JP2008171070A - 電源装置およびそれを用いた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力電圧が低下した状態において、出力電流能力が低下する。
【解決手段】レギュレータ10は、一端に入力電圧Vinが印加された出力トランジスタM1を含み、当該出力トランジスタM1のオンの程度を調節し、出力トランジスタM1の他端から、安定化された出力電圧Voutを出力する。検出電圧生成部30は、レギュレータ10の出力トランジスタM1に流れる出力電流Ioutに応じた検出電流Id1を、検出電圧Vdに変換する。コンパレータ22は、検出電圧生成部30により生成された検出電圧Vdを、しきい値電圧Vthと比較し、検出電圧Vdの方が高いとき、レギュレータ10の出力トランジスタM1をオフさせる。検出電圧生成部30は、検出電圧Vdを入力電圧Vinに応じて変化させる。
【選択図】図1
【解決手段】レギュレータ10は、一端に入力電圧Vinが印加された出力トランジスタM1を含み、当該出力トランジスタM1のオンの程度を調節し、出力トランジスタM1の他端から、安定化された出力電圧Voutを出力する。検出電圧生成部30は、レギュレータ10の出力トランジスタM1に流れる出力電流Ioutに応じた検出電流Id1を、検出電圧Vdに変換する。コンパレータ22は、検出電圧生成部30により生成された検出電圧Vdを、しきい値電圧Vthと比較し、検出電圧Vdの方が高いとき、レギュレータ10の出力トランジスタM1をオフさせる。検出電圧生成部30は、検出電圧Vdを入力電圧Vinに応じて変化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、保護回路に関し、特に回路の過電流保護技術に関する。
電圧を安定化させる3端子レギュレータ(以下、単にレギュレータという)は、出力トランジスタとして、パワーMOSFET(Metal Oxicide Semiconductor Field Effect Transistor)や、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、バイポーラパワートランジスタなどを備える。出力トランジスタは、最大許容電流として、通常の動作時に流れる電流値に対して十分なマージンを持つよう設計されている。
ところが、このように十分な設計マージンを持つよう設計した場合においても、出力負荷回路が短絡した場合などにおいては、最大許容電流を超す大きな過電流が出力トランジスタに流れ、その信頼性に影響を及ぼすという問題がある。また、出力トランジスタの最大許容電流以下であっても、レギュレータに接続される負荷回路を保護するために、電流制限をしたい場合もある。
そこで従来においては、過電流からトランジスタを保護し、あるいは、負荷回路に流れる電流を制限するために、レギュレータの出力電流をモニタし、電流制限機能をもった保護回路を設けていた。特許文献1、2には関連技術が開示される。
レギュレータの出力電流Ioutをモニタするために、出力トランジスタとカレントミラー接続されたトランジスタ(以下、検出トランジスタという)を設けた回路について検討する。出力トランジスタ、検出トランジスタがいずれも定電流領域(電界効果トランジスタFETの飽和領域、バイポーラトランジスタの活性領域)で動作する場合、検出トランジスタには、出力トランジスタに比例した電流Imが流れる。ところが、出力トランジスタのソースドレイン間電圧(もしくはエミッタコレクタ間電圧)が小さくなると、出力トランジスタのオン抵抗が増加し、電流の比Im/Iout(以下、ミラー比という)が変化してしまう。
レギュレータの出力トランジスタの一端には、入力電圧が印加されている。したがって、入力電圧が低下すると、出力トランジスタのドレインソース間電圧が小さくなり、検出トランジスタに流れる電流Imは、実際に流れている出力電流Ioutよりも大きな値を示すことになる。その結果、本来電流制限を行うべきでない状態で電流制限がかかり、出力電流能力が低下する。
以上の考察を、本発明の分野における共通の一般知識の範囲の容認として捉えてはならない。
以上の考察を、本発明の分野における共通の一般知識の範囲の容認として捉えてはならない。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力電圧が低下した状態において、出力電流能力の低下を抑制したレギュレータの提供にある。
本発明のある態様は、電源装置に関する。この電源装置は、一端に入力電圧が印加された出力トランジスタを含み、当該出力トランジスタのオンの程度を調節し、出力トランジスタの他端から、安定化された出力電圧を出力するリニアレギュレータと、リニアレギュレータの出力トランジスタに流れる出力電流に応じた検出電流を、検出電圧に変換する検出電圧生成部と、検出電圧生成部により生成された検出電圧を、しきい値電圧と比較し、検出電圧の方が高いとき、リニアレギュレータの出力トランジスタをオフさせるコンパレータと、を備える。検出電圧生成部は、検出電圧を入力電圧に応じて変化させる。
この態様によると、入力電圧が変化して出力トランジスタのドレインソース間電圧(もしくはコレクタエミッタ間電圧)が変化すると、それに応じて検出電圧が変化する。その結果、入力電圧に応じて、電流制限がかかる出力電流の上限値が変化するため、入力電圧が低い状態において、レギュレータの電流駆動能力が低下するのを抑制することができる。
なお、「出力トランジスタをオフさせる」とは、完全にオフした状態のみでなく、帰還によって調節される状態よりも、オンの程度が弱められる状態を含む。
なお、「出力トランジスタをオフさせる」とは、完全にオフした状態のみでなく、帰還によって調節される状態よりも、オンの程度が弱められる状態を含む。
検出電圧生成部は、入力電圧が低くなるに従い、検出電圧を増大させてもよい。これによって、入力電圧に応じて、電流駆動能力を、段階的、もしくは連続的に変化させることができる。
検出電圧生成部は、出力トランジスタとカレントミラー接続された検出トランジスタと、検出トランジスタに流れる検出電流に応じた電流の経路上に、一端の電位が固定して設けられた検出抵抗と、入力電圧に応じた調節電流を生成し、検出電流に応じた電流に合成する電流調節部と、を含んでもよい。検出電圧生成部は、検出抵抗の電圧降下を、検出電圧として出力してもよい。
電流調節部は、差動対の一方に入力電圧に応じた電圧が印加され、他方に所定の電圧が印加された差動増幅器を含み、当該差動増幅器により生成される電流を調節電流としてもよい。
この場合、入力電圧と所定の電圧の差分に応じて変化する調節電流を好適に生成することができる。
この場合、入力電圧と所定の電圧の差分に応じて変化する調節電流を好適に生成することができる。
しきい値電圧は、リニアレギュレータの出力電圧に比例した電圧であってもよい。
この場合、出力電圧に応じて出力電流の上限値が変化する「フの字特性」を実現することができる。
この場合、出力電圧に応じて出力電流の上限値が変化する「フの字特性」を実現することができる。
検出電圧生成部は、出力トランジスタとカレントミラー接続された検出トランジスタと、検出トランジスタに流れる検出電流に応じた電流の経路上に、一端の電位が固定して設けられた検出抵抗と、を含み、入力電圧に応じて、検出抵抗の抵抗値を切り替えてもよい。
電源装置は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。この場合、回路面積を縮小できるとともに、素子の特性を均一化できる。
本発明の別の態様は、電子機器である。この電子機器は、電池と、電池の電圧を降圧するスイッチング電源と、入力電圧としてスイッチング電源の出力電圧を受け、かつ電池の電圧を電源電圧として動作する上述のいずれかの態様の電源装置と、を備える。
この態様によると、スイッチング電源の出力電圧が低下したときに、電源装置の負荷に対して供給される電流、電圧が低下するのを抑制することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、レギュレータの入力電圧が低下した状態において、出力電流能力の低下を抑制できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
また、本明細書において、「部材Aと部材Bが接続」された状態とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Aと部材Bの間に部材Cが設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Aと部材Bの間に部材Cが設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、本発明の実施の形態に係る電源装置100を備える電子機器200の構成を示す回路図である。
電子機器200は、電源装置100、電池110、負荷回路120、スイッチング電源130を備える。電池110は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などであって、5〜9V程度の電池電圧Vbatを生成する。
電子機器200は、電源装置100、電池110、負荷回路120、スイッチング電源130を備える。電池110は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などであって、5〜9V程度の電池電圧Vbatを生成する。
負荷回路120は、たとえば、SRAM(Static Random Access Memory)などのメモリや、マイコンなどであり、電池電圧より低い電源電圧Vddで動作する。たとえば、負荷回路120がSRAMの場合、電源電圧として1.5〜2V程度が必要とされる。
スイッチング電源130は、たとえばスイッチングレギュレータであって、電池110からの電池電圧Vbatを受け、これを降圧する。降圧された電圧は、入力電圧Vinとして電源装置100に供給される。入力電圧Vinは、SRAMの電源電圧Vddより高い電圧に設定される。
電源装置100は、スイッチング電源130からの入力電圧Vinを受け、これを安定化して、出力電圧Voutを負荷回路120に供給する。
以上が電子機器200全体の構成である。
以上が電子機器200全体の構成である。
以下、電源装置100の構成について説明する。電源装置100は、基準電圧に基づいて出力電圧Voutを一定に調節するレギュレータ10と、過電流保護回路20を備える。この過電流保護回路20によって、レギュレータ10の過電流状態が検出され、過負荷時あるいは負荷短絡時に、その駆動能力が落とされる。
電源装置100は、入力端子102、出力端子104、電源端子106を備える。入力端子102には入力電圧Vinが印加される。電源端子106には、電池110から出力される電池電圧Vbatが供給される。この電源装置100の出力端子104には負荷回路120が接続されている。出力端子104を介して負荷回路120に流れる電流を出力電流Ioutという。
レギュレータ10は、誤差増幅器12、出力トランジスタM1、第1抵抗R1、第2抵抗R2を含む一般的な3端子レギュレータであり、基準電圧Vrefに基づいて出力端子104の出力電圧Voutを一定に保つ。
出力トランジスタM1は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、一端(ドレイン)は入力端子102と接続され、入力電圧Vinが印加される。出力トランジスタM1の他端(ソース)は出力端子104と接続される。
出力トランジスタM1は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、一端(ドレイン)は入力端子102と接続され、入力電圧Vinが印加される。出力トランジスタM1の他端(ソース)は出力端子104と接続される。
誤差増幅器12の非反転入力端子には基準電圧Vrefが印加される。第1抵抗R1、第2抵抗R2は、出力電圧Voutを分圧して帰還電圧Vfbを生成する。帰還電圧Vfbは、誤差増幅器12の反転入力端子に印加される。誤差増幅器12の出力端子は、出力トランジスタM1の制御端子(ゲート)に供給される。
誤差増幅器12は、帰還作用により、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefと一致するように、出力トランジスタM1のゲート電圧Vgを制御する。ゲート電圧Vgによって、出力トランジスタM1のオンの程度が調節され、出力電圧Voutが
Vout=Vref×(R1+R2)/R2
が成り立つように安定化される。
Vout=Vref×(R1+R2)/R2
が成り立つように安定化される。
過電流保護回路20は、検出電圧生成部30と、コンパレータ22、第1トランジスタQ1を含む。
検出電圧生成部30は、レギュレータ10の出力トランジスタM1に流れる出力電流Ioutに応じた検出電流Id1を、検出電圧Vdに変換する。
コンパレータ22は、検出電圧生成部30により生成された検出電圧Vdを、しきい値電圧Vthと比較する。コンパレータ22は、Vd>Vthのとき、ハイレベルとなる比較信号S1を出力する。第1トランジスタQ1はNPN型バイポーラトランジスタであり、エミッタが接地され、コレクタが出力トランジスタM1のゲートに接続され、ベースに比較信号S1が入力される。
Vd>Vthのとき、第1トランジスタQ1がオンすることにより、ゲート電圧Vgが低下し、レギュレータ10の出力トランジスタM1がオフする。
Vd>Vthのとき、第1トランジスタQ1がオンすることにより、ゲート電圧Vgが低下し、レギュレータ10の出力トランジスタM1がオフする。
なお、本実施の形態において、しきい値電圧Vthとして出力電圧Voutに比例した帰還電圧Vfbを利用している。これにより、出力電圧Voutが低下するほど、出力電流の上限値が小さくなり、いわゆる「フの字特性」が実現できる。なお、しきい値電圧Vthとして固定電圧を利用してもよい。
すなわち、検出電圧生成部30は、出力電流Ioutに依存した検出電圧Vdを生成する。好ましくは検出電圧Vdは、出力電流Ioutに比例した電圧であり、出力電流Ioutが増加すると、検出電圧Vdが増大する。出力電流Ioutが所定の上限電流を超えると、検出電圧Vdがしきい値電圧Vthを超えて過電流状態と判定され、出力トランジスタM1がオフし、過電流保護機能が働く。
上述のように、検出電圧Vdは、出力電流Ioutに依存して変化する。さらに本実施の形態に係る検出電圧生成部30は、検出電圧Vdを、入力電圧Vinに依存して変化させる。図1の回路において、検出電圧生成部30は、入力電圧Vinが低くなるに従い、検出電圧Vdを増大させる。
図1の回路において、検出電圧生成部30は、検出トランジスタM2、第2トランジスタQ2、第3トランジスタQ3、検出抵抗R3、電流調節部24を含む。
検出トランジスタM2は、出力トランジスタM1と同型のNチャンネルMOSEFETであり、出力トランジスタM1とゲート、ソースが共通に接続されており、いわゆるカレントミラー接続される。
検出トランジスタM2は、出力トランジスタM1と同型のNチャンネルMOSEFETであり、出力トランジスタM1とゲート、ソースが共通に接続されており、いわゆるカレントミラー接続される。
検出トランジスタM2には、出力電流Ioutに応じた検出電流Id1が流れる。第2トランジスタQ2は、PNP型バイポーラトランジスタであり、検出電流Id1の経路上に設けられる。第2トランジスタQ2は、エミッタが電源端子106に接続され、コレクタが検出トランジスタM2のドレインに接続される。第3トランジスタQ3は、ベース、エミッタが第2トランジスタQ2と共通に接続され、カレントミラー回路を構成する。第3トランジスタQ3には、検出電流Id1に比例した電流Id2が流れる。
検出抵抗R3は、検出トランジスタM2に流れる検出電流Id1に応じた電流Id2の経路上に設けられる。検出抵抗R3は、一端が接地され、その電位が固定される。検出抵抗R3には、電流Id2が流れ込む。
電流調節部24は、可変電流源であって、検出抵抗R3と並列に設けられており、入力電圧Vinに応じた調節電流Iadjを生成する。調節電流Iadjは、入力電圧Vinが高いほど小さくなる。電流調節部24は、検出抵抗R3に流れ込む電流Id2から調節電流Iadjを引き抜くことにより電流を合成する。
すなわち、検出抵抗R3には、合成電流Icmb=(Id2−Iadj)が流れ込むことになる。その結果、検出抵抗R3には、合成電流Icmbに比例した電圧降下が発生する。検出抵抗R3の電圧降下が、検出電圧Vdとして出力される。
すなわち、検出抵抗R3には、合成電流Icmb=(Id2−Iadj)が流れ込むことになる。その結果、検出抵抗R3には、合成電流Icmbに比例した電圧降下が発生する。検出抵抗R3の電圧降下が、検出電圧Vdとして出力される。
検出電圧Vdは、
Vd=R3×(Id2−Iadj)
で与えられる。すなわち、検出電圧Vdは、出力電流Ioutに依存する成分(R3×Id2)と、入力電圧Vinに依存して変化する成分(R3×Iadj)を含むことになる。
Vd=R3×(Id2−Iadj)
で与えられる。すなわち、検出電圧Vdは、出力電流Ioutに依存する成分(R3×Id2)と、入力電圧Vinに依存して変化する成分(R3×Iadj)を含むことになる。
図2は、図1の電流調節部24の構成例を示す回路図である。電流調節部24は、差動増幅器を構成する第10トランジスタQ10〜第15トランジスタQ15、第10抵抗R10、第11抵抗R11を含む。
第10トランジスタQ10、第11トランジスタQ11、第14トランジスタQ14、第15トランジスタQ15はNPN型バイポーラトランジスタであり、第12トランジスタQ12、第13トランジスタQ13はPNP型バイポーラトランジスタである。
第10トランジスタQ10、第11トランジスタQ11は差動対を構成し、それぞれのベースには、入力電圧Vin、所定のバイアス電圧Vbが入力される。第10トランジスタQ10のエミッタと接地間には、第10抵抗R10が設けられ、第10トランジスタQ10のコレクタは、電源端子106と接続される。第11抵抗R11は、第11トランジスタQ11のエミッタと第10抵抗R10の間に設けられる。
第12トランジスタQ12は、第11トランジスタQ11の経路上に設けられる。第12トランジスタQ12のエミッタは電源端子106と接続され、そのコレクタは第11トランジスタQ11のコレクタと接続される。第13トランジスタQ13は、第12トランジスタQ12とカレントミラー接続される。
第14トランジスタQ14、第15トランジスタQ15はカレントミラー回路を構成しており、第13トランジスタQ13に流れる電流をコピーする。第15トランジスタQ15のコレクタは電流調節部24の出力端子となっており、第15トランジスタQ15に流れる電流が、調節電流Iadjとして出力される。
図2の電流調節部24によれば、入力電圧Vinとバイアス電圧Vbの差分に応じた調節電流Iadjを簡易に生成することができる。入力電圧Vinが高くなると、第10抵抗R10に発生する電圧降下が大きくなり、第11トランジスタQ11のエミッタ電圧が上昇して第11トランジスタQ11のコレクタ電流は減少する。その結果、調節電流Iadjも減少する。逆に、入力電圧Vinが低くなると、調節電流Iadjが増加する。
以上のように構成された電源装置100の動作を説明する。
過電流保護回路20は、検出電圧Vdとしきい値電圧Vthの比較によって過電流状態を検出する。つまり、
Vd>Vth …(1)
のとき、過電流状態と判定される。また、検出電圧Vdは、
Vd=R3×(Id2−Iadj) …(2)
で与えられる。したがって、
R3×(Id2−Iadj)>Vth …(3)
のとき、過電流状態となる。式(3)を変形すると、
R3×Id2>Vth+R3×Iadj …(4)
を得る。式(4)の左辺の電流Id2は、出力電流Ioutにほぼ比例する。したがって、式(4)の右辺が、過電流状態を判定するしきい値を与えるとみなすことができる。
Vd>Vth …(1)
のとき、過電流状態と判定される。また、検出電圧Vdは、
Vd=R3×(Id2−Iadj) …(2)
で与えられる。したがって、
R3×(Id2−Iadj)>Vth …(3)
のとき、過電流状態となる。式(3)を変形すると、
R3×Id2>Vth+R3×Iadj …(4)
を得る。式(4)の左辺の電流Id2は、出力電流Ioutにほぼ比例する。したがって、式(4)の右辺が、過電流状態を判定するしきい値を与えるとみなすことができる。
上述のように、入力電圧Vinが高いとき、調節電流Iadjは小さくなる。すなわち、式(4)の右辺のしきい値は小さくなる。したがって、入力電圧Vinが高い状態では、出力電流Ioutの上限値は低く設定されることになる。
これに対して、入力電圧Vinが低くなると、調節電流Iadjが高くなり、式(4)の右辺のしきい値は高くなる。したがって、入力電圧Vinが高い状態では、出力電流Ioutの上限値は高く設定されることになる。
このように、本実施の形態に係る電源装置100によれば、入力電圧Vinが低下する減電圧時に出力電流能力の低下を抑制することができる。
この効果は、特に図1の電子機器200のように、入力電圧Vinと電源装置100の電源電圧Vddが異なる場合において有効である。
図1の電源装置100において、入力電圧Vinが低下すると、出力トランジスタM1のドレインソース間電圧が小さくなる。一方、検出トランジスタM2のドレインには、別系統の電源電圧Vccが与えられる。したがって、出力トランジスタM1と検出トランジスタM2は、ゲートソース間電圧が等しく、ドレインソース間電圧が異なった状態となる。このとき、検出電流Idは、実際に出力トランジスタM1に流れる出力電流Ioutを過大に見積もることになる。このため従来の回路では、入力電圧Vinが低い状態において、出力電流Ioutの上限値が低く設定され、負荷に十分な電流を供給できない状況も発生しうる。
これに対して、本実施の形態に係る過電流保護回路20であれば、検出電圧Vdを入力電圧Vinに応じて変化させることにより、入力電圧Vinが低い状態で電流能力が低下するのを抑制することになる。
図1の電源装置100において、入力電圧Vinが低下すると、出力トランジスタM1のドレインソース間電圧が小さくなる。一方、検出トランジスタM2のドレインには、別系統の電源電圧Vccが与えられる。したがって、出力トランジスタM1と検出トランジスタM2は、ゲートソース間電圧が等しく、ドレインソース間電圧が異なった状態となる。このとき、検出電流Idは、実際に出力トランジスタM1に流れる出力電流Ioutを過大に見積もることになる。このため従来の回路では、入力電圧Vinが低い状態において、出力電流Ioutの上限値が低く設定され、負荷に十分な電流を供給できない状況も発生しうる。
これに対して、本実施の形態に係る過電流保護回路20であれば、検出電圧Vdを入力電圧Vinに応じて変化させることにより、入力電圧Vinが低い状態で電流能力が低下するのを抑制することになる。
また、図1の電子機器200でなくても、本実施の形態に係る電源装置100は有効である。出力トランジスタM1での消費電力は、出力電流Ioutとドレインソース間電圧の積で与えられる。したがって、入力電圧Vinが低い状態では、消費電力は小さくなるため、より大きな出力電流Ioutを許容することができる。したがって、過電流保護回路20によって、入力電圧Vinに応じて、検出電圧Vdを変化させることにより、最適な上限電流を設定することができる。
実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の特徴は、検出電圧Vdに入力電圧Vinを反映させる点にある。この観点から、図1の電源装置100には以下の変形例が例示される。
図1の電源装置100では、電流調節部24を設け、調節電流Iadjによって出力電流Ioutに応じた電流Id2を変化させ、検出抵抗R3に発生する電圧降下、すなわち検出電圧Vdを変化させる構成とした。これに対して、ある変形例においては、検出抵抗R3を可変抵抗としてもよい。そして、検出抵抗R3の抵抗値を、入力電圧Vinに応じて変化させてもよい。具体的には、入力電圧Vinの低下にともない、検出抵抗R3の抵抗値を低下させてもよい。この変形例によっても、出力電流Ioutと、入力電圧Vinの両方に依存した検出電圧Vdを生成することができる。
図1の電源装置100では、電流調節部24を設け、調節電流Iadjによって出力電流Ioutに応じた電流Id2を変化させ、検出抵抗R3に発生する電圧降下、すなわち検出電圧Vdを変化させる構成とした。これに対して、ある変形例においては、検出抵抗R3を可変抵抗としてもよい。そして、検出抵抗R3の抵抗値を、入力電圧Vinに応じて変化させてもよい。具体的には、入力電圧Vinの低下にともない、検出抵抗R3の抵抗値を低下させてもよい。この変形例によっても、出力電流Ioutと、入力電圧Vinの両方に依存した検出電圧Vdを生成することができる。
図1の電流調節部24は入力電圧Vinに応じて連続的に変化する調節電流Iadjを生成する。これに対して、変形例に係る電流調節部24は、入力電圧Vinを所定のしきい値と比較し、大小関係で調節電流Iadjの電流値を切り替えてもよい。
本実施の形態においては、出力トランジスタM1、検出トランジスタM2がNチャンネルMOSFETの場合について説明したが、これをPチャンネルMOSFETで構成してもよい。さらに、MOSFETに代えて、バイポーラトランジスタを利用してもよい。
さらに、その他のバイポーラトランジスタQ2、Q3等を、MOSFETで構成してもよい。トランジスタの選択は、電源装置100に要求される設計仕様、使用する半導体製造プロセスなどによって決めればよい。
さらに、その他のバイポーラトランジスタQ2、Q3等を、MOSFETで構成してもよい。トランジスタの選択は、電源装置100に要求される設計仕様、使用する半導体製造プロセスなどによって決めればよい。
本実施の形態において、電源装置100を構成する素子はすべて一体集積化されていてもよく、その一部がディスクリート部品で構成されていてもよい。どの部分を集積化するかは、コストや占有面積などによって決めればよい。
R1 第1抵抗、 R2 第2抵抗、 R3 検出抵抗、 M1 出力トランジスタ、 M2 検出トランジスタ、 Q1 第1トランジスタ、 Q2 第2トランジスタ、 Q3 第3トランジスタ、 10 レギュレータ、 12 誤差増幅器、 20 過電流保護回路、 22 コンパレータ、 24 電流調節部、 30 検出電圧生成部、 100 電源装置、 102 入力端子、 104 出力端子、 106 電源端子、 110 電池、 120 負荷回路、 130 スイッチング電源、 200 電子機器、 Vin 入力電圧、 Vout 出力電圧、 Vref 基準電圧、 Vth しきい値電圧、 Iout 出力電流。
Claims (8)
- 一端に入力電圧が印加された出力トランジスタを含み、当該出力トランジスタのオンの程度を調節し、前記出力トランジスタの他端から、安定化された出力電圧を出力するリニアレギュレータと、
前記リニアレギュレータの前記出力トランジスタに流れる出力電流に応じた検出電流を、検出電圧に変換する検出電圧生成部と、
前記検出電圧生成部により生成された前記検出電圧を、しきい値電圧と比較し、前記検出電圧の方が高いとき、前記リニアレギュレータの出力トランジスタをオフさせるコンパレータと、
を備え、
前記検出電圧生成部は、前記検出電圧を前記入力電圧に応じて変化させることを特徴とする電源装置。 - 前記検出電圧生成部は、前記入力電圧が低いほど、前記検出電圧を増大させることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
- 前記検出電圧生成部は、
前記出力トランジスタとカレントミラー接続された検出トランジスタと、
前記検出トランジスタに流れる検出電流に応じた電流の経路上に、一端の電位が固定して設けられた検出抵抗と、
前記入力電圧に応じた調節電流を生成し、前記検出電流に応じた電流に合成する電流調節部と、
を含み、検出抵抗の電圧降下を、検出電圧として出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。 - 前記電流調節部は、差動対の一方に前記入力電圧に応じた電圧が印加され、他方に所定の電圧が印加された差動増幅器を含み、当該差動増幅器により生成される電流を前記調節電流とすることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
- 前記しきい値電圧は、前記リニアレギュレータの出力電圧に比例した電圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
- 前記検出電圧生成部は、
前記出力トランジスタとカレントミラー接続された検出トランジスタと、
前記検出トランジスタに流れる検出電流に応じた電流の経路上に、一端の電位が固定して設けられた検出抵抗と、
を含み、前記入力電圧に応じて、前記検出抵抗の抵抗値を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。 - ひとつの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
- 電池と、
前記電池の電圧を降圧するスイッチング電源と、
入力電圧として前記スイッチング電源の出力電圧を受け、かつ前記電池の電圧を電源電圧として動作する請求項1に記載の電源装置と、
を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007001457A JP2008171070A (ja) | 2007-01-09 | 2007-01-09 | 電源装置およびそれを用いた電子機器 |
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JP2007001457A JP2008171070A (ja) | 2007-01-09 | 2007-01-09 | 電源装置およびそれを用いた電子機器 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2008171070A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010045942A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Rohm Co Ltd | 過電流保護回路及びこれを用いた電源装置 |
US10345833B2 (en) | 2016-06-28 | 2019-07-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Voltage-current converter and load driver |
CN116774766A (zh) * | 2023-07-26 | 2023-09-19 | 北京中科格励微科技有限公司 | 一种限流保护的高压输出线性稳压器电路 |
-
2007
- 2007-01-09 JP JP2007001457A patent/JP2008171070A/ja active Pending
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CN116774766B (zh) * | 2023-07-26 | 2024-03-26 | 北京中科格励微科技有限公司 | 一种限流保护的高压输出线性稳压器电路 |
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