JP2008057633A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールの損傷防止と、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】駆動軸3と、駆動軸3の外周に配置され駆動軸3との間に第1の空間5を形成する中空軸7とクラッチハブ9(一対の回転部材)と、駆動軸3と中空軸7とクラッチハブ9とを収容して中空軸7とクラッチハブ9との間に第2の空間11を形成するケーシング13(収容部材)と、第1の空間5に入れられるミッションオイル15(第1の潤滑油)と、第2の空間11に入れられるトランスファオイル17(第2の潤滑油)と、第1の空間5と第2の空間11とを区画するシール手段とを備えたトランスファ1(動力伝達装置)であって、シール手段は、駆動軸3の外周側で中空軸7とクラッチハブ9間に配置される第1のシール19を有し、第1のシール19と駆動軸3との間に、中空軸7(一方の回転部材)に形成された凸部21を配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に用いられる動力伝達装置に関する。
特許文献1に駆動軸と、駆動軸の外周に配置された中空軸とクラッチハブ(一対の回転部材)とを備えた動力伝達装置が記載されている。この動力伝達装置では、駆動軸と中空軸との間に駆動軸に連結された差動機構などを潤滑するミッションオイル(第1の潤滑油)とクラッチハブに連結されたクラッチ機構などを潤滑するトランスファオイル(第2の潤滑油)とを区画するシールが配置されている。
特開2004−314796号公報
ところが、上記のような動力伝達装置では、駆動軸の組付の際に、駆動軸の組付方向前端側に形成されたスプライン部によってシールが損傷してしまう恐れがあった。
また、駆動軸と中空軸との間にシールを配置する構成では、中空軸に小径部を設けたり、シールを組み付けるために中空軸を2分割にするなど、中空軸の形状に制約があり、装置全体のレイアウトに制約があった。
そこで、この発明は、シールの損傷防止と、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
請求項1の発明は、駆動軸と、駆動軸の外周に配置され駆動軸との間に第1の空間を形成する一対の回転部材と、駆動軸と一対の回転部材とを収容して一対の回転部材との間に第2の空間を形成する収容部材と、第1の空間に入れられる第1の潤滑油と、第2の空間に入れられる第2の潤滑油と、第1の空間と第2の空間とを区画するシール手段とを備えた動力伝達装置であって、前記シール手段は、前記駆動軸の外周側で前記一対の回転部材間に配置される第1のシールを有し、前記第1のシールと前記駆動軸との間には、前記一対の回転部材の少なくともいずれか一方の回転部材に形成された凸部が配置されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の動力伝達装置であって、前記シール手段は、前記一対の回転部材の一方の回転部材と前記収容部材との間に配置される第2のシールと、前記一対の回転部材の他方の回転部材と前記収容部材との間に配置される第3のシールとを備え、前記第1,第2,第3のシールと前記一対の回転部材及び前記収容部材とにより前記第2の空間を区画し、前記駆動軸と前記収容部材との間に配置される第4のシールを備え、前記第1,第3,第4のシールと前記収容部材及び前記一対の回転部材とにより前記第1の空間を前記第2の空間から区画することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の動力伝達装置であって、前記シール手段は、前記一対の回転部材の一方の回転部材と前記収容部材との間に配置される第2のシールと、前記駆動軸と前記収容部材との間に設けられた第5のシールと、前記一対の回転部材の他方の回転部材と前記駆動軸との間に設けられた第6のシールとを備え、前記第1,第2,第5,第6のシールと前記一対の回転部材及び前記収容部材とにより前記第2の空間を区画し、前記第1,第6のシールと前記一対の回転部材及び前記駆動軸とにより前記第1の空間を前記第2の空間から区画することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記凸部は、前記一対の回転部材の一方の回転部材の軸端に一体に設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、前記凸部は、前記一対の回転部材の他方の回転部材の一端に一体に設けられていることを特徴とする。
請求項1の動力伝達装置は、第1のシールと駆動軸との間に凸部が配置されているので、第1のシールと駆動軸が接触することがなく、駆動軸の組付の際に駆動軸の組付方向前端側に形成されたスプライン部によってシールが損傷を受けることがない。
また、駆動軸と一対の回転部材との間に第1のシールを配置していないので、一対の回転部材のいずれか一方に第1のシールを配置するための小径部を設ける必要や、部材を2分割にする必要がなく、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる。
請求項2の動力伝達装置は、第1,第2,第3,第4のシールによって第1の空間と第2の空間が区画されているので、第1の潤滑油と第2の潤滑油が混入されることがない。
請求項3の動力伝達装置は、第1,第2,第5,第6のシールによって第1の空間と第2の空間が区画されているので、第1の潤滑油と第2の潤滑油が混入されることがない。
請求項4の動力伝達装置は、凸部が一対の回転部材の一方の回転部材の軸端に一体に設けられているので、駆動軸と第1のシールとが接触することがなく、駆動軸の組付の際に第1のシールが損傷を受けることがない。
請求項5の動力伝達装置は、凸部が一対の回転部材の他方の回転部材の一端に一体に設けられているので、駆動軸と第1のシールとが接触することがなく、駆動軸の組付の際に第1のシールが損傷を受けることがない。
まず、図1を用いて車両の動力系について説明する。なお、ここでは第1実施形態のトランスファ1(動力伝達装置)が車両に搭載されているものとする。
図1に示すように、車両の動力系は、横置きのエンジン(駆動源)501及びトランスミッション503と、フロントデフ505と、前車軸507,509と、前輪511,513と、トランスファ1(動力伝達装置)と、後輪側プロペラシャフト515と、カップリング517と、リヤデフ519と、後車軸521,523と、後輪525,527などから構成されている。
エンジン501の駆動力はトランスミッション503からデフケース529を介してフロントデフ505に伝達され、前車軸507,509から前輪511,513に配分されると共に、デフケース529からトランスファ1と後輪側プロペラシャフト515とを介してカップリング517に伝達され、カップリング517からリヤデフ519に伝達され、後車軸521,523から後輪525,527に配分されて4輪駆動状態になる。また、カップリング517の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
そして、フロントデフ505の差動制限は、トランスファ1の差動制限機構33によって行われている。以下、トランスファ1について説明する。
(第1実施形態)
図2、図3を用いて第1実施形態について説明する。
本実施形態のトランスファ1(動力伝達装置)は、駆動軸3と、駆動軸3の外周に配置され駆動軸3との間に第1の空間5を形成する中空軸7とクラッチハブ9(一対の回転部材)と、駆動軸3と中空軸7とクラッチハブ9とを収容して中空軸7とクラッチハブ9との間に第2の空間11を形成するケーシング13(収容部材)と、第1の空間5に入れられるミッションオイル15(第1の潤滑油)と、第2の空間11に入れられるトランスファオイル17(第2の潤滑油)と、第1の空間5と第2の空間11とを区画するシール手段とを備えている。そして、シール手段は、駆動軸3の外周側で中空軸7とクラッチハブ9間に配置される第1のシール19を有し、第1のシール19と駆動軸3との間には、中空軸7(一方の回転部材)に形成された凸部21が配置されている。
また、シール手段は、中空軸7とケーシング13との間に配置される第2のシール23と、クラッチハブ9(他方の回転部材)とケーシング13との間に配置される第3のシール25とを備え、第1,第2,第3のシール19,23,25と中空軸7とクラッチハブ9及びケーシング13とにより第2の空間11を区画し、駆動軸3とケーシング13との間に配置される第4のシール27を備え、第1,第3,第4のシール19,25,27とケーシング13及び中空軸7とクラッチハブ9とにより第1の空間5を第2の空間11から区画している。
図2、図3に示すように、トランスファ1は、駆動軸3と、中空軸7と、ケーシング13と、方向変換ギア組29と、ドライブピニオンシャフト31と、差動制限機構33などから構成されている。
駆動軸3は、フロントデフ505のサイドギア531(図1)に連結されている。この駆動軸3は、中空軸7の図2中右方向から中空軸7を貫通するように組み付けられ、図2中左方向の先端側にはサイドギア531に連結されるスプライン部(不図示)が形成されている。また、駆動軸3の図2中右側には、車軸509(図1)に連結された相手部材35が連結されている。中空軸7は、フロントデフ505のデフケース529(図1)にスプライン部37で連結されている。この中空軸7は、ベアリング39,41を介してケーシング13に支持されている。
ケーシング13は、ケース本体43と、カバー45と、クラッチケース47と、筒状ケース49,51などから構成されている。ケース本体43とカバー45とクラッチケース47は、ボルト53で一体に固定されている。筒状ケース49はケース本体43にボルト止めされ、筒状ケース51は筒状ケース49にボルト止めされている。このケーシング13は、トランスミッション503(図1)側のケースに固定されており、各接合部は非相対回転部用のシールであるOリング55,57,59,61,63でシールされている。
方向変換ギア組29は、互いに噛み合ったリング状ベベルギア65とベベルギア67とからなる。リング状ベベルギア65は、ボルト69で中空軸7の外周に固定されている。ベベルギア67は、ドライブピニオンシャフト31の前端に一体形成されている。ドライブピニオンシャフト31は、前端側をベアリング71を介してケース本体43に支持され、後端側をベアリング73を介して筒状ケース49に支持されている。また、ドライブピニオンシャフト31は、後端にスプライン連結されたフランジ75によってプロペラシャフト515(図1)側に連結されている。
差動制限機構33は、クラッチ機構77と、カム機構79と、アクチュエータ81などから構成されている。
クラッチ機構77は、クラッチハブ9と、クラッチハウジング83と、複数のアウタクラッチ板85と、複数のインナクラッチ板87とから構成されている。クラッチハブ9は、駆動軸3にスプライン連結され、ベアリング89を介してクラッチケース47に支持されており、フロントデフ505のサイドギア531(図1)と一体回転される。クラッチハウジング83は、中空軸7にスプライン連結されており、フロントデフ505のデフケース529(図1)と一体回転される。また、クラッチハウジング83の背面側には、ベアリング91が配置されクラッチハウジング83に掛かるスラスト力を受けている。アウタクラッチ板85は、クラッチハウジング83の内周にスプライン連結されている。インナクラッチ板87は、クラッチハブ9の外周にスプライン連結されている。そして、クラッチ機構77が締結されると、クラッチハブ9とクラッチハウジング83とが接続、すなわち、フロントデフ505(図1)のデフケース529とサイドギア531とが接続され、フロントデフ505での差動が制限される。このクラッチ機構77は、カム機構79でカムスラスト力が発生することにより締結される。
カム機構79は、一対の環状のカムリング93,95と、カムボール97と、プレッシャプレート99とから構成されている。カムリング95はクラッチケース47に支持され、カムリング93は後述する減速ギア組109の小径ギア127と噛み合っている。カムボール97は、カムリング93,95間に配置され、カムリング93,95間に差回転が生じるとカムリング93,95を軸方向に移動させる。なお、カムリング95のスラスト力をクラッチケース47に支持されたワッシャ101で受け、カムリング93のスラスト力をベアリング103で受けている。また、ベアリング103は、カムリング93側の回転とプレッシャプレート99側の回転を遮断している。プレッシャプレート99は、クラッチハブ9の外周に軸方向移動自在に支持されている。また、プレッシャプレート99とクラッチハブ9との間には、リターンスプリング105が設けられ、プレッシャプレート99をクラッチ機構77の締結解除方向に押圧している。そして、カムスラスト力によりカムリング93がクラッチ機構77の締結方向に移動されるとカムリング93がプレッシャプレート99を押圧し、プレッシャプレート99がアウタクラッチ板85及びインナクラッチ板87を押圧してクラッチ機構77を締結させる。このカム機構79のカムスラスト力は、アクチュエータ81によって発生される。
アクチュエータ81は、モータ107と減速ギア組109などから構成されている。モータ107は、ボルト111でクラッチケース47に固定されている。このモータ107に連結された出力軸113がクラッチケース47内に配置され、減速ギア組109を構成している。
減速ギア組109は、第1ギア組115と、第2ギア組117とから構成されている。第1ギア組115は、小径ギア119と大径ギア121とから構成されている。小径ギア119は、モータ107の出力軸113の外周に形成され、大径ギア121と噛み合っている。大径ギア121は、回転軸123の大径部の外周に形成されている。回転軸123は、クラッチケース47に支持されたピン125によって回転自在に支持されている。第2ギア組117は、小径ギア127と大径ギア129とから構成されている。小径ギア127は、回転軸123の小径部の外周に形成され、大径ギア129と噛み合っている。大径ギア129は、カムリング93の外周に形成されている。そして、モータ107の起動により減速ギア組109で減速された回転力がカムリング93に伝達され、カムリング93,95間に差回転を生じさせる。
このように構成されたトランスファ1のケーシング13内には、ミッションオイル15と、トランスファオイル17とが入れられている。これらのオイル15,17が入る空間5,11は、シール手段である第1のシール19と、第2のシール23と、第3のシール25と、第4のシール27とによって区画されている。
第1のシール19は、駆動軸3の半径方向外側において、中空軸7の軸端に突設された凸部21と、クラッチハブ9の一端に形成され凸部21に半径方向にオーバーラップされたシール支持部131との間に配置されている。この第1のシール19と駆動軸3の半径方向外側との間に凸部21が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3とが直接接触することがなく、駆動軸3の組付時における駆動軸3との接触及び駆動軸3との摺動による第1のシール19の損傷が防止されている。なお、凸部21は、中空軸7と一体形成でも良く、別体として凸部21を形成し中空軸7の軸端に固着させても良い。
第2のシール23は、中空軸7とケーシング13との間に配置され、第3のシール25は、クラッチハブ9とケーシング13との間に配置されている。そして、第1,第2,第3のシール19,23,25と中空軸7とクラッチハブ9及びケーシング13とにより第2の空間11を区画している。第4のシール27は、駆動軸3に連結された相手部材35とケーシング13との間に配置されている。そして、第1,第3,第4のシール19,25,27とケーシング13及び中空軸7とクラッチハブ9とにより第1の空間5を第2の空間11から区画している。このように区画された空間5,11にミッションオイル15とトランスファオイル17が入れられている。
ミッションオイル15は、第1の空間5に入れられている。このミッションオイル15は、駆動軸3に連結されたフロントデフ505(図1)と駆動軸3と中空軸7の内周面とクラッチハブ9の内周面などを潤滑する。また、ミッションオイル15は、ケーシング13に形成された油路133から注入されている。
トランスファオイル17は、第2の空間11に入れられている。このトランスファオイル17は、クラッチ機構77とカム機構79と方向変換ギア組29などを潤滑する。なお、筒状ケース51とフランジ75との間には、シール135が配置されており、トランスファオイル17のオイル漏れと外部からの異物の侵入が防止されている。また、トランスファオイル17は、ケーシング13に形成された油路137から注入されている。
このようなトランスファ1では、第1のシール19と駆動軸3との間に凸部21が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3が接触することがなく、駆動軸3の組付の際に駆動軸3の組付方向前端側(図2中左側)に形成されたスプライン部(不図示)によってシールが損傷を受けることがない。また、第1のシール19と駆動軸3とが摺動しないので、第1のシール19の耐久性を向上することができる。
また、駆動軸3と中空軸7との間に第1のシール19を配置していないので、中空軸7に第1のシール19を配置するための小径部を設ける必要や、部材を2分割にする必要がなく、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる。
さらに、ミッションオイル15及びトランスファオイル17とが各シール19,23,25,27によって区画されているので、性質の異なるミッションオイル15とトランスファオイル17とが混入することがない。
また、第2,第3,第4のシール23,25,27と駆動軸3との間に部材が配置されているので、駆動軸3の組付の際に、各シール23,25,27と駆動軸3とが直接接触することがなく、各シール23,25,27の損傷を防止することができる。
(第2実施形態)
図4を用いて第2実施形態について説明する。
本実施形態のトランスファ201(動力伝達装置)は、シール手段は、駆動軸3の外周側で中空軸7とクラッチハブ9間に配置される第1のシール19を有し、第1のシール19と駆動軸3との間には、クラッチハブ9(他方の回転部材)に形成された凸部203が配置されている。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
図4に示すように、第1のシール19は、駆動軸3の半径方向外側において、クラッチハブ9の一端側に突設された凸部203と、中空軸7にスプライン連結されたクラッチハウジング83に形成され凸部203に半径方向にオーバーラップされたシール支持部205との間に配置されている。この第1のシール19と駆動軸3の半径方向外側との間に凸部203が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3とが直接接触することがなく、駆動軸3の組付時における駆動軸3との接触及び駆動軸3との摺動による第1のシール19の損傷が防止されている。また、中空軸7とクラッチハウジング83との間には、非相対回転部用のシールであるOリング207が配置されている。なお、凸部203は、クラッチハブ9と一体形成でも良く、別体として凸部203を形成しクラッチハブ9の一端側に固着させても良い。
このようなトランスファ201では、第1のシール19と駆動軸3との間に凸部203が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3が接触することがなく、駆動軸3の組付の際に駆動軸3の組付方向前端側(図4中左側)に形成されたスプライン部(不図示)によってシールが損傷を受けることがない。また、第1のシール19と駆動軸3とが摺動しないので、第1のシール19の耐久性を向上することができる。
また、クラッチハブ9に凸部203を設けているので、中空軸7に第1のシール19を配置するための小径部を設ける必要や、部材を2分割にする必要がなく、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる。
(第3実施形態)
図5、図6を用いて第3実施形態について説明する。
本実施形態のトランスファ301(動力伝達装置)は、駆動軸3と、駆動軸3の外周に配置され駆動軸3との間に第1の空間5を形成する中空軸7とクラッチハウジング303(一対の回転部材)と、駆動軸3と中空軸7とクラッチハウジング303とを収容して中空軸7とクラッチハウジング303との間に第2の空間11を形成するケーシング13(収容部材)と、第1の空間5に入れられるミッションオイル15(第1の潤滑油)と、第2の空間11に入れられるトランスファオイル17(第2の潤滑油)と、第1の空間5と第2の空間11とを区画するシール手段とを備えている。そして、シール手段は、駆動軸3の外周側で中空軸7とクラッチハウジング303間に配置される第1のシール19を有し、第1のシール19と駆動軸3との間には、中空軸7(一方の回転部材)に形成された凸部305が配置されている。
また、シール手段は、中空軸7とケーシング13との間に配置される第2のシール23と、駆動軸3とケーシング13との間に設けられた第5のシール307と、クラッチハウジング303(他方の回転部材)と駆動軸3との間に設けられた第6のシール309とを備え、第1,第2,第5,第6のシール19,23,307,309と中空軸7とクラッチハウジング303及びケーシング13とにより第2の空間11を区画し、第1,第6のシール19,309と中空軸7とクラッチハウジング303及び駆動軸3とにより第1の空間5を第2の空間11から区画している。なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
図5、図6に示すように、このトランスファ301では、フロントデフ505(図1)の差動制限機構311におけるクラッチ機構313とカム機構315の配置が異なっている。
クラッチ機構313は、クラッチハブ317と、クラッチハウジング303と、複数のアウタクラッチ板319と、複数のインナクラッチ板321とから構成されている。クラッチハブ317は、中空軸7にスプライン連結されており、フロントデフ505のデフケース529(図1)と一体回転される。クラッチハウジング303は、駆動軸3にスプライン連結され、ベアリング323を介してクラッチケース47に支持されており、フロントデフ505のサイドギア531(図1)と一体回転される。アウタクラッチ板319は、クラッチハウジング303の内周にスプライン連結されている。インナクラッチ板321は、クラッチハブ317の外周にスプライン連結されている。そして、クラッチ機構313が締結されると、クラッチハブ317とクラッチハウジング303とが接続、すなわち、フロントデフ505(図1)のデフケース529とサイドギア531とが接続され、フロントデフ505での差動が制限される。このクラッチ機構313は、カム機構315でカムスラスト力が発生することにより締結される。
カム機構315は、一対の環状のカムリング325,327と、カムボール329と、プレッシャプレート331とから構成されている。カムリング325はカバー45に支持され、カムリング327は減速ギア組109の小径ギア127と大径ギア129で噛み合っている。カムボール329は、カムリング325,327間に配置され、カムリング325,327間に差回転が生じるとカムリング325,327を軸方向に移動させる。なお、カムリング327のスラスト力をベアリング333で受けると共に、カムリング327側の回転とプレッシャプレート331側の回転を遮断している。プレッシャプレート331は、カムリング327の内周に軸方向移動自在に支持されている。また、プレッシャプレート331とクラッチハブ317との間には、リターンスプリング335が設けられ、プレッシャプレート331をクラッチ機構313の締結解除方向に押圧している。そして、カムスラスト力によりカムリング327がクラッチ機構313の締結方向に移動されるとカムリング327がプレッシャプレート331を押圧し、プレッシャプレート331がアウタクラッチ板319及びインナクラッチ板321を押圧してクラッチ機構313を締結させる。このカム機構315のカムスラスト力は、アクチュエータ81によって発生される。
このように構成されたトランスファ301のケーシング13内には、ミッションオイル15と、トランスファオイル17とが入れられている。これらのオイル15,17は、シール手段である第1のシール19と、第2のシール23と、第5のシール307と、第6のシール309とによって区画されている。
第1のシール19は、駆動軸3の半径方向外側において、中空軸7の軸端に突設された凸部305と、クラッチハウジング303に形成され凸部305に半径方向にオーバーラップされたシール支持部337との間に配置されている。この第1のシール19と駆動軸3の半径方向外側との間に凸部305が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3とが直接接触することがなく、駆動軸3の組付時における駆動軸3との接触及び駆動軸3との摺動による第1のシール19の損傷が防止されている。なお、凸部305は、中空軸7と一体形成でも良く、別体として凸部305を形成し中空軸7の軸端に固着させても良い。
第2のシール23は、中空軸7とケーシング13との間に配置され、第5のシール307は、駆動軸3とケーシング13との間に配置され、第6のシール309は、クラッチハウジング303と駆動軸3との間に配置されている。そして、第1,第2,第5,第6のシール19,23,307,309と中空軸7とクラッチハウジング303及びケーシング13とにより第2の空間11を区画し、第1,第6のシール19,309と中空軸7とクラッチハウジング303及び駆動軸3とにより第1の空間5を第2の空間11から区画している。なお、第6のシール309は、クラッチハウジング303と駆動軸3とが連結されているため、非相対回転部用のシールであるOリングで良い。このように区画された空間5,11にミッションオイル15とトランスファオイル17が入れられている。
ミッションオイル15は、第1の空間5に入れられている。このミッションオイル15は、駆動軸3に連結されたフロントデフ505(図1)と駆動軸3と中空軸7の内周面とクラッチハウジング303の内周面などを潤滑する。
トランスファオイル17は、第2の空間11に入れられている。このトランスファオイル17は、クラッチ機構313とカム機構315と方向変換ギア組29などを潤滑する。なお、筒状ケース51とフランジ75との間には、シール135が配置されており、トランスファオイル17のオイル漏れと外部からの異物の侵入が防止されている。また、トランスファオイル17は、ケーシング13に形成された油路137から注入されている。
このようなトランスファ301では、第1のシール19と駆動軸3との間に凸部305が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3が接触することがなく、駆動軸3の組付の際に駆動軸3の組付方向前端側(図5中左側)に形成されたスプライン部(不図示)によってシールが損傷を受けることがない。また、第1のシール19と駆動軸3とが摺動しないので、第1のシール19の耐久性を向上することができる。
また、駆動軸3と中空軸7との間に第1のシール19を配置していないので、中空軸7に第1のシール19を配置するための小径部を設ける必要や、部材を2分割にする必要がなく、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる。
さらに、ミッションオイル15及びトランスファオイル17とが各シール19,23,307,309によって区画されているので、性質の異なるミッションオイル15とトランスファオイル17とが混入することがない。
(第4実施形態)
図7を用いて第4実施形態について説明する。
本実施形態のトランスファ401(動力伝達装置)は、シール手段は、駆動軸3の外周側で中空軸7とクラッチハウジング303間に配置される第1のシール19を有し、第1のシール19と駆動軸3との間には、クラッチハウジング303(他方の回転部材)に形成された凸部403が配置されている。なお、第1,第3実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して説明を省略するが、第1,第3実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
図7に示すように、第1のシール19は、駆動軸3の半径方向外側において、クラッチハウジング303に突設された凸部403と、中空軸7にスプライン連結されたクラッチハブ317に形成され凸部403に半径方向にオーバーラップされたシール支持部405との間に配置されている。この第1のシール19と駆動軸3の半径方向外側との間に凸部403が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3とが直接接触することがなく、駆動軸3の組付時における駆動軸3との接触及び駆動軸3との摺動による第1のシール19の損傷が防止されている。また、中空軸7とクラッチハブ317との間には、非相対回転部用のシールであるOリング407が配置されている。なお、凸部403は、クラッチハウジング303と一体形成でも良く、別体として凸部403を形成しクラッチハウジング303の一端側に固着させても良い。
このようなトランスファ401では、第1のシール19と駆動軸3との間に凸部403が配置されているので、第1のシール19と駆動軸3が接触することがなく、駆動軸3の組付の際に駆動軸3の組付方向前端側(図7中左側)に形成されたスプライン部(不図示)によってシールが損傷を受けることがない。また、第1のシール19と駆動軸3とが摺動しないので、第1のシール19の耐久性を向上することができる。
また、クラッチハウジング303に凸部403を設けているので、中空軸7に第1のシール19を配置するための小径部を設ける必要や、部材を2分割にする必要がなく、装置全体のレイアウトの自由度を向上することができる。
車両の動力系を示す概略図である。 第1実施形態のトランスファの断面図である。 第1実施形態のトランスファの要部拡大断面図である。 第2実施形態のトランスファの要部拡大断面図である。 第3実施形態のトランスファの断面図である。 第3実施形態のトランスファの要部拡大断面図である。 第4実施形態のトランスファの要部拡大断面図である。
符号の説明
1,201,301,401…トランスファ
3…駆動軸
5…第1の空間
7…中空軸
9…クラッチハブ
11…第2の空間
13…ケーシング
15…ミッションオイル
17…トランスファオイル
19…第1のシール
21,203,305,403…凸部
23…第2のシール
25…第3のシール
27…第4のシール
33…差動制限機構
303…クラッチハウジング
307…第5のシール
309…第6のシール
311…差動制限機構

Claims (5)

  1. 駆動軸と、駆動軸の外周に配置され駆動軸との間に第1の空間を形成する一対の回転部材と、駆動軸と一対の回転部材とを収容して一対の回転部材との間に第2の空間を形成する収容部材と、第1の空間に入れられる第1の潤滑油と、第2の空間に入れられる第2の潤滑油と、第1の空間と第2の空間とを区画するシール手段とを備えた動力伝達装置であって、
    前記シール手段は、前記駆動軸の外周側で前記一対の回転部材間に配置される第1のシールを有し、
    前記第1のシールと前記駆動軸との間には、前記一対の回転部材の少なくともいずれか一方の回転部材に形成された凸部が配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記シール手段は、前記一対の回転部材の一方の回転部材と前記収容部材との間に配置される第2のシールと、前記一対の回転部材の他方の回転部材と前記収容部材との間に配置される第3のシールとを備え、前記第1,第2,第3のシールと前記一対の回転部材及び前記収容部材とにより前記第2の空間を区画し、前記駆動軸と前記収容部材との間に配置される第4のシールを備え、前記第1,第3,第4のシールと前記収容部材及び前記一対の回転部材とにより前記第1の空間を前記第2の空間から区画することを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記シール手段は、前記一対の回転部材の一方の回転部材と前記収容部材との間に配置される第2のシールと、前記駆動軸と前記収容部材との間に設けられた第5のシールと、前記一対の回転部材の他方の回転部材と前記駆動軸との間に設けられた第6のシールとを備え、前記第1,第2,第5,第6のシールと前記一対の回転部材及び前記収容部材とにより前記第2の空間を区画し、前記第1,第6のシールと前記一対の回転部材及び前記駆動軸とにより前記第1の空間を前記第2の空間から区画することを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記凸部は、前記一対の回転部材の一方の回転部材の軸端に一体に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
    前記凸部は、前記一対の回転部材の他方の回転部材の一端に一体に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
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