JP2005138392A - 記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高耐候性インクジェットメディアの提供。
【解決手段】 インク受容層が少なくともアモルファス酸化チタンを含有するインクジェット用被記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性インクを使用した記録に適する記録媒体及びこれを用いた画像の形成方法に関するものであり、とりわけ本発明は、画像濃度が高く、色調が鮮明で、解像度が高い画像の形成が可能であり、インク吸収性にも優れた記録媒体及びこれを用いた画像の形成方法に関するものである。更に、本発明は、記録画像の保存性に優れた記録媒体及びそれを用いた画像形成方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク等の記録用の液体(記録液)の微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行うものであり、高速低騒音、多色化が容易であり、記録パターンの融通性が大きく、現像が不要であるなどの特徴があり、プリンター単体への展開をはじめとして、複写機、ワープロ、ファクシミリ、プロッター等の情報機器における出力部への展開がさらに行われ、急速に普及している。また、近年、高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナー等が安価に提供されつつあり、パーソナルコンピューターの普及と相まって、これらから得た画像情報の出力にインクジェット記録方式を採用したプリンターが極めて好適に用いられるようになってきている。このような背景において、銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較して遜色のない画像を、手軽にインクジェット記録方式で出力する事が求められるようになってきた。
このような要求を満たす為に、記録の高速化、高精細化、フルカラー化などプリンター自体の構造や記録方式に関する改良が行われてきており、記録媒体の構造や特性に関する改良も盛んに検討されている。
インクジェット記録等に用いられる記録媒体については、従来から多様多種の形態のものが提案されてきた。例えば、特開昭52−9074号公報には、インク吸収速度を向上させる為に比表面積の大きなシリカ系顔料を主成分とした空隙を有する層をインク受容層として設けた記録媒体が開示され、また、特開昭63−22997号公報には、インク受容層を形成する顔料層の空隙を調整してなる記録媒体が開示されている。特開昭55−51583号公報及び特開昭56−157号公報には、インク受容層によってインク吸収性を上げ、高い印字濃度やインク滲みのない印字ドットを得る為に、非晶質シリカ粉末を配合する事が記載されている。
一方で、銀塩系写真に匹敵する記録媒体には、優れた染料の発色性、高い表面光沢性、高い解像性を有する画像形成が必要とされる。銀塩系写真と遜色のない画像を提供可能である記録媒体のインク受容層の構成材料として、アルミナ水和物が注目を集めつつある。例えば、米国特許明細書第4879166号、同5104730号、特開平2−276670号公報、同4−37576号公報、及び同5−32037号公報には、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を含む層をインク受容層として有する記録媒体が、また、特開平10−94754号公報には、インク受容層にアルミナ水和物粒子を含有させた記録媒体が開示されている。
また、近年の高画質インクジェットプリンターは濃色、淡色のインクを併用して画像記録する方法が主流であり更に高速化が進みつつある。このように従来に比較してより大量のインクを使用し、かつ高速出力する画像記録に用いられる記録媒体はインク受容層のインク吸収容量とともに吸収速度が非常に重要である。
更に、最近になって、デジタルカメラの急速な普及により、いわゆるデジタル写真の保存性向上が強く要求されるようになってきており、記録画像の保存性を改良する方法も提案されている。
例えば、画像の光に対する保存性を改良する方法として、特公平6−30951号公報には特殊なカチオン化合物を含む記録シートが、同4−28232号には耐光性改良剤としてアミノアルコールを含む記録シートが、同4−34512号、特開平11−245504号公報等には耐光性改良剤として、ヒンダードアミン化合物を含む記録シートが開示されている。また、特公平8−13569号公報には、記録画像を室内に保管した時の変色(主に、黒インクが茶色に変色する現象)とオゾンガスによる変色との関係が開示されており、表面の活性を抑えたシリカ系顔料が室内における画像の変色に対して効果的であることが開示されている。また特開平11−348418号公報にはラジカルクェンチャーと無機系紫外線吸収剤を併用する提案がなされている。
しかしながら、銀塩写真に匹敵する画像堅牢性と高速出力性とを達成するためには更なる改善が必要である。
例えば、記録画像を室内に展示してあるような場合起こる褪色現象は、画像全体が赤みを帯びたり、緑みがかったり、非印字部が黄変したりと言うように様々である。また、原因となる要因も光のみに限らず、空気中の各種のガスや、温度、湿度の影響等複合した要因が考えられる。しかしながら、画像の褪色現象を総合的な要因から解決する方法はまだ知られていない。
また、銀塩写真に匹敵する画像形成が可能な記録媒体(以下、フォト用記録媒体)は、高速且つ大量にインクが付与されるフォトプリンタに対応するため、且つ、優れた染料の発色性と高い表面光沢性を達成するために、透明なインク受容層を数十μm以上の厚みで設けた構成を有している。このような記録媒体において、画像の保存性を改良するために前記の耐光性改良剤のような添加剤を多量にこの層に含むと、受容層の透明性が低下し鮮明な画像形成ができなかったり、インク吸収性の低下が起こる問題があった。また、室内変色を改良するための顔料粒子自体を改質する方法は、このような記録媒体には適用できない。このように、フォト用記録媒体に高速画像記録性と画像堅牢性を付与するには、記録特性とのバランス面で更に解決すべき課題があった。
本発明の目的は、インクジェット記録方式などの記録液を記録媒体に付着させて記録を行う記録方式を用いた画像形成方式に好適に利用でき、画像濃度が高く、色調が鮮明で、解像度が高い画像の形成が可能であり、インク吸収性、透明性にも優れた記録媒体及びこれを用いた画像の形成方法を提供するものである。又、本発明の目的は記録画像の保存性に優れた記録媒体及びそれを用いた画像形成方法を提供するものである。更に、本発明の別の目的は銀塩系写真としての質感や画質を有するプリント(印画物)が得られるフォト用記録媒体を提供することにある。
すなわち本発明は、基材上にインク受容層を有するインクジェット用被記録媒体であって、インク受容層が、少なくともアモルファス酸化チタンを含有することを特徴とする記録媒体である。
特にアモルファス酸化チタンとヒンダードアミン化合物を併用して用いた場合、従来にない長期保存性とインク吸収性と高発色性が得られる。
本発明の記録媒体は記録画像の耐ガス性、耐光性とインク吸収性に優れており、特に、記録画像を家庭やオフィス等の通常の室内環境の中で展示する用途に使用しても画像の褪色が発生しない。又、本発明の記録媒体は、銀塩系写真並みの質感、画質を有する記録画像を提供する用途にも使用可能である。
本発明の記録媒体は、基材と基材上に設けられたインク受容層とを有する構成であり、インク受容層が少なくともアモルファス酸化チタンを含む構成である。
更には、アモルファス酸化チタンとヒンダードアミン化合物とを含む構成である。本発明はこれらの構成によって本発明の目的とする各課題を解決するものである。
本発明においてアモルファス酸化チタンは紫外線を吸収する。ヒンダードアミン化合物は染料の光ラジカル化による直接分解反応を抑制し、またアモルファス酸化チタンが紫外線吸収時に発生させたラジカルによる染料分解反応も抑制する。
以下に、本願の実施態様について、更に詳しく説明する。
《アモルファス酸化チタン》
本発明に用いられるアモルファス酸化チタンとしては、気相で揮発性のチタン化合物を熱分解或いは加水分解することにより得られ、例えば特開昭60−186418号公報,特開昭61−201604号公報に開示されている方法等を用いることが出来る。
すなわち、揮発性チタン化合物を、アルゴン,ヘリウム,窒素,酸素或いは空気等のキャリヤーガスを用いて、気化又は霧化させ、加熱下(600℃以下、好ましくは250〜350℃の加熱下)で水蒸気と混合して加水分解させるか、或いは分解温度以上に加熱して熱分解することにより、非晶質の酸化チタン超微粒子を製造することができる。
ここで用いる、原料である揮発性チタン化合物の種類は、特に制限はなく、チタンの塩化物・アルコキシド・アセチルアセトネート等の揮発性を有し、気相中で熱分解或いは加水分解をした際に、アモルファスの酸化チタン超微粒子を生成するものを用いれば良い。これらを単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚結晶系の測定はX線回折法を用いることが出来る。
本発明では、アモルファス酸化チタンのインク受容層に対する添加量としては、特には限定されないが受容層固形分に対して好ましくは1〜30質量%、特には2〜15質量%が良い。
またアモルファス酸化チタンの平均粒径は10〜60nmであることがインク吸収性ならびに透明性付与、耐光性向上の面から好ましい。アモルファス酸化チタンのBET値は100〜300m2/gであることがインク吸収性の面から好ましい。
本発明に用いられるヒンダードアミン系化合物とは下記(I)式で示されるヒンダードアミンを分子内に1つ以上有する化合物である。
Figure 2005138392
(ここで、R1〜R4は、炭素数1〜5の低級アルキル基、特に好ましくは、メチル基、あるいは、エチル基である。R5は、水素原子、低級アルキル基、ベンジル基、アリル基、アセチル基、アルコキシル基、ベンジルオキシ基等を表す。Aは、アルキル基、アルコキシル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル基等を表す。また、Aは、例えばマロン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸等のジカルボン酸エステル基、あるいは、トリカルボン酸、テトラカルボン酸エステル基等、他のヒンダードアミンとを連結する基であってもよい。さらにAは(メタ)アクリルエステル基等のビニル基を有する基であってもよく、この場合には、ヒンダードアミンを側鎖に有するポリマーであることも可能である。)。
これらの化合物は、特公平4-34512号公報にも記載されており、各種のものが市場から入手可能である。例えば、チバスペシャリティーケミカルズ社の TINUVIN(商品名)や旭電化工業社のアデカスタブ(商品名)等のものが挙げられる。通常、これらのものは、水に対して不溶性の液体または固体(粉体)、水分散体として入手可能である。液体又は粉体のものをインクジェット用の記録媒体に使用する場合には、水分散体に調整して使用する。
ヒンダードアミン系化合物のインク受容層に対する添加量としては、受容層固形分に対して好ましくは0.5〜20質量%、特には1〜15質量%が良い。
《インク受容層の組成》
前記のインク受容層は、顔料、バインダー及びその他の添加剤を主体として構成される。特にフォト用記録媒体として好ましいものは、平均粒子径が1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.3μm以下の微粒子を主体として、インク受容層を形成したものであり、表面に高い光沢性を有し、画像濃度が高く、色調が鮮明で、解像度の高い画像形成が可能である。顔料としては、アルミニウム酸化物粒子を主として使用する。このアルミニウム酸化物としては、通常、バイヤー法とよばれ、天然鉱物であるボーキサイトを熱苛性ソーダ処理して得られる水酸化アルミニウムを焼成して製造されたものを用いることができる。この他にも、金属アルミニウムペレットを水中で火花放電させた後に、得られた水酸化アルミニウムを焼成する方法、無機のアルミニウム塩(ミョウバン等)を分解する方法等により製造されるものを使用できる。
アルミニウム酸化物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、キブサイト型、ベーマイト型の水酸化アルミニウムからγ、σ、η、θ、α型のアルミニウム酸化物に転移していくことが知られている。もちろん、本発明に於いては、これらのいずれの製法および結晶構造のものも使用可能である。中でも、インク吸収性、形成される層の透明性の面では、γ型結晶タイプのアルミニウム酸化物(γ-アルミナ)が好ましい。
上記のアルミニウム酸化物のBET比表面積は 100〜160m2/gの範囲であるものが好ましい。比表面積が 160m2/gを超えると、顔料の粒度にもよるがインクの吸収性が低下する場合がある。また、100m2/gより小さくなると光の散乱による色濃度の低下が生じる場合がある。
また他の好ましいインク受容層の顔料としては、アルミナ水和物粒子をあげることができる。このようなアルミナ系顔料の一つとして下記一般式により表されるアルミナ水和物を好適なものとしてあげる事ができる。
Al3−n(OH)2n・mH
式中、nは1、2または3の整数のいずれかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。mHOは、多くの場合mHO結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相をも表すものである為、mは整数または整数でない値を取ることもできる。またこの種の材料を加熱するとmは0の値に達することがありうる。アルミナ水和物は一般的には、米国特許第4242271号、米国特許第4202870号に記載されているようなアルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解な、また、特公昭57−44605号公報等に記載されているアルミン酸ナトリウム等の水溶液に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加えて中和を行う方法などの公知の方法で製造することができる。
なおRocekら(Collect czech Chem Commun,56巻、1253〜1262、1991年)は、アルミナ水和物の多孔質構造は、析出温度、溶液pH、熟成時間、表面活性剤に影響されることを報告している。また、アルミナ水和物の中で擬ベーマイトには、文献(Rocek J., etl., Applied catalysis,74巻、29〜36、1991年)に記載されているように繊毛状とそうでない形状があることが一般に知られている。
更に、このアルミナ水和物としては、上述したような必要とされる透明性、光沢、染料などの記録液中の着色剤の定着性等の特性が得られる上に、インク受容層形成時にクラック等の欠陥の発生が無く、塗工性の良いものが好ましい。このような観点から、上述の公知の方法で製造されたものや、Disperal HP 13(商品名:CONDEA社製)等の市販品から選択したアルミナ水和物をインク受容層の構成材料として利用する事ができる。
なお、本発明においては、また、インク受容層中には、前記の微粒子以外に、従来公知の無機顔料、有機顔料等の粒子を含有しても良い。本発明において、インク受容層は、全粒子中の70質量%、より好ましくは80質量%以上が上記の微粒子で構成される。
バインダーとして好適なものとしては、水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などを挙げる事ができる。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。添加剤としては、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用可能である。
インク受容層中の顔料、バインダー、およびその他の添加剤の好ましい含有量は、顔料は、受容層全体において、50〜99質量%の範囲内、バインダーは1〜50質量%、その他の添加剤としては、5%以下程度である。
また、アルミニウム酸化物粒子を含むすべての顔料とバインダーとの混合比は、質量比で、好ましくは1:1〜100:1、より好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量を上記範囲とすることで、インク受容層の機械的強度をより高める事ができ、インク受容層形成時におけるひび割れや粉落ちの発生を防止し、より好適な細孔容積の維持が可能となる。
アルミニウム酸化物粒子のインク受容層中の好ましい含有量としては、50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは、80質量%以上であり、99質量%以下である。
《受容層の塗工量》
インク受容層の塗工量としては、染料などの記録液中の着色剤成分の定着性やインク受容層の平滑性をより良好なものとする為に、乾燥固形分換算で50g/m2以下が好ましく、10〜45g/m2がより好ましい。
《基材》
インク受容層を形成する為の基材としては、本発明による特段の制限は無く、記録液を付着させて記録を行なう記録媒体の基材として利用できるものであれば、いずれのものでも使用できる。例えば、適度なサイジングを施した紙、無サイズ紙などの主に木材パルプと填料からなる繊維状基体を少なくとも有する構造のもの及びポリエチレンテレフタレートフィルム等の各種のプラスチックフィルムなどを挙げる事ができる。また、本発明において高い光沢度を得る為には、その繊維状基体の上に、少なくとも硫酸バリウムを含む無機顔料等をバインダーと共に塗工した表面層を有するものを基材として用いることが好ましい。
銀塩写真に匹敵する画質特性は、硫酸バリウムを含む表面層が、白色度が高く屈折率が高い為に非常に高い反射率を有するとともに、上記の表面層上に非常に透明性の高いインク受容層を形成することによって得られるものである。この硫酸バリウムを含む表面層の白色度およびベック平滑度は、最終的に得られる記録媒体のインク受容層を有する側における白色度が87%以上、ベック平滑度が 400秒となるように設定されるのが好ましい。
《受容層の形成方法》
本発明のインク受容層を有する記録媒体において、基材上にインク受容層を形成する方法としては、前記に述べられた材料を含む塗工液を調整し、塗工装置を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。塗工方法は特に制限されるものではなく、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、スプレー装置等による塗工技術を用いることができる。又、フォト用記録媒体のインク受容層の形成方法としては、微粒子を含む塗工液を上記と同様の方法を用いて塗工した後に、表面を光沢処理する方法があげられる。
《光沢処理》
本発明のインク受容層面側への光沢処理としては、湿潤状態にある被処理物を、表面を加熱した鏡面ドラムに圧接し乾燥させるキヤスト法が好適に用いられる。キャスト処理の方法としては、直接法、ゲル化法およびリウエット法がある。このうち直接法は、インク受容層形成時に支持体上に塗布したインク受容層が未だ湿潤状態にあるうちにその層の表面を加熱された鏡面ドラムに圧着して乾燥処理するものである。またゲル化法は、インク受容層形成時に支持体上にあるインク受容層がまだ湿潤状態にあるうちにこの層をゲル化剤浴に接触させ、ゲル状態にした後、この層の表面を加熱した鏡面ドラムに圧着して乾燥処理するものである。本発明で特に好ましいものはリウェット法である。リウェット法は、インク受容層形成用塗料を基材上に塗布、常法により乾燥させ、受容層となる層を一度形成させた後に、再度、熱湯等により処理して、インク受容層を湿潤状態に戻し膨潤させ、膨潤状態にあるインク受容層の表面を加熱した鏡面ドラムに圧着して乾燥処理するものである。膨潤状態で熱ドラムに圧着処理させることによって、インク受容層の多孔質構造を維持したまま表面に強光沢を付与することができる。又、湿潤状態のインク受容層を鏡面ドラムに圧着して乾燥する場合に、一度乾燥し、層形成したインク受容層を再膨潤させるために、熱ドラムの圧着乾燥時、裏面からの水分の蒸発量が少量で済むため、この方法は、使用する基材に制限が少なく、緻密な基材上にインク受容層を設けた場合においても光沢処理が可能である。
こうして得られる本発明にかかる記録媒体のインク受容層側の面における光沢度は、20度測定において、20%以上を有するように調整されることができ、このように調整することは、インクジェット記録において高品質な画像形成を可能とするため、好ましい。本発明で言う光沢度とは、JIS-Z-8741において規定される方法に準じて測定される値である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明する。
使用したアモルファス酸化チタンとヒンダードアミン化合物を表1,2に示す。
Figure 2005138392
Figure 2005138392
{インク受容層顔料1}
アルミナ水和物としてDisperal HP13(商品名:CONDEA社製)を純水に混合して固形分が5重量%の分散液とした。次に、これに塩酸を加えpH4に調整してしばらく攪拌した。その後、この分散液を攪拌をしながら95℃まで昇温し、その温度で2時間保持を行なった。次に、苛性ソーダによりpHを9.5に調整し、その後、8時間攪拌保持を行なった。8時間後、分散液の温度を室温に戻し、pHを7.2に調整した。その後、脱塩処理を行い、続いて酢酸を添加して解膠処理してコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを乾燥して得たアルミナ水和物BをX線回折により測定したところ、擬ベーマイト構造を有するものであった。また、この時のBET表面積は、150.2m2/g、細孔容積は0.68(ml/g)であった。なお、比表面積、細孔容積は下記の方法でもとめた。
1)細孔容積(PV):120℃で24時間脱気処理した後、窒素吸着脱離法によりカンタクローム社製、「オートソーブI」(商品名)を用いて測定した。
2)BET比表面積(SA):Brunauerらの方法を用いて計算し、求めた。
{インク受容層顔料2}
米国特許明細書第4242271号公報、4202870号公報に記載された方法でアルミニウムオクタキシドを合成し、その後加水分解してアルミナスラリーを製造した。その後、乾燥等の後処理を行なって粉体の擬ベーマイトを得た。これを 500℃のオーブンで2h焼成を行ない、γ型結晶構造を有する酸化アルミニウム粒子(以下:γ-アルミナ)を得た。このときの粒度分布の中位は20μmであった。このγ-アルミナを酢酸を分散剤として 20質量%の濃度で純水中に分散した。その後、ボールミルによって、40h 処理した後、遠心分離処理によって粗大粒子を取り除き、γ-アルミナ処理品を得た。このときの粒度分布の平均は 0.25μmであった。
(塗工液の調整例)
完全ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA117クラレ社製)をイオン交換水に溶解して9質量%の溶液を得た。上記の製造例で調整したインク受容層顔料分散液とポリビニルアルコール溶液を、顔料固形分とポリビニルアルコール固形分が質量比で10:1になるように混合攪拌して、分散液を得た。
上記の分散液とアモルファス酸化チタン分散水溶液、ヒンダードアミン化合物の乳化液を混合攪拌し、塗工液を調整した。
(記録媒体の作成)
上記の各塗工液をアモルファス酸化チタンおよびヒンダードアミン化合物が表3の割合になるように調整した後、バライタ層を有する基材(ベック平滑度420秒、白色度89%)のバライタ層上にダイコートによりインク受容層を形成する塗工組成物を乾燥厚30g/m2で塗工した。この時の基材は、坪量150g/m2、ステキヒトサイズ度200秒の繊維状基体上に、硫酸バリウム100重量部に対しゼラチン10重量部からなるバライタ組成物を乾燥重量40g/m2となるように塗工し、カレンダー処理を行ったものである。このようにしてバライタ層を有する基材上にインク受容層形成用の層を作成した。上記の受容層形成用の層の表面にリウェットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い、本発明の記録媒体及び、比較用の記録媒体を得た。作成された記録媒体の記録面はいずれも高い表面光沢度を有するものであった。
(画像堅牢性試験)
上記の方法で作成した記録物を用いて、下記の方法1〜3に従って各種の画像堅牢性試験を行なった。結果を表Zに記載した
・記録物の作成:インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:BJ-F900キヤノン製)を用いて、上記の各記録媒体の記録面に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、コンポジットブラック、葉緑色、肌色、空色のベタパッチを印字し各色O.D 1.0のパッチを試験に用いることとした。
・耐光性および耐ガス性の評価方法:上記の記録物の試験前の画像濃度と試験後の画像濃度とを分光光度計・スペクトリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測定した。耐光性および耐ガス性評価は、以下に記述する判定基準に基づき判定し、結果は表3に示した。
試験方法
1.耐光性試験1
以下の試験条件に従って、キセノンフェードメーターを用いて、耐光暴露試験を行なった。本試験は、室内における窓越し太陽光の影響を考慮した画像堅牢性試験である。
・試験条件
照射光量:70klux
試験時間:100時間
試験槽内温湿度条件:24℃・60%RH
フィルタ:(アウター)ソーダライム、(インナー)ボロシリケート
・評価
ISO 10977(1993)の基準を参考に耐光暴露試験後の濃度残存率データより耐光性を以下の様に評価した。
A:濃度残存率 90%以上であり、かつコンポジットカラーにおいては各構成色の濃度残存率の差が5%以内のもの
B:濃度残存率 80%〜89%であり、かつコンポジットカラーにおいては各構成色の濃度残存率の差が 10%以内のもの
C:濃度残存率 80%未満のもの、あるいはコンポジットカラーにおいては各構成色の差が 15%以上のもの
2.耐光性試験2
以下の試験条件に従って、蛍光灯耐光性試験機を用いて、耐光暴露試験を行なった。本試験は、室内における蛍光灯光の影響を考慮した画像堅牢性試験である。
・試験条件
照射光量:70klux
試験時間:240時間
試験層内温湿度条件:24℃・60%RH
フィルタ:ソーダライム
・評価
ISO 10977(1993)の基準を参考に耐光暴露試験後の濃度残存率データより耐光性を以下の様に評価した。
A:濃度残存率 90%以上であり、かつコンポジットカラーにおいては各構成色の濃度残存率の差が5%以内のもの
B:濃度残存率80%〜89%であり、かつコンポジットカラーにおいては各構成色の濃度残存率の差が 10%以内のもの
C:濃度残存率80%未満のもの、あるいはコンポジットカラーにおいては各構成色の差が15%以上のもの
3.耐ガス性試験
以下の試験条件(ANSI/ISA-S 71.04-1985)に従って、ガス腐食試験機を用いて、ガス暴露試験を行なった。本試験は、室内における各種のガスの影響を考慮した画像堅牢性試験である。
・試験条件
暴露ガス組成:H2S 10ppb、SO2 100ppb、NO2 125ppb、Cl2 2ppb、O3 25ppb
試験時間:168時間
試験層内温湿度条件:24℃・60%RH
・耐ガス性評価
耐光暴露試験後の濃度残存率データと目視判定により耐ガス性を以下の様に評価した。
A:濃度残存率80%以上であり、試験前と比較して色調に変化が認められないもの
B:濃度残存率80%〜70%であり、試験前と比較して色調がわずかに変化しているもの
C:濃度残存率70%未満のもの、試験前と比較して明らかに別の色調となっているもの
4.インク吸収性試験
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタフォト用プリンター(商品名:BJ F900 キヤノン製)を用いて画像を形成し、インク吸収性について評価した。画像は、写真調の画像を数種類用意し、上記の装置の最高級画質モードを用いて印刷して、得た画像から総合的に評価した。評価個所は、画像内のコンポジットブラック部分、葉緑色、空色の部分に注目して評価を行った。
インク吸収性は、ビーディングの発生の有無を目視で以下のように判断した。
A:最もインク量の多いコンポジットブラックでも発生のないもの
B:コンポジットブラックでは認められるが葉緑色、空色では認めれないもの
C:それ以外のもの
Figure 2005138392

Claims (3)

  1. 基材上にインク受容層を有するインクジェット用被記録媒体においてインク受容層が少なくともアモルファス酸化チタンを含有することを特徴とするインクジェット用被記録媒体。
  2. インク受容層が更にヒンダードアミン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用被記録媒体。
  3. アモルファス酸化チタンの平均粒径が60nm以下であることを特徴とする請求項1乃至2項に記載のインクジェット用被記録媒体。
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