JP4123130B2 - ヘッドランプ - Google Patents

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Description

この発明は、照射光の一部をオーバーヘッドサイン(車両前方路面の上方に設置された頭上標識)側に照射するヘッドランプにかかるものである。特に、この発明は、シェードの設計、構成、構造などを大幅に変更する必要がなく、オーバーヘッドサイン照射光が確実に得られるヘッドランプに関するものである。
なお、この明細書において、「路面など」とは、路面およびその路面上の人(歩行者など)や物(先行車や対向車や道路標識や建物など)などを言う。また、「上下方向」とは、この発明のヘッドランプを自動車に装備した際の垂直方向を言う。
照射光の一部をオーバーヘッドサイン側に照射するヘッドランプは、従来からある(たとえば、特許文献1参照)。以下、このヘッドランプについて説明する。このヘッドランプは、光源(12)と、前記光源(12)からの光を反射させるリフレクタ(14)と、前記リフレクタ(14)からの反射光を路面などに照射する集光レンズ(18)と、前記リフレクタ(14)と前記集光レンズ(18)との間に配置され、所定の配光パターンを形成するシェード(22)と、前記シェード(22)に設けた偏向反射突起部(24)と、を備えるものである。
つぎに、前記のヘッドランプの作用について説明する。光源(12)を点灯する。すると、光源(12)からの光がリフレクタ(14)で反射される。その反射光が集光レンズ(18)を経て前方に照射される。このとき、シェード(22)により、所定の配光パターン、たとえば、すれ違い用の配光パターンが得られる。そして、前記反射光の一部が偏向反射突起部(24)で偏向反射して集光レンズ(18)の下部側に入射し、この集光レンズ(18)を経てオーバーヘッドサイン側を照射する。
特開2001−35218号公報(段落番号「0023」〜「0039」、図1、図2、図4、図7)
ところが、前記のヘッドランプにおいては、オーバーヘッドサイン照射光を得るために、シェード(22)に偏向反射突起部(24)を設ける必要がある。この偏向反射突起部(24)は、形状や大きさや構成などが複雑である。このために、前記のヘッドランプにおいては、シェードの設計、構成、構造などを大幅に変更する必要がある。
この発明は、シェードの設計、構成、構造などを大幅に変更する必要がなく、オーバーヘッドサイン照射光が確実に得られるヘッドランプを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、2枚の薄板構造のシェードにおいて、前方側シェードの長さが後方側シェードの長さよりも短く、この前方側シェードと後方側シェードとの相互に対向する内側面に反射面がそれぞれ設けられており、前方側シェードの反射面がリフレクタから集光レンズのほぼ下半部に進む反射光の一部を後方側シェード側に反射させる導光反射面であり、後方側シェードの反射面が前方側シェードの導光反射面からの光を集光レンズの下部側に反射させてオーバーヘッドサイン側に照射する出力反射面である、ことを特徴とする。
この結果、請求項1にかかる発明は、2枚の薄板構造のシェードにおいて、前方側シェードの長さを後方側シェードの長さよりも短くし、この前方側シェードと後方側シェードとの相互に対向する内側面に反射面をそれぞれ設けることにより、オーバーヘッドサイン照射光が得られることとなる。このように、請求項1にかかる発明は、シェードの設計、構成、構造などを大幅に変更する必要がない。
また、請求項2にかかる発明は、前方側シェードの導光反射面、後方側シェードの出力反射面のうち少なくともいずれか一方に光拡散手段を設けた、ことを特徴とする。
この結果、請求項2にかかる発明は、2枚構造のシェードの反射面のうち少なくともいずれか一方の反射面に設けられた光拡散手段により、光が拡散されるので、オーバーヘッドサインが適度な照度でかつ幅広い範囲で照射されることとなる。しかも、光拡散手段を調整することにより、オーバーヘッドサイン側に照射される光の照度や照射範囲を調整することができる。
また、請求項3にかかる発明は、光拡散手段が、後方側シェードの出力反射面のうち、前方側シェードの導光反射面の下端部と対向する位置に、前方側シェード側に突出したビードである、ことを特徴とする。
この結果、請求項3にかかる発明は、後方側シェードのうち前方側シェードの下端部と対向する位置、すなわち、光が集光レンズ側に反射出力される位置に、ビードを設けたので、集光レンズ側に反射出力する光を確実にかつ効率よく拡散させることができる。
また、請求項3にかかる発明は、後方側シェードの上端から下方に離れた位置にビードを設けたので、ビードを設けたことによる歪みなどが後方側シェードの上端に与える影響は、ほとんどない。これにより、後方側シェードの上端により遮光形成される配光パターンには何ら影響がない。
さらに、請求項3にかかる発明は、ビードにより、薄板構造の後方側シェードの強度が向上されるので、2枚構造の前方側シェードの強度も向上され、後方側シェードおよび前方側シェードの形状が確実に保持されるので、シェードの変形による配光パターンへの影響がなく、配光性能が向上される。
また、請求項4にかかる発明は、シェードとして、このシェードの姿勢を切り替えることにより、1個の光源で、所定のすれ違い用の配光パターンと、所定の走行用の配光パターンとが、それぞれ切り替わって得られる2灯式のヘッドランプにおける可動シェードである、ことを特徴とする。
この結果、請求項4にかかる発明は、可動シェードが2枚の薄板構造のシェードから構成されることにより、可動シェードの重量を軽量化することができる。このために、可動シェードを切り替える手段の切替力を小さくすることができるので、切替力が小さい安価な切替手段を使用することができ、その分、製作コストが安価となる。しかも、可動シェードの重量が軽量であるから、可動シェードの切り替え動作を切替手段により簡単にかつ正確に行うことができるので、配光パターンを正確に切り替えることができる。
また、請求項5にかかる発明は、対向する可動シェードのうち少なくとも一方に光量減少手段を設けたことを特徴とする。
この結果、請求項5にかかる発明は、光量減少手段が可動シェード間を通過する光の光量を減少させる。これにより、請求項5にかかる発明は、可動シェード間を通過する光の光量が、これらの間を通過しない光の光量よりも減少するので、例えば、配光パターンのうちオーバーヘッドサインに向けて照射される配光パターンの照度を、すれ違い用の配光パターンの照度よりも小さくできる利点がある。
また、請求項6にかかる発明は、後方側シェードに照射方向規制手段を設けたことを特徴とする。
この結果、請求項6にかかる発明は、シェード内を通過した光が、その照射方向を照射方向規制手段によってオーバーヘッドサイン側の方向に規制される。これにより、請求項6にかかる発明は、例えば、オーバーヘッドサインにかかる配光パターンOPを任意の位置に形成できる利点がある。
以上から明らかなように、この発明にかかるヘッドランプ(請求項1)によれば、2枚の薄板構造のシェードにおいて、前方側シェードの長さを後方側シェードの長さよりも短くし、この前方側シェードと後方側シェードとの相互に対向する内側面に反射面をそれぞれ設けることにより、オーバーヘッドサイン照射光が得られることとなるので、シェードの設計、構成、構造などを大幅に変更する必要がない。
また、この発明にかかるヘッドランプ(請求項2)によれば、2枚構造のシェードの反射面のうち少なくともいずれか一方の反射面に設けられた光拡散手段により、光が拡散されるので、オーバーヘッドサインが適度な照度でかつ幅広い範囲で照射されることとなる。しかも、光拡散手段を調整することにより、オーバーヘッドサイン側に照射される光の照度や照射範囲を調整することができる。
また、この発明にかかるヘッドランプ(請求項3)によれば、後方側シェードのうち前方側シェードの下端部と対向する位置、すなわち、光が集光レンズ側に反射出力される位置に、ビードを設けたので、集光レンズ側に反射出力する光を確実にかつ効率よく拡散させることができる。
また、この発明にかかるヘッドランプ(請求項3)によれば、後方側シェードの上端から下方に離れた位置にビードを設けたので、ビードを設けたことによる歪みなどが後方側シェードの上端に与える影響は、ほとんどない。これにより、後方側シェードの上端により遮光形成される配光パターンには何ら影響がない。
さらに、この発明にかかるヘッドランプ(請求項3)によれば、ビードにより、薄板構造の後方側シェードの強度が向上されるので、2枚構造の前方側シェードの強度も向上され、後方側シェードおよび前方側シェードの形状が確実に保持されるので、シェードの変形による配光パターンへの影響がなく、配光性能が向上される。
また、この発明にかかるヘッドランプ(請求項4)によれば、可動シェードが2枚の薄板構造のシェードから構成されることにより、可動シェードの重量を軽量化することができる。このために、可動シェードを切り替える手段の切替力を小さくすることができるので、切替力が小さい安価な切替手段を使用することができ、その分、製作コストが安価となる。しかも、可動シェードの重量が軽量であるから、可動シェードの切り替え動作を切替手段により簡単にかつ正確に行うことができるので、配光パターンを正確に切り替えることができる。
また、この発明にかかるヘッドランプ(請求項5)によれば、対向する可動シェードのうち少なくとも一方に光量減少手段を設けたので、この光量減少手段が可動シェード間を通過する光の光量を減少させる。このために、可動シェード間を通過する光の光量が、これらの間を通過しない光の光量よりも減少するので、例えば、配光パターンのうちオーバーヘッドサインに向けて照射される配光パターンの照度を、すれ違い用の配光パターンの照度よりも小さくできる利点がある。
また、この発明にかかるヘッドランプ(請求項6)によれば、後方側シェードに照射方向規制手段を設けたので、シェード内を通過した光がその照射方向を照射方向規制手段によってオーバーヘッドサイン側の方向に規制される。このために、例えば、オーバーヘッドサインにかかる配光パターンを任意の位置に形成できる利点がある。
以下、この発明にかかるヘッドランプの実施例のうちの3例を添付図面を参照して説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図は、この発明にかかるヘッドランプの実施例1を示す。この例は、2灯式のヘッドランプについて説明する。
(実施例1の構成の説明)
図1〜図4において、1はプロジェクタタイプのヘッドランプである。このヘッドランプ1には、光源としての放電灯2と、リフレクタ3と、集光レンズ4と、シェード5と、切替手段としてのソレノイド6およびバネ部材7とを備える。
前記放電灯2は、いわゆる、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)などである。前記放電灯2は、前記リフレクタ3にソケット機構8を介して着脱可能に取り付けられている。前記放電灯2の発光部分は、前記リフレクタ3の第1焦点F1近傍に位置する。
前記リフレクタ3の内凹面は、アルミ蒸着もしくは銀塗装などにより、たとえば、図2の垂直断面が楕円面をなし、かつ、図3の水平断面が放物面ないし変形放物面をなす反射面からなる。このために、前記リフレクタ3の反射面は、第1焦点F1と、第2焦点(水平断面上の焦線)F2とを有する。前記リフレクタ3は、ホルダ(フレーム)9に固定保持されている。
前記集光レンズ4は、図示されていないが、第2焦点F2よりも前方側(放電灯2に対して集光レンズ4側)に、物空間側の焦点面(メリジオナル像面)を有する。前記集光レンズ4は、ホルダ9に固定保持されている。
前記シェード5は、前記集光レンズ4からの照射光を、図8に示す所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られるロービームと、図9に示す所定の走行用の配光パターンHPが得られるハイビームとに、切り替えるものである。なお、図8および図9は、この実施例1のヘッドランプ1から10m先のスクリーンに投影された配光パターンの説明図である。図における符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示し、符号「VU−VD」は、同じく、スクリーンの上下の垂直線を示す。
一方、前記切替手段としてのソレノイド6およびバネ部材7は、前記シェード5を、前記ロービームが得られるロービーム姿勢(図6および図7中の実線にて示す姿勢)と、前記ハイビームが得られるハイビーム姿勢(図6および図7中の二点鎖線にて示す姿勢)とに、切り替えるものである。
前記シェード5は、前記ロービームと前記ハイビームとに切り替える切替部分としての可動シェード10、11と、その他の部分としての固定シェード12とから構成されている。前記可動シェード10、11と前記固定シェード12は、この例では、SUS(バネ鋼板)などの弾性を有する薄板構造からなる。なお、前記可動シェード10、11の板厚は、前記固定シェード12の板厚よりも薄い。
前記可動シェード10、11は、前記ソレノイド6および前記バネ部材7によってロービーム姿勢とハイビーム姿勢とに切り替えられる部分である。前記可動シェード10、11は、前方側(集光レンズ4側)の薄板(すなわち、前方側可動シェード10)と後方側(放電灯2側)の薄板(すなわち、後方側可動シェード11)とをかしめ32(もしくは、リベット止めやスポット溶接など)により固定された2枚の薄板から構成されている。図5に示すように、この2枚の薄板構造からなる可動シェード10、11、すなわち、前方側可動シェード10と後方側可動シェード11との間には、若干の隙間Sが設けられている。また、この2枚の薄板構造の可動シェード10、11は、前記隙間Sを挟んでほぼ平行に対向する。
前記可動シェード10、11のうち、後方側可動シェード11の上下方向の長さ(高さ)は、前記可動シェード10、11を前記ソレノイド6および前記バネ部材7により移動させるストロークと同じ長さを有する。この例では、前記可動シェード10、11は、図6および図7に示すように、上下方向に移動するので、前記後方側可動シェード11の上下方向の長さ(高さ)は、前記可動シェード10、11の上下移動のストロークとほぼ同じ長さである。また、前記可動シェード10、11のうち、前方側可動シェード10の上下方向の長さ(高さ)は、前記後方側可動シェード11の上下方向の長さ(高さ)の約2分の1である。さらに、前記可動シェード10、11の形状は、図3に示すように、上から見て、中央部が前記放電灯2側に凸となる湾曲形状をなす。
2枚の薄板構造の前記可動シェード10、11の上縁(上端の縁)には、前記すれ違い用の配光パターンLPのカットラインCLを形成するエッジ部13がそれぞれ形成されている。前記エッジ部13は、図1および図7に示すように、中央部において約45°の斜めの段差がある。この段差により、図8に示すように、すれ違い用の配光パターンLPにおいて、走行車線側と対向車線側との間に約45°の斜めのカットラインが形成される。前記第2焦点(水平断面上の焦線)F2は、前記2枚の薄板構造の可動シェード10、11のエッジ部13、13を結ぶ線分Zのほぼ2分の1の箇所に位置する。この第2焦点F2が2枚の薄板構造の可動シェード10、11のほぼ中間に位置することは、配光制御上好ましいが、第2焦点F2は、必ずしも、可動シェード10、11の中間に位置しなくとも良い。なお、前記線分Zは、前記第1焦点F1を通る前記リフレクタ3の反射面の光軸でもある。
一方、前記固定シェード12は、前記ホルダ9に固定される部分である。前記固定シェード12は、正面から見て一部(下部)が切り欠いたリング形状の固定部17と、この固定部17の切り欠いた部分に配置する平板形状のストッパ部18と、このストッパ部18から折り曲げてなるシェード部19とから構成されている。
前記固定部17は、前記ホルダ9と前記リフレクタ3との間に、挟まれた状態でスクリュー20により固定されている。また、前記ストッパ部18は、前記ソレノイド6の無通電時において前記シェード5のロービーム姿勢を規制するものである。さらに、前記シェード部19は、前記リフレクタ3からの反射光を遮蔽する機能と、前記ソレノイド6に対して前記放電灯2からの熱を遮蔽する機能とを有するものである。
前記ソレノイド6は、たとえば、円柱形状のプランジャー(進退ロッド)14を有する。前記ソレノイド6は、前記バネ部材7と共に前記ホルダ9にスクリュー16により固定されていて、前記可動シェード10、11の下方に配置されている。前記ソレノイド6のプランジャー14の先端部(上端部)には、括れた首部(図示せず)を介して取付部24が設けられている。この首部および取付部24は、たとえば、短い円柱形状をなす。この取付部24の径(大きさ)は、前記首部の径よりも大きく、かつ、前記プランジャー14の径よりも小さい。この取付部24が、前記可動シェード10、11と一体構造の前記バネ部材7に直接取り付けられている。
前記ソレノイド6は、通電時には前記バネ部材7のバネ力に抗して前記プランジャー14が後退して前記可動シェード10、11を直線的に下げて前記ロービーム姿勢から前記ハイビーム姿勢に切り替える手段である。このように、前記ソレノイド6は、安価であり、かつ、効率がよい引っ張りタイプ(引き込み式)のソレノイドを使用することができる。なお、前記ソレノイド6のプランジャー14は、無通電時において、フリーの状態にある。すなわち、前進後退が自由である。
前記バネ部材7は、この例では、前記シェード5と同様に、SUS(バネ鋼板)などの弾性を有する薄板構造からなる。前記バネ部材7は、図1および図7に示すように、ドーム型構造(左右両端部分のお互いに向き合った半円形部分が上下中央部分の水平部分を介して相互に連結されている構造)をなす。また、前記バネ部材7の上側中央部と、前記後方側可動シェード11の下縁中央部とは、結合されている。
すなわち、薄板構造の前記後方側可動シェード11と同じく薄板構造の前記バネ部材7とは、プレス加工などにより、一体に形成されている。一方、薄板構造の前記前方側可動シェード10は、同じく、プレス加工などにより、別個に形成されている。このバネ部材7と一体の後方側可動シェード11と、別個の前方側可動シェード10とをかしめ32により固定する。これにより、2枚の薄板構造から構成されている可動シェード10、11と前記バネ部材7とは、一体構造となす。
前記バネ部材7は、通常時には前記可動シェード10、11を前記ロービーム姿勢に保持し、また、前記ソレノイド6への通電時には撓み、さらに、前記ソレノイド6への通電遮断時には弾性復帰して前記可動シェード10、11を直線的に上げて前記ハイビーム姿勢から前記ロービーム姿勢に切り替える手段である。
前記バネ部材7の下側中央部には、取付部分15が一体にかつ直交するように設けられている。前記取付部分15が前記ソレノイド6と共に前記ホルダ9にスクリュー16によりホルダ9に固定されている。なお、前記取付部分15は、バネ部材7の両端にそれぞれ形成されており、バネ部材7をドーム型に湾曲させて重ね合わせ、かつ、かしめ32により固定してなるものである。
前記可動シェード10、11および前記バネ部材7側には、取付薄板部25が設けられている。すなわち、この取付薄板部25は、前記後方側可動シェード11と一体に結合されている前記バネ部材7の上側中央部からなるものであって、前記可動シェード10、11の切替方向(垂直方向)に対してほぼ直行する平板形状をなす。前記取付薄板部25には、取付孔(図示せず)が設けられている。この取付孔の縁に前記ソレノイド6のプランジャー14の取付部24を係合させることにより、前記ソレノイド6のプランジャー14の取付部24と、前記可動シェード10、11および前記バネ部材7の取付薄板部25とは、相互に取り付けられることとなる。
前記ヘッドランプ1の構成部品の放電灯2、リフレクタ3、集光レンズ4、シェード5、ソレノイド6、バネ部材7、ソケット機構8およびホルダ9などがアウターレンズもしくはアウターカバー(図示せず)とランプハウジング(図示せず)とに区画された灯室(図示せず)内に配置されることにより、前記ヘッドランプ1が構成される。
そして、前記ヘッドランプ1において、図2および図5に示すように、2枚の薄板構造の可動シェード10、11の相互に対向する内側面には、反射面100、110がそれぞれ設けられている。前記前方側可動シェード10の反射面100は、前記リフレクタ3からの反射光の一部であって、前記前方側可動シェード10と前記後方側可動シェード11との間の隙間Sに入射した光Lを前記後方側可動シェード11の反射面110に反射させる導光反射面である。一方、前記後方側可動シェード11の反射面110は、前記前方側可動シェード10の導光反射面100からの光を前記集光レンズ4の下部側に反射させてオーバーヘッドサイン側に照射する出力反射面である。
前記後方側可動シェード11の出力反射面110のうち、前記前方側可動シェード10の導光反射面100の下端部と対向する位置には、光拡散手段としてのビード31が設けられている。このビード31が設けられている位置は、前記後方側可動シェード11のエッジ部13から下方に離れた位置であって、光L1、L2が出射される位置である。このビード31は、断面半円形の凹凸形状をなし、後方側可動シェード11から前方側可動シェード10に向かって、すなわち、内側に突出している。また、このビード31は、後方側可動シェード11の長手方向に沿って設けられている。
(実施例1の作用の説明)
この実施例1におけるヘッドランプ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
まず、放電灯2を点灯する。すると、放電灯2からの光は、リフレクタ3で反射される。その反射光は、リフレクタ3の第2焦点F2に集光され、かつ、その第2焦点F2を通って拡散され、さらに、集光レンズ4を経て前方に照射される。その照射光は、図8に示す所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られるロービームとして、または、図9に示す所定の走行用の配光パターンHPが得られるハイビームとして、それぞれ前方に照射される。
ここで、ソレノイド6が無通電時においては、バネ部材7のバネ力により、ソレノイド6のプランジャー14が前進状態(伸びた状態)にあり、ストッパ部18の下面に取付薄板部25の上面が当たっている。そして、可動シェード10、11は、図6および図7中の実線に示すロービーム姿勢にあり、かつ、このロービーム姿勢が保持されている。これにより、所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られる。
すなわち、反射光のうち、集光レンズ4のほぼ上半部に進む反射光は、可動シェード10、11により遮断されて、一方、集光レンズ4のほぼ下半部に進む反射光は、ロービームとして前方に照射される。このために、図8に示すように、所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られる。
つぎに、ソレノイド6に通電する。すると、ソレノイド6のプランジャー14がバネ部材7のバネ力に抗して後退する。それに伴なって、可動シェード10、11が直線的に下がって、図6および図7中の実線にて示すロービーム姿勢から図6および図7中の二点鎖線にて示すハイビーム姿勢に切り替わる。
この結果、反射光が集光レンズ4の全面に亘って進むので、ハイビームとして前方に照射される。このために、図9に示すように、所定の走行用の配光パターンHPが得られる。
そして、ソレノイド6への通電を遮断する。すると、図6および図7中の二点鎖線にて示す撓んだ状態にあるバネ部材7は、図6および図7中の実線にて示す元の状態に弾性復帰する。これに伴なって、ソレノイド6のプランジャー14が前進する。それと共に、可動シェード10、11が直線的に上がって、図6および図7中の二点鎖線にて示すハイビーム姿勢から図6および図7中の実線にて示すロービーム姿勢に切り替わる。この結果、図8に示すように、所定のすれ違い用の配光パターンLPが得られる。
(実施例1の効果の説明)
この実施例1におけるヘッドランプ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その効果について説明する。
この実施例1におけるヘッドランプ1は、2枚の薄板構造の可動シェード10、11において、前方側可動シェード10の長さを後方側可動シェード11の長さよりも短くし、この前方側可動シェード10と後方側可動シェード11との相互に対向する内側面に反射面100、110をそれぞれ設けたものである。この結果、この実施例1におけるヘッドランプ1は、可動シェード10、11がロービーム姿勢の状態にあるとき、図2および図5中の実線矢印に示すように、リフレクタ3から集光レンズ4のほぼ下半部に進む反射光の一部Lは、2枚の薄板構造の可動シェード10、11の間の隙間Sに入射する。すると、この光Lは、2枚の薄板構造の可動シェード10、11反射面100、110で反射しつつ、可動シェード10、11の間の隙間Sを通過する。可動シェード10、11を通過した光L1(実線矢印にて示す)は、集光レンズ4のほぼ下部に入射してこの集光レンズ4を透過してオーバーヘッドサイン(図示せず)側に、図8中の配光パターンOPで照射される。このように、この実施例1におけるヘッドランプ1は、シェードの設計、構成、構造などを大幅に変更することなく、オーバーヘッドサイン照射光を確実に得ることができる。
特に、この実施例1におけるヘッドランプ1は、後方側可動シェード11の出力反射面110のうち、前方側可動シェード10の導光反射面100の下端部と対向する位置に、前方側可動シェード10側に突出した光拡散手段としてのビード31を設けたものである。このために、この実施例1におけるヘッドランプ1は、光拡散手段としてのビード31により、光L2(破線矢印にて示す)が拡散されるので、オーバーヘッドサインが適度な照度でかつ幅広い範囲で照射されることとなる。しかも、この実施例1におけるヘッドランプ1においては、光拡散手段としてのビード31を設ける箇所や数などを調整することにより、オーバーヘッドサイン側に照射される光の照度や照射範囲を調整することができる。
また、この実施例1におけるヘッドランプ1は、後方側可動シェード11のうち前方側可動シェード10の下端部と対向する位置、すなわち、光L2が集光レンズ4側に反射出力される位置に、光拡散手段としてのビード31を設けたので、集光レンズ4側に反射出力する光L2を確実にかつ効率よく拡散させることができる。
さらに、この実施例1におけるヘッドランプ1は、後方側可動シェード11の上端エッジ部13から下方に離れた位置に光拡散手段としてのビード31を設けたので、ビード31を設けたことによる歪みなどが後方側可動シェード11の上端エッジ部13に与える影響は、ほとんどない。これにより、後方側可動シェード11の上端エッジ部13により遮光形成されるすれ違い用の配光パターンLPには何ら影響がない。
さらにまた、この実施例1におけるヘッドランプ1は、ビード31により、薄板構造の後方側可動シェード11の強度が向上されるので、2枚構造の前方側可動シェード10の強度も向上され、後方側可動シェード11および前方側可動シェード10の形状が確実に保持されるので、可動シェード10、11の変形によるすれ違い用の配光パターンLPへの影響がなく、配光性能が向上される。
さらにまた、この実施例1におけるヘッドランプ1は、可動シェード10、11が2枚の薄板構造から構成されているので、可動シェード10、11の重量を軽量化することができる。このために、可動シェード10、11を切り替える手段、すなわち、ソレノイド6およびバネ部材7の切替力を小さくすることができるので、切替力が小さい安価なソレノイド6およびバネ部材7(切替手)を使用することができ、その分、製作コストが安価となる。しかも、可動シェード10、11の重量が軽量であるから、可動シェード10、11の切り替え動作を切替手段により簡単にかつ正確に行うことができるので、配光パターンをすれ違い用の配光パターンLPと走行用の配光パターンHPとに正確に切り替えることができる。
(実施例1以外の例の説明)
なお、前記の実施例1においては、光拡散手段が後方側可動シェード11に内側に突出して設けたビード31から構成されているものである。ところが、この発明においては、光拡散手段としてのビードを前方側可動シェード10に設けても良いし、また、両方の可動シェード10、11に設けても良い。
また、前記の実施例1においては、後方側可動シェード11のうち前方側可動シェード10の下端部と対向する位置にビード31を設けたものであるが、この発明においては、前記の位置以外にビード31を設けても良い。しかも、前記の実施例1においては、ビード31を後方側可動シェード11に全体に亘って設けたものであるが、この発明においては、ビード31を後方側シェード11の一部に設けたものであっても良い。さらに、ビード31を1本設けたものであるが、この発明においては、2本以上設けても良い。また、前記の実施例においては、ビード31を後方側可動シェード11の長手方向に沿って設けたものであるが、この発明においては、ビード31をシェードの短手方向に沿って設けても良いし、斜め方向に沿って設けても良い。
さらに、前記の実施例1においては、光拡散手段としてビード31を設けたものである。ところが、この発明おいては、ビード31以外の光拡散手段を設けても良い。この光拡散手段としては、たとえば、2枚の可動シェード10、11の相互に対向する内側面に、サンドブラスト処理やエッチング処理などの表面処理を施して、その表面を光が拡散反射する程度に粗くしても良い。この場合、2枚の可動シェード10、11のうち少なくともいずれか一方の内側面に表面処理を施したものでも良い。
さらにまた、この実施例1においては、第2焦点F2を2枚の薄板構造の可動シェード10、11のほぼ2分の1の箇所に設けたものであるが、この発明においては、第2焦点F2を可動シェード10、11のほぼ2分の1の箇所から後方側(放電灯2側)に設けても良い。この第2焦点F2の位置を調整することにより、2枚の薄板構造の可動シェード10、11の隙間Sに入射する光Lの量を調整することができる。
さらにまた、この実施例1においては、2灯式のヘッドランプについて説明したが、この発明においては、4灯式のヘッドランプでも良い。すなわち、シェードが可動式ではなく、固定式のシェードで、配光パターンが固定式であっても良い。
図10は、この発明の実施例2にかかるヘッドランプのシェードを示す側面断面図である。同図において、上記実施例1のヘッドランプ1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。上記実施例1のヘッドランプ1では、後方側シェード11がリブ状のビード31を有し(図5参照)、このビード31が可動シェード10,11間を通る光を拡散させて、オーバーヘッドサインへの照射光の照度を低減していた。これに対して、この実施例2のヘッドランプ1では、前方側シェード10が導光反射面100に光量減少手段41を有し、この光量減少手段41により可動シェード10,11間を通る光の光量を減少させる点に特徴を有する。
光量減少手段41は、前方側シェード10の導光反射面100に形成される。この光量減少手段41は、例えば、黒色、茶色、灰色その他の暗色系の着色を導光反射面100(前方側シェード10の内側面)上に施して構成される。ここで、暗色系の着色とは、反射する光の光量を減衰させる色彩の着色をいうものとする。なお、光量減少手段41は、導光反射面100上の全面に渡って形成されても良いし、部分的に形成されても良い。この実施例2では、導光反射面100の全面に渡って暗色系の着色を施している。
かかる構成では、光量減少手段41が導光反射面100にて反射する光を減衰させて、可動シェード10,11間を通過する光L1の光量を減少させる。これにより、オーバーヘッドサインへの照射光の照度を低減できる利点がある。具体的には、図8に記載した配光パターンのうちオーバーヘッドサインに向けて照射される配光パターンOPの照度が、すれ違い用の配光パターンLPよりも低減される。
また、かかる構成では、光量減少手段41の着色にかかる色彩選択により、照射光の照度を任意に調整可能である。特に、前方側シェード10の加工上、着色にかかる色彩を微妙に変化させることは容易なので、光の照度を微少単位にて容易に調整できる利点もある。また、色彩の選択によって照射光の照度を調整する構成は、単に色彩を変えるのみなのでビード31の形状等により調整する場合と比較して、より簡易である。なお、光量減少手段41の色彩は、その色彩の光の反射率を参照しつつヘッドランプ1の仕様に応じて、当業者自明の範囲内にて適宜選択できる。
また、かかる構成では、ヘッドランプ1の構造、特に可動シェード10,11の駆動にかかるバネ部材7の構造を変更させることなく、照射光の照度を簡易に調整できる点で好ましい。また、この構成は、照射光の照度を調整する手段として、実施例1に記載したビード31以外の構成を提供するものなので、技術の多様化の面で好ましい。
なお、この実施例2のヘッドランプ1では、光量減少手段41が、上記のように導光反射面100に暗色系の着色を施して構成されるが、これに限らず、例えば、暗色系のフィルム層を蒸着や貼り付け等により導光反射面100上に形成して構成されても良い。これにより、上記した着色による構成と同様の作用を得られる利点がある。
また、この実施例2のヘッドランプ1において、光量減少手段41が、導光反射面100の表面粗さを低減させることにより構成されても良い。かかる構成としては、例えば、導光反射面100にサンドブラスト処理やエッチング処理などの表面処理を施した構成がある。かかる構成によっても、導光反射面100における光の反射率が低下するため、上記した暗色系の着色にかかる構成と同様に、可動シェード10,11間を通過する光L1の光量を減少させ得る。また、導光反射面100の表面粗さは、表面処理の工程にて微少単位で調整可能である。これにより、ヘッドランプ1の仕様に応じて、オーバーヘッドサインにかかる配光パターンOPの照度を任意に調整できる利点がある。
また、この実施例2のヘッドランプ1では、光量減少手段41が前方側シェード10にのみ形成されるが、これは、その加工が容易な点で好ましい。しかし、これに限らず、光量減少手段41が後方側シェード11の出力反射面110に形成されても良い(図示省略)。かかる構成によっても、光量減少手段41が前方側シェード10に形成された場合と同様の作用を得られる利点がある。
また、光量減少手段41が前方側および後方側の双方の可動シェード10,11に形成されても良い(図示省略)。すなわち、光量減少手段41が前方側シェード10の導光反射面100並びに後方側シェード11の出力反射面110の双方に形成されても良い。かかる構成では、双方の可動シェード10,11の作用により、通過する光の光量をより効果的に低減できる利点がある。特に、かかる構成は、例えば、ヘッドランプ1の仕様により前方側シェード10の上下幅(ヘッドランプ1の高さ方向にかかる幅)が十分に確保できないために可動シェード10,11間を通過する光の屈折回数が少ない場合にも、短い可動シェード10、11間にて好適に照射光を低減できる点で好ましい。
図11は、この発明の実施例3にかかるヘッドランプのシェードを示す側面断面図である。同図において、上記実施例1のヘッドランプ1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例1のヘッドランプ1では、後方側シェード11がリブ状のビード31を有し(図5参照)、このビード31が可動シェード10,11間を通る光を拡散させて、照射光の照度方向をオーバーヘッドサイン側に向けていた。これに対して、この実施例3のヘッドランプ1は、後方側シェード11がその壁面に照射方向規制手段42を有し、これにより、光の照射方向を所定の方向に向ける点に特徴を有する。
照射方向規制手段42は、後方側シェード11の一部を前方側(対向する前方側シェード10側)に切り起こして形成され、その出力反射面111が可動シェード10,11間の入り口側(ヘッドランプ1の上方側)に向くように形成される。また、照射方向規制手段42は、ヘッドランプ1の正面視(図1参照)にて略矩形状を有し、後方側シェード11の略中央に位置すると共に後方側シェード11の左右方向(ヘッドランプ1の左右方向)に渡って形成される。また、照射方向規制手段42は、前方側シェード10の導光反射面の下端部と略対向する位置に形成される。具体的には、照射方向規制手段42が、実施例1に記載したビード31が設けられた位置と略同位置に形成される。
かかる構成では、照射方向規制手段42が、可動シェード10,11間を通過した光L2をその出力反射面111にて反射してその照射方向をオーバーヘッドサインの方向に規制する。具体的には、光L2の照射方向は、後方側シェード11の壁面が平坦な場合の照射方向L1よりも上方(前方側シェード10側)に変更される。すると、反射した光L2は、図8に記載したすれ違い用の配光パターンLPよりも上方(VU側)に照射され、この配光パターンLPの上方にオーバーヘッドサイン用の配光パターンOPを描く。これにより、すれ違い用およびオーバーヘッドサイン用の双方の配光パターンLP,OPを形成できる利点がある。特に、かかる構成では、照射方向規制手段42の切り起こし角度の選択により光の照射方向を任意に調整できるので、配光パターンLP,OPの位置調整が容易である。また、照射方向規制手段42の形成位置や上下幅および左右幅(すなわちヘッドランプの正面視にかかる寸法幅)を調整することにより、配光パターンOPの位置および形状を自在に形成できる利点がある。
また、かかる構成では、ヘッドランプ1の構造、特に可動シェード10,11の駆動にかかるバネ部材7の構造を変更させることなく、所望の配光パターンOPを形成できる点で好ましい。また、この構成は、配光パターンOPを形成する手段として、実施例1に記載したビード31以外の構成を提供するものなので、技術の多様化の面で好ましい。
なお、この実施例3のヘッドランプ1では、照射方向規制手段42が後方側シェード11壁面を切り起こして形成されるが、これは、新たな部材の追加が不要な点で好ましい。しかし、これに限らず、照射方向規制手段42が新たな部材から成り、これを後方側シェード11壁面に設けて形成されても良い(図示省略)。
また、この実施例3のヘッドランプ1では、照射方向規制手段42が略矩形状の平板構造を有し、平面的な出力反射面111を有する。これは、照射方向規制手段42の加工が容易であると共に、光の照射方向および照射範囲の調整が容易である点で好ましい。しかし、これに限らず、照射方向規制手段42の形状および構造は、当業者自明の範囲内にて任意に設計変更可能である。
また、この実施例3のヘッドランプ1は、実施例2のヘッドランプ1との組み合わせにより構成されても良い。例えば、図11において、前方側シェード31の導光反射面100に暗色系の着色を施し、光量減少手段41を形成しても良い(図示省略)。かかる構成では、可動シェード10,11間を通過した光の光量が光量減少手段41によって減衰される。これにより、照射方向規制手段42の利点を生かしつつ、オーバーヘッドサインへの照射光の照度を低減できる利点がある。
また、この実施例3のヘッドランプ1において、照射方向規制手段42には、さらに実施例2に記載した変形例を適用しても良い。すなわち、照射方向規制手段42自体に、実施例2に記載した暗色系の着色や表面処理を施して、光量減少手段41を構成しても良い(図示省略)。これにより、オーバーヘッドサイン側に照射される光の照度や照射範囲を公的に調整できる利点がある。
この発明のヘッドランプの実施例を示す正面図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 図1におけるIV矢視図である。 図2におけるV部の拡大断面図である。 一体構造のシェードとバネ部材とを示す側面図である。 一体構造のシェードとバネ部材とを示す正面図である。 すれ違い用の配光パターンを示す説明図である。 走行用の配光パターンを示す説明図である。 この発明の実施例2にかかるヘッドランプのシェードを示す側面断面図である。 この発明の実施例3にかかるヘッドランプのシェードを示す側面断面図である。
符号の説明
1 ヘッドランプ
2 放電灯
3 リフレクタ
4 集光レンズ
5 シェード
6 ソレノイド
7 バネ部材
8 ソケット機構
9 ホルダ
10 可動シェード(前方側可動シェード)
100 導光反射面(反射面)
11 可動シェード(後方側可動シェード)
110、111 出力反射面(反射面)
12 固定シェード
13 エッジ部
14 プランジャー(進退ロッド)
15 取付部分
16 スクリュー
17 固定部
18 ストッパ部
19 シェード部
20 スクリュー
24 取付部
25 取付薄板部
31 ビード
32 かしめ
41 光量減少手段
42 照射方向規制手段
F1 第1焦点
F2 第2焦点
LP すれ違い用の配光パターン
HP 走行用の配光パターン
CL カットライン
0L オーバーヘッドサイン用の配光パターン
S 隙間
L、L1、L2 光
Z 光軸(エッジ部を結ぶ線分)

Claims (6)

  1. 照射光の一部をオーバーヘッドサイン側に照射するヘッドランプにおいて、
    光源と、前記光源からの光を反射させるリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を路面などに照射する集光レンズと、前記リフレクタと前記集光レンズとの間に配置され、所定の配光パターンを形成する2枚の薄板構造のシェードと、を備え、
    前記2枚の薄板構造のシェードは、前記集光レンズ側の前方側シェードと前記リフレクタ側の後方側シェードとから構成されており、
    前記前方側シェードの上下方向の長さが前記後方側シェードの上下方向の長さよりも短く、
    前記前方側シェードと前記後方側シェードとの相互に対向する内側面には、反射面がそれぞれ設けられており、
    前記前方側シェードの反射面は、前記リフレクタから前記集光レンズのほぼ下半部に進む反射光の一部であって、前記前方側シェードと前記後方側シェードとの間に入射した光を前記後方側シェードの反射面に反射させる導光反射面であり、
    前記後方側シェードの反射面は、前記前方側シェードの導光反射面からの光を前記集光レンズの下部側に反射させてオーバーヘッドサイン側に照射する出力反射面である、
    ことを特徴とするヘッドランプ。
  2. 前記前方側シェードの導光反射面、前記後方側シェードの出力反射面のうち少なくともいずれか一方には、光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載されたヘッドランプ。
  3. 前記光拡散手段は、前記後方側シェードの出力反射面のうち、前記前方側シェードの導光反射面の下端部と対向する位置に、前記前方側シェード側に突出したビードである、ことを特徴とする請求項2に記載されたヘッドランプ。
  4. 前記シェードは、前記シェードの姿勢を切り替えることにより、1個の前記光源で、所定のすれ違い用の配光パターンと、所定の走行用の配光パターンとが、それぞれ切り替わって得られる2灯式のヘッドランプにおける可動シェードである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載されたヘッドランプ。
  5. 前記前方側シェードの導光反射面、前記後方側シェードの出力反射面のうち少なくともいずれか一方には、前記シェード内を通過する光の光量を減少させる光量減少手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載されたヘッドランプ。
  6. 前記後方側シェードには、前記シェード内を通過した光の照射方向をオーバーヘッドサイン側の方向に規制する照射方向規制手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載されたヘッドランプ。
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