JP2005134939A - 基準電圧発生回路及びそれを用いた電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】しきい値電圧が互いに異なる、定電流源を構成するNMOSデプレッショントランジスタQ1と、NMOSエンハンスメントトランジスタQ2が直列に接続されている。トランジスタQ1は、ドレインが電源電圧1に接続され、ゲートとソースが出力電圧端子3に接続され、基板がGND電位5に接続されている。トランジスタQ2は、ドレインとゲートが出力電圧端子3に接続され、ソースと基板がGND電位5に接続されている。
【選択図】図1
Description
トランジスタQ5はVgsが0Vで接続されているため、図11のQ5の波形からIconstなる定電流を流す。したがって、Ids=IconstとなるトランジスタQ6のVgsがVrefとなる。ゆえに、
Vref = Vt_e − Vt_d (1)
となり、Vrefが2つのトランジスタQ5,Q6のしきい値電圧Vt_e,Vt_dの差分で表わされることがわかる。
(1)2つのトランジスタQ5,Q6の温度特性がほぼ同一であることにより、Vrefの温度依存性が小さい。
(2)バンドギャップリファレンス回路などに比べてトランジスタが最低2つで構成できるため、比較的容易にかつ、小面積で構築できる。バンドギャップリファレンス回路とは、PN接合のVbe(ベース・エミッタ間の電圧)とサーマルボルテージVt(=kT/q)(kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは単位電荷)の温度特性の極性の違いを利用して温度係数の極めて小さい基準電圧Vrefを取りだすようにしたものである。
ここで、Vrefは
Vref=(Vt_e−Vt_d)/2 (2)
となり、低い基準電圧を設定するのに適している。
(1)2つのトランジスタQ5,Q6は別々のイオン注入工程によってしきい値電圧Vt_d,Vt_eをそれぞれ決定しているため、ばらつきは独立で、その差分はばらつきが大きくなり、結果としてVrefのばらつきが大きくなる。図13にトランジスタQ6のしきい値電圧Vt_eが高くなった場合の例を示す。破線が変化前の状態である。
ここで、上記NMOSトランジスタは上記NMOSデプレッショントランジスタとはしきい値電圧が異なるものであれば、エンハンスメント型であってもよいしデプレッション形であってもよい。また、本発明において、出力電圧端子の電圧変化分と実質的に同じ大きさの電圧変化とは、出力電圧端子の電圧変化に対して大きさが同じであることが望ましいが、最大で±50%以内の大きさの電圧変化であれば本件に示す効果が期待できる。
さらに、上記NMOSデプレッショントランジスタの基板バイアス係数が2〜3V1/2である例を挙げることができる。
さらに、上記NMOSデプレッショントランジスタの基板・ソース間電圧Vbs=0V時のしきい値電圧の絶対値の範囲が1〜2Vである例を挙げることができる。
ここで、上記PMOSトランジスタは上記PMOSデプレッショントランジスタとはしきい値電圧が異なるものであれば、エンハンスメント型であってもよいしデプレッション形であってもよい。
さらに、上記PMOSデプレッショントランジスタの基板バイアス係数が2〜3V1/2である例を挙げることができる。
さらに、上記PMOSデプレッショントランジスタの基板・ソース間電圧Vbs=0V時のしきい値電圧の絶対値の範囲が1〜2Vである例を挙げることができる。
さらに、基板バイアス係数γが2〜3V1/2の範囲であるようにすれば、上記差分電圧の変化に対する、上記差分電圧の基板バイアスがかかったPMOSデプレッショントランジスタのしきい値電圧の変化の線形性を高めて、ばらつきを抑える効果を一層高められることにより、一層変動が小さい基準電圧発生回路を得ることができる。
さらに、上記PMOSデプレッショントランジスタの基板・ソース間電圧Vbs=0V時のしきい値電圧の絶対値の範囲が1〜2Vであるようにすれば、基板バイアス係数を2〜3V1/2の範囲に設定した場合であっても、出力電圧において、PMOSデプレッショントランジスタがエンハンスメントになることがなく、回路誤動作を防ぐことができる。
Q1は定電流源を構成するNMOSデプレッショントランジスタ、Q2はNMOSエンハンスメントトランジスタである。トランジスタQ1とQ2は直列に接続され、しきい値電圧は互いに異なっている。
トランジスタQ1は、ドレインが電源電圧1に接続され、ゲートとソースが出力電圧端子3に接続され、基板がGND電位5に接続されている。
トランジスタQ2は、ドレインとゲートが出力電圧端子3に接続され、ソースと基板がGND電位5に接続されている。
Vref = Vt_e − Vt_d_Vsb (3)
となり、式(1)に比べてデプレッショントランジスタQ1のしきい値電圧は、基板バイアスがかかったときのもの(Vt_d_Vsb)に置き換わる。
基板バイアスVsbがかかった場合、しきい値電圧VthがΔVthだけ上昇する。また、図1を見れば明らかなように、出力電圧VrefそのものがデプレッショントランジスタQ1の基板バイアスVsbに相当する。このことと上記Vrefの式(3)を考え合わせてみれば、本発明の基準電圧発生回路においては、その出力電圧Vrefがプロセスばらつき等で上昇しようとするとデプレッショントランジスタQ1の基板バイアスVsbが増加し、しきい値電圧Vthが上昇して負帰還がかかり、出力電圧Vrefを一定にしようとする効果がある。
図3に、基板バイアス係数γ=0.5V1/2、基板バイアスVsb=0Vの条件におけるしきい値電圧Vth=−0.3VのデプレッショントランジスタのVth対Vsb波形を示す。
基板バイアスVsbが大きくなるほどしきい値電圧Vthが上昇しているのがわかる。
しかしながら、基板バイアスVsbが0.5V〜1.5Vの範囲で変化したときのしきい値電圧Vthの変化は0.2V程度である。これは出力電圧が1V変化したときに0.2Vの帰還の効果しかないことを示す。したがって帰還の効果を最大限生かそうとすれば、デプレッショントランジスタQ1の基板バイアス効果の最適設計が必須である。
基板バイアスVsbが0.5V〜1.5Vの範囲で変化したときのしきい値電圧Vthの変化は1V程度で、ほぼ線形の関係があり、この範囲で効率的に帰還をかけることができる。
しかしながら、基板バイアスVsb=0Vのとき、しきい値電圧Vth=1.5Vであり、エンハンスメントになってしまっているのがわかる。
これは、一般的なVthの式
Vth=2φf+Vfb+γ(2φf+Vsb) (4)
から明らかなように、基板バイアス係数γが基板バイアスVsb=0Vのときも2φf分に対して影響するため、基板バイアスVsb=0Vのときのしきい値電圧Vthも上昇してしまった結果である。
以上より、本発明に使用するデプレッショントランジスタQ1では、単に基板バイアス係数γを最適化するだけではなく、基板バイアスVsb=0Vのときのしきい値電圧Vthも最適化する必要があることがわかる。
デプレッショントランジスタQ1は、基板バイアスVsb=0Vのときのしきい値電圧Vth=−1.8V、基板バイアス係数γ=2.5V1/2、基板バイアスVsb=1Vのときのしきい値電圧Vth=−0.6Vに設計されている。しきい値電圧Vth=0.4VのエンハンスメントトランジスタQ2と組み合わせることにより、1V出力のバラツキの少ない基準電圧を得ることができる。
基板バイアス係数γはゲート膜厚と基板濃度によって制御可能であるので、基板バイアス係数γが2.5V1/2になるようにこれらを制御すればよい。例えば
γ=(2qεNsub/Cox)1/2 (5)
より、ゲート膜厚を60nm、基板濃度(Nsub)=6×1016cm-3程度に設定することで基板バイアス係数γ=2.5V1/2が得られる。
また、しきい値電圧Vthの制御についてはしきい値電圧補正用の不純物注入、例えばNMOSデプレッショントランジスタならリン又はヒ素を注入して、基板バイアスVsb=0Vのときのしきい値電圧Vth=−1.8Vを得ることができる。
図6に本発明の基準電圧発生回路の第2態様の一実施例の回路図を示す。
Q3はPMOSエンハンスメントトランジスタ、Q4は定電流源を構成するPMOSデプレッショントランジスタである。トランジスタQ3とQ4は直列に接続され、しきい値電圧は互いに異なっている。
トランジスタQ3は、ソースと基板が電源電圧1に接続され、ゲートとドレインが出力電圧端子3に接続されている。
トランジスタQ4は、ソースとゲートが出力電圧端子3に接続され、ドレインがGND電位5に接続され、基板が電源電圧1に接続されている。
この実施例において、電源電圧から出力電圧を引いた電圧がNMOSを用いた場合の基準電圧Vrefに相当するので、電源電圧1を基準に基準電圧が必要な場合に好適である。
そして、例えばしきい値電圧Vth=−0.4VのPMOSエンハンスメントトランジスタQ3と組み合わせることにより、(電源電圧−1)V出力のバラツキの少ない基準電圧を得ることができる。
直流電源7からの電源を負荷9に安定して供給すべく、定電圧発生回路11が設けられている。定電圧発生回路11は、直流電源7が接続される入力端子(Vbat)13、基準電圧発生回路(Vref)15、演算増幅器(比較回路)17、出力ドライバを構成するPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSと略記する)19、分割抵抗素子R1,R2及び出力端子(Vout)21を備えている。基準電圧発生回路15として、本発明の基準電圧発生回路を備えている。
この実施例では、基準電圧発生回路15として本発明の基準電圧発生回路を備えているので、プロセス変動や温度変化などの外的不安定要因に対して基準電圧の変動が小さい本発明の基準電圧発生回路により、出力電圧の安定化及び精度の向上を図ることができる。
電圧検出回路23において、17は演算増幅器で、その反転入力端子(−)に基準電圧発生回路15が接続され、基準電圧Vrefが印加される。入力端子(Vsens)25から入力される測定すべき端子の電圧が分割抵抗素子R1とR2によって分割されて演算増幅器17の非反転入力端子(+)に入力される。演算増幅器17の出力は出力端子(Vout)27を介して外部に出力される。基準電圧発生回路15として、本発明の基準電圧発生回路を備えている。
この実施例では、基準電圧発生回路15として本発明の基準電圧発生回路を備えているので、プロセス変動や温度変化などの外的不安定要因に対して基準電圧の変動が小さい本発明の基準電圧発生回路により、電圧検出能力の安定化及び精度の向上を図ることができる。
回路には、入力端子(Vin)29、出力端子(Vout、反転出力)31、GND端子(GND)33、ポンプ容量正側端子(CP+)35とポンプ容量負側端子(CP−)37が設けられている。ポンプ容量正側端子35とポンプ容量負側端子37の間には、外付け部品のコンデンサ(図示は省略)が接続されている。
GND電位43と出力端子31の間に、順にNMOSトランジスタ45,47が接続されている。NMOSトランジスタ45,47の間にポンプ容量負側端子37が接続されている。
発振回路51からVin電圧が発せられると、PMOSトランジスタ39とNMOSトランジスタ45はオフになり、他の2つのNMOSトランジスタ41,47はオンする。このとき、電荷をためたコンデンサは放電するが、出力端子31がGND端子33よりも低い電位にされているので、入力電圧でたまった電荷とは反転電圧が出力端子31から出力される。
上記の動作が繰り返されることにより、入力電圧の反転電圧で電流が流れ続ける。
例えば、図1に示した実施例では、デプレッショントランジスタQ1とエンハンスメントトランジスタQ2を1個ずつ備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、直列に接続されるデプレッショントランジスタ及びエンハンスメントトランジスタの個数は何個ずつであってもよい。
3 出力電圧端子
5 GND電位
7 直流電源
9 負荷
11 定電圧発生回路
13 入力端子
15 基準電圧発生回路
17 演算増幅器
19 PチャネルMOSトランジスタ
21 出力端子
23 電圧検出回路
25 入力端子
27 出力端子
29 入力端子
31 出力端子
33 GND端子
35 ポンプ容量正側端子
37 ポンプ容量負側端子
39 PMOSトランジスタ
41,45,47 NMOSトランジスタ
43 GND電位
49 基準電圧発生回路
51 発振回路
53,55 インバータ
Q1 NMOSデプレッショントランジスタ
Q2 NMOSエンハンスメントトランジスタ
Q3 PMOSエンハンスメントトランジスタ
Q4 PMOSデプレッショントランジスタ
R1,R2 分割抵抗素子
Claims (11)
- NMOSデプレッショントランジスタを定電流源とし、前記NMOSデプレッショントランジスタとはしきい値電圧が異なるNMOSトランジスタを前記NMOSデプレッショントランジスタに直列に結線することによって構成され、前記NMOSデプレッショントランジスタのドレインが電源電圧に、ゲートとソースが出力電圧端子に、基板がGND電位に接続されており、かつ、前記NMOSトランジスタのドレインとゲートが出力電圧端子に、ソースと基板がGND電位に接続された回路構成をもち、
前記NMOSデプレッショントランジスタは、前記出力電圧端子の電圧変化分と実質的に同じ大きさの電圧変化をしきい値電圧に与える基板バイアス係数をもち、かつエンハンスメント型にならない程度のしきい値電圧をもつ基準電圧発生回路。 - 出力電圧の範囲が0.5〜1.5Vである請求項1に記載の基準電圧発生回路。
- 前記NMOSデプレッショントランジスタの基板バイアス係数が2〜3V1/2である請求項1又は2に記載の基準電圧発生回路。
- 前記NMOSデプレッショントランジスタの基板・ソース間電圧Vbs=0V時のしきい値電圧の絶対値の範囲が1〜2Vである請求項1、2又は3に記載の基準電圧発生回路。
- PMOSデプレッショントランジスタを定電流源とし、前記PMOSデプレッショントランジスタとはしきい値電圧が異なるPMOSトランジスタを前記PMOSデプレッショントランジスタに直列に結線することによって構成され、前記PMOSデプレッショントランジスタのドレインがGND電位に、ゲートとソースが出力電圧端子に、基板が電源電圧に接続されており、かつ、前記PMOSトランジスタのドレインとゲートが出力電圧端子に、ソースと基板が電源電圧に接続された回路構成をもち、
前記PMOSデプレッショントランジスタは、前記出力電圧端子の電圧変化分と実質的に同じ大きさで極性が逆の電圧変化をしきい値電圧に与える基板バイアス係数をもち、かつエンハンスメント型にならない程度のしきい値電圧をもつ基準電圧発生回路。 - 電源電圧から出力電圧を差し引いた電圧の範囲が0.5〜1.5Vである請求項5に記載の基準電圧発生回路。
- 前記PMOSデプレッショントランジスタの基板バイアス係数が2〜3V1/2である請求項5又は6に記載の基準電圧発生回路。
- 前記PMOSデプレッショントランジスタの基板・ソース間電圧Vbs=0V時のしきい値電圧の絶対値の範囲が1〜2Vである請求項5、6又は7に記載の基準電圧発生回路。
- 入力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、前記分割抵抗回路からの分割電圧と前記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較するための比較回路をもつ電圧検出回路を備えた電源装置において、
前記基準電圧発生回路として請求項1から8のいずれかに記載の基準電圧発生回路を備えていることを特徴とする電源装置。 - 入力電圧の出力を制御する出力ドライバと、出力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、前記分割抵抗回路からの分割電圧と前記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較し、比較結果に応じて前記出力ドライバの動作を制御するための比較回路をもつ定電圧発生回路を備えた電源装置において、
前記基準電圧発生回路として請求項1から8のいずれかに記載の基準電圧発生回路を備えていることを特徴とする電源装置。 - 基準電圧発生回路からの基準電圧に基づいて動作する発振回路からの発振出力に基づく内臓スイッチの切替え動作によりコンデンサに電荷を充放電させることで電流を流すチャージポンプ方式のDC/DCコンバータを備えた電源装置において、
前記基準電圧発生回路として請求項1から8のいずれかに記載の基準電圧発生回路を備えていることを特徴とする電源装置。
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