JP2005135753A - ヘッドランプ - Google Patents

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英治 鈴木
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Abstract

【課題】モータウェイ用の配光への切り替えを確実ならしめるヘッドランプを提供すること。
【解決手段】バネ部材7のバネ力とストッパ部18のストッパ作用によりシェード5はロービーム姿勢となる。この発明では、当該ロービーム姿勢のときにストッパ部18の上側に載設されたサブストッパ34を押し下げることにより、当該サブストッパ34の球状突起35がプランジャー14頭部またはばね材7を押し下げることになり、シェード5をミッドレンジビーム姿勢に保つ。当該サブストッパ34の押し下げには第2ソレノイド33を用いる。また、サブストッパ34はそれ自体がバネ性を有するので第2ソレノイド33の通電を切れば、ストッパ部18から当該サブストッパ34が跳ね上がる。その結果、シェード5はロービーム姿勢に戻る。
【選択図】 図11

Description

本発明は、配光パターンを切り替えるヘッドランプに関し、更に詳しくは、配光パターンの切り替え機構を工夫して確実に3つの配光パターンを切り替えることができるヘッドランプに関する。
まず、従来のヘッドランプの構成について説明する。従来のヘッドランプは、一般に、1個の光源と、前記1個の光源からの光を反射させるリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を前方に照射する集光レンズと、前記集光レンズからの照射光をロービームとハイビームとに切り替えるシェードと、前記シェードをロービーム姿勢とハイビーム姿勢とに切り替えるソレノイドと、前記ソレノイドと前記シェードとの間に設けた駆動力伝達手段と、を備えるものである
つぎに、従来のヘッドランプの作用について説明する。光源を点灯すると、光源からの光がリフレクタで反射される。その反射光は集光レンズを経て前方に照射される。ソレノイドを作動させて駆動力伝達手段を介してシェードを、ロービーム姿勢またはハイビーム姿勢に切り替えると、照射光がロービームまたはハイビームとに切り替わる。この結果、ロービームにより所定のすれ違い用の配光パターン、または、ハイビームにより所定の走行用の配光パターンがそれぞれ切り替わって得られる。
ところが、従来のヘッドランプにおいては、製作コスト、および、ロービームとハイビームとの正確な切り替えなどについて、課題がある。そこで、この出願人は、製作コストが安価であり、また、ロービームとハイビームとを正確に切り替えることができるヘッドランプを先に出願した(たとえば、特許文献1)。
特開2003−59311号公報
この発明は、上記出願にかかるヘッドランプの改良にかかり、その目的とするところは、配光パターン切り替え機構に工夫を加えることにより、ロービーム、ハイビームのスムーズな切り替えはそのままに、両ビームの中間位置での配光である所謂モータウェイ用の配光への切り替えを確実ならしめるヘッドランプを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1に係るヘッドランプは、少なくとも1個の光源と、所定のすれ違い用の配光パターンが得られるロービームと、所定の走行用の配光パターンが得られるハイビームとに、切り替えるシェードと、前記シェードを、前記ロービームが得られるロービーム姿勢から前記ハイビームが得られるハイビーム姿勢に切り替える第1ソレノイドと、前記第1ソレノイドが無通電のときに、前記ハイビーム姿勢から前記ロービーム姿勢となる方向に前記シェードを付勢するバネ部材と、前記シェードが前記ハイビーム姿勢から前記ロービーム姿勢に切り替わったときに、前記バネ部材が当接するストッパ部と、を有し、リフレクタに反射した前記光源からの光が筐体内で所望の配光に切り替えられるヘッドランプにおいて、前記ストッパ部の傍らに付設される第2ソレノイドと、前記ストッパ部に当接している前記バネ部材と連結された前記第1ソレノイドの頭部を、前記第2ソレノイドの力によって前記ロービーム姿勢と前記ハイビーム姿勢との間の位置に押し下げると共に、前記第2ソレノイドが動作しないときには前記頭部を押し下げる方向に対して反対の方向に付勢されるサブストッパと、を有するようにしたものである。
第2ソレノイドは、前記ストッパ部の傍らに付設されることによって、サブストッパを押し下げることができる。当該押し下げ動作は、直接サブストッパと第2ソレノイドのプランジャーを結びつけて行ってもよいし、当該プランジャーの先端にサブストッパを引っかけて押し下げる治具を備えるようにしてもよい。サブストッパは、それ自身がバネ性を有するか、又は別個のバネによって付勢されることにより、第2ソレノイドへの通電によってバネ部材と連結された第1ソレノイドの頭部を押し下げたり、戻したりすることができる。第1ソレノイドの頭部が押し下げられるとバネ部材が縮む。そうすると、当該バネ部材が付勢していたシェードがロービーム姿勢とハイビーム姿勢との間の姿勢、たとえばモータウェイ用の配光であるミッドレンジビーム姿勢となる。
また、請求項2に係るヘッドランプは、前記ヘッドランプにおいて、前記サブストッパは、自身がバネとなっているようにしたものである。
バネ鋼等を材料とし、前記サブストッパがそれ自身バネ性を有していると、当該サブストッパの端部を固定することによって他端を跳ね上げた状態にすることができる。本発明はサブストッパにこの性質を利用する。つまり、第2ソレノイドのプランジャーでサブストッパのバネ性に対抗し、押し下げたときにはミッドレンジビーム姿勢、第2ソレノイドの通電を切ってサブストッパが跳ね上げたときにはロービーム姿勢となる。
また、請求項3に係るヘッドランプは、前記ヘッドランプにおいて、前記サブストッパが、前記バネ部材と連結された前記第1ソレノイドの頭部を押し下げる部分に球状突起を有しているようにしたものである。
たとえば、サブストッパがカンチレバータイプとして設けられると、サブストッパ自身の動作方向と、当該サブストッパが直接押し下げることになる第1ソレノイドの頭部の移動方向(押し下げられる方向)とは微視的にみれば一致しない。しかし、前記サブストッパが当該頭部を押し下げる部分に球状突起を有していれば、サブストッパ自身の動作方向が当該頭部の移動方向と微視的に一致していなくても問題なく、球状突起が双方の方向の違いを吸収するように作用する。この結果、サブストッパは、スムーズに第1ソレノイドの頭部を押し下げることができるようになる。
本発明にかかるヘッドランプは、従来構造を多く継承しつつ、新たな構造を付加する形で実現できるので、シェード可動構造のスムーズさを損なうことなくロービーム、ハイビーム、およびモータウェイ用のミッドレンジビーム配光の切り替えを確実ならしめることができる。
以下に、本発明にかかるヘッドランプの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図3において、1はプロジェクタタイプのヘッドランプである。このヘッドランプ1には、光源としての放電灯2と、リフレクタ3と、集光レンズ4と、シェード5と、切り替え手段としての第1ソレノイド6、バネ部材7、第2ソレノイド33およびサブストッパ34とを備える。
前記放電灯2は、いわゆる、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)などである。前記放電灯2は、前記リフレクタ3にソケット機構8を介して着脱可能に取り付けられている。前記放電灯2の発光部分は、前記リフレクタ3の第1焦点F1近傍に位置する。
前記リフレクタ3の内凹面は、アルミ蒸着もしくは銀塗装などにより、たとえば、図2の垂直断面が楕円面をなし、かつ、図3の水平断面が放物面ないし変形放物面をなす反射面からなる。このために、前記リフレクタ3の反射面は、第1焦点F1と、第2焦点(水平断面上の焦線)F2とを有する。前記リフレクタ3は、ホルダ(フレーム)9に固定保持されている。
前記集光レンズ4は、図示されていないが、前記リフレクタ3の第2焦点F2近傍に、かつ、第2焦点F2よりも前方側(放電灯2に対して集光レンズ4側)に、物空間側の焦点面(メリジオナル像面)を有する。前記集光レンズ4は、ホルダ9に固定保持されている。ヘッドランプ1の筐体は、このホルダ9と前記リフレクタ3の部材である。
前記シェード5は、前記集光レンズ4からの照射光を、図12に示す所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られるロービームと、図13に示す所定のモータウェイ用の配光パターンMPが得られるミッドレンジビームと、図14に示す所定の走行用の配光パターンHPが得られるハイビームとに、切り替えるものである。
モータウェイ用の配光パターンMPは、文字通り、対向車への配光が市街地でのロービームよりも許容されるような自動車専用道路等における配光パターンである。なお、図12〜14は、この実施例のヘッドランプ1から10m先のスクリーンに投影された配光パターンの説明図である。図における符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示し、符号「VU−VD」は、同じく、スクリーンの上下の垂直線を示す。
一方、前記切り替え手段としての第1ソレノイド6およびバネ部材7は、前記シェード5を、前記ロービームが得られるロービーム姿勢(図6および図7中の実線にて示す姿勢)と、前記ハイビームが得られるハイビーム姿勢(図6および図7中の二点鎖線にて示す姿勢)とに、切り替えるものである。
前記シェード5は、前記ロービーム、前記ミッドレンジビーム、および前記ハイビームとに切り替える切り替え部分としての可動側部分10、11と、その他の部分としての固定側部分12とから構成されている。前記可動側部分10、11と前記固定側部分12は、この例では、SUS(ステンレス)、SUP(バネ鋼板)などの弾性を有する薄板構造からなる。なお、前記可動側部分10、11の板厚は、前記固定側部分12の板厚よりも薄い。
前記可動側部分10、11は、前記第1ソレノイド6および前記バネ部材7によってロービーム姿勢とハイビーム姿勢とに切り替えられる部分である。また、前記第2ソレノイド33および前記サブストッパ34によってロービーム姿勢とミッドレンジビーム姿勢とに切り替えられる部分でもある。前記可動側部分10、11は、前方側(集光レンズ4側)の薄板と後方側(放電灯2側)の薄板とをかしめ32(もしくは、リベット止めやスポット溶接など)により固定された2枚の薄板から構成されている。
前記可動側部分10、11の大きさは、前記可動側部分10、11を前記第1ソレノイド6および前記バネ部材7により移動させるストロークと同じ大きさを有する。この例では、前記可動側部分10、11は、図6および図7に示すように、上下(ヘッドランプ1を自動車に搭載した際の垂直方向)に移動するので、前記可動側部分10、11の上下の大きさは、前記可動側部分10、11の上下移動のストロークとほぼ同じ大きさである。
前記可動側部分10、11の形状は、図3に示すように、上から見て、中央部が前記放電灯2側に凸となる湾曲形状をなす。
一方、前記固定側部分12は、前記ホルダ9に固定される部分である。前記固定側部分は、図8〜図10に示すように、正面から見て一部(下部)が切り欠かれたリング形状の固定部17と、この固定部17の切り欠いた部分に配置する平板形状のストッパ部18と、このストッパ部18から折り曲げてなるシェード部19とから構成されている。
前記固定部17は、前記ホルダ9と前記リフレクタ3との間に、挟まれた状態でスクリュー20により固定されている。また、前記ストッパ部18は、前記第1第1ソレノイド6の無通電時において前記シェード5のロービーム姿勢を規制するストッパであって、このストッパ部18の中央部には、切欠21が設けられている。さらに、前記シェード部19は、前記リフレクタ3からの反射光を遮蔽する機能と、前記第1ソレノイド6に対して前記放電灯2からの熱を遮蔽する機能とを有するものであって、このシェード部19の前記ストッパ部18との付け根部の中央には、長方形の長切欠22が設けられている。
前記ストッパ部18の上側には片方の端部をスクリュー36で止めた板状のサブストッパ34が載設される。このサブストッパ34は、それ自身がバネになっており、外から何も力を加えなければスクリュー36でストッパ部18に固定された側と反対側が、スクリュー36の位置を支点として上側に跳ね上がっている状態となるものである。
また、前記サブストッパ34の下面には、少なくとも前記切欠21に対応する部分に球状突起35が設けられる。球状突起35は、サブストッパ34の跳ね上げ状態を補助するために、切欠21とスクリュー36の位置との中間付近にも設けるようにしても良い。前記切欠21に対応する位置の球状突起35は、サブストッパ34をバネの力に逆らって押し下げたときに後述する第1ソレノイド6のプランジャー(進退ロッド)14の頭部を押し下げられる大きさにする。
また、前記固定部17のストッパ部18の傍らには、第2ソレノイド33が設けられる。具体的には、たとえばケーシング38に囲まれた第2ソレノイド33がシェード部19の端に設けられるステー37に固定される。第2ソレノイド33のプランジャー40には、当該プランジャー40の可動方向とは直角方向に引っかけ具39が突設される。引っかけ具39は、プランジャー40の胴部に直角方向に貫通するように設けてもよいし、プランジャーの頭部付近にかぶせるように設けても良い。この引っかけ具39は、プランジャー40の可動により前記サブストッパ34を押し下げられる位置に設けておく。
前記第1ソレノイド6は、たとえば、円柱形状のプランジャー14を有する。前記第1ソレノイド6は、前記バネ部材7と共に前記ホルダ9にスクリュー16により固定されていて、前記シェード5の可動側部分10、11の下方に配置されている。前記第1ソレノイド6のプランジャー14の先端部(上端部)には、括れた首部(図示せず)を介して取付部24が設けられている。この首部および取付部24は、たとえば、短い円柱形状をなす。この取付部24の径(大きさ)は、前記首部の径よりも大きく、かつ、前記プランジャー14の径よりも小さい。この取付部24が、前記シェード5の可動側部分10、11と一体構造の前記バネ部材7に直接取り付けられている。したがって、プランジャー14の頭部(先端部)を押し下げることはバネ部材7を押し下げることに等しい。
前記第1ソレノイド6は、通電時には前記バネ部材7のバネ力に対抗して前記プランジャー14が後退して前記シェード5の可動側部分10、11を直線的に下げて前記ロービーム姿勢から前記ハイビーム姿勢に切り替える手段である。また、前記第2ソレノイド33は、通電時には前記サブストッパ34のバネ力に対抗してプランジャー40が後退して前記球状突起35が前記プランジャ14の頭部を押し下げ、前記ロービーム姿勢から前記ミッドレンジビーム姿勢に切り替える手段である。このように、前記第1ソレノイド6および前記第2ソレノイドは、安価であり、かつ、効率がよい引っ張りタイプ(引き込み式)のソレノイドを使用することができる。なお、前記第1ソレノイド6のプランジャー14および前記第2ソレノイド33のプランジャー40は、無通電時において、フリーの状態にある。すなわち、前進後退が自由である。
前記バネ部材7は、この例では、前記シェード5と同様に、SUS(ステンレス)、SUP(バネ鋼板)などの弾性を有する薄板構造からなる。前記バネ部材7は、図1および図6に示すように、ドーム型構造をなす。また、前記バネ部材7の上側中央部と、前記シェード5の後方側にある可動側部分11の下縁中央部とは、結合されている。
すなわち、薄板構造の前記シェード5の後方側にある可動側部分11と同じく薄板構造の前記バネ部材7とは、プレス加工などにより、一体に形成されている。一方、薄板構造の前記シェード5の前方側にある可動側部分10は、同じく、プレス加工などにより、別個に形成されている。このバネ部材7と一体の後方側の可動側部分11と、別個の前方側の可動側部分10とをかしめ32により固定する。これにより、2枚の可動側部分10、11から構成されている前記シェード5と前記バネ部材7とは、一体構造をなす。
前記バネ部材7は、通常時には前記シェード5の可動側部分10、11を前記ロービーム姿勢に保持し、また、前記第1ソレノイド6への通電時には撓み、さらに、前記第1ソレノイド6への通電遮断時には弾性復帰して前記シェード5の可動側部分10、11を直線的に上げて前記ハイビーム姿勢から前記ロービーム姿勢に切り替える手段である。
図5に示すように、前記ストッパ部18に当接するバネ部材7の一部である取付薄板部25のうち、可動側部分11が位置する縁と反対側の縁が折り曲げられてストッパ片30が形成されている。このストッパ片30は、前記シェード5がロービーム姿勢およびミッドレンジビーム姿勢のときに、前記長切欠22に挿入される。これにより、姿勢変化しても当該シェード5がストッパ部から脱落することがなくなる。
プランジャー14の前記取付部24に取り付けたバネ部材7の取付薄板部25上に固定側部分12のストッパ部18を載置する。このとき、すなわち、第1ソレノイド6が無通電時において、ストッパ部18は、シェード5の後方側の可動側部分11とバネ部材7のストッパ片30との間に挟まれている。そして、当該挟まれた領域にサブストッパ34をスクリュー36で固定する。また、第1ソレノイド6のプランジャー14の前記取付部24は、ストッパ部18の切欠21に位置する。さらに、バネ部材7のストッパ片30は、固定側部分12の長切欠22に挿入されている。
前記ヘッドランプ1の構成部品の放電灯2、リフレクタ3、集光レンズ4、シェード5、第1ソレノイド6、バネ部材7、ソケット機構8およびホルダ9などがアウターレンズもしくはアウターカバー(図示せず)とランプハウジング(図示せず)とに区画された灯室(図示せず)内に配置されることにより、前記ヘッドランプ1が構成される。
(実施例の作用の説明)
この実施例におけるヘッドランプ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
まず、放電灯2を点灯する。すると、放電灯2からの光は、リフレクタ3で反射される。その反射光は、リフレクタ3の第2焦点F2に集光され、かつ、その第2焦点F2を通って拡散され、さらに、集光レンズ4を経て前方に照射される。その照射光は、図12に示す所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られるロービーム、図13に示す所定のモータウェイ用の配光パターンMPが得られるミッドレンジビーム、または、図14に示す所定の走行用の配光パターンHPが得られるハイビームとして、それぞれ前方に照射される。
ここで、第1ソレノイド6が無通電時においては、図6、図7、または図11に示すように、バネ部材7のバネ力により、第1ソレノイド6のプランジャー14が前進状態(伸びた状態)にあり、ストッパ部18の下面に取付薄板部25の上面が当たっている。そして、シェード5の可動側部分10、11は、図6および図7中の実線に示すロービーム姿勢にあり、かつ、このロービーム姿勢が保持されている。
すなわち、シェード5の切替方向(垂直方向)は、バネ部材7のバネ力と、ストッパ部18のストッパ作用により規制されている。また、シェード5の切替方向に対してほぼ直交するストッパ部18の幅方向は、ストッパ部18と、このストッパ部18を挟む可動側部分11およびストッパ片30により規制されている。さらに、シェード5の切替方向およびストッパ部18の幅方向に対してほぼ直交するバネ部材7の弾性変形方向は、長切欠22の両端壁面と、この長切欠22に挿入するストッパ片30の両端面とにより規制されている。
この結果、反射光のうち、集光レンズ4のほぼ上半部に進む反射光は、シェード5の可動側部分10、11により遮断されて、ロービームとして前方に照射される。このために、図12に示すように、所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られる。
ここで、固定部17のストッパ部18、サブストッパ34、第2ソレノイド33の関係を説明する。図11に示すように、サブストッパ34は、それ自体がバネであるから第2ソレノイド33が無通電時であればストッパ部18から跳ね上がった状態となる。そして、第2ソレノイド33に通電すると、プランジャー40が下方向に引っ張られ、引っかけ具39がサブストッパ34の端部を押し下げる。サブストッパ34の端部が押し下げられると切欠21に対応する位置にある球状突起35が第1ソレノイドのプランジャー14頭部を押し下げることになる。
第1ソレノイド6のプランジャー14とバネ部材7は一体となっているから、プランジャー14が押し下げられると、バネ部材7との釣り合いで、当該バネ部材7と一体であるシェード5の可動側部分10、11がロービーム姿勢よりも下がった状態で保持される。この結果、反射光は、ロービームよりも多く集光レンズ4に進み、図13に示すような所定のモータウェイ用配光パターンMPが得られる。第2ソレノイドへの通電を切れば、つまり動作しないときには、サブストッパ34のバネ性により前記バネ部材7を押し下げない方向に付勢されるから当該シェード5の可動側部分10、11はロービーム姿勢に戻る。
つぎに、第1ソレノイド6に通電する。すると、第1ソレノイド6のプランジャー14がバネ部材7のバネ力に抗して後退する。それに伴なって、シェード5の可動側部分10、11が直線的に下がって、図6および図7中の実線にて示すロービーム姿勢から図6および図7中の二点鎖線にて示すハイビーム姿勢に切り替わる。
この結果、反射光が集光レンズ4の全面に亘って進むので、ハイビームとして前方に照射される。このために、図14に示すように、所定の走行用の配光パターンHPが得られる。
そして、第1ソレノイド6への通電を遮断する。すると、図6および図7中の二点鎖線にて示す撓んだ状態にあるバネ部材7は、図6および図7中の実線にて示す元の状態に弾性復帰する。これに伴なって、第1ソレノイド6のプランジャー14が前進する。それと共に、シェード5の可動側部分10、11が直線的に上がって、図6および図7中の二点鎖線にて示すハイビーム姿勢から図6および図7中の実線にて示すロービーム姿勢に切り替わる。この結果、図12に示すように、所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られる。
(実施例の効果の説明)
この実施例におけるヘッドランプ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その効果について説明する。
この実施例にかかるヘッドランプ1は、従来構造を多く継承しつつ、新たな構造を付加する形で実現できるので、シェード可動構造のスムーズさを損なうことなくロービーム、ハイビーム、および第3の配光となるミッドレンジビーム配光への切り替えをも確実ならしめることができる。
また、このヘッドランプ1は、サブストッパ34自身がバネ性を有するので、切り替え機構に必要な部品点数が著しく少なくて済むというメリットがある。また、多くの部品が複雑に動作する場合に比べ、動作の信頼性、メンテナンス性、組み立て性を向上させることができる。
さらにまた、このヘッドランプ1は、第2ソレノイドへの通電、遮断という動作状態にかかわらず、第1ソレノイドへ通電することにより、ミッドレンジビーム配光、またはロービーム配光の状態から、いつでも瞬時にハイビーム配光に切り替えることができる。
(実施例の変形例の説明)
前記実施例においては、第2ソレノイド33を小型化することができる。このために、固定部17のシェード19の傍らにステー37で第2ソレノイドを付設することができ、従来のヘッドランプの筐体を特に大きくすることなくモータウェイ用の配光パターンMPを得られるようになる。
(実施例以外の例の説明)
前記実施例においては、光源として放電灯2を使用しているが、これに限らず、ハロゲンランプなどを使用しても良い。
また、前記実施例においては、バネ部材7として、ドーム型構造のバネ部材を使用しているが、これに限らず、コイルバネ、板バネなどのバネ部材を使用しても良い。
さらにまた、前記実施例においては、シェード5を両持ち構造のバネ部材7により支持して直線方向に切り替えるものであるが、これに限らず、シェード5を片持ち構造のバネ部材により支持して曲線方向に切り替えるようにしても良い。
さらにまた、前記実施例においては、サブストッパ34がそれ自身バネとして作用するが、サブストッパ34がバネ性を有しなくても、別個のバネによってプランジャー40を押し下げる方向とは反対方向に付勢されるようにしても良いし、場合によってはプランジャー40と引っかけ具39とで直接プランジャー14やばね部材7を押し下げるようにしても良い。なお、サブストッパ34は、必ずしも板状である必要はなく、バネ部材7の押し下げ、元の位置への復帰という動作が可能であれば、部材の形状は問題とならない。
以上のように、本発明にかかるヘッドランプは、従来のヘッドランプにさらに工夫を加え、車両に使用可能であるので、自動車業界、またはその関連業界で実際に実施可能なものである。
この発明のヘッドランプの実施例を示す正面図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 サブストッパ付近の組み付け状態を示す分解斜視図である。 図4におけるV−V線断面図である。 一体構造のシェードとバネ部材とを示す平面図である。 図6におけるVII矢視図である。 シェードの固定側部分を示す上側側面図である。 図8におけるIX矢視図である。 図8におけるX矢視図である。 第2ソレノイドとサブストッパ34の作用を示す説明図である。 すれ違い用の配光パターンを示す説明図である。 モータウェイ用の配光パターンを示す説明図である。 走行用の配光パターンを示す説明図である。
符号の説明
1 ヘッドランプ
2 放電灯
3 リフレクタ
4 集光レンズ
5 シェード
6 第1ソレノイド
7 バネ部材
8 ソケット機構
9 ホルダ
10 前方側の可動側部分
11 後方側の可動側部分
12 固定側部分
13 エッジ部
14、40 プランジャー(進退ロッド)
15 取付部分
16 スクリュー
17 固定部
18 ストッパ部
19 シェード部
20、36 スクリュー
21 切欠
22 長切欠
24 取付部
25 取付薄板部
26 第1孔部
27 第2孔部
30 ストッパ片
31 ビード
32 かしめ
33 第2ソレノイド
34 サブストッパ
35 球状突起
37 ステー
38 ケーシング
39 引っかけ具
F1 第1焦点
F2 第2焦点
LP すれ違い用の配光パターン
HP 走行用の配光パターン
CL カットライン
UL 最下位の車体フレームのライン
OL ソレノイドの下部

Claims (3)

  1. 少なくとも1個の光源と、
    所定のすれ違い用の配光パターンが得られるロービームと、所定の走行用の配光パターンが得られるハイビームとに、切り替えるシェードと、
    前記シェードを、前記ロービームが得られるロービーム姿勢から前記ハイビームが得られるハイビーム姿勢に切り替える第1ソレノイドと、
    前記第1ソレノイドが無通電のときに、前記ハイビーム姿勢から前記ロービーム姿勢となる方向に前記シェードを付勢するバネ部材と、
    前記シェードが前記ハイビーム姿勢から前記ロービーム姿勢に切り替わったときに、前記バネ部材が当接するストッパ部と、
    を有し、
    リフレクタに反射した前記光源からの光が筐体内で所望の配光に切り替えられるヘッドランプにおいて、
    前記ストッパ部の傍らに付設される第2ソレノイドと、
    前記ストッパ部に当接している前記バネ部材と連結された前記第1ソレノイドの頭部を、前記第2ソレノイドの力によって前記ロービーム姿勢と前記ハイビーム姿勢との間の位置に押し下げると共に、前記第2ソレノイドが動作しないときには前記頭部を押し下げる方向に対して反対の方向に付勢されるサブストッパと、
    を有することを特徴とするヘッドランプ。
  2. 前記サブストッパは、自身がバネとなっていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドランプ。
  3. 前記サブストッパは、前記バネ部材と連結された前記第1ソレノイドの頭部を押し下げる部分に球状突起を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドランプ。
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