JP2006302778A - 車両用前照灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配光に寄与しないロス光を大きな面積で反射させることが可能となり、光源の出力を変えることなく、大光量の光を投影できる車両用前照灯を得る。
【解決手段】 本発明の車両用前照灯1は、ランプボディ2とカバー3で形成された灯室内4に、光源バルブ11と、メイン反射部13と、シェード14と、投影レンズ12と、光源11aの右前方に配置され光源11aから出射した光を反射する第1の右側サブ反射部15Rと、光源11aの左前方に配置され光源11aから出射した光を反射する第1の左側サブ反射部15Lと、第1の右側サブ反射部15Rによって反射された光を車両前方に向けて反射する第2の左側サブ反射部16Lと、第1の左側サブ反射部15Lによって反射された光を車両前方に向けて反射する第2の右側サブ反射部16Rと、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用前照灯に係り、特にプロジェクタ型の灯具ユニットを備えた車両用前照灯に関する。
車両用前照灯として近年、プロジェクタ型前照灯が多く採用されるようになってきている。このプロジェクタ型前照灯は、図11に示すように、車両前後方向に延びる灯具光軸Ax上に設けられた光源102と、この光源102からの光を前方へ向けて灯具光軸Ax寄りに反射させるリフレクタ104と、このリフレクタ104の前方側に設けられた集光レンズ106とを備えている。
さらに、このプロジェクタ型前照灯をすれ違いビーム用前照灯として用いる場合には、集光レンズ106とリフレクタ104との間に、リフレクタ104からの反射光の一部を遮蔽して上向き照射光を除去する遮光板(シェード)108が設けられる。このシェード108により、明暗境界線(カットオフライン)を有するすれ違いビーム用配光パターンを形成している。
近年、プロジェクタ型の灯具ユニットを備えた車両用前照灯は、大光量のものが望まれている。この種の車両用前照灯では、光源から出射してリフレクタにて反射し、投影レンズに入射した光については、投影レンズにより前方へ投影される有効光となる。ところが、例えば図12及び図13に示すように、リフレクタ104の下方に入射し、シェード108により遮られた光は、前方に投影される配光に寄与しないロス光となってしまう。このように、一般のプロジェクタ型の灯具ユニットにおいては、前方に投影される配光に寄与しないロス光が多く、このロス光の有効活用が求められている。
このような要求に応えるものとして、特許文献1に開示される車両用前照灯110がある。この車両用前照灯は、図14に示すように、反射鏡111のシェード112に遮蔽される部分に切欠部111aを設け、この切欠部111aに光源113からの直射光を、反射鏡111の左右側に反射させる第1補助反射鏡114(114L,114R)を設けている。また、反射鏡111の左右には灯具光軸Axと略平行に第1補助反射鏡114からの光を反射する第2補助反射鏡115(115L,115R)を設けている。したがって、本来、シェード112によってロス光となっていた光は、一方で左側の第1補助反射鏡114Lに反射された後、左側の第2補助反射鏡115Lへ入射し、さらに左側の第2補助反射鏡115Lによって反射されるとともに、他方で右側の第1補助反射鏡114Rに反射された後、右側の第2補助反射鏡115Rへ入射し、さらに右側の第2補助反射鏡115Rによって反射される。それぞれ左右の第2補助反射鏡115L,115Rによって反射された光は、適宜な配光特性を与える補助レンズ116を透過することで、有効活用可能となっている。
実開平4−135106号公報
しかしながら、第1補助反射鏡114,第2補助反射鏡115を設けた従来の車両用前照灯110は、シェード112により遮られるロス光を、灯具光軸Axを挟む右側のみ、或いは左側のみで第1補助反射鏡114に反射させた後、第2補助反射鏡115に反射させて有効光として前方へ照射させていた。このため、平面視において、第1補助反射鏡114と第2補助反射鏡115とは、灯具光軸Axに直交する線分に対し、大きな傾斜角度で配設できなかった。したがって、大きな反射面積を確保するためには、それぞれの補助反射鏡を灯具光軸Axに直交する方向に大きくしなければならないが、このような要求は、限られたサイズのランプボディでは実現が困難であった。その結果、これらの補助反射鏡は、ランプボディ幅寸法である灯具光軸直交方向の限られた小さな面積でしか形成できず、多くのロス光を有効に反射できなかった。
本発明は、限られたランプボディの灯室内スペースで、配光に寄与しないロス光を大きな面積で反射させることが可能となり、光源の出力を変えることなく、大光量の光を前方に投影することのできる車両用前照灯を提供することを目的とする。
上記目的を解決することのできる本発明に係る車両用前照灯は、ランプボディとカバーで形成された灯室内に、光を出射する光源を備えた光源バルブと、前記光源から出射した光を反射するメイン反射部と、前記メイン反射部によって反射された光を一部遮蔽するシェードと、前記メイン反射部によって反射された光を車両前方に投影する投影レンズと、を備えた車両用前照灯であって、前記光源の右前方に配置され、前記光源から出射した光を反射する第1の右側サブ反射部と、前記光源の左前方に配置され、前記光源から出射した光を反射する第1の左側サブ反射部と、前記光源の左側に配置され、前記第1の右側サブ反射部材によって反射された光を車両前方へ向けて反射する第2の左側サブ反射部と、前記光源の右側に配置され、前記第1の左側サブ反射部材によって反射された光を車両前方へ向けて反射する第2の右側サブ反射部と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る車両用前照灯において、前記第1の右側サブ反射部及び前記第1の左側サブ反射部は、それぞれ第1焦点が前記光源近傍に位置する略楕円断面を有し、前記第2の左側サブ反射部は、前記第1の右側サブ反射部の第2焦点に略一致する焦点を有し、前記第2の右側サブ反射部は、前記第1の左側サブ反射部の第2焦点に略一致する焦点を有していることが好ましい。
また、本発明に係る車両用前照灯において、前記第1の右側サブ反射部には、前記第1の左側サブ反射部に反射された光を通過させる右側透光部が形成され、前記第1の左側サブ反射部には、前記第1の右側サブ反射部に反射された光を通過させる左側透光部が形成され、前記右側透光部は、前記第1の左側サブ反射部の第2焦点近傍に配置され、前記左側透光部は、前記第1の右側サブ反射部の第2焦点近傍に配置されていることが好ましい。
もしくは、本発明に係る車両用前照灯において、前記第1の右側サブ反射部の下方に、前記第1の左側サブ反射部に反射された光を通過させる右側透光部が形成された右側板部が設けられ、前記第1の左側サブ反射部の下方に、前記第1の右側サブ反射部に反射された光を通過させる左側透光部が形成された左側板部が設けられ、前記右側透光部は、前記第1の左側サブ反射部の第2焦点近傍に配置され、前記左側透光部は、前記第1の右側サブ反射部の第2焦点近傍に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、光源から出射され、本来シェードにより遮られ、ロス光となってしまった光が、第1の右側サブ反射部に反射された後、灯具光軸に交差して第2の左側サブ反射部に入射した後、車両前方へ向けて反射され、第1の左側サブ反射部に入射した光が第2の右側サブ反射部に入射した後、車両前方へ向けて反射されることとなる。したがって、第1の右側サブ反射部と第1の左側サブ反射部とは、光源からの光を灯具光軸を挟む反対側の第2の右側,左側サブ反射部へ反射させればよいため、灯具光軸に直交する線分に対し、大きな傾斜角度での配置が可能となる。すなわち、限られたランプボディ内において、第1の右側,左側サブ反射部が傾斜配置可能となるので、反射面積を大きくすることができる。この結果、配光に寄与させることのできなかったロス光を十分に拾え、光源の出力を変えることなく、大光量の光を前方に投影することができる。
また、第1の右側サブ反射部及び第1の左側サブ反射部を略楕円断面で形成し、その第1焦点に光源を配置し、第2焦点に、第2の右側,左側サブ反射部の焦点を一致させた場合には、本来シェードによりロス光となっていた光を、効率よく、有効光として前方へ照射することができるようになる。
さらに、第1の左側サブ反射部に反射した光を通過させる右側透光部を第1の右側サブ反射部に設け、第1の右側サブ反射部に反射した光を通過させる左側透光部を第1の左側サブ反射部に設け、右側透光部を第1の左側サブ反射部の第2焦点近傍に配置し、左側透光部を第1の右側サブ反射部の第2焦点近傍に配置した場合には、第1の右側,左側サブ反射部に反射された光を、第2の右側,左側サブ反射部へ照射可能にしながら、第1の右側,左側サブ反射部それぞれの反射面を大きく確保することができるようになる。この結果、本来シェードによりロス光となっていた光を、効率よく、大光量の有効光として前方へ照射することができる。
もしくは、第1の右側サブ反射部の下方に第1の左側サブ反射部に反射された光を通過させる右側透光部が形成された右側板部が設けられ、第1の左側サブ反射部の下方に、第1の右側サブ反射部に反射された光を通過させる左側透光部が形成された左側板部が設けられ、右側透光部を第1の左側サブ反射部の第2焦点近傍に配置し、左側透光部を第1の右側サブ反射部の第2焦点近傍に配置した場合には、第1の右側,左側サブ反射部に反射された光を、第1の右側,左側サブ反射部より下方に位置する第2の右側,左側サブ反射部へ照射可能にしながら、第1の右側,左側サブ反射部それぞれの反射面を大きく確保することができるようになる。この結果、本来シェードによりロス光となっていた光を、効率よく、大光量の有効光として前方へ照射することができる。
以下、本発明に係る車両用前照灯の実施の形態の例を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る実施形態の車両用前照灯の断面図である。
本実施形態による車両用前照灯1は、ランプボディ2と、このランプボディ2の前面開口を覆うように設けられた光透過性の透明カバー3によって画成され、ランプボディ2内部の灯室4には灯具ユニット5が配置されている。灯具ユニット5は、プロジェクタ型の灯具ユニットであって、エイミング機構31を介してランプボディ2に取り付けられており、このエイミング機構31を介して灯具ユニット5の取り付け角度を変化させて、灯具ユニット5の出射する光の光軸を調整可能にしている。透明カバー3には、その底部に、後方へ延在する外光反射板であるエクステンションリフレクタ30を有しており、このエクステンションリフレクタ30は、その後端が、灯具ユニット5の下方近傍まで延ばされている。
図2は図1に示した車両用前照灯の要部平面図、図3は図1に示した車両用前照灯の前方方向から見た要部正面図、図4は図1に示した車両用前照灯の要部斜視図、図5は透光部が設けられた第1の右側,左側サブ反射部を表す平面図である。
灯具ユニット5は、光源バルブ11と、投影レンズ12と、メイン反射部13と、シェード14と、第1の右側サブ反射部15Rと、第1の左側サブ反射部15Lと、第2の左側サブ反射部16Lと、第2の右側サブ反射部16Rとを備えている。
光源バルブ11は、例えばメタルハライドバルブ等の放電バルブであり、バルブ管11b内部の放電発光部により構成される光源11aから光を出射する。光源バルブ11は、メイン反射部13の側方に形成された貫通部(図示省略)から図3の横方向(矢印a方向)にバルブ管11bの軸線を一致させて挿着され、バルブサポート11c(図1参照)により固定されている。光源バルブ11は、灯具光軸Ax上に配置きれたメイン反射部13の第1焦点P1近傍に配置されている。光源バルブ11から出射してメイン反射部13の反射面13aに入射した光は、同じく光軸Ax上に配置されたメイン反射部13の第2焦点P2近傍に向かって反射される。
投影レンズ12は、シェード14の前方に配置された凸レンズであり、前方側に凸部12aが形成され、後方側に灯具光軸Axに垂直な平面形状の入射面12bが設けられている。投影レンズ12の後方焦点は、メイン反射部13の第2焦点P2近傍と略一致するように配置されており、シェード14により遮蔽されずシェード14の上方を通過したメイン反射部13からの光を略平行光として前方に投影する。
メイン反射部13のメイン反射面13aは、縦断面形状が少なくとも略回転楕円形状を有する反射面で形成されている。このメイン反射面13aの第1焦点P1の近傍には上記の光源バルブ11の光源11aが配置されている。メイン反射面13aは、光源11aから出射した光を反射して、その第2焦点P2の近傍に集光する。メイン反射面13aの第1焦点及び第2焦点近傍の点P1,P2は、それぞれ、投影レンズ12の灯具光軸Axを通る鉛直面内に配置されている。
メイン反射部13の光軸方向前方側には、シェード14が配置されている。シェード14は、光源バルブ11の光源11aから出射され、メイン反射部13のメイン反射面13aにて反射された光を一部遮蔽する遮蔽部材である。シェード14の上端縁14aは、車両前後方向においてメイン反射面13aの第2焦点P2の近傍に、長手方向が灯具光軸Axと直交するように配置されている。シェード14では、この上端縁14aが前方に投影される配光パターンの形状(カットオフライン)に応じた形状(明暗境界形成部)を有しており、この上端縁14aの形状に応じて第2焦点P2に向かう光を一部遮蔽する。
シェード14の後方近傍には、上記のPES光学系を邪魔しない範囲で、第1の右側サブ反射部15R及び第1の左側サブ反射部15Lが設けられている。
第1の右側サブ反射部15Rは、略楕円断面を有し、光源11aと略一致する位置に第1焦点F1Rを配置し、第2焦点F2Rを光源11aより下の左側に配置している。つまり、第1の右側サブ反射部15Rの第2焦点F2Rは、灯具光軸Axを挟んで第1の右側サブ反射部15Rの反対側に配置し、光源11aから出射した光を左後方へ反射する。
第1の左側サブ反射部15Lは、略楕円断面を有し、光源11aと略一致する位置に第1焦点F1Lを配置し、第2焦点F2Lを光源11aより下の右側に配置している。つまり、第1の左側サブ反射部15Lの第2焦点F2Lは、灯具光軸Axを挟んで第1の左側サブ反射部15Lの反対側に配置し、光源11aから出射した光を右後方へ反射する。
また、光源11aより下の左側には第2の左側サブ反射部16Lが設けられ、光源11aより下の右側には第2の右側サブ反射部16Rが設けられている。
第2の左側サブ反射部16Lは、横断面が任意のスプライン(放物線、楕円、双曲線、直線の複合)、縦断面が放物線で設定され(直線なら放物柱面になる)、光源11aより下方の左側に配設される。第2の左側サブ反射部16Lは、第1の右側サブ反射部15Rの第2焦点F2Rに略一致する焦点FLを有している。第2の左側サブ反射部16Lは、第1の右側サブ反射部15Rからの光を反射して、車両前方へ反転させる。
第2の右側サブ反射部16Rは、横断面が任意のスプライン(放物線、楕円、双曲線、直線の複合)、縦断面が放物線で設定され(直線なら放物柱面になる)、光源11aより下方の右側に配設される。第2の右側サブ反射部16Rは、第1の左側サブ反射部15Lの第2焦点F2Lに略一致する焦点FRを有している。第2の右側サブ反射部16Rは、第1の左側サブ反射部15Lからの光を反射して、車両前方へ反転させる。
また、第1の右側サブ反射部15Rには、第1の左側サブ反射部15Lに反射された光を通過させる右側透光孔21Rが形成されている。また、第1の左側サブ反射部15Lには、第1の右側サブ反射部15Rに反射された光を通過させる左側透光孔21Lが形成されている。右側透光孔21Rは、第1の左側サブ反射部15Lの第2焦点F2Lと略一致する位置に配置される。また、左側透光孔21Lは、第1の右側サブ反射部15Rの第2焦点F2Rと略一致する位置に配置されている。
このように、本実施形態の車両用前照灯1は、第1の左側サブ反射部15Lに反射した光を通過させる右側透光孔21Rを第1の右側サブ反射部15Rに穿設し、第1の右側サブ反射部15Rに反射した光を通過させる左側透光孔21Lを第1の左側サブ反射部15Lに穿設しており、右側透光孔21Rを第1の左側サブ反射部15Lの第2焦点F2L近傍に配置し、左側透光孔21Lを第1の右側サブ反射部15Rの第2焦点F2R近傍に配置しているため、第1の右側,左側サブ反射部15R,15Lに反射された光を、第2の右側,左側サブ反射部16R,16Lへ照射可能にしながら、第1の右側,左側サブ反射部15R,15Lのそれぞれの反射面を大きく確保することができるようになる。この結果、シェード14によりロス光となっていた光を、効率よく、大光量の有効光として前方へ照射することが可能となっている。
また、第1の右側,左側サブ反射部15R,15Lの第2焦点F2R及び第2焦点F2Lは、右側透光孔21R及び左側透光孔21Lより僅かに手前側(図5における下方側)に配置することが好ましい。これにより、第1の右側,左側サブ反射部15R,15Lからの反射光を、部分的に右側透光孔21R及び左側透光孔21Lの縁部により遮蔽させることができ、適宜形状とした右側透光孔21R及び左側透光孔21Lの孔形状によって所望の配光パターンに整形することが可能となる。
次に、この車両用前照灯の作用を説明する。
図6は本実施形態の構成により光源から出射される光の光路を模式的に表した側面図、図7は図6の平面図、図8は本実施形態による車両用前照灯の配光パターン例を(a)(b)で表す説明図である。
本実施形態の車両用前照灯1では、図6及び図7に示すように、光源11aから出射された光のうち、シェード14に遮られてロス光となっていた光の一部が、第1の右側サブ反射部15Rに反射され、光軸Axと交差するように第2の左側サブ反射部16Lに入射される。第2の左側サブ反射部16Lに入射した光は、前方へ反射され、カバー3を透過して車両前方へと出射されることとなる。また、光源11aから出射された光のうち、シェード14に遮られてロス光となっていた光の一部が、第1の左側サブ反射部15Lに反射され、第2の右側サブ反射部16Rに入射した光も前方へ反射され、カバー3を透過して車両前方へと出射されることとなる。
また、光源11aから出射され、メイン反射部13によって反射された光の一部がシェード14によって遮光され、図8に示すカットオフライン25を有した配光パターン26を車両前方へ投影する。この際、図8(a)に示すように、第2の右側サブ反射部16R、第2の左側サブ反射部16Lから出射される発光パターン27R,27Lを、左右方向に大きく拡散させることで、左右方向の視認性の向上を図ることが可能となる。また、図8(b)に示すように、配光パターン26の下に拡がる拡散光28を形成することで、正面に向けて路面手前側の視認性を向上させることも可能となる。
したがって、本実施形態による車両用前照灯1によれば、光源11aから出射されてもシェード14により遮られてロス光となってしまう光が、第1の右側サブ反射部15Rに反射された後、光軸Axと交差して第2の左側サブ反射部16Lに入射した後、車両前方へ向けて反射され、第1の左側サブ反射部15Lに入射した光が第2の右側サブ反射部16Rに入射した後、車両前方へ向けて反射されることとなる。したがって、第1の右側サブ反射部15Rと第1の左側サブ反射部15Lとは、光源11aからの光を光軸Axを挟む反対側の第2の右側,左側サブ反射部16R,16Lへ反射させればよいため、光軸Axに直交する線分に対し、大きな傾斜角度での配置が可能となる。すなわち、限られたランプボディ2内において、第1の右側,左側サブ反射部15R,15Lが傾斜配置可能となるので、反射面積を大きくすることができる。
この結果、配光に寄与させることのできなかったロス光を十分に利用することができ、光源11aの出力を変えることなく、大光量の光を前方に投影することができる。
また、第1の右側サブ反射部15R及び第1の左側サブ反射部15Lを、略楕円断面で形成し、その第1焦点F1R,F1Lに光源11aを配置し、第2焦点F2R,F2Lに、第2の右側,左側サブ反射部16R,16Lの焦点FR,FLを一致させたので、シェード14によりロス光となっていた光を、効率よく、有効光として前方へ照射することができるようになる。
なお、本実施の形態では、シェード14と、第1の右側サブ反射部15R及び第1の左側サブ反射部15Lを別体で構成した例を説明したが、本発明に係る車両用前照灯は、シェード14のメイン反射部13の対向面に、第1の右側サブ反射部15R及び第1の左側サブ反射部15Lを形成することで、シェード14と、第1の右側サブ反射部15R及び第1の左側サブ反射部15Lとを一体に構成するものであってもよい。
また、本実施の形態では、第1の右側サブ反射部15Rと第1の左側サブ反射部15Lとを左右に分け、第2焦点F2R、第2焦点F2Lを設定しているが、第1の右側サブ反射部15R、第1の左側サブ反射部15Lを左右に分けず、第2焦点F2R、第2焦点F2Lを一箇所に設定してもよい。
逆に第1の右側サブ反射部15R、第1の左側サブ反射部15Lを3つ以上に分割し、第2焦点F2R、第2焦点F2Lを3箇所以上に設定することも可能である。
さらに、実施の形態では、第2の右側サブ反射部16R、第2の左側サブ反射部16Lの反射面が放物柱面で、左右方向に向けて(光軸の向きを傾けて)設置しているが、他の反射面形状としてもよい。
また、上記実施形態では、第1の右側サブ反射部15R、第1の左側サブ反射部15Lに対して、第2の右側サブ反射部16R、第2の左側サブ反射部16Lが下方及び横方向へ配置され、全体として横長の配置構成となっているが、図9及び図10に示すように、第1の右側サブ反射部15R、第1の左側サブ反射部15Lに対して、第2の右側サブ反射部16R、第2の左側サブ反射部16Lを下方に配置して、全体として縦長の配置構成とすることもできる。その場合、第1の右側サブ反射部15Rと第2の右側サブ反射部16Rとの間に、第1の左側サブ反射部15Lに反射された光を通過させる右側透光孔36Rが形成された右側板部35Rを設け、第1の左側サブ反射部15Lと第2の左側サブ反射部16Lとの間に、第1の右側サブ反射部15Rに反射された光を通過させる左側透光孔36Lが形成された左側板部35Lを設けると良い。その際、右側透光孔36Rは、第1の左側サブ反射部15Lの第2焦点F2L近傍に配置し、左側透光孔36Lは、第1の右側サブ反射部15Rの第2焦点F2R近傍に配置して、第2焦点F2R,F2Lに、第2の右側,左側サブ反射部16R,16Lの焦点FR,FLを一致させることで、シェード14によりロス光となっていた光を、効率よく有効光として前方へ照射することができる。
なお、右側板部35Rと左側板部35Lは、別部材として構成しても、同一部材として一体的に構成しても良い。
また、光源バルブ11は、その光源11aから出射される光量が光源バルブ11の径方向へ多くなるため、上記実施形態のように光源バルブ11を車両前後方向に対して横差しにすると、メイン反射部13、第1の右側サブ反射部15R及び第1の左側サブ反射部15Lによって反射する光量が多くなる。そのため、光源バルブ11が横差しである場合は本発明が特に有効である。
また、上記の各透光孔は、光が透過できる透光部として構成されていればよく、孔構造にしなくても良い。例えば、光が透過する部材に対して、透光部となる位置にマスク処理を施した状態で反射膜蒸着等の加工を行い、透光部を形成することができる。
本発明に係る実施形態の車両用前照灯の断面図である。 図1に示した車両用前照灯の要部平面図である。 図1に示した車両用前照灯の前方方向から見た要部正面図である。 図1に示した車両用前照灯の要部斜視図である。 透光孔の穿設された第1の右側、左側サブ反射部を表す平面図である。 本実施形態の構成により光源から出射される光の光路を模式的に表した側面図である。 図6の平面図である。 本実施形態による車両用前照灯の配光パターン例を(a)(b)で表す説明図である。 本発明に係る他の実施形態の車両用前照灯の要部平面図である。 図9の構成により光源から出射される光の光路を模式的に表した側面図である。 従来の車両用前照灯の側面図である。 シェードにより遮られる光の状況を表した縦断面図である。 図12の横断面図である。 補助反射鏡を備えた従来の車両用前照灯の斜視図である。
符号の説明
1 車両用前照灯
2 ランプボディ
3 カバー
4 灯室
11 光源バルブ
11a 光源
12 投影レンズ
13 メイン反射部
14 シェード
15R 第1の右側サブ反射部
15L 第1の左側サブ反射部
16L 第2の左側サブ反射部
16R 第2の右側サブ反射部
21R,36R 右側透光孔(右側透光部)
21L,36L 左側透光孔(左側透光部)
35R 右側板部
35L 左側板部
F1R,F1L 第1焦点
F2R,F2L 第2焦点
FR,FL 第2焦点に略一致する焦点

Claims (4)

  1. ランプボディとカバーで形成された灯室内に、
    光を出射する光源を備えた光源バルブと、
    前記光源から出射した光を反射するメイン反射部と、
    前記メイン反射部によって反射された光を一部遮蔽するシェードと、
    前記メイン反射部によって反射された光を車両前方に投影する投影レンズと、を備えた車両用前照灯であって、
    前記光源の右前方に配置され、前記光源から出射した光を反射する第1の右側サブ反射部と、
    前記光源の左前方に配置され、前記光源から出射した光を反射する第1の左側サブ反射部と、
    前記光源の左側に配置され、前記第1の右側サブ反射部材によって反射された光を車両前方へ向けて反射する第2の左側サブ反射部と、
    前記光源の右側に配置され、前記第1の左側サブ反射部材によって反射された光を車両前方へ向けて反射する第2の右側サブ反射部と、を備えていることを特徴とする車両用前照灯。
  2. 請求項1に記載の車両用前照灯であって、
    前記第1の右側サブ反射部及び前記第1の左側サブ反射部は、それぞれ第1焦点が前記光源近傍に位置する略楕円断面を有し、
    前記第2の左側サブ反射部は、前記第1の右側サブ反射部の第2焦点に略一致する焦点を有し、
    前記第2の右側サブ反射部は、前記第1の左側サブ反射部の第2焦点に略一致する焦点を有していることを特徴とする車両用前照灯。
  3. 請求項1または2に記載の車両用前照灯であって、
    前記第1の右側サブ反射部には、前記第1の左側サブ反射部に反射された光を通過させる右側透光部が形成され、
    前記第1の左側サブ反射部には、前記第1の右側サブ反射部に反射された光を通過させる左側透光部が形成され、
    前記右側透光部は、前記第1の左側サブ反射部の第2焦点近傍に配置され、
    前記左側透光部は、前記第1の右側サブ反射部の第2焦点近傍に配置されていることを特徴とする車両用前照灯。
  4. 請求項1または2に記載の車両用前照灯であって、
    前記第1の右側サブ反射部の下方に、前記第1の左側サブ反射部に反射された光を通過させる右側透光部が形成された右側板部が設けられ、
    前記第1の左側サブ反射部の下方に、前記第1の右側サブ反射部に反射された光を通過させる左側透光部が形成された左側板部が設けられ、
    前記右側透光部は、前記第1の左側サブ反射部の第2焦点近傍に配置され、
    前記左側透光部は、前記第1の右側サブ反射部の第2焦点近傍に配置されていることを特徴とする車両用前照灯。
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