JP2005134509A - 転写部材および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ローコストで良好な印刷品質が得られ、かつ転写電源の負担を軽減して寿命の長い転写部材を提供する。
【解決手段】 シングルパス方式カラー電子写真プリンタにおいてK,Y,M,C転写ユニットに記録媒体19を順次搬送する搬送転写ベルト1aを、ポリピロールを20[wt%]添加して得られたポリウレタン樹脂を材質とし、転写電流に相当する発生電流10[μA]の前後においての電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.26である導電性部材で形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成装置に用いられる搬送転写ベルトや転写ローラ等の導電性部材によって構成される転写部材に関するものである。
図1に示すシングルパス方式(タンデム方式)カラー電子写真プリンタでは、図2に示すように、転写ローラ12の軸芯−搬送転写ベルト1a−記録媒体19−感光体ドラム11間に、転写電源Epによって所定の転写電圧が印加されて、トナー17が感光体ドラム11から記録媒体19に転写される。
感光体ドラム11上から記録媒体19にトナー17が移動し、またトナーのない部分においては電荷が移動するため、電流が確認される。この電流を転写電流とすると、転写電流の電流量と印刷品質とは深い関連がある。図1のプリンタでは、K,Y,M,C転写ユニットの転写電源Epが印加する電圧(転写電圧)を個別に制御して最適な転写電流を発生させている。
また、転写ユニットの転写部材は、記録媒体19およびトナー像担持体である感光体ドラム11に接触する導電性部材としての転写搬送ベルト1aと、トナー像担持体には接触せずにトナー像担持体との間に適切なニップを確保するための導電性部材としての転写ローラ12との組合せによって構成されている。図4に示すように、転写ローラ12は、導電性の軸芯121と、導電性弾性部122とによって構成されている。
従来の転写ローラの導電性弾性部としては、例えば、シリコーン,ポリウレタン,エピクロルヒドリン,NBR,EPDM等の絶縁性材料に、周期表第1族の塩,周期表第2族の塩,アンモニウム塩等の電解質や、導電性ポリマーや、カーボンブラックを導電性材料として添加したものがある。
また、従来の転写搬送ベルトとしては、例えば、ポリカーボネート(PC),ポリフッ化ビニリデン(PVdF),ポリイミド(PI),ポリアミドイミド(PAI),エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の絶縁性樹脂に、カーボンブラックを導電性材料として添加したものがある。
従来の転写部材には、発生電流が印加電圧に比例してオーミックに増加し、電気抵抗値が印加電圧に依存しない導電性部材を用いたものがある。また、従来の転写部材には、印加電圧に依存して電気抵抗値が変化する高抵抗の導電性部材(半導電領域に抵抗管理された導電性部材)を用いたものもある。このような高抵抗の導電性部材では、発生電流は印加電圧に対して指数関数的に増加する。
発生電流が印加電圧に対して指数関数的に増加する上記特性を把握することは、非常に重要である。なぜなら、転写の善し悪しは、正しい転写電流が与えられているか否かで決ってくるので、この変化が急激なほど、転写電圧の設定幅は狭くなり、転写テーブルの調整が難しくなるからである。このような理由から、上記特性は、転写部材の特性の中で最も重要なパラメータの1つである。
また、もう1つ以下に説明する別の理由がある。感光体ドラムと転写ローラの軸芯との間には所定の電圧が印加されるが、幅狭で高抵抗のハガキ等の記録媒体を印刷する場合に、記録媒体が存在しない場所に接触する転写部材に比較して、記録媒体が存在する場所に接触する転写部材にかかる電圧は、記録媒体の抵抗に比例した分だけ小さい。発生電流が印加電圧の指数関数であるとき、転写電流は記録媒体がない部分により多くなる傾向が現れる。つまり、確認される転写電流の内訳として、トナーの移動に起因する部分は小さい。そのため、転写電流の総電流量は多くても、転写効率は悪い。さらに、転写電圧を増加していくと、非印刷領域に流れ込む電流量がいっそう増加していき、その結果、感光体ドラムに対する転写ショックを招く。このような理由からも、上記特性は、転写部材の特性の中で最も重要なパラメータの1つである。
そこで、印加電圧に対する部材の抵抗値の変化度合いを相対的に比較する尺度として、電圧依存度ΔRを準備する。それぞれの導電性部材において、例えば電流10[μA]を発生させる前後の電圧(比較電圧)をV1,V2(=2×V1)とし、比較電圧V1においての電気抵抗値をR(V1)、比較電圧V2においての電気抵抗値をR(V2)とするとき、電圧依存度ΔRを、
ΔR=(R(V1)−R(V2))/R(V1)
で定義する。半導電領域に抵抗管理された導電性部材は、この電圧依存度ΔRが小さいほど転写効率において高性能である。
なお、転写ローラの電気抵抗値R(V1),R(V2)は図5に示すようにして、転写搬送ベルトの電気抵抗値R(V1),R(V2)は図6に示すようにして、温度20[℃],湿度50[%]の環境で、図2の転写ユニットで使用されるときにトナーを転写させる方向について、それぞれ測定される。
また、複数の導電性部材で合成された転写部材の電圧依存度ΔRを求めるときは、それぞれの導電性部材の印加電圧−発生電流特性を求め、それらを合成した特性から求めることができる。また、電気抵抗値R(V1),R(V2)(比較電圧V1,V2)は、注目する電流値を発生する前後の電気抵抗値(印加電圧)から適当なものを適宜選択できる。
また、発生電流値として10[μA]を選んだ理由は、図1のプリンタで使用する転写電流値に相当する電流値(転写電流と同じ程度の電流値)だからである。プリンタが異なれば、トナーの帯電度合いや個々のプロセスによる部材の帯電度合い等が異なるから、最適な転写電流値が異なってくる。その場合の電圧依存度ΔRは、その最適な転写電流値を基準として、それに相当する発生電流値の前後の電気抵抗値(印加電圧)から求めることが望ましい。
半導電領域に抵抗管理された導電性部材を用いた従来の転写部材の電圧依存度ΔRは、一般に大きな値である。例えば、図10に示すように、導電性弾性部がカーボンブラックを添加したEPDMからなる従来の転写ローラは、電圧依存度ΔR=0.75、カーボンブラックを添加したポリアミドイミドからなる従来の転写搬送ベルトは、電圧依存度ΔR=0.86であり、いずれも電圧依存性が大きい。このため、上記電圧依存度ΔR=0.75のEPDMの転写ローラと上記電圧依存度ΔR=0.86の転写搬送ベルトの組合せによって構成された従来の転写部材は、電圧依存度ΔR=0.78であり、電圧依存性が大きなものとなる。
従来の転写ローラには、導電性弾性部に電解質や導電性ポリマーを添加した材質を用いることにより、電圧依存度ΔRを下げたものがる。このような電解質や導電性ポリマーを添加した転写ローラを用いて転写部材を構成することにより、半導電領域に抵抗管理された導電性部材で構成された転写部材の電圧依存度ΔRを下げることができる。なお、オーミックな特性を示す導電性部材を用いた従来の転写部材の電圧依存度ΔRは0である。
特開2002−14543号公報
しかしながら、電圧依存度ΔR=0の従来の転写部材(オーミックな特性の導電性部材で構成された従来の転写部材)では、最適な転写電流を流すために非常に高い転写電圧を印加する必要があり、転写電源に負担がかかり、転写部材の寿命も短くなるという課題があった。
また、電圧依存性ΔRが大きな値の従来の転写部材(半導電領域に抵抗管理された導電性部材で構成された従来の転写部材)では、転写電圧を低減することができるが、記録媒体の幅方向端部に近い位置で転写電流のリーク現象が発生し易くなり、トナーの転写効率が低下してしまうという課題があった。特に、幅狭の厚紙、ハガキの裏面、または特殊媒体(フィルム、OHP等)の端部の印刷において転写かすれが発生し易く、上記記録媒体に対する印刷品質が十分とは言い難かった。
また、導電性弾性部に電解質や導電性ポリマーを添加した従来の転写ローラを用いることにより、上記記録媒体に対して十分な印刷品質を得ることが可能になるが、電解質や導電性ポリマーを転写ローラの導電性弾性部に添加するには、絶縁材料との相溶性が必要であり、絶縁材料および電解質や導電性ポリマーの選択肢が限定され、電解質や導電性ポリマーがカーボンブラックに比べて高価なものとなり、転写ローラのコストアップを招いた。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、ローコストで良好な印刷品質が得られ、かつ転写電源の負担を軽減して寿命の長い転写部材を提供することを目的とする。
本発明の転写部材は、トナー像担持体に接触する導電性部材であって導電性ポリマーを8〜40[wt%]添加して得られたポリウレタン樹脂からなり、転写電流に相当する所定の電流を発生させる前後においての電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.34である導電性部材を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、トナー像担持体との間に適切なニップを確保する導電性部材に電圧依存度が大きなものを用いることができ、かつ転写部材を構成する導電性部材全体の電圧依存度を下げることができるので、ローコストで良好な印刷品質が得られ、かつ転写電源の負担を軽減して寿命の長い転写部材を実現できるという効果がある。
図1は本発明を適用するシングルパス方式(タンデム方式)カラー電子写真プリンタの構成図である。図1のプリンタは、それぞれブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の4つのイメージドラム(ID)カートリッジ1K,1Y,1M,1Cと、搬送転写ベルト1aと、定着ローラ1uと、加圧ローラ1vと、除電用ブラシ1bu,1bvとを備えている。
IDカートリッジ1Kは、感光体ドラム(トナー像担持体)11Kと、転写ローラ12Kとを備えており、IDカートリッジ1Yは、感光体ドラム(トナー像担持体)11Yと、転写ローラ12Yとを備えており、IDカートリッジ1Mは、感光体ドラム(トナー像担持体)11Mと、転写ローラ12Mとを備えており、IDカートリッジ1Cは、感光体ドラム(トナー像担持体)11Cと、転写ローラ12Cとを備えている。
また、図1のプリンタは、ブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の4つの転写ユニット(転写機構部)を備えている。IDカートリッジ1KはK転写ユニットを構成し、IDカートリッジ1YはY転写ユニットを構成し、IDカートリッジ1MはM転写ユニットを構成し、IDカートリッジ1CはC転写ユニット(C転写機構部)を構成している。これらK,Y,M,C転写ユニット(IDカートリッジ1K,1Y,1M,1C)は、この順序で記録媒体19の搬送の上流側から下流側に配置されている。
図2は図1においてのK,Y,M,C転写ユニットの構成図であり、図1と同様のものには同じ符号を付してある。K,Y,M,C転写ユニットのそれぞれは、感光体ドラム11と、転写部材を構成する導電性部材としての転写ローラ12と、トナー搬送スポンジローラ13と、現像ローラ14と、クリーニングローラ15と、チャージローラ16と、現像ブレード18と、上記転写部材を構成する導電性部材としての搬送転写ベルト1aと、固定抵抗Rpと、転写電源Epとを備えている。図2の感光体ドラム11,転写ローラ12は、例えばK転写ユニットでは、図1の感光体ドラム11K,転写ローラ12Kにそれぞれ相当する。なお、搬送転写ベルト1aは、K,Y,M,C転写ユニットに共通の1つのベルトである。
図1のプリンタでは、高電圧の印加による記録媒体19の誘電分極を利用して、記録媒体19を転写搬送ベルト1aに吸着させて搬送し、それぞれのIDカートリッジ1K,1Y,1M,1Cをこの順に通過させ、IDカートリッジ1K,1Y,1M,1Cごとに、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンのトナー17を記録媒体19に順次転写する。
K,Y,M,C転写ユニットのそれぞれでは、記録媒体19が搬送されるタイミングに合わせて、感光体ドラム11上の露光部に付着したトナー17が転写位置に移動する。この転写位置では、感光体ドラム11と転写ローラ12の軸芯121との間に、数百[V]〜数千[V]の電圧が印加される。トナー17は負に帯電しているので、感光体ドラム11に対して転写ローラ12が高電位になるように電圧印加がなされる。
図3は図2の転写ユニットにおいての転写プロセスを説明する断面図である。図3に示すように、転写搬送ベルト1aの感光体ドラム11に接触する側の表面が、誘電分極により正極に帯電することで、トナー17との間に引き合う向きの静電気力が働き、トナー17が記録媒体19に転写される。
上記転写プロセスの段階で記録媒体19に転写されたトナー17は、弱い静電気力で付着しているだけであるので、C転写ユニットの下流に配置された定着ローラ1uおよび加圧ローラ1vにおいての定着プロセスにより、トナー17を高温加熱・融解して記録媒体19に定着させる。そして、記録媒体19を排紙トレイ上に排出する。
感光体ドラム11上から記録媒体19にトナー17が移動し、またトナーのない部分においては電荷が移動するため、電流が確認される。この電流を転写電流とすると、転写電流の電流量と印刷品質とは深い関連がある。図1のプリンタでは、K,Y,M,C転写ユニットの転写電源Epが印加する電圧(転写電圧)を個別に制御して最適な転写電流を発生させている。
また、転写ユニットの転写部材は、トナー像担持体である感光体ドラム11に接触する導電性部材としての転写搬送ベルト1aと、トナー像担持体には接触せずにトナー像担持体との間に適切なニップを確保する導電性部材としての転写ローラ12との組合せによって構成されている。なお、上記ニップを確保する導電性部材は、弾性ローラ(転写ローラ)であることが多いが、ブラシ、シート等であっても同様な機能を有する。
図4は転写ローラ12の構造図である。図4に示すように、転写ローラ12は、導電性の軸芯121と、導電性弾性部122とによって構成されている。なお、導電性弾性部122は、場合によっては、導電性弾性層と導電性非弾性層とを複数層重ね合わせて構成されることもある。
図5は転写ローラの電気抵抗の測定手順を説明する図、図6は転写搬送ベルトの電気抵抗の測定手順を説明する図、図7は転写ローラと転写搬送ベルトの合成電気抵抗の測定手順を説明する図である。転写ローラは図5のようにして、転写搬送ベルトは図6のようにして、それぞれ電気抵抗が測定される。また、両導電性部材の組合せによって構成された転写部材は、図7のようにして、合成電気抵抗値が測定される。
図5〜図7に示すように、転写ローラおよび転写搬送ベルトの電気抵抗値は、図2の転写ユニットで使用されるときにトナーを転写させる方向について測定される。また、電気伝導度が温湿度と印加電圧に依存することが考えられるため、転写ローラの電気抵抗値は温度20[℃],湿度50[%]の環境で1000[V]を印加したときで定義され、転写ベルトの電気抵抗値は、温度20[℃],湿度50[%]の環境で200[V]を印加したときで定義される。
図8は図2の転写ユニットにおいての転写回路の回路図である。図8において、図2と同様のものには同じ符号を付してあり、Rrは転写ローラ抵抗(転写ローラ12の等価電気抵抗)、Rbは転写搬送ベルト抵抗(転写搬送ベルト1aの等価電気抵抗)、Rdは感光体ドラム抵抗(感光体ドラム11の等価電気抵抗)である。この転写回路は、転写電源Epと、固定抵抗Rpと、転写ローラ抵抗Rrと、転写搬送ベルト抵抗Rbと、感光体ドラム抵抗Rdとの直列回路である。
トナー転写時の転写搬送ベルト1aおよび転写ローラ12のトナー転写方向の抵抗値のばらつきは、転写電流(感光体ドラム11上から記録媒体19にトナー17が移動し、トナー17のない部分においては電荷が移動することによって確認される電流)が不安定になる要因であって、直接印刷品質に影響してくる。これを解消するために、図4の転写回路においては、例えば100[MΩ]の固定抵抗Rpをあらかじめ直列に挿入して、上記転写電流のばらつきを抑制している。
従来の転写ローラには、例えば、導電材料であるカーボンブラックを絶縁樹脂であるEPDMに添加して得られるものがある。また、従来の転写搬送ベルトには、例えば、導電材料であるカーボンブラックを絶縁材料であるポリアミドイミドに添加して得られるものがある。
以下、上記カーボンブラックを添加したEPDMの材質からなる転写ローラを、EPと表記する。また、上記カーボンブラックを添加したポリアミドイミドの材質からなる転写搬送ベルトを、PAIと表記する。さらに、転写ローラEPと転写搬送ベルトPAIとの導電性部材の組合せによって構成した転写部材を、EP+PAIと表記する。
図9は従来の転写ローラEPおよび転写搬送ベルトPAIならびに合成した転写部材EP+PAIの印加電圧−発生電流特性を示す図であり、図10は従来の転写ローラEPおよび転写搬送ベルトPAIならびに合成した転写部材EP+PAIの印加電圧1000[V],200[V]での電気抵抗値、発生電流10[μA]時の電気抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。
図9および図10から、従来の転写ローラEPの電気抵抗値(1000[V]印加時)は、4.75E+07(4.75×10)[Ω]である。また、従来の転写搬送ベルトPAIの電気抵抗値(200[V]印加時)は、4.91E+07(4.91×10)[Ω]である。
従来の転写ローラEPは、発生電流10[μA]の前後(比較電圧460[V],920[V])で、電圧依存度ΔR=0.75である。また、従来の転写搬送ベルトPAIは、発生電流10[μA]の前後(比較電圧460[V],920[V])で、電圧依存度ΔR=0.86である。さらに、転写ローラEPと転写搬送ベルトPAIとを合成した従来の転写部材EP+PAIの合成電気抵抗は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧620[V],1240[V])で、電圧依存度ΔR=0.78である。
なお、従来の転写ローラEPの発生電流10[μA]時の電気抵抗値は、7.81E+07(7.81×10)[Ω](印加電圧781[V])、従来の転写搬送ベルトPAIの発生電流10[μA]時の電気抵抗値は、2.49E+07(2.49×10)[Ω](印加電圧249[V])、従来の転写部材EP+PAIの発生電流10[μA]時の合成電気抵抗値は、1.03E+08(1.03×10)[Ω](印加電圧1030[V])である。
図9および図10から判るように、従来の転写ローラEPおよび従来の転写搬送ベルトPAIは、印加電圧の変化によって発生電流が大きく変化し、いずれも電気抵抗の電圧依存性が大きいので、従来の転写部材EP+PAIの合成電気抵抗も、電圧依存性が大きなものとなり、電圧依存度ΔR=0.78である。
印刷試験は、例えば、以下の手順でなされる。温度20[℃],湿度50[%]の印刷環境(以下、N/N環境とする)および温度10[℃],湿度20[%]の印刷環境(以下、L/L環境とする)で、記録媒体をハガキの裏面とし、印刷パターンとしてグレースケールとベタとを使用して印刷し、印刷良好な領域を判定する。
グレースケールは、像担持体上の単位面積当りのトナー密度が小さいため、比較的小さい電圧で転写をすることが可能である。一方、ベタは、像担持体上に密度最大限にトナーが担持されるため、転写は比較的大きい電圧が必要となる。現実の印刷時には、用紙1枚の中に様々なパターンが混在してくるため、転写部材の性能は、グレースケールとベタ両方の印刷パターンを、同じ転写電圧において鮮明に転写することが可能か否かにより判断できる。
上記印刷良好な領域とは、かすれおよび塵が発生しない印加電圧および転写電流の範囲である。それぞれの印刷を目視で確認し、かすれは濃度の薄い部分が有る場合であり、塵は転写が強すぎて転写ニップ前にトナーが引き寄せられ、引き寄せられた部分の画像が白抜けになる現象である。かすれは転写電流が弱すぎるとき(例えば転写電流8[μA]以下)に発生し、塵は転写電流が強すぎるとき(例えば転写電流10[μA]以上)に発生する。
図11は従来の転写部材EP+PAIに対する上記印刷試験の結果を示す図である。図11には、L/L環境でのベタパターンの印刷、L/L環境でのグレースケール(2×2)パターンの印刷、N/N環境でのベタパターンの印刷、N/N環境でのグレースケール(2×2)パターンの印刷のそれぞれについて、印刷良好な転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧および転写電流の範囲を示している。
N/N環境での印刷試験の結果について以下に説明する。図11から判るように、グレースケール(2×2)パターンは、印加電圧1420〜1580[V]のとき、転写電流9.0〜10.3[μA]の範囲で印刷良好である。また、ベタパターンは、印加電圧1680〜1950[V]のとき、転写電流11.5〜15.0[μA]の範囲で印刷良好である。上記2パターンを同時に良好に印刷できる電圧範囲が存在していないから、1枚の画像データの中に同時に存在するグレースケールとベタパターンを、ハガキ裏面に忠実に印刷することができない。つまり、従来の転写部材EP+PAIは、N/N環境で、転写部材としての機能を満足しているとは言えない。
L/L環境での印刷試験の結果について以下に説明する。図11から判るように、グレースケール(2×2)パターンは、印加電圧1540〜1640[V]のとき、転写電流6.8〜7.6[μA]の範囲で印刷良好である。ベタパターンは、印加電圧1970〜2350[V]のとき、転写電流10.0〜13.8[μA]の範囲で印刷良好である。上記2パターンを同時に良好に印刷できる電圧範囲が存在していないから、1枚の画像データ中に同時に存在するグレースケールとベタパターンを、ハガキ裏面に忠実に印刷することができない。つまり、従来の転写部材EP+PAIは、L/L環境でも、転写部材としての機能を満足しているとは言えない。
実施の形態1
本発明の実施の形態1では、導電性ポリマーであるポリピロールを、溶剤であるDMAC((CH3)2NCOCH3:ジメチルアセトアルマイド)に溶かし、イソシアネート(R−N=C=O)を添加するとともに、ドーパントからOH基およびCOOH基を取り除いたものを添加して得た溶液を、スピン成形法によって規定の周長の円筒シームレスに成形し、そのシームレスを規格の幅にカットして、導電性付与材としてポリピロールを含有したポリウレタン樹脂を材質とする転写搬送ベルトを得る。
上記ドーパントとしては、通常、プロトン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとして好ましいプロトン酸は、酸溶解定数、pKa値が4.8以下であるプロトン酸である。そのようなプロトン酸として、例えば、塩酸,硫酸,硝酸,リン酸,ホウフッ化水素酸,リンフッ化水素酸,過塩素酸等の無機酸の他、酸溶解定数pKa値が4.8以下である有機酸を挙げることができる。
また、本発明の実施の形態1では、導電性粉末であるカーボンブラックを添加した絶縁材料のEPDMを、軸芯と同時に押し出し、加硫・発泡させた後に、所定の長さおよび外径にカット・研磨して、転写ローラを得る。
この実施の形態1では、以下の実験(1),(2),(3)のような転写ローラと転写搬送ベルトとの導電性部材の組合せによって転写部材を構成する。実験(1)〜(3)において、転写搬送ベルトは、いずれもポリピロールをDMACに20[wt%]添加して得られた同じものであり、転写ローラのみが互いに異なる。以下、このポリピロールを20[wt%]添加して得られたポリウレアの材質からなる実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトを、PU(1)と表記する。
また、実験(2)の転写ローラにおいてのカーボンブラックの添加量は、実験(1)の転写ローラに比較して少なく、実験(3)の転写ローラにおいてのカーボンブラックの添加量は、実験(2)の転写ローラに比較して少ない。以下、EPDMの材質からなる実験(1)の転写ローラをEP(1)と、EPDMの材質からなる実験(2)の転写ローラをEP(2)と、EPDMの材質からなる実験(3)の転写ローラをEP(3)と、それぞれ表記する。
そして、上記転写ローラEP(1)と上記転写搬送ベルトPU(1)との導電性部材の組合せによって実験(1)の転写部材を、上記転写ローラEP(2)と上記転写搬送ベルトPU(1)との導電性部材の組合せによって実験(2)の転写部材を、上記転写ローラEP(3)と上記転写搬送ベルトPU(1)との導電性部材の組合せによって実験(3)の転写部材を、それぞれ構成する。以下、実験(1)の転写部材をEP(1)+PU(1)、実験(2)の転写部材をEP(2)+PU(1)、実験(3)の転写部材をEP(3)+PU(1)と、それぞれ表記する。
図12は実験(1)の転写ローラEP(1)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(1)+PU(1)の印加電圧−発生電流特性を示す図であり、図13は実験(1)の転写ローラEP(1)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(1)+PU(1)の印加電圧1000[V],200[V]での電気抵抗値、発生電流10[μA]時の電気抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。
また、図14は実験(2)の転写ローラEP(2)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(2)+PU(1)の印加電圧−発生電流特性を示す図であり、図15は実験(2)の転写ローラEP(2)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(2)+PU(1)の印加電圧1000[V],200[V]での電気抵抗値、発生電流10[μA]時の電気抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。
また、図16は実験(3)の転写ローラEP(3)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(3)+PU(1)の印加電圧−発生電流特性を示す図であり、図17は実験(3)の転写ローラEP(3)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(3)+PU(1)の印加電圧1000[V],200[V]での電気抵抗値、発生電流10[μA]時の電気抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。
図12および図13等から、実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)の電気抵抗値(200[V]印加時)は、7.07E+07(7.07×10)[Ω]である。また、転写搬送ベルトPU(1)は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧330[V],660[V])で、電圧依存度ΔR=0.26である。なお、転写搬送ベルトPU(1)の発生電流10[μA]時の電気抵抗値は、4.94E+07(4.94×10)[Ω](印加電圧494[V])である。
図12および図13から、実験(1)の転写ローラEP(1)の電気抵抗値(1000[V]印加時)は、2.86E+07(2.86×10)[Ω]である。また、転写ローラEP(1)は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧420[V],840[V])で、電圧依存度ΔR=0.80である。さらに、転写ローラEP(1)と転写搬送ベルトPU(1)を合成した実験(1)の転写部材EP(1)+PU(1)の合成電気抵抗値は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧690[V],1380[V])で、電圧依存度ΔR=0.57である。
なお、実験(1)の転写ローラEP(1)の発生電流10[μA]時の電気抵抗値は、6.85E+07(6.85×10)[Ω](印加電圧685[V])、実験(1)の転写部材EP(1)+PU(1)の発生電流10[μA]時の合成電気抵抗値は、1.18E+08(1.18×10)[Ω](印加電圧1179[V])である。
図14および図15から、実験(2)の転写ローラEP(2)の電気抵抗値(1000[V]印加時)は、7.45E+07(7.45×10)[Ω]である。また、転写ローラEP(2)は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧500[V],1000[V])で、電圧依存度ΔR=0.70である。さらに、転写ローラEP(2)と転写搬送ベルトPU(1)とを合成した実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)の合成電気抵抗は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧905[V],1810[V])で、電圧依存度ΔR=0.53である。
なお、実験(2)の転写ローラEP(2)の発生電流10[μA]時の電気抵抗値は、9.02E+07(9.02×10)[Ω](印加電圧902[V])、実験(2)の転写部材のEP(2)+PU(1)の発生電流10[μA]時の合成電気抵抗値は、1.37E+08(1.37×10)[Ω](印加電圧1371[V])である。
図16および図17から、実験(3)の転写ローラEP(3)の電気抵抗値は、1.11E+08(1.11×10)[Ω]である。また、転写ローラEP(3)は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧590[V],1180[V])で、電圧依存度ΔR=0.63である。さらに、転写ローラEP(3)と転写搬送ベルトPU(1)とを合成した実験(3)の転写部材EP(3)+PU(1)の合成電気抵抗は、発生電流10[μA]の前後(比較電圧1080[V],2160[V])で、電圧依存度ΔR=0.49である。
なお、実験(3)の転写ローラEP(3)の発生電流10[μA]時の電気抵抗値は、1.04E+08(1.04×10)[Ω](印加電圧1040[V])、実験(3)の転写部材EP(3)+PU(1)の発生電流10[μA]時の合成電気抵抗値は、1.53E+08(1.53×10)[Ω](印加電圧1534[V])である。
図18は実験(1)の転写部材EP(1)+PU(1)に対するL/L環境においての上記印刷試験の結果を示す図である。図18には、L/L環境でのベタパターンの印刷、L/L環境でのグレースケール(2×2)パターンの印刷のそれぞれについて、印刷良好な転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧および転写電流の範囲を示している。
図18から判るように、L/L環境で、グレースケール(2×2)パターンは、印加電圧1870〜2170[V]のとき、転写電流は7.2〜9.2[μA]の範囲で印刷良好である。また、ベタパターンは、印加電圧2120〜2980[V]のとき、転写電流は7.9〜13.4[μA]で印刷良好である。従って、L/L環境において上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧が存在し、転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧を2120〜2170[V]に設定すれば、1枚の画像データの中に同時に存在するグレースケールとベタパターンをハガキ裏面に忠実に印刷できる。L/L環境においてのハガキ裏面の印刷で、最適な転写電流値は、例えば8.5[μA]である。
このように実験(1)では、電圧依存度ΔR=0.80の転写ローラEP(1)と電圧依存度ΔR=0.26の転写搬送ベルトPU(1)との組合せにより、合成電気抵抗の電圧依存度ΔR=0.57の転写部材EP(1)+PU(1)が得られ、この転写部材EP(1)+PU(1)を用いることにより、L/L環境で十分な印刷品質を得ることが可能である。
図19は実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)に対するL/L環境においての上記印刷試験の結果を示す図である。図19には、L/L環境でのベタパターンの印刷、L/L環境でのグレースケール(2×2)パターンの印刷のそれぞれについて、印刷良好な転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧および転写電流の範囲を示している。
図19から判るように、L/L環境で、グレースケール(2×2)パターンは、印加電圧2070〜2360[V]のとき、転写電流7.5〜9.4[μA]の範囲で印刷良好である。また、ベタパターンは、印加電圧2320〜3190[V]のとき、転写電流8〜13.9[μA]の範囲で印刷良好である。従って、L/L環境において上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧が存在し、転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧を2320〜2360[V]に設定すれば、1枚の画像データの中に同時に存在するグレースケールとベタパターンをハガキ裏面に忠実に印刷できる。L/L環境においてのハガキ裏面の印刷で、最適な転写電流値は、例えば8.7[μA]である。
このように実験(2)では、電圧依存度ΔR=0.70の転写ローラEP(2)と、電圧依存度ΔR=0.26の転写搬送ベルトPU(1)との組合せにより、合成電気抵抗の電圧依存度ΔR=0.53の転写部材EP(2)+PU(1)が得られ、この転写部材EP(2)+PU(1)を用いることにより、L/L環境で十分な印刷品質を得ることが可能である。
図20は実験(3)の転写部材EP(3)+PU(1)に対するL/L環境においての上記印刷試験の結果を示す図である。図19には、L/L環境でのベタパターンの印刷、L/L環境でのグレースケール(2×2)パターンの印刷のそれぞれについて、印刷良好な転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧転写電圧および転写電流の範囲を示している。
図20から判るように、L/L環境で、グレースケール(2×2)パターンは、印加電圧2425〜2755[V]のとき、転写電流7.0〜9.1[μA]の範囲で印刷良好である。また、ベタパターンは、印加電圧2650〜3545[V]のとき、転写電流7.9〜13.7[μA]の範囲で印刷良好である。従って、L/L環境において上記2パターンを同時に良好に印刷できる電圧が存在し、転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧を2650〜2755[V]に設定すれば、1枚の画像データの中に同時に存在するグレースケールとベタパターンをハガキの裏面に忠実に印刷できる。
このように実験(3)では、電圧依存度ΔR=0.63の転写ローラEP(3)と、電圧依存度ΔR=0.26の転写搬送ベルトPU(1)との組合せにより、合成電気抵抗の電圧依存度ΔR=0.49の転写部材EP(3)+PU(1)が得られ、この転写部材EP(3)+PU(1)を用いることにより、L/L環境で十分な印刷品質を得ることが可能である。
この実施の形態1では、DMACに添加するポリピロール量を変えることにより、電気抵抗値が異なる転写搬送ベルトを成形することが可能である。以下、ポリピロールを添加して得られたポリウレアの材質からなる実施の形態1の転写搬送ベルトを、PUと表記する。
図21は添加するポリピロール量を変えたときの実施の形態1の転写搬送ベルトPUの電気抵抗値(印加電圧200[V])を示す図である。図21に示すように、ポリピロールを20[wt%]添加して電気抵抗値(200[V]印加時)=7.07E+07(7.07×10)[Ω]の上記実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)の他、ポリピロールを8[wt%]添加して電気抵抗値(200[V]印加時)=1.02E+09(1.02×10)[Ω]の搬送転写ベルト、ポリピロールを12[wt%]添加して電気抵抗値(200[V]印加時)=4.35E+08(4.35×10)[Ω]の搬送転写ベルト、ポリピロールを40[wt%]添加して電気抵抗値(200[V]印加時)=1.15E+06(1.15×10)[Ω]の搬送転写ベルトをそれぞれ成形することが可能である。
さらに、添加するポリピロール量を変える等の形成法により、電圧依存度ΔRが互いに異なる実施の形態1の転写搬送ベルトPUを得ることが可能である。例えば、転写電流10[μA]の前後で電圧依存度ΔR=0.26の上記実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)の他、200[V]印加時の電気抵抗値=7.82E+07(7.82×10)[Ω],転写電流10[μA]の前後で電圧依存度ΔR=0.34の転写搬送ベルトを成形することが可能である。さらに、転写電流10[μA]の前後で電圧依存度ΔR=0,0.05,0.15,0.5,0.86の転写搬送ベルトを成形することが可能である。
図22は実験(2)の転写ローラEP(2)および電圧依存度ΔR=0.34の実施の形態1の搬送ベルトPUならびにこれらを合成した転写部材EP(2)+PUの印加電圧−発生電流特性を示す図である。
図22から判るように、電気抵抗値(1000[V]印加時)=7.45E+07(7.45×10)[Ω]で電圧依存度ΔR(転写電流10[μA]の前後)=0.70の転写ローラEP(2)と、電気抵抗値(200[V]印加時)=7.82E+07(7.82×10)[Ω]で電圧依存度ΔR(転写電流10[μA]の前後)=0.34の転写搬送ベルトPUとの導電性部材の組合せによって構成した転写部材EP(2)+PUは、転写電流10[μA]の前後で、合成電気抵抗の電圧依存度ΔR=0.62である。
図23は実験(2)の転写ローラEP(2)とそれぞれ電圧依存度ΔR=0,0.05,0.15,0.26,0.34,0.5,0.86の実施の形態1の搬送ベルトPUとの導電性部材の組合せによって構成した転写部材EP(2)+PUに対する上記印刷試験の結果を示す図である。
図23のL/L環境およびN/N環境において、「○」は、かすれや塵を発生せずにグレースケールとベタ(ベタ黒)の2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧の範囲が存在するもの、「△」は、かすれや塵を多少発生するが通常の印刷物(テキスト等の印刷)で影響がでないレベルで、上記2パターンを同時に印刷できる印加電圧の範囲が存在するもの、「×」は、上記2パターンを同時に印刷できる印加電圧の範囲が存在しないものである。また、図23の総合評価において、「◎」は、L/L環境およびN/N環境のいずれにも、上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧の範囲が存在するもの、「○」は、L/L環境またはN/N環境のいずれかに、上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧の範囲が存在するもの、「×」は、L/L環境およびN/N環境のいずれにも、上記2パターンを同時に印刷できる印加電圧の範囲が存在しないものである。
図23から判るように、電圧依存度ΔR=0,0.05,0.15,0.26の転写搬送ベルトPUでは、L/L環境およびN/N環境のいずれにも、上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧の範囲が存在するが、電圧依存度ΔR=0.5,0.86の転写搬送ベルトPUでは、L/L環境およびN/N環境のいずれにも、上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧の範囲が存在しない。
一方、電圧依存度ΔR=0.34の転写搬送ベルトPUでは、L/L環境では上記2パターンを同時に転写可能な印加電圧の範囲は存在しないが、N/N環境では上記2パターンを同時に転写可能な印加電圧の範囲が存在する。このような電圧依存度ΔR=0.34の転写搬送ベルトPUでは、L/L環境の転写品質までは満足しないけれども、N/N環境の転写品質を満足するから、厳しい印刷を要求しない場合には十分使用可能である。
印刷の高速化や高解像度といった性能向上を実現する上では、転写搬送ベルトは、電圧依存性が小さいほど、転写効率が良く、高速で高解像度を実現し易くなるため、電圧依存度ΔR=0の従来の転写搬送ベルトは望ましく、電圧依存性が大きい従来の転写搬送ベルトPAIでは問題がある。
しかし、その一方で、電圧依存度ΔR=0の従来の転写搬送ベルトでは、所定の転写電流を得るための印加電圧が高くなるので、電源側の供給電圧にかかる負担が大きくなり、転写搬送ベルトの寿命も短くなるという問題がある。転写電源の負担の軽減や転写搬送ベルトの長寿命化を実現する上では、電圧依存度ΔRは0でないことが望ましい。
そこで、転写効率の良い印刷を実現し、かつ電源供給側にかかる負担を緩和して、転写搬送ベルトの寿命を長くするためには、転写搬送ベルトは、実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)のように、若干の電圧依存性を有することが望ましい。
転写搬送ベルトの電気抵抗は、N/N環境に比較してL/L環境で大きくなり、記録媒体のランニング数に従って増加する。電圧依存度ΔR=0.26である実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)の電気抵抗値は、L/L環境では、N/N環境の場合の1.4倍になる。また、N/N環境において、上記転写搬送ベルトPU(1)の80,000枚のランニング後の電気抵抗値は、ランニング前の電気的抵抗値の4.35倍に増加する。このように環境やランニング数によって電気抵抗が大きくなることからも、電源の負担を軽減して転写搬送ベルトの寿命を長くすることは重要である。
転写搬送ベルトの電圧依存度ΔRをΔR(b)、転写ローラの電圧依存度ΔRをΔR(r)、転写搬送ベルトと転写ローラとの合成電気抵抗の電圧依存度ΔRをΔR(r+b)と、それぞれ表記する。印加電圧200[V]での電気抵抗値がいずれも実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)と同じ7.07E+07[Ω]であり、電圧依存度ΔR(b)がそれぞれ0,0.05である2つの転写搬送ベルトで同じ10[μA]の転写電流を発生するとき、ΔR(b)=0.05の転写搬送ベルトを用いた転写ユニットでは、ΔR(b)=0の転写搬送ベルトを用いた転写ユニットに比較して、転写電源Epの印加電圧を228[V]低減する効果がある。また、この場合に、転写ローラの電圧依存度ΔR(r)は、ΔR(b)=0.05の転写搬送ベルトよりも大きいので、ΔR(b)=0.05の転写搬送ベルトと転写ローラとの合成電気抵抗の電圧依存度ΔR(r+b)は、必ずΔR(r+b)≧0.05になる。
以上の理由から、転写搬送ベルトの電圧依存度ΔR(b)が0.05≦ΔR(b)≦0.34である範囲は、転写効率の確保とベルトユニットの長寿命化とを同時に可能にする範囲である。実施の形態1の転写搬送ベルトPUでは、0.05≦ΔR(b)≦0.34を実現できる。さらに、転写ローラと転写搬送ベルトとを合成した転写部材の電圧依存度ΔR(r+b)が0.05≦ΔR(r+b)≦0.62である範囲は、転写効率の確保と電源の負担の軽減とを同時に可能にする範囲である。
以上のように実施の形態1によれば、ポリピロールを8〜40[wt%]添加して得られたポリウレタン樹脂からなり、電圧依存度ΔR(b)が0.05≦ΔR(b)≦0.34である搬送転写ベルトを用いて転写部材を構成することにより、電圧依存度が大きな転写ローラを用いることができ、かつ転写部材を構成する導電性部材全体の電圧依存度ΔR(r+b)を0.05≦ΔR(r+b)≦0.62にすることができるので、ローコストで良好な印刷品質が得られ、かつ転写電源の負担を軽減して寿命の長い転写部材を実現できる。
また、転写ローラの導電性材料として、安価なカーボンブラックを使用することが可能であるため、転写ローラのコストダウンの効果がある。また、カーボンブラックはベースポリマー側の材料を規定しないから、ベースポリマーの選択肢が広がり、成形コスト・材料コストを総じて安価なベースポリマーを選択することが可能になり、転写ローラのコストダウンの効果がある。
なお、上記実施の形態1では、母材であるポリウレタン樹脂に導電性付与材としてポリピロールを含有させたが、導電性付与材として他の導電性ポリマーを用いることも可能である。
また、上記実施の形態1では、タンデム方式電子写真プリンタにおいてトナー像担持体に接触する導電性部材として転写搬送ベルトを例に説明したが、トナー像担持体に接触する他の導電性部材についても、電圧依存度ΔRを0.05≦ΔR≦0.34とすることは効果的である。また、転写部材を構成する導電性部材としてのブラシやシートについても、電圧依存度ΔRを0.05≦ΔR≦0.34とすることは効果的である。さらに、転写部材の他にも、感光体ドラムに接触するプロセス部材(帯電ローラ,現像ローラ,クリーニングローラ等)についても、プロセスに最適な電圧や電流を設定する考え方と、部材の長寿命化を実現するための考え方は上記実施の形態1と同等であるから、そのようなプロセス部材についても、電圧依存度を0.05≦ΔR≦0.34に設定することは有効である。
実施の形態2
本発明の実施の形態2では、導電性粉末であるアセチレンブラックを50[wt%]添加した絶縁材料のシリコーンゴムを、軸芯と同時に押し出し、加硫・発泡させた後に、所定の長さおよび外径にカット・研磨して、転写ローラを得る。以下、この導電性弾性部の材質を高導電性のシリコーンとする実施の形態2の転写ローラを、SIcdと表記する。
また、本発明の実施の形態2では、上記実施の形態1と同様に、ポリピロールをDMACに溶かし、イソシアネートを添加するとともに、ドーパントからOH基およびCOOH基を取り除いたものを添加して得た溶液を、スピン成形法によって規定の周長のシームレスに製造し、そのシームレスを規格の幅にカットして、転写搬送ベルトを得る。以下、このポリウレアの材質からなる実施の形態2の転写搬送ベルトを、PU(2)と表記する。
そして、上記転写ローラSIcdと上記転写搬送ベルトPU(2)との導電性部材の組合せによって、転写ユニットの転写部材全体を構成する。以下、この実施の形態2の合成した転写部材を、SIcd+PU(2)と表記する。
図24は本発明の実施の形態2の転写ローラSIcdおよび転写搬送ベルトPU(2)ならびに合成した転写部材SIcd+PU(2)の印加電圧−発生電流特性を示す図であり、図25は本発明の実施の形態2の転写ローラSIcdおよび転写搬送ベルトPU(2)ならびに合成した転写部材SIcd+PU(2)の電気抵抗値、発生電流10[μA]時の抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。
図24および図25から、実施の形態2の転写搬送ベルトPU(2)の電気抵抗値(200[V]印加時)は、7.07E+07(7.07×10)[Ω]である。また、転写搬送ベルトPU(2)は、転写電流10[μA]の前後(比較電圧345[V],690[V])で、電圧依存度ΔR=0.25である。なお、転写搬送ベルトPU(2)の転写電流10[μA]時の電気抵抗値は、4.94E+07(4.94×10)[Ω](印加電圧494[V])である。
また、実施の形態2の転写ローラSIcdの転写電流10[μA]時の電気抵抗値は、2.69E+07(2.69×10)[Ω](印加電圧27[V])であるが、この転写ローラSIcdは、数十[V]以上の電圧を印加するとき電流は急激に流れ始めて、電気伝導性が極めて良くなり、印加電圧100[V]のときに100[μA]以上の電流を発生して、あたかも良導体のような導電性を示す高導電性の転写ローラである。
さらに、転写ローラSIcdと転写搬送ベルトPU(2)を合成した転写部材SIcd+PU(2)の合成電気抵抗は、転写電流10[μA]の前後(比較電圧345[V],690[V])で、電圧依存度ΔR=0.27である。なお、転写部材SIcd+PU(2)の転写電流10[μA]時の合成電気抵抗値は、5.21E+08(5.21×10)[Ω](印加電圧521[V])である。
この実施の形態2の高導電性の転写ローラSIcdは、印加電圧に依存して電気抵抗値が急激に変化するため、それ自体の電圧依存性は非常に大きく、それ自体の電圧依存度を求めることが困難である。このような高導電性の転写ローラは、従来の搬送転写ベルトとの組合せでは、その転写部材の電圧依存度ΔR(r+b)は転写効率の確保と電源の負担の軽減とを同時に可能にする範囲(例えば0.05≦ΔR(r+b)≦0.62)にならないが、上記実施の形態1の搬送転写ベルトPU(1)と同様に電圧依存度が小さい搬送転写ベルトPU(2)との組合せによって、電圧依存度ΔR(r+b)が上記転写効率の確保と電源の負担の軽減とを同時に可能にする範囲内である転写部材が得られる。
図26は実施の形態2の転写部材SIcd+PUに対するL/L環境においての上記印刷試験の結果を示す図である。図26には、L/L環境でのベタパターンの印刷、L/L環境でのグレースケール(2×2)パターンの印刷のそれぞれについて、印刷良好な搬送転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧および転写電流の範囲を示している。
図26から判るように、L/L環境で、グレースケール(2×2)パターンは、印加電圧1440〜1860[V]のとき、転写電流7.2〜9.7[μA]の範囲で印刷良好である。また、ベタパターンは、印加電圧1650〜2510[V]のとき、転写電流8.0〜14.0[μA]で印刷良好である。従って、L/L環境において上記2パターンを同時に良好に印刷できる印加電圧が存在し、搬送転写ローラの軸芯−感光体ドラム間の印加電圧を1650〜1860[V]に設定すれば、1枚の画像データの中に同時に存在するグレースケールとベタパターンを、ハガキの裏面に忠実に印刷できる。L/L環境においてのハガキ裏面の印刷で、最適な転写電流値は、例えば8.8[μA]である。
このように、高導電性の転写ローラSIcdと電圧依存度ΔR(b)=0.25の転写搬送ベルトPU(2)との組合せにより、合成電気抵抗の電圧依存度ΔR(r+b)=0.27の転写部材SIcd+PU(2)が得られ、この転写部材SIcd+PU(2)を用いることにより、L/L環境で十分な印刷品質を得ることが可能である。
以上のように実施の形態2によれば、高導電性(低抵抗)の転写ローラSIcdと、電圧依存度ΔR(b)=0.25の転写搬送ベルトPU(2)とによって転写部材SIcd+PU(2)を構成することにより、高導電性の転写ローラを用いてL/L環境で印刷品質を満足する転写部材を実現できる。
なお、上記実施の形態2の高導電性の転写ローラSIcdは、シリコーンゴムにアセチレンブラックを十分に添加したものであったが、EPDM等にカーボンブラック等を十分に添加して得た高導電性の転写ローラと、電圧依存度ΔR(b)=0.25の転写搬送ベルトPU(2)とによって転写部材を構成することも可能である。
このような高導電性の転写ローラは、導電性付与材料(導電性粉末)として安価なカーボンブラック等を用いることができ、これにより導電性付与材料との相溶性によってベースポリマーが限定されなくなるため、絶縁材料の選択肢が広がり、成形コスト・材料コストを総じて安価な絶縁材料を提供することが可能になり、転写ローラのコストダウンの効果がある。
一般に、カーボンブラック等を添加した導電性ローラを半導電領域で安定して成形することは困難であり、製造歩留りが悪くなるが、高導電性の転写ローラは、製品の抵抗値を限定しないため、抵抗規格による歩留りが向上し、さらに出荷検査における抵抗検査の工程を簡略化することが可能になるため、コストダウンの効果がある。
さらに、高伝導性の転写ローラは、長期使用による抵抗上昇が無視できるため、転写ユニットとしての長寿命化にさらに効果がある。
実施の形態3
図1のシングルパス方式プリンタでは、それぞれの転写ユニットにおいての転写位置ごとに、記録媒体にトナーが順次転写されるが、それとともに記録媒体はそのトナーの厚さ分だけ電気抵抗が増えていく。上記実施の形態1および2では、個々の転写ユニットでのトナー転写に注目したが、シングルパス方式プリンタでは4色のトナーを順次重ね合せて転写するために、下流側の転写ユニットほどトナーを含めた記録媒体の電気抵抗は増加する。それでも、理想の転写電流(例えば、上記実施の形態1の実験(2)の転写部材の理想の転写電流は8.7[μA])が必要であるから、下流側の転写ユニットほど転写電源の印加電圧を大きく設定することとなる。
図27は図1のシングルパス方式プリンタにおいて全ての転写ユニットの転写部材を上記実施の形態1の実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)で構成して、全ての転写ユニットの転写電流を8.7[μA]に設定し、L/L環境においてハガキ裏面に印刷した場合のK,Y,M,C転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧を示す図である。
図27から判るように、L/L環境において、K,Y,M,C転写ユニットのそれぞれに、上記実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)を用いて転写電流を8.7[μA]に設定してハガキ裏面を印刷したとき、転写電圧(転写電源Epの印加電圧)は、上流のK転写ユニットでは2290[V]、最も下流のC転写ユニットでは4340[V]となり、K転写ユニットとC転写ユニットの転写電圧は1050[V]異なっている。
また、転写部材の電気抵抗値は、使用(記録媒体のランニング数)によって増加する。N/N環境において、上記実施の形態1の実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)の80,000枚のランニング後の電気抵抗値は、ランニング前(初期)の電気的抵抗値の4.35倍に増加する。
このような下流の転写ユニットでの高電圧の印加は、そのまま転写電源Epの負担となり、特に使用によって転写部材の電気抵抗値が増加してくると、その分だけ印加電圧を増加する必要があり、転写電源Epの負担が大きくなる。そのために、転写電源Epの電源容量を大きくすることが、プリンタのコストアップを招いていた。
そこで、本発明の実施の形態3のシングルパス方式プリンタでは、上流のK転写ユニットの転写ローラには、上記実施の形態1の実験(2)の転写ローラEP(2)を用い、下流のY,M,C転写ユニットの転写ローラには、それぞれ上記実施の形態1の実験(1)の転写ローラEP(1)を用いる。1000[V]印加時の電気抵抗値は、転写ローラEP(2)が7.45E+07[Ω](図15参照)、転写ローラEP(1)が2.86E+07[Ω](図13参照)であり、下流の転写ローラEP(1)は、上流の転写ローラEP(2)よりも低抵抗である。また、電圧依存度ΔR(b)は、転写ローラEP(2)が0.70(図15参照)、転写ローラEP(1)が0.80(図13参照)であり、下流の転写ローラEP(1)は、上流の転写ローラEP(2)よりも電圧依存度ΔR(r)が大きい。なお、K,Y,M,C転写ユニットの転写搬送ベルトには、上記実施の形態1の実験(1)〜(3)の転写搬送ベルトPU(1)を用いる。
このように、下流側の転写ユニットに、上流側の転写ユニットよりも抵抗値の低い転写部材(電圧依存度ΔR(r+b)が大きい転写部材)を用いることにより、下流側の転写電源Epの印加電圧を下げて転写電源Epの負担を軽減することができる。
実験(1)の転写部材EP(1)+PU(1)は、L/L環境でのハガキ裏面の印刷試験において、転写電流7.9〜9.2[μA]が印刷良好な範囲であり、8.5[μA]が最適な転写電流値であった(図18参照)。また、実験(1)の転写部材EP(1)+PU(1)は、理想の転写電流8.5[μA]のときに、印加電圧1150[V]であった(図12参照)。
実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)は、L/L環境でのハガキ裏面の印刷試験において、転写電流8〜9.4[μA]が印刷良好な範囲であり、8.7[μA]が最適な転写電流値であった(図19参照)。また、実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)は、理想の転写電流8.7[μA]のときに、印加電圧1310[V]であった(図14参照)。
転写位置の下流の転写ユニットに実験(1)の転写ローラEP(1)を用いることにより、実験(2)の転写ローラEP(2)を用いた場合に比較して、転写ローラの印加電圧を160[V](=1310[V]−1150[V])下げることができるので、転写電源Epの負担を軽減できる。
図28は本発明の実施の形態3のシングルパス方式プリンタにおいてK転写ユニットでの転写電流を8.7[μA]、Y,M,C転写ユニットの転写電流を8.5[μA]に設定し、L/L環境においてハガキ裏面に印刷した場合のK,Y,M,C転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧を示す図である。
図28から判るように、K転写ユニットの下流のY転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧は3420[V]、Y転写ユニットの下流のM転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧は3750[V]、最も下流のC転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧は4180[V]である。そして、Y,M,C転写ユニットのそれぞれにおいて、上記実験(2)の転写ローラEP(2)を用いた場合よりも160[V]低い印加電圧で、最適な転写電流8.5[μA]を発生させて、良好な印刷が可能である。
以上のように実施の形態3によれば、下流側の転写ユニットの転写部材の電圧依存度を上流側の転写ユニットの転写部材の電圧依存度よりも大きくすることにより、下流側の転写電圧の上昇を抑え、転写電源の負担を軽減させることが可能となるため、電源のコストダウンおよび転写搬送ベルトの長寿命化の効果がある。
なお、上記実施の形態3では、上流側のK転写ユニットの転写ローラを上記実験(2)の転写ローラEP(2)とし、下流側のY,M,C転写ユニットの転写ローラを上記実験(1)の転写ローラEP(1)としたが、例えば、上流側のK,Y転写ユニットの転写ローラを上記実験(2)の転写ローラEP(2)とし、下流側のM,C転写ユニットのの転写ローラを(M,C)としても、同様の効果が得られる。
さらに、下流のY,M,C転写ユニット、下流のM,C転写ユニット、または最も下流のC転写ユニットに、さらに低抵抗の転写ローラを配置したり、さらには上記実施の形態2の高導電性の転写ローラSIcdを配置することは、より効果的である。上記転写ローラSIcdは、L/L環境での最適な転写電流が8.8[μA]であり(図26参照)、このときの転写部材SIcd+PU(2)の印加電圧は470[V]であった(図24参照)。従って、上記実施の形態2の実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)と比較して、840[V]の電圧低減が可能になり、最も下流位置のC転写ユニットでの転写電圧は3500[V]となる。また、高伝導性の転写ローラは、長期使用による抵抗上昇が無視できるため、転写ユニットの長寿命化にも効果がある。
実施の形態4
図1のシングルパス方式プリンタでは、複数の転写ユニットで同じ転写部材を用いることによって転写部材のコストダウンが可能となるが、上記実施の形態3では抵抗値もしくは導電性が互いに異なる転写ローラを上流側と下流側の転写ユニットにそれぞれ用いる必要がある。
部材の単価は、材料価格・成形工程等および歩留り・ライン稼働率等の要因で決ってくるが、特に導電性ローラ等の高機能部材では、材料ロットや成形ロットごとに規格の中心値が変動しやすく、その上狭い幅の抵抗規格や電気特性規格を設定しているため、小さなロット数で少しずつ異なる規格で成形には細かい材料管理が必要となり、そのことが歩留りを下げ、コストアップの要因となる。そのために、抵抗値もしくは導電性が互いに異なる転写ローラを上流と下流の転写ユニットにそれぞれ用いることが、転写ローラのコストアップを招くことがある。
そこで、本発明の実施の形態4のシングルパス方式プリンタでは、それぞれの転写ユニットの転写回路(図8参照)に挿入されている固定抵抗Rpの抵抗値を異なる値に設定する。つまり、下流のM転写ユニットの転写回路(図8参照)に挿入されている固定抵抗Rpを62[MΩ]、最も下流のC転写ユニットの転写回路に挿入されている固定抵抗Rpを13[MΩ]にする。なお、K,Y転写ユニットの転写回路に挿入されている固定抵抗Rpは100[MΩ]である。
このように、下流側の転写回路の固定抵抗Rpを、上流側の転写回路の固定抵抗Rpよりも低い抵抗値にすることにより、下流側の転写回路の固定抵抗Rpでの電圧降下を小さくすることができるので、下流側の転写電源Epの印加電圧を下げて転写電源Epの負担を軽減することができ、かつ全ての転写ユニットで同じ転写部材を用いることができる。
図29は本発明の実施の形態4のシングルパス方式プリンタにおいて全ての転写ユニットの転写部材を上記実施の形態1の実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)で構成して、全ての転写ユニットの転写電流を8.7[μA]に設定し、L/L環境においてハガキ裏面に印刷した場合のK,Y,M,C転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧を、K,Y,M,C転写ユニットの転写回路の固定抵抗Rpとともに示す図である。
まず、上記図27から判るように、上記実施の形態1のM転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧は3910[V]、上記実施の形態1のC転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧は4340[V]であった。
これに対し、図29から判るように、転写電流は8.7[μA]であるので、転写回路の固定抵抗Rpを62[MΩ]とした実施の形態4のM転写ユニットでは、転写回路の固定抵抗Rpが100[MΩ]である上記実施の形態1のM転写ユニットよりも転写電源Epの印加電圧を330[V]下げることができ、転写回路の固定抵抗Rpを13[MΩ]とした実施の形態4のC転写ユニットでは、転写回路の固定抵抗Rpが100[MΩ]である上記実施の形態1のC転写ユニットよりも転写電源Epの印加電圧を760[V]下げることができる。
そして、実施の形態4のM,C転写ユニットの転写電源Epの印加電圧は、いずれもY転写ユニットと同じ3580[V]まで低くなり、実施の形態4のM,C転写ユニットでは、上記実施の形態1のM,C転写ユニットよりも低い印加電圧で、最適な転写電流8.7[μA]を発生させて、良好な印刷が可能である。
以上のように実施の形態4によれば、下流側の転写回路の固定抵抗を上流側の転写回路の固定抵抗よりも低い抵抗値にすることにより、下流側の転写電圧の上昇を抑え、転写電源の負担を軽減させることが可能となるため、電源のコストダウンおよび転写搬送ベルトの長寿命化の効果がある。また、全ての転写ユニットに同じ特性・規格の転写ローラを使用することが可能であるため、転写ローラの量産効果によってコストダウンが可能になる。また、K転写ユニット以外の転写ユニット(ブラック転写位置以外の転写位置)での印加電圧が同じであるから、転写電圧の制御の簡略化が可能となる。
なお、上記実施の形態3では、下流側のM,C転写ユニットの固定抵抗を上流側のK転写ユニットの固定抵抗よりも低い抵抗値としたが、例えば、Y転写ユニットの固定抵抗をK転写ユニットよりも低い抵抗値とし、M転写ユニットの固定抵抗をY転写ユニットよりも低い抵抗値とし、M転写ユニットの固定抵抗をY転写ユニットよりも低い抵抗値とし、C転写ユニットの固定抵抗をM転写ユニットよりも低い抵抗値とすることも可能である。
また、上記実施の形態3では、C転写ユニットの固定抵抗をM転写ユニットよりも低い抵抗値としたが、C,M転写ユニットの固定抵抗を同じ抵抗値(ただし上流のK転写ユニットの固定抵抗よりも低い抵抗値)にすることも可能である。
本発明を適用するシングルパス方式(タンデム方式)カラー電子写真プリンタの構成図である。 図1においての転写ユニットの構成図である。 図2の転写ユニットにおいての転写プロセスを説明する断面図である。 図2の転写ローラの構造図である。 転写ローラの電気抵抗の測定手順を説明する図である。 転写搬送ベルトの電気抵抗の測定手順を説明する図である。 転写ローラと転写搬送ベルトの合成電気抵抗の測定手順を説明する図である。 図2の転写ユニットにおいての転写回路の回路図である。 従来の転写ローラEPおよび転写搬送ベルトPAIならびに合成した転写部材EP+PAIの印加電圧−発生電流特性を示す図である。 従来の転写ローラEPおよび転写搬送ベルトPAIならびに合成した転写部材EP+PAIの電気抵抗値、発生電流10[μA]時の抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。 従来の転写部材EP+PAIに対する印刷試験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(1)の転写ローラEP(1)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(1)+PU(1)の印加電圧−発生電流特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(1)の転写ローラEP(1)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(1)+PU(1)の電気抵抗値、発生電流10[μA]時の抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(2)の転写ローラEP(2)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(2)+PU(1)の印加電圧−発生電流特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(2)の転写ローラEP(2)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(2)+PU(1)の電気抵抗値、発生電流10[μA]時の抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(3)の転写ローラEP(3)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(3)+PU(1)の印加電圧−発生電流特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(3)の転写ローラEP(3)および転写搬送ベルトPU(1)ならびに合成した転写部材EP(3)+PU(1)の印加電圧1000[V],200[V]での電気抵抗値、発生電流10[μA]時の電気抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(1)の転写部材EP(1)+PU(1)に対するL/L環境においての印刷試験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)に対するL/L環境においての印刷試験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(3)の転写部材EP(3)+PU(1)に対するL/L環境においての印刷試験の結果を示す図である。 添加するポリピロール量を変えたときの本発明の実施の形態1の転写搬送ベルトPUの電気抵抗値(印加電圧200[V])を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(2)の転写ローラEP(2)および電圧依存度ΔR=0.34の本発明の実施の形態1の転写搬送ベルトPUならびにこれらの合成転写部材の印加電圧−発生電流特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の実験(2)の転写ローラEP(2)とそれぞれ電圧依存度ΔR=0,0.05,0.15,0.26,0.34,0.5,0.86の本発明の実施の形態1の搬送ベルトPUとの導電性部材の組合せによって構成した転写部材EP(2)+PUに対する印刷試験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態2の転写搬送ベルトおよび転写ローラならびにこれらの合成転写部材の印加電圧−発生電流特性を示す図である。 本発明の実施の形態2の転写搬送ベルトおよび転写ローラならびにこれらの合成転写部材の電気抵抗値、発生電流10[μA]時の抵抗値、電圧依存度ΔR、比較電圧を示す図である。 本発明の実施の形態2の転写部材SIcd+PUに対するL/L環境においての上記印刷試験の結果を示す図である。 図1のシングルパス方式プリンタにおいて全ての転写ユニットの転写部材を本発明の実施の形態1の実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)で構成して、全ての転写ユニットの転写電流を8.7[μA]に設定し、L/L環境においてハガキ裏面に印刷した場合のK,Y,M,C転写ユニットでの転写電源の印加電圧を示す図である。 本発明の実施の形態3のシングルパス方式プリンタにおいてK転写ユニットでの転写電流を8.7[μA]、Y,M,C転写ユニットの転写電流を8.5[μA]に設定し、L/L環境においてハガキ裏面に印刷した場合のK,Y,M,C転写ユニットでの転写電源の印加電圧を示す図である。 本発明の実施の形態4のシングルパス方式プリンタにおいて全ての転写ユニットの転写部材を上記実施の形態1の実験(2)の転写部材EP(2)+PU(1)で構成して、全ての転写ユニットの転写電流を8.7[μA]に設定し、L/L環境においてハガキ裏面に印刷した場合のK,Y,M,C転写ユニットでの転写電源Epの印加電圧を、K,Y,M,C転写ユニットの転写回路の固定抵抗Rpとともに示す示す図である。
符号の説明
1K,1Y,1M,1C IDカートリッジ
1a 搬送転写ベルト
1bu,1bv 除電用ブラシ
1u 定着ローラ
1v 加圧ローラ
11,11K,11Y,11M,11C 感光体ドラム
12,12K,12Y,12M,12C 転写ローラ
13 トナー搬送スポンジローラ
14 現像ローラ
15 クリーニングローラ
16 チャージローラ
17 トナー
18 現像ブレード
19 記録媒体
121 軸芯
122 導電性弾性部
Ep 転写電源
Rp 固定抵抗
Rr 転写ローラ抵抗
Rb 転写搬送ベルト抵抗
Rd 感光体ドラム抵抗

Claims (12)

  1. 画像形成装置の転写機構部に用いられる転写部材において、
    トナー像担持体に接触する導電性部材であって、導電性ポリマーを8〜40[wt%]添加して得られたポリウレタン樹脂からなる導電性部材を含むことを特徴とする転写部材。
  2. 上記導電性ポリマーがポリピロールであることを特徴とする請求項1記載の転写部材。
  3. 画像形成装置の転写機構部に用いられる転写部材において、
    トナー像担持体に接触する導電性部材であって、電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.34である導電性部材を含むことを特徴とする転写部材。
  4. 上記導電性部材が、記録媒体を搬送する搬送転写ベルトであることを特徴とする請求項1または3に記載の転写部材。
  5. 転写機構部の転写部材が、トナー像担持体に接触する導電性部材であって、導電性ポリマーを8〜40[wt%]添加して得られたポリウレタン樹脂からなる導電性部材を含むことを特徴とする画像形成装置。
  6. 転写機構部の転写部材が、トナー像担持体に接触する導電性部材であって、電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.34である導電性部材を含むことを特徴とする画像形成装置。
  7. 転写機構部の転写部材が複数の導電性部材から構成されており、
    上記複数の導電性部材の内、トナー像担持体に接触する導電性部材は、電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.34であり、
    上記複数の導電性部材の内、トナー像担持体との間に適切なニップを確保する導電性部材は、電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.63≦ΔR≦0.8であり、
    上記複数の導電性部材全体では、合成電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.62である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 転写機構部の転写部材が複数の導電性部材から構成されており、
    上記複数の導電性部材の内、トナー像担持体に接触する導電性部材は、電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.34であり、
    上記複数の導電性部材の内、トナー像担持体との間に適切なニップを確保する導電性部材は、印加電圧100[V]のときに100[μA]以上の電流を発生する高導電性部材であり、
    上記複数の導電性部材全体では、合成電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.62である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 複数の転写機構部のそれぞれにおいて記録媒体に画像を転写する画像形成装置において、
    上記複数の転写機構部の転写部材は、合成電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.62であり、
    いずれかの転写機構部の転写部材の合成電気抵抗の電圧依存度ΔRが、他のいずれかの転写機構部の転写部材の合成電気抵抗の電圧依存度ΔRよりも大きい
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 記録媒体の搬送の下流側の転写機構部の転写部材の合成電気抵抗の電圧依存度ΔRが、上流側の転写機構部の転写部材の合成電気抵抗の電圧依存度ΔRよりも大きいことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 複数の転写機構部のそれぞれにおいて個別に設けた転写回路によって転写電圧を印加して記録媒体に画像を転写する画像形成装置において、
    上記複数の転写機構部の転写部材は、合成電気抵抗の電圧依存度ΔRが0.05≦ΔR≦0.62であり、
    いずれかの転写回路の固定抵抗が、他のいずれかの転写回路の固定抵抗と異なる抵抗値である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 記録媒体の搬送の下流側の固定抵抗が、上流側の固定抵抗よりも低い抵抗値であることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
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