JP2005137743A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】飛距離性能に優れるとともに柔らかい打球感が得られ、しかも、耐久性に優れるゴルフボールを提供する。
【解決手段】エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体、前記共重合体が金属イオンで部分中和されたアイオノマー、又は、これら共重合体とアイオノマーとの混合物と、ジオール化合物とを反応させる。この反応に伴い、ジオール化合物によってα,β−不飽和カルボン酸がエステル化されて架橋し、架橋体が得られる。この架橋体を、ソリッドコア12の表面に射出成形してカバー14を形成し、ゴルフボール10とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフボールに関し、一層詳細には、反発性、耐久性、打球感、及び飛距離性能に優れたゴルフボールに関する。
近年、ソリッドコアをカバーで被覆することによって構成されるゴルフボールが広汎に普及するに至っている。この種のゴルフボールにおけるカバーの材質として、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体におけるα,β−不飽和カルボン酸の一部が金属イオンによって中和されたアイオノマー樹脂が一般的に採用されている。このような素材からなるカバーを具備するゴルフボールには、耐衝撃性及び耐摩耗性が比較的良好であり、しかも、反発性に優れるために飛距離性能に優れるという利点がある。
しかしながら、このゴルフボールには、打球した際の打球感が硬いという不具合がある。この不具合を解消するべく、特許文献1及び特許文献2において、オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルターポリマーのナトリウム塩又は亜鉛塩からなる軟質アイオノマーと、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体のナトリウム塩又は亜鉛塩からなる硬質アイオノマーとをブレンドしたものをカバーの材質とすることが提案されている。
また、特許文献3、特許文献4においては、それぞれ、熱可塑性ポリウレタンとアイオノマー樹脂をブレンドした組成物、アイオノマー樹脂とジエン系ゴムとからなる組成物からカバーを形成することが提案されている。
特開平1−308677号公報 米国特許第4884814号明細書 米国特許第4674751号明細書 特開平11−57068号公報
上記した提案によれば、ゴルフボールの打球感が柔らかくなるとされている。しかしながら、アイオノマー樹脂に別の材料をブレンドしたものをカバーの素材とすることによって、カバーの反発性が低下する傾向がある。また、アイオノマー樹脂と別の材料との相溶性が良好でない場合、カバーを設ける際に成形が困難となるという不具合や、耐久性が低下する等の不具合が惹起されることもある。
換言すれば、アイオノマー樹脂と別の材料とをブレンドしたものからカバーを形成してゴルフボールを作製した場合、打球感を柔らかくすることは可能であっても、カバーを設ける作業が困難となるとともに、該ゴルフボールの飛距離性能が低下したり、寿命が短くなったりするという不具合を招く。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、反発性や耐久性が確保される一方で打球感が柔らかいゴルフボールを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、最外層にカバーを有するゴルフボールにおいて、
前記カバーは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体、又は、前記共重合体が金属イオンで部分中和されたアイオノマーの少なくともいずれか一方におけるα,β−不飽和カルボン酸が、ジオール化合物によってエステル化された架橋体を含有することを特徴とする。
このように、共重合体、又は該共重合体のアイオノマーを架橋したものからカバーを形成することにより、反発性を損なうことなく打球感及び耐久性を向上させることができる。換言すれば、飛距離性能に優れ、長寿命であり、しかも、打球感が柔らかいゴルフボールとすることができる。
ジオール化合物の好適な例としては、下記の一般式(1)で表される物質を挙げることができる。
Figure 2005137743
ただし、式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲンであり、n=1〜20の整数である。
ジオール化合物の他の好適な例としては、両末端に水酸基が結合したポリオキシアルキレン化合物を挙げることができる。
又は、両末端に水酸基が結合したポリブタジエンをジオール化合物として使用するようにしてもよい。ジオール化合物は、両末端に水酸基が結合したシリコーンであってもよい。
本発明によれば、基材樹脂に含まれるα,β−不飽和カルボン酸を、ジオール化合物によってエステル化して架橋体とし、該架橋体を含有するカバー材からカバーを形成するようにしている。このため、飛距離性能に優れ、長寿命であり、しかも、打球感が柔らかいゴルフボールを構成することができる。
以下、本発明に係るゴルフボールにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係るゴルフボールの概略断面図を図1に示す。このゴルフボール10は、ソリッドコア12がカバー14で被覆されることによって構成されたツーピースソリッドゴルフボールである。
この場合、ソリッドコア12は、1,4−シス−ブタジエンを主成分とするゴム組成物からなり、直径はおよそ38mm程度に設定される。
一方、カバー14は、α,β−不飽和カルボン酸を含む基材樹脂とジオール化合物とを反応させ、これにより前記α,β−不飽和カルボン酸がエステル化された架橋重合体を含有する物質からなる。勿論、この架橋重合体単独からなるものであってもよい。ここで、基材樹脂とは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体、前記共重合体が金属イオンで部分中和されたアイオノマー、又は、これら共重合体とアイオノマーとの混合物を指称する。
α,β−不飽和カルボン酸は、特に限定されるものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸を好適な例として挙げることができる。
なお、共重合体は、上記したようなα,β−不飽和カルボン酸とエチレンとの2元系共重合体に特に限定されるものではなく、他の物質がさらに共重合した3元系以上の共重合体であってもよい。他の物質の好適な例としては、α,β−不飽和カルボン酸メチル、α,β−不飽和カルボン酸エチル、α,β−不飽和カルボン酸ブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステルや、酢酸ビニル等のビニルエステル、又はα−オレフィン等が挙げられる。いずれの場合においても、α,β−不飽和カルボン酸の割合は通常は0.5〜15モル%の範囲内であり、大半は1〜8モル%である。
前記アイオノマーの好適な例としては、上記したようなα,β−不飽和カルボン酸とエチレンとの2元系共重合体が金属イオンで部分中和された硬質な高剛性アイオノマーや、α,β−不飽和カルボン酸とエチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの3元系共重合体が金属イオンで部分中和された軟質な柔軟アイオノマーを挙げることができる。複数種のアイオノマーの混合物であってもよいことはいうまでもない。
金属イオンとしては、Na+、Li+、Zn2+、Mg2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Pb2+が例示される。このようなアイオノマーは、市販品として入手可能である。市販品において、これらの金属イオンによる中和度、すなわち、α,β−不飽和カルボン酸が金属イオンによってイオン架橋されている割合は、0モル%を超え、90モル%以下である。
このような基材樹脂と反応させるジオール化合物は、2個の水酸基(−OH基)を有する物質であれば特に限定されるものではないが、下記の一般式(1)で表される物質を好適な例として挙げることができる。
Figure 2005137743
ただし、式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲンであり、n=1〜20の整数である。
一般式が上記のように表される物質の具体例としては、メチレングリコール、抱水クロラール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ピナコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール(1,6−ヘキサンジオール)、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ウンデカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール等が挙げられる。
又は、両末端に水酸基が結合したポリオキシアルキレン化合物や、両末端に水酸基が結合したポリブタジエン、両末端に水酸基が結合したシリコーンをジオール化合物としてもよい。
以上のような基材樹脂とジオール化合物とを反応させることによって、カバー14の素材が調製される。
カバー14の素材の調製につき、ハイミラン1555(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体がNa+で部分中和されたアイオノマー。融点95℃、JIS K 6760によるメルトフローレート10g/10分)と、ヘキサメチレンジオールとを反応させる場合を例として説明する。この場合、先ず、オートクレーブの反応室に所定量のハイミラン1555を収容する。
ここで、ハイミラン1555に対し、エステル化反応を促進する触媒を添加するようにしてもよい。そのような触媒としては、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸、フッ化ホウ素エーテラート等の酸性触媒や、チタン酸アルキルエステル、フッ化チタン酸塩、シュウ酸チタン化合物等のチタン化合物が例示される。触媒の添加量は、ハイミラン1555に対して1.0重量%以下であることが好ましく、0.05重量%程度で十分である。
さらに、触媒作用を増徴する助触媒、例えば、モノブチルスズオキサイド、モノオクチルスズオキサイド、モノブチルスズトリアセテート等のモノアルキルスズ化合物をチタン化合物とともに添加するようにしてもよい。
次に、ハイミラン1555をオートクレーブ中で加熱する。なお、雰囲気は、窒素等の不活性ガスとする。
この際の加熱温度が過度に高い場合、副反応が起こり不純物が生じてしまう。これを回避するために、油浴の温度を300℃以下に設定することが好ましく、およそ250℃程度とすることがより好ましい。
このような温度では、ハイミラン1555の流動性が増加して半溶融状態となる。この半溶融状態にあるハイミラン1555を撹拌しながら、ヘキサメチレンジオールを少量ずつ添加する。時間の経過に伴ってハイミラン1555とヘキサメチレンジオールとが互いに混合され、下記の化学反応式(2)に示されるエステル化反応が開始し、該混合物の粘度が上昇する。
Figure 2005137743
加熱は、常圧で行ってもよいが、反応率が向上することから、炭酸ガスの臨界圧力付近である7.2〜20MPa程度に加圧して行うことが好ましい。なお、この場合、上記化学反応式(2)に示されるエステル化反応の進行に伴って発生する水を除去する除去装置をオートクレーブ等に付設する。
このような状態で3時間程度放置することにより、上記の化学反応式(2)中にCPとして示される架橋体を含む反応混合物が得られるに至る。この架橋体におけるα,β−不飽和カルボン酸の反応率は、赤外吸収(IR)スペクトルでのエステルの吸収ピークである1180cm-1の吸光度から求められ、メルトフローレートの関係から、一般的に10%前後である。
この反応混合物には、未反応のジオール化合物が含まれる。この状態でカバー材として使用してもよいが、耐久性及び反発性に優れるカバーを形成することができることから、架橋体とジオール化合物とを分離することが好ましい。
架橋体とジオール化合物は、以下のようにして分離することができる。先ず、反応混合物を粉砕し、該粉砕物を、ジオール化合物と相溶性である溶剤に添加する。
次に、この状態で静置することによってジオール化合物を抽出する。又は、撹拌するようにしてもよい。さらに、加熱して還流するようにしてもよいし、向流抽出を行うようにしてもよい。
ジオール化合物を抽出した後、架橋体と溶剤とを分離し、架橋体に付着した溶剤を真空乾燥等によって揮発させれば、架橋体が得られるに至る。
カバー14は、この架橋体をソリッドコア12上に射出成形することによって設けられる。なお、架橋体に酸化防止剤等を予め添加するようにしてもよい。
このように、本実施の形態に係るゴルフボール10は、基材樹脂(エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体、又は該共重合体が金属イオンで部分中和されたアイオノマー)がエステル化されることによって架橋された架橋体からなるカバー14を有する。このカバー14は、前記基材樹脂の特性に由来して耐久性に優れる。また、反発性に優れるので、良好な飛距離性能を示す。しかも、この場合、前記基材樹脂を架橋させたことに伴い、打球時に柔らかい打球感が得られるようになる。
すなわち、本実施の形態によれば、耐久性及び反発性に優れる一方、打球した際の打球感が柔らかいゴルフボール10を構成することができる。
なお、カバー14の素材を調製する際、ジオール化合物としてメチレングリコールやテトラメチレングリコール等の低沸点化合物を使用する場合は、加温の際に加圧することによってエステル化反応を促進させることができる。
また、前記基材樹脂に酸化防止剤を予め添加してエステル化反応を開始させることが好ましい。これにより、比較的高温で加温する場合であっても、ラジカル反応等の副反応を抑制することができ、その結果、架橋体の収率が向上するからである。特に、ジオール化合物として、両末端に水酸基が結合したポリブタジエンを使用する場合に有効である。この種の酸化防止剤としては、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が例示される。なお、酸化防止剤の添加量は、基材樹脂とジオール化合物との合計重量に対して1重量%以下とすればよく、0.1重量%以下としてもよい。
多量の基材樹脂をエステル化させる場合には、押出機、特に2軸押出機を使用して、反応生成物をペレット状の形態で得ることが好適である。
さらに、上記した実施の形態においては、ゴム組成物からなるソリッドコア12を有するゴルフボール10を例示して説明したが、特にこれに限定されるものではなく、センタに糸が巻回された糸巻きセンタを有するゴルフボールであってもよい。
基材樹脂としてのニュクレルN1560(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体。融点90℃、JIS K 6760によるメルトフローレート60g/10分)800gを、容積2000mlの4口セパラブルフラスコに収容し、該フラスコ内に窒素ガスを導入しながら油浴温度250℃で加熱した。流動性を呈したニュクレルN1560を撹拌しながら、1,6−ヘキサンジオールを12.1g滴下した。全量を滴下した後、撹拌を続行しながら3時間放置することによりエステル化反応を進行させ、反応混合物を調製した。
その後、反応混合物をフラスコから取り出し、冷却後、粉砕したものをエタノールに通し、該エタノールで1,6−ヘキサンジオールを抽出して反応混合物から分離し、架橋体を得た。該架橋体のIRスペクトルから求められたα,β−不飽和カルボン酸の反応率は、10.6%であった。
その一方で、1,4−シス−ポリブタジエン100重量部、老化防止剤0.5重量部、亜鉛華21重量部、アクリル酸亜鉛30重量部、有機過酸化物2.2重量部を混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物を約150℃でおよそ30分間加熱することによって加硫させながら圧縮成形を施し、直径38.3mmのソリッドコアを作製した。
次に、このソリッドコアの表面に、射出成形によって前記架橋体を被覆し、カバーを形成してゴルフボールとした。
基材樹脂としてハイミラン1555を選定した以外は実施例1と同様にして、ゴルフボールを作製した。
基材樹脂としてニュクレルN1560(800g)を選定するとともに、ジオール化合物として両末端に水酸基が結合したポリブタジエンを選定し、80gを使用した。また、このジオール化合物が単独で架橋することを防止するために、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)7.6gを添加した。さらに、ジオール化合物を抽出する溶剤として2−ブタノンを使用した。以上の事項を除いては実施例1に準拠して、ゴルフボールを作製した。
基材樹脂としてハイミラン1555(800g)を選定するとともに、ジオール化合物として両末端に水酸基が結合したポリブタジエンを選定し、55.6gを使用した。また、実施例3と同様の理由から、2.78gの2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を添加した。以上の事項を除いては実施例3に準拠して、ゴルフボールを作製した。
基材樹脂としてニュクレルN1560(800g)を選定するとともに、ジオール化合物として両末端に水酸基が結合した水酸基変性シリコーンを選定し、84gを使用した。以上の事項を除いては実施例1と同様にして、ゴルフボールを作製した。
基材樹脂としてハイミラン1555(800g)を選定するとともに、ジオール化合物として水酸基変性シリコーンを選定し、60gを使用した。以上の事項を除いては実施例5に準拠して、ゴルフボールを作製した。
実施例2において得られた架橋体と、ハイミラン1557(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体がZn2+で部分中和されたアイオノマー。融点95℃、JIS K 6760によるメルトフローレート5g/10分)とを重量比50:50で混合して混合物とした。該混合物100重量部に対し、酸化チタン2重量部、老化防止剤としての4,4−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)0.05重量部、群青0.01重量部、蛍光増白剤0.02重量部を混練した。この混練物を、実施例1と同様にして得られたソリッドコアの表面に射出成形してカバーを形成し、ゴルフボールを作製した。
比較例1
実施例1と同様にして得られたソリッドコアの表面に、ニュクレルN1560を射出成形してカバーを形成してゴルフボールを作製した。
比較例2
実施例1と同様にして得られたソリッドコアの表面に、ハイミラン1555を射出成形してカバーを形成してゴルフボールを作製した。
以上の実施例1〜7及び比較例1、2の各ゴルフボールにおける外径、重量、カバーのショアD硬度、100kgの加重を印加した際の変形量、USGAの測定方法に準拠して打球試験を行った際の初速度、α,β−不飽和カルボン酸の反応率を測定するとともに、擦過傷試験及び打球感判定試験を行った。結果を、射出成形時におけるカバー材の成形性とともに併せて図2に示す。初速度が大きいものほど、反発性が大きく、従って、飛距離性能に優れるゴルフボールであることを意味する。
なお、擦過傷試験は、市販品であるピッチングウェッジから選定された3種をスイングロボットマシンに取り付け、ヘッドスピードを37m/秒として、ゴルフボールの異なる3点を1回ずつ打撃し、該打撃部位を目視にて観察した。評価は、「○:傷が認められないか、又は僅かな傷が認められる」、「△:クラブフェースの痕跡が残留しており、多少の毛羽立ちが認められる」、「×:大きな毛羽立ちが認められるか、又は、カバーがソリッドコアから剥離している」の3段階で表した。
また、打撃感判定試験は、アマチュアゴルファ5人が1番ウッドクラブ(ドライバー)で各ゴルフボールを実打して打球感を評価した。結果を、「○:大変よい」、「△:極普通」、「×:普通より硬い」の3段階で示した。
そして、カバー材の成形性は、「○:流動性が良好で、成形が容易」、「△:極普通」の2段階で示した。流動性が十分ではなく、真球度やディンプル転写性が良好でないカバー材はなかった。
図2から、基材樹脂を架橋させることによって、耐擦傷性及び打球感が向上することが明らかである。また、初速度が略同等であることから、基材樹脂を架橋することに伴って反発性を損なうことがないこと、換言すれば、飛距離性能が確保されていることが明らかである。
本実施の形態に係るゴルフボールの概略断面図である。 実施例1〜7及び比較例1、2の各ゴルフボールにおける諸物性と評価結果を示す図表である。
符号の説明
10…ゴルフボール 12…ソリッドコア
14…カバー

Claims (5)

  1. 最外層にカバーを有するゴルフボールにおいて、
    前記カバーは、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体、又は、前記共重合体が金属イオンで部分中和されたアイオノマーの少なくともいずれか一方におけるα,β−不飽和カルボン酸が、ジオール化合物によってエステル化された架橋体を含有することを特徴とするゴルフボール。
  2. 請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記ジオール化合物は、下記の一般式(1)で表される物質であることを特徴とするゴルフボール。
    Figure 2005137743
    ただし、式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲンであり、n=1〜20の整数である。
  3. 請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記ジオール化合物は、両末端に水酸基が結合したポリオキシアルキレン化合物であることを特徴とするゴルフボール。
  4. 請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記ジオール化合物は、両末端に水酸基が結合したポリブタジエンであることを特徴とするゴルフボール。
  5. 請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記ジオール化合物は、両末端に水酸基が結合したシリコーンであることを特徴とするゴルフボール。

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