JP2005133407A - 多扉式通過用装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の多扉式通過用装置は、所定雰囲気に設定された複数の各室に面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して各室間を通過する多扉式通過用装置であって、前記扉を開閉するハンドルと、該ハンドルに連動し延出させて扉を固定する係止手段と、前記係止手段による扉の固定・非固定状態を検出する検出手段及び前記検出手段が検出した一室側に面した扉の非固定状態の検出結果に基づいて他室側に面した扉を施錠状態とする制御手段を有するインターロック機構を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
このような圧力差を生じている空間の間における物品の受け渡し時には、雑菌や微生物の出入を阻止するためにパスボックス等の多扉式通過用装置が用いられる。また、クリーンルームの室内に人が入室する場合に、塵埃を持ち込まないようクリーンルーム側と前室側とに面してそれぞれ扉を有するエアシャワー室等の多扉式通過用装置が用いられる。
そして、例えば、物品をクリーンルーム内へ搬入する場合では、クリーンルーム側扉が閉じた状態で前室側扉を開けて物品を箱体内に入れ、前室側扉を閉じてから殺菌灯を駆動して箱体内に紫外線を照射し、所定時間経過後に殺菌灯の駆動を停止してからクリーンルーム側扉を開けてクリーンルーム内に物品を取り出すといった手順により物品の搬入が行われる。これにより、箱体内の物品は紫外線の照射を受けて殺菌されてからクリーンルーム内に搬入され、雑菌が不用意にクリーンルーム内へ侵入することを防いでいる。また、クリーンルームから物品を取り出す場合は上記手順と逆の順序で行われる。
前記扉のグレモン錠は、グレモン締り本体に設けたハンドルの回動と連動して、グレモン締り本体に設けたロッドが上下に軸方向に移動し、前記ロッドの先端部が扉の上下から延出して箱体側に設けたロッド軸受けに挿入され、扉を固定する構造となっている。
また、前記インターロック機構としては、例えば、特許文献1に記載されているような機械式の機構を用いている。前記機械式のインターロック機構は、一室側の扉を開くと、前記一室側の扉に設けたコイルスプリングによって外側に向けて突出するロック棒が、前記扉と対向する他室側の扉のハンドルと連動する掛金具の回転軌跡内に侵入し、他室側の扉の掛金具の回転を阻止して他室側の扉のハンドル操作を不能として他室側の扉を施錠する構造となっている。
しかしながら、従来の多扉式通過用装置には、箱体に奥行きがあるものや、三方向に扉があるもの等様々の構造のものが用いられており、例えば、三方向に扉がある多扉式通過用装置にあっては、前記機械式のインターロック機構では、対向する他室側の扉の施錠はできるものの、対向していない扉の施錠ができないため、前記特許文献1に記載されているような機械式のインターロック機構を用いることができないという不都合がある。このため、従来の多扉式通過用装置は、近接スイッチを用いた電気式のインターロック機構が多用されるようになってきている。また、エアシャワー室等のように、人が通過できる程度に通過用の空間が大きくなると、前記機械式のインターロック機構を用いることができないという不都合があり、エアシャワー室等の両扉式通過用装置にも近接スイッチを用いた電気式のインターロック機構が多用されるようになってきている。
従来の両扉式通過用装置aは、クリーンルーム等の清浄室bと前室cとを仕切る側壁dの一部に箱体aが設けられ、該箱体aの清浄室b側と前室c側にそれぞれ清浄室側扉eと前室側扉fが設けられている。前記扉には、マグネットg,jが設けられており、一方、箱体aの前記マグネットg,jに対応する部位には、磁気形の近接スイッチh,kが設けられ、また、清浄室側扉eと前室側扉fを開錠・施錠する電磁式ロックi,lと、図示を省略した前記電磁式ロックi,lのどちらか一方の施錠を選択的に解除する制御手段を有するインターロック機構が備えられている。また、清浄室側扉eと前室側扉fの両方に、ハンドル操作によってロッド棒先端部mをロッド棒受部に挿入して扉を固定するグレモン錠が備えられている。尚、図8は、前記両扉式通過用装置に設けたグレモン錠のロッド棒先端部mとロッド棒受部nの概略構成を示す部分拡大図である。
次に、図9(0)〜(3)に基づいて従来の両扉式通過用装置に設けたインターロック機構の制御動作について説明する。
図9(0)に示すように、初期状態において、箱体aの清浄室側扉e及び前室側扉fが閉扉状態となっており、インターロック機構の制御手段により電磁式ロックi,lは、共に開錠された状態となっている。
図9(1)に示すように、前室側扉fを開けると、前室c側の近接スイッチkが前室側扉fに設けたマグネットjの磁気がなくなったことを検出して、反対側の清浄室側扉eの電磁式ロックiを施錠する。
次に、図9(2)に示すように、物品を搬入した後、前室側扉fを閉めると、前室c側の近接スイッチkがマグネットjの磁気を検出して、清浄室側扉eの電磁式ロックiを開錠する。すなわち、前室側扉f及び清浄室側扉eの両方が閉扉状態である初期状態に戻った状態となり、電磁式ロックi,lが共に開錠された状態となっている。
そして、図9(3)に示すように、清浄室側扉eを開けると、清浄室b側の近接スイッチhが清浄室側扉eに設けたマグネットgの磁気がなくなったことを検出して、前室側扉fの電気式ロックlを施錠する。
そこで、本発明は、前記問題を解決すべく、所定雰囲気に設定された複数の各室に面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して各室間を通過する多扉式通過用装置において、一室側に面する扉が開けられた場合に、他室側に面する扉が同時に開放することのない多扉式通過用装置を提供することを課題とする。
また、請求項2記載の多扉式通過用装置は、請求項1に記載の多扉式通過用装置において、前記ハンドルとこれに連動する前記係止手段がグレモン錠であることを特徴とする。
また、請求項3記載の多扉式通過用装置は、請求項1又は2記載の多扉式通過装置において、前記検出手段を、扉から延出した係止手段を受ける箱体の係止手段受部に設けたことを特徴とする。
また、請求項4記載の多扉式通過用装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の多扉式通過用装置において、前記検出手段が、マイクロスイッチ若しくは光センサからなることを特徴とする。
また、請求項5記載の多扉式通過用装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の多扉式通過用装置において、前記制御手段が、前記検出手段の検出結果に基づいて前記扉を施錠する電磁式ロックからなることを特徴とする。
また、本発明の多扉式通過用装置によれば、ハンドルに連動し延出させて扉を固定する係止手段による非固定状態の扉の検出結果に基づいて、前記係止手段が非固定状態となっている扉と異なる室側に面する扉を施錠状態にインターロックするため、従来のように、扉自体の開閉の動きを検出してインターロックしていた場合と比べて、扉の施錠・開錠が確実となり、物品の出し入れや人の通過がスムーズに行なわれる。
また、係止手段を受ける係止手段受部に検出手段を設けることにより固定・非固定状態等の係止手段による扉の状態を確実に検出することができる。
前記検出手段は、箱体に設けた扉から延出したロッド等の係止手段を受ける係止手段受部に設けることが好ましい。係止手段受部に検出手段が設けられていることにより、確実に係止手段による、扉の固定・非固定状態を検出することが可能となるからである。
前記多扉式通過用装置は、箱体の前室側と清浄室側の2室側に面する扉を有する両扉式のものが一般的であるが、高清浄室側、低清浄室側及び前室側の3室側に面する扉を有する3扉式、更に、4室側に面する扉を有する4扉式のものも適用可能である。この場合であっても、一室側に面する扉の非固定状態の係止手段の検出結果に基づいて、残りの他室側に面する扉を施錠状態とする制御手段を設けることは変わらない。
前記マイクロスイッチは、多扉式通過用装置の一室側に面した扉を閉めた後、ハンドル操作によって扉から延出した係止手段であるロッドが、多扉式通過用装置の箱体側に設けた係止手段受部であるロッド受部内に挿入されると、前記ロッド受部内に設けたマイクロスイッチにロッドの先端部が接触し、この接触によってマイクロスイッチ内に備えた接点機構が接続されて、各室側に面した扉のロッド等の前記係止手段による扉の固定・非固定状態を検出するものである。
前記マイクロスイッチは、汎用的に用いられているものであり、ハンドル操作によって扉から延出したロッド等の係止手段によってスイッチが押されるためロッド等の係止手段による扉の固定・非固定状態を確実に検出できる。
また、前記光センサは、前記マイクロスイッチと同様に汎用的に用いられているものであり、例えば、ハンドル操作によって扉から延出したロッドが、ロッド受部内に入ると、前記ロッド受部内に設けられた発光素子からの光を前記ロッドの先端部で遮光して、同じくロッド受部内に設けた受光素子の出力を変化させて、ロッド等の係止手段による扉の固定・被固定状態を確実に検出するものである。
尚、前記検出手段は、係止手段による扉の固定・非固定状態が確実に確認可能なものであれば、前記マイクロスイッチ若しくは光センサに限定されるものではない。
図1は本発明の多扉式通過用装置の一実施例である、前室側と清浄室側とに面して扉を有する両扉式通過用装置の概略構成を示す平面図、図2は前記両扉式通過用装置の正面図、図3は前記両扉式通過用装置の検出手段を示す部分拡大図である。
図1及び図2に示すように、両扉式通過用装置1は、クリーンルーム等を構成する側壁4等の一部に設けられた箱体1aと、箱体1aの前室3側に面する前室側扉5と、清浄室2側に面する清浄室側扉9を備えている。これらの前室側扉5及び清浄室側扉9は、前記各扉に設けたハンドル6,10の回動に連動して、上下の軸方向に移動し、上下の端部を扉から延出させて、箱体1a側に設けた係止手段受部であるロッド受部13,16内に、延出した係止手段であるロッド7,11の端部を挿入させることにより、前室側扉5及び清浄室側扉9を固定するグレモン錠を備えている。また、両扉式通過用装置1は、扉の上側のロッド受部13,16内にロッド7,11の位置を検出する手段であるマイクロスイッチ14,17を有すると共に、前記マイクロスイッチにより非固定状態のロッドの位置の検出結果に基づいて、ロッドの位置が非固定状態となっている扉が面する一室側とは異なる他室側に面する扉の電磁式ロックを施錠状態にインターロックする制御手段を有するインターロック機構を備えている。
図5の動作パターン1は、物品を両扉式通過用装置1を通して前室3から清浄室2に搬入し、その後、清浄室2から前室3に物品を搬入する場合の両扉式通過用装置1の動作パターンを示している。
図4(0)に示すように、両扉式通過用装置1は初期状態において、前室側扉5及び清浄室側扉9の電磁式ロック8,12が共に開錠された状態となっている。また、前室側扉5及び清浄室側扉9は、ロッド7,11が両方ともロッド受部13,16内に挿入されてグレモン錠により両扉が固定された状態となっている。尚、図中、白抜きの電磁式ロックは開錠状態を示し、斜線を付した電磁式ロックは施錠状態を示している。また、白丸のグレモン錠による扉の非固定状態を示し、黒丸のグレモン錠による扉の固定状態を示している。
先ず、図4(1)に示すように、ハンドル6による前室側扉5の開扉によりインターロック機構が次のように作動する。水平となっている前室側扉5のハンドル6を下向きに右回動させると、前記ハンドル6の操作に連動して、ロッド7が縮められてロッド7の先端部7a,7bがロッド受部13から外れ、マイクロスイッチ14が、ロッド7の先端部7aが下方に移動して扉が非固定状態となったことを検知し、清浄室側扉9の電磁式ロック12を施錠状態にインターロックする。このように、前室側扉5が開けられる前に、グレモン錠のロッド7の先端部7aが下方に移動し、ロッド7の先端部7bが上方に移動して、ロッド7が縮められてロッド受部13から外れ、前室側扉5が非固定状態となった段階で非固定状態となった前室側扉5とは異なる室側に面した清浄室側扉9が施錠状態にインターロックされるため、前室3側及び清浄室2側に面する扉の両方が同時に開くことはない。
そして、図4(2)に示すように、グレモン錠のロッド7が縮められて非固定状態となり、電磁式ロック8の両方が開錠状態となっている前室側扉5を開扉して、前室3から箱体1a内に物品を搬入する。
次に、図4(3)に示すように、ハンドル6による前室側扉5の閉扉によりインターロック機構が次のように作動する。前室側扉5を閉めた後、垂直となっている前室側扉5のハンドル6を上向きに左回動させると、前記ハンドル6の操作に連動して、ロッド7の先端部7aが上方に移動し、ロッド7の先端部7bが下方に移動し、ロッド7の上下の先端部7a,7bがロッド受部13a,13bに挿入され、マイクロスイッチ14が、ロッド7の先端部7aが上方に移動して前室側扉5が固定状態となったことを検知し、前室側扉5及び清浄室側扉9の電磁式ロック8,12が共に開錠状態となる初期状態に戻る。両側の扉の電磁式ロック8,12が開錠状態となる初期状態に戻る場合は、必ず両側の扉のグレモン錠により両側の扉が固定状態となった状態であるため、両側の扉が同時に開放するということはない。
次に、図4(4)に示すように、ハンドル10による清浄室側扉9の開扉によりインターロック機構が次のように作動する。清浄室側扉9のハンドル10を下向きに右回動させると、前記ハンドル10の操作に連動して、ロッド11がロッド受部16から外れ、マイクロスイッチ17が、清浄室側扉9の上方に延出していたロッド11の先端部が下方に移動してロッド受部16から外れて清浄室側扉9が非固定状態となったことを検知し、前室側扉5の電磁式ロック8を施錠状態にインターロックする。
そして、図4(5)に示すように、グレモン錠のロッド11が縮められて非固定状態となり、電磁式ロック8が開錠状態となっている清浄室側扉9を開扉して、箱体1a内から清浄室2に物品を搬入する。
最後に、図4(6)に示すように、清浄室側扉9のハンドル10による閉扉によりインターロック機構が次のように作動する。清浄室側扉9を閉めた後、清浄室側扉9のハンドル10を左回動させると、前記ハンドル10の操作に連動して、ロッド11がロッド受部16に挿入され、マイクロスイッチ17が、ロッド11の先端部が清浄室側扉9の上方に移動してロッド受部16に挿入されグレモン錠により清浄室側扉9が固定状態になったことを検知し、前室側扉5及び清浄室側扉9の電磁式ロック8,12が共に開錠状態となる初期状態に戻る。
前記一連の動作によって図5に示す動作パターン1の前室2から清浄室3へ物品を搬入する動作が終了する。
このように、インターロック機構は、グレモン錠のロッドがロッド受部から外れて扉が非固定状態となると、マイクロスイッチが非固定状態のロッドの位置の検出結果に基づき、ロッドが外れて非固定状態となった一室側に面した扉とは異なる他室側に面したの扉の電磁式ロックが施錠状態にインターロックされるので、前室側扉5と清浄室側扉9の両方が同時に開放されて、前室3側の空気が清浄室2側に流入し、清浄室2の雰囲気を汚染することはない。前室側扉5及び清浄室側扉9の電磁式ロック8,12の両方が開錠されている場合は、必ずグレモン錠により前室側扉5及び清浄室側扉9の両方が固定状態となっている場合であるため、前室3から清浄室2に汚い空気が流入することはない。また、マイクロスイッチ14,17による一つの検出結果に基づいて、電磁式ロック8,12の施錠・開錠の一つの動作を制御するため、すなわち、一方の扉の固定状態のロッドの位置の検出結果に基づいて、他方の扉の電磁式ロックが開錠され、または、一方の扉の非固定状態のロッドの位置の検出結果に基づいて、他方の扉の電磁式ロックが施錠されるため、制御が行い易くなる。
尚、前室側扉5と清浄室側扉9の動作順序を逆にすることにより、清浄室2側から前室3側に物品を搬入することができる。
1a 箱体
2 清浄室
3 前室
4 壁
5 前室側扉
6 ハンドル
7 ロッド
7a ロッドの先端部
7b ロッドの先端部
8 電磁式ロック
9 清浄室側扉
10 ハンドル
11 ロッド
12 電磁式ロック
13 ロッド受部
13a ロッド受部
13b ロッド受部
14 マイクロスイッチ
15 光センサ
16 ロッド受部
17 マイクロスイッチ
a 箱体
b 清浄室
c 前室
d 側壁
e 清浄室側扉
f 前室側扉
g マグネット
h 近接スイッチ
i 電磁式ロック
j マグネット
k 近接スイッチ
l 電磁式ロック
m ロッド棒先端部
n ロッド棒受部
Claims (5)
- 所定雰囲気に設定された複数の各室に面してそれぞれ扉を有する箱体からなり、該箱体を介して各室間を通過する多扉式通過用装置であって、前記扉を開閉するハンドルと、該ハンドルに連動し延出させて扉を固定する係止手段と、前記係止手段による扉の固定・非固定状態を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した一室側に面した扉の非固定状態の検出結果に基づいて他室側に面した扉を施錠状態とする制御手段を有するインターロック機構を備えたことを特徴とする多扉式通過用装置。
- 前記ハンドルとこれに連動する前記係止手段がグレモン錠であることを特徴とする請求項1記載の多扉式通過用装置。
- 前記検出手段を、扉から延出した係止手段を受ける箱体の係止手段受部に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の多扉式通過用装置。
- 前記検出手段が、マイクロスイッチ若しくは光センサからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多扉式通過用装置。
- 前記制御手段が、前記検出手段の検出結果に基づいて前記扉を施錠する電磁式ロックからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多扉式通過用装置。
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JP2003369966A JP2005133407A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 多扉式通過用装置 |
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- 2003-10-30 JP JP2003369966A patent/JP2005133407A/ja active Pending
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