JP4312628B2 - 鋼の連続鋳造用ストッパー - Google Patents

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本発明は、鋼の連続鋳造用ストッパーに関するものである。
鋼の連続鋳造において、タンディッシュからモールドへ流れる溶鋼の流量を制御するなどの目的で、ストッパーが使用される場合がある。ストッパーを構成する耐火材料として、例えばZrO−黒鉛質耐火材料が使用されている。ZrO−黒鉛質耐火材料を使用する主な理由は、ZrOがAlやMgOなどの他の酸化物骨材に比べて溶鋼及びスラグに対する耐食性が顕著に良く、また、黒鉛がストッパーの耐スポーリング性を確保できるためである。
ストッパーを構成するZrO−黒鉛質耐火材料に使用されるZrO原料には、通常4%程度のCaOが添加された電融CaO安定化ZrO原料が使用されている。これは、純粋なZrOが高温で相転移して体積収縮するため、CaOなどの安定化剤を添加して高温での体積変化を抑制した安定化ZrO原料を使用する方が、高温での体積安定性に優れた耐火材料が得られるためである。
ZrOの安定化剤としては、CaO以外にY、CeOやMgOなどが知られているが、Y及びCeO安定化品は高価であること、MgO安定化品は脱安定化し易いことから、CaO安定化品が一般に使用されている。
ZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性をより高めるため、特許文献1には、ライム安定化ジルコニア70〜95重量%(質量%)、未安定化ジルコニア1〜25重量%(質量%)、ジルコニアファイバー30重量%(質量%)未満を配合し、該配合物の合量100重量%(質量%)に対して、ジルコニア安定化材としてYを0.5〜10重量%(質量%)添加してなり、かつ焼成後の見掛気孔率が20〜30%の範囲内にあり、さらにピッチを含浸させてなることを特徴とするタンディッシュストッパーヘッド用耐火物が開示されている。
また、特許文献2には、耐火材料と炭素質材料からなる材料の表面にジルコニア質の溶射皮膜を形成し、さらに溶射層の表面にジルコニア質の塗布皮膜を形成したことを特徴とする高耐用性ストッパーヘッドが開示されている。また、[0011]段落には、ジルコニア質材料として安定化、半安定化、未安定化のジルコニア、アルミナ・ジルコニア質材料、カルシウムジルコネートを含むカルシア・ジルコニア質材料やジルコンが使用可能であることも記載されている。
特開平10−167815号公報 特許請求の範囲 特開2000−42726号公報 特許請求の範囲 [0011]
しかしながら、後述するように、ZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性を大幅に上げるためには、上記の先行技術では不充分であり、更なる改善が必要となる。例えば、黒鉛の配合量を少なくし、ZrO量を増やすことは、耐食性の向上には効果的であるが、耐スポーリング性が低下するため、黒鉛の減量には予熱条件に応じた限界がある。
従って、本発明の目的は、耐スポーリング性を維持すると共に、耐食性が大幅に向上した鋼の連続鋳造用ストッパーを提供することにある。
即ち、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーは、少なくとも溶鋼と接する部分の一部を構成する耐火材料が、少なくともMgO含有原料、ZrO 含有原料及びC含有原料から構成され、前記MgO含有原料の全量またはMgO含有原料の全量とZrO 含有原料の一部または全量として、MgO安定化ZrO 原料を使用し、MgO:0.5〜10質量%、ZrO:50〜99質量%、CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:0.5〜40質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料からなることを特徴とする。
また、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーは、MgO安定化ZrO 原料が、MgOの含有量が0.5〜10質量%の範囲内にあることを特徴とする。
更に、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーは、粒度が0.1mm以上のZrO 含有原料を5〜80質量%使用し、且つ粒度が0.1mm以上のZrO 含有原料中のMgO安定化ZrO 原料が20質量%以上であることを特徴とする。
また、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーは、ZrO−MgO−C質耐火材料が、その他の成分としてZr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Co、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B及びPbからなる群から選択される1種または2種以上の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、ふっ化物、金属及び/または合金を含有してなることを特徴とする。
更に、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーは、その他の成分の合計量は、10質量%以下であるであることを特徴とする。
本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーを使用することにより、ストッパーの耐食性が大幅に向上し、更に、鋼中のZrO介在物が顕著に低減し、鋼の品質を向上させることができるという効果を奏するものである。
本発明者らは、溶鋼とZrO−黒鉛質耐火材料の反応について調査を行い、次のことが判明した。
即ち、高温で、ZrO−黒鉛質耐火材料の内部において、ZrO粒と黒鉛が反応し、ZrO粒と周囲にZrCコーティング層が生ずる:
Figure 0004312628
生成したZrCは、溶鋼との濡れ性が良いため、溶鋼がZrCの表面に沿ってZrO−黒鉛質耐火材料の内部へ浸透する。浸透した溶鋼は、直ちに黒鉛を溶解してZrO−黒鉛質耐火材料の表面に深い脱炭層を生じる。この脱炭層では、ZrO粒子間の結合が弱く、多孔質な組織を持つため、溶鋼流により摩耗され、溶鋼に流失して介在物となる。
上記の反応機構に基づき、本発明者らは、ZrO粒と黒鉛との反応によるZrC生成を抑制することで、ZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性を向上させる方法を検討した。反応(1)は、ZrO−黒鉛質耐火材料中のCOガス分圧に依存し、COガス分圧が小さい程起こり易く、逆に、COガス分圧が大きい程起こり難くなる。ZrO−黒鉛質耐火材料にMgOを含有させると、少量の黒鉛が優先的にMgOと反応(2)を起こしてZrO−黒鉛質耐火材料中のCOガス分圧を大きくする:
Figure 0004312628
その結果、反応(1)が起こり難く、従って、ZrCも生成し難くなる。
また、反応(2)で生じたMg(ガス)は、溶鋼/ZrO−黒鉛質耐火材料の界面に拡散し、溶鋼中の酸素と反応して、ZrO−黒鉛質耐火材料の表面付近における気孔にMgOを生成させる。MgOの生成によって、ZrO −黒鉛質耐火材料の組織が緻密となるため、内部のCOガスが外部へ拡散し難くなり、それによって高いCOガス分圧を維持することができる。この機構によっても、ZrCが生成し難くなる。
一方、反応(1)によるZrCの生成量は、溶鋼中の炭素濃度(%C)にも依存する。溶鋼中の(%C)が低い程、ZrO−黒鉛質耐火材料中でのZrC生成量も多くなる。高炭素鋼[(%C)0.20以上]及び中炭素鋼[(%C)0.08〜0.20]の場合に比べて、低炭素鋼[(%C)0.08以下]及び極低炭素鋼[(%C)0.01以下]の場合はZrCの生成量が特に多い。これは、低炭素鋼及び極低炭素鋼中の炭素濃度は低く、これらの鋼種と接しているZrO−黒鉛質耐火材料中のCOガス分圧は低くなり、反応(1)が右方向へ進行し易いためである。従って、低炭素鋼及び極低炭素鋼を鋳造する場合には、ZrO−黒鉛質耐火材料にMgOを含有させる効果は、高炭素鋼及び中炭素鋼を鋳造する場合に比べて更に大きくなる。
以上の研究結果から、本発明者らは、鋼の連続鋳造用ストッパーに使用されるZrO−黒鉛質耐火材料の耐食性を上げるためには、ZrCの生成を防止することが必要であり、そのため、ZrO−黒鉛質耐火材料にMgOを含有させることが有効であるとの知見に基づき、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーを開発したものである。
鋼の連続鋳造用ストッパーの耐スポーリング性を維持しながら、耐食性を向上させるためには、ストッパーの少なくとも溶鋼と接する部分の一部を構成する耐火材料として、少なくともMgO含有原料、ZrO 含有原料及びC含有原料から構成され、前記MgO含有原料の全量またはMgO含有原料の全量とZrO 含有原料の一部または全量として、MgO安定化ZrO 原料を使用し、MgO:0.5〜10質量%、ZrO:50〜99質量%、CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:0.5〜40質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料を使用することが本発明の特徴である。
上記ZrO−MgO−C質耐火材料には、0.5〜40質量%のCの含有量を必要とする。C含有量が0.5質量%未満であると、ストッパーの耐スポーリング性が不足するために好ましくない。また、C含有量が40質量%を超えると、C含有量が多くなり過ぎ、Cは溶鋼に溶解し易いため、ストッパーの耐食性が低下するために好ましくない。なお、より好ましいC含有量は、3〜30質量%の範囲内である。C含有量を構成する成分としては、通常黒鉛が使用されるが、黒鉛の全量または一部を非晶質カーボン(カーボンブラック)、ピッチなどの他のカーボン原料に置換しても良い。
上記C含有量において、ZrO−MgO−C質耐火材料中でZrC生成を抑制するためのCOガスを発生させるためには、0.5質量%以上のMgO含有量を必要とする。MgO含有量が0.5質量%未満であると、前述したZrC生成を抑制するMgOの効果が小さく、ZrC生成量が多いため、充分な耐食性が得られないために好ましくない。一方、0.5〜40質量%のC含有量を有する条件下で、MgO含有量が10質量%を超えると、MgOの揮発によって内部が多孔質の組織となり、強度不足により耐スポーリング性が低下するために好ましくない。なお、MgO含有量は好ましくは1〜8質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲内である。
更に、ストッパーを構成するZrO−MgO−C質耐火材料のZrO含有量が50質量%未満であると、ZrO含有量が少な過ぎてZrO−MgO−C質耐火材料の耐食性が低下するために好ましくない。また、ZrO 含有量が99質量%を超えると、ストッパーに必要とされる耐スポーリング性を確保することができないために好ましくない。ZrO含有量は、より好ましくは65〜95質量%の範囲内である。
また、ストッパーを構成するZrO−MgO−C質耐火材料は、CaO、Y、CeO等のZrOを安定化するために用いられるZrO原料に起因する成分を含有することができる。なお、これら成分の合計量は、0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%の範囲内である。即ち、これらの成分は不在であっても、10質量%以下の量で存在していても良い。なお、これらの成分の合計量が10質量%を超えると、MgOの添加効果が小さくなるために好ましくない。
更に、ストッパーを構成するZrO−MgO−C質耐火材料は、その他の成分としてZr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Co、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B、Pbなどの元素の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、フッ化物や金属(または合金)などの中の1種または2種以上を含有することができる。なお、その他の成分を含有する場合、その含有量は、10質量%以下である。その他の成分の含有量が10質量%を超えると、ZrO−MgO−C質耐火材料の耐火性を低下させる恐れがあるために好ましくない。なお、耐火材料中で形成されるZrCは、上述のように耐火材料に悪影響を及ぼすが、添加物としてZrO−MgO−C質耐火材料に最初から存在するZrCは、ZrOと黒鉛の反応により生成したZrCの分布(ZrO粒子の表面のZrCコーティング層)とは異なるので、溶鋼の浸透を促進するような悪影響を及ぼすことはない。
次に、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーの配材パターンを図を用いて説明する。図1は、鋼の連続鋳造用ストッパーの全体の部位をZrO−MgO−C質耐火材料(1)で構成したものである。図2は、鋼の連続鋳造用ストッパーのヘッド部位をZrO−MgO−C質耐火材料(1)で構成し、ヘッド以外の部位を従来から公知のAl−C質耐火材料(2)で構成したものである。図3は、鋼の連続鋳造用ストッパーのヘッドからスラグライン部までの部位をZrO−MgO−C質耐火材料(1)で構成し、それ以外の部位をAl−C質耐火材料(2)で構成したものである。図4は、鋼の連続鋳造用ストッパーのスラグライン部をZrO−MgO−C質耐火材料(1)で構成し、それ以外の部位をAl−C質耐火材料(2)で構成したものである。なお、上記配材パターンに例示したAl−C質耐火材料としては、例えばAl:30〜90質量%、SiO:0〜35質量%、黒鉛10〜35質量%の組成を有するものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
発明の鋼の連続鋳造用ストッパーを製造するに際して、ストッパーの少なくとも溶鋼と接する部分の一部を構成するZrO−MgO−C質耐火材料のMgO原料としては、MgO安定化ZrO原料を使用する。これは、ZrO粒中のMgOと黒鉛が反応(2)を起こして、ZrOの周りにZrCがより生成し難いためである。なお、MgO安定化ZrO原料のMgO含有量は0.5〜10質量%、好ましくは2〜7質量%の範囲内である。MgO含有量が0.5質量%未満であると、ZrC生成を抑制するMgOの効果が不充分になるために好ましくなく、また、MgO含有量が10質量%を超えると、ZrO粒中のMgOと黒鉛の反応が激しくなり、ZrO粒が崩壊してしまうことがあるために好ましくない。
また、ZrO−MgO−C質耐火材料に使用されるZrO原料は、MgOの他、CaO、YやCeOなどのZrO中に固溶する安定化成分を含有していても良く、MgO安定化ZrO原料と他のZrO原料を併用しても良い。なお、MgO安定化ZrO原料中にCaO、YやCeOなどの安定化成分が同時に含まれる場合には、それらの合計量が7質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。それらの合計量が7質量%を超えると、ZrC生成を抑制するMgOの効果が充分に発揮できない恐れがあるために好ましくない。
本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーにおいて、上記ZrO−MgO−C質耐火材料の効果を充分に発揮させるためには、ZrO原料の粒度構成も重要となる。粒度が0.1mm以上のZrO原料の配合量が5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜70質量%の範囲内である。粒度が0.1mm以上のZrO原料の配合量が5質量%未満であると、全体の粒度が小さく、ZrO粒の表面積が大き過ぎるため、ZrO粒中のMgOと黒鉛の反応が激しく、組織が脆化し、耐食性が低下するために好ましくない。また、粒度が0.1mm以上のZrO原料の配合量が80質量%を超えると、全体の粒度が大き過ぎて、ZrO−MgO−C質耐火材料の成形性が悪化するために好ましくない。
なお、粒度が0.1mm以上のZrO原料の20質量%以上、より好ましくは25質量%以上は、MgO安定化ZrO原料であることが好ましい。MgO安定化ZrO原料の量が粒度が0.1mm以上のZrO原料の20質量%未満であると、全体のMgO含有量を保持するため、粒度が0.1mm未満の小さなZrO粒中のMgO含有量を増やさなければならず、小さなZrO粒は表面積が大きいため、その粒中のMgO含有量を増やすと、MgOと黒鉛の反応が激し過ぎて、組織が脆化し、耐食性が低下する恐れがあるために好ましくない。
粒度が0.1mm以上のZrO原料が鋳造時に溶鋼中に混入すると、大型介在物となり、鋳片欠陥や鋳片割れを生じる原因となる場合がある。MgO安定化ZrO原料は、通常ZrO原料として耐火材料等に使用されているCaO安定化ZrO原料よりも溶鋼中で粒が崩壊し易いため、大型介在物を生じ難い。従って、MgO安定化ZrO原料を用いて他のZrO原料の比率を少なくすることは、鋳片品質の向上のためにも効果的である。
また、その他の物質としては、Zr、Al、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Co、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B、Pbなどの元素の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、フッ化物や金属(または合金)などの中の1種または2種以上を適宜配合することもできる。
また、ZrO−MgO−C質耐火材料の製造時に必要なバインダーとしては、フェノール樹脂や多糖類などのような有機バインダー及び、セメントや珪酸塩、リン酸塩のような無機バインダーの中の1種または2種以上を使用することができる。
なお、上述の図2または図4に示すような配材パターンを有する本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーを製造する際には、まず、上述のZrO−MgO−C質耐火材料の練土をストッパーヘッドやスラグライン部に対応する型枠の所定の部位に装填し、型枠の他の部位にAl−C質耐火材料などの練土を充填した後、同時に加圧成形する同時成形方法を使用することができる。また、予めZrO−MgO−C質耐火材料のストッパーヘッドやスラグライン部を別個に作製し、得られたZrO−MgO−C質耐火材料のストッパーやスラグライン部を型枠の所定の部位に設置した後、型枠の他の部位にAl−C質耐火材料などの練土を充填する2段階成形方法も使用することができる。
また、本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーを所定の形状に成形後、酸化防止のため、窒素、アルゴンまたはCO等の非酸化の焼成雰囲気中で焼成する。なお、鋼の連続鋳造用ストッパー中の揮発物質を充分に揮発させるため、焼成温度は、500〜1300℃、好ましくは800〜1100℃の範囲内である。なお、焼成温度が500℃未満であると、強度不足のために好ましくなく、また、1300℃を超えると、強度低下のために好ましくない。
高周波炉にて80kgの鋼をアルゴン雰囲気で溶解し、1560℃に保持した。その後、以下の表1に記載する組成を有する耐火材料の20×20×250mmの供試体を、150rpmの回転速度で回転させながら溶鋼に1時間浸漬した。テスト後、供試体を観察し、亀裂の有無を確認した。また、供試体の損傷厚みを測定した。なお、用いた鋼の成分は、C:0.003質量%、Si:0.05質量%、Mn:0.3質量%、P:0.005質量%、S:0.005質量%、Ti:0.02質量%、Al:0.04質量%であった。得られた結果を表1に併記する。
Figure 0004312628
Figure 0004312628
表1中のZrO−MgO−C質耐火材料において、MgO成分は、工業的不可避の不純物を除き、全てZrO原料に含有されているMgOに由来したものであった。ZrO原料に含有されているMgOは、1〜9質量%の範囲内である。粒度が0.1mm以上のZrO原料が50質量%であり、その全てはMgO含有ZrO原料である。C原料には、鱗状黒鉛を使用し、粒度が0.2mm以下、純度は95質量%以上のものである。なお、ZrO−MgO−C質耐火材料の供試体は、1000℃の窒素(非酸化)雰囲気中で約8時間焼成したものであり、気孔率は16〜18%の範囲内であった。なお、バインダーとして全品フェノール樹脂を外掛で8質量%添加した。
また、比較用耐火材料については、CaO成分は、工業的不可避の不純物を除き、全てZrO原料に含有されているCaOに由来したものである。ZrO原料に含有されているCaOは、2〜8質量%の範囲内である。粒度が0.1mm以上のZrO原料が50質量%であり、その全てはCaO含有ZrO原料である。C原料には、鱗状黒鉛を使用し、粒度が0.2mm以下、純度が95質量%以上のものである。なお、比較用耐火材料の供試体は、1000℃の窒素(非酸化)雰囲気中で約8時間焼成したものであり、気孔率は16〜18%の範囲内であった。なお、バインダーとして全品フェノール樹脂を外掛で8質量%添加した。
更に、表1中の損傷指数は、(各耐火材料の供試体の損傷厚み)/(比較用耐火材料8の供試体の損傷厚み)の値である。損傷指数が大きい程、供試体の損傷が大きいことを示す。比較用耐火材料の供試体の損傷指数が0.6〜1.5であるのに対して、ZrO−MgO−C質耐火材料の供試体のそれは0.3〜0.4の範囲内で、耐食性が顕著に高いことが判る。
また、亀裂発生状況は、比較用耐火材料1の供試体のみ亀裂が発生しているが、その他の供試体はいずれも亀裂の発生はなかった。
次に、上記ZrO−MgO−C質耐火材料を用いて鋼の連続鋳造用ストッパーを作製し、実機にて鋼の連続鋳造を行った。本発明品の鋼の連続鋳造用ストッパーは、図2に示す配材パターンを有するものであり、ヘッド部に使用されるZrO−MgO−C質耐火材料(1)としては、ZrO−MgO−C質耐火材料2を使用し、ヘッド部以外の部位に使用される耐火材料としては、Al:58質量%、SiO:15質量%及びC:26質量%よりなるAl−C質耐火材料を使用した。
また、比較品の鋼の連続鋳造用ストッパーは、図5に示す配材パターンを有するものであり、Al−C質耐火材料(2)としてはAl:58質量%、SiO:15質量%及びC:26質量%よりなるAl−C質耐火材料を用い、比較用耐火材料(3)としては表1中の比較用耐火材料5を用いた。
本発明品及び比較品の鋼の連続鋳造用ストッパーは、いずれも同時成形方法で成形され、1000℃の窒素(非酸化)雰囲気中で8時間焼成したものであった。気孔率はいずれの部分でも16〜18%の範囲内であった。連続鋳造に用いられた鋼は、C:0.0005〜0.005質量%、Si:0.03〜1.5質量%、Mn:0.2〜1.2質量%、P:0.005〜0.015質量%、S:0.002〜0.02質量%、Ti:0.005〜0.05質量%、Al:0.001〜0.07質量%、Ca:0〜0.010質量%の範囲内であり、鋳造時間は100〜500分であった。
実機使用の結果、本発明品及び比較品の鋼の連続鋳造用ストッパーは、共にスポーリングの問題はなかった。また、使用後のストッパーの損傷厚みを測定した結果、比較品の最大損傷厚みを1とすると、本発明品の最大損傷厚みは0.3〜0.4の範囲内であった。 また、鋳造された鋼中の単位体積当たりのZrO介在物の個数を調べたところ、比較品を用いて鋳造した鋼中のZrO介在物の個数を1とすると、本発明品を用いて鋳造した鋼中のZrO介在物の個数は0.2〜0.3の範囲内であった。
本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーは、各種鋼の連続鋳造用ストッパーとして好適に使用することができる。
本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーの配材パターンの1実施態様を示すものである。 本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーの配材パターンの他の実施態様を示すものである。 本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーの配材パターンの更に他の実施態様を示すものである。 本発明の鋼の連続鋳造用ストッパーの配材パターンの他の実施態様を示すものである。 比較品の鋼の連続鋳造用ストッパーの配材パターンを示すものである。
1 ZrO−MgO−C質耐火材料
2 Al−C質耐火材料
3 比較用耐火材料

Claims (5)

  1. 鋼の連続鋳造用ストッパーにおいて、少なくとも溶鋼と接する部分の一部を構成する耐火材料が、少なくともMgO含有原料、ZrO 含有原料及びC含有原料から構成され、前記MgO含有原料の全量またはMgO含有原料の全量とZrO 含有原料の一部または全量として、MgO安定化ZrO 原料を使用し、MgO:0.5〜10質量%、ZrO:50〜99質量%、CaO、Y及びCeOの合計量:0〜10質量%及びC:0.5〜40質量%の化学組成を有するZrO−MgO−C質耐火材料からなることを特徴とする鋼の連続鋳造用ストッパー。
  2. MgO安定化ZrO原料は、MgOの含有量が0.5〜10質量%の範囲内にある、請求項記載の鋼の連続鋳造用ストッパー。
  3. 粒度が0.1mm以上のZrO含有原料を5〜80質量%使用し、且つ粒度が0.1mm以上のZrO含有原料中のMgO安定化ZrO原料が20質量%以上である、請求項または記載の鋼の連続鋳造用ストッパー。
  4. ZrO−MgO−C質耐火材料は、その他の成分としてZr、Al、Si、Mg、Ca、W、Ta、La、Hf、Th、Ce、Mo、Co、Ba、Zn、Sr、Be、Li、Y、Ti、Ni、Cr、Nb、Mn、Fe、B及びPbからなる群から選択される1種または2種以上の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、ほう化物、塩化物、ふっ化物、金属及び/または合金を含有してなる、請求項1記載の鋼の連続鋳造用ストッパー。
  5. その他の成分の合計量は、10質量%以下である、請求項記載の鋼の連続鋳造用ストッパー。
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