JP2005135366A - カレントミラー回路 - Google Patents

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周平 河井
Takashige Ogata
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Abstract

【課題】電源電圧が低く、あるいは負荷デバイスの抵抗値が大きい場合でもカレントミラー動作を可能にする。
【解決手段】第1のカレントミラー回路CM1は、定電流源CSの電流I1と等しい電流I2を第2のMOSトランジスタM2に流す。第1のオペアンプOP1は、第4のMOSトランジスタM4のドレインM4dの電位と第5のMOSトランジスタM5のドレインM5dの電位が等しくなるように、第3のMOSトランジスタM3のゲート電位を制御する。これにより、第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5のソースドレイン間電圧が等しくなり第2カレントミラー回路CM2のカレントミラー動作が可能になる。また、電源電圧Vddの低下等により、第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5が線形領域で動作するときには、第2のオペアンプOP2によってそれらのゲート電圧が高くなるように制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷デバイスに一定電流を供給するためのカレントミラー回路に関する。
従来例に係るカレントミラー回路について図2を参照しながら説明する。この回路は、図2に示すように、カレントミラーを構成するPチャネル型の第1のMOSトランジスタM1及び第2のMOSトランジスタM2、定電流源CS、負荷デバイスLDから構成されている。ここで、第1のMOSトランジスタ10のソースM1s及び第2のMOSトランジスタM2のソースM2sには電源電圧Vddが供給されている。この回路は、定電流源CSの電流I1と等しい電流値の電流I2を負荷デバイスLDに供給するものである。この種のカレントミラー回路については、例えば、以下の特許文献1に記載されている。
特開平10−97332号公報
しかしながら、電源電圧Vddが低いか、あるいは負荷デバイスLDの抵抗値が大きい場合には、第2のMOSトランジスタM2のドレインM2dの電位が大きく上昇し、第2のMOSトランジスタM2のソースドレイン間電圧Vdsが小さくなる。
すると、図3に示すMOSトランジスタ特性のように、この第2のMOSトランジスタM2は、飽和領域ではなく線形領域で動作するようになる。第2のMOSトランジスタM2が線形領域で動作すると、カレントミラーの動作ができなくなり、負荷デバイスLDに流れる電流I2の電流値は、定電流源12の電流I2の電流値と異なってしまう。このため、負荷デバイスLDの負荷が大きいときは、電源電圧Vddを高くせざるを得ないという問題があった。
そこで、本発明は、一対のPチャネル型MOSトランジスタで構成された第1のカレントミラー回路と、前記第1のカレントミラー回路の出力電流を流す制御用MOSトランジスタと、一対のNチャネル型MOSトランジスタで構成され、前記第1のカレントミラー回路の出力電流を負荷に供給する第2のカレントミラー回路と、前記一対のNチャネル型MOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記制御用MOSトランジスタのゲート電位を制御する第1のオペアンプと、前記一対のNチャネル型MOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記一対のNチャネル型MOSトランジスタのゲート電位を制御する第2のオペアンプと、を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、一対のPチャネル型MOSトランジスタで構成された第1のカレントミラー回路に流れる電流を一対のNチャネル型MOSトランジスタで構成された第2のカレントミラー回路に移し、一対のNチャネル型MOSトランジスタが線形領域で動作する場合であっても、そのゲート電位を第2のオペアンプによって高くするように制御することで、一対のNチャネル型MOSトランジスタに流れる電流を増加させているので、電源電圧が低く、あるいは負荷デバイスの抵抗値が大きい場合でも高精度のカレントミラー動作が可能になる。
特に、このカレントミラー回路を複数の負荷デバイスのドライバー回路として用いることにより、負荷デバイスの特性ばらつきによらず、高精度の電流制御が可能になる。また、電源電圧が低い場合でもカレントミラー動作が可能になるので、回路の動作範囲が広くなる。さらに、このカレントミラー回路の電源電圧をIC内の電源回路で昇圧して発生させる場合には、その電源回路の昇圧電圧が抑えられるため、電源回路の回路規模が小さくて済み、その分ICのチップ面積を縮小できる。
また、昇圧電圧が抑えられるために電源回路の電力変換効率の向上が図れる。さらに、携帯機器においては、その使用時間の長寿命化を図ることができる。
次に本発明を実施形態に係るカレトミラー回路ついて図面を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態に係るカレントミラー回路の回路図である。Pチャネル型の第1及び第2のMOSトランジスタM1,M2で第1のカレントミラー回路CM1が構成されている。第1のMOSトランジスタM1は、そのゲートとドレインM1dが互いに接続され、ソースM1sに電源電圧Vddが供給されている。
また、第2のMOSトランジスタM2のゲートは、第1のMOSトランジスタM1のゲートと互いに接続され、第2のMOSトランジスタM2のソースM2sには電源電圧Vddが供給されている。また、第1のMOSトランジスタM1のドレインM1dと接地の間には、定電流源CSが接続されている。前記第2のMOSトランジスタM2のドレインに、Nチャネル型の第3のMOSトランジスタM3のドレインが接続されている。
また、第3のMOSトランジスタM3と直列に接続され、ソースが接地された第4のMOSトランジスタM4が設けられている。また、ソースが接地されゲートが第4のMOSトランジスタM4のゲートと接続された第5のMOSトランジスタM5が設けられている。第4のMOSトランジスタM4及び第5のMOSトランジスタM5は、Nチャネル型であり、第2のカレントミラー回路CM2を構成している。そして、電源電圧Vddと第5のMOSトランジスタM5との間に負荷デバイスLDが接続されている。
また、第4のMOSトランジスタM4のドレインM4dの電位と第5のMOSトランジスタM5のドレインM5dの電位が、イマジナリーショートにより等しくなるように第3のMOSトランジスタM3のゲート電位を制御する第1のオペアンプOP1が設けられている。すなわち、第1のオペアンプOP1の負入力端子(−)に第4のMOSトランジスタM4のドレインM4dが接続され、その正入力端子(+)に第5のMOSトランジスタM5のドレインM5dが接続されている。そして、第1のオペアンプOP1の出力は第3のMOSトランジスタM3のゲートに接続されている。この第1のオペアンプOP1によって、第2のカレントミラー回路CM2のカレントミラー動作が可能になる。
さらに、第4のMOSトランジスタM4のドレインM4dの電位と第5のMOSトランジスタM5のドレインM5dの電位が、イマジナリーショートにより等しくなるように第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5のゲート電位を制御する第2のオペアンプOP2が設けられている。
すなわち、第2のオペアンプOP2の正入力端子(+)に第4のMOSトランジスタM4のドレインM4dが接続され、その負入力端子(−)に第5のMOSトランジスタM5のドレインM5dが接続されている。そして、第2のオペアンプOP2の出力は第4、第5のMOSトランジスタM4,M5のゲートに接続されている。この第2のオペアンプOP2によって、第4、第5のMOSトランジスタM4,M5が線形領域で動作するときに、ゲート電圧が高くなるように制御される。
次に、この回路の動作を説明する。第1のカレントミラー回路CM1は、定電流源CSの電流I1と等しい電流I2を第2のMOSトランジスタM2に流す。この電流I2は第3のMOSトランジスタM3、第4のMOSトランジスタM4にも流れる。
そこで、第1のオペアンプOP1は、第4のMOSトランジスタM4のドレインM4dの電位と第5のMOSトランジスタM5のドレインM5dの電位が、イマジナリーショートにより等しくなるように、第3のMOSトランジスタM3のゲート電位を制御する。これにより、第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5のソースドレイン間電圧が等しくなり、第2カレントミラー回路CM2のカレントミラー動作が可能になる。そして、電流I1,I2と等しい電流値の電流I3を負荷デバイスLDに供給できる。
また、電源電圧Vddの低下や負荷デバイスLDの抵抗値が高いために第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5が、MOSトランジスタの線形領域で動作するときには、第2のオペアンプOP2によって、ゲート電圧が高くなるように制御される。これにより、第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5には、飽和領域で動作しているときと同じ一定の電流値の電流I2,I3が流れ、カレントミラー動作が可能になる。
図4は第2の実施形態に係るカレントミラー回路の回路図である。このカレントミラー回路は、第1の実施形態の第2のオペアンプOP2を削除し、第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5のゲートを第3のMOSトランジスタM3のドレインに接続したものである。このカレントミラー回路によれば、電源電圧Vddの低下や負荷デバイスLDの抵抗値が高いために第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5のドレインM4d,M5dの電位が低くなり、これらのMOSトランジスタが線形領域で動作するときには、第1のオペアンプOP1の働きにより、第3のMOSトランジスタM3のゲートの電位が低くなるため、第3のMOSトランジスタM3のオン抵抗が高くなり、第3のMOSトランジスタM3のソースの電位が持ち上がる。
すると、第3のMOSトランジスタM3のソースと接続されている第4及び第5のMOSトランジスタM4,M5のゲートの電位も高くなり、大きな電流が流れるため、安定したカレントミラー動作が可能になる。一方、第5のMOSトランジスタのドレインM5dの電位が高くなるような状況では、第1のオペアンプOP1は第3のMOSトランジスタのゲートの電位を低くするように制御するので、第3のMOSトランジスタM3のオン抵抗が下がり、このカレントミラー回路は通常のカレントミラー回路と同様な回路動作を行う。
上述した第1及び第2の実施形態のカレントミラー回路を複数の負荷デバイス、例えば、液晶のバックライト用の白色LED、のドライバー回路として用いることにより、負荷デバイスの特性ばらつき、例えば、白色LEDの順方向しきい値電圧VFのばらつきによらず、高精度の電流制御が可能になる。
また、電源電圧Vddが低い場合でもカレントミラー動作が可能になるので、回路の動作範囲が広くなる。さらに、このカレントミラー回路の電源電圧VddをIC内の電源回路、例えば、チャージポンプ回路やスイッチングレギュレータで昇圧して発生させる場合には、その電源回路の昇圧電圧が抑えられるため、電源回路の回路規模が小さくて済み、その分ICのチップ面積を縮小できる。また、昇圧電圧が抑えられるために電源回路の電力変換効率の向上が図れる。さらに、携帯機器においては、その使用時間の長寿命化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るカレントミラー回路の回路図である。 従来例に係るカレントミラー回路の回路図である。 MOSトランジスタの特性図である。 本発明の第1の実施形態に係るカレントミラー回路の回路図である。
符号の説明
M1 第1のMOSトランジスタ M2 第2のMOSトランジスタ
M3 第3のMOSトランジスタ M4 第4のMOSトランジスタ
M5 第5のMOSトランジスタ OP1 第1のオペアンプ
OP2 第2のオペアンプ CS 電流源
LD 負荷デバイス

Claims (6)

  1. 電流源と、負荷と、前記電流源からの電流が供給される制御用MOSトランジスタと、一対のMOSトランジスタで構成され、前記制御用MOSトランジスタからの電流を前記負荷に供給するカレントミラー回路と、前記一対のMOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記制御用MOSトランジスタのゲート電位を制御する第1のオペアンプと、前記一対のMOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記一対のMOSトランジスタのゲート電位を制御する第2のオペアンプと、を具備することを特徴とするカレントミラー回路。
  2. 前記電流源は一対のMOSトランジスタで構成された第2のカレントミラー回路であることを特徴とする請求項1に記載のカレントミラー回路。
  3. ゲートとドレインが接続され、ソースに電源電圧が供給された第1のMOSトランジスタと、ソースに電源電圧が供給されゲートに前記第1のMOSトランジスタのゲートが接続された第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタのドレインとソースが接続された第3のMOSトランジスタと、前記第3のMOSトランジスタと直列に接続され、ソースが接地された第4のMOSトランジスタと、ソースが接地されゲートが前記第4のMOSトランジスタのゲートと接続された前記第5のMOSトランジスタと、電源電圧と前記第5のMOSトランジスタとの間に接続された負荷デバイスと、前記第4のMOSトランジスタのドレイン電位と前記第5のMOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記第3のMOSトランジスタのゲート電位を制御する第1のオペアンプと、前記第4のMOSトランジスタのドレイン電位と前記第5のMOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記第4及び第5のMOSトランジスタのゲート電位を制御する第2のオペアンプと、を具備することを特徴とするカレントミラー回路。
  4. 前記第1及び第2のMOSトランジスタがPチャネル型であり、前記第3,第4及び第5のMOSトランジスタがNチャネル型であることを特徴とする請求項3に記載のカレントミラー回路。
  5. 電流源と、負荷と、前記電流源からの電流がソースに供給される制御用MOSトランジスタと、一対のMOSトランジスタで構成され、前記制御用MOSトランジスタのドレインから出力される電流を前記負荷に供給するカレントミラー回路と、前記一対のMOSトランジスタのドレイン電位が等しくなるように前記制御用MOSトランジスタのゲート電位を制御するオペアンプと、を具備し、前記一対のMOSトランジスタのゲートを前記制御用MOSトランジスタのドレインに接続したことを特徴とするカレントミラー回路。
  6. 前記電流源は一対のMOSトランジスタで構成された第2のカレントミラー回路であることを特徴とする請求項5に記載のカレントミラー回路。
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