JP2005140308A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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正夫 寺岡
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Abstract

【課題】 クラッチ部材の実位置を簡単な構造にして確実に検知することができるデファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】 連結部材25aの先端部に形成した折曲部25bを、クラッチ部材21の外周形成した周溝21bに周方向の摺動を自在に係合することにより、デフケース3の内方に配置したクラッチ部材21と、デフケース3の外側に配置したクラッチ作動板25とを一体に移動するように連結したことにより、クラッチ作動板25の移動位置を検出することにより、デフケース3の内方に配置したクラッチ部材21が移動した実位置を検知することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動力断続機能を備えたデファレンシャル装置に関する。
デファレンシャル装置は、デフケースへの駆動力を一対の出力軸に配分するために一対の出力軸が差動回転可能に機能する機構を有した装置であり、例えば、デフケースの内方にピニオンシャフト、ピニオンギア、サイドギアからなる差動機構を設けて、デフケースに入力されたエンジンの駆動力を差動機構で一対の出力軸側に分配するようになっている。
このようなデファレンシャル装置は、例えば、車両の駆動システムとして2駆(2輪駆動状態)と4駆(4輪駆動状態)との切り換え(2駆−4駆切り換え)機構を備えたトランスファ装置と組み合わされ、差動機構のサイドギアと車軸側部材とを係脱するクラッチ部材が、デフケースの外側に配置したアクチュエータによってこのクラッチ部材を軸方向移動されて、トランスファ装置が2駆状態のときに、デフケースからトランスファ装置までの駆動系路の回転を遮断するために用いられ、車両走行時の燃費向上がはかられている(例えば、特許文献1参照。)。
即ち、このようなデファレンシャル装置では、デフケースの外側に設けたアクチュエータと、デフケースの内方に設けたクラッチ部材との間にアクチュエータの移動力を受けるプッシュロッドを配置し、トランスファ装置の2駆切り換え時には、アクチュエータでプッシュロッドを押圧してクラッチ部材をサイドギアと車軸側部材とを断切させる方向に移動する一方、トランスファ装置の4駆切り換え時には、アクチュエータの非作動状態への復帰に伴って、リターンスプリングによりクラッチ部材をサイドギアと車軸側部材とを係合させる方向に移動させるようになっている。
特開2003−42263号公報(第4頁、第1図)
しかしながら、従来のデファレンシャル装置では、アクチュエータの非作動によってリターンスプリングの付勢力によりクラッチ部材を押し出す方向に押圧するが、クラッチの断続状態を検知するセンサーは、プッシュロッドの移動を検知するように構成されるもので、このとき、このプッシュロッドと分離しているクラッチ部材が戻っているかどうかクラッチ部材の実位置を検知するつまり、クラッチの断続を確実に知りえることができない。
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、クラッチ部材の実位置を簡単な構造にして確実に検知することができ、さらには、組付性を向上することができるデファレンシャル装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、エンジンの駆動力が入力して回転するデフケースと、
デフケースの内方に設けられ、エンジンの駆動力を出力軸側に差動分配する差動機構と、
前記デフケースの回転軸方向に移動可能で前記デフケースと前記出力軸側との間で駆動力を断続するクラッチ部材と、
クラッチ部材を軸方向に移動させるアクチュエータと、前記アクチュエータと前記アクチュエータとの間に配置され前記アクチュエータによる移動力を受ける受力部材とを備えたデファレンシャル装置において、
受力部材とクラッチ部材とを、少なくとも軸方向に一体に移動するように連結したことを特徴としている。
従って、このデファレンシャル装置では、エンジンの駆動力は差動機構を介して一対の出力軸を分配される。また、クラッチ部材の接続状態では、クラッチ部材を介してデフケースから出力軸側へエンジンの駆動力が確実に伝達される。
一方、クラッチ部材の断切状態では、エンジンからの駆動力はクラッチ部材を介して出力軸側へ伝達されることはない。
このとき、前記クラッチ部材の断続はアクチュエータによって切り換え作動されるが、アクチュエータの移動力に対してクラッチ部材を一体に移動連結された受力部材を介して連結してあるので、アクチュエータの軸方向移動時にクラッチ部材の実位置を確実に検知できる。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデファレンシャル装置において、デフケースの内方にクラッチ部材を配置し、デフケースに開口を形成し、前記開口を介して受力部材を前記クラッチ部材に連結したことを特徴としている。
従って、このデファレンシャル装置では、デフケース外部にアクチュエータを配置してもデフケース内部に配置したクラッチ部材を容易に連結することができる。
更に、請求項3の発明は、請求項2に記載のデファレンシャル装置において、受力部材にクラッチ部材と連結する複数の軸方向部分を設け、円周方向に隣り合う2つの軸方向部分の間に差動機構の一部を配置したことを特徴としている。
従って、このデファレンシャル装置では、受力部材の軸方向部分と差動機構の一部を軸方向にオーバーラップさせることができる。
更に、請求項4の発明は、請求項2に記載のデファレンシャル装置において、受力部材にクラッチ部材と連結する複数の軸方向部分を設け、前記開口は受力部材とクラッチ部材との連結組み付け時に受力部材の軸方向部分が半径方向に撓み変位を許容可能な空間を有していることを特徴とする。
従って、受力部材の軸方向部分を開口空間を利用して半径方向に撓ませてクラッチ部材と組付けることができる。
請求項1の発明によれば、クラッチ部材の断続はアクチュエータによって切り換え作動されるが、これらアクチュエータとクラッチ部材とを、双方の相対回転を可能としつつ一体に移動するようにクラッチ部材と一体に移動連結された受力部材を介して連結してあるので、アクチュエータの軸方向移動時にクラッチ部材の実位置を確実に検知できる。
請求項2の発明によれば、デフケース外部にアクチュエータを配置してもデフケース内部に配置したクラッチ部材を開口を介して容易に連結することができるので、組付性が向上する。さらに、デフケースに形成した開口は、オイルの流通口としての機能も有する。
請求項3の発明によれば、受力部材の軸方向部分と差動機構の一部を軸方向にオーバーラップさせることができるので、デファレンシャル装置の小型化を図ることができる。
請求項4の発明によれば、受力部材の軸方向部分をデフケースに形成された開口空間を利用して半径方向に撓ませてクラッチ部材と組付けることができるので、さらに組付性を向上することができる。また、半径方向に撓み変形可能な空間は、オイルが流通することができ、潤滑性能が向上する。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1,図2は本発明のデファレンシャル装置の第1実施形態を示し、図1は上半部を全断面するとともに下半部はデフケースの外周側から視たデファレンシャル装置の断面正面図、図2は図1中A−A線に沿った断面図である。
この第1実施形態のデファレンシャル装置は、図外の4輪駆動車の前輪駆動軸に配置したフロントデファレンシャル装置(以下、フロントデフと称する)1に適用した場合を例にとって示すものとし、このフロントデフ1はトルク断続機能付きのデファレンシャル装置であり、このトルク断続機能は2輪駆動状態で切り離される。
フロントデフ1は、図外のデフキャリアの内部に配置されており、図1に示すように、エンジンの駆動力が入力して回転する1部材のデフケース3と、デフケース3の内方(デフケースの円筒部分の最外径4の半径方向内方側を定義する)に設けられたベベル式の差動機構5とを備えている。
デフケース3は図中左右方向が車幅方向と一致し、このデフケース3の左右両端部には左・右駆動輪に繋がる図外の左・右前車軸(一対の出力軸)を挿入するボス部7,9が形成されており、デフケース3はこれらボス部7,9でデフキャリアにベアリング支持されている。
デフケース3の外周に形成したフランジ部3aには図外のリングギアがボルトで固定され、このリングギアは図外のドライブピニオンギアと噛み合っており、そして、このドライブピニオンギアは図外のドライブピニオンシャフトと一体に形成されている。
前記ドライブピニオンシャフトは継ぎ手とプロペラシャフトなどを介してトランスファ装置に連結され、エンジンの駆動力はトランスファ装置からこの前輪側動力伝達系を介してデフケース3を回転させるようになっており、このトランスファ装置には、2輪駆動状態時に前輪側動力伝達系を切り離す図外の2駆−4駆切り換え機構を設けてある。
前記差動機構5は、デフケース3へ入力する駆動力を左右前車軸へ分配するために以下の部材によって構成される。デフケース3にスプリングピン33で抜け止めされた複数のピニオンシャフト31を、このデフケース3の周方向に等間隔をもって径方向に配置してあり、各ピニオンシャフト31上にはピニオンワッシャー36を介してピニオンギア35(駆動力を伝達する差動ギア)が回転自在に支承されており、各ピニオンギア35には左右から出力側のサイドギア37,39(出力ギア)が噛み合っている。これらの差動機構は、ピニオンシャフト31を除いてデフケース3の外周に設けられた開口6から挿入配置される。
図中右側のサイドギア37には、これと別体に形成したハブ部41が面接触した状態で配置される一方、図中左側のサイドギア39にはハブ部43が軸方向に一体的に形成され、これらの車軸側となるハブ部)41,43は左右の前車軸にそれぞれスプライン連結される。
また、各ハブ部41,43はデフケース3のボス部7,9と同軸方向に延びて、対応したボス部7,9内径側に挿入され、その挿入部分はデフケース3のボス部7,9内面の段部15,17によって支承されている。
図中右側のサイドギア37と面接触しているハブ部41には、軸方向と直交した径方向に延びる結合側部としての連結フランジ19が一体形成されており、この連結フランジ19の外周面に係合歯19aが形成されている。なお、連結フランジはハブ部材41と別部材で形成した後一体結合しても良い。
また、図中右側のサイドギア37は連結フランジ19と同じ長さで径方向に延びて、この延設端の外周面に係合歯(係合部)37aが形成されており、この係合歯37aと前記フランジ19の係合歯19aとは横並び状に配置されている。
これら連結フランジ19および図中右側のサイドギア37と、デフケース3との間には開口6からリング状のクラッチ部材21を挿入配置してあり、このクラッチ部材21の内周面には、連結フランジ19の係合歯19aおよびサイドギア37の係合歯37aと係脱自在に係合する係合歯21aが形成されている。
クラッチ部材21は、連結フランジ19の径方向投影面とサイドギア37の径方向投影面とに重なり合う位置に初期配置され、デフケース3の内方の壁面と内周面との間の角部に配置されるが、デフケース3に対しては自由支持状態(すなわち、連結フランジ19の係合歯19aとの噛み合いによって径方向の支持がなされる)となって、デフケース3の回転が伝達されることがない。
また、クラッチ部材21は、連結フランジ19および図中右側のサイドギア37と、デフケース3との間で軸方向(図中左右方向)に往復移動可能となっており、この軸方向移動によって係合歯19a、37aとの係合および離脱(接続および断切)が行われる。
デフケース3のクラッチ部材21を配置した側の端部からデフケース3の壁部8を軸方向に挟んで軸方向外側には、クラッチ部材21の係脱を切り換え作動、つまり、このクラッチ部材21を軸方向に移動させるアクチュエータ23が配置されている。
アクチュエータ23は、デフケース3の壁部8側に面した側がダイアフラム弁23aで隔成した環状の圧力室23bを備えて構成され、この圧力室23bは前記クラッチ部材21と同軸配置してデフケース3に固定し、この圧力室23bに供給管23cを介して空気圧を供給することによりダイアフラム弁23aをクラッチ部材21方向(図中左方)に突出させダイアフラム弁23aと一体的に移動するように連結した環状の操作プレート23dを軸方向に移動させる。
前記操作プレート23dには図2にも示す略円板状のクラッチ作動板25(受力部材となるプレート)がデフケース3と同軸配置された状態で摺動可能に当接し、このクラッチ作動板25の周縁部からデフケース3の内方に向かって切り起こして突設した4箇所の連結部25a(複数の軸方向部分)の先端を半径方向外方に撓ませながら、デフケース3の端壁3bに形成した開口6から差し込んで、その先端部をクラッチ部材21の外周に配置してある。開口6は連結部25aとクラッチ部材21との組み付け時に連結部25が径方向外方に撓み変位した状態の時にもデフケース3の内部と干渉することがないように撓み変位を許容する空間を有して形成されている。
前記連結部材25aの先端部にはクラッチ部材21方向に折曲した折曲部25bが形成される一方、クラッチ部材21の外周には周方向に前記折曲部25bを嵌合する周溝21bが形成され、この周溝21bに折曲部25bを周方向の摺動を自在に係合することにより、デフケース3の内方に配置したクラッチ部材21と、デフケース3の開口を貫通する連結部材25aとを一体に軸方向移動するように連結してある。
また、前記クラッチ作動板25の外周縁部には、図中上下部分に対向する部位にリターンスプリングとしての1対の板ばね25cを切り起こし形成し、これら板ばね25cの先端部をデフケース3の端壁3bの外側面に圧接させることにより、クラッチ作動板25に復帰方向(図中右方)への付勢力を付与してある。
上記の記載から解るように、連結部材25aの径方向内側には、サイドギア37と連結フランジ19が配置され、軸方向の小型化をはかっている。
図1はアクチュエータ23の非作動状態、つまり、圧力室23bに空気圧が供給されていない状態を示し、クラッチ部材21は板ばね25cの付勢力によってクラッチ作動板25とともに図中右側に移動しており、この非作動状態ではその係合歯21aが連結フランジ19の係合歯19aにのみ噛合して、サイドギア37と連結フランジ19とが断切されている。
このため、デフケース3の回転は連結フランジ19に伝達されることなくサイドギア37、ピニオンギア35およびサイドギア39が左車軸と回転し、ハブ41は右車軸と回転しながらそれぞれ車輪と共に空転し、デフケース3側への回転が遮断されてデフケース3からトランスファ側のつれ回りが防止され車両が2輪駆動状態、つまり、本実施形態では後輪駆動状態となっている。
一方、アクチュエータ23の圧力室23bに空気圧が供給されてダイアフラム弁23a,操作プレート23dとともにクラッチ作動板25は、板ばね25cの付勢力に抗して図中左方に受力移動し、この移動に伴って連結部材25aとクラッチ部材21が図中左方に押圧移動して、クラッチ部材21が連結フランジ19との噛合するため、サイドギア37と連結フランジ19とが接続され、この状態では、デフケース3の駆動力がサイドギア37からクラッチ部材21を介して連結フランジ19(ハブ部41)に伝達され、このときに、コーナリング時などにあって左右の前輪に回転差が生ずると、差動機構5によって差動機能が発揮されて内外輪差を吸収できるようになり、駆動トルクは、左右の前輪に分配される。
上記のクラッチ部材21の移動は、2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り換えに伴って同時に連結操作され、4輪駆動状態から2輪駆動状態への切り換えに伴って同時に連結解除操作される。
4輪駆動状態では、2駆−4駆切り換え機構を介してエンジンの駆動力が後輪側動力伝達系から前輪側駆動系のデフケース3に伝達され、このデフケース3の回転はピニオンシャフト31からピニオンギア35を介してサイドギア37,39に差動機能を伴って配分され、この差動配分された動力は左右後車軸を介して左右の後輪に伝達される。
以上の構成によりこの第1実施形態のフロントデフ1によれば、クラッチ作動板25から突設した連結部25aの先端部の折曲部25bをクラッチ部材21の周溝21bに摺動時自在に係合することにより、デフケース3の内方に配置したクラッチ部材21と、デフケース3の外側に配置したアクチュエータ23とを連結してあるため、アクチュエータ23の復帰に伴ってクラッチ部材21を一体的に復帰方向に移動させることができる。
つまり、2駆から4駆に切り換えられてアクチュエータ23が非作動状態から作動状態に切り換わったときには、圧力室23b内の空気圧が排除されることに伴って、クラッチ作動板25は板ばね25cの付勢力により図中右方に復帰移動し、このときのクラッチ作動板25の復帰移動力は連結部25aを介してクラッチ部材21に伝達され、このクラッチ部材21を同方向に移動してサイドギア37と連結フランジ19の双方に噛合する。
従って、アクチュエータ23のクラッチ作動板25とクラッチ部材21とは一体となって移動するため、このクラッチ作動板25の位置を検出することによりクラッチ部材21の実位置を検知することができ、クラッチ部材21が戻っているかどうかを確実に知ることができる。
また、前記連結部25aをデフケース3の端壁3bに貫通させることにより、デフケース3の内方に配置したクラッチ部材21と、デフケース3の外側に配置したアクチュエータ23とをクラッチ作動板25を介して連結したので、アクチュエータ23をクラッチ部材21を配置したデフケース3の内方に組み込む必要が無くなるため、デフケース3の内方構造を簡素化することができる。
(第2実施形態)
図3,図4は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図3はデファレンシャル装置の断面正面図、図4は図3中B−B線に沿った断面図である。
この第2実施形態のフロントデフ1aは、デフケース3をフランジ部3aで軸方向に2分割してケース本体3Tとケース蓋体3Lとで構成し、これらケース本体3Tおよびケース蓋体3Lはフランジ部3aに図外のリングギアをボルト固定する際に共締めされて結合される。
ケース本体3T内には、ピニオンシャフト31、ピニオンギア35、サイドギア37,39からなる差動機構5やクラッチ部材21および連結フランジ19などがケース本体3Tとケース蓋体3Lの組み合わせ前にケース本体3Tの内部に収納され、そして、このケース本体3Tに一方のボス部7が形成されるとともに、ケース蓋体3Lに他方のボス部9が形成される。
また、この第2実施形態のクラッチ作動板25は、図4に示すように、連結部25aは周方向に等間隔に4箇所形成してデフケース3の壁部8に軸方向に形成された開口6’にアクチュエータ25側から挿入してクラッチ部材21の周溝21bに係合させてあるとともに、クラッチ作動板25に一体形成された板ばね25cも周方向に等間隔に4箇所形成してあり、その他の構成は第1実施形態と略同様となっている。
連結部25aはクラッチ部材21の周溝21bに組み付け係合させる場合に径方向外方に撓み変位(拡径)されるが、開口6’は連結部25aと干渉することがないようにデフケース3の外周側の内部を一部切欠いて撓み変位を許容可能な空間を形成してある。
従って、この第2実施形態のフロントデフ1aによれば、全体の構成として第1実施形態と同様であるため同様の作用・効果を奏することができ、特に、この第2実施形態ではデフケース3をケース本体3Tとケース蓋体3Lとに2分割したので、ケース本体3T側の内方に組み込む差動機構5やクラッチ部材21および連結フランジ19などは、このケース本体3Tの開口部3Ta側から挿入することができる。
このため、デフケース3を一体成形した場合などのように、差動機構5やクラッチ部材21および連結フランジ19などを内方に組み込むための開口部分を形成する必要が無くなるため、デフケース3の強度を確保できるとともに、車体搭載上の設計自由度を増すことができる。
また、ケース本体3Tの開口部3Taは、デフケース3の内周いっぱいに配置されるクラッチ部材21を挿入するために大径に形成する必要があり、このため、前記開口部3Taからケース本体3T内方全般に亘って略均一な大径部分となり、この大径部分をフロントデフ1aの組み付け状態で大容量のオイル収納室として用いることができるため、ケース内のオイルの保持能力が増大して潤滑性を向上することができる。
(第3実施形態)
図5〜図7は本発明の第3実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図5はデファレンシャル装置の断面正面図、図6は連結部材の斜視図、図7は連結部材とクラッチ作動板との結合部分を示す要部拡大正面図である。
この第3実施形態のフロントデフ1bは、図5に示すように、クラッチ部材21を、前記第1,第2実施形態とは異なってピニオンシャフト31に対して反対側に配置した場合に本発明を適用したものである。
即ち、本実施形態では図中左側のサイドギア39と面接触しているハブ部43に連結フランジ19を形成し、前記クラッチ部材21は、この連結フランジ19の外周面に形成した係合歯19aと、図中左側のサイドギア39の外周面に形成した係合歯(係合部)39aとの間に係脱自在に係合される。
そして、デフケース3の図中右側の端壁8外側に配置したアクチュエータ23と前記クラッチ部材21とを第1のクラッチ作動板25,連結部50(軸方向部分)を介して連結することになるが、本実施形態では連結部材50を、図6に示すように、ピニオンシャフト31などの差動機構の一部材との干渉を避ける切欠部51を形成した筒状(本実施形態ではテーパを付した筒状)に形成し、この連結部50の一端部に別体の環状プレート形状の第2のクラッチ作動板26に係脱自在に係止する係止部52を形成するとともに、他端部に前記クラッチ部材21に相対回転自在に係合する環状の係合部53を形成してある。
前記差動機構の一部は、本実施形態ではピニオンシャフト31以外にピニオンギア35の湾曲した外側端部(図中上端部)を含み、このピニオンギア35との干渉を避けるために前記切欠部51は十分な開口幅をもって形成し円周方向に隣り合う2つの連結部50の軸方向部分としての切欠部51にピニオンギア、ピニオンシャフトを配置してある。
前記係止部52は、デフケース3の端壁3bを貫通する2本の貫通片54の各先端部分に形成され、図7に示すように、その貫通片54の先端部両側に切り込み52aを設けて形成してあり、一方、この貫通片54を結合する第2のクラッチ作動板26には、貫通片54の挿入口55aと切り込み52a間を挿入する小幅口55bとによって凸字状に開口した係止穴55を形成してある。第1のクラッチ作動板25の貫通片54は径方向内方に撓み変位させて第2のクラッチ作動板26の挿入口55aに挿入組付けされるがデフケース3の開口6”は貫通片54と干渉することのないように撓み変位を許容する空間を有している。
前記係合部53は、第1実施形態の連結部材25aの先端部に形成した折曲部25bと同様に、前記筒状の連結部材50の切欠部51間の連結片51aの先端部を折曲して形成され、この係合部53をクラッチ部材21の外周に形成した周溝21bに摺動自在に係止してある。
従って、この第3実施形態のフロントデフ1bによれば、クラッチ部材21とを連結するクラッチ作動板25の連結部50を筒状に形成したことにより、クラッチ部材21を周方向の複数箇所(本実施形態では3箇所)で連結できるため、アクチュエータ23の作動力をクラッチ部材21の周方向に略均等に伝達して、クラッチ部材21の作動(軸方向移動)を円滑に行うことができる。
また、連結部材50と第2のクラッチ作動板26とは係脱可能な係止部52を介して簡単に連結できるため、組み付け作業を容易にするとともに、連結部材50とクラッチ部材21とが係合部53および周溝21bを介して相対回転自在となっているため、クラッチ部材21の回転に支障を与えることなくクラッチ部材21を円滑に軸方向移動することができる。
更に、連結部材50を円筒状に形成したことにより剛性を向上して、この連結部材50を大径化した場合にも薄肉化を可能として、デフケース3内での連結部材50の占有スペースを小さくできる。
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態を示し、第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図8はデファレンシャル装置の断面正面図である。
この第4実施形態のフロントデフ1cは本発明をデフロックに適用したもので、このデフロックを作動することにより差動機能をキャンセルして、エンジン動力を左右後車軸に均等に伝達する。
本実施形態では図中右側のサイドギア37の外周に係合歯37aを形成するとともに、この係合歯37aが対向するデフケース3の内周部を結合側部材として、このデフケース3内周に係合歯3dを形成してある。
一方、クラッチ部材21には、これの内周に前記係合歯37aに係合する係合歯21aを図中右側に偏って形成してあるとともに、外周に前記係合歯3dに係合する係合歯21cを、連結部25aを配置する関係上、図中左側に偏って形成してある。
そして、サイドギア37およびデフケース3の両係合歯37a,3d間に、クラッチ部材21が係脱自在に軸方向移動するようになっており、このとき、クラッチ部材21外周の係合歯21cはデフケース3の係合歯3dに摺動自在に常時噛合している。
図8はクラッチ部材21が右方移動して係合歯37aとの噛合が解除された状態、つまり、サイドギア37とデフケース3との相対的な自由回転が可能となって差動機構5による差動機能を発揮できる状態であり、一方、この状態からクラッチ部材21が左方移動することにより、クラッチ部材21の係合歯21aがサイドギア37の係合歯37aに噛合して、サイドギア37をデフケース3側にロックするようになっている。
勿論、本実施形態にあってもアクチュエータ60と摺動回転するように当接するクラッチ作動板25から切り起こした連結部25aの先端部に形成した折曲部25bが、クラッチ部材21の周溝21bに周方向の摺動自在に係合し、アクチュエータ60とクラッチ部材21とを連結部材25aを介して一体に連結してある。
尚、本実施形態のアクチュエータ60は電磁ソレノイドタイプとして構成してあり、デフケース3の端壁3bの軸方向右側であるデフケース3bの外側に同心状に配置してあり、電気的にON・OFFされる電磁力により作動するソレノイド60aによって前記クラッチ作動板25を軸方向(図中左右方向)に移動させるようになっている。
従って、この第4実施形態のフロントデフ1cによれば、本発明をデフロックにも適用でき、このデフロックに適用した場合にも第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
ところで、本発明のデファレンシャル装置は前記第1〜第4実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採ることができ、例えば、差動機構5は、ベベル式の差動機構に限らず、プラネタリーギア式の差動機構、ウォームギアを用いた差動機構又はギアを用いないビスカスやオイルポンプ,油圧クラッチや電磁クラッチなどのカップリングなどでもよく、また、本発明のデファレンシャル装置は、本実施形態で開示したフロントデフに限ることなく、リアデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するフロントデフ)、さらには、センターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)にも用いることができる。
また、アクチュエータは上述したタイプに限られるものではなく、モータによる動力源として用いたタイプなど既存の種々のタイプを用いることができる。
本発明の第1実施形態におけるデファレンシャル装置の上半部を全断面するとともに下半部を要部断面した断面正面図である。 図1中A−A線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態におけるデファレンシャル装置の断面正面図である。 図3中B−B線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態におけるデファレンシャル装置の断面正面図である。 本発明の第3実施形態におけるデファレンシャル装置の連結部材の斜視図である。 本発明の第3実施形態におけるデファレンシャル装置の連結部材とクラッチ作動板との結合部分を示す要部拡大正面図である。 本発明の第4実施形態におけるデファレンシャル装置の断面正面図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c フロントデフ(デファレンシャル装置)
3 デフケース
5 差動機構
6,6’、6”、6''' 開口
19 連結フランジ(結合側部材)
21 クラッチ部材
23,60 アクチュエータ
25 クラッチ作動板(受力部材)
25a 連結部(軸方向部分)
31 ピニオンシャフト
35 ピニオンギア
37,39 サイドギア
50 連結部(軸方向部分)
51 切欠部
52 係止部
53 係合部
54 貫通片(軸方向部分)

Claims (4)

  1. エンジンの駆動力が入力して回転するデフケースと、
    デフケースの内方に設けられ、エンジンの駆動力を出力軸側に差動分配する差動機構と、
    前記デフケースの回転軸方向に移動可能で前記デフケースと前記出力軸側との間で駆動力を断続するクラッチ部材と、
    クラッチ部材を軸方向に移動させるアクチュエータと、前記クラッチ部材と前記アクチュエータとの間に配置され前記アクチュエータによる移動力を受ける受力部材とを備えたデファレンシャル装置において、
    受力部材とクラッチ部材とを、少なくとも軸方向に一体に移動するように連結したことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1に記載のデファレンシャル装置において、デフケースの内方にクラッチ部材を配置し、デフケースに開口を形成し、前記開口を介して受力部材を前記クラッチ部材に連結したことを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 請求項2に記載のデファレンシャル装置において、受力部材にクラッチ部材と連結する複数の軸方向部分を設け、円周方向に隣り合う2つの軸方向部分の間に差動機構の一部を配置したことを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 請求項2に記載のデファレンシャル装置において、受力部材にクラッチ部材と連結する複数の軸方向部分を設け、前記開口は受力部材とクラッチ部材との連結組み付け時に受力部材の軸方向部分が半径方向に撓み変位を許容可能な空間を有していることを特徴とするデファレンシャル装置。
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