JPH064509B2 - 連続鋳造用耐火物 - Google Patents
連続鋳造用耐火物Info
- Publication number
- JPH064509B2 JPH064509B2 JP2097612A JP9761290A JPH064509B2 JP H064509 B2 JPH064509 B2 JP H064509B2 JP 2097612 A JP2097612 A JP 2097612A JP 9761290 A JP9761290 A JP 9761290A JP H064509 B2 JPH064509 B2 JP H064509B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nozzle
- cao
- zro
- casting
- melting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
(産業上の利用分野) 本発明は連続鋳造等に使われる鋳造用ノズル、特に、ノ
ズル閉塞を起こしやすいAlを多く含有する鋼種に適す
る鋳造ノズルに関するもので、ZrO2−C質の耐食性
を保持しつつ、ノズル閉塞防止に効果のある鋳造用のノ
ズルに関する。 (従来の技術) 現在、製鋼においては、ほとんどが連続鋳造プロセスと
なっており、その各所に鋳造用ノズルが使用されてい
る。 鋳造用ノズルに要求される特性としては、耐熱性が充分
であること、耐スポーリング性がすぐれていること、溶
鋼、スラグ、パウダーに対し、耐食性がすぐれているこ
と、などが挙げられ、現在までに各種の改良がなされ連
続鋳造プロセスの安定した操業が図られてきている。 しかしながら、アルミキルド鋼等のアルミニウム添加鋼
においては、当初より大きな問題のひとつとして、Al
2O3がノズルの内壁に付着し、ノズルが閉塞するとい
う問題がある。 ノズル内に付着物が拡大すると、閉塞に至らないでも、
偏流による鋳片表面の品質の悪化、例えば傷等が発生す
る等の障害が発生する。今後さらに生産性向上のため高
速鋳造化を図る際に、ノズル閉塞による障害を起こさな
いよう、早急に解決すべき問題となっている。 鋳造用ノズル内に付着し、閉塞される物質はAl2O3
が主体となっており、これは溶鋼中のAl2O3が鋳造
用ノズル内壁に付着、沈積するものと考えられている。 鋳造用ノズルの閉塞を防止する手段のひとつとして、鋳
造用ノズルに不活性ガスを吹き込み、鋳造用ノズルの内
面から不活性ノズルを吹き出させ、Al2O3のノズル
内面への付着を物理的に阻止する方法が採られ、広く実
施されている。 また、他の手段としては、鋳造用ノズルの素材にAl2
O3と反応して低融性物質を生成する成分たとえばCa
O成分あるいはCaO−SiO2系成分等を含む原料を
使用し、それらの成分とAl2O3とが反応して出来た
低融性物質が溶鋼とともに流れ去ることにより、付着を
防止するという方法がある。 これらには、CaOを重量で10%をこえる量を含む、
ZrO2−C−CaO質、あるいはCaOとSiO2を
加えたものを重量で10%以上含むZrO2−C−Ca
O−SiO2質が知られている。 たとえば、ZrO2−C−CaO質について言えば、特
開昭57−71860号公報または特開昭62−288
161号公報に開示されているように、当該ノズル素材
のCaOが付着主成分となっているAl2O3と反応
し、第1図のCaO−Al2O3系状態図〔Schlackena
tias Slag atlas,1981 Verlag Stahleisen m.b.H.,Duss
eldorf P28〕の中で12CaO7Al2O3と液相とが
共存するような、CaO−Al2O3系の低融性の化合
物を生成することによって、溶鋼とともに流れ去るとい
うのがそれである。 しかしながら、鹿野・原田ら耐火物42〔1〕2〜13
(1990)によれば、鋳造用ノズル素材中のCaOと
付着物主成分のAl2O3との反応においては、付着物
のAl2O3が材質内部に侵入し、CaO−Al2O3
系の低融性の化合物を生成して溶出するとしているが、
この場合、必然的に流れ去る溶損量は大きくなる。ま
た、溶鋼中のAl濃度あるいはノズル材質中のCaO濃
度によっては必ずしも低融性の化合物が生成しない場合
もあることも述べられている。 このことは、特開平1−122644号公報でも述べら
れており、同時にその場合には、閉塞を促進するとされ
ている。従って、当特開平1−122644号公報で
は、低融性の化合物の生成を確実にするために、ZrO
2−CaO−SiO2−C質の鋳造用ノズルを開示して
いるが、この場合には、鋳造用ノズルの素材に付着物の
主成分であるAl2O3と反応して低融性の化合物を生成す
る成分をより多く含有しているので、溶損量はさらに大
きくなることが考えられる。 (発明が解決しようとする課題) 前者の、不活性ガス吹き込みの方法は付着防止に対して
有効な方法であるが、鋳造用ノズル内部に適切にガスを
流出するためには、鋳造用ノズル内にスリット状の空隙
や、鋳造用ノズルの内面側の通気性を適切に確保させね
ばならず、鋳造用ノズル製造上、難しい点が多いばかり
か、ガスの吹き込みによって、鋳片の品質に欠陥を生じ
る場合もあるなどの問題がある。 他方、低融性の化合物を生成させる後者の方法において
は前述のようにCaO,SiO2の含有量を多くするこ
とにより、鋳造用ノズル本体がAl2O3と反応して流れ去
るということは、本来、鋳造用ノズルへの要求特性であ
る溶鋼に対する安定性を著しく犠牲にしたものであり、
結果として耐久性を著しく劣化させたものとなってい
る。 (課題を解決するための手段) 本発明は、鋳造用ノズル全体あるいは一部が重量で、Z
rO2:50〜95%、C:0.1〜50%、B4C:
5超〜50%、又はB2O30.1〜50%、CaO:
0.2〜10%の組成からなることを特徴とする鋳造用
ノズルに関するものである。 本発明者らは、上記問題点を解決するために、種々実験
を試みた結果、従来、浸漬ノズルのパウダーラインに使
用されているZrO2−C質に、少量のCaOとB4C
を添加すると、ZrO2−C質の材料とAl2O3質の
材料との境界に溶鋼とともに流出するような低融物を容
易に生成することを知見し、本発明を完成させた。 すなわち、次の実験によってAl2O3質の材料とZr
O2−C質の材料の境界部の溶網による溶損深さがB4
CとCaOの添加によって、大きくなることを確認し
た。 第2図に示すように、高周波誘導炉によって鋼を溶解す
る装置を用いて溶鋼の側壁に試料を第3図に示すように
8角管状にセットし、試料5のAl2O3質aの材料と
ZrO2−C質bの材料の境界部の溶損深さ6を測定し
た。第2図は耐食性等の試験装置を示し、1はコイル、
2は耐火容器、3は耐火性スタンプ材、4は溶鋼、5は
試料である。第3図は試料セットの状況を示し、(イ)は
平面図で、(ロ)は縦断面図説明図を示す。 この実験に用いられた試料5は、巾:内側W238mm、
外側W155mm、長さL:150mm、厚さD:20mmで
あり、長さ方向を約半分ずつaはAl2O3質の材料と
bはZrO2−C質の材料とで張り合わせたものであ
る。 実験の条件は試料についてはCaOとB4Cの添加量に
よって4種類各2枚ずつ、溶鋼種はSS41、溶解温度15
50〜1600℃、溶解時間120分で行なった。 試料の特性およびAl2O3質の材料とZrO2−C質
の材料との境界部の溶損深さ6の結果を第1表に示す。 これは、B4Cが鋼中の酸素等に酸化されて生じたB2
O3とAl2O3及びCaOとの3成分系において、詳
細な状態図等は不明であるが、第4図のAl2O3−B
2O3系状態図〔K.H.Kim and F.A.Hummel,Private com
munication,Dec.20,1961〕に示されるように、B2O3
の割合が高いところでは、融点が非常に低く(これは第
3図 6の境界部近傍で生ずる)、これが先のCaO−
Al2O3系に対しても、低融化に対して、効果的に働
くものと考えられる。 このため、境界部がすみやかに溶損されたものとおもわ
れる。 本発明による連続鋳造用耐火物は第5図に示す浸漬ノズ
ルの他にタンディッシュ用ストッパー、ロングノズル、
上ノズル等溶鋼と接触する耐火物においては、全て使用
することができる。 以上の、従来のZrO2−C質に少量のCaOおよびB
4Cを添加すれば、Al2O3質の材料とZrO2−C
質の材料との境界部のみが、その添加量の増加にしたが
って、より深く溶損されるという結果に基づいて、本発
明に至ったものである。 (作用) 上記のノズル全体あるいは一部が重量で、ZrO2:50
〜90%、B4C:5超〜50%、又はB2O30.1〜50
%、CaO:0.2−10%、C:0.1〜50%の組成を持つ鋳
造用ノズルは、ZrO2として粒度10〜5000μmの部分
安定化されたジルコニアを用いる。B4Cとして、合成
された粒度44μm以下の炭化ホウ素を用いる。CaO
として粒度80μm以下の合成CaO・ZrO2を用い
る。Cとして粒度250μm以下の天然グラファイトを
用いる。これらの原料を所定量配合し、フェノールレジ
ンあるいはピッチタールと共に混練し、冷間静水圧プレ
ス等で成形後、非酸化性雰囲気で焼成する。このように
製造された鋳造用ノズルはZrO2が主成分となってい
るため、溶鋼に濡れ難く、耐食性も優れている。 又、B4C,CaOを含むため、Al2O3が付着した
場合、鋳造用ノズル素材との境界部が前述のように、容
易に侵食されるため、結果としてAl2O3の付着、成
長が防止できる。 この場合、CaOの含有量が充分少なくて済むので、境
界部のみが侵食され、Al2O3による本体の溶損がほ
とんどないのが特徴である。さらにB4Cは酸化防止効
果があるので、酸化損耗が著しく抑制される。 次に、本発明において、各成分範囲を規定した理由につ
いて示す。 ZrO2が重量で50%未満では耐食性が低下し重量で
95%を超えると、耐スポーリング性が低下して実用に
即さない。Cが重量で50%を超えると、耐食性が低下
し、重量で0.1%以下では耐スポーリング性が低下す
る。 B4Cは重量で5%以下では曲げ強度が少なくなり重量
で50%を超えると耐食性が低下する。 CaOは重量で0.2%より少ないと、効果が少なく、
また耐スポーリング性も低下する。重量で10%を超え
ると溶損を大きく耐久性に問題がでてくる。 (実施例) 以下に本発明の実施例について説明する。 第5図に実施した浸漬ノズルの構造を示す。 7はAl2O3−C質、8はZrO2−C質のパウダー
ライン用材質、9がノズルの内孔部、に相当し、9の浸
漬ノズル内孔部が本発明材質を用いた部分である。これ
を、同一のタンデイッシュに取り付けて、比較例も合わ
せて7種類を同一条件のアルミキルド鋼について連続鋳
造を行なった。 付着の度合については、第5図A−A′断面の狭縮率で
評価した。 狭縮率は、付着部の断面積を写真上で測定し、同様に測
定したノズル断面積に対する割合で示した。また、各材
質について耐食性の試験を行なった。試験の装置は第2
図に示したものと全く同様で試料5にそれぞれの材質を
配したものである。この場合の試験条件は試験寸法が、
巾:内側38mm、外側55mm、長さ:150mm、厚さ:
20mm、溶鋼種:SS41にアルミニウム金属0.4%を添加
したもの、溶解温度1550℃〜1600℃、溶解時間
5時間、また表面には溶鋼の酸化等を防ぐためにタンデ
ィッシュのスラグを浮かべて行なった。 溶損量はスラグラインの溶損深さと溶鋼部の溶損深さを
測定して判定した。 以上の結果を材質特性と合わせて第2表に示す。 本発明品は何れの場合も従来のAl2O3−C、ZrO
2−C質より付着が少なく、1/3以下である。又、Zr
O2−C−CaO−SiO2質とほぼ同等であるが、Z
rO2−C−CaO−SiO2質の場合は吐出孔鋼溶損
が大きく通鋼量1150トンで使用不能となった。 (発明の効果) 以上、記述したように、本発明によれば、閉塞の源であ
るAl2O3等の付着がし難く、しかも耐溶損性も損な
わない鋳造用ノズルの提供が可能となり、連続鋳造プロ
セスによる鋼の安定した品質製造が可能となる。
ズル閉塞を起こしやすいAlを多く含有する鋼種に適す
る鋳造ノズルに関するもので、ZrO2−C質の耐食性
を保持しつつ、ノズル閉塞防止に効果のある鋳造用のノ
ズルに関する。 (従来の技術) 現在、製鋼においては、ほとんどが連続鋳造プロセスと
なっており、その各所に鋳造用ノズルが使用されてい
る。 鋳造用ノズルに要求される特性としては、耐熱性が充分
であること、耐スポーリング性がすぐれていること、溶
鋼、スラグ、パウダーに対し、耐食性がすぐれているこ
と、などが挙げられ、現在までに各種の改良がなされ連
続鋳造プロセスの安定した操業が図られてきている。 しかしながら、アルミキルド鋼等のアルミニウム添加鋼
においては、当初より大きな問題のひとつとして、Al
2O3がノズルの内壁に付着し、ノズルが閉塞するとい
う問題がある。 ノズル内に付着物が拡大すると、閉塞に至らないでも、
偏流による鋳片表面の品質の悪化、例えば傷等が発生す
る等の障害が発生する。今後さらに生産性向上のため高
速鋳造化を図る際に、ノズル閉塞による障害を起こさな
いよう、早急に解決すべき問題となっている。 鋳造用ノズル内に付着し、閉塞される物質はAl2O3
が主体となっており、これは溶鋼中のAl2O3が鋳造
用ノズル内壁に付着、沈積するものと考えられている。 鋳造用ノズルの閉塞を防止する手段のひとつとして、鋳
造用ノズルに不活性ガスを吹き込み、鋳造用ノズルの内
面から不活性ノズルを吹き出させ、Al2O3のノズル
内面への付着を物理的に阻止する方法が採られ、広く実
施されている。 また、他の手段としては、鋳造用ノズルの素材にAl2
O3と反応して低融性物質を生成する成分たとえばCa
O成分あるいはCaO−SiO2系成分等を含む原料を
使用し、それらの成分とAl2O3とが反応して出来た
低融性物質が溶鋼とともに流れ去ることにより、付着を
防止するという方法がある。 これらには、CaOを重量で10%をこえる量を含む、
ZrO2−C−CaO質、あるいはCaOとSiO2を
加えたものを重量で10%以上含むZrO2−C−Ca
O−SiO2質が知られている。 たとえば、ZrO2−C−CaO質について言えば、特
開昭57−71860号公報または特開昭62−288
161号公報に開示されているように、当該ノズル素材
のCaOが付着主成分となっているAl2O3と反応
し、第1図のCaO−Al2O3系状態図〔Schlackena
tias Slag atlas,1981 Verlag Stahleisen m.b.H.,Duss
eldorf P28〕の中で12CaO7Al2O3と液相とが
共存するような、CaO−Al2O3系の低融性の化合
物を生成することによって、溶鋼とともに流れ去るとい
うのがそれである。 しかしながら、鹿野・原田ら耐火物42〔1〕2〜13
(1990)によれば、鋳造用ノズル素材中のCaOと
付着物主成分のAl2O3との反応においては、付着物
のAl2O3が材質内部に侵入し、CaO−Al2O3
系の低融性の化合物を生成して溶出するとしているが、
この場合、必然的に流れ去る溶損量は大きくなる。ま
た、溶鋼中のAl濃度あるいはノズル材質中のCaO濃
度によっては必ずしも低融性の化合物が生成しない場合
もあることも述べられている。 このことは、特開平1−122644号公報でも述べら
れており、同時にその場合には、閉塞を促進するとされ
ている。従って、当特開平1−122644号公報で
は、低融性の化合物の生成を確実にするために、ZrO
2−CaO−SiO2−C質の鋳造用ノズルを開示して
いるが、この場合には、鋳造用ノズルの素材に付着物の
主成分であるAl2O3と反応して低融性の化合物を生成す
る成分をより多く含有しているので、溶損量はさらに大
きくなることが考えられる。 (発明が解決しようとする課題) 前者の、不活性ガス吹き込みの方法は付着防止に対して
有効な方法であるが、鋳造用ノズル内部に適切にガスを
流出するためには、鋳造用ノズル内にスリット状の空隙
や、鋳造用ノズルの内面側の通気性を適切に確保させね
ばならず、鋳造用ノズル製造上、難しい点が多いばかり
か、ガスの吹き込みによって、鋳片の品質に欠陥を生じ
る場合もあるなどの問題がある。 他方、低融性の化合物を生成させる後者の方法において
は前述のようにCaO,SiO2の含有量を多くするこ
とにより、鋳造用ノズル本体がAl2O3と反応して流れ去
るということは、本来、鋳造用ノズルへの要求特性であ
る溶鋼に対する安定性を著しく犠牲にしたものであり、
結果として耐久性を著しく劣化させたものとなってい
る。 (課題を解決するための手段) 本発明は、鋳造用ノズル全体あるいは一部が重量で、Z
rO2:50〜95%、C:0.1〜50%、B4C:
5超〜50%、又はB2O30.1〜50%、CaO:
0.2〜10%の組成からなることを特徴とする鋳造用
ノズルに関するものである。 本発明者らは、上記問題点を解決するために、種々実験
を試みた結果、従来、浸漬ノズルのパウダーラインに使
用されているZrO2−C質に、少量のCaOとB4C
を添加すると、ZrO2−C質の材料とAl2O3質の
材料との境界に溶鋼とともに流出するような低融物を容
易に生成することを知見し、本発明を完成させた。 すなわち、次の実験によってAl2O3質の材料とZr
O2−C質の材料の境界部の溶網による溶損深さがB4
CとCaOの添加によって、大きくなることを確認し
た。 第2図に示すように、高周波誘導炉によって鋼を溶解す
る装置を用いて溶鋼の側壁に試料を第3図に示すように
8角管状にセットし、試料5のAl2O3質aの材料と
ZrO2−C質bの材料の境界部の溶損深さ6を測定し
た。第2図は耐食性等の試験装置を示し、1はコイル、
2は耐火容器、3は耐火性スタンプ材、4は溶鋼、5は
試料である。第3図は試料セットの状況を示し、(イ)は
平面図で、(ロ)は縦断面図説明図を示す。 この実験に用いられた試料5は、巾:内側W238mm、
外側W155mm、長さL:150mm、厚さD:20mmで
あり、長さ方向を約半分ずつaはAl2O3質の材料と
bはZrO2−C質の材料とで張り合わせたものであ
る。 実験の条件は試料についてはCaOとB4Cの添加量に
よって4種類各2枚ずつ、溶鋼種はSS41、溶解温度15
50〜1600℃、溶解時間120分で行なった。 試料の特性およびAl2O3質の材料とZrO2−C質
の材料との境界部の溶損深さ6の結果を第1表に示す。 これは、B4Cが鋼中の酸素等に酸化されて生じたB2
O3とAl2O3及びCaOとの3成分系において、詳
細な状態図等は不明であるが、第4図のAl2O3−B
2O3系状態図〔K.H.Kim and F.A.Hummel,Private com
munication,Dec.20,1961〕に示されるように、B2O3
の割合が高いところでは、融点が非常に低く(これは第
3図 6の境界部近傍で生ずる)、これが先のCaO−
Al2O3系に対しても、低融化に対して、効果的に働
くものと考えられる。 このため、境界部がすみやかに溶損されたものとおもわ
れる。 本発明による連続鋳造用耐火物は第5図に示す浸漬ノズ
ルの他にタンディッシュ用ストッパー、ロングノズル、
上ノズル等溶鋼と接触する耐火物においては、全て使用
することができる。 以上の、従来のZrO2−C質に少量のCaOおよびB
4Cを添加すれば、Al2O3質の材料とZrO2−C
質の材料との境界部のみが、その添加量の増加にしたが
って、より深く溶損されるという結果に基づいて、本発
明に至ったものである。 (作用) 上記のノズル全体あるいは一部が重量で、ZrO2:50
〜90%、B4C:5超〜50%、又はB2O30.1〜50
%、CaO:0.2−10%、C:0.1〜50%の組成を持つ鋳
造用ノズルは、ZrO2として粒度10〜5000μmの部分
安定化されたジルコニアを用いる。B4Cとして、合成
された粒度44μm以下の炭化ホウ素を用いる。CaO
として粒度80μm以下の合成CaO・ZrO2を用い
る。Cとして粒度250μm以下の天然グラファイトを
用いる。これらの原料を所定量配合し、フェノールレジ
ンあるいはピッチタールと共に混練し、冷間静水圧プレ
ス等で成形後、非酸化性雰囲気で焼成する。このように
製造された鋳造用ノズルはZrO2が主成分となってい
るため、溶鋼に濡れ難く、耐食性も優れている。 又、B4C,CaOを含むため、Al2O3が付着した
場合、鋳造用ノズル素材との境界部が前述のように、容
易に侵食されるため、結果としてAl2O3の付着、成
長が防止できる。 この場合、CaOの含有量が充分少なくて済むので、境
界部のみが侵食され、Al2O3による本体の溶損がほ
とんどないのが特徴である。さらにB4Cは酸化防止効
果があるので、酸化損耗が著しく抑制される。 次に、本発明において、各成分範囲を規定した理由につ
いて示す。 ZrO2が重量で50%未満では耐食性が低下し重量で
95%を超えると、耐スポーリング性が低下して実用に
即さない。Cが重量で50%を超えると、耐食性が低下
し、重量で0.1%以下では耐スポーリング性が低下す
る。 B4Cは重量で5%以下では曲げ強度が少なくなり重量
で50%を超えると耐食性が低下する。 CaOは重量で0.2%より少ないと、効果が少なく、
また耐スポーリング性も低下する。重量で10%を超え
ると溶損を大きく耐久性に問題がでてくる。 (実施例) 以下に本発明の実施例について説明する。 第5図に実施した浸漬ノズルの構造を示す。 7はAl2O3−C質、8はZrO2−C質のパウダー
ライン用材質、9がノズルの内孔部、に相当し、9の浸
漬ノズル内孔部が本発明材質を用いた部分である。これ
を、同一のタンデイッシュに取り付けて、比較例も合わ
せて7種類を同一条件のアルミキルド鋼について連続鋳
造を行なった。 付着の度合については、第5図A−A′断面の狭縮率で
評価した。 狭縮率は、付着部の断面積を写真上で測定し、同様に測
定したノズル断面積に対する割合で示した。また、各材
質について耐食性の試験を行なった。試験の装置は第2
図に示したものと全く同様で試料5にそれぞれの材質を
配したものである。この場合の試験条件は試験寸法が、
巾:内側38mm、外側55mm、長さ:150mm、厚さ:
20mm、溶鋼種:SS41にアルミニウム金属0.4%を添加
したもの、溶解温度1550℃〜1600℃、溶解時間
5時間、また表面には溶鋼の酸化等を防ぐためにタンデ
ィッシュのスラグを浮かべて行なった。 溶損量はスラグラインの溶損深さと溶鋼部の溶損深さを
測定して判定した。 以上の結果を材質特性と合わせて第2表に示す。 本発明品は何れの場合も従来のAl2O3−C、ZrO
2−C質より付着が少なく、1/3以下である。又、Zr
O2−C−CaO−SiO2質とほぼ同等であるが、Z
rO2−C−CaO−SiO2質の場合は吐出孔鋼溶損
が大きく通鋼量1150トンで使用不能となった。 (発明の効果) 以上、記述したように、本発明によれば、閉塞の源であ
るAl2O3等の付着がし難く、しかも耐溶損性も損な
わない鋳造用ノズルの提供が可能となり、連続鋳造プロ
セスによる鋼の安定した品質製造が可能となる。
第1図はCaO−Al2O3系の状態図、第2図は、耐
食性等の試験装置、第3図は試料セットの状況、第4図
はAl2O3系状態図、第5図は実施例で用いた浸漬ノ
ズルの材質構成を示したものである。 1…コイル 2…耐火容器 3…耐火性スタンプ材 4…溶鋼 5…試料 6…境界部溶損深さ 7…Al2O3−C材質、 8…ZrO2−C系パウダーライン材質 9…ノズル内孔部で本発明材質
食性等の試験装置、第3図は試料セットの状況、第4図
はAl2O3系状態図、第5図は実施例で用いた浸漬ノ
ズルの材質構成を示したものである。 1…コイル 2…耐火容器 3…耐火性スタンプ材 4…溶鋼 5…試料 6…境界部溶損深さ 7…Al2O3−C材質、 8…ZrO2−C系パウダーライン材質 9…ノズル内孔部で本発明材質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北楯 紘二 大阪府東大阪市稲田新町3―11―32 日本 坩堝株式会社大阪工場内 (72)発明者 中林 正興 大阪府東大阪市稲田新町3―11―32 日本 坩堝株式会社大阪工場内 (72)発明者 岡 信幸 大阪府東大阪市稲田新町3―11―32 日本 坩堝株式会社大阪工場内 (56)参考文献 特開 昭57−156370(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】ZrO2:50〜95%、C:0.1〜5
0%、B4C:5超〜50%、又はB2O30.1〜5
0%、CaO:0.2〜10%の組成からなることを特
徴とする連続鋳造用耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2097612A JPH064509B2 (ja) | 1990-04-16 | 1990-04-16 | 連続鋳造用耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2097612A JPH064509B2 (ja) | 1990-04-16 | 1990-04-16 | 連続鋳造用耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03295858A JPH03295858A (ja) | 1991-12-26 |
JPH064509B2 true JPH064509B2 (ja) | 1994-01-19 |
Family
ID=14197038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2097612A Expired - Lifetime JPH064509B2 (ja) | 1990-04-16 | 1990-04-16 | 連続鋳造用耐火物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH064509B2 (ja) |
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Family Cites Families (3)
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-
1990
- 1990-04-16 JP JP2097612A patent/JPH064509B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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