JP2005134821A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Fuminari Koyama
文成 小山
Akihide Hagino
明秀 萩野
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Abstract

【課題】 重合性単量体組成物の液滴を形成するときに重合反応が進行する恐れが少ないので安全性に優れ、重合開始剤が重合性単量体組成物の液滴に速やかに吸収されるのでトナー粒子の粒径分布が広がることがなく且つトナー粒子の凝集体の生成を抑えることのできるトナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】 重合性単量体及び着色剤を含有し、重合開始剤を含有しない重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(A)を得、別途重合開始剤を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(B)を得、次いで分散液(A)と分散液(B)を混合した後、昇温して重合することによってトナーを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等によって形成される静電荷像を現像するためのトナーの製造方法に関する。
電子写真法は、感光体に形成された静電荷像を、着色粒子(トナー粒子)と外添剤とからなるトナー(現像剤)により現像して可視像とし、必要に応じて紙又はOHP等の転写材にトナー画像を転写した後、転写材上にトナー画像を定着して複写物又は印刷物を得る方法である。
トナーの製造方法は、粉砕法と重合法に大別される。このうち重合法には、乳化重合法、懸濁重合法などがあり、水性分散媒中で重合性単量体を重合することによって、直接樹脂粒子を得、必要に応じて会合させることにより、トナーを得る方法である。この重合法において、種々の処方が提案されている。
従来、懸濁重合法によりトナーを製造する場合、一段階で目標のトナー粒径とするために、重合性単量体、着色剤や離型剤等を含有する重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加した後、高速回転する攪拌装置を用いて、重合性単量体組成物の液滴がトナー粒径と同じ程度になるまで攪拌して分散液を得、次いで得られた分散液を反応器に移送し、分散液の温度を昇温することによって重合を行っている。通常、重合を行うために重合開始剤を添加することが一般的に行われているが、得られるトナー粒子の特性を一定にするには重合性単量体は重合する前の液滴に均一に添加されていることが好ましい。従って、これまで重合開始剤は重合性単量体組成物中に含有させて液滴を形成することが行われていた。しかしながら、重合開始剤を重合性単量体組成物中に含有させて高速で攪拌を行うと、分散液の温度が上昇して、本来分散液を移送して反応器で重合を行わなければならないところ、液滴を形成するための攪拌装置内で重合反応が起こることがあった。このため、この高速回転する攪拌装置を低温で制御できるように温度管理を厳密に行う必要があった。低温で制御するためには、その設備を設置する為の費用が必要となる、重合資材として使用する離型剤の選択の幅が狭くなる等の問題があった。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、重合温度よりも高温に加温された水性分散媒中で分散造粒し、造粒後に重合温度に冷却した該水性分散媒中へ実質的に非水溶性の重合開始剤を添加して懸濁重合するトナーの製造方法が開示されている。特許文献2には、重合性単量体及び着色剤を含有しており、重合開始剤を含有していない重合性単量体組成物を水性分散媒に投入して造粒し、その後水性分散媒中に重合開始剤を添加して重合するトナーの製造方法において、重合開始剤の添加時間及び添加時間と反応に使用する攪拌翼の単位時間当たりのパス回数との積を特定の数値にする重合トナーの製造方法が開示されている。
しかしながら、本発明者らが検討したところによると、これらの方法では、重合途中で凝集体が生成して収率が低下したり、一旦重合温度より高い温度から冷却する必要があるので生産性が低下したりする問題があることが分かった。
特許文献3には、重合性単量体及び着色剤を含有しており、重合開始剤を含有していない重合単量体組成物を水性分散媒に投入して造粒を開始し、その造粒途中に重合開始剤を添加して重合するトナーの製造方法において、重合開始剤の添加時間及び添加時間と反応に使用する攪拌翼の単位時間当たりのパス回数との積を特定の数値にする重合トナーの製造方法が開示されている。
しかしながら、この方法では造粒中の水性分散媒の温度が高いために造粒中に重合反応が進行する場合があり、トナーの粒径が広がったり、トナーが凝集したりする問題があった。
特開昭62−157050号公報 特開2002−62687号公報 特開2003−15351号公報
本発明の目的は、安全性に優れ、トナー粒子の粒径分布が狭く、且つトナー粒子の凝集体の生成を抑えることのできるトナーの製造方法が提供することにある。
本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、重合性単量体組成物を水性分散媒中に添加して形成された液滴に、重合開始剤を添加して重合するトナーの製造方法において、特定の方法で重合開始剤を添加することよって、上記目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、重合性単量体及び着色剤を含有し、重合開始剤を含有しない重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(A)を得、
別途重合開始剤を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(B)を得、
分散液(A)と分散液(B)を混合し、
次いで昇温して重合するトナーの製造方法が提供される。
本発明によれば、重合性単量体組成物の液滴を形成するときに重合反応が進行する恐れが少ないので安全性に優れ、重合開始剤が重合性単量体組成物の液滴に速やかに吸収されるのでトナー粒子の粒径分布が広がることがなく且つトナー粒子の凝集体の生成を抑えることのできるトナーの製造方法を提供される。
以下、本発明について詳述する。
本発明では、重合性単量体及び着色剤を含有し、重合開始剤を含有しない重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(A)を得る。
この分散液(A)は、更に離型剤、帯電制御剤及び分子量調整剤を含有していることが好ましく、必要に応じて磁性材料等を含有していてもよい。通常、これらの重合資材は、重合性単量体組成物中に含有されて、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加されて分散されるが、その一部は分散安定剤を含有する水性分散媒中に直接添加してもよい。
本発明において、分散液(A)を調製する好ましい方法としては、モノビニル単量体、マクロモノマー、着色剤、離型剤及び帯電制御剤をビーズミルなどのメディア型分散機を用いて均一に混合して、重合開始剤を含有しない重合性単量体組成物を得、分散安定剤を含有する水性分散媒中に該組成物を添加し、攪拌して重合性単量体組成物の液滴を形成する。次いで、該液滴に架橋性単量体及び分子量調整剤を添加し、高速回転する攪拌機を用いて、所望のトナー粒子の粒径となるように攪拌速度及び時間を調整して、更に小さな重合性単量体組成物の液滴を形成させて分散液(A)を調製する。分散液(A)を形成するときの水性分散媒の温度は、通常10〜80℃、好ましくは20〜50℃の範囲内に調整する。
重合性単量体として、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー等を挙げることができる。
モノビニル単量体としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との併用などが好適に用いられる。
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いるとホットオフセットが有効に改善される。架橋性単量体は、2個以上のビニル基を有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、単独で用いても、あるいは2種以上組み合わせて用いても良い。
架橋性単量体の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、2質量部以下、好ましくは、0.1〜1.5質量部である。
また、モノビニル単量体と共に、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。
また、マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも、高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好適には0.03〜5質量部、さらに好適には0.05〜1質量部である。
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナー分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粉;等を挙げることができる。
フルカラートナーを得る場合、通常、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用する。
イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、97、120、138、155、180、181、185および186等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー74、180および185が好ましい。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド31、48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントレッド31と150の混合物が好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、および60等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4が好ましい。
こうした着色剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.1〜50質量部、好ましくは1〜20質量部である。
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの離型剤のうち、多官能エステル化合物が好ましい。中でも、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜150℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80℃の範囲にある多官能エステル化合物は、定着時の定着−剥離性バランスに優れるトナーが得られるので好適である。特に、分子量が1000以上であり、25℃でスチレン100質量部に対し5質量部以上溶解し、酸価が10mgKOH/g以下であるものは定着温度低下に顕著な効果を示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定される値である。
本発明においては、重合性単量体組成物の液滴を調製するときに、重合開始剤を含有していないので、調製するときの水性分散媒の温度を高く設定することが可能になる。従って、離型剤として、重合性単量体に溶解するようなものを使用する際の選択の幅が広がり、また使用量を増量することが可能になり、それにより低温での定着性を改善することができる。
離型剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常0.5〜50質量部、好ましくは1〜20質量部である。
帯電制御剤としては、従来からトナーに使用されている帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤の中でも、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるので帯電制御樹脂が好ましい。帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造される4級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体を用いることができる。
これら共重合体からなる帯電制御樹脂に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を有する単量体単位は、共重合体中に0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である。含有量がこの範囲にあると、トナーの帯電量が制御し易く、カブリの発生を少なくすることができる。
帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常2,000〜50,000、好ましくは4,000〜40,000、さらに好ましくは6,000〜30,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより、トナーの彩度や透明性を維持することができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあることにより、トナーの保存性と定着性をバランスよく向上させることができる。
帯電制御剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
分子量調整剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。
分子量調整剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部の割合で用いられる。
また、磁性材料としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金およびその混合物等が挙げられる。
水性分散媒としては、通常、イオン交換水が用いられるが、重合を阻害しない範囲で、メタノール、エタノール等の親水性の有機溶媒を添加してもよい。
水性分散媒の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、100〜3000質量部、好ましくは200〜2000質量部の割合で使用する。
分散安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機塩、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の無機水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。
これらのうち、特に難水溶性の無機水酸化物コロイドを含有する分散安定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、分散安定剤の洗浄後の残存性が少なく、画像を鮮明に再現できるので好ましい。
難水溶性の無機水酸化物コロイドを含有する分散安定剤は、その製法による制限はないが、水溶性多価無機化合物の水溶液をpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性の無機水酸化物コロイド、特に水溶性多価無機化合物と水酸化アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶性の無機水酸化物コロイドを用いることが好ましい。
分散安定剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部の割合で使用する。この割合が上記範囲にあることで、充分な重合安定性が得られ、重合凝集物の生成が抑制され、所望の粒径のトナーを得ることができるので好ましい。
本発明では、重合開始剤を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(B)を調製する。分散液(B)の調製は、高速回転する攪拌機を用いて、水性分散媒の温度を、通常10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲内に調整して行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。
こうした中でも特に、使用される重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の重合開始剤を併用することもできる。
上記重合開始剤の量は、重合性単量体100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜15質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部用いる。
本発明では、重合開始剤が液体の場合にはそのまま添加して分散液(B)とすることができるが、重合開始剤が固体の場合は、上述した重合性単量体の一部に溶解するか、または有機溶媒に溶解して水性分散媒中に添加して分散液(B)を調製する。また、重合開始剤が液体の場合であっても、重合性単量体の一部または有機溶媒に溶解することもできる。
このときに使用する有機溶媒は重合開始剤を溶解できれば特に限定されないが、沸点が重合温度以上であり、且つ有機溶媒を回収するときにトナー中に残留する可能性が小さい、トルエン、メチルシクロヘキサン、オクタンなどが好ましい。重合開始剤を溶解させる重合性単量体または有機溶媒の量は、使用する重合開始剤の種類及び量によって変化するが、重合開始剤が溶解できる量であれば特に限定されない。しかしながら、トナーの製造を安全に行うこと、トナー中の揮発性有機化合物量を少なくすることから、その量は少なくすることが好ましい。重合開始剤を溶解するために重合性単量体の量は、通常、全重合性単量体の20質量%以下、好ましくは10質量%以下である。また、有機溶媒の量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、20質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
分散液(B)を調製するために使用する分散安定剤は、重合性単量体を分散させるものとして例示したものを使用することができる。分散安定剤はトナー表面に残留していると、トナー特性に悪影響を及ぼすことがあるので、重合終了後に取り除かれるが、その際、分散液(A)及び分散液(B)に使用する分散安定剤は同じものであることが好ましい。
分散液(B)を調整するために使用する分散安定剤の量は、重合性単量体の一部に溶解させる場合は、使用する重合性単量体の割合に応じて、上記した分散安定剤を比例配分して使用する。また、重合開始剤をそのまま用いる場合或いは有機溶媒に溶解させる場合は、重合性単量体に使用する分散安定剤と同じ比で、重合開始剤或いは重合開始剤と有機溶媒との合計量からその使用量を算出して使用する。
本発明では、上述のようにして得られた分散液(A)と分散液(B)とを混合した後、所定の温度まで昇温して重合する。
混合は、分散液(A)に分散液(B)を添加して混合しても、その逆であっても、また分散液(A)と分散液(B)とを別の容器に同時に添加してもよい。本発明においては、トナー製造に関わる全体的な量及び手順の観点から、分散液(A)に分散液(B)を混合することが好ましい。
好ましくは、重合性単量体組成物の液滴が分散している分散液(A)を反応器に移送し、該液滴が沈降しない程度の攪拌を維持しながら、上記分散液(B)を添加した後、所定の温度に昇温して重合を開始し、一定時間重合を継続した後に、反応を停止してトナー粒子の水性分散液を得る。重合温度は、通常、40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、重合時間は、1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。
本発明では、上述のようにして得られたトナー粒子をコア粒子として、このコア粒子の存在下にシェル用重合性単量体を添加、重合することに重合体層を形成させてコアシェル型トナーを製造することが好ましい。
シェル用重合性単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
シェル用重合性単量体を添加する際に、水溶性の重合開始剤を添加することがコアシェル型トナーを得やすくなるので好ましい。シェル用重合性単量体の添加の際に水溶性重合開始剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性重合開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しやすくなると考えられる。
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、通常、0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部である。
重合終了後、必要に応じて水性分散液からトナー定着時に臭気の問題となる未反応の重合性単量体及び開始剤由来の副生成物である揮発性有機化合物を除去することが好ましい。また、更に重合時に使用した分散安定剤が難水溶性無機化合物である場合は、それを可溶化してトナー粒子から除去するために、分散安定剤に応じて、酸洗浄やアルカリ洗浄を行う。その後、更に水洗浄と脱水を繰り返し行い、そして乾燥することによって、トナーを得る。乾燥温度は、通常、20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。
本発明のトナーの製造方法では、水性分散液を昇温して重合を開始する直前まで、重合性単量体と重合開始剤とが併存させることがない。或いは重合性単量体と重合開始剤とを併存させても、重合開始剤に対する重合性単量体の量を少なくすることができる。従って、トナーの製造を安全に行うことが可能になる。
本発明の製造方法で得られるトナーは、体積平均粒径(dv)が通常3〜10μmであり、好ましくは4〜9μm、更に好ましくは5〜8μmである。粒径が小さいと流動性が低下して、転写性が低下したり、カスレが発生したりし、また印字濃度が低下する。逆に大きいとカブリやトナー飛散が発生し、画像の解像度が低下する。
体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)の比である粒径分布(dv/dp)が1.0〜1.3であり、1.0〜1.2であると更に好ましい。粒径分布が大きいとカスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下を起こしたりすることがある。
本発明の製造方法で得られるトナーは、フロー式粒子像分析装置で測定される平均円形度が0.95〜0.995であり、好ましくは0.96〜0.99である。平均円形度が0.95より小さくなると、転写性が低下する。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、トナーの凹凸の度合いを示す指標である。この平均円形度は、トナーが完全な球形の場合に1を示し、トナー粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度(Ca)は、次式により求められた値である。
により算出される値を、以下の式(1)により平均した値である。
Figure 2005134821
上記式において、nは円形度(Ci)を求めた粒子の数であり、fiは円形度Ciの粒子の頻度であり、Ciは0.6〜400μmの円相当径の粒子群の各粒子について測定された周囲長を元に、次式より算出された各粒子の円形度である。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
この円形度及び平均円形度は、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」または「FPIA−2100」を用いて測定することができる。
本発明の製造方法で得られたトナーには外添剤を添加することが好ましい。外添剤は、一次粒子の個数平均粒径が5〜18nm、好ましくは7〜16nmのシリカ微粒子(A)を含有する。更に、外添剤には一次粒子の個数平均粒径が20〜120nmを含有することが好ましく、より好ましくは40〜80nmのシリカ微粒子(B)を含有するものである。トナー粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませることによって、粒子の帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
シリカ微粒子(A)は、平均粒径が小さいと感光体がフィルミングを起し易く、逆に大きいと流動性が低下してカスレ易くなることがある。シリカ微粒子(B)は、平均粒径が小さいと感光体がフィルミングを起し易く、逆に大きいと流動性が低下してカスレ易くなることがある。
これらのシリカ微粒子(A)あるいはシリカ微粒子(B)は、特に限定されないが、疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理されたシリカ微粒子は一般にも市販されているが、その他シランカップリング剤やシリコーンオイルなどで疎水化処理して得ることもできる。
疎水化処理の方法としては、この微粒子を高速で攪拌しながら、処理剤であるシリコーンオイル等を滴下又は噴霧する方法、処理剤を溶解して攪拌している有機溶媒中に微粒子を添加混合後、熱処理する方法等が挙げられる。前者の場合、処理剤は有機溶媒等で希釈しても構わない。
疎水化の程度はメタノール法で測定される疎水化度が20〜90%、好ましくは40〜80%である。疎水化度が小さいと高湿度下で吸湿し易く、疎水化度が高すぎると充分な研磨性が得られなくなりフィルミングが発生することがある。
シリカ微粒子(A)の添加量は特に限定されないが、トナー粒子100質量部に対して、通常0.1〜1.5質量部、好ましくは0.2〜1質量部である。この量が少ないと流動性が低下しカスレが発生することがあり、逆に多くなると流動性が高くなって、カブリ易くなることがある。
シリカ微粒子(B)の添加量は特に限定されないが、トナー粒子100質量部に対して、通常0.1〜3質量部、好ましくは0.2〜2質量部である。この量が少ないと研磨性が低下しフィルミングが発生することがあり、逆に多くなると流動性が低下して、カスレ易くなることがある。
外添剤は、ヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌することによって、トナー粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例では、以下の方法で評価した。
1.トナー特性
(1)体積平均粒径と粒径分布
トナーの体積平均粒径(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:100000個の条件で行った。
(2)平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散安定剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時のトナー濃度を3,000〜10,000個/μLとなるように調整し、1μm以上の円相当径のトナー粒子1,000〜10,000個についてシスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
(3)最低定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(24枚機)を、定着ロール部の温度を変化できるように改造して、定着ロールの温度を変化させて、5℃刻みで、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度と定着率の関係を求める定着試験を行った。
定着率は、定着ロールの温度が安定したところで、上記改造プリンターを用いて印字用紙にベタ印字を行い、印字した用紙のベタ領域について、テープ剥離操作前後の印字濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID前、テープ剥離後の画像濃度をID後として、定着率は、次式から算出した。
定着率(%)=(ID後/ID前)×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。
この定着試験において、定着率が80%以上になる定着ロールの温度のうち、最低の温度をトナーの最低定着温度とした。
(4)定着領域温度幅
上記改造プリンターを用いて、定着ロールの温度を5℃刻みで変化させて、温度が安定した後にベタ印字を行い、ホットオフセットの発生する温度を測定した。ホットオフセットが発生した時の定着ロール温度をトナーのホットオフセット温度とした。このホットオフセット温度と最低定着温度との差を定着領域温度幅として算出した。この温度幅が大きいほどプリンターの設計が容易となる。
(実施例1)
スチレン79部、n−ブチルメタクリレート10部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.25部、C.I.ピグメントブルー15:3(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名「FASTGENBLUE CT−BX121」)5部、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名「FCA−626NS」;重量平均分子量24,000、ガラス転移温度60℃)4部を、30℃で高速分散機(特殊機化工業社製、商品名「TKホモミキサーMARK II型」を用いて10,000rpmで10分間混合した。次いで、上記混合液にジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部を添加した後、スリーワンモーター(東京硝子器械株式会社製)で10分間攪拌して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、30℃でイオン交換水250部に塩化マグネシウム9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物、t−ドデシルメルカプタン1.75部及びジビニルベンゼン0.25部を添加した後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「エバラマイルダーMDN303V」)を用いて、15,000rpmで8分間処理して、重合性単量体組成物の液滴が分散している分散液(A)を調製した。
スチレン10部に2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、商品名「V−65」)5部を溶解して、重合開始剤のスチレン溶液を調製した。
また、30℃でイオン交換水25部に塩化マグネシウム0.98部を溶解した水溶液に、イオン交換水5部に水酸化ナトリウム0.69部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合開始剤のスチレン溶液を添加した後、上記高速分散機を用いて、5,000rpmで1分間処理して、重合開始剤の水性分散液(B)を調製した。
上記重合性単量体組成物が分散されて液滴が形成された水酸化マグネシウムコロイド分散液(A)を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、次いで重合開始剤の水性分散液(B)を反応器に添加して混合し、昇温して70℃で温度が一定となるように制御した。重合転化率がほぼ100%となった時に、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート1部及びイオン交換水10部に溶解した2,2’−アゾビス−〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド〕(和光純薬社製、商品名「VA−086」)0.1部を添加して、水性分散液を昇温して90℃で温度が一定になるように制御して、更に3時間重合を継続した後、水性分散液の温度を30℃まで冷却し、コアシェル型トナー粒子の水性分散液を得た。この水性分散液を目開き150μmの金網で濾過したところ、金網上に凝集物は見られなかった。
上記により得られたトナー粒子の水性分散液を攪拌しながら、硫酸を添加しpHを6.5以下に調整して酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して水洗浄を行った。その後、さらに脱水と水洗浄を数回繰り返し行った後、固形分を濾過分離し、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、体積平均粒径(dv)が7.1μm、粒径分布(dv/dp)が1.17、平均円形0.971のコアシェル型トナーを得た。
得られたコアシェル型トナー100部に、外添剤として一次粒子の個数平均粒径が7nmシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名「RX300」)0.5部及び一次粒子の個数平均粒径が45nmのシリカ微粒子(クラリアント社製、商品名「HDK−05TX」)2部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間、回転数1400rpmで混合した。得られたトナーの特性を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部を20部に変更し、重合性単量体組成物を調製するときの温度を30℃から40℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。重合後の水性分散液を目開き150μmの金網で濾過したところ、金網上に凝集物は見られなかった。
得られたトナーの特性を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部を、ペンタエリスリトールテトラパルミテート15部に変更し、重合性単量体組成物を調製するときの温度を30℃から50℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。重合後の水性分散液を目開き150μmの金網で濾過したところ、金網上に凝集物は見られなかった。得られたトナーの特性を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、重合開始剤の水性分散液とせずに、重合開始剤のスチレン溶液で添加した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。重合後の水性分散液を目開き150μmの金網で濾過したところ、金網上に全仕込み量に対して、30質量%の凝集物が見られた。得られたトナーの特性を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、スチレン79部を89部に変更し、重合開始剤の水性分散液とせずに、重合開始剤を粉体のまま直接反応器に添加した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。重合後の水性分散液を目開き150μmの金網で濾過したところ、金網上に全仕込み量に対して、32質量%の凝集物が見られた。得られたトナーの特性を表1に示す。
(比較例3)
スチレン89部、n−ブチルメタクリレート10部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.25部、C.I.ピグメントブルー15:3(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名「FASTGENBLUE CT−BX121」)5部、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名「FCA−626NS」;重量平均分子量24,000、ガラス転移温度60℃)4部を、50℃で高速分散機(特殊機化工業社製、商品名「TKホモミキサーMARK II型」を用いて10,000rpmで10分間混合した。次いで、上記混合液にジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部を添加した後、スリーワンモーター(東京硝子器械株式会社製)で10分間攪拌して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、50℃でイオン交換水250部に塩化マグネシウム9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物、t−ドデシルメルカプタン1.75部、ジビニルベンゼン0.25部及び2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、商品名「V−65」)5部を添加した後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「エバラマイルダーMDN303V」)を用いて、15,000rpmで8分間処理して、重合性単量体組成物の液滴を形成しようとしたところ、液滴の温度が上昇し始めて、明らかに重合反応が進行していることが分かったので、水性分散液を冷却した後、更に重合禁止剤を添加して反応を停止させた。反応を途中で停止させたのでその後の後処理行わず、トナーも評価しなかった。
Figure 2005134821
表1のトナーの評価結果から、以下のことがわかる。
重合開始剤を重合性単量体溶液として添加した比較例1の製造方法で得られたトナー及び重合開始剤を粉体のまま添加した比較例2の製造方法で得られたトナーは、同量の分散安定剤を使用しているにもかかわらず、体積平均粒径が大きくなり且つ粒径分布を広くなる。
これに対して、本発明の製造方法で得られたトナーは、体積平均粒径が小さく、粒径分布も狭い。

Claims (3)

  1. 重合性単量体及び着色剤を含有し、重合開始剤を含有しない重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(A)を得、
    別途重合開始剤を、分散安定剤を含有する水性分散媒中に添加して分散液(B)を得、
    分散液(A)と分散液(B)を混合し、
    次いで昇温して重合するトナーの製造方法。
  2. 分散液(B)に、更に重合性単量体が含有されている請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 重合によって得られるトナー中の揮発性有機化合物量を500ppm以下にする請求項1または2記載のトナーの製造方法。
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