JP2004175861A - 顔料分散剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、高顔料濃度で、低粘度、高光沢値を与えるポリウレタン樹脂の顔料分散剤を提供することである。
【解決手段】ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂を含む顔料分散剤であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上の分子量が、500以下であり、かつ、ポリオールが、アニオン基を含むポリオールを含み、ウレタン樹脂の酸価が、水性分散剤として用いる場合は、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であり、水性分散体として用いない場合は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)である顔料分散剤。
【解決手段】ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂を含む顔料分散剤であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上の分子量が、500以下であり、かつ、ポリオールが、アニオン基を含むポリオールを含み、ウレタン樹脂の酸価が、水性分散剤として用いる場合は、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であり、水性分散体として用いない場合は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)である顔料分散剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料を高濃度で分散できるウレタン樹脂の顔料分散体に関する。本発明の分散体は、インキ、塗料、着色剤など、顔料を分散する必要のある、あらゆる用途に使用でき、とりわけ、本発明のウレタン樹脂を水性化して使用する場合には、水性インキ、水性塗料、カラーフィルター、インクジェットインキ、カラートナーのような水性着色剤組成物に有用な水性分散体に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
<水系について>
従来、水性印刷インキ、水性塗料などの製造において、顔料の分散性、流動性、着色力、貯蔵安定性の向上、色別れの防止、たれ止め、沈降防止効果等の目的で種々の分散剤が使用されている。これらの分散剤としては、種々の界面活性剤の他、高分子型の分散剤として、ポリリン酸のナトリウム塩、ポリアクリル酸のナトリウム塩、リグニンスルホン酸ソーダ、スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルマリンとの縮合物、β−ナフト−ルのアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン化合物などが一般的に用いられている。しかしながら、これらの分散剤を添加した系は、添加しない系に比べて、形成皮膜の耐水性が劣る場合が多く、また、フィルム等の塗工基材に対する密着性が著しく劣る場合が多い。さらに、分散性付与のための極性官能基が高濃度に導入されていたり、少量であっても強い極性官能基が導入されているために、インキや塗料としての物性以前に、例えばグラビアインキ等で幅広く使用されているウレタン系バインダー樹脂との相溶性が著しく悪い場合が多く、系内に添加した時点で粘度が著しく高くなったり、析出して濁るという問題点がある。このようなウレタン系バインダー樹脂との相溶性を改善するためには、ウレタン骨格を有する分散剤が理想的である。
【0003】
ウレタン系の水性顔料分散剤としては、例えば、高分子ポリオール、低分子ポリオール、親水基を有する低分子ポリオール、ポリイソシアネートを主成分とするウレタン樹脂を、水性化することによって得られる顔料分散体が開示されている(特許文献1参照)。この場合、高分子量のポリオールが多く導入されているために、要求されるレベルの分散性が得られ難い。さらに、水またはポリアミン等で鎖延長する工程や、NCO末端プレポリマーの平均官能基数を2未満に調整するといった複雑な工程が含まれるため、生産工程やコスト面で問題となりやすい。
【0004】
また、アニオン基(スルホン酸基)を含有するジオール類とジイソシアネートから成る水性ウレタン分散剤が開示されている(特許文献2参照)。ここでは、スルホン酸基を有するジオール化合物またはアミン類を用いてウレタン樹脂中にスルホン酸基を導入する方法が用いられているが、こういったスルホン酸基を有するジオール化合物またはアミン類は、ウレタン化の反応に使用する一般的な溶媒には溶解し難く、ウレタン化の反応を行う前に、ナトリウム、リチウム、アンモニア、アルコールアミン、アルキルアミン等の塩基で中和するといった前処置が必要であったり、反応溶媒の選択の幅が限られる場合が多い。また、ここで開示されているウレタン系の分散樹脂は、極性の強いスルホン酸基が比較的多く導入されているために、前述したような形成皮膜の耐水性、基材に対する密着性、バインダー樹脂との相溶性に悪影響を及ぼし易い。
【0005】
また、イソシアネート基の平均官能基数が2より大きいポリイソシアネート化合物を原料とし、該イソシアネート基にウレタン結合を介してアニオン基が導入されたタイプの水性ポリウレタン系分散剤が開示されている(特許文献3参照)。この方法では、原料として用いるイソシアネート基の平均官能基数が2より大きいポリイソシアネート化合物を合成するために、イソシアヌレート化の反応を行ったり、多官能活性水素化合物と有機ジイソシアネートとを反応させるという工程をふまえなければならない。また、こうして合成されたイソシアネート基の平均官能基数が2より大きいポリイソシアネート化合物は、疎水性が強く、水性化するには、アニオン基のなかでも親水性の強いスルホン酸基が必要となる場合が多い。水性化のためにスルホン酸基を導入した場合、特許文献2に関して述べた場合と同様、その強い極性のために、形成皮膜の耐水性、基材に対する密着性、バインダー樹脂との相溶性に悪影響を及ぼし易い。
<油系について>
油系の顔料分散においては、顔料表面に吸着した顔料誘導体と、分散樹脂中の極性基による極性基相互作用(酸塩基相互作用など)によって、優れた分散性が得られることが一般的に知られている。しかし、これらの極性基含有樹脂としては、たとえば極性基含有アクリル樹脂などがあるが、ウレタン系のものは少なく、グラビアインキ等で多用されているウレタン系のバインダー樹脂を用いる用途においては、バインダー樹脂と極性官能基含有分散樹脂との相溶性が著しく悪い場合が多い。また、酸塩基相互作用に用いられるアニオン基としては、リン酸基、スルホン酸基などが有効であるが、このような官能基をウレタン樹脂中に導入することは非常に難しい。一方、同じアニオン基としてカルボキシル基をウレタン樹脂中に導入することは比較的容易であるが、導入量が少ない場合は、リン酸基やスルホン酸基のような良好な分散性は得られない。そこで、ウレタン系のバインダー樹脂に対して相溶性が良好で、塩基性誘導体との相互作用により優れた分散性を発揮する酸性官能基含有ウレタン系顔料分散樹脂が必要とされていた。
【0006】
【特許文献1】特開平6−200149号公報
【特許文献2】特開平10−114866号公報
【特許文献3】特開2000−154227号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高顔料濃度で、低粘度、高光沢値を与えるポリウレタン樹脂の顔料分散剤を提供することである。さらに、本発明の顔料分散剤によって、従来問題であったウレタン系バインダー樹脂との相溶性に優れた高顔料濃度分散体を与える。また、本発明の高顔料濃度分散体を用いることによって、界面活性剤や各種顔料分散剤では成し得なかった、耐水性、密着性に優れたインキ塗膜を与える。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂を含む顔料分散剤であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上の分子量が、500以下であり、
かつ、ポリオールが、アニオン基を含むポリオールを含み、ウレタン樹脂の酸価が、水性分散剤として用いる場合は、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であり、水性分散体として用いない場合は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)である顔料分散剤に関する。
【0009】
また、本発明は、ウレタン樹脂の重量平均分子量が、1000〜100000である上記顔料分散剤に関する。
【0010】
また、本発明は、上記顔料分散剤100重量部に対して、顔料0.1〜100000重量部含む顔料分散体に関する。
【0011】
また、本発明は、25℃における粘度が、1000mPa・s以下である上記顔料分散体に関する。
【0012】
また、本発明は、バーコーターNo.4を用いてOPPフィルムに塗布したときの60度光沢値が50以上である上記顔料分散体に関する。
【0013】
また、本発明は、上記顔料分散体を含むインキに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%の分子量が、500以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明で使用できるポリオールとしては、分子量500以下であって、一分子中に水酸基を二個もしくは一個有するものであれば何でもよいが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−tert−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−tert−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルイソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピルイソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ステアリルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−n−ステアリルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシプロピルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチルベンジルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピルベンジルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルピペラジン、N,N−ジヒドロキシプロピルピペラジンなどが挙げられる。本発明では、これらのポリオールを単独、または混合で使用できる。
【0016】
また、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、分子量500より大きいポリオールも併用できる。このようなポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどが挙げられる。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0018】
ポリエステルポリオールは、ジオールと二塩基酸の重縮合より得られる。ジオールとしては、前記のエチレングリコール、ジエチレングリコールの他、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられ、二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。アクリルポリオールとしては、水酸基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ジヒドロキシアクリレート等、エポキシポリオールとしては、アミン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。その他、ポリブタジエンジオール、ひまし油等が挙げられる。本発明でこれら分子量500より大きいポリオールを用いる場合、単独、または混合で併用しても何ら問題はない。
【0019】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて分子内にウレア結合を含んでいても良い。例えば、インキ塗膜の発色性や耐水性を向上させる目的で、鎖延長する場合などである。このような場合には、ジアミン、ポリアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きN−アルキルジアルカノールアミン、ジヒドラジド化合物などの公知の鎖延長剤を使用できる。
【0020】
本発明の顔料分散体を水性顔料分散体として用いる場合には、カルボキシル基またはスルホニル基などのアニオン基を含むポリオールを用いることが好ましく、ウレタンバインダーとの相溶性や、最終的なインキ塗膜の耐水性等を考慮した場合、カルボキシル基を含むポリオールを用いることが、より好ましい。カルボキシル基としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。本発明では、これらのようなアニオン基含有ポリオールを単独、または混合で使用できる。また、ポリオール全体に対して、アニオン基を含むポリオールの量は、ポリオール全体の0.1〜100モル%が好ましい。
【0021】
また、本発明で使用できるポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環式のポリイソシアネートなどが挙げられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。本発明では、これらのポリイソシアネートを単独、または混合で使用できる。
【0022】
本発明のウレタン樹脂の製造は、常法に従えばよい。例えば、イソシアネート基と反応しない不活性な有機溶剤中で、室温または40〜120℃程度の温度で付加反応を行うのが好ましい。
【0023】
本発明のウレタン樹脂を水性化して使用する場合、水性化の方法としては、一般的に知られているような、樹脂の水性化の方法を用いればよい。例えば、有機溶剤中でカルボキシル基を有するウレタン樹脂を合成した後、ウレタン樹脂中のカルボキシル基を、アンモニアやN,N−ジエチルアミノエタノールなどの塩基性化合物を用いて中和し、水を添加した後、加熱して脱溶剤する方法などが挙げられる。
【0024】
本発明において、ウレタン樹脂中のアニオン基を中和する場合、用いる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエタノール、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンなどの有機アミンなどが挙げられる。
【0025】
本発明のウレタン樹脂を合成する際に用いる溶剤としては、一般に使用されるものすべてが使用できるが、反応性の制御の点から、イソシアネート基および水酸基(ウレア結合を入れる場合にはアミノ基)と反応しないもの、あるいはこれらの官能基に対する反応性が低いもの、樹脂およびその原料に対する溶解性が良く、樹脂の合成上問題がないものであることが好ましい。このような溶剤としては、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸−n−プロピル、塩化メチレン、ベンゼン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0026】
とりわけ、本発明のウレタン樹脂を水性化して使用する場合、(これら前出の条件に加えて、)蒸気圧が水より高く、脱溶剤を行いやすい溶剤を用いることが好ましい。このような溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
【0027】
また、本発明ではイソシアネートと水酸基の反応を促進するために触媒を使用してもよい。
【0028】
イソシアネートと水酸基の反応に用いられる触媒としては、ジブチルすずジラウレート、オクトエ酸すず、ジブチルすずジ(2−エチルヘキソエート)、2−エチルヘキソエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキソエート鉄、2−エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチルすず、塩化第一すず、塩化第二すず、塩化鉄などが挙げられる。
【0029】
ポリオールとポリイソシアネートとの仕込み量は、前述のような鎖延長を行わない場合、ポリオールの水酸基1モル当量に対し、ポリイソシアネートのイソシアネート基は0.50〜0.99モル当量が好ましい。0.50より小さい場合は、樹脂の分子量が小さくなりすぎたり、樹脂合成時に低分子量成分が未反応のまま残留しやすくなり、結果としてインキ塗膜の耐水性やフィルムへの密着性などに悪影響を及ぼし易くなる。また、0.99より大きい場合は、反応終了後に、系内にイソシアネート基が残存することになり、この残存イソシアネート基が空気中の水分や、各種添加剤に含まれるの活性水素と反応し、経時安定性に悪影響を及ぼす。また、1.00の場合は、反応系がゲル化し易くなる。ただし、前述のように、鎖延長剤を用いて鎖延長する場合は、一般的に知られているような鎖延長の方法を用いればよい。例えば、ポリオールの水酸基1モル当量に対するポリイソシアネートのイソシアネート基のモル当量が1より大きくなるように仕込み、ポリオールとポリイソシアネートを反応させ、末端がイソシアネート基となるプレポリマーを合成した後、鎖延長剤を添加することによって、系内に残存しているイソシアネート基を完全に反応させるか、または、鎖延長反応終了後もイソシアネート基が残存するように設計し、残存イソシアネート基をモノアルコールと反応させることで末端封止するといった方法で、最終的に系内にイソシアネート基が残存しないように設計すれば問題はない。
【0030】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000〜100000が好ましく、より好ましくは2000〜30000、さらに好ましくは3000〜10000である。100000より大きい場合は、高顔料濃度分散体の粘度が高くなりすぎたり、インキ作成後のインキ塗膜の光沢が低下したり、組成によっては高顔料濃度では分散し難くなる。また、1000より小さい場合は、インキ塗膜の耐水性・フィルムへの密着性などに悪影響を及ぼし易くなる。
【0031】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂の酸価は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)が好ましく、より好ましくは40〜120(KOHmg/樹脂固形分1g)、さらにより好ましくは、60〜100(KOHmg/樹脂固形分1g)である。150より大きい場合は、バインダーとして使用しているウレタン系樹脂との相溶性が悪化する傾向にあり、相溶性の良い樹脂系をバインダーとして用いた場合でも、インキ塗膜の耐水性・フィルムへの密着性などに悪影響を及ぼし易くなる。水性分散剤として用いる場合は、50未満では、樹脂水溶液が組成によってはエマルジョンを形成し易くなり、高顔料濃度では分散し難くなるので、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であることが好ましい。
【0032】
本発明の顔料分散剤は、顔料を高濃度で分散できることを特徴とする。
【0033】
本発明で用いることのできる顔料としては、通常印刷インキまたは塗料に用いられるすべての顔料が使用できるが、例えば有機顔料および無機顔料が挙げられる。有機顔料の具体的な例としては、天然有機顔料および合成有機顔料が挙げられ、天然有機顔料としては、コチニール・レーキ、マダー・レーキなどが挙げられる。合成有機顔料としては、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料などのほか、エオシンなどのキサンタン・レーキ顔料、塩基性染料から作るレーキ顔料(ファナル・カラーなど)、塩基型の酸性染料から作るレーキ顔料(アシッド・グリーン・レーキなど)、バット染料からの顔料(インジゴ、アルゴン・イエローなど)などが挙げられる。無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、リトポン、鉛白などの白色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウムなどの透明性白色顔料、カーボンブラック、動物性黒、黒鉛などの黒色顔料、ベンガラ、鉛丹などの赤色顔料、アンバー、酸化鉄粉、バンダイク茶などの茶色顔料、黄鉛、ジンククロメート、黄酸化鉄などの黄色顔料、クロム緑、酸化クロム、ビリジアンなどの緑色顔料、群青、紺青などの青色顔料、マルス紫、淡口コバルト紫などの紫色顔料、アルミニウム粉、銅粉、ブロンズ粉などの金属粉顔料等が挙げられる。本発明では、これらの顔料を単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0034】
また、顔料分散剤100重量部に対して、0.1〜100000重量部の顔料を分散させることが好ましい。0.1重量部未満の場合、分散体中の顔料濃度が低くなりすぎて、塗料や印刷インキとしての着色機能が低下する。一方、100000重量部を超えると顔料が充分に分散されないため、安定な顔料分散体が得られない。
【0035】
顔料は、アイガーミル、ペイントシェーカー、ペイントコンディショナー、スキャンデックス、サンドミル、ボールミル、コロイドミル、三本ロールなどの公知の分散機や、ジスパー、ホモミキサーなどの攪拌機などを用いて、顔料分散剤に分散させ顔料分散体とすることができる。
【0036】
本発明でいう顔料分散体の粘度は、東機産業株式会社製「R型粘度計」を用いて25℃、湿度65%の条件下で測定したものをいう。
【0037】
また、本発明でいう光沢値は、高顔料濃度分散体または、高顔料濃度分散体を溶剤およびバインダー樹脂で希釈することによって作成したインキを、バーコーターNo.4を用いてOPPフィルムに塗布し、60℃の乾燥オーブンで1分間乾燥させた後、BYKガードナー社製「マイクロ−トリグロス光沢計」を用いて25℃、湿度65%の条件下、塗膜の60度光沢値を測定したものをいう。
【0038】
本発明で使用するバーコーターは、第一理化株式会社製のNo.4を用いた。
【0039】
本発明で使用するOPPフィルムとは、ポリプロピレンフィルムのことであり、本発明では東洋紡績株式会社製「パイレンP2161」を用いた。
【0040】
本発明の顔料分散体は、必要に応じて、バインダー樹脂、染料、有機改質剤、安定剤、分散剤、防腐剤、凍結防止剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、溶剤、アンチブロッキング剤などを添加できる。バインダー樹脂としては、一般的にインキ、塗料、色材などに使用される樹脂であれば何でもよいが、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂などが挙げられ、これらの樹脂を単独で添加しても良いし、他の樹脂を含む、複数の樹脂を混合して添加しても良い。とりわけ本発明の顔料分散体は、従来の界面活性剤や各種顔料分散剤では成し得なかったポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂に対する相溶性に優れているため、ポリウレタン系の樹脂をバインダーとして使用する用途には非常に有効である。染料としては、例えば直接染料、反応性染料または金属錯体染料などが挙げられる。有機改質剤としては、例えばフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末またはウレタン樹脂粉末などが挙げられる。安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、燐系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アキザリックアシッドアニリド系またはヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。分散剤としては、例えばポリアクリル酸系分散剤やスチレン無水マレイン酸系分散剤が挙げられる。防腐剤としては、例えば有機窒素硫黄化合物系または有機硫黄ハロゲン化合物系防腐剤が挙げられる。凍結防止剤とては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。消泡剤としては、例えばシリコーン系またはフッ素系消泡剤などが挙げられる。増粘剤としては、セルロース誘導体、デンプン誘導体、またはポリビニルアルコールなどが挙げられる。界面活性剤としては、ポリプロピレンオキサイドのエチレンオキサイド付加物などのノニオン性界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム塩などのアニオン性界面活性剤、ラウリルアミン酢酸塩などのカチオン性界面活性剤などが挙げられる。溶剤としては、メチルエチルケトンや酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
更に、目的によっては、耐水性、皮膜強度、耐薬品性などを向上させるために架橋剤を添加することも可能である。架橋剤としては、ブロックドイソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
【0041】
本発明のウレタン樹脂を油系で使用する場合は特に、一般的な塩基性顔料誘導体と併用することによって、より良好な分散性を得ることができる。
また、本発明で使用するウレタン樹脂は、本発明の主旨である顔料分散剤としての用途以外に、例えば水性化して使用する場合は、高分子乳化剤、界面活性剤、顔料以外の微粒子分散剤などとして幅広く使用することが可能である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例で本発明をより詳細に説明する。特に断らない限り、%は重量%、部は重量部を表す。
【0043】
(合成例1)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン34.0部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート62.0部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が4200で、酸価が76である、ハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(A)を得た。
【0044】
(合成例2)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.1部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン39.3部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、キシリレンジイソシアネート56.7部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が3500で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(B)を得た。
【0045】
(合成例3)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、シクロヘキサンジメタノール27.9部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート68.0部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が5800で、酸価が76あるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(C)を得た。
【0046】
(合成例4)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、シクロヘキサンジメタノール18.4部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン11.5部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.0部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が4800で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(D)を得た。
【0047】
(合成例5)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール29.6部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.3部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が5500で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(E)を得た。
【0048】
(合成例6)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、シクロヘキサンジメタノール20.6部、N−メチルジエタノールアミン6.6部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート68.8部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が3500で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(F)を得た。
【0049】
(合成例7)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸23.9部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン29.5部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.6部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が13200で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(G)を得た。
【0050】
(合成例8)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、水酸基価55.9(平均分子量約2000)のポリテトラメチレングリコール12.2部、ジメチロールブタン酸21.4部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン30.2部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート56.3部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水320.2部、25%のアンモニア水9.8部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が9700で、酸価が67であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(H)を得た。
【0051】
(合成例9)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸33.0部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン23.3部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート63.8部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水315.0部、25%のアンモニア水15.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が4200で、酸価が104であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(I)を得た。
【0052】
(合成例10)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、水酸基価55.9(平均分子量約2000)のポリテトラメチレングリコール58.3部、ジメチロールブタン酸23.8部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート37.9部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が11000で、酸価が75であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(J)を得た。
【0053】
(合成例11)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口のフラスコに、ポリエチレンアジペートジオール(数平均分子量2000)162.0部、ジメチロールプロピオン酸47.6部、n−ブタノール13.8部、イソホロンジイソシアネート176.0部、アセトン400.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃で7時間反応してNCO%含有量2.68%のNCO末端ウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を30℃に冷却してトリエチルアミン35.9部を加えた。つぎに水742.9部を該アセトン溶液に加え、減圧下50〜60℃でアセトンを除去し、さらに水を加えて樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(K)を得た。
【0054】
(合成例12)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸45.9部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン7.8部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.9部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水309.0部、25%のアンモニア水21.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が3200で、酸価が145であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(L)を得た。
【0055】
(合成例13)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸15.6部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン44.1部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート60.4部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水322.8部、25%のアンモニア水7.2部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が2400で、酸価が49であるエマルジョン状の水性ウレタン樹脂溶液(M)を得た。
【0056】
実施例1
140mlマヨネーズ瓶に、フタロシアニン系青色顔料(東洋インキ製造株式会社製 リオノールブルー FG7351)8.00部、ウレタン樹脂水溶液(A)3.20部、アジピン酸ジヒドラジド0.17部、水8.63部、および直径2mmのスチールボール(東レ株式会社製「トレセラム ボール・ビーズ φ2.0」)125部を仕込み、ペイントシェーカー(淺田鉄工株式会社製「ペイントシェーカー」)に設置して2時間分散することによって、高顔料濃度の顔料分散体を作成した。作成した高濃度顔料分散体の粘度を、R型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて25℃、湿度65%の条件下で測定した。このときの値をミルベース粘度とする。また、この分散体を、処理OPPフィルム(東洋紡績社製「パイレンP2161」)上に、バーコーターNo.4(第一理化株式会社製)を用いて塗布し、60℃の乾燥オーブンで1分間乾燥乾燥させた後、光沢計(BYKガードナー社製「マイクロ−トリグロス光沢計」)を用いて25℃、湿度65%の条件下、塗膜の60度光沢値を測定した。このときの値を、ミルベース光沢とする。つづいて、作成した顔料分散体を、ジスパー(特殊機化工業株式会社製「T.K.ホモジスパー」)を用いて300rpmで攪拌しながら、水7.57部および水性ウレタン系バインダー樹脂ワニス(樹脂固形分24.0%、イソプロピルアルコール10.0%、水65.83%、アンモニア0.17%から成る)29.58部を3分間で滴下し、顔料分散体(インキ)を得た。得られた顔料分散体(インキ)について、高顔料濃度分散体と同様の方法で、光沢値を測定した。顔料分散体(インキ)の光沢値をインキ光沢とする。つづいて、得られた顔料分散体(インキ)について、光沢測定と同様の方法で作成した塗膜フィルムを水に浸漬した。3時間後、この塗膜フィルムを取り出すと同時に、塗膜表面を互いに擦りあわせることによって、塗膜の剥がれ具合を目視で確認した。このとき、塗膜が全く剥がれない場合は耐水性◎、わずかに剥がれる場合は○、半分程度の面積が剥がれる場合は△、大部分の面積が剥がれる場合は×として評価した。
【0057】
実施例2
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0058】
実施例3
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(C)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0059】
実施例4
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(D)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0060】
実施例5
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(E)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0061】
実施例6
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(F)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0062】
実施例7
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(G)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0063】
実施例8
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(H)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0064】
実施例9
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(I)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0065】
比較例1
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(J)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0066】
比較例2
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(K)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0067】
比較例3
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(L)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0068】
比較例4
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、水性ウレタン樹脂溶液(M)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0069】
比較例5
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、純粋で25%に希釈したSARTOMER社製SMA1000H(酸価481であるスチレン−無水マレイン酸共重合体の水溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0070】
比較例6
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、純水で25%に希釈したジョンソンポリマー株式会社製Joncryl57(重量平均分子量4900、酸価215であるスチレン−アクリル系樹脂水溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
以上の実施例および比較例について、結果を以下の表1にまとめた。
【0071】
表1
【表1】
【0072】
物性としては、ミルベース粘度が低く、ミルベース光沢およびインキ光沢がともに高いことが理想的であり、これらのいずれの条件が欠けていても、好ましくない。例えばミルベース粘度が低く、ミルベース光沢も高いが、インキ光沢が著しく低い場合は、インキとしての発色性が非常に悪いという意味で好ましくない。これは、分散樹脂単独で使用した場合の分散性は良好であるが、従来問題とされているウレタン系バインダーとの相溶性が悪いために、バインダー樹脂で希釈した際、顔料の凝集、沈降がおこっていると考えられる。
【0073】
【発明の効果】
本発明者は、一般的に広く知られている方法で容易に合成することが可能であり、高顔料濃度という厳しい条件下においても、分散性、流動性、発色性、貯蔵安定性に優れ、インキや塗料に用いたときの形成皮膜の耐水性およびフィルム等の塗工基材に対する密着性が良好であり、かつ、従来の界面活性剤や各種顔料分散剤では成し得なかった、ウレタン系バインダー樹脂との相溶性に極めて優れたウレタン系顔料分散樹脂を提供できた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料を高濃度で分散できるウレタン樹脂の顔料分散体に関する。本発明の分散体は、インキ、塗料、着色剤など、顔料を分散する必要のある、あらゆる用途に使用でき、とりわけ、本発明のウレタン樹脂を水性化して使用する場合には、水性インキ、水性塗料、カラーフィルター、インクジェットインキ、カラートナーのような水性着色剤組成物に有用な水性分散体に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
<水系について>
従来、水性印刷インキ、水性塗料などの製造において、顔料の分散性、流動性、着色力、貯蔵安定性の向上、色別れの防止、たれ止め、沈降防止効果等の目的で種々の分散剤が使用されている。これらの分散剤としては、種々の界面活性剤の他、高分子型の分散剤として、ポリリン酸のナトリウム塩、ポリアクリル酸のナトリウム塩、リグニンスルホン酸ソーダ、スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルマリンとの縮合物、β−ナフト−ルのアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン化合物などが一般的に用いられている。しかしながら、これらの分散剤を添加した系は、添加しない系に比べて、形成皮膜の耐水性が劣る場合が多く、また、フィルム等の塗工基材に対する密着性が著しく劣る場合が多い。さらに、分散性付与のための極性官能基が高濃度に導入されていたり、少量であっても強い極性官能基が導入されているために、インキや塗料としての物性以前に、例えばグラビアインキ等で幅広く使用されているウレタン系バインダー樹脂との相溶性が著しく悪い場合が多く、系内に添加した時点で粘度が著しく高くなったり、析出して濁るという問題点がある。このようなウレタン系バインダー樹脂との相溶性を改善するためには、ウレタン骨格を有する分散剤が理想的である。
【0003】
ウレタン系の水性顔料分散剤としては、例えば、高分子ポリオール、低分子ポリオール、親水基を有する低分子ポリオール、ポリイソシアネートを主成分とするウレタン樹脂を、水性化することによって得られる顔料分散体が開示されている(特許文献1参照)。この場合、高分子量のポリオールが多く導入されているために、要求されるレベルの分散性が得られ難い。さらに、水またはポリアミン等で鎖延長する工程や、NCO末端プレポリマーの平均官能基数を2未満に調整するといった複雑な工程が含まれるため、生産工程やコスト面で問題となりやすい。
【0004】
また、アニオン基(スルホン酸基)を含有するジオール類とジイソシアネートから成る水性ウレタン分散剤が開示されている(特許文献2参照)。ここでは、スルホン酸基を有するジオール化合物またはアミン類を用いてウレタン樹脂中にスルホン酸基を導入する方法が用いられているが、こういったスルホン酸基を有するジオール化合物またはアミン類は、ウレタン化の反応に使用する一般的な溶媒には溶解し難く、ウレタン化の反応を行う前に、ナトリウム、リチウム、アンモニア、アルコールアミン、アルキルアミン等の塩基で中和するといった前処置が必要であったり、反応溶媒の選択の幅が限られる場合が多い。また、ここで開示されているウレタン系の分散樹脂は、極性の強いスルホン酸基が比較的多く導入されているために、前述したような形成皮膜の耐水性、基材に対する密着性、バインダー樹脂との相溶性に悪影響を及ぼし易い。
【0005】
また、イソシアネート基の平均官能基数が2より大きいポリイソシアネート化合物を原料とし、該イソシアネート基にウレタン結合を介してアニオン基が導入されたタイプの水性ポリウレタン系分散剤が開示されている(特許文献3参照)。この方法では、原料として用いるイソシアネート基の平均官能基数が2より大きいポリイソシアネート化合物を合成するために、イソシアヌレート化の反応を行ったり、多官能活性水素化合物と有機ジイソシアネートとを反応させるという工程をふまえなければならない。また、こうして合成されたイソシアネート基の平均官能基数が2より大きいポリイソシアネート化合物は、疎水性が強く、水性化するには、アニオン基のなかでも親水性の強いスルホン酸基が必要となる場合が多い。水性化のためにスルホン酸基を導入した場合、特許文献2に関して述べた場合と同様、その強い極性のために、形成皮膜の耐水性、基材に対する密着性、バインダー樹脂との相溶性に悪影響を及ぼし易い。
<油系について>
油系の顔料分散においては、顔料表面に吸着した顔料誘導体と、分散樹脂中の極性基による極性基相互作用(酸塩基相互作用など)によって、優れた分散性が得られることが一般的に知られている。しかし、これらの極性基含有樹脂としては、たとえば極性基含有アクリル樹脂などがあるが、ウレタン系のものは少なく、グラビアインキ等で多用されているウレタン系のバインダー樹脂を用いる用途においては、バインダー樹脂と極性官能基含有分散樹脂との相溶性が著しく悪い場合が多い。また、酸塩基相互作用に用いられるアニオン基としては、リン酸基、スルホン酸基などが有効であるが、このような官能基をウレタン樹脂中に導入することは非常に難しい。一方、同じアニオン基としてカルボキシル基をウレタン樹脂中に導入することは比較的容易であるが、導入量が少ない場合は、リン酸基やスルホン酸基のような良好な分散性は得られない。そこで、ウレタン系のバインダー樹脂に対して相溶性が良好で、塩基性誘導体との相互作用により優れた分散性を発揮する酸性官能基含有ウレタン系顔料分散樹脂が必要とされていた。
【0006】
【特許文献1】特開平6−200149号公報
【特許文献2】特開平10−114866号公報
【特許文献3】特開2000−154227号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高顔料濃度で、低粘度、高光沢値を与えるポリウレタン樹脂の顔料分散剤を提供することである。さらに、本発明の顔料分散剤によって、従来問題であったウレタン系バインダー樹脂との相溶性に優れた高顔料濃度分散体を与える。また、本発明の高顔料濃度分散体を用いることによって、界面活性剤や各種顔料分散剤では成し得なかった、耐水性、密着性に優れたインキ塗膜を与える。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂を含む顔料分散剤であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上の分子量が、500以下であり、
かつ、ポリオールが、アニオン基を含むポリオールを含み、ウレタン樹脂の酸価が、水性分散剤として用いる場合は、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であり、水性分散体として用いない場合は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)である顔料分散剤に関する。
【0009】
また、本発明は、ウレタン樹脂の重量平均分子量が、1000〜100000である上記顔料分散剤に関する。
【0010】
また、本発明は、上記顔料分散剤100重量部に対して、顔料0.1〜100000重量部含む顔料分散体に関する。
【0011】
また、本発明は、25℃における粘度が、1000mPa・s以下である上記顔料分散体に関する。
【0012】
また、本発明は、バーコーターNo.4を用いてOPPフィルムに塗布したときの60度光沢値が50以上である上記顔料分散体に関する。
【0013】
また、本発明は、上記顔料分散体を含むインキに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%の分子量が、500以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明で使用できるポリオールとしては、分子量500以下であって、一分子中に水酸基を二個もしくは一個有するものであれば何でもよいが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−tert−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−tert−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルイソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピルイソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ステアリルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−n−ステアリルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシプロピルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチルベンジルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピルベンジルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルピペラジン、N,N−ジヒドロキシプロピルピペラジンなどが挙げられる。本発明では、これらのポリオールを単独、または混合で使用できる。
【0016】
また、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、分子量500より大きいポリオールも併用できる。このようなポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどが挙げられる。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
【0018】
ポリエステルポリオールは、ジオールと二塩基酸の重縮合より得られる。ジオールとしては、前記のエチレングリコール、ジエチレングリコールの他、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられ、二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。アクリルポリオールとしては、水酸基を有するモノマーの共重合体が挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ジヒドロキシアクリレート等、エポキシポリオールとしては、アミン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。その他、ポリブタジエンジオール、ひまし油等が挙げられる。本発明でこれら分子量500より大きいポリオールを用いる場合、単独、または混合で併用しても何ら問題はない。
【0019】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて分子内にウレア結合を含んでいても良い。例えば、インキ塗膜の発色性や耐水性を向上させる目的で、鎖延長する場合などである。このような場合には、ジアミン、ポリアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きN−アルキルジアルカノールアミン、ジヒドラジド化合物などの公知の鎖延長剤を使用できる。
【0020】
本発明の顔料分散体を水性顔料分散体として用いる場合には、カルボキシル基またはスルホニル基などのアニオン基を含むポリオールを用いることが好ましく、ウレタンバインダーとの相溶性や、最終的なインキ塗膜の耐水性等を考慮した場合、カルボキシル基を含むポリオールを用いることが、より好ましい。カルボキシル基としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。本発明では、これらのようなアニオン基含有ポリオールを単独、または混合で使用できる。また、ポリオール全体に対して、アニオン基を含むポリオールの量は、ポリオール全体の0.1〜100モル%が好ましい。
【0021】
また、本発明で使用できるポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環式のポリイソシアネートなどが挙げられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。本発明では、これらのポリイソシアネートを単独、または混合で使用できる。
【0022】
本発明のウレタン樹脂の製造は、常法に従えばよい。例えば、イソシアネート基と反応しない不活性な有機溶剤中で、室温または40〜120℃程度の温度で付加反応を行うのが好ましい。
【0023】
本発明のウレタン樹脂を水性化して使用する場合、水性化の方法としては、一般的に知られているような、樹脂の水性化の方法を用いればよい。例えば、有機溶剤中でカルボキシル基を有するウレタン樹脂を合成した後、ウレタン樹脂中のカルボキシル基を、アンモニアやN,N−ジエチルアミノエタノールなどの塩基性化合物を用いて中和し、水を添加した後、加熱して脱溶剤する方法などが挙げられる。
【0024】
本発明において、ウレタン樹脂中のアニオン基を中和する場合、用いる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエタノール、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンなどの有機アミンなどが挙げられる。
【0025】
本発明のウレタン樹脂を合成する際に用いる溶剤としては、一般に使用されるものすべてが使用できるが、反応性の制御の点から、イソシアネート基および水酸基(ウレア結合を入れる場合にはアミノ基)と反応しないもの、あるいはこれらの官能基に対する反応性が低いもの、樹脂およびその原料に対する溶解性が良く、樹脂の合成上問題がないものであることが好ましい。このような溶剤としては、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸−n−プロピル、塩化メチレン、ベンゼン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0026】
とりわけ、本発明のウレタン樹脂を水性化して使用する場合、(これら前出の条件に加えて、)蒸気圧が水より高く、脱溶剤を行いやすい溶剤を用いることが好ましい。このような溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
【0027】
また、本発明ではイソシアネートと水酸基の反応を促進するために触媒を使用してもよい。
【0028】
イソシアネートと水酸基の反応に用いられる触媒としては、ジブチルすずジラウレート、オクトエ酸すず、ジブチルすずジ(2−エチルヘキソエート)、2−エチルヘキソエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキソエート鉄、2−エチルヘキソエートコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチルすず、塩化第一すず、塩化第二すず、塩化鉄などが挙げられる。
【0029】
ポリオールとポリイソシアネートとの仕込み量は、前述のような鎖延長を行わない場合、ポリオールの水酸基1モル当量に対し、ポリイソシアネートのイソシアネート基は0.50〜0.99モル当量が好ましい。0.50より小さい場合は、樹脂の分子量が小さくなりすぎたり、樹脂合成時に低分子量成分が未反応のまま残留しやすくなり、結果としてインキ塗膜の耐水性やフィルムへの密着性などに悪影響を及ぼし易くなる。また、0.99より大きい場合は、反応終了後に、系内にイソシアネート基が残存することになり、この残存イソシアネート基が空気中の水分や、各種添加剤に含まれるの活性水素と反応し、経時安定性に悪影響を及ぼす。また、1.00の場合は、反応系がゲル化し易くなる。ただし、前述のように、鎖延長剤を用いて鎖延長する場合は、一般的に知られているような鎖延長の方法を用いればよい。例えば、ポリオールの水酸基1モル当量に対するポリイソシアネートのイソシアネート基のモル当量が1より大きくなるように仕込み、ポリオールとポリイソシアネートを反応させ、末端がイソシアネート基となるプレポリマーを合成した後、鎖延長剤を添加することによって、系内に残存しているイソシアネート基を完全に反応させるか、または、鎖延長反応終了後もイソシアネート基が残存するように設計し、残存イソシアネート基をモノアルコールと反応させることで末端封止するといった方法で、最終的に系内にイソシアネート基が残存しないように設計すれば問題はない。
【0030】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000〜100000が好ましく、より好ましくは2000〜30000、さらに好ましくは3000〜10000である。100000より大きい場合は、高顔料濃度分散体の粘度が高くなりすぎたり、インキ作成後のインキ塗膜の光沢が低下したり、組成によっては高顔料濃度では分散し難くなる。また、1000より小さい場合は、インキ塗膜の耐水性・フィルムへの密着性などに悪影響を及ぼし易くなる。
【0031】
本発明で使用されるポリウレタン樹脂の酸価は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)が好ましく、より好ましくは40〜120(KOHmg/樹脂固形分1g)、さらにより好ましくは、60〜100(KOHmg/樹脂固形分1g)である。150より大きい場合は、バインダーとして使用しているウレタン系樹脂との相溶性が悪化する傾向にあり、相溶性の良い樹脂系をバインダーとして用いた場合でも、インキ塗膜の耐水性・フィルムへの密着性などに悪影響を及ぼし易くなる。水性分散剤として用いる場合は、50未満では、樹脂水溶液が組成によってはエマルジョンを形成し易くなり、高顔料濃度では分散し難くなるので、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であることが好ましい。
【0032】
本発明の顔料分散剤は、顔料を高濃度で分散できることを特徴とする。
【0033】
本発明で用いることのできる顔料としては、通常印刷インキまたは塗料に用いられるすべての顔料が使用できるが、例えば有機顔料および無機顔料が挙げられる。有機顔料の具体的な例としては、天然有機顔料および合成有機顔料が挙げられ、天然有機顔料としては、コチニール・レーキ、マダー・レーキなどが挙げられる。合成有機顔料としては、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料などのほか、エオシンなどのキサンタン・レーキ顔料、塩基性染料から作るレーキ顔料(ファナル・カラーなど)、塩基型の酸性染料から作るレーキ顔料(アシッド・グリーン・レーキなど)、バット染料からの顔料(インジゴ、アルゴン・イエローなど)などが挙げられる。無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、リトポン、鉛白などの白色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウムなどの透明性白色顔料、カーボンブラック、動物性黒、黒鉛などの黒色顔料、ベンガラ、鉛丹などの赤色顔料、アンバー、酸化鉄粉、バンダイク茶などの茶色顔料、黄鉛、ジンククロメート、黄酸化鉄などの黄色顔料、クロム緑、酸化クロム、ビリジアンなどの緑色顔料、群青、紺青などの青色顔料、マルス紫、淡口コバルト紫などの紫色顔料、アルミニウム粉、銅粉、ブロンズ粉などの金属粉顔料等が挙げられる。本発明では、これらの顔料を単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0034】
また、顔料分散剤100重量部に対して、0.1〜100000重量部の顔料を分散させることが好ましい。0.1重量部未満の場合、分散体中の顔料濃度が低くなりすぎて、塗料や印刷インキとしての着色機能が低下する。一方、100000重量部を超えると顔料が充分に分散されないため、安定な顔料分散体が得られない。
【0035】
顔料は、アイガーミル、ペイントシェーカー、ペイントコンディショナー、スキャンデックス、サンドミル、ボールミル、コロイドミル、三本ロールなどの公知の分散機や、ジスパー、ホモミキサーなどの攪拌機などを用いて、顔料分散剤に分散させ顔料分散体とすることができる。
【0036】
本発明でいう顔料分散体の粘度は、東機産業株式会社製「R型粘度計」を用いて25℃、湿度65%の条件下で測定したものをいう。
【0037】
また、本発明でいう光沢値は、高顔料濃度分散体または、高顔料濃度分散体を溶剤およびバインダー樹脂で希釈することによって作成したインキを、バーコーターNo.4を用いてOPPフィルムに塗布し、60℃の乾燥オーブンで1分間乾燥させた後、BYKガードナー社製「マイクロ−トリグロス光沢計」を用いて25℃、湿度65%の条件下、塗膜の60度光沢値を測定したものをいう。
【0038】
本発明で使用するバーコーターは、第一理化株式会社製のNo.4を用いた。
【0039】
本発明で使用するOPPフィルムとは、ポリプロピレンフィルムのことであり、本発明では東洋紡績株式会社製「パイレンP2161」を用いた。
【0040】
本発明の顔料分散体は、必要に応じて、バインダー樹脂、染料、有機改質剤、安定剤、分散剤、防腐剤、凍結防止剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、溶剤、アンチブロッキング剤などを添加できる。バインダー樹脂としては、一般的にインキ、塗料、色材などに使用される樹脂であれば何でもよいが、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂などが挙げられ、これらの樹脂を単独で添加しても良いし、他の樹脂を含む、複数の樹脂を混合して添加しても良い。とりわけ本発明の顔料分散体は、従来の界面活性剤や各種顔料分散剤では成し得なかったポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂に対する相溶性に優れているため、ポリウレタン系の樹脂をバインダーとして使用する用途には非常に有効である。染料としては、例えば直接染料、反応性染料または金属錯体染料などが挙げられる。有機改質剤としては、例えばフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末またはウレタン樹脂粉末などが挙げられる。安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、燐系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アキザリックアシッドアニリド系またはヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。分散剤としては、例えばポリアクリル酸系分散剤やスチレン無水マレイン酸系分散剤が挙げられる。防腐剤としては、例えば有機窒素硫黄化合物系または有機硫黄ハロゲン化合物系防腐剤が挙げられる。凍結防止剤とては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。消泡剤としては、例えばシリコーン系またはフッ素系消泡剤などが挙げられる。増粘剤としては、セルロース誘導体、デンプン誘導体、またはポリビニルアルコールなどが挙げられる。界面活性剤としては、ポリプロピレンオキサイドのエチレンオキサイド付加物などのノニオン性界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム塩などのアニオン性界面活性剤、ラウリルアミン酢酸塩などのカチオン性界面活性剤などが挙げられる。溶剤としては、メチルエチルケトンや酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
更に、目的によっては、耐水性、皮膜強度、耐薬品性などを向上させるために架橋剤を添加することも可能である。架橋剤としては、ブロックドイソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
【0041】
本発明のウレタン樹脂を油系で使用する場合は特に、一般的な塩基性顔料誘導体と併用することによって、より良好な分散性を得ることができる。
また、本発明で使用するウレタン樹脂は、本発明の主旨である顔料分散剤としての用途以外に、例えば水性化して使用する場合は、高分子乳化剤、界面活性剤、顔料以外の微粒子分散剤などとして幅広く使用することが可能である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例で本発明をより詳細に説明する。特に断らない限り、%は重量%、部は重量部を表す。
【0043】
(合成例1)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン34.0部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート62.0部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が4200で、酸価が76である、ハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(A)を得た。
【0044】
(合成例2)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.1部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン39.3部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、キシリレンジイソシアネート56.7部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が3500で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(B)を得た。
【0045】
(合成例3)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、シクロヘキサンジメタノール27.9部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート68.0部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が5800で、酸価が76あるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(C)を得た。
【0046】
(合成例4)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、シクロヘキサンジメタノール18.4部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン11.5部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.0部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が4800で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(D)を得た。
【0047】
(合成例5)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール29.6部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.3部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が5500で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(E)を得た。
【0048】
(合成例6)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸24.0部、シクロヘキサンジメタノール20.6部、N−メチルジエタノールアミン6.6部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート68.8部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が3500で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(F)を得た。
【0049】
(合成例7)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸23.9部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン29.5部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.6部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が13200で、酸価が76であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(G)を得た。
【0050】
(合成例8)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、水酸基価55.9(平均分子量約2000)のポリテトラメチレングリコール12.2部、ジメチロールブタン酸21.4部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン30.2部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート56.3部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水320.2部、25%のアンモニア水9.8部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が9700で、酸価が67であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(H)を得た。
【0051】
(合成例9)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸33.0部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン23.3部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート63.8部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水315.0部、25%のアンモニア水15.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が4200で、酸価が104であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(I)を得た。
【0052】
(合成例10)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、水酸基価55.9(平均分子量約2000)のポリテトラメチレングリコール58.3部、ジメチロールブタン酸23.8部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート37.9部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水319.0部、25%のアンモニア水11.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が11000で、酸価が75であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(J)を得た。
【0053】
(合成例11)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口のフラスコに、ポリエチレンアジペートジオール(数平均分子量2000)162.0部、ジメチロールプロピオン酸47.6部、n−ブタノール13.8部、イソホロンジイソシアネート176.0部、アセトン400.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃で7時間反応してNCO%含有量2.68%のNCO末端ウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を30℃に冷却してトリエチルアミン35.9部を加えた。つぎに水742.9部を該アセトン溶液に加え、減圧下50〜60℃でアセトンを除去し、さらに水を加えて樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(K)を得た。
【0054】
(合成例12)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸45.9部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン7.8部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート66.9部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水309.0部、25%のアンモニア水21.0部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が3200で、酸価が145であるハイドロゾル状のウレタン樹脂水溶液(L)を得た。
【0055】
(合成例13)還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、攪拌装置、温度計を備えた4ツ口の1000mlフラスコに、ジメチロールブタン酸15.6部、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン44.1部、メチルエチルケトン60.0部を仕込み、フラスコ内を乾燥窒素で置換し、攪拌しながら80℃まで昇温した。攪拌下、イソホロンジイソシアネート60.4部を10分で滴下し、6時間反応させた。反応物を65℃に冷却し、水322.8部、25%のアンモニア水7.2部を添加し、昇温して、溶剤であるメチルエチルケトン60.0部を脱溶剤した。室温に冷却後、さらに水を添加して樹脂固形分が25.0%になるように調整し、ウレタン樹脂の重量平均分子量が2400で、酸価が49であるエマルジョン状の水性ウレタン樹脂溶液(M)を得た。
【0056】
実施例1
140mlマヨネーズ瓶に、フタロシアニン系青色顔料(東洋インキ製造株式会社製 リオノールブルー FG7351)8.00部、ウレタン樹脂水溶液(A)3.20部、アジピン酸ジヒドラジド0.17部、水8.63部、および直径2mmのスチールボール(東レ株式会社製「トレセラム ボール・ビーズ φ2.0」)125部を仕込み、ペイントシェーカー(淺田鉄工株式会社製「ペイントシェーカー」)に設置して2時間分散することによって、高顔料濃度の顔料分散体を作成した。作成した高濃度顔料分散体の粘度を、R型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて25℃、湿度65%の条件下で測定した。このときの値をミルベース粘度とする。また、この分散体を、処理OPPフィルム(東洋紡績社製「パイレンP2161」)上に、バーコーターNo.4(第一理化株式会社製)を用いて塗布し、60℃の乾燥オーブンで1分間乾燥乾燥させた後、光沢計(BYKガードナー社製「マイクロ−トリグロス光沢計」)を用いて25℃、湿度65%の条件下、塗膜の60度光沢値を測定した。このときの値を、ミルベース光沢とする。つづいて、作成した顔料分散体を、ジスパー(特殊機化工業株式会社製「T.K.ホモジスパー」)を用いて300rpmで攪拌しながら、水7.57部および水性ウレタン系バインダー樹脂ワニス(樹脂固形分24.0%、イソプロピルアルコール10.0%、水65.83%、アンモニア0.17%から成る)29.58部を3分間で滴下し、顔料分散体(インキ)を得た。得られた顔料分散体(インキ)について、高顔料濃度分散体と同様の方法で、光沢値を測定した。顔料分散体(インキ)の光沢値をインキ光沢とする。つづいて、得られた顔料分散体(インキ)について、光沢測定と同様の方法で作成した塗膜フィルムを水に浸漬した。3時間後、この塗膜フィルムを取り出すと同時に、塗膜表面を互いに擦りあわせることによって、塗膜の剥がれ具合を目視で確認した。このとき、塗膜が全く剥がれない場合は耐水性◎、わずかに剥がれる場合は○、半分程度の面積が剥がれる場合は△、大部分の面積が剥がれる場合は×として評価した。
【0057】
実施例2
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0058】
実施例3
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(C)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0059】
実施例4
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(D)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0060】
実施例5
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(E)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0061】
実施例6
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(F)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0062】
実施例7
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(G)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0063】
実施例8
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(H)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0064】
実施例9
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(I)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0065】
比較例1
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(J)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0066】
比較例2
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(K)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0067】
比較例3
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、ウレタン樹脂水溶液(L)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0068】
比較例4
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、水性ウレタン樹脂溶液(M)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0069】
比較例5
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、純粋で25%に希釈したSARTOMER社製SMA1000H(酸価481であるスチレン−無水マレイン酸共重合体の水溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
【0070】
比較例6
ウレタン樹脂水溶液(A)を用いるかわりに、純水で25%に希釈したジョンソンポリマー株式会社製Joncryl57(重量平均分子量4900、酸価215であるスチレン−アクリル系樹脂水溶液)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
以上の実施例および比較例について、結果を以下の表1にまとめた。
【0071】
表1
【表1】
【0072】
物性としては、ミルベース粘度が低く、ミルベース光沢およびインキ光沢がともに高いことが理想的であり、これらのいずれの条件が欠けていても、好ましくない。例えばミルベース粘度が低く、ミルベース光沢も高いが、インキ光沢が著しく低い場合は、インキとしての発色性が非常に悪いという意味で好ましくない。これは、分散樹脂単独で使用した場合の分散性は良好であるが、従来問題とされているウレタン系バインダーとの相溶性が悪いために、バインダー樹脂で希釈した際、顔料の凝集、沈降がおこっていると考えられる。
【0073】
【発明の効果】
本発明者は、一般的に広く知られている方法で容易に合成することが可能であり、高顔料濃度という厳しい条件下においても、分散性、流動性、発色性、貯蔵安定性に優れ、インキや塗料に用いたときの形成皮膜の耐水性およびフィルム等の塗工基材に対する密着性が良好であり、かつ、従来の界面活性剤や各種顔料分散剤では成し得なかった、ウレタン系バインダー樹脂との相溶性に極めて優れたウレタン系顔料分散樹脂を提供できた。
Claims (6)
- ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂を含む顔料分散剤であって、前記ポリオール及びポリイソシアネートそれぞれの70モル%以上の分子量が、500以下であり、
かつ、ポリオールが、アニオン基を含むポリオールを含み、ウレタン樹脂の酸価が、水性分散剤として用いる場合は、50〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)であり、水性分散体として用いない場合は、20〜150(KOHmg/樹脂固形分1g)である顔料分散剤。 - ウレタン樹脂の重量平均分子量が、1000〜100000である請求項1記載の顔料分散剤。
- 請求項1または2記載の顔料分散剤100重量部に対して、顔料0.1〜100000重量部含む顔料分散体。
- 25℃における粘度が、1000mPa・s以下である請求項3記載の顔料分散体。
- バーコーターNo.4を用いてOPPフィルムに塗布したときの60度光沢値が50以上である請求項3または4記載の顔料分散体。
- 請求項3〜5いずれか記載の顔料分散体を含むインキ。
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