JP2005144462A - 連続鋳造用浸漬ノズル及びその製造方法 - Google Patents

連続鋳造用浸漬ノズル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐スポーリング性を維持すると共に、スラグライン部の耐食性が大幅に向上した浸漬ノズル及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、少なくともノズル本体及びスラグライン部から構成される連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、スラグライン部がMgO:0.5〜10質量%、ZrO:60〜96.5質量%、CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:3〜30質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料からなることを特徴とする。また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料が少なくともMgO含有原料、ZrO含有原料及びC含有原料から構成され、前記MgO含有原料及び/またはZrO含有原料の一部または全量として、MgO含有ZrO原料を使用することを特徴として製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続鋳造用浸漬ノズル及びその製造方法に関する。
鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズルにおいて、溶融したモールドパウダー(スラグ)と接するスラグライン部が特に溶損し易いことが知られている。この溶損に起因して、浸漬ノズルの使用寿命が制限され、長時間の鋳造ができなくなるケースが多い。
現在、ノズル本体がAl−黒鉛質耐火材料、スラグライン部がZrO−黒鉛質耐火材料から構成される連続鋳造用浸漬ノズルが広く使用されている。スラグライン部にZrOを含む耐火材料を使用する主な理由は、ZrOがAlやMgOなどの他の酸化物骨材に比べて、スラグに対する耐食性が顕著に良いところにある。また、黒鉛を含有させる主な理由は、黒鉛とスラグの濡れ性が悪く、黒鉛がスラグの耐火材料内部への浸透を抑制すること、及び浸漬ノズルの耐スポーリング性を確保することにある。
スラグライン部を構成するZrO−黒鉛質耐火材料に使用されるZrO原料には、通常4%程度のCaOが添加された電融CaO安定化ZrO原料が使用されている。これは、純粋なZrOが高温で相転移して体積収縮するため、CaOなどの安定化剤を添加して高温での体積変化を抑制した安定化ZrO原料を使用する方が、高温での体積安定性に優れた耐火材料が得られるためである。
ZrOの安定化剤としては、CaO以外にY、CeOやMgOなどが知られているが、Y及びCeO安定化品は高価であること、MgO安定化品は脱安定化し易いことから、CaO安定化品が一般に使用されている。
ZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性をより高めるため、特許文献1には、骨材が実質的にCaO含有ジルコニア及び黒鉛から構成される連続鋳造用耐火物において、粗粒ジルコニアが、マトリックス部分に分散した粒子径50μm以下の微粉ジルコニアの平均CaO含有量を超えるCaOを含有する高CaO含有微粉ジルコニアによって被覆されていることを特徴とする連続鋳造用耐火物が開示されている。
また、特許文献2には、シリカ含有量が0.30重量%(質量%)以下であるCaO安定化ジルコニア原料50〜90重量%(質量%)、バデライト原料0〜30重量%(質量%)、ただしCaO安定化ジルコニア原料とバデライト原料の合計量60〜90重量%(質量%)、及び黒鉛原料10〜35重量%(質量%)含有してなるジルコニア・グラファイト材料を、連続鋳造用浸漬ノズルの溶融モールドパウダーと接触する部位に配設することを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルが開示されている。
特開2002−68833号公報 特許請求の範囲 特開平8−1293号公報 特許請求の範囲
しかしながら、後述するように、ZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性を大幅に上げるためは、上記の先行技術では不充分であり、更なる改善が必要となる。例えば、黒鉛の配合量を少なくし、ZrO量を増やすことは耐食性の向上に効果的であるが、耐スポーリング性が低下するため、黒鉛の減量には予熱条件に応じた限界がある。
従って、本発明の目的は、耐スポーリング性を維持すると共に、スラグライン部の耐食性が大幅に向上した浸漬ノズル及びその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、少なくともノズル本体及びスラグライン部から構成される連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、スラグライン部がMgO:0.5〜10質量%、ZrO:60〜96.5質量%、CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:3〜30質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料からなることを特徴とする。
また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、前記ZrO−MgO−C質耐火材料が、その他の成分としてZr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B及びPbからなる群から選択される1種または2種以上の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、フッ化物、金属及び/または合金を含有してなることを特徴とする。
更に、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、その他の成分の合計量は、10質量%以下であることをとする。
また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料が少なくともMgO含有原料、ZrO含有原料及びC含有原料から構成され、前記MgO含有原料及び/またはZrO含有原料の一部または全量として、MgO含有ZrO原料を使用することを特徴として製造することができる。
更に、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法は、MgO含有ZrO原料が、MgOの含有量0.5〜10質量%の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法は、粒度が0.1mm以上のZrO含有原料を5〜80質量%使用し、且つ粒度が0.1mm以上のZrO含有原料中のMgO含有ZrO原料が20質量%以上であることを特徴とする。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを使用することによって、鋼の連続鋳造における浸漬ノズルのスラグライン部の溶損が大幅に抑制され、長時間にわたる連続鋳造が可能となるという効果を奏する。
本発明者らは、連続鋳造におけるZrO−黒鉛質耐火材料の溶損が、スラグと接した部位の中でも、特に溶鋼とスラグの界面付近において先行して起こることに注目し、損傷メカニズムについて研究を行った。その結果、従来から考えられていたようなZrO骨材の脱安定化とスラグへの溶解現象以上に、ZrO−黒鉛質耐火材料への溶鋼の浸透が耐食性に大きく影響していることを見出した。
即ち、高温でのZrO−黒鉛質耐火材料の内部において、ZrO粒と黒鉛が反応し、ZrO粒の周囲にZrCコンティング層が生じる:
Figure 2005144462
生成したZrCは、溶鋼との濡れ性が良いため、溶鋼がZrCの表面に沿って耐火材料の内部へ浸透する。浸透した溶鋼は、直ちに黒鉛を溶解して耐火材料の表面に深い脱炭層を生じる。この脱炭層では、ZrO粒子間の結合が弱く、多孔質な組織を持つため、溶鋼流により摩耗され、溶鋼に流失され易い。また、溶鋼/スラグ界面の上下振動により、脱炭層の溶鋼流により摩耗されていない部分がスラグと接すると、スラグ流により摩耗されたり、スラグに溶解したりする。これらによって、ZrO−黒鉛質耐火材料が損傷する。
上記の反応機構に基づき、本発明者らは、ZrO粒と黒鉛の反応によるZrC生成を抑制することで、ZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性を向上させる方法を検討した。反応(1)は、ZrO−黒鉛質耐火材料中のCOガス分圧に依存し、COガス分圧が小さい程起こり易く、逆に、COガス分圧が大きい程起こり難くなる。ZrO−黒鉛質耐火材料にMgOを含有させると、少量の黒鉛が優先的にMgOと反応(2)を起こしてZrO−黒鉛質耐火材料中のCOガス分圧を大きくする:
Figure 2005144462
その結果、反応(1)が起こり難く、従って、ZrCも生成し難くなる。
また、反応(2)で生じたMg(ガス)は、溶鋼/耐火材料の界面へ拡散し、溶鋼中の酸素と反応して、耐火材料の表面付近における気孔にMgOを生成させる。MgOの生成によって、ZrO−黒鉛質耐火材料の組織が緻密となるため、内部のCOガスが外部へ拡散し難くなり、それによって高いCOガス分圧を維持することができる。この機構によっても、ZrCが生成し難くなる。
一方、反応(1)によるZrCの生成量は、溶鋼中の炭素濃度(%C)にも依存する。溶鋼中の(%C)が低い程、ZrO−黒鉛質耐火材料中でのZrC生成量も多くなる。高炭素鋼[(%C)0.20以上]及び中炭素鋼[(%C)0.08〜0.20]の場合に比べて、低炭素鋼[(C%)0.08以下]及び極低炭素鋼[(%C)0.01以下]の場合はZrCの生成量が特に多い。これは、低炭素鋼及び極低炭素鋼中の炭素濃度は低く、これらの鋼種と接しているZrO−黒鉛質耐火材料中のCOガス分圧が小さくなり、反応(1)が右方向へ進行し易いためである。従って、低炭素鋼及び極低炭素鋼を鋳造する場合には、ZrO−黒鉛質耐火材料にMgOを含有させる効果は、高炭素鋼及び中炭素鋼を鋳造する場合に比べて更に大きくなる。
以上の研究結果から、本発明者らは、連続鋳造用浸漬ノズルのスラグライン部のZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性を上げるためには、ZrCの生成を防止することが必要であり、そのため、ZrO−黒鉛質耐火材料にMgOを含有させることが有効であるとの知見に基づき、本発明の連続鋳造用浸漬ノズル及びその製造方法を開発したものである。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、少なくともノズル本体及びスラグライン部から構成されるものであり、所望により、溶鋼と接する部位を更に他の耐火材料で構成した公知、慣用の構成のものである。ここで、ノズル本体の耐火材料は特に限定されるものではなく、例えばAl−C質耐火材質、Al−SiO−C質耐火材質のような慣用の材質を使用することができる。
このような構成を有する連続鋳造用浸漬ノズルの耐スポーリング性を維持しながら耐食性を向上させるために、スラグライン部の耐火材料として、MgO:0.5〜10質量%、ZrO:60〜96.5質量%、CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:3〜30質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料を使用することが本発明の特徴である。
上記ZrO−MgO−C質耐火材料には、3〜30質量%のCの含有量を必要とする。C含有量が3質量%未満であると、連続鋳造用浸漬ノズルのスラグライン部の耐スポーリング性が不足し、更に、スラグライン部へのスラグ浸透を抑制できず、耐食性も低下するために好ましくない。また、C含有量が30質量%を超えると、C含有量が多くなり過ぎ、Cは溶鋼に溶解し易いため、スラグライン部の耐食性が低下する。なお、より好ましいC含有量は、5〜20質量%の範囲内である。なお、C含有量を構成する成分としては、通常黒鉛が使用されるが、黒鉛の全量または一部を非結晶質カーボン(カーボンブラック)、ピッチなどの他のカーボン原料に置換しても良い。
上記のC含有量において、ZrO−MgO−C質耐火材料中でZrC生成を抑制するためのCOガスを発生させるためには、0.5質量%以上のMgO含有量を必要とする。MgO含有量が0.5質量%未満であると、前述したZrC生成を抑制するMgOの効果が小さく、ZrC生成量が多いため、充分な耐食性が得られないために好ましくない。一方、3〜30質量%のC含有量を有する条件下で、MgO含有量が10質量%を超えると、MgOの揮発によって内部が多孔質の組織となり、強度不足により耐スポーリング性が低下するために好ましくない。なお、MgO含有量は好ましくは1〜7質量%であり、更に好ましくは2〜5質量%の範囲内である。
更に、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料のZrO含有量が60質量%未満であると、ZrO含有量が少な過ぎてスラグライン部の耐食性が低下するために好ましくない。また、ZrO含有量が96.5質量%を超えると、連続鋳造用浸漬ノズルのスラグライン部に必要とされる耐スポーリング性を確保することができないために好ましくない。ZrO含有量は、より好ましくは70〜93質量%の範囲内である。
また、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料は、CaO、Y3、CeO等のZrOを安定化するため用いられるZrO原料に起因する成分を含有することがある。なお、これら成分の合計量は、0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%の範囲内である。即ち、これらの成分は不在であっても、10質量%以下の量で存在していても良い。なお、これらの成分の合計量が10質量%を超えると、MgOの添加効果が小さくなるために好ましくない。
更に、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料は、その他の成分としてZr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B、Pbなどの元素の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、フッ化物や金属(または合金)などの中の1種または2種以上を含有することができる。なお、その他の成分を含有する場合、その含有量は、10質量%以下である。その他の成分の含有量が10質量%を超えると、ZrO−MgO−C質耐火材料の耐食性を低下させる恐れがあるために好ましくない。なお、耐火材料中で形成されるZrCは、上述のように耐火材料に悪影響を及ぼすが、添加物としてZrO−MgO−C質耐火材料に最初から存在するZrCは、ZrOと黒鉛の反応により生成したZrCの分布(ZrO粒子の表面のZrCコーティング層)とは異なるので、溶鋼の浸透を促進するような悪影響を及ぼすことはない。
その他の成分の適用例として、例えばスラグライン部、即ち、ZrO−MgO−黒鉛質耐火材料が強度や耐酸化性を必要とする使用条件に曝される場合には、BC、SiCや金属Si等を含有させることができる。また、連続鋳造用浸漬ノズルが無予熱で使用されるなど耐スポーリング性が特に必要とされる使用条件では、溶融シリカやジルコニア・ムライトなどの低膨張成分を含有させることもできる。
次に、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法について説明する。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを製造するに際して、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料のMgO原料としては、MgO単体原料を使用することができ、また、スピネルやドロマイトなどのMgO含有原料を使用することもできる。なお、MgO成分を、MgO安定化ZrO原料などのMgO含有ZrO原料として使用することがより望ましい。これは、ZrO粒中MgOと黒鉛が反応(2)を起こして、ZrOの周りにZrCがより生成し難いためである。なお、MgO含有ZrO原料のMgO含有量は、0.5〜10質量%、好ましくは2〜8質量%の範囲内である。MgO含有量が0.5質量%未満であると、ZrC生成を抑制するMgOの効果が不充分になるために好ましくなく、また、MgO含有量が10質量%を超えると、ZrO粒中のMgOと黒鉛の反応が激しくなり、ZrO粒が崩壊してしまうことがあるために好ましくない。
また、ZrO−MgO−C質耐火材料に使用されるZrO原料は、MgOの他、CaO、YやCeOなどのZrO中に固溶する安定化成分を含有していても良く、MgO含有ZrO原料と他のZrO原料を併用しても良い。なお、MgO含有ZrO原料中にCaO、YやCeOなどの安定化成分が同時に含まれる場合には、それらの合計量が7質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。それらの合計量が7質量%を超えると、ZrC生成を抑制するMgOの効果が充分に発揮できない恐れがあるために好ましくない。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料の効果を充分に発揮させるためには、ZrO原料の粒度構成も重要となる。粒度が0.1mm以上のZrO原料の配合量が5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜70質量%の範囲内である。粒度が0.1mm以上のZrO原料の配合量が5質量%未満であると、全体の粒度が小さく、ZrO粒の表面積が大き過ぎるため、ZrO粒中のMgOと黒鉛の反応が激しく、組織が脆化し、耐食性が低下するために好ましくない。また、粒度が0.1mm以上のZrO原料の配合量が80質量%を超えると、全体の粒度が大き過ぎて、ZrO−MgO−C質耐火材料の成形性が悪化するために好ましくない。
なお、粒度が0.1mm以上のZrO原料の20質量%以上、より好ましくは25質量%以上は、MgO含有ZrO原料であることが好ましい。MgO含有ZrO原料の量が粒度が0.1mm以上のZrO原料の20質量%未満であると、全体のMgO含有量を保持するため、粒度が0.1mm未満の小さなZrO粒中のMgO含有量を増やさなければならず、小さなZrO粒は表面積が大きいため、その粒中のMgO含有量を増やすと、MgOと黒鉛の反応が激し過ぎて、組織が脆化し、耐食性が低下する恐れがあるために好ましくない。
粒度が0.1mm以上のZrO原料が鋳造時に溶鋼中に混入すると、大型介在物となり、鋳片欠陥や鋳片割れを生じる原因となる場合がある。MgO含有ZrO原料は、通常ZrO原料として耐火材料等に使用されているCaO安定化ZrO原料よりも溶鋼中で粒が崩壊し易いため、大型介在物を生じ難い。従って、MgO含有ZrO原料を用いて他のZrO原料の比率を少なくすることは、鋳片品質の向上のためにも効果的である。
また、その他の物質としては、Zr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B、Pbなどの元素の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、フッ化物や金属(または合金)などの中の1種または2種以上を適宜配合することもできる。
また、ZrO−MgO−C質耐火材料の製造時に必要なバインダーとしては、フェノール樹脂や多糖類などのような有機バインダー及び、セメントや珪酸塩、リン酸塩のような無機バインダーの中の1種または2種以上を使用することができる。
なお、連続鋳造用浸漬ノズル成形時には、所定の配合を有するZrO−MgO−C質耐火材料の練土を浸漬ノズルのスラグライン部に対応する枠の所定部位に充填し、ノズル本体を構成する他の耐火材料の練土を枠の他の部位に充填した後、同時に加圧成形する同時成形法を使用することができる。また、予め製作されたノズル本体に、ZrO−MgO−C質耐火材料の練土を後から充填する2段階成形法を使用することもできる。
ノズル本体の材質としては、従来から慣用のAl−黒鉛質耐火材料、例えばAl:30〜90質量%、SiO:0〜35質量%、黒鉛:10〜35質量%の耐火材料を使用することができる。
連続鋳造用浸漬ノズルを所定の形状に成形後、酸化防止のため、窒素、アルゴンまたはCOなどの非酸化の焼成雰囲気中で焼成する。なお、連続鋳造用浸漬ノズル中の揮発物質を充分に揮発させるため、焼成温度は、500〜1300℃、好ましくは800〜1100℃の範囲内である。焼成温度が500℃未満であると、強度不足のために好ましくなく、また、1300℃を超えると、強度低下のために好ましくない。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを用いて実機による連続鋳造を実施した。
本発明品の連続鋳造用浸漬ノズルの配材パターンを図1に、比較品のノズルの配材パターンを図2にそれぞれ示す。本発明品の連続鋳造用浸漬ノズルは、Al−黒鉛質耐火材料(Al:58質量%、SiO:15質量%、黒鉛:26質量%)よりなるノズル本体(2)及び以下の表に記載のZrO−MgO−C質耐火材料よりなるスラグライン部(1)から構成されるものであった。また、比較品のノズルは、Al−黒鉛質耐火材料(Al:58質量%、SiO:15質量%、黒鉛:26質量%)よりなるノズル本体(2)及び以下の表に記載の比較質耐火材料よりなるスラグライン部(3)から構成されるものであった。
Figure 2005144462
Figure 2005144462
Figure 2005144462
表中のZrO−MgO−C質耐火材料において、MgO成分は、工業的不可避の不純物を除き、全てZrO原料に含有されているMgOに由来したものである。ZrO原料に含有されているMgOは、2〜8質量%の範囲である。粒度が0.1mm以上のZrO原料が65質量%であり、その全てはMgO含有ZrO原料である。黒鉛原料には鱗状黒鉛を使用し、粒度が0.2mm以下、純度は95質量%以上品である。浸漬ノズルは同時成形法で成形され、1000℃の窒素(非酸化)雰囲気中で約8時間焼成した。ZrO−MgO−C質耐火材料の気孔率は16〜18%の範囲内であった。なお、バインダーとして全品フェノール樹脂を外掛で8質量%添加した。
得られた本発明品の連続鋳造用浸漬ノズル及び比較品のノズルを用いて、極低炭素鋼(C:0.0005〜0.005質量%、Si:0.05〜0.2質量%、Mn:0.2〜1.0質量%、P:0.005〜0.01質量%、S:0.005〜0.02質量%、Ti:0.01〜0.04質量%、Al:0.02〜0.07質量%)の鋳造に100〜500分使用した。各使用後、浸漬ノズルのスラグライン部の溶損量を測定し、溶損速度指数を求めた。溶損速度指数が大きい方が溶損量が大きく、耐食性が低いことを示す。各浸漬ノズルについて、スラグライン部の溶損指数及び亀裂発生状況を上記表に併記した。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、各種鋼の連続鋳造用の浸漬ノズルに適用することができる。
本発明品の連続鋳造用浸漬ノズルの配材パターンを示す図である。 比較品のノズルの配材パターンを示す図である。
符号の説明
1 ZrO−MgO−C質耐火材料よりなるスラグライン部
2 ノズル本体
3 比較用耐火材料よりなるスラグライン部

Claims (6)

  1. 少なくともノズル本体及びスラグライン部から構成される連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、スラグライン部がMgO:0.5〜10質量%、ZrO:60〜96.5質量%,CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:3〜30質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料からなることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. ZrO−MgO−C質耐火材料は、その他の成分としてZr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B及びPbからなる群から選択される1種または2種以上の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、フッ化物、金属及び/または合金を含有してなる、請求項1記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. その他の成分の合計量は、10質量%以下である、請求項2項記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法において、スラグライン部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料が少なくともMgO含有原料、ZrO含有原料及びC含有原料から構成され、前記MgO含有原料及び/またはZrO含有原料の一部または全量として、MgO含有ZrO原料を使用することを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法。
  5. MgO含有ZrO原料は、MgOの含有量が0.5〜10質量%の範囲内にある、請求項4記載の連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法。
  6. 粒度が0.1mm以上のZrO含有原料を5〜80質量%使用し、且つ粒度が0.1mm以上のZrO含有原料中のMgO含有ZrO原料が20質量%以上である、請求項4または5記載の連続鋳造用浸漬ノズルの製造方法。
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