モノマーは使用しないことが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はかかる実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例中、部は質量部を表す。
【0040】
(実施例)
還流冷却管、および窒素導入管、温度計を備えた攪拌機付き反応器に、プラクセルL205AL(分子量500、ダイセル化学工業(株)製ラクトンポリエステルジオール)36.0部、ジメチロールプロピオン酸20.5部、トリメチロールプロパン4.54部、ブチルエチルプロパンジオール10.2部、ポリエチレングリコールPEG#600を2.54部、ノルボルナンジイソシアナートメチル(三井東圧化学(株)製)96.1部、メチルエチルケトン261.7部、を入れて攪拌しながら70℃まで0.5時間で昇温し、70〜75℃で5時間反応後、窒素導入管を空気導入管に切り替えて、メトキノン0.18部、ビスコート#214HP(大阪有機化学(株)製)44.3部、オクチル酸第一錫0.11部を加え、再び70〜75℃で6時間反応させて、ポリエステルウレタン樹脂骨格の溶液を得た。50℃に冷却して、この溶液にトリエチルアミン15.4部を加え30分間撹拌した後、光重合開始剤としてイルガキュア1800(チバ・スペシャルティ製)10.7部を加えて更に10分間撹拌溶解した。ここに純水508.6部を除々に加え、35〜40℃に30分間保ち、サーフィノールAK02(日信化学工業(株)製)0.45部、を加えて50℃にて減圧蒸留し、メチルエチルケトンを除去して不揮発分:29.8質量%、ガードナー粘度:R−S、外観淡黄色透明の活性エネルギー線硬化性水性ウレタン化合物を有する組成物を調製した。
【0041】
このウレタン化合物の特性は以下の通りであった。
アクリロイル基濃度:0.911当量/kg
メタクリロイル基濃度:0.911当量/kg
アクリロイル基/メタクリロイル基当量比:100/100
固形分酸価:40KOHmg/g
この活性エネルギー線硬化性水性ポリウレタン組成物40部にオリエント化学製「BONJET BLACK CW−1」(カーボンブラックの水分散液)20部、精製グリセリン7.5部、界面活性剤としてTSF4452を0.2部、精製水32.5部を攪拌混合し、1.2μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、紫外線硬化性水性ジェットインクを得た。
【0042】
得られたインクを、洗浄、乾燥したエプソンプリンターPM−670Cカートリッジに充填し、同プリンターにより、ジェットプリンター用専用紙(花王製)、PETフィルムに印刷を行った結果、吐出安定性は良好であり、鮮明な印刷画像が得られた。得られた印刷物を空気雰囲気中で120w/cm2のメタルハライドランプ(ウシオ電機製)を用いて紫外線照射を行い、0.5J/cm2のエネルギーで硬化させ、以下に示す付着性、耐摩耗性、耐水性試験を行った。
【0043】
「付着性試験」
PETフィルムへの印刷物に対し、粘着テープ(ニチバン(株)製セロファン粘着テープ)による引き剥がし試験での印刷画像の剥離の有無を目視により評価した。
【0044】
「耐摩耗性試験」
ジェットプリンター用専用紙、PETフィルムに対し、ラビングテスターを用い、荷重0.5kg/cm2でフェルトにより印刷部分を100回こすり印刷画像の剥離の有無を目視により評価した。
【0045】
「耐水性」
ジェットプリンター用専用紙、PETフィルムに対し、印刷物を水道水に24時間浸せきし、印刷画像剥離の有無、印刷画像濃度の低下を目視により評価した。
【0046】
上記試験を実施した結果、ジェットプリンター用専用紙に対する耐摩耗性、耐水性は良好であり、PETフィルムに対する付着性、耐摩耗性、耐水性も良好であった。
【0047】
(比較例)
実施例で合成した水性ウレタン化合物と同様の合成を行い、光重合開始剤の添加をせずに、不揮発分:29.6質量%、ガードナー粘度:Q−R、外観透明の活性エネルギー線硬化性水性ウレタン化合物を有する組成物を調製した。このウレタン化合物の特性は以下の通りであった。
アクリロイル基濃度:0.911当量/kg
メタクリロイル基濃度:0.911当量/kg
アクリロイル基/メタクリロイル基当量比:100/100
固形分酸価:40KOHmg/g
【0048】
この活性エネルギー線硬化性水性ポリウレタン組成物40部に液状且つ水溶性の光重合開始剤であるダロキュア1173(チバ・スペシャルティ製)0.6部、オリエント化学製「BONJET BLACK CW−1」(カーボンブラックの水分散液)20部、精製グリセリン7.5部、界面活性剤としてTSF4452を0.2部、精製水32.5部を攪拌混合し、1.2μmのメンブランフィルターでろ過を行い、紫外線硬化性水性ジェットインクを得た。
【0049】
得られたインクを実施例と同様な方法でエプソンプリンターPM−670Cカートリッジに充填し、同プリンターにより、ジェットプリンター専用紙(花王製)、PETフィルムに印刷を行った結果、吐出安定性は良好であり、鮮明な印刷画像が得られた。
しかし、印刷物を実施例と同様な方法で紫外線照射したが、3J/cm2のエネルギーでもインクは硬化しなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法によれば、光重合性オリゴマーに非水溶性光重合開始剤が吸着されると考えられ、光重合開始剤が溶剤等に溶解して被記録材に浸透することが少なく、被記録材表面に残りやすい。このため活性エネルギー線照射時の硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物製造することができ、被記録材上に形成した印刷被膜の硬化性、付着性、耐水性、耐摩耗性が優れている。 さらに前記インク組成物の製造方法は、有機溶剤を留去する工程を含むので、実質的に有機溶剤を含有しない活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物を製造することができ、臭気、皮膚刺激性が少なく、また環境への影響が少ない。さらにまた本発明の製造方法を用いることにより、多種にわたる非水溶性の光重合開始剤を活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の重合開始剤として使用することが可能となる。
Claims (4)
- 水溶性又は水分散性の光重合性オリゴマーと着色剤と非水溶性光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法であって、
(1)前記光重合性オリゴマーと前記非水溶性光重合開始剤と沸点100℃未満の有機溶剤とを含有する混合物に水を添加し、前記有機溶剤を留去して水性混合物を作製する工程と、
(2)前記水性混合物中に着色剤を溶解又は分散させる工程
を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法。 - 前記有機溶剤が前記光重合性オリゴマー製造時の反応溶媒である、請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法。
- 前記光重合性オリゴマーが、活性エネルギー線硬化性不飽和二重結合を有する基を含有するポリウレタン化合物である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物の製造方法。
- 前記光重合開始剤を溶解する光重合性モノマーを実質的に含有しない請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用水性インク組成物。
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