JP2005141995A - 負極および電池 - Google Patents

負極および電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2005141995A
JP2005141995A JP2003376186A JP2003376186A JP2005141995A JP 2005141995 A JP2005141995 A JP 2005141995A JP 2003376186 A JP2003376186 A JP 2003376186A JP 2003376186 A JP2003376186 A JP 2003376186A JP 2005141995 A JP2005141995 A JP 2005141995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
active material
material layer
electrode active
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003376186A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3786277B2 (ja
Inventor
Isamu Konishiike
勇 小西池
Tomoo Takada
智雄 高田
Kenichi Kawase
賢一 川瀬
Yukio Miyaki
幸夫 宮木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003376186A priority Critical patent/JP3786277B2/ja
Priority to US10/969,815 priority patent/US7432014B2/en
Priority to KR1020040089091A priority patent/KR101174507B1/ko
Priority to CN2011100054578A priority patent/CN102088073B/zh
Priority to CN2009101377606A priority patent/CN101533903B/zh
Priority to CNB2004100981352A priority patent/CN100511773C/zh
Priority to TW093133917A priority patent/TWI279021B/zh
Publication of JP2005141995A publication Critical patent/JP2005141995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3786277B2 publication Critical patent/JP3786277B2/ja
Priority to US11/670,244 priority patent/US7625668B2/en
Priority to US11/670,249 priority patent/US7459233B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】 負極活物質層の充放電に伴う構造破壊、および電解質との反応性を低減させることにより、サイクル特性を向上させることができる負極およびそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】 負極活物質層12はLiと合金を形成可能な元素、例えばSiまたはGeの単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる。負極活物質層12の上には、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層13が形成されている。超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料としては、Ni−Ti合金あるいはNiとTiと他の元素とを含む合金が好ましい。これにより、負極活物質層と電解質との反応、および負極活物質層の膨張・収縮による負極活物質層の構造破壊を抑制することができると共に、薄膜層の剥離も抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、負極集電体に負極活物質層が設けられた負極、およびそれを用いた電池に関する。
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が切望されている。この要求に応える二次電池としてリチウム二次電池がある。しかし、現在におけるリチウム二次電池の代表的な形態である、正極にコバルト酸リチウム、負極に黒鉛を用いた場合の電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は極めて困難な状況である。そこで、古くから負極に金属リチウム(Li)を用いることが検討されているが、この負極を実用化するには、リチウムの析出溶解効率の向上およびデンドライト状の析出形態の制御などを図る必要がある。
その一方で、最近、ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge)あるいはスズ(Sn)などを用いた高容量の負極の検討が盛んに行われている。しかし、これらの負極は充放電を繰り返すと、活物質の激しい膨張および収縮により粉砕して微細化し、集電性が低下したり、表面積の増大に起因して電解液の分解反応が促進され、サイクル特性は極めて劣悪であった。そこで、気相法、液相法あるいは焼結法などにより集電体に活物質層を形成した負極も検討されている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照。)。これによれば、粒子状の活物質およびバインダーなどを含むスラリーを塗布した従来の塗布型負極に比べて微細化を抑制することができると共に、集電体と活物質層とを一体化することができるので負極における電子伝導性が極めて良好となり、容量的にもサイクル寿命的にも高性能化が期待されている。また、従来は負極中に存在した導電材、バインダーおよび空隙などを低減または排除することもできるので、本質的に負極を薄膜化することが可能となる。
特開平8−50922号公報 特許第2948205号公報 特開平11−135115号公報
しかしながら、この負極でも、充放電に伴う活物質の膨張収縮により、活物質の脱落が起こり、サイクル特性が十分とは言えない。また、電解質との反応性は依然として高く、充放電に伴う電解質との反応によって、電池の容量低下を誘発してしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、負極活物質層の充放電に伴う構造破壊、および電解質との反応性を低減させることにより、サイクル特性を向上させることができる負極およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明による第1の負極は、負極集電体に負極活物質層が設けられたものであって、負極活物質層に設けられた超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層を備えたものである。
本発明による第2の負極は、負極集電体に負極活物質層が設けられたものであって、負極活物質層に設けられたニッケル(Ni)とチタン(Ti)とを含む薄膜層を備えたものである。
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、負極集電体と、この負極集電体に設けられた負極活物質層と、この負極活物質層に設けられた超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層とを備えたものである。
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、負極集電体と、この負極集電体に設けられた負極活物質層と、この負極活物質層に設けられたニッケルとチタンとを含む薄膜層とを備えたものである。
本発明の第1の負極および第1の電池によれば、負極活物質層に超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層を設けるようにしたので、負極活物質層と電解質との反応、および負極活物質層の膨張・収縮による負極活物質層の構造破壊を抑制することができると共に、負極活物質層の膨張・収縮による薄膜層の剥離を抑制することができる。よって、サイクル特性を向上させることができる。
特に、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料として、リチウムと金属間化合物を形成しないものを含むようにすれば、充放電に伴って薄膜層が膨張・収縮し、薄膜層が剥離してしまうことを抑制することができる。
本発明の第2の負極および第2の電池によれば、負極活物質層にニッケルとチタンとを含む薄膜層を設けるようにしたので、負極活物質層と電解質との反応、および負極活物質層の膨張・収縮による負極活物質層の構造破壊を抑制することができると共に、負極活物質層の膨張・収縮、および薄膜層の膨張・収縮による薄膜層の剥離を抑制することができる。よって、サイクル特性を向上させることができる。
特に、薄膜層におけるニッケルとチタンとの組成比を、原子比で、ニッケルが49〜52に対してチタンが51〜48、またはニッケルが35〜45に対してチタンが45〜55の範囲内とすれば、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る負極10の構成を簡略化して表すものである。負極10は、例えば、負極集電体11と、負極集電体11に設けられた負極活物質層12と、負極活物質層12に設けられた薄膜層13とを有している。負極集電体11,負極活物質層12および薄膜層13はこの順に積層されている。負極活物質層12および薄膜層13は、負極集電体11の両面に形成されていてもよく、片面に形成されていてもよい。
負極集電体11は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層12を支える能力が小さくなり負極活物質層12が負極集電体11から脱落し易いからである。なお、本明細書において金属材料には、金属元素の単体だけでなく、2種以上の金属元素あるいは1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなる合金も含める。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル,チタン,鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)が挙げられる。
中でも、負極活物質層12と合金化する金属元素が好ましい。後述するように、負極活物質層12がリチウムと合金を形成可能な元素の単体,合金または化合物などを含む場合には、充放電に伴い負極活物質層12が大きく膨張・収縮して負極集電体11から脱落しやすいが、負極活物質層12と負極集電体11とを合金化させて強固に接着させることにより、脱落を抑制することができるからである。リチウムと金属間化合物を形成せず、負極活物質層12と合金化する金属元素、例えば、ケイ素あるいはゲルマニウムの単体,合金または化合物と合金化する金属元素としては、銅,ニッケルあるいは鉄が挙げられる。また、負極活物質層12との合金化、強度および導電性の観点からも、銅,ニッケルあるいは鉄が好ましい。
なお、負極集電体11は、単層により構成してもよいが、複数層により構成してもよい。その場合、負極活物質層12と接する層を負極活物質層12と合金化する金属材料により構成し、他の層を他の金属材料により構成するようにしてもよい。また、負極集電体11は、負極活物質層12との界面以外は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種よりなる金属材料により構成することが好ましい。
負極活物質層12は、例えば、負極活物質として、リチウムと合金を形成可能な元素の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含んで構成されている。中でも、負極活物質としては、ケイ素またはゲルマニウムの単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましく、特に、ケイ素の単体,合金あるいは化合物が好ましい。ケイ素またはゲルマニウムの単体,合金および化合物は、リチウムを吸蔵・離脱する能力が大きく、組み合わせによっては、従来の黒鉛と比較して負極10のエネルギー密度を高くすることができ、特に、ケイ素の単体,合金あるいは化合物は毒性が低く、かつ安価だからである。
ケイ素の合金あるいは化合物としては、例えば、SiB4 ,SiB6 ,Mg2 Si,Ni2 Si,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 ,NiSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,FeSi2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 ,ZnSi2 ,SiC,Si3 4 ,Si2 2 O,SiOv (0<v≦2)あるいはLiSiOが挙げられる。また、ゲルマニウムの化合物としては、例えば、Ge3 4 ,GeO,GeO2 ,GeS,GeS2 ,GeF4 あるいはGeBr4 が挙げられる。
負極活物質層12は、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたものであることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層12の膨張・収縮による破壊を抑制することができると共に、負極集電体11と負極活物質層12とを一体化することができ、負極活物質層12における電子伝導性を向上させることができるからである。また、バインダーおよび空隙などを低減または排除でき、負極10を薄膜化することもできるからである。なお、本明細書でいう「活物質層を焼結法により形成する」とは、活物質を含む粉末とバインダーとを混合し成形した層を、非酸化性雰囲気下等で熱処理することにより、熱処理前よりも体積密度が高く、より緻密な層を形成することを意味する。
なお、負極活物質層12は、塗布により形成されたもの、具体的には、負極活物質と必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含んだものでもよい。但し、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたものの方が好ましい。上述の理由の他、塗布のみにより形成したものに比べて薄膜層13を容易に形成することができるからである。
負極活物質層12は、また、膨張および収縮により負極集電体11から脱落しないように、負極集電体11との界面の少なくとも一部において負極集電体11と合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体11の構成元素が負極活物質層12に、または負極活物質層12の構成元素が負極集電体11に、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。この合金化は、負極活物質層12を気相法,液相法あるいは焼結法により形成する際に同時に起こることが多いが、更に熱処理が施されることにより起こったものでもよい。なお、本明細書では、上述した元素の拡散も合金化の一形態に含める。
薄膜層13は、負極活物質層12と電解質との反応を抑制すると共に、負極活物質層12を覆うことにより充放電に伴う負極活物質層12の構造破壊を抑制するものである。薄膜層13は、超弾性または形状記憶効果を有する材料、例えば合金を含んでいることが好ましい。充放電に伴い負極活物質層12が膨張・収縮しても、薄膜層13が剥離しにくいからである。ここで、超弾性とは、“JIS H7001 番号1011”に定義されているように、負荷時の応力誘起マルテンサイト変態によって生じた変形が除荷時に逆変態によって回復する性質である。また、形状記憶効果とは、“JIS H7001 番号1002”に定義されているように、ある形状の合金を低温相( マルテンサイト) の状態で異なる形状に変形させても高温相( 母相) が安定になる温度に加熱すると逆変態が起こり、変形前の形状に戻る現象である。
また、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料としては、リチウムと金属間化合物を形成しないものが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴って薄膜層13が膨張・収縮してしまい、負極活物質層12から脱落し易いからである。このような材料としては、ニッケルとチタンとを含む合金、例えば、ニッケル−チタン合金、またはニッケルおよびチタンに加えて銅,ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),クロム,マンガン(Mn),鉄あるいはコバルト(Co)などの他の元素を1種または2種以上含む合金が挙げられる。また、マンガンと銅とを含む合金なども挙げられる。
中でも、ニッケルとチタンとを含む合金は、良好な超弾性あるいは形状記憶効果を有し、かつリチウムと金属間化合物を形成せず、更に耐食性にも優れているので、負極活物質層12との密着性に優れており好ましい。特に、ニッケル−チタン合金であれば、ニッケル49原子%〜52原子%に対してチタン51原子%〜48原子%のものが好ましく、ニッケルおよびチタンに加えて他の元素を含む合金であれば、ニッケル35原子%〜45原子%に対してチタン45原子%〜55原子%のものが好ましい。すなわち、薄膜層13がこれらの合金を含む場合には、薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比は、原子比で、ニッケル49〜52に対してチタン51〜48、またはニッケル35〜45に対してチタン45〜55であることが好ましい。なお、ニッケルおよびチタンに加えて他の元素を含む合金の場合、他の元素としては銅が好ましく、銅に加えて上述した他の元素を含んでいてもよい。銅はニッケル−チタン合金に30原子%以上も固溶することができ、価格が安価で、特性も良好だからである。
薄膜層13は一部が酸化されていてもよい。また、薄膜層13は、負極活物質層12との界面の少なくとも一部において負極活物質層12と合金化していてもよい。具体的には、界面において負極活物質が薄膜層13に、または薄膜層13の構成元素が負極活物質層12に、またはそれらが互いに拡散していてもよい。合金化により薄膜層13と負極活物質層12とが強固に接着し、薄膜層13の負極活物質層12からの脱落を抑制することができる場合があるからである。但し、あまり激しく合金化すると薄膜層13の組成が大きく変化し、目的とする特性を得ることができないので、薄膜層13の少なくとも一部には上述した組成の合金が含まれていることが好ましい。
なお、薄膜層13は、例えば、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたものであることが好ましい。負極活物質層12との接着性を向上させることができる共に、薄膜層13を負極活物質層12上に均一に形成することができるからである。中でも、気相法によれば、より簡単に得ることができるので好ましい。
このような薄膜層13は、単層により構成してもよいが、複数層により構成してもよい。その場合、薄膜層13の表面側を上述した合金を含むように構成し、負極活物質層12の側を他の金属材料により構成するようにしてもよい。また、薄膜層13は、負極活物質層12の表面の少なくとも一部に設けられていればよく、全面に設けられている必要はない。例えば、島状に設けられていてもよく、負極活物質層12を露出させる開口を有していてもよい。
この負極10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、金属箔よりなる負極集電体11を用意し、負極集電体11に、気相法または液相法により、負極活物質を堆積させることにより負極活物質層12を形成する。また、粒子状の負極活物質を含む前駆層を負極集電体11に形成したのち、これを焼結させる焼結法により負極活物質層12を成膜してもよいし、気相法,液相法および焼結法のうちの2つまたは3つの方法を組み合わせて負極活物質層12を成膜するようにしてもよい。このように気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法を用いることにより、場合によっては、負極集電体11との界面の少なくとも一部において負極集電体11と合金化した負極活物質層12が成膜される。なお、負極集電体11と負極活物質層12との界面をより合金化させるために、更に、真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行うようにしてもよい。特に、鍍金により負極活物質層12を成膜する場合には、合金化しにくい場合があるので、必要に応じてこの熱処理を行うことが好ましい。また、気相法により成膜する場合においても、負極集電体11と負極活物質層12との界面をより合金化させることにより特性を向上させることができる場合があるので、必要に応じてこの熱処理を行うことが好ましい。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法が挙げられ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,熱CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法あるいはプラズマCVD法等が挙げられる。液相法としては電解鍍金あるいは無電解鍍金等の公知の手法が利用可能である。焼結法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼結法,反応焼結法あるいはホットプレス焼結法が利用可能である。
また、負極活物質層12は、塗布により形成してもよい。具体的には、例えば、負極活物質とバインダーとを混合して合剤を調製し、この合剤をN−メチルピロリドンなどの分散媒に分散させて合剤スラリーを作製し、この合剤スラリーを負極集電体11に塗布して乾燥させたのち、圧縮成型することにより形成してもよい。但し、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成するようにした方が、負極集電体11と負極活物質層12との接着性が高められる他、上述したように負極活物質層12が形成されるのと同時に負極集電体11と負極活物質層12との合金化が進行する場合が多いので好ましい。
負極活物質層12を形成したのち、例えば、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により、負極活物質層12に薄膜層13を形成する。これにより、負極活物質層12上に薄膜層13が均一に形成される。中でも、気相法、例えば真空蒸着法あるいはスパッタリング法により薄膜層13を形成することが好ましい。例えばスパッタリング法を用いる場合、予め目的の組成が得られるように調節した合金よりなるスパッタリングターゲットを用いてもよく、多元ターゲットを用いた同時スパッタリングとしてもよい。また、例えばニッケルの薄膜とチタンの薄膜とを交互に積層したのち、熱処理により合金化してもよい。更に、超弾性あるいは形状記憶効果を得るために、成膜中に加熱するようにしてもよく、または、成膜後に非酸化雰囲気下において熱処理をするようにしてもよい。これにより図1に示した負極10が得られる。
なお、負極活物質層12を気相法,液相法または塗布により形成する場合には、例えば図2に示したように、負極活物質層12は負極集電体11の全面に形成され場合が多いので、その上に形成される薄膜層13も負極活物質層12の全面に形成される場合が多い。一方、負極活物質層12を焼結法により形成する場合には、例えば図3に示したように、負極活物質層12は塗布した活物質同士の隙間が空隙として残っている場合が多いので、薄膜層13は負極活物質層12の一部に形成される場合が多い。
この負極10は、例えば、次のような二次電池の負極に用いられる。
図4は、その二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるコイン型といわれるものであり、外装カップ20に収容された負極10と、外装缶30内に収容された正極40とが、セパレータ50を介して積層されたものである。外装カップ20および外装缶30の周縁部は絶縁性のガスケット60を介してかしめることにより密閉されている。外装カップ20および外装缶30は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。
正極40は、例えば、正極集電体41と、正極集電体41に設けられた正極活物質層42とを有しており、正極活物質層42の側が薄膜層13と対向するように配置されている。正極集電体41は、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。
正極活物質層42は、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、一般式Lix MIO2 で表されるリチウム含有金属複合酸化物が好ましい。リチウム含有金属複合酸化物は、高電圧を発生可能であると共に、高密度であるため、二次電池の更なる高容量化を図ることができるからである。なお、MIは1種類以上の遷移金属であり、例えばコバルトおよびニッケルのうちの少なくとも一方が好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム含有金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
なお、正極40は、例えば、正極活物質と導電材とバインダーとを混合して合剤を調製し、この合剤をN−メチルピロリドンなどの分散媒に分散させて合剤スラリーを作製し、この合剤スラリーを金属箔よりなる正極集電体41に塗布し乾燥させたのち、圧縮成型し正極正極活物質層42を形成することにより作製することができる。
セパレータ50は、負極10と正極40とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ50は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
セパレータ50には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩と含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネートあるいはエチルメチルカーボネート等の有機溶媒が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6 ,LiCF3 SO3 あるいはLiClO4 が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、負極10、電解液が含浸されたセパレータ50および正極40を積層して、外装カップ20と外装缶30との中に入れ、それらをかしめることにより製造することができる。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極40からリチウムイオンが離脱し、電解液を介して負極10に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極10からリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極40に吸蔵される。その際、薄膜層13により、負極活物質層12と電解液との反応が抑制されると共に、膨張および収縮に伴う負極活物質層12の構造破壊が抑制される。また、薄膜層13は超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含んでいるので、負極活物質層12が膨張・収縮しても、薄膜層13が負極活物質層12から剥離することが抑制される。なお、リチウムイオンは、薄膜層13のクラックあるいはピンホールなどを通じて、または、薄膜層13が薄い場合には薄膜層13を拡散することにより、電解液と負極活物質層12との間を移動すると考えられる。
本実施の形態に係る負極10は、次のような二次電池の負極に用いてもよい。
図5は、その二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、リード111,112が取り付けられた電極巻回体120をフィルム状の外装部材131,132の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
リード111,112は、それぞれ、外装部材131,132の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。リード111,112は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材131,132は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材131,132は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体120とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材131,132とリード111,112との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム133が挿入されている。密着フィルム133は、リード111,112に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材131,132は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図6は、図5に示した電極巻回体120のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体120は、負極10と正極121とをセパレータ122および電解質層123を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ124により保護されている。
負極10は、負極集電体11の片面あるいは両面に負極活物質層12が設けられた構造を有している。正極121も、正極集電体121Aの片面あるいは両面に正極活物質層121Bが設けられた構造を有しており、正極活物質層121Bの側が負極活物質層12と対向するように配置されている。正極集電体121A,正極活物質層121Bおよびセパレータ122の構成は、それぞれ上述した正極集電体41,正極活物質層42およびセパレータ50と同様である。
電解質層123は、保持体に電解液を保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液あるいは高温における膨れを防止することができるので好ましい。電解液(すなわち溶媒および電解質塩)の構成は、図4に示したコイン型の二次電池と同様である。保持体は、例えば高分子材料により構成されている。高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、負極10および正極121のそれぞれに、保持体に電解液を保持させた電解質層123を形成する。そののち、負極集電体11の端部にリード111を溶接により取り付けると共に、正極集電体121Aの端部にリード112を溶接により取り付ける。次いで、電解質層123が形成された負極10と正極121とをセパレータ122を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ124を接着して電極巻回体120を形成する。最後に、例えば、外装部材131,132の間に電極巻回体120を挟み込み、外装部材131,132の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、リード111,112と外装部材131,132との間には密着フィルム133を挿入する。これにより、図5および図6に示した二次電池が完成する。
この二次電池の作用は、図4に示したコイン型の二次電池と同様である。
このように本実施の形態では、負極活物質層12に、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層13を備えるようにしたので、負極活物質層12と電解質との反応、および負極活物質層12の膨張・収縮に伴う負極活物質層12の構造破壊を抑制することができると共に、負極活物質層12が膨張・収縮しても、薄膜層13が剥離することを抑制することができる。よって、サイクル特性を向上させることができる。
特に、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料として、リチウムと金属間化合物を形成しないものを含むようにすれば、充放電に伴って薄膜層13が膨張・収縮し、薄膜層13が剥離してしまうことを抑制することができる。
また、薄膜層13がニッケルとチタンとを含むようにすれば、より高い効果を得ることができ、特に、薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比が、原子比で、ニッケル49〜52に対してチタン51〜48、またはニッケル35〜45に対してチタン45〜55の範囲内とすれば、更に高い効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例では、上記実施の形態において用いた符合および記号をそのまま対応させて用いる。
(実施例1−1〜1−5)
まず、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体11の上に、スパッタリング法によりケイ素よりなる厚み5μmの負極活物質層12を形成した。次いで、負極活物質層12の上に、ニッケル−チタン合金ターゲットを用いたスパッタリング法により、300℃以上の加熱条件下において、ニッケル−チタン合金よりなる厚み0.2μmの薄膜層13を形成した。その際、ニッケル−チタン合金ターゲットの上にニッケルチップあるいはチタンチップを載せてスパッタリングすることにより、薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比を実施例1−1〜1−5で変化させた。実施例1−1では原子比でニッケル48に対してチタン52とし、実施例1−2では原子比でニッケル49に対してチタン51とし、実施例1−3では原子比でニッケル50.5に対してチタン49.5とし、実施例1−4では原子比でニッケル52に対してチタン48とし、実施例1−5では原子比でニッケル53に対してチタン47とした。これにより実施例1−1〜1−5の負極10を得た。
続いて、作製した実施例1−1〜1−5の負極10を用いて、図4に示した直径20mm、厚み16mmのコイン型の二次電池を作製した。正極40は、正極活物質である平均粒径5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2 )の粉末と、導電材であるカーボンブラックと、バインダーであるポリフッ化ビニリデンとを、コバルト酸リチウム:カーボンブラック:ポリフッ化ビニリデン=92:3:5の質量比で混合し、これを分散媒であるN−メチルピロリドンへ投入して合剤スラリーとし、厚み15μmのアルミニウムよりなる正極集電体41に塗布して乾燥させ、加圧して正極活物質層42を形成することにより作製した。電解液にはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の質量比で混合した溶媒に、リチウム塩であるLiPF6 を1.0mol/dm3 となるように溶解させたものを用いた。セパレータ50にはポリプロピレン製フィルムを用いた。
作製した実施例1−1〜1−5の二次電池について、25℃の条件下で充放電試験を行い、50サイクル目の容量維持率を求めた。その際、充電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.02mA/cm2 に達するまで行い、放電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が2.5Vに達するまで行った。なお、充電を行う際には、予め実測および計算により求めた負極10および正極40の充放電容量に基づいて初回の充電での負極利用率を90%と設定し、金属リチウムが析出しないようにした。50サイクル目の容量維持率は、初回放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比率、すなわち(50サイクル目の放電容量/初回放電容量)×100として算出した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2005141995
実施例1−1〜1−5に対する比較例1−1として、薄膜層を形成しないことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして負極を形成し、二次電池を作製した。また、実施例1−1〜1−5に対する比較例1−2,1−3として、薄膜層を銅またはニッケルにより形成したことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして負極を形成し、二次電池を作製した。比較例1−1〜1−3の二次電池についても、実施例1−1〜1−5と同様にして、充放電試験を行い、50サイクル目の容量維持率を求めた。その結果も表1に合わせて示す。
表1から分かるように、超弾性あるいは形状記憶効果を有するニッケル−チタン合金を含む薄膜層13を設けた実施例1−1〜1−5によれば、薄膜層を形成しなかった比較例1−1、および薄膜層を銅またはニッケルにより形成した比較例1−2,1−3よりも高い容量維持率が得られた。すなわち、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層13、あるいはニッケルとチタンとを含む薄膜層13を設けるようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
また、実施例1−1〜1−5を比較すれば分かるように、ニッケルのチタンに対する組成比を大きくすると、容量維持率は増大し、極大値を示したのち、減少する傾向がみられた。すなわち、薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比を、原子比で、ニッケルが49〜52に対してチタンが51〜48の範囲内とすれば、より高い効果を得られることが分かった。
(実施例2−1〜2−5)
負極活物質12をゲルマニウムにより形成したことを除き、実施例1−1〜1−5と同様にして負極10を形成し、二次電池を作製した。薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比は、原子比で、実施例2−1ではニッケル48に対してチタン52とし、実施例2−2では原子比でニッケル49に対してチタン51とし、実施例2−3では原子比でニッケル50.5に対してチタン49.5とし、実施例2−4では原子比でニッケル52に対してチタン48とし、実施例2−5では原子比でニッケル53に対してチタン47とした。また、実施例2−1〜2−5に対する比較例2−1として、薄膜層を形成しないことを除き、他は実施例2−1〜2−5と同様にして負極を形成し、二次電池を作製した。更に、実施例2−1〜2−5に対する比較例2−2,2−3として、薄膜層を銅またはニッケルにより形成したことを除き、他は実施例2−1〜2−5と同様にして負極を形成し、二次電池を作製した。実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−3の二次電池についても、実施例1−1〜1−5と同様にして、充放電試験を行い、50サイクル目の容量維持率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2005141995
表2から分かるように、超弾性あるいは形状記憶効果を有するニッケル−チタン合金を含む薄膜層13を設けた実施例2−1〜2−5によれば、薄膜層を形成しなかった比較例2−1、および薄膜層を銅またはニッケルにより形成した比較例2−2,2−3よりも高い容量維持率が得られた。また、実施例2−1〜2−5を比較すれば分かるように、ニッケルのチタンに対する組成比を大きくすると、容量維持率は増大し、極大値を示したのち、減少する傾向がみられた。すなわち、負極活物質にゲルマニウムを用いても、ケイ素を用いた場合と同様に、超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層13、あるいはニッケルとチタンとを含む薄膜層13を設けるようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比を、原子比で、ニッケルが49〜52に対してチタンが51〜48の範囲内とすれば、より高い効果を得られることが分かった。
(実施例3−1)
実施例1−3と同様にして負極10を形成した。すなわち、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体11の上に、スパッタリング法によりケイ素よりなる厚み5μmの負極活物質層12を形成し、次いで、負極活物質層12の上に、スパッタリング法により300℃以上の加熱条件下において、ニッケル−チタン合金よりなる厚み0.2μmの薄膜層13を形成した。薄膜層13におけるニッケルとチタンとの組成比は、原子比で、ニッケル50.5に対してチタン49.5とした。また、実施例3−1に対する比較例3−1として、薄膜層を形成しないことを除き、他は実施例3−1と同様にして負極を形成した。
続いて、作製した実施例3−1および比較例3−1の負極10を用いて、図5および図6に示した二次電池を作製した。その際、正極121は実施例1−3と同様にして作製した。電解質層123は、エチレンカーボネート42.5質量%と、プロピレンカーボネート42.5質量%と、リチウム塩であるLiPF6 15質量%とからなる電解液30質量%に、重量平均分子量60万のブロック共重合であるポリフッ化ビニリデン10質量%と、ジメチルカーボネート60質量%とを混合して溶解させた前駆体溶液を負極10および正極121のそれぞれに塗布し、常温で8時間放置してジメチルカーボネートを揮発させることにより形成した。得られた実施例3−1および比較例3−1の二次電池についても、実施例1−3と同様にして、充放電試験を行い、50サイクル目の容量維持率を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2005141995
表3から分かるように、薄膜層13を形成した実施例3−1によれば、薄膜層を形成しなかった比較例3−1よりも高い容量維持率が得られた。すなわち、ゲル状の電解質を用いても、同様の結果を得られることが確認された。
なお、上記実施例では、薄膜層13がニッケル−チタン合金を含む場合について説明したが、超弾性あるいは形状記憶効果を有する他の材料を含むようにしても同様の結果を得ることができる。また、負極活物質層12あるいは薄膜層13を、スパッタリング法以外の気相法、または液相法あるいは焼結法により形成しても、同様の結果を得ることができる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、保持体として高分子材料を用いる場合について説明したが、窒化リチウムあるいはリン酸リチウムを含む無機伝導体を保持体として用いてもよく、高分子材料と無機伝導体とを混合して用いてもよい。
また、上記実施の形態および実施例では、負極集電体11に負極活物質層12を有する負極10について説明したが、負極集電体と負極活物質層との間に他の層を有していてもよく、また、負極活物質層と薄膜層との間に他の層を有していてもよい。
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型、または巻回ラミネート型の二次電池について説明したが、本発明は、円筒型、角型、ボタン型、薄型、大型、積層ラミネート型の二次電池についても同様に適用することができる。また、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る負極の構成を簡略化して表す断面図である。 図1に示した負極の一構成例を表す断面図である。 図1に示した負極の他の一構成例を表す断面図である。 図1に示した負極を用いた二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した負極を用いた他の二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図5に示した電極巻回体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
10…負極、11…負極集電体、12…負極活物質層、13…薄膜層、20…外装カップ、30…外装缶、40…正極、41…正極集電体、42…正極活物質層、50…セパレータ、60…ガスケット、111,112…リード、120…電極巻回体、121…正極、121A…正極集電体、121B…正極活物質層、122…セパレータ、123…電解質層、124…保護テープ

Claims (16)

  1. 負極集電体に負極活物質層が設けられた負極であって、
    前記負極活物質層に設けられた超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層を備えたことを特徴とする負極。
  2. 前記超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料は、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないことを特徴とする請求項1記載の負極。
  3. 負極集電体に負極活物質層が設けられた負極であって、
    前記負極活物質層に設けられたニッケル(Ni)とチタン(Ti)とを含む薄膜層を備えたことを特徴とする負極。
  4. 前記薄膜層におけるニッケルとチタンとの組成比は、原子比で、ニッケルが49〜52に対してチタンが51〜48、またはニッケルが35〜45に対してチタンが45〜55であることを特徴とする請求項3記載の負極。
  5. 前記負極活物質層は、前記負極集電体との界面の少なくとも一部において前記負極集電体と合金化していることを特徴とする請求項1または請求項3記載の負極。
  6. 前記負極活物質層は、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたことを特徴とする請求項1または請求項3記載の負極。
  7. 前記負極活物質層は、ケイ素(Si)またはゲルマニウム(Ge)の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項3記載の負極。
  8. 前記薄膜層は、気相法により形成されたことを特徴とする請求項1または請求項3記載の負極。
  9. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、負極集電体と、この負極集電体に設けられた負極活物質層と、この負極活物質層に設けられた超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料を含む薄膜層とを備えたことを特徴とする電池。
  10. 前記超弾性あるいは形状記憶効果を有する材料は、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないことを特徴とする請求項9記載の電池。
  11. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、負極集電体と、この負極集電体に設けられた負極活物質層と、この負極活物質層に設けられたニッケル(Ni)とチタン(Ti)とを含む薄膜層とを備えたことを特徴とする電池。
  12. 前記薄膜層におけるニッケルとチタンとの組成比は、原子比で、ニッケルが49〜52に対してチタンが51〜48、またはニッケルが35〜45に対してチタンが45〜55であることを特徴とする請求項11記載の電池。
  13. 前記負極活物質層は、前記負極集電体との界面の少なくとも一部において前記負極集電体と合金化していることを特徴とする請求項9または請求項11記載の電池。
  14. 前記負極活物質層は、気相法,液相法および焼結法からなる群のうちの少なくとも1つの方法により形成されたことを特徴とする請求項9または請求項11記載の電池。
  15. 前記負極活物質層は、ケイ素(Si)またはゲルマニウム(Ge)の単体,合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項9または請求項11記載の電池。
  16. 前記薄膜層は、気相法により形成されたことを特徴とする請求項9または請求項11記載の電池。
JP2003376186A 2003-11-05 2003-11-05 負極および電池 Expired - Fee Related JP3786277B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003376186A JP3786277B2 (ja) 2003-11-05 2003-11-05 負極および電池
US10/969,815 US7432014B2 (en) 2003-11-05 2004-10-20 Anode and battery
KR1020040089091A KR101174507B1 (ko) 2003-11-05 2004-11-04 음극 및 전지
CN2009101377606A CN101533903B (zh) 2003-11-05 2004-11-05 阳极和电池
CN2011100054578A CN102088073B (zh) 2003-11-05 2004-11-05 阳极和电池
CNB2004100981352A CN100511773C (zh) 2003-11-05 2004-11-05 阳极和电池
TW093133917A TWI279021B (en) 2003-11-05 2004-11-05 Anode and battery
US11/670,244 US7625668B2 (en) 2003-11-05 2007-02-01 Anode and battery
US11/670,249 US7459233B2 (en) 2003-11-05 2007-02-01 Anode and battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003376186A JP3786277B2 (ja) 2003-11-05 2003-11-05 負極および電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005141995A true JP2005141995A (ja) 2005-06-02
JP3786277B2 JP3786277B2 (ja) 2006-06-14

Family

ID=34687332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003376186A Expired - Fee Related JP3786277B2 (ja) 2003-11-05 2003-11-05 負極および電池

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3786277B2 (ja)
CN (1) CN101533903B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012138347A (ja) * 2010-12-07 2012-07-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 蓄電装置
US20130130112A1 (en) * 2011-11-17 2013-05-23 Byung-joo Chung Silicon based shape memory alloy negative active material, negative active material composition including same, rechargeable lithium battery including same, and method of preparing same
WO2014034104A1 (ja) * 2012-08-27 2014-03-06 新日鐵住金株式会社 負極活物質材料
EP2860802A4 (en) * 2012-06-07 2016-01-13 Zeon Corp NEGATIVE ELECTRODE SUSPENSION COMPOSITION, NEGATIVE ELECTRODE OF A LITHIUM ION SECONDARY CELL AND LITHIUM ION SECONDARY CELL
JP2020129451A (ja) * 2019-02-07 2020-08-27 トヨタ自動車株式会社 負極活物質、全固体電池および負極活物質の製造方法
CN112952203A (zh) * 2021-02-26 2021-06-11 大连交通大学 一种基于形状记忆效应的智能化锂硫电池

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5675519B2 (ja) * 2011-07-11 2015-02-25 株式会社日立製作所 二次電池用負極,二次電池用負極を用いた非水電解質二次電池およびそれらの製造方法
DE102014207616A1 (de) * 2014-04-23 2015-10-29 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Abdichten einer elektrochemischen Zelle

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5464524A (en) * 1993-09-17 1995-11-07 The Furukawa Electric Co., Ltd. Plating method for a nickel-titanium alloy member
US6428933B1 (en) * 1999-04-01 2002-08-06 3M Innovative Properties Company Lithium ion batteries with improved resistance to sustained self-heating
JP4152086B2 (ja) * 2001-03-23 2008-09-17 三洋電機株式会社 リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012138347A (ja) * 2010-12-07 2012-07-19 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 蓄電装置
US10128498B2 (en) 2010-12-07 2018-11-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device
US9362556B2 (en) 2010-12-07 2016-06-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device
US8940196B2 (en) * 2011-11-17 2015-01-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Silicon based shape memory alloy negative active material, negative active material composition including same, rechargeable lithium battery including same, and method of preparing same
US20130130112A1 (en) * 2011-11-17 2013-05-23 Byung-joo Chung Silicon based shape memory alloy negative active material, negative active material composition including same, rechargeable lithium battery including same, and method of preparing same
EP2860802A4 (en) * 2012-06-07 2016-01-13 Zeon Corp NEGATIVE ELECTRODE SUSPENSION COMPOSITION, NEGATIVE ELECTRODE OF A LITHIUM ION SECONDARY CELL AND LITHIUM ION SECONDARY CELL
JP5729520B2 (ja) * 2012-08-27 2015-06-03 新日鐵住金株式会社 負極活物質材料
WO2014034104A1 (ja) * 2012-08-27 2014-03-06 新日鐵住金株式会社 負極活物質材料
RU2630229C2 (ru) * 2012-08-27 2017-09-06 Ниппон Стил Энд Сумитомо Метал Корпорейшн Активный материал отрицательного электрода
JP2020129451A (ja) * 2019-02-07 2020-08-27 トヨタ自動車株式会社 負極活物質、全固体電池および負極活物質の製造方法
JP7099969B2 (ja) 2019-02-07 2022-07-12 トヨタ自動車株式会社 負極活物質、全固体電池および負極活物質の製造方法
CN112952203A (zh) * 2021-02-26 2021-06-11 大连交通大学 一种基于形状记忆效应的智能化锂硫电池
CN112952203B (zh) * 2021-02-26 2023-09-01 大连交通大学 一种基于形状记忆效应的智能化锂硫电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP3786277B2 (ja) 2006-06-14
CN101533903B (zh) 2011-08-10
CN101533903A (zh) 2009-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7625668B2 (en) Anode and battery
JP3664252B2 (ja) 負極およびそれを用いた電池
JP3935067B2 (ja) 二次電池用負極およびそれを用いた二次電池
JP4367311B2 (ja) 電池
JP4088957B2 (ja) リチウム二次電池
JP4442235B2 (ja) 二次電池用負極、二次電池およびそれらの製造方法
US7838147B2 (en) Electrode and battery using it
JP3664253B2 (ja) 二次電池用負極およびそれを用いた二次電池
JP2005235734A (ja) 電池およびその充放電方法、並びにその充放電制御素子
JP4144335B2 (ja) 負極およびそれを用いた二次電池
JP3922579B2 (ja) 負極および電池
JP2008243828A (ja) 負極および二次電池の製造方法
JP5098144B2 (ja) 負極および電池
JP3786277B2 (ja) 負極および電池
JP3991966B2 (ja) 負極および電池
JP2005085632A (ja) 電池
JP3786276B2 (ja) 負極および電池
JP3707617B2 (ja) 負極およびそれを用いた電池
JP2007019032A (ja) 電池
US7524585B2 (en) Anode and battery using it
JP2006059714A (ja) 負極および電池
JP2006059712A (ja) 負極および電池
JP2005050806A (ja) 負極およびそれを用いた電池

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060315

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120331

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130331

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140331

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees