JP2005144750A - 射出発泡成形方法及び発泡成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に気泡が存在せず、外観が秀麗であり、局所的なヒケや反りの発生を抑制することができる射出発泡成形方法を提供する。
【解決手段】射出発泡成形方法は、(A)樹脂可塑化・溶融手段によって、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融し、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量した後、(B)キャビティ内に該溶融熱可塑性樹脂を射出し、次いで、(C)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスを該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させ、その後、(D)キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少によるキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させ、(E)固定金型部と可動金型部を型開きし、発泡成形品を取り出す、各工程を具備する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、射出発泡成形方法、及び、係る射出発泡成形方法によって得られる発泡成形品に関する。
熱可塑性樹脂製の発泡成形品は、従来、化学的発泡剤あるいは物理的発泡剤を用いて成形されている。化学的発泡剤を用いる発泡成形方法においては、通常、原料である熱可塑性樹脂と、成形温度において分解してガスを発生する低分子量の有機発泡剤とを混合し、混合物を有機発泡剤の分解温度以上に加熱することにより、熱可塑性樹脂を溶融させると共に、発泡剤の分解によりガスを発生させ、これによって発泡成形品を成形する。一方、物理的発泡剤を用いる成形方法においては、加圧下、溶融熱可塑性樹脂にブタンやペンタン、ジクロロジフロロメタンといった低沸点有機化合物を供給し、混練した後、混練物を低圧域に放出することによって発泡成形品を成形する。また、従来、一般的な射出発泡成形方法として、キャビティを満たすに足りない量の発泡性の溶融成形材料をキャビティ内に射出して発泡させる方法が採用されている。
しかしながら、これらの化学的発泡剤あるいは物理的発泡剤を用いる成形方法にあっては、発泡セルの微細化及び発泡セルの高密度・均一分散化を達成することが困難である。そのため、これらの化学的発泡剤あるいは物理的発泡剤を用いる成形方法にて得られた発泡成形品は、機械的強度が比較的低くなる等の問題を有している。
そこで、発泡セルの微細化及び発泡セルの高密度・均一分散化を図るべく、特開平10−230528号公報や特許第2625576号公報には、超臨界流体を発泡剤として用いる発泡成形方法が開示されている。これらの発泡成形方法においては、超臨界流体としての超臨界不活性ガスを溶融樹脂に十分均一に溶解させ、これを金型のキャビティ内に圧力を加えながら射出し、その後、キャビティ内の圧力を急激に減少させることにより発泡させて、発泡成形品を得る。
これらの超臨界流体を発泡剤として用いる発泡成形方法にあっては、超臨界流体における、液体に近い優れた溶解性と気体に近い優れた拡散性を利用することができるので、超臨界流体を短時間で溶融樹脂に含浸させることが可能となる。そのため、発泡セル径を微細化することが可能となり、発泡成形品の強度物性の低下を防ぐことができる。
特開平10−230528号 特許第2625576号
ところで、これらの特許公開公報や特許公報に開示された従来の超臨界流体を利用する発泡成形方法では、発泡成形品の表面にも発泡セル(気泡)が存在するが故に、外観が秀麗な発泡成形品を得ることが困難である。また、局所的なヒケや反りの発生を抑制することができる一方、発泡成形品全体の強度が犠牲となってしまうといった問題を有する。
従って、本発明の目的は、表面に発泡セル(気泡)が存在せず、外観が秀麗であり、局所的なヒケや反りの発生を抑制することができ、しかも、高い強度を有する発泡成形品、及び、係る発泡成形品を成形するための射出発泡成形方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の射出発泡成形方法は、
(a)熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段、並びに、
(b)固定金型部と可動金型部とから成り、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されるキャビティ、該キャビティに開口した溶融樹脂射出部、及び、該溶融樹脂射出部と樹脂可塑化・溶融手段とを結ぶ溶融樹脂流路を有する金型組立体、
を備えた射出成形装置を用いた射出発泡成形方法であって、
(A)樹脂可塑化・溶融手段によって、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融し、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量する工程と、
(B)樹脂可塑化・溶融手段から、溶融樹脂流路及び溶融樹脂射出部を経由して、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されたキャビティ内に、該計量された溶融熱可塑性樹脂を射出する工程と、
(C)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスをキャビティ内の該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させる工程と、
(D)キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させる工程と、
(E)固定金型部と可動金型部を型開きし、発泡成形品を取り出す工程、
を具備することを特徴とする。
尚、前記工程(A)において、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量するが、具体的には、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させた後、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を計量してもよいし、あるいは又、溶融熱可塑性樹脂を計量した後、計量された溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させてもよいし、あるいは又、一定流量でガスを溶融熱可塑性樹脂に溶解させながら計量してもよい。
本発明の射出発泡成形方法にあっては、前記工程(A)において溶融された熱可塑性樹脂にガスを溶解させたとき、超臨界状態又は亜臨界状態にあることが好ましい。一般に、系の状態が或るパラメータに依存し、その或る値の上下で状態が不連続に変化するとき、その値で表わされる条件を臨界という。そして、パラメータの値が臨界値の下にある条件を亜臨界(subcritical)、上側にある条件を超臨界(supercritical)と呼ぶ。
以上の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、ガスとして、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又は、二酸化炭素と窒素の混合ガスを例示することができる。尚、二酸化炭素ガス及び窒素ガスの臨界温度(気化し得る最高温度)、臨界圧力(そのときの圧力)は以下のとおりである。
[表1]
臨界温度 臨界圧力
二酸化炭素ガス 31.1゜C 7.38×106Pa
窒素ガス −147 ゜C 3.42×106Pa
以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、前記工程(A)においてガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を計量するとき、溶融熱可塑性樹脂の圧力は、計量動作及びガスの溶解を阻害しない限り高いことが望ましく、具体的には、5×106Pa以上とすることが好ましい。5×106Pa未満では、樹脂可塑化・溶融手段内部でガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂が発泡してしまい、計量動作が阻害される場合がある。尚、溶融熱可塑性樹脂への圧力(背圧)は、樹脂可塑化・溶融手段によって加えることができる。
溶融熱可塑性樹脂の計量値は、未発泡状態においてキャビティを充満するに足る量である。そして、前記工程(C)の終了時において、樹脂可塑化・溶融手段内部に溶融熱可塑性樹脂が残る量(即ち、具体的には、射出・保圧工程終了時においても、例えば射出用シリンダーにクッション量が残る量)であることが望ましい。溶融熱可塑性樹脂の計量値は、熱可塑性樹脂の可塑化・溶融時の温度、圧力等に依存するが、キャビティの体積を越えることはない。尚、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を計量するときの溶融熱可塑性樹脂の圧力が、射出時の溶融熱可塑性樹脂の圧力及び保圧時の圧力よりも高い場合、計量されたガス溶解状態にある熱可塑性樹脂の体積がキャビティの体積よりも少ないときでも、溶融熱可塑性樹脂によってキャビティを完全に充満することが可能である場合があるが、このような場合であっても、工程(C)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることで、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスをキャビティ内の該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させることが重要である。
前記工程(A)において、樹脂可塑化・溶融手段をインラインスクリュー方式の射出成形機から構成し、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融すると共に、溶融された熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量してもよい。あるいは又、プランジャー方式の射出成形機から構成し、樹脂可塑化・溶融手段を加熱シリンダー及びリザーバから構成し、加熱シリンダー内で予め熱可塑性樹脂を可塑化・溶融し、かかる溶融熱可塑性樹脂をリザーバに移送し、リザーバ内で溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量してもよい。尚、ガスの溶解量は、熱可塑性樹脂の種類、ガスの種類、圧力及び温度に依存するので、一義的に決定することはできない。
以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、工程(B)においてガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティに射出したとき、キャビティ内において溶融熱可塑性樹脂が発泡してもよい。たとえ、このような状態になったとしても、本発明の射出発泡成形方法にあっては、次の工程(C)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中において発泡したガスを溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させるので、発泡成形品の表面に発泡セル(気泡)が生じることを確実に抑制することができる。即ち、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティに射出したときキャビティ内において溶融熱可塑性樹脂が発泡しない場合には、前記工程(C)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡が抑制される。一方、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティに射出したときキャビティ内において溶融熱可塑性樹脂が発泡する場合には、前記工程(C)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスがキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中に再溶解され、しかも、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡が抑制される。
尚、前記工程(B)において計量された溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出する前に、予め、キャビティ内に加圧流体を充填しておいてもよい。このような構成を採用することで、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出したとき、かかる溶融熱可塑性樹脂が減圧状態となってキャビティ内で発泡が生じるといった現象の発生を確実に回避することができる。ここで、キャビティ内を充填する加圧流体として、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又は、二酸化炭素と窒素の混合ガスを例示することができる。また、キャビティ内を充填した加圧流体の圧力は、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出圧力未満であればよく、前記工程(C)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制できる圧力の下限以上とすることが望ましく、より具体的には、1×107Pa以下とすることが望ましい。尚、キャビティは完全な密閉空間とは成り得ないので、キャビティ内へのガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂の射出時、パーティング面や突き出し部から殆どの加圧流体は外部に排出され、加圧流体の一部はキャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂中に溶解する。
以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、前記工程(C)において、保圧操作によってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加える構成とすることができる。このような構成を採用することで、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出した後、不所望の時点で、かかる溶融熱可塑性樹脂が減圧状態となって溶融熱可塑性樹脂がキャビティ内で発泡するといった現象が発生することを抑制することができる。尚、保圧操作においては、樹脂可塑化・溶融手段から、溶融樹脂流路及び溶融樹脂射出部の内部に存在する溶融熱可塑性樹脂を介してキャビティ内の熱可塑性樹脂に圧力が加えられる。保圧操作において、キャビティ内の熱可塑性樹脂に加わる圧力は、射出時金型温度(溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出したときの、キャビティを構成する金型面の温度)、熱可塑性樹脂の種類や温度、使用するガスの種類等によって変化し、一義的に決定することはできないが、好ましくは5×106Pa以上、より好ましくは1.5×107Pa以上であることが望ましい。また、保圧を持続させる時間は、射出時金型温度、熱可塑性樹脂の種類や温度、使用するガスの種類、成形品の肉厚、所望とする軽量化率によって変化し、一義的に決定することはできないが、好ましくは0.2秒以上、より好ましくは1.0秒以上であり、好ましくは15秒以下、より好ましくは10秒以下である。
ここで、前記工程(C)において、保圧操作によってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加える形態を採用した以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、前記工程(D)において、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に加えられている圧力をキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスが発泡し得る圧力以下として、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させてもよいが、ガスを確実に発泡させるために、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止し、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させることが好ましい。
そして、この場合、前記工程(D)において、
(1)保圧操作の停止によって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する構成、
(2)溶融樹脂射出部内における溶融熱可塑性樹脂の固化によって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する構成、
(3)溶融樹脂射出部を機械的に閉鎖することによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する構成、
(4)溶融樹脂流路を機械的に閉鎖することによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する構成、
(5)樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖することによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する構成、
のいずれか1つ、あるいは、これらの(1)〜(5)の構成の任意の組合せを採用することが、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂が減圧状態となってキャビティ内で確実に発泡が生じるといった観点から好ましい。
尚、上記(2)の場合、溶融樹脂射出部内における溶融熱可塑性樹脂を固化させる具体的な方法として、例えば、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了後、金型組立体に配設された加熱手段の一部分(溶融樹脂射出部近傍に配置された加熱手段の部分)を不作動状態とすることで、溶融樹脂射出部内に存在する溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させ、固化させる方法とすることができる。また、上記(3)の場合、溶融樹脂射出部を例えばバルブゲートとし、溶融樹脂射出部を機械的に閉鎖する具体的な手段をシャットオフピンとすることができる。更には、上記(4)の場合、溶融樹脂流路を機械的に閉鎖する手段として、例えばバルブゲートとシャットオフピンの組合せを例示することができる。また、上記(5)の場合、樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖する手段として、例えばシャットオフバルブを例示することができる。
以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、前記工程(C)において、キャビティの体積を減少させることによってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加える構成とすることもできる。このような構成を採用することで、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出した後、不所望の時点で、かかる溶融熱可塑性樹脂が減圧状態となって溶融熱可塑性樹脂がキャビティ内で発泡するといった現象が発生することを抑制することができる。尚、このような構成にあっては、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の圧力が高く、しかも、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少が少ない場合、前記工程(D)においてキャビティの体積を増加させてもよい。キャビティの体積減少によってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えたとき、一般に、溶融樹脂射出部から遠くに位置するキャビティの部分内の溶融熱可塑性樹脂にはキャビティの体積減少によって圧力が加えられ、溶融樹脂射出部の近くに位置するキャビティの部分内の溶融熱可塑性樹脂にはキャビティの体積減少、及び、例えば保圧操作によって圧力が加えられる。
尚、前記工程(D)においては、金型組立体から発泡成形品を取り出したとしても、発泡による局所的な膨れが発泡成形品に生じない状態となるまで冷却・固化することが好ましい。この膨れが生じなくなるまでの冷却時間は、射出時金型温度や、冷却時金型温度(キャビティ内に射出された熱可塑性樹脂がキャビティ内で冷却されているときの、キャビティを構成する金型面の温度)、熱可塑性樹脂の種類や温度、使用するガスの種類、成形品の肉厚、所望とする軽量化率によって変化し、一義的に決定することはできないが、好ましくは5秒以上、より好ましくは20秒以上とすることが望ましい。
以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、キャビティを構成する金型面の少なくとも一部は、熱伝導率が13(W・m-1・K-1)以下(15Kcal・m-1・hr-1・deg-1)の入れ子から構成されていることが好ましい。更には、入れ子はセラミックス材料から作製されていることが好ましく、広くは、ジルコニア系材料、部分安定化ジルコニア、アルミナ系材料、K2O−TiO2から成る群から選択されたセラミックス、若しくは、ソーダガラス、石英ガラス、耐熱ガラス及び結晶化ガラスから成る群から選択されたガラスから作製することが望ましい。より具体的には、入れ子を構成する具体的な材料として、ZrO2、ZrO2−CaO、ZrO2−Y23、ZrO2−MgO、ZrO2−SiO2、ZrO2−CeO2、K2O−TiO2、Al23、Al23−TiC、Ti32、3Al23−2SiO2、MgO−SiO2、2MgO−SiO2、MgO−Al23−SiO2及びチタニアから成る群から選択されたセラミックス、若しくは、石英ガラス及び結晶化ガラスから成る群から選択されたガラスを挙げることができるが、中でも、部分安定化ジルコニアを含むジルコニア(ZrO2)から入れ子が作製されていることが好ましい。尚、部分安定化ジルコニアにおける部分安定化剤は、カルシア(酸化カルシウム,CaO)、イットリア(酸化イットリウム,Y23) 、マグネシア(酸化マグネシウム,MgO)、シリカ(酸化珪素,SiO2)及びセリア(酸化セリウム,CeO2)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成ることが好ましい。ジルコニア中に含有される部分安定化剤の割合は、部分安定化剤がカルシアの場合、3モル%乃至15モル%、好ましくは6モル%乃至10モル%、イットリアの場合、1モル%乃至8モル%、好ましくは2モル%乃至5モル%、マグネシアの場合、4モル%乃至15モル%、好ましくは8モル%乃至10モル%、セリアの場合、3モル%乃至18モル%、好ましくは6モル%乃至12モル%であることが望ましい。
以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、熱可塑性樹脂を、非晶性熱可塑性樹脂とすることができる。そして、この場合、前記工程(B)及び工程(C)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上とし、前記工程(D)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg未満とすることが好ましい。あるいは又、以上の種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法にあっては、熱可塑性樹脂を、結晶性熱可塑性樹脂とすることができる。そして、この場合、前記工程(B)及び工程(C)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂の融点Tm以上とし、前記工程(D)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂の結晶化開始温度Tc以下とすることが好ましい。尚、非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂から構成された混合物とすることもできる。ここで、熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂であるか否かは、一般に示差走査熱量測定(DSC)法により明確な融点(急激な吸熱を示す温度)が確認されるか否かによって判断される。明確な融点が確認されない樹脂が非晶性熱可塑性樹脂である。一方、明確な融点が確認される樹脂が結晶性熱可塑性樹脂である。尚、非晶性熱可塑性樹脂においては、ガラス転移温度Tgを前後して熱可塑性樹脂の固化及び軟化が発生する。他方、結晶性熱可塑性樹脂においては、融点Tm以上で溶融し、結晶化開始温度Tc以下で結晶が生成し、発達し、熱可塑性樹脂の固化が生じる。
結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール,POM)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンエチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂を挙げることができる。また、非晶性熱可塑性樹脂として、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂(直鎖状のポリカーボネート樹脂及び主鎖に分岐を有するポリカーボネート樹脂を含む)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エラストマーを挙げることができる。
更には、ポリマーアロイ材料から成る熱可塑性樹脂を用いることができる。ここで、ポリマーアロイ材料は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたもの、又は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を化学的に結合させたブロック共重合体若しくはグラフト共重合体から成る。ポリマーアロイ材料は、単独の熱可塑性樹脂のそれぞれが有する特有な性能を合わせ持つことができる高機能材料として広く使用されている。少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料を構成する熱可塑性樹脂として、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;変性PPE樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポリオキシメチレン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂を挙げることができる。2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイ材料を例示することができる。尚、このような樹脂の組合せを、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂と表記する。以下においても同様である。更に、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカーボネート樹脂/PET樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂/PET樹脂、変性PPE樹脂/HIPS樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミド系樹脂、変性PPE樹脂/PBT樹脂/PET樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミドMXD6樹脂、ポリオキシメチレン樹脂/ポリウレタン樹脂、PBT樹脂/PET樹脂を例示することができる。
尚、以上に説明した各種の熱可塑性樹脂に、添加剤や、充填剤、強化剤を加えることもできる。
添加剤として、可塑剤;安定剤;酸化防止剤:紫外線吸収剤;ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド等の有機ニッケル化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線安定剤;帯電防止剤;難燃剤;バイナジン、プリベントール、チアベンダゾール等の防かび剤;流動パラフィン、ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイド等の滑剤;ADCA等の有機発泡剤;透明核剤;有機顔料、無機顔料といった各種の着色剤;架橋剤;アクリルグラフトポリマー、MBS等の耐衝撃強化剤を挙げることができる。
可塑剤として、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸類;リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリクレシル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;オレイン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸−n−ヘキシン、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸塩基エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート等のアルコールエステル類;クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸ジブチル等のオキシ酸エステル類;トリメリット系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;塩化パラフィン系可塑剤を挙げることができる。
安定剤として、ジ−n−オクチルスズ化合物、ジ−n−ブチルスズ化合物、ジメチルスズ化合物等の有機スズ系安定剤;三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ケイ酸鉛等の鉛化合物系安定剤;カドミウム石けん、鉛石けん、亜鉛石けん等の金属石けん系安定剤;リン酸トリスノニル;リン酸トリスノニルフェニル等を挙げることができる。
酸化防止剤として、ジブチルクレゾール、ブチルヒドロキシアニソール等のフェノール系酸化防止剤;メチレンビス(メチルブチルフェノール)、チオビス(メチルブチルフェノール)等のビスフェノール系酸化防止剤;トリス(メチルヒドロキシブチルフェニル)ブタン、トコフェノール等のポリフェノール系酸化防止剤;ジミリスチルチオジプロピオネート等の有機イオウ化合物;トリス(モノ/ジノニルフェニル)ホスファイト等の有機リン化合物を挙げることができる。
紫外線吸収剤として、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;(ヒドロキシメチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;アクリル酸エチルヘキシルシアノジフェノニル等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤を挙げることができる。
帯電防止剤として、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤系帯電防止剤;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤系帯電防止剤;第4級アンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤系帯電防止剤;両性系界面活性剤;電導性樹脂を挙げることができる。
難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA、ポリブロモビフェノール、ビス(ヒドロキシジブロモフェニル)プロパン、塩化パラフィン等のハロゲン系難燃剤;リン酸アンモニウム、リン酸トリクレジル等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン;赤リン;酸化スズ等を挙げることができる。
また、充填剤、強化剤として、無機系材料;ステンレス鋼繊維、高強度アモルファス金属繊維、ステンレス箔、スチール箔、銅箔等の金属系材料;高分子ポリエチレン繊維、高強力ポリアレート繊維、パラ系全芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、PEEK繊維、PEI繊維、PPS繊維、フッ素樹脂繊維、フェノール樹脂繊維、ビニロン繊維、ポリアセタール繊維等の有機系材料;粉系材料を挙げることができる。
無機系の充填剤、強化剤として、ガラス繊維、ガラス長繊維、石英ガラス繊維等のガラス系材料;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、グラファイトウィスカ等の炭素系材料;炭化ケイ素繊維、炭化ケイ素連続繊維、炭化ケイ素ウィスカ、炭化ケイ素ウィスカシート等の炭化ケイ素系材料;ボロン繊維といったボロン系材料;Si−Ti−C−O繊維といったSi−Ti−C−O系材料;チタン酸カリウム繊維、チタン酸カリウムウィスカ、チタン酸カリウム系導電性ウィスカ等のチタン酸カリウム系材料;窒化ケイ素ウィスカ、窒化ケイ素ウィスカシート等の窒化ケイ素系材料;硫酸カルシウムウィスカといった硫酸カルシウム系材料を挙げることができる。
粉系の充填剤、強化剤として、マイカフレーク、マイカ粉、シラスバルーン、シリカ微粉、タルク粉、水酸化アルミニウム粉、水酸化マグネシウム粉末、マグネシウムシリケート粉末、硫酸カルシウム微粉、球状中空ガラス粉、金属化粉、高純度合成シリカ微粉、二硫化タングステン粉末、タングステンカーバイト粉、ジルコニア微粉、ジルコニア系微粉末、部分安定化ジルコニア粉末、アルミナ−ジルコニア複合粉末、複合金属粉末、鉄粉、アルミニウム粉、モリブデン金属粉、タングステン粉、窒化アルミニウム粉末、ナイロン微粒子粉、シリコーン樹脂微粉末、スピネル粉末、アモルファス合金粉末、アルミフレーク、ガラスフレークを挙げることができる。
上記の目的を達成するための本発明の発泡成形品は、以上に説明した種々の好ましい形態を含む本発明の射出発泡成形方法によって成形された熱可塑性樹脂製の発泡成形品であって、以下の式(1)、好ましくは以下の式(1’)、更に好ましくは以下の式(1”)を満足していることを特徴とする。
0.001×(1−ρ0/ρ1)<V1/V0<1.2×(1−ρ0/ρ1) (1)
0.003×(1−ρ0/ρ1)<V1/V0<1.0×(1−ρ0/ρ1) (1’)
0.005×(1−ρ0/ρ1)<V1/V0<0.8×(1−ρ0/ρ1) (1”)
ここで、
0:発泡成形品の体積
1:発泡成形品内に存在する気泡の体積合計
ρ0:溶融熱可塑性樹脂の密度(ガス溶解前の溶融熱可塑性樹脂の密度)
ρ1:使用した熱可塑性樹脂の密度(発泡成形品の密度ではない)
である。
本発明の発泡成形品は厚肉部と薄肉部とを有し、厚肉部の密度ρthick及び薄肉部の密度ρthinが以下の式(2)、好ましくは以下の式(2’)、更に好ましくは以下の式(2”)を満足していることが望ましい。
ρthick<0.99×ρthin (2)
ρthick<0.97×ρthin (2’)
ρthick<0.95×ρthin (2”)
発泡成形品における厚肉部及び薄肉部の概念は相対的なものであり、厚肉部の厚さは、薄肉部の厚さよりも厚い。一般に、薄肉部を成形すべきキャビティの部分内に位置する溶融熱可塑性樹脂は工程(C)において冷却が開始され、係るキャビティの部分内に位置する熱可塑性樹脂においては発泡が生じないか、生じても僅かである。一方、厚肉部を成形すべきキャビティの部分内に位置する溶融熱可塑性樹脂は工程(D)において冷却が開始され、係るキャビティの部分内に位置する熱可塑性樹脂においては発泡が生じる。従って、発泡成形品において、薄肉部と厚肉部とでは、発泡状態が異なる。例えば、厚さ1mmの薄肉部と、厚さ3mmの厚肉部を有する発泡成形品において、工程(C)及び工程(D)の時間的長さ、圧力を調整することによって、厚さ1mmの薄肉部に発泡を生じさせず、厚さ3mmの厚肉部に発泡を生じさせることが可能であるし、例えば、厚さ3mmの薄肉部と、厚さ6mmの厚肉部を有する発泡成形品において、工程(C)及び工程(D)の時間的長さ、圧力を調整することによって、厚さ3mmの薄肉部に発泡を生じさせず、厚さ6mmの厚肉部に発泡を生じさせることが可能である。
本発明の発泡成形品において、厚肉部は、リブ部あるいはボス部から構成されている形態とすることができる。即ち、発泡成形品には偏肉部が存在し、この偏肉部がリブ形状又はボス形状を有する構造とすることができる。そして、リブ部あるいはボス部の付け根部の密度ρbase及び使用した熱可塑性樹脂の密度ρ1が以下の式(3)、好ましくは以下の式(3’)、更に好ましくは以下の式(3”)を満足していることが望ましい。
ρbase<0.99×ρ1 (3)
ρbase<0.97×ρ1 (3’)
ρbase<0.95×ρ1 (3”)
更には、以上の種々の好ましい形態を含む本発明の発泡成形品においては、表面から少なくとも20μmの深さの所、好ましくは表面から少なくとも55μmの深さの所までは気泡が存在していないことが望ましい。即ち、本発明の発泡成形品の表面には発泡層が存在せず、表面から20μmの深さの所、あるいは、それよりも深い所に発泡部分が存在することが望ましい。
固定金型部や可動金型部は、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金等の金属材料から作製することができる。また、溶融樹脂射出部の構造は、公知の如何なる形式の溶融樹脂射出部(ゲート構造)とすることもでき、例えば、ダイレクトゲート構造、サイドゲート構造、ジャンプゲート構造、ピンポイントゲート構造、トンネルゲート構造、リングゲート構造、ファンゲート構造、ディスクゲート構造、フラッシュゲート構造、タブゲート構造、フィルムゲート構造を例示することができる。固定金型部における溶融樹脂流路の構造として、スプルーとコールドランナーの組合せ、あるいは又、ホットランナーを挙げることができる。
本発明の射出発泡成形方法にあっては、工程(C)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスをキャビティ内の該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させ、工程(D)においてキャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下によって、熱可塑性樹脂中に溶解していたガスが発泡し、発泡部分が形成される。通常、工程(D)においてキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の冷却・固化は、キャビティを構成する金型面近傍の溶融熱可塑性樹脂の部分から開始する。そして、係る溶融熱可塑性樹脂の部分において発泡が開始する前に、係る溶融熱可塑性樹脂の部分の冷却・固化が開始されるので、本発明の射出発泡成形方法によって得られた発泡成形品、あるいは、本発明の発泡成形品にあっては、表面に発泡セル(気泡)が形成されることが無く、外観が秀麗な発泡成形品を得ることができる。しかも、局所的なヒケや反りの発生を抑制することができる。また、薄肉部と厚肉部とを有する発泡成形品において、薄肉部と厚肉部とでは発泡状態が異なる。従って、薄肉部の強度が低下するといった現象の発生を確実に防ぐことができる。また、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う圧力低下は厚肉部において顕著であり、従って、薄肉部よりも厚肉部において一層、発泡が生じる結果、厚肉部を確実に軽量化することができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の射出発泡成形方法及び発泡成形品に関する。実施例1における金型組立体30(固定金型部と可動金型部とを型締めした後の状態にある)の模式的な断面図を図1に示し、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段である射出用シリンダー10の一部を切り欠いた模式図を図2に示す。また、発泡成形品の模式的な底面図、正面図、右側面図を図3に示す。発泡成形品50は、板状部(薄肉部)51から突出したリブ部(厚肉部)53を有する。発泡成形品50の大きさを、縦×横=100mm×100mmとし、板状部(薄肉部)51の厚さ(t1)を2.0mm、リブ部(厚肉部)53の厚さ(t2)及び高さ(h)を5.0mmとした。尚、参照番号52は、板状部(薄肉部)51の意匠面を示す。
実施例1の射出成形装置は、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段である射出用シリンダー10、並びに、金型組立体30を備えている。射出用シリンダー10に配設されたスクリュー12を、限定するものではないが、熱可塑性樹脂を可塑化、溶融すると同時にプランジャの作用も有する形式のインラインスクリュー方式とした。射出用シリンダー10は、具体的には、加熱シリンダー11及びスクリュー12を備えている。このスクリュー12は、減速歯車14を介して油圧モータ15によって回転させられる。加熱シリンダー11には、ガス導入部20が設けられており、図示しないガス源から図示しない配管、このガス導入部20を介して加熱シリンダー11内にガスを導入することができる。尚、図2中、参照番号16はホッパ、参照番号17は射出ラム、参照番号18は射出用油圧シリンダー、参照番号19は射出装置前進後退用シリンダー、参照番号19A,19Bは油圧配管、参照番号19Cは圧力計である。
図1に示すように、金型組立体30は、鋼材から作製された固定金型部31及び可動金型部32から成り、固定金型部31と可動金型部32とを型締めすることによって形成されるキャビティ35、このキャビティ35に開口した溶融樹脂射出部34、及び、この溶融樹脂射出部34と樹脂可塑化・溶融手段である射出用シリンダー10とを結ぶ溶融樹脂流路33を有する。溶融樹脂射出部34は、具体的には、サイドゲート構造を有する。また、溶融樹脂流路33は、具体的には、スプルーとコールドランナーの組合せから成る。固定金型部31は、射出成形装置に備えられた固定金型部取付板(固定プラテン)36に取り付けられている。一方、可動金型部32は、射出成形装置に備えられた可動金型部取付板(可動プラテン)37に取り付けられている。そして、可動金型部取付板(可動プラテン)37は、型締め用油圧シリンダー38A内の油圧ピストン38Bの作動によってタイバー39上を平行移動できる構造となっており、油圧ピストン38Bの作動によって、固定金型部31と可動金型部32とは型締めされ(図1参照)あるいは型開きされる。キャビティ35の形状を、図3に示す発泡成形品が成形できる形状とした。尚、図3の矢印で示す部分は、溶融樹脂射出部34の跡である。また、固定金型部31においては、キャビティ35を構成する金型面の少なくとも一部[実施例1においてはほぼ全部であり、発泡成形品の板状部(薄肉部)51の意匠面52を形成すべき金型面である]は、熱伝導率が13(W・m-1・K-1)以下の入れ子40、具体的にはセラミックス材料、より具体的にはジルコニア(熱伝導率:4.2W・m-1・K-1)から作製された入れ子40が配設されている。
以下、実施例1の発泡成形方法を説明するが、射出成形装置として、株式会社日本製鋼所製J85−EL−III−MuCelを使用した。また、熱可塑性樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製の非晶性熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンH3000)を使用し、ガスとして窒素ガスを使用した。更には、成形条件を、以下の表2に示すとおりとした。このポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgは145゜Cである。
Figure 2005144750
[工程−100]
先ず、樹脂可塑化・溶融手段10によって、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融し、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量した。実施例1にあっては、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させた後、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を計量した。具体的には、ホッパ16から加熱シリンダー11とスクリュー12との間に投入された熱可塑性樹脂を、加熱シリンダー11及びスクリュー12によって加熱、可塑化、溶融し、更には、ガス導入部20から導入されたガスを加熱シリンダー11内の溶融熱可塑性樹脂に溶解させた後、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を計量し、加熱シリンダー11の先端部(ノズルヘッド部13)とスクリュー12の先端部との間に形成された空隙13Aに蓄えた。尚、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を計量するとき、溶融熱可塑性樹脂の圧力(樹脂計量背圧)を5×106Pa以上とした。また、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させたとき、ガスは超臨界状態にある。樹脂温度(可塑化・溶融された樹脂の温度)、ガスの溶解条件、ガスの概算溶解量、樹脂計量背圧の値を表2に示すとおりとした。
[工程−110]
次に、樹脂可塑化・溶融手段10から、溶融樹脂流路33及び溶融樹脂射出部34を経由して、固定金型部31と可動金型部32とを型締めすることによって形成されたキャビティ35内に、計量された溶融熱可塑性樹脂を射出した。具体的には、樹脂可塑化・溶融手段である射出用シリンダー10を構成するスクリュー12の後端には射出ラム17が取り付けられており、射出ラム17には射出用油圧シリンダー18によって圧力が加えられる。射出用油圧シリンダー18によって射出ラム17に圧力を加えることにより、スクリュー12が前方に押し出され、溶融熱可塑性樹脂に圧力が加わる結果、空隙13Aに蓄えられたガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂は、ノズルヘッド部13から高速にて押し出され、溶融樹脂流路33を経由して溶融樹脂射出部34からキャビティ35へと射出される。尚、射出時金型温度及び射出時間を表2に示すとおりとした。また、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂の射出量は、キャビティ35を未発泡状態の(ガス溶解状態にある)溶融熱可塑性樹脂で完全に充満するに足る量とした。更には、射出完了時においても空隙13Aに溶融熱可塑性樹脂がクッション量として残存する量とした。
[工程−120]
その後、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、キャビティ35内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスをキャビティ35内の該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させた。具体的には、保圧操作によって、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えた。即ち、射出用油圧シリンダー18によって射出ラム17に圧力を加えることにより、スクリュー12が前方に押し出され、空隙13Aに残された溶融熱可塑性樹脂に圧力が加わり、係る圧力が、溶融樹脂流路33及び溶融樹脂射出部34内の溶融熱可塑性樹脂を介してキャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に伝えられた。発泡抑制加圧値(保圧圧力)を80MPa、発泡抑制加圧時間(保圧時間)を2.0秒とした。また、金型温度を射出時金型温度とした。
[工程−130]
射出開始から2.7秒後に、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止した。具体的には、保圧操作を停止することによって(即ち、射出用油圧シリンダー18によって射出ラム17に圧力を加えることを停止することで)、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止した。そして、キャビティ35内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ35内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させた。尚、金型温度を、表2に示す冷却時金型温度とした。
[工程−140]
射出開始から62.7秒まで、キャビティ35内の熱可塑性樹脂を冷却・固化させた後、即ち、冷却時間を60秒とし、その後、固定金型部31と可動金型部32を型開きし、発泡成形品を取り出した。冷却中、金型温度を表2に示す冷却時金型温度に保持した。
得られた発泡成形品には、ヒケが認められず、秀麗な外観を有していた。また、発泡成形品の体積をV0、発泡成形品内に存在する気泡の体積合計をV1、溶融熱可塑性樹脂の密度をρ0、使用した熱可塑性樹脂の密度をρ1としたとき、V0、V1、ρ0、ρ1の値は、以下の表3のとおりであり、これらの値は式(1)を満足していた。また、板状部(薄肉部)51の一部、リブ部(厚肉部)53の一部を切り出して、リブ部(厚肉部)53の密度ρthick及び板状部(薄肉部)51の密度ρthinを測定した。その結果を表3に示すが、これらの値は式(2)を満足していた。更には、リブ部53の付け根部54の密度ρbaseを測定した。その結果を表3に示すが、この値は式(3)を満足していた。また、得られた発泡成形品を切断して断面観察を行い、発泡状態を調べたところ、発泡成形品の表面から少なくとも20μmの深さの所(具体的には、発泡成形品の表面から平均して55μmの深さの所)まで、気泡が存在していないことが確認できた。
[表3]
1/V0:0.003
ρ0 :1.34g/cm3
ρ1 :1.43g/cm3
ρthick :1.36g/cm3
ρthin :1.43g/cm3
ρbase :1.34g/cm3
[比較例1]
比較例1においては、実施例1の[工程−100]と同様の工程において溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させない点、及び、実施例1の[工程−120]と同様の工程における保圧圧力及び保圧時間を変更した点を除き、実施例1の[工程−100]〜[工程−140]と同様の工程を実行した。尚、成形条件を表2に示す。
得られた成形品(当然のことながら、内部は発泡していない)のリブ部にヒケが生じており、秀麗な表面品質を得ることができなかった。
[比較例2]
比較例2においては、実施例1の[工程−120]と同様の工程において発泡抑制加圧時間(保圧時間)を0.1秒とした点を除き、実施例1の[工程−100]〜[工程−140]と同様の工程を実行した。尚、成形条件を表2に示す。
得られた発泡成形品にヒケの発生は認められなかったが、あばた状の外観不良、膨れが生じており、秀麗な外観を得ることができなかった。
実施例2において使用した射出成形装置における熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段は加熱シリンダー61及びリザーバ70から構成されている。そして、加熱シリンダー61内で予め熱可塑性樹脂を可塑化・溶融し、かかる溶融熱可塑性樹脂をリザーバ70に移送し、リザーバ70内で溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量する構成とした。実施例2における樹脂可塑化・溶融手段の模式図を図4に示す。金型組立体は、実施例1において説明した金型組立体と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例2にあっては、加熱シリンダー61内にスクリュー62が配設されている。このスクリュー62は、減速歯車64を介して油圧モータ65によって回転させられる。尚、図4中、参照番号66はホッパ、参照番号67は押出用ラム、参照番号68は押出用油圧シリンダー、参照番号69は射出装置前進後退用シリンダー、参照番号69A,69Bは油圧配管、参照番号69Cは圧力計である。
実施例2においては、実施例1の[工程−100]と同様の工程において、先ず、加熱シリンダー61によって、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融する。具体的には、ホッパ66からスクリュー62に投入された熱可塑性樹脂を、加熱シリンダー61、スクリュー62によって加熱、可塑化、溶融する。そして、押出用油圧シリンダー68によって押出用ラム67に圧力を加えることにより、スクリュー62が前方に押し出され、溶融熱可塑性樹脂に圧力が加わる結果、空隙63Aに蓄えられた溶融熱可塑性樹脂はリザーバ70に移送される。射出用油圧シリンダー71によってリザーバ70の体積を制御することで、リザーバ70において溶融熱可塑性樹脂を計量することができる。また、リザーバ70にはガス導入部72が設けられており、図示しないガス源から図示しない配管、このガス導入部72を介してリザーバ70内にガスを導入することができる。更には、リザーバ70の後端には射出用油圧シリンダー71(油圧配管や圧力計等の図示は省略している)が配設されており、射出用油圧シリンダー71の作動によって、リザーバ70に蓄えられたガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂を高速にて押し出し、溶融樹脂流路33を経由して溶融樹脂射出部34からキャビティ35へと射出することができる。
実施例2においては、実質的に実施例1の[工程−100]〜[工程−140]と同様の工程に基づき、発泡成形品を成形した。尚、実施例2においても、表2に示した実施例1の成形条件と同じ成形条件にて発泡成形品を成形した。ここで、表2における「樹脂温度」は、実施例2においては、リザーバ70内における溶融熱可塑性樹脂の温度を意味する。また、樹脂計量背圧は、射出用油圧シリンダー71によってリザーバ70内に蓄えられたガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂に加えられる圧力を意味する。また、射出用油圧シリンダー71によってリザーバ70内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることにより、係る圧力が、溶融樹脂流路33及び溶融樹脂射出部34内の溶融熱可塑性樹脂を介してキャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に伝わることで、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加え、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、キャビティ35内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスをキャビティ35内の該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させた。更には、保圧操作を停止することによって(即ち、射出用油圧シリンダー71によってリザーバ70内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを停止することで)、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止した。得られた発泡成形品には、実施例1と同様に、ヒケが認められず、秀麗な外観を有していた。
実施例3は、実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例3においては、実施例1の[工程−130]と同様の工程において、溶融樹脂射出部34内における溶融熱可塑性樹脂の固化によってキャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する。
溶融樹脂射出部34内における溶融熱可塑性樹脂を固化させる具体的な方法として、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ35内への射出完了後であって射出開始から1秒が経過した後、固定金型部31に配設された加熱手段(具体的にはヒータであるが、図1には図示していない)の一部分(溶融樹脂射出部近傍に配置されたヒータ)を不作動状態とした。これによって、溶融樹脂射出部34内に存在する溶融熱可塑性樹脂の温度を140゜C以下とし、固化させた。
この点を除き、実施例3における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例3において使用した射出成形装置も実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。
実施例4も、実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例4においては、実施例1の[工程−130]と同様の工程において、溶融樹脂射出部34を機械的に閉鎖することによって、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する。実施例4において、固定金型部31における溶融樹脂流路をホットランナー80とし、溶融樹脂射出部34をバルブゲート83とし、溶融樹脂射出部34を機械的に閉鎖する具体的な手段をシャットオフピン84とした。溶融樹脂流路(ホットランナー80)、バルブゲート83及びシャットオフピン84の模式図を図5に示す。尚、図5中、参照番号81はランナマニホールド、参照番号82は加熱ヒータ、参照番号85は油圧シリンダーである。油圧シリンダー85の動きによって、シャットオフピン84が溶融樹脂射出部34であるバルブゲート83を開閉する。実施例4にあっては、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ35内への射出完了後であって射出開始から2.7秒が経過した後、シャットオフピン84を作動させることによって、溶融樹脂射出部34であるバルブゲート83を機械的に閉鎖した。
この点を除き、実施例4における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例4において使用した射出成形装置も実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。
実施例5も、実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例5においては、実施例1の[工程−130]と同様の工程において、溶融樹脂流路33を機械的に閉鎖することによって、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する。実施例5において、固定金型部31における溶融樹脂流路をホットランナー90とし、溶融樹脂流路(ホットランナー90)を機械的に閉鎖する手段を、バルブゲート93とシャットオフピン94の組合せとした。溶融樹脂流路(ホットランナー90)、バルブゲート93及びシャットオフピン94の模式図を図6に示す。尚、図6中、参照番号91はランナマニホールド、参照番号92は加熱ヒータ、参照番号95は油圧シリンダーである。油圧シリンダー95の動きによって、シャットオフピン94がバルブゲート93を開閉する。実施例5にあっては、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ35内への射出完了後であって射出開始から2.7秒が経過した後、シャットオフピン94を作動させることによってバルブゲート93を閉鎖し、以て、溶融樹脂流路(ホットランナー90)を機械的に閉鎖した。
この点を除き、実施例5における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例5において使用した射出成形装置も実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。また、実施例5において使用した射出成形装置における溶融樹脂射出部34を、実施例4にて説明したと同様に、バルブゲート83とシャットオフピン84の組合せとすることが、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化時に溶融樹脂流路33内の溶融熱可塑性樹脂を固化させないといった観点から好ましい。
実施例6も、実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例6においては、実施例1の[工程−130]と同様の工程において、樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖することによって、キャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止する。実施例6において、図7に模式図を示すように、樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖する手段を、ノズルヘッド部13に配設されたシャットオフバルブ100とした。シャットオフバルブ100は油圧シリンダー101によって前進端及び後進端に位置せしめられ、シャットオフバルブ100が前進端に位置するとき(図7参照)、樹脂可塑化・溶融手段は閉鎖状態となり、シャットオフバルブ100が後進端に位置するとき、樹脂可塑化・溶融手段は開状態となる。実施例6にあっては、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ35内への射出完了後であって射出開始から2.7秒が経過した後、油圧シリンダー101の動作によってシャットオフバルブ100を作動させることによって樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖した。
この点を除き、実施例6における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例6において使用した射出成形装置も実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。尚、実施例2において説明したように、樹脂可塑化・溶融手段を加熱シリンダー61及びリザーバ70から構成する場合、シャットオフバルブをリザーバ70の先端部に配設すればよい。
実施例7も実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例1あるいは実施例2においては、熱可塑性樹脂として非晶性熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を使用した。一方、実施例7にあっては、熱可塑性樹脂として結晶性熱可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、ユピタールF20−03)を使用した。尚、この結晶性熱可塑性樹脂の融点Tmは165゜Cである。
この点を除き、実施例7における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例7において使用した射出成形装置も実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。尚、実施例7における成形条件を表4に示す。また、実施例3〜実施例6を実施例7に適用することができる。
Figure 2005144750
実施例8も実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例1あるいは実施例2においては、ガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出する際のキャビティ35を、大気雰囲気とした。一方、実施例8においては、計量された溶融熱可塑性樹脂をキャビティ35内に射出する前に、予め、キャビティ35内に加圧流体を充填しておいた。ここで、キャビティ35を充填した加圧流体を、圧力5×106Paの窒素ガスとした。尚、キャビティ35は完全な密閉空間とは成り得ないので、キャビティ35内へのガス溶解状態にある溶融熱可塑性樹脂の射出時、パーティング面や突き出し部から殆どの加圧流体は外部に排出され、加圧流体の一部はキャビティ35内に射出された溶融熱可塑性樹脂中に溶解する。
この点を除き、実施例8における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例8において使用した射出成形装置も実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。尚、実施例8における成形条件は表2に示したと同様とすることができる。また、実施例3〜実施例7を実施例8に適用することができる。
実施例9も実施例1あるいは実施例2の変形である。実施例9においては、実施例1の[工程−120]と同様の工程において、保圧操作によってキャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えるだけでなく、キャビティ35の体積を減少させることによってもキャビティ35内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加える。具体的には、実施例9にあっては、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ35内への射出完了後であって射出開始から0.9秒が経過した後、可動金型部32を固定金型部31側に移動させてキャビティ35の体積を減少させた。具体的には、減少前のキャビティ35の体積を1としたとき、減少後のキャビティ35の体積を0.98とした。
この点を除き、実施例9における射出発泡成形方法は、実施例1あるいは実施例2における射出発泡成形方法と同様とすることができるし、実施例9において使用した射出成形装置も、金型組立体における固定金型部31と可動金型部32が印籠構造を有している点を除き、実施例1あるいは実施例2において使用した射出成形装置と同様とすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。実施例にて説明した金型組立体や射出成形装置の構造、構成、実施例にて使用した熱可塑性樹脂、成形条件等は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、成形品を1個取りとしたが、成形品を多数個取りとすることもできる。実施例においては、リブ部を有する発泡成形品を成形したが、代わりに、ボス部を有する発泡成形品を成形することもできる。そして、この場合には、ボス部の付け根部の密度ρbase及び使用した熱可塑性樹脂の密度ρ1が、先に説明した式(3)、好ましくは以下の式(3’)、更に好ましくは以下の式(3”)を満足していることが望ましい。
図1は、実施例1における金型組立体の模式的な断面図である。 図2は、実施例1における熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段である射出用シリンダーの一部を切り欠いた模式図である。 図3は、実施例1における発泡成形品の模式的な底面図、正面図、右側面図を示す図である。 図4は、実施例2における熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段である加熱シリンダー及びリザーバの模式図である。 図5は、実施例4における溶融樹脂射出部を機械的に閉鎖する具体的な手段であるシャットオフノズルを含む溶融樹脂射出部の周辺の模式的な一部断面図である。 図6は、実施例5における溶融樹脂流路、バルブゲート及びシャットオフピンの模式図である。 図7は、実施例6における樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖する手段であるノズルヘッド部に配設されたシャットオフバルブの模式図である。
符号の説明
10・・・樹脂可塑化・溶融手段(射出用シリンダー)、11・・・加熱シリンダー、12・・・スクリュー、13・・・ノズルヘッド部、13A・・・空隙、14・・・減速歯車、15・・・油圧モータ、16・・・ホッパ、17・・・射出ラム、18・・・射出用油圧シリンダー、19・・・射出装置前進後退用シリンダー、19A,19B・・・油圧配管、19C・・・圧力計、20・・・ガス導入部、30・・・金型組立体、31・・・固定金型部、32・・・可動金型部、33・・・溶融樹脂流路、34・・・溶融樹脂射出部、35・・・キャビティ、36・・・固定金型部取付板(固定プラテン)、37・・・可動金型部取付板(可動プラテン)、38A・・・型締め用油圧シリンダー、38B・・・油圧ピストン38B、39・・・タイバー、40・・・入れ子、50・・・発泡成形品、51・・・板状部(薄肉部)、52・・・意匠面、53・・・リブ部(厚肉部)、54・・・付け根部、61・・・加熱シリンダー、62・・・スクリュー、63A・・・空隙、64・・・減速歯車、65・・・油圧モータ、66・・・ホッパ、67・・・押出用ラム、68・・・押出用油圧シリンダー、69・・・射出装置前進後退用シリンダー、69A,69B・・・油圧配管、69C・・・圧力計、70・・・リザーバ、71・・・射出用油圧シリンダー、72・・・ガス導入部、80,90・・・ホットランナー、81,91・・・ランナマニホールド、82,92・・・加熱ヒータ、83,93・・・バルブゲート、84,94・・・シャットオフピン、85,95・・・油圧シリンダー、100・・・シャットオフバルブ、101・・・油圧シリンダー

Claims (24)

  1. (a)熱可塑性樹脂を可塑化・溶融するための樹脂可塑化・溶融手段、並びに、
    (b)固定金型部と可動金型部とから成り、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されるキャビティ、該キャビティに開口した溶融樹脂射出部、及び、該溶融樹脂射出部と樹脂可塑化・溶融手段とを結ぶ溶融樹脂流路を有する金型組立体、
    を備えた射出成形装置を用いた射出発泡成形方法であって、
    (A)樹脂可塑化・溶融手段によって、熱可塑性樹脂を可塑化・溶融し、溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させ、且つ、溶融熱可塑性樹脂を計量する工程と、
    (B)樹脂可塑化・溶融手段から、溶融樹脂流路及び溶融樹脂射出部を経由して、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されたキャビティ内に、該計量された溶融熱可塑性樹脂を射出する工程と、
    (C)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることによって、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中におけるガスの発泡を抑制し、又は、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂中で発泡したガスをキャビティ内の該溶融熱可塑性樹脂中に再溶解させる工程と、
    (D)キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させる工程と、
    (E)固定金型部と可動金型部を型開きし、発泡成形品を取り出す工程、
    を具備することを特徴とする射出発泡成形方法。
  2. 前記工程(A)において溶融熱可塑性樹脂にガスを溶解させたとき、ガスは超臨界状態又は亜臨界状態にあることを特徴とする請求項1に記載の射出発泡成形方法。
  3. ガスは、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又は、二酸化炭素と窒素の混合ガスであることを特徴とする請求項1乃又は請求項2に記載の射出発泡成形方法。
  4. 前記工程(A)において溶融熱可塑性樹脂を計量するとき、溶融熱可塑性樹脂の圧力を5×106Pa以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  5. 前記工程(B)において計量された溶融熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出する前に、予め、キャビティ内に加圧流体を充填しておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  6. 前記工程(C)において、保圧操作によってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  7. 前記工程(D)において、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止し、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却・固化に伴う体積減少に起因したキャビティ内の熱可塑性樹脂における圧力低下に基づきガスを発泡させることを特徴とする請求項6に記載の射出発泡成形方法。
  8. 前記工程(D)において、保圧操作の停止によってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止することを特徴とする請求項7に記載の射出発泡成形方法。
  9. 前記工程(D)において、溶融樹脂射出部内における溶融熱可塑性樹脂の固化によってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止することを特徴とする請求項7に記載の射出発泡成形方法。
  10. 前記工程(D)において、溶融樹脂射出部を機械的に閉鎖することによってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止することを特徴とする請求項7に記載の射出発泡成形方法。
  11. 前記工程(D)において、溶融樹脂流路を機械的に閉鎖することによってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止することを特徴とする請求項7に記載の射出発泡成形方法。
  12. 前記工程(D)において、樹脂可塑化・溶融手段を機械的に閉鎖することによってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを中止することを特徴とする請求項7に記載の射出発泡成形方法。
  13. 前記工程(C)において、キャビティの体積を減少させることによってキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に圧力を加えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  14. キャビティを構成する金型面の少なくとも一部は、熱伝導率が13(W・m-1・K-1)以下の入れ子から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  15. 入れ子はセラミックス材料から作製されていることを特徴とする請求項14に記載の射出発泡成形方法。
  16. 入れ子はジルコニアから作製されていることを特徴とする請求項15に記載の射出発泡成形方法。
  17. 熱可塑性樹脂は非晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  18. 前記工程(B)及び工程(C)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上とし、前記工程(D)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満とすることを特徴とする請求項17に記載の射出発泡成形方法。
  19. 熱可塑性樹脂は結晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法。
  20. 前記工程(B)及び工程(C)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂の融点以上とし、前記工程(D)において、キャビティを構成する金型面の温度を、使用する熱可塑性樹脂の結晶化開始温度以下とすることを特徴とする請求項19に記載の射出発泡成形方法。
  21. 請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の射出発泡成形方法によって成形された熱可塑性樹脂製の発泡成形品であって、発泡成形品の体積をV0、発泡成形品内に存在する気泡の体積合計をV1、溶融熱可塑性樹脂の密度をρ0、使用した熱可塑性樹脂の密度をρ1としたとき、以下の式(1)を満足していることを特徴とする発泡成形品。
    0.001×(1−ρ0/ρ1)<V1/V0<1.2×(1−ρ0/ρ1) (1)
  22. 厚肉部と薄肉部とを有し、
    厚肉部の密度ρthick及び薄肉部の密度ρthinが、以下の式(2)を満足していることを特徴とする請求項21に記載の発泡成形品。
    ρthick<0.99×ρthin (2)
  23. リブ部あるいはボス部を有し、
    リブ部あるいはボス部の付け根部の密度ρbase及び使用した熱可塑性樹脂の密度ρ1が、以下の式(3)を満足していることを特徴とする請求項21に記載の発泡成形品。
    ρbase<0.99×ρ1 (3)
  24. 表面から少なくとも20μmの深さの所までは気泡が存在していないことを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれか1項に記載の発泡成形品。
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