JP2005133052A - オフセットインキ用の樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルキルフェノール及びホルムアルデヒドを使用せずに、従来のロジン変性フェノール樹脂と同等以上の性能が得られるオフセット印刷インキ用樹脂を提供する。
【解決手段】重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)、多価アルコール(ニ)、及び界面活性剤(ホ)を反応させて得られる、軟化点が120〜220℃、重量平均分子量が5,000〜300,000のオフセットインキ用の樹脂を得る。
【選択図】なし
【解決手段】重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)、多価アルコール(ニ)、及び界面活性剤(ホ)を反応させて得られる、軟化点が120〜220℃、重量平均分子量が5,000〜300,000のオフセットインキ用の樹脂を得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポスター、カレンダー、チラシ、カタログなどの印刷に使われる商業オフセットインキや、新聞用オフセットインキに用いられるバインダー樹脂に関する。
オフセットインキ用のバインダー樹脂には従来から、ロジン、多価アルコール、及びフェノール樹脂を反応させた、ロジン変性フェノール樹脂が使われてきた。ロジン変性フェノール樹脂を、目的に応じて更に、重合ロジンや、不飽和ニ塩基酸や、植物油や、石油樹脂などを加えて、変性することも従前から行われてきたが、基本となるロジン、多価アルコール、及びフェノール樹脂は必須の構成材料となっていた。
ロジンは原料ソースの違うガムロジン、トールロジン、及びウッドロジンが、また産地の違う中国、インドネシア、ベトナム、アメリカ、アルゼンチン産などのロジンがそれぞれ目的に応じて使い分けられていた。多価アルコールも、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが目的に応じて使い分けられてきた。同様に、フェノール樹脂も、ビスフェノールA系や、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどのアルキルフェノール系のレゾール型フェノール樹脂が目的に応じて使われてきた。
ロジン変性フェノール樹脂は、優れたインキ性能を与えるものとしてオフセットインキ用に称揚されてきたが、その構成材料であるビスフェノールAやアルキルフェノールに環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)の疑いが持たれ、現在もそれらの、環境や生物に及ぼす影響について調べが進められているところである。また、フェノール樹脂の構成成分であるホルムアルデヒドは、臭気とその有害性が問題となり、塗料、接着剤他多くの分野で排除の方向に向かっている。そこで本発明者らは、重合ロジン、不飽和二塩基酸、多価アルコール、多官能アクリレートを必須成分とする新規の樹脂(特開2002−309146)を提案したが、この樹脂を用いるとインキの光沢に劣り、更には飽和乳化率が高くなる、即ち乳化適性に劣る傾向にあることが分かった。
本発明者らは、この状況に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、重合ロジン、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上、不飽和ニ塩基酸、多価アルコール、及び界面活性剤を樹脂の必須構成材料として組合せて採用することにより、環境ホルモンの疑いのあるビスフェノールAやアルキルフェノールを用いなくても、また臭気や有害性に問題のあるホルムアルデヒドを用いなくても、従来のロジン変性フェノール樹脂と同等以上の性能の得られる、乳化適性にも優れる樹脂が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)、多価アルコール(ニ)、及び界面活性剤を反応させて得られる、軟化点が120〜220℃、重量平均分子量が5,000〜300,000のオフセットインキ用の樹脂に関する。
本発明において重合ロジン(イ)は、ロジンを硫酸などの触媒を用いてダイマー化し、必要に応じて未反応のロジンを蒸留などの方法で除くことによって製造されたもので、ロジンを原料にして自ら製造することもできるし、市販のものを用いても良い。重合ロジンの軟化点は概略80〜140℃、ダイマー化率は概略20〜80%である。なお、重合ロジンの軟化点及びダイマー化率を、重合ロジンにロジンを加えて調整することも出来る。
本発明において植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)は、従来公知のいかなるものをも用い得るが、例えば大豆油、アマニ油、ひまし油、脱水ひまし油、再生植物油、重合アマニ油、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、トール油脂肪酸などを挙げることができる。なお、成分(ロ)は、成分(イ)の重合ロジン(軟化点及びダイマー化率調整のために加えたロジンを含む、以下ロジンを含むと略す)100質量部当たり概略1〜20質量部とするのが望ましい。成分(ロ)が1質量部未満では、結果として得られる樹脂のインキ用溶剤への溶解性が低く、顔料分散性も不十分となる傾向にある。また、成分(ロ)が20質量部を超えると、軟化点が低くなり、所期の範囲(120〜220℃)に納めるのが難しくなる。
本発明において不飽和ニ塩基酸(ハ)は、ロジンの不飽和結合と反応するものであれば従来公知のいかなるものをも用い得るが、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができる。なお、不飽和ニ塩基酸は、重合ロジン(ロジンを含む)100質量部当たり概略0.5〜15質量部とするのが望ましく、この範囲内であれば樹脂の軟化点及び重量平均分子量を所期の範囲に納めることが容易である。
本発明において多価アルコール(ニ)は、従来公知のものが用いられるが、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、2−メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールプロピオン酸、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトールなどを挙げることができる。なお、多価アルコールは、重合ロジン(ロジンを含む)100質量部当たり概略5〜15質量部とするのが望ましく、この範囲内であれば樹脂の軟化点及び重量平均分子量を所期の範囲に納めることが容易である。
本発明において界面活性剤(ホ)は、アニオン性、ノニオン性、カチオン性等の性質に関わらず、従来公知のいかなるものをも用い得るが、分子内にビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等の官能基を有する、即ち反応性の界面活性剤がより望ましい。アニオン性界面活性剤の例としては、脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられ、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキルエーテル(エステル)、ソルビタンジアルキルエーテル(エステル)、ソルビタンフェニルエーテル(エステル)、ソルビタンアルキルフェニルエーテル(エステル)、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキルエーテル(エステル)、グリセリンアルキルエーテル(エステル)、グリセリンフェニルエーテル(エステル)、グリセリンアルキルフェニルエーテル(エステル)等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ジアルキルメチルアンモニウムハライド、アルキルベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。更に反応性の界面活性剤としては、第一工業製薬製アクアロンシリーズ、旭電化製アデカリアソープシリーズ、花王製ラテムルシリーズ、三洋化成製エレミノールシリーズ等が挙げられる。なお、界面活性剤は、重合ロジン(ロジンを含む)100質量部当たり概略0.1〜10質量部とするのが望ましく、この範囲内であれば樹脂の軟化点及び重量平均分子量を所期の範囲に納めることが容易である。
本発明において樹脂の軟化点は、120〜220℃である必要がある。軟化点が120℃を下回ると、インキのセット、乾燥性が劣るようになる。また、軟化点が220℃を超えると、インキ用ワニスの調製が困難となる。なお、本発明における軟化点の測定方法は、JIS K2207記載の環球法に従うものとする。
本発明において樹脂の重量平均分子量は5,000〜300,000である必要がある。重量平均分子量が5,000未満ではインキ用ワニスに必要な弾性が得難く、インキのミスチング耐性に劣る。一方300,000以上ではインキ用ワニスに必要な粘性が得難く、インキの流動性に劣る。なお、本発明における重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定したもので、単分散の標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
本発明におけるオフセットインキ用の樹脂は、重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)、多価アルコール(ニ)、及び界面活性剤(ホ)のほかに、所望に応じて例えばガムロジン、トールロジン、植物油脂肪酸のエステル、アルキド樹脂、DCPD系石油樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂などを加えて反応させ、軟化点、分子量、溶解性、粘度などを調整することも可能である。
本発明におけるオフセットインキ用の樹脂は、重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)、多価アルコール(ニ)、及び界面活性剤(ホ)を反応させて得られるものであり、例えば成分(イ)及び成分(ロ)に成分(ハ)を反応させた後、成分(ニ)及び成分(ホ)を反応させても良いし、成分(イ)に成分(ハ)を反応させ、次いで成分(ロ)、成分(ニ)、成分(ホ)の順序で反応させても良く、これらの反応の順序は特に限定しない。
合成の一例を挙げると、重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)を反応器に仕込み、温度150〜250℃で反応させ、次いでこの反応物に多価アルコール(ニ)及び界面活性剤(ホ)を仕込み、温度200〜280℃で反応させることができる。後者の反応は無触媒でも良いし、例えば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属系触媒、又はリン酸、p−トルエンスルホン酸等の非金属系触媒など適当な触媒を加えて反応させることもできる。また、縮合水を除去するために例えばキシレンなどの適当な還流溶剤を加えて反応させることもできる。
本発明のオフセット印刷インキ用樹脂は、環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)の疑いが持たれているビスフェノールAやアルキルフェノールを用いずに、また臭気や有害性に問題のあるホルムアルデヒドを使用せずに合成されるものである。しかも、本発明のオフセットインキ用樹脂を用いれば、インキのフロー、光沢等の顔料分散性や、乳化適性に関連する重要なインキ性能が従来から使用されているロジン変性フェノール樹脂と同等以上となるインキが得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、仕込みの部は質量部を表す。
(合成例1)
撹拌機、水分離器付き反応容器中に重合ロジン(軟化点140℃、ダイマー化率80%)720部、中国産ガムロジン240部、重合アマニ油120部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸60部を反応させた後、ペンタエリスリトール135部、酸化マグネシウム1.2部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させた。その後230℃で花王製ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(商品名 エマゾールO−105R)30部、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート12部を反応させ(樹脂1)を得た。
撹拌機、水分離器付き反応容器中に重合ロジン(軟化点140℃、ダイマー化率80%)720部、中国産ガムロジン240部、重合アマニ油120部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸60部を反応させた後、ペンタエリスリトール135部、酸化マグネシウム1.2部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させた。その後230℃で花王製ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(商品名 エマゾールO−105R)30部、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート12部を反応させ(樹脂1)を得た。
(合成例2)
合成例1と同様の反応容器中に重合ロジン(軟化点140℃、ダイマー化率80%)720部、中国産ガムロジン240部、重合アマニ油120部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸60部を反応させた後、ペンタエリスリトール135部、酸化マグネシウム1.2部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させた。その後230℃で第一工業製薬製反応性界面活性剤(商品名 アクアロンHS−10)30部、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート12部を反応させ(樹脂2)を得た。
合成例1と同様の反応容器中に重合ロジン(軟化点140℃、ダイマー化率80%)720部、中国産ガムロジン240部、重合アマニ油120部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸60部を反応させた後、ペンタエリスリトール135部、酸化マグネシウム1.2部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させた。その後230℃で第一工業製薬製反応性界面活性剤(商品名 アクアロンHS−10)30部、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート12部を反応させ(樹脂2)を得た。
(比較合成例1)
合成例1と同様の反応容器中に重合ロジン(軟化点140℃、ダイマー化率80%)720部、中国産ガムロジン240部、重合アマニ油120部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸60部を反応させた後、ペンタエリスリトール135部、酸化マグネシウム1.2部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させた。その後230℃で1.6−ヘキサンジオールジアクリレート12部を反応させ(樹脂3)を得た。
合成例1と同様の反応容器中に重合ロジン(軟化点140℃、ダイマー化率80%)720部、中国産ガムロジン240部、重合アマニ油120部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸60部を反応させた後、ペンタエリスリトール135部、酸化マグネシウム1.2部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させた。その後230℃で1.6−ヘキサンジオールジアクリレート12部を反応させ(樹脂3)を得た。
(比較合成例2)
合成例1と同様の反応容器中に中国産ガムロジン900部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸15部を反応させた後、230℃でオクチルフェノール系レゾール型フェノール樹脂540部を3時間で滴下した。その後グリセリン95部、酸化マグネシウム0.9部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させて(樹脂4)を得た。なお、オクチルフェノール系レゾール型フェノール樹脂は実施例1と同様の反応容器中にオクチルフェノール1000部、パラホルムアルデヒド(純度92%)300部を仕込み、加熱撹拌し80℃で触媒として10%水酸化ナトリウム水溶液10g添加後90℃で4時間保温して合成した。
合成例1と同様の反応容器中に中国産ガムロジン900部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し200℃で無水マレイン酸15部を反応させた後、230℃でオクチルフェノール系レゾール型フェノール樹脂540部を3時間で滴下した。その後グリセリン95部、酸化マグネシウム0.9部を仕込み270℃で脱水縮合して酸価が約20となるまで反応させて(樹脂4)を得た。なお、オクチルフェノール系レゾール型フェノール樹脂は実施例1と同様の反応容器中にオクチルフェノール1000部、パラホルムアルデヒド(純度92%)300部を仕込み、加熱撹拌し80℃で触媒として10%水酸化ナトリウム水溶液10g添加後90℃で4時間保温して合成した。
得られた樹脂について、軟化点、酸価の測定の他、アマニ油ワニスの落球粘度、インキ用溶剤(日石三菱(株)製AF7号ソルベント)への溶解性、重量平均分子量を評価した。測定は以下の方法で行い、結果を表1に纏めた。
アマニ油ワニス粘度:樹脂とアマニ油を質量比1:2で混合し、加熱溶解したものを落球型粘度計で測定した。
インキ用溶剤への溶解性(AF7号ソルベント溶解性):樹脂をAF7号ソルベントで溶解した後25℃で放置した時に白濁しない状態で存在できる最大のAF7号ソルベント量のことで、その時点での樹脂1g当りに換算したAF7号ソルベント量で表示した。
表1の各々の樹脂について樹脂40部、大豆油20部、AF7号ソルベント40部を反応容器に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら撹拌昇温して200℃で1時間保温しワニスを得た。これを100℃まで冷却したところでゲル化剤としてALCH−50(川研ファインケミカル(株)製)1部を添加し、180℃まで昇温の後1時間保温しゲルワニスを得た。
次にゲルワニス100部とカーミン6B30部を三本ロールミルで練肉した後、更にタックが6〜7になる様AF7号ソルベントで調整して試験用紅インキを得た。
表2のインキ性能評価は以下の様に行った。
フロー:並行板粘度計((株)東洋精機製作所製)を用いて測定した。
光沢:インキ0.3ccをRIテスター(明製作所社製)でアート紙に展色した後、熱風乾燥機中120℃、5秒で乾燥させ、室温で24時間経過した時点で光沢計(ガードナー社製)を用いて60°鏡面反射率を測定した。
乳化率:リソトロニック(ノボコントロール社製)を用い、25gのインキにイオン交換水を2ml/minの速度で滴下して、飽和したところでの乳化率を測定した。
ミスチング量:インキ1.3ccをデジタルインコメーター((株)東洋精機製作所製)1分当り2000回転で1分間回転させた時にロール下方に飛散したミストの量を精秤した。
表1、及び表2から、樹脂1及び樹脂2は樹脂4(従来のロジン変性フェノール樹脂)と同等の樹脂性状であり、これを用いたインキは樹脂4(従来のロジン変性フェノール樹脂)を用いたインキと同等以上の性能を有する。また、樹脂1及び樹脂2を用いたインキは、樹脂4(従来のロジン変性フェノール樹脂)を用いたインキとは異なり、有害性の疑われるアルキルフェノールやホルムアルデヒドを含まないことは明かである。一方樹脂1及び樹脂2は、樹脂3(成分(ホ)非含有)に比べ、インキの光沢に優れ、乳化率も低く抑えることができる。
Claims (2)
- 重合ロジン(イ)、植物油、重合植物油、植物油脂肪酸、その他の高級脂肪酸の内少なくとも1つ以上(ロ)、不飽和ニ塩基酸(ハ)、多価アルコール(ニ)、及び界面活性剤(ホ)を必須成分として反応させて得られる、軟化点が120〜220℃、重量平均分子量が5,000〜300,000のオフセットインキ用の樹脂
- 成分(イ)100質量部当り成分(ロ)を1〜20質量部、成分(ハ)を0.5〜15質量部、成分(ニ)を5〜15質量部、成分(ホ)を0.1〜10質量部の範囲で反応させて得られる請求項1記載のオフセットインキ用の樹脂
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JP2003405197A JP2005133052A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | オフセットインキ用の樹脂 |
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Cited By (4)
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