JP2005136147A - コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁基体と誘電体層との熱膨張係数差により生じる熱応力の集中を緩和し高容量のコンデンサが内蔵されるコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板とすること。
【解決手段】 コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板は、ガラスセラミックス焼結体からなる熱膨張係数αの絶縁基体内部に、誘電体層12と電極層13とからなるコンデンサ部を形成して成り、誘電体層12は、熱膨張係数がα、弾性率がE、材料強度がS、焼結温度がTの強誘電体材料から成る第1誘電体層12aと、第1誘電体層12aを縦に複数に分割して形成された、軟化温度が500℃以下の非結晶ガラスを30質量%以上含む熱膨張係数がαの誘電体材料からなる第2誘電体層12bとから成り、第1誘電体層12aは、第2誘電体層12bによって分割された部位の最大長さLが、L<S/(α―α3)・E・Tかつα―α<1.0×10−6/℃の関係を満たす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラスセラミックス焼結体から成る絶縁層の内部にコンデンサを内蔵したコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板に関するものである。
従来、携帯電子機器や携帯用情報端末等の分野では、半導体素子を実装した多層配線基板とともに、受動部品として抵抗体,コンデンサ,インダクタ等をプリント回路基板等の基板上に実装したモジュール基板が用いられてきた。
しかし、近年、このような携帯電子機器や携帯用情報端末等に用いられる部品の小型化,複合化,高性能化が強く求められており、半導体素子を実装する多層配線基板の内部に受動部品に相当する機能を有する電子回路素子を内蔵させて、半導体素子と受動部品とを高密度で実装した部品の集積化が進んでいる。これらの受動部品を多層配線基板の内部に取り込むことは、多層配線基板の表面にこれら受動部品の実装スペースを確保する必要をなくし、また設計の自由度も増すため、多層配線基板の小型化に寄与できる。
例えば、コンデンサを内蔵したコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板(以下、コンデンサ内蔵基板ともいう)を形成する場合、絶縁層を形成するためのガラスセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に誘電体ペーストを部分的に塗布して誘電体層を形成し、その後、所望の導体パターンを形成したグリーンシートと誘電体層を形成したグリーンシートとを積層して、グリーンシートと同時に焼成することで形成することできる。
このようにして形成されたコンデンサ内蔵基板の構造は、図1に示すように絶縁層1の層間に配設されたコンデンサ部2を備えており、コンデンサ部2はCuやAg粉末等の焼結体からなる電極層3とチタン酸バリウム粉末等の誘電体粉末の焼結体からなる誘電体層4とから形成されている。
上田達也,「低温焼成多層基板、内蔵コンデンサ用高誘電率材料とその応用」ファインセラミックスレポート(Fine Ceramic report),社団法人日本ファインセラミックス協会,1996年,第14巻,第8号,p.220〜222 亀原伸男、丹羽紘一,「CR複合基板」,ニューセラミックス,1995年,第1号,p.39〜44
しかし、ガラスセラミックス焼結体からなる絶縁基体とチタン酸バリウム等の強誘電体材料を主成分とする誘電体層は互いに熱膨張係数が異なるため、電極面積の大きい高容量のコンデンサ形成した場合、絶縁基体と誘電体層間に熱応力が発生して、同時焼成後のコンデンサ内蔵基板にクラックが発生して高容量のコンデンサが形成できないという問題点があった。
また、絶縁基体と誘電体層との熱膨張係数差を小さくするために、誘電体層にガラス等の添加物を添加して絶縁基体と誘電体層の熱膨張係数の差を1×10−6/℃程度に抑えた場合、コンデンサ内蔵基板にクラックが発生することは無くなるが、誘電体層を形成する誘電体材料の比誘電率が急激に低下するために、高容量のコンデンサが形成できないという問題点があった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、高容量のコンデンサが内蔵できるコンデンサ内蔵基板を提供することにある。
本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板は、ガラスおよびフィラーを含有するガラスセラミックス焼結体からなる熱膨張係数がαの絶縁基体の内部に、誘電体層と電極層とからなるコンデンサ部を形成したコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板であって、前記誘電体層は、熱膨張係数がα、弾性率がE、材料強度がS、焼結温度がTの強誘電体材料から成る第1誘電体層と、該第1誘電体層を縦に複数に分割するように形成された、軟化温度が500℃以下の非結晶ガラスを30質量%以上含む熱膨張係数がαの誘電体材料からなる第2誘電体層とから成り、前記第1誘電体層は、前記第2誘電体層によって分割された部位の最大長さLが、L<S/(α―α3)・E・Tかつα―α<1.0×10−6/℃の関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板は、上記構成において好ましくは、前記第1誘電体層を成す強誘電体材料がチタン酸バリウムを90質量%以上含む比誘電率1000以上の強誘電体材料から成ることを特徴とするものである。
本発明のコンデンサ内蔵基板は、第1誘電体層は、第2誘電体層によって分割された部位の最大長さLが、L<S/(α―α3)・E・Tかつα―α<1.0×10−6/℃の関係を満たすことから、第1誘電体層と絶縁基体との間の熱膨張係数の差によって発生する第1誘電体層の熱応力σは、σ=(α―α3)・E・T・Lであり、熱応力σはコンデンサ内蔵基板中で最も材料強度の低い第1誘電体層を形成する強誘電体材料の材料強度Sを超えることはない。さらに、第2誘電体層は軟化温度が500℃以下の非結晶ガラスを30質量%以上含む誘電体材料から成ることから、焼成温度Tからガラスの軟化温度まで第2誘電体層の弾性率を低く保つことができる。従って、第1誘電体層と第2誘電体層との間、および第1誘電体層と絶縁基体との間に発生する熱応力を緩和することができる。従って、同時焼成後の冷却中に第1誘電体層が熱応力により破壊されるのを防ぐことができる。また、第2誘電体層の熱膨張係数αと絶縁基体の熱膨張係数αの熱膨張係数の差は1.0×10−6/℃より小さいため、第2誘電体層と絶縁基体との間に発生する熱応力を十分小さいものとすることができる。
本発明のコンデンサ内蔵基板において、好ましくは、第1誘電体層を成す強誘電体材料がチタン酸バリウムを90質量%以上含む比誘電率1000以上の強誘電体材料から成ることことから、第1誘電体層の比誘電率を大きくすることができる。従って、本発明のコンデンサ内蔵基板は、クラックの発生のない高容量のコンデンサを内蔵したものとなる。
本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明のコンデンサ内蔵基板の実施の形態の一例を示す断面図である。本発明のコンデンサ内蔵基板10は、複数の絶縁層11と、絶縁層11の層間に形成された誘電体層12と、その上下に配設されたメタライズ導体から成る一対の対向電極としての電極層13からなるコンデンサ部14と、配線導体16と電極層13との電気的な接続および電極層13同士の電気的な接続を行なう貫通導体15と、コンデンサ内蔵基板10の主面等に形成された配線導体16からなる。
図3は本発明のコンデンサ内蔵基板のコンデンサ部14を拡大した断面図である。誘電体層12は、第1誘電体層12aと、第1誘電体層12aを縦に複数に分割するように形成された第2誘電体層12bとからなる。
本発明における絶縁層11は、ガラス成分とセラミック粉末(セラミックフィラー)との焼結体から成る。このガラス成分としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、セラミック粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
この絶縁層11の焼成前の生シートであるグリーンシートは、ガラス粉末およびセラミック粉末と、有機バインダ,有機溶剤,可塑剤等とを添加混合してスラリーとし、そのスラリーを用いてドクターブレード法やカレンダロール法を採用することによって成形する。
このガラス粉末およびセラミック粉末に添加混合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
グリーンシートを成形するためのスラリーに用いられる有機溶剤としては、その有機溶剤とガラス粉末とセラミック粉末と有機バインダとを混練してグリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等から成るものが挙げられる。
以上のようにして作製したグリーンシートに、必要に応じて金型加工やレーザ加工,マイクロドリルやパンチング等の機械的加工により貫通孔を形成する。この貫通孔にAg,Cu,Ag−Pt,Ag−Pd等の金属粉末とガラス粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した貫通導体用ペーストをスクリーン印刷等により充填して、貫通導体15を形成する。
また、これらのグリーンシートの表面に、Ag,Cu,Ag−Pt,Ag−Pd等の金属粉末とガラス粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した配線導体用ペーストをスクリーン印刷等により塗布し、配線導体16を形成してもよい。
本発明におけるコンデンサ部14は、誘電体層12とその上下に配設された一対のメタライズ層からなる電極層13とから形成される。また、複数のコンデンサ部14をコンデンサ内蔵基板10の内部に形成するときには、コンデンサ内蔵基板10の厚み方向の中心に位置しコンデンサ内蔵基板10の主面に平行な面に対して対称に配設することが好ましい。この場合、誘電体層12と絶縁層11との収縮差による焼成後のそりや変形を緩和させて、平坦なコンデンサ内蔵基板10とすることができる。
本発明におけるコンデンサ部14は、図3に示すように、誘電体層12とその上下に形成される一対の電極層13から形成される。
下部電極層13aはグリーンシートにAg,Cu,Ag−Pt,Ag−Pd等の金属粉とガラス粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した電極用ペーストを、スクリーン印刷法等によって塗布して形成することができる。ここで、下部電極層13aに含まれるガラス添加量は10質量%以下とするのがよい。これにより、下部電極層13aを緻密な金属焼結体(メタライズ層)とすることができる。その結果、誘電体層12と絶縁層11との間の相互拡散をより有効に抑えることができ、コンデンサ内蔵基板10の内部に形成したコンデンサ部14の容量低下や容量値のバラツキを低減することができる。
誘電体層12は第1誘電体層12aおよび第2誘電体層12bから形成される。第1誘電体層12aは、平面視における第2誘電体層12bによって分割された部位の最大長さLが、L<S/(α―α3)・E・Tかつα―α<1.0×10−6/℃を満たす。ここで、S,E1,,α,はそれぞれ第1誘電体層12aを形成する強誘電体材料の材料強度、弾性率、焼結温度、熱膨張係数であり、α,αは第2誘電体層の熱膨張係数、絶縁基体の熱膨張係数である。第1誘電体層12aと絶縁基体間の熱膨張係数の差によって発生する第1誘電体層12aの概算の熱応力σはσ=(α―α3)・E・T・Lであり、熱応力σはコンデンサ内蔵基板10中で最も材料強度の低い第1誘電体層12aを形成する強誘電体材料の材料強度Sより小さい値となっている。
また、第1誘電体層12aは、チタン酸バリウム粉末とB,SiO,CaO,BaO,ZnO等を含む非結晶ガラス粉末および酸化銅粉末に適当な有機バインダ、溶剤を添加混合した第1誘電体層用ペーストをスクリーン印刷法等によって塗布して形成することができる。この第1誘電体層ペーストに含まれる非結晶ガラスおよび酸化銅粉末の含有量の和は20質量%を超えないものとするのがよい。これにより、第1誘電体層12aを形成する強誘電体材料の比誘電率が1000以上のものとなるため、絶縁基体内部に配設したコンデンサ部14の容量を高容量のものとすることができる。
第2誘電体層12bは、チタン酸バリウム粉末等の誘電体粉末とB,SiO,CaO,BaO,ZnO等を含む軟化温度が500℃以下の非結晶ガラス粉末に適当な有機バインダ、溶剤を添加混合した第2誘電体層用ペーストをスクリーン印刷法等によって塗布して形成することができる。この第2誘電体層ペーストに含まれる非結晶ガラスの含有量は30質量%以上とする必要がある。第2誘電体層12bは、軟化温度が500℃以下の非結晶ガラスを30質量%以上含んでいることから、第2誘電体層12bは第1誘電体層12aの焼結温度Tからガラスの軟化温度の間に、第1誘電体層12aと第2誘電体層12bとの間および第1誘電体層12aと絶縁基体との間に発生する熱応力を緩和することができる。従って、同時焼成後の冷却中に第1誘電体層12aが熱応力により破壊されることを防ぐことができる。
上部電極層13bは誘電体層12にAg,Cu,Ag−Pt,Ag−Pd等の金属粉末とガラス粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した電極用ペーストを、スクリーン印刷法等によって塗布して形成することができる。この電極用ペーストとしては、下部電極層13aに用いた電極用ペーストを用いることができる。
さらに、配線導体16を形成したグリーンシートと誘電体層12,電極層13を形成したグリーンシートとを3〜20MPaの圧力と50〜80℃の温度で加熱圧着して積層体を作製する
その後、例えば電極層13、貫通導体14、配線導体16の金属粉末がAg粉末である場合は、大気中において900〜1000℃の温度で、電極層13、貫通導体14、配線導体16の金属粉末がCu粉末である場合は窒素雰囲気下において積層体を焼成することにより、本発明のコンデンサ内蔵配線基板10が得られる。
さらに、コンデンサ内蔵基板10の表面に位置する配線導体16には、その表面に電子部品を実装する際の半田濡れ性の向上や配線導体16の腐食防止のために、ニッケル,銅,金等のめっきを施してもよい。
以上のようにコンデンサ部14を構成することにより高容量のコンデンサを内蔵したコンデンサ内蔵基板10を得ることができる。
本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板の実施例を以下に説明する。
絶縁体層となるグリーンシートを得るために、ガラスとしてSiO−CaO−MgO系ガラス粉末50質量%と、誘電体粉末としてAl粉末50質量%とを混合し、この無機粉末100質量部に対して有機バインダとしてアクリル系樹脂12質量部、フタル酸系可塑剤6質量部および溶剤としてトルエン30質量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。
このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ200μmのグリーンシートを成形した。このグリーンシートを5MPaの圧力と50℃の温度で真空加熱圧着して積層体を作製した。次に、この積層体を500℃で3時間の有機バインダの燃焼工程と900℃で1時間のセラミックスの焼結工程からなる焼成条件下で焼成し、緻密なガラスセラミックス焼結体を得た。このガラスセラミックス焼結体の熱膨張係数を測定したところ、8.5×10−6/℃という値であった。
このグリーンシートにパンチングマシーンを用いて所定の位置に貫通孔を形成し、この貫通孔にスクリーン印刷法で貫通導体用ペーストを充填した。この貫通導体用ペーストとしては、Ag粉末(平均粒径3μm)100質量部に対してガラス粉末10質量部を加え、さらに有機バインダ成分として所定量のアクリル系樹脂およびテルピネオールを加えて、攪拌脱泡機により十分に混合したものを用いた。
このグリーンシートに電極層用ペーストをスクリーン印刷法で塗布し、70℃で30分乾燥して下部電極層パターンを形成した。また、パターンの形状は3.5mm角の四角形状のパターンとした。この電極層用ペーストはAg粉末とガラス粉末との混合物とからなり、Ag粉末の98質量%とガラス粉末の2質量%との混合物100質量部に対して、アクリル樹脂12質量部と有機溶剤としてのα−テルピネオール5質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合してものを用いた。
次に、誘電体ペーストを表1に示す誘電体組成物の組成比となるよう調合し誘電体ペーストを作製した。この誘電体組成物は、チタン酸バリウム粉末に対し表1に示す比率でガラス焼結助剤および酸化銅粉末を調合したものを用いた。誘電体組成物1〜3のガラス焼結助剤は、B,SiO,CaO,BaO,ZnOを含む軟化温度が480℃の非結晶ガラス粉末であり、誘電体組成物4のガラス焼結助剤は、LiO,B,SiO,CaO,BaOを含む軟化温度が450℃の結晶化ガラス粉末である。
また、誘電体ペーストは、誘電体組成物の粉体100質量部に対し、アクリル樹脂12質量部およびα−テルピネオールを5質量部加え、攪拌脱泡機により十分に混合した後3本ロールで十分に混練することで作製した。また、上記誘電体組成物を十分に混合しワックス等を添加した誘電体組成物のバルク体を900℃で1時間焼成した誘電体焼結体の弾性率、破壊強度、誘電率、熱膨張係数を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
Figure 2005136147
この誘電体ペーストを図4(a)〜(c)に示すようなパターンに塗布し、第1誘電体層パターン101(サンプル形状A)、第2誘電体層パターン102(サンプル形状B)を形成した。ここで、各試料は表2に示す誘電体組成物の誘電体ペーストを用いて形成した。
次に、第1誘電体層パターン101、第2誘電体層パターン102上に電極層用ペーストをスクリーン印刷にて塗布し、70℃で30分乾燥して上部電極層パターンを形成しコンデンサ部を形成した。ここで、上部電極層パターンは下部電極層パターンで用いた同一の電極用ペーストにより形成した。
さらに、グリーンシート表面に導体層用ペーストをスクリーン印刷にて塗布し、70℃で30分乾燥して導体層を形成した。この導体層用ペーストとしては、Ag粉末90質量部に対してガラス粉末10質量部を加え、さらに有機バインダ成分として所定量のアクリル系樹脂およびテルピネオールを加えて、攪拌脱泡機により十分に混合したものを用いた。
次に、これらグリーンシートの積層体を5MPaの圧力と50℃の温度で真空加熱圧着して積層体を作製した。そして、この積層体を、500℃で3時間の有機バインダの燃焼行程と900℃で1時間のセラミックスの焼結工程かなる焼成条件下で焼成し、緻密なガラスセラミックス焼結体から成る絶縁体層の内部に同時焼成により形成された誘電体層を配設して成るコンデンサ内蔵基板を得た。
得られたコンデンサ内蔵基板のコンデンサ部の容量、絶縁抵抗を測定した結果を表2に示す。表2において、容量については5nF以上であるものを○、5nF未満のものを×、また絶縁抵抗値は1010Ω以上のものを○、1010Ω未満のものを×とした。
Figure 2005136147
表2より、試料1,3は、絶縁体層内部に形成したコンデンサ部の容量を測定した結果、コンデンサ部がショートして容量の絶縁抵抗が数Ω〜数kΩとなっており、絶縁抵抗値が1010Ω以下となった。これは、コンデンサ部を形成する誘電体層が、絶縁層と誘電体層との熱膨張係数の差により発生する熱応力により破壊されて、誘電体層の絶縁性が確保できなかったためと考えられる。
試料2,6も同様にコンデンサ部の絶縁抵抗値が1010Ω以下となった。これは、第2誘電体層に添加される非結晶ガラス量が少ないか、あるいは結晶化ガラスを用いたため、第1誘電体層と第2誘電体層との間に発生する熱応力が十分緩和されず、第1誘電体層が破壊されて第1誘電体層の絶縁抵抗値が低下したためと考えられる。
また、試料2,5については、絶縁抵抗が目標値の1010Ωとなった。また、試料2については、チタン酸バリウムを90重量%以上含む比誘電率1100の強誘電体材料からなるため、コンデンサ部の容量を5nF以上とすることができた。
従って、本発明のコンデンサ内蔵基板は良好な結果を示すことが確認された。
また、本発明の実施例では平面視形状が正方形のコンデンサ部を用いたが、コンデンサ部の形状は正方形にか限らない。例えば、コンデンサ部の形状は円形状等でもよく、その他の種々の形状とし得る。
従来のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板の一例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板のコンデンサ部について実施の形態の一例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板のコンデンサ部を構成する誘電体層を示す平面図である。
符号の説明
10・・・コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板
11・・・絶縁層
12・・・誘電体層
13・・・電極層
14・・・コンデンサ部
15・・・貫通導体
16・・・配線導体
12a・・・第1誘電体層
12b・・・第2誘電体層
13a・・・下部電極層
13b・・・上部電極層
101・・・第1誘電体層
102・・・第2誘電体層

Claims (2)

  1. ガラスおよびフィラーを含有するガラスセラミックス焼結体からなる熱膨張係数がαの絶縁基体の内部に、誘電体層と電極層とからなるコンデンサ部を形成したコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板であって、前記誘電体層は、熱膨張係数がα、弾性率がE、材料強度がS、焼結温度がTの強誘電体材料から成る第1誘電体層と、該第1誘電体層を縦に複数に分割するように形成された、軟化温度が500℃以下の非結晶ガラスを30質量%以上含む熱膨張係数がαの誘電体材料からなる第2誘電体層とから成り、前記第1誘電体層は、前記第2誘電体層によって分割された部位の最大長さLが、L<S/(α―α3)・E・Tかつα―α<1.0×10−6/℃の関係を満たすことを特徴とするコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
  2. 前記第1誘電体層を成す強誘電体材料がチタン酸バリウムを90質量%以上含む比誘電率1000以上の強誘電体材料から成ることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
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