JP2005137286A - 呈味増強剤 - Google Patents

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戸川  真
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Abstract

【課題】従来の調味料や天然エキス等の添加では飲食品に旨味やこく味を付与・増強する効果が十分ではなく、飲食品の呈味をより好ましい複雑なものにするのが困難であった点を解決する。
【解決手段】茶の水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出して得られた抽出物中に含まれる旨味・こく味を増強する成分を含有する呈味増強剤を飲食品に添加することにより、旨味、こく味を付与・増強するとともに、飲食品の呈味をより複雑で深みのある好ましいものに変えることができる。





Description

本発明は、茶抽出物を含有する飲食品の旨味およびこく味を付与・増強する呈味増強剤に関する。
飲食品の呈味は複雑な味の混合物である。味は大きくは甘味、酸味、苦味、塩味、旨味の五味からなり、旨味を呈する物質としては、グルタミン酸ナトリウム(コンブの味)、イノシン酸ナトリウム(かつお節の味)、グアニル酸ナトリウム(しいたけの味)、コハク酸ナトリウム(二枚貝の味)などが知られており、それぞれ個性をもった旨味を有している。また、グルタミン酸と核酸系旨味物質との間には相乗効果を呈することが知られており、このことを利用した調味料が多種多様な食品に利用されている。しかしながら、このような調味料を利用した食品では、旨味は増強されているものの単純な呈味となり、飲食品本来の自然かつ複雑な旨味の増強には至らず、呈味がぼけるという欠点を有している。また、飲食品の呈味に複雑さと深みを与える味としてこく味が知られている。こく味の付与には畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキスなどの天然エキスが広く用いられている他、ペプチド(非特許文献1)、グルタチオン(特許文献1)、畜肉、魚介エキスの酸性不溶画分(特許文献2)、アミノ酸誘導体(特許文献3)等のこく味を付与する成分の利用が提示されている。しかしながら、天然エキスは原料由来の不快な臭い、苦味やエグ味を有するため、用途によってその使用量には制限が生じ、十分にこく味を付与することができないという問題点を有していた。また、ペプチド等のこく味を付与する成分は何れも分離精製が複雑で高価である他、好ましくない味や異臭を併せ持つといった問題点を有していた。
ニューフードインダストリー、1996年、No.4、p23 特開昭60−9465号公報 特開平9−9407号公報 特開平8−143551号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の調味料や天然エキス等の添加では飲食品に旨味やこく味を付与、増強する効果が十分ではなく、飲食品の呈味をより好ましい複雑なものにするのが困難な点である。
本発明者らは上記課題を解決すべく呈味増強効果のある食品素材を探索した結果、茶を水及び/又は水溶性有機溶媒で抽出して得られた抽出物中に、飲食品の自然な旨味、こく味を付与・増強する成分が存在することを見出した。さらに、この成分にはそれ自身は強い旨味やこく味を有していないにもかかわらず、飲食品に添加すると飲食品の自然な旨味やこく味を増強する性質を有していることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は茶の溶媒抽出物を含有する呈味増強剤であり、特に茶に含まれる飲食品の旨味やこく味を付与・増強する成分を含有することを特徴とする。
本発明の呈味増強剤は、飲食品の呈味を損なうことなく飲食品の自然な旨味やこく味を付与・増強することができる。
本発明に使用する茶とは、ツバキ科茶の樹(Camellia sinensis
var.) の芽、葉、茎であり、品種、産地を問わず使用することができ、また、生であっても、飲料用として前処理を施したものであってもよい。茶の前処理方法としては不発酵、半発酵、後発酵があるが、いずれの処理方法によるものでもよい。不発酵茶としては緑茶(煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、抹茶、ほうじ茶、釜炒り茶、てん茶等)、半発酵茶としてはウーロン茶、包種茶等、発酵茶としては紅茶、プーアール茶が挙げられる。
本発明の呈味増強剤は、茶を水及び/又は水溶性溶媒により抽出して調製される。水溶性溶媒としてはメタノール、エタノール、2‐プロパノール、アセトン等の溶媒が例示され、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができ、必要に応じて水溶液の形で使用される。抽出に用いる溶媒は人体への安全性と取扱性の観点から水またはエタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族アルコールが望ましく、特に水またはエタノールまたはこれらの混合物が最も望ましい。抽出に用いる溶媒の量は任意に選択できるが、一般には茶1重量部に対し10〜200重量部が用いられ、好ましくは15〜25重量部が用いられる。抽出の温度及び時間は任意に定めることができ、特に限定されるものではないが、10〜100℃にて1分〜2時間、好ましくは5分〜1時間が適当である。
得られた抽出液には飲食品の旨味、こく味を付与、増強する成分が含まれており、不溶物を除去した後、濃縮してそのまま呈味増強剤として使用できるが、さらに抽出液を合成吸着剤で精製処理を行うことにより、茶に由来する不要な香味成分が除去された抽出物を得ることができる。本発明で使用される合成吸着剤としては、その母体がスチレン系、例えばアンバーライト(登録商標)XAD−16(オルガノ株式会社製)、スチレン-ジビニルベンゼン系、例えばダイヤイオン(登録商標)HP−20(三菱化学株式会社製)、アクリル系、例えばダイヤイオンWK−10(三菱化学株式会社製)、メタクリル系、例えばダイヤイオンHP−2MG(三菱化学株式会社製)、アクリル酸エステル系、例えばアンバーライトXAD−7(オルガノ株式会社製)、アミド系、例えばアンバーライトXAD−11(オルガノ株式会社製)、デキストラン系、例えばセファデックス(登録商標)G−25(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)、ポリビニル系、例えばダイヤイオンFP−II(三菱化学株式会社製)などが使用できる。また、本発明における合成吸着剤の処理方法は通常行われている方法で行えば良く、例えば、カラムに充填された合成吸着剤に茶類の抽出液を一定流量で送液する方法や、抽出釜に仕込んだ抽出液に合成吸着剤を投入し、一定時間撹拌後に合成吸着剤を分離する方法がある。その方法に格別の制約はなく、目的により選択することができる。
合成吸着剤による精製処理により茶に由来する不要な香味成分が除去された抽出液はそのまま呈味増強剤として使用できるが、さらに濃縮乾固した後、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等の高極性溶媒に溶解し、オクタデシルシリカ(ODS)カラムを使用した高速液体クロマトグラフイーなどにより、旨味、こく味増強効果を有する画分を分画精製して得ることができる。高速液体クロマトグラフィーによる分画精製の条件は特に制限はないが、オクタデシルシリカカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによる分画が好ましく、下記の条件による場合には、飲食品の旨味、こく味を増強する成分を含む画分が保持時間25分から50分の間の範囲で得られ、この画分を分取して呈味増強剤として使用することもできる。

カラム:オクタデシルシリカカラム(ODS-80Ts 20mm×250mm)
溶離液:水:メタノール=10:0→0:10(140min;リニアグラジエント)
流 速:4.0ml/min.
検出器:UV 220nm
カラム温度:25℃
本発明の呈味増強剤は、抽出液をそのまま使用することもできるが、抽出液を減圧蒸留濃縮、凍結濃縮或いは膜濃縮などの手段により濃縮物として、又は凍結乾燥等により粉末化して使用することもできる。さらに、抽出物を下記のように製剤化して使用することもできる。
一般的には水、アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチルシトレート等の(混合)溶剤に適当な濃度で溶解させて(具体的には、水/エタノール、水/エタノール/グリセリン、水/グリセリン等の混合溶剤)液剤とし、またはこれにデキストリン、シュークロース、ペクチン、キチン等を加えることもできる。さらにこれらを濃縮してペースト状の抽出エキスとすることもでき、また、各種成分の溶液に賦形剤(デキストリン等)を添加し噴霧乾燥によりパウダー状にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
本発明の呈味増強剤は飲食品の加工段階で適宜添加することができる。添加量は、呈味増強剤の精製の程度により多少異なるが、一般的には飲食品に対して0.001〜10%の添加量(抽出物の固形成分として)が適当である。飲食品の本来の香味に影響を及ぼさない範囲内で添加する観点からは0.005〜5%が好ましく、特に0.01〜1%が好ましい。
本発明の呈味増強剤は各種飲食品に特に制限なく使用することができる。例えば、果実類またはその加工品、野菜またはその加工品、魚介類またはその加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料およびコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などの素汁および和風調味料、または、西洋料理のスープストック、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁および洋風調味料、または、中華料理のタン(湯)、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁および中華調味料などがあげられる。また、呈味増強剤は、適宜、香味成分あるいは色素を調合し香味および色調を増強することもできる。調合に使用される香味成分あるいは色素には特に制限はなく、公知の香味成分あるいは色素が目的に応じて適宜配合して用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
〔実施例1〕
煎茶75gを5L容の釜に仕込み、80℃の熱水を1.5kg投入し5分間抽出後、330メッシュの篩いにてろ過し茶浸出液を得た。得られた茶抽出液は直ちに20℃以下まで冷却後ろ紙を用いてろ過した。ろ過した茶浸出液分を凍結乾燥させ抽出物16.5gを得た(茶抽出物A)。
〔実施例2〕
煎茶75gを5L容の釜に仕込み、80℃の熱水を1.5kg投入し5分間抽出後、330メッシュの篩いにてろ過し茶浸出液を得た。得られた茶抽出液は直ちに20℃以下まで冷却後ろ紙を用いてろ過した。500mL容のカラムに充填したアンバーライトXAD−2(オルガノ株式会社製)の上端より茶抽出液を通液し下端より溶出する液を凍結乾燥させ抽出物12.5gを得た(茶抽出物B)。
〔実施例3〕
ウーロン茶75gを5L容の釜に仕込み、80℃の熱水を1.5kg投入し5分間抽出後、330メッシュの篩いにてろ過し茶浸出液を得た。得られた茶抽出液は直ちに20℃以下まで冷却後ろ紙を用いてろ過した。ろ過した茶抽出液分を凍結乾燥させ抽出物15.0gを得た(茶抽出物C)。
〔実施例4〕
ウーロン茶75gを5L容の釜に仕込み、80℃の熱水を1.5kg投入し5分間抽出後、330メッシュの篩いにてろ過し茶浸出液を得た。得られた茶抽出液は直ちに20℃以下まで冷却後ろ紙を用いてろ過した。500mL容のカラムに充填したアンバーライトXAD−2の上端より茶抽出液を通液し下端より溶出する液を凍結乾燥させ抽出物9.8gを得た(茶抽出物D)。
〔実施例5〕
抹茶茶葉250gを5Lの熱湯にて抽出し、抽出液を冷却後ダイヤイオンHP−20(三菱化学株式会社製)にて処理することにより得た抽出液を濃縮し、オクタデシルシリカ(ODS)カラムを使用した高速液体クロマトグラフィーにより分画した。クロマトグラムを図1に示す。
高速液体クロマトグラフィー測定条件
カラム:オクタデシルシリカカラム(ODS-80Ts 20mm×250mm)
溶離液:水:メタノール=10:0→0:10(140min;リニアグラジエント)
流 速:4.0ml/min.
検出器:UV 220nm
カラム温度:25℃
保持時間10〜28分の画分を第1画分、28〜50分の画分を第2画分、それ以降の画分を第3画分として分画した。各画分の収量は20g、12g、5gであった。
〔試験例1〕
実施例5で得られた各画分及びその混合物と抹茶について、官能評価を行った。第1画分は2g、第2画分は1.2g、第3画分は0.5gをそれぞれ水500mLに溶解し、各画分の評価用試料とした。第1画分と第2画分の混合物は、第1画分2gと第2画分1.2gを水500mLに溶解したものを評価用試料とした。第2画分と第3画分の混合物は、第2画分1.2gと第3画分0.5gを水500mLに溶解したものを評価用試料とした。第1画分と第3画分の混合物は、第1画分2gと第3画分0.5gを水500mLに溶解したものを評価用試料とした。第1画分、第2画分、第3画分の混合物は、第1画分2gと第2画分1.2gと第3画分0.5gを水500mLに溶解したものを評価用試料とした。抹茶は25gを水500mLに溶かしたものを評価用試料とした。それぞれの試料について12名のパネルによる官能評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2005137286
官能評価の結果、第1〜第3画分のうち、旨味を有していたのは第1画分のみであった。しかしながら、第1画分のみでは抹茶の旨味には及ばなかった。一方、第2画分はそれ自体旨味を有していないが、第1画分と混合すると強い旨味を発現した。以上から、第2画分には旨味の強度を高める成分が含まれていることが明らかとなった。以下、この第2画分を茶抽出物Eとして、以下の試験例に使用した。
〔試験例2〕
実施例1〜5で得られた茶抽出物A〜Eをグルタミン酸ナトリウム溶液に添加し、官能評価を実施した。
グルタミン酸ナトリウム0.6g、茶抽出物0.6gに熱湯を加えて全量を600mLとした溶液を調製し、評価用試料とした。対照品として、グルタミン酸ナトリウム0.6gに熱湯を加えて全量を600mLとした溶液を調製し、2種類のグルタミン酸ナトリウム溶液について、旨味及びこく味の強さ、飲食品らしい呈味の複雑さを10名のパネルで評価した。評価基準は、対象品の呈味を2とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表1に示す。

表2 グルタミン酸ナトリウム溶液に対する茶抽出物の添加効果

旨味の強さ こく味の強さ 呈味の複雑さ
対象品 2.0 2.0 2.0
茶抽出物A 3.2 3.4 3.2
茶抽出物B 3.7 3.8 3.8
茶抽出物C 3.2 3.4 3.2
茶抽出物D 3.6 3.7 3.7
茶抽出物E 3.5 3.8 3.7

以上の結果から実施例1〜5で得られた茶抽出物A〜Eは、グルタミン酸ナトリウムの旨味、こく味を増強し、飲食品らしい複雑な味を付与する効果がみられた。
〔試験例3〕
実施例1、2及び5で得られた茶抽出物A、B及びEを市販コンソメスープに添加し、官能評価を実施した。
市販コンソメ粉末10g、茶抽出物0.6gに熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、評価用試料とした。対照品として、市販コンソメ粉末10gに熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、2種類のコンソメスープについて、旨味及びこく味の強さ、飲食品らしい呈味の複雑さを10名のパネルで評価した。評価基準は、対象品の呈味を2とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表3に示す。

表3 コンソメスープに対する茶抽出物の添加効果

旨味の強さ こく味の強さ 呈味の複雑さ
対象品 2.0 2.0 2.0
茶抽出物A 3.0 3.3 3.4
茶抽出物B 3.8 4.0 3.9
茶抽出物E 3.6 4.0 3.8

以上の結果から、実施例1、2及び5で得られた茶抽出物A、B及びEにはコンソメスープの旨味、こく味を増強し、呈味をコンソメスープらしいより複雑な好ましいものにする効果がみられた。
〔試験例4〕
実施例1及び2で得られた茶抽出物A及びBを市販コーヒー飲料に添加し、官能評価を実施した。
市販コーヒー飲料1000gに茶抽出物1.0gを添加し評価用試料とした。対照品として、茶抽出物無添加の市販コーヒー飲料を用い、2種類のコーヒー飲料について、旨味及びこく味の強さ、飲食品らしい呈味の複雑さを10名のパネルで評価した。評価基準は、対象品の呈味を2とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表4に示す。

表4 コーヒー飲料に対する茶抽出物の添加効果

旨味の強さ こく味の強さ 呈味の複雑さ
対象品 2.0 2.0 2.0
茶抽出物A 3.0 3.2 3.4
茶抽出物B 3.2 3.3 3.5

以上の結果から、実施例1及び2で得られた茶抽出物A及びBにはコーヒー飲料の旨味、こく味を増強し、呈味をコーヒーらしいより複雑な好ましいものにする効果がみられた。
〔試験例5〕
実施例1及び2で得られた茶抽出物A及びBを市販緑茶飲料に添加し、官能評価を実施した。
市販緑茶飲料1000gに茶抽出物1.0gを添加し、評価用試料とした。対照品として、茶抽出物無添加の市販緑茶飲料を用い、2種類の緑茶飲料について、旨味及びこく味の強さ、飲食品らしい呈味の複雑さを10名のパネルで評価した。評価基準は、対象品の呈味を2とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表5に示す。

表5 緑茶飲料に対する茶抽出物の添加効果

旨味の強さ こく味の強さ 呈味の複雑さ
対象品 2.0 2.0 2.0
茶抽出物A 3.6 3.8 3.8
茶抽出物B 3.8 4.0 4.1

以上の結果から、実施例1及び2で得られた茶抽出物A及びBには緑茶飲料の旨味、こく味を増強し、呈味を緑茶らしいより複雑な好ましいものにする効果がみられた。
〔実施例6〕
砂糖60重量部、水あめ40重量部、水35重量部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、コーヒーエキス5重量部、カラメル0.3重量部、実施例2の茶抽出物Bを0.1重量部添加し、混合、成型し、コーヒーハードキャンディーを調製したところ、こく味が増強されコーヒーが持つ広がりのある自然な甘味を持ったコーヒーハードキャンディーが得られた。
〔実施例7〕
水に果糖ブドウ糖液糖10重量部を撹拌しながら、砂糖5重量部、ゲル化剤1重量部を加え、85℃まで加温し、オレンジ濃縮果汁3重量部を添加し撹拌溶解する。さらに、実施例2の茶抽出物Bを0.1重量部添加し、全量を100重量部に補正後、85℃、20分間殺菌してオレンジゼリーを調製したところ、オレンジが持つ呈味が強まったのみならず、後味の苦味が低減されすっきりとした甘味を持ったオレンジゼリーが得られた。
〔実施例8〕
全脂加糖練乳15重量部、果糖ぶどう糖液糖3重量部を蒸留水に溶解し、予め蒸留水に分散させていた全脂粉乳2重量部、脱脂粉乳1重量部を加え加熱し40℃付近になったら、上白糖3.5重量部、安定剤0.7重量部、乳化剤0.02重量部を加え80℃まで加温した。コーンスターチ0.3重量部を加えた後、殺菌した(80℃、15分間)。お湯で100重量部に重量調製し、クリアミックスにて乳化した。実施例2の茶抽出物Bを0.1重量部加え撹拌した後、ガラス容器にて冷却してミルクプリンを調製したところ、ミルクの持つ自然な甘味が増強されるとともに旨味が付与されたミルクプリンが得られた。
本発明の呈味増強剤は飲食品に添加することにより、飲食品の旨味、こく味を増強するとともに、飲食品の呈味をより複雑な、好ましいものに変える効果があり、各種飲食品に幅広く利用できる。
実施例5の抹茶抽出物の高速液体クロマトグラムである。

Claims (6)

  1. 茶の溶媒抽出物を含有することを特徴とする呈味増強剤。
  2. 茶の溶媒抽出物が、茶葉を水、水溶性有機溶媒又はこれらの混合物で抽出して得られるものである請求項1記載の呈味増強剤。
  3. 茶の溶媒抽出物が、茶葉を水、水溶性有機溶媒又はこれらの混合物で抽出した後、合成吸着剤処理により得られるものである請求項1又は2記載の呈味増強剤。
  4. 茶の溶媒抽出物が、抽出物を高極性溶媒に溶解し、オクタデシルシリカカラム(ODS−80Ts 20mm×250mm)を用いた高速液体クロマトグラフィー(溶離液;水:メタノール=10:0→0:10 リニアグラジエント、流速4.0ml/min、カラム温度25℃、紫外線吸収220nmにより検出)に供したときに保持時間25分から50分の間の範囲で得られることにより特徴づけられる画分からなるものである請求項1乃至3のいずれかの項に記載の呈味増強剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの項に記載の呈味増強剤を飲食品に添加することにより、該飲食品の旨味及び/又はこく味を付与・増強することを特徴とする飲食品の呈味増強方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかの項に記載の呈味増強剤を添加することにより、旨味及び/又はこく味が付与・増強された飲食品。
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