JP2005132917A - 生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤 - Google Patents

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広治 吉田
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宏史 梶山
Yoshiaki Oki
義昭 大木
Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
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Abstract

【課題】 本発明は、生分解性ポリエステル系成形体を処理する際に、優れた濃色効果を発揮すると同時に堅牢度向上、柔軟性及び帯電防止性を付与する処理剤を提供する。
【解決手段】 本発明の生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤は、陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有する重合体を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤に関する。特に、ポリ乳酸系繊維の染色時の濃色化、堅牢度向上、柔軟性付与、帯電防止性の付与などを目的とした処理剤に関する。また本発明は、該処理剤を使用して処理されたポリ乳酸系成形体にも関する。
従来、汎用プラスチック製品の材料としてポリエステル系やポリアミド系材料が広く使用されてきたが、近年、地球環境保全の観点から、これらに替わる材料として、資源再生可能な生分解性ポリエステルが注目を集めている。しかし、生分解性ポリエステル、なかでもポリ乳酸は、従来のポリエステルと同様に樹脂の官能基などによる表面活性が乏しく、さらに、脂肪族ポリエステルであるポリ乳酸は、芳香族ポリエステル等に比べて耐加水分解性に劣るという欠点を有する。また芳香族ポリエステル繊維と比較して融点が低い等の物性上の理由により、同繊維と同等の染色性、柔軟性、帯電防止性、などを付与する繊維処理法が得られていない。特に、高温染色加工を行った場合、ポリ乳酸は分子量や強度の大幅な低下を引き起こし、十分に染色できない等問題があった。そこでこの問題を解決する為に、ポリ乳酸繊維の分子量の低下率が20%以下となるように、染色温度、染色時間および染色pHを選択して染色する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら上記の染色加工方法では分子量の低下を抑えることは可能であっても、十分に染料を染着させることが困難であったり、分散染料の分散不良によるタール化を引き起こしたり、不均染による染め斑が発生する等問題があり、ユーザーの満足するような染色を施した実用的な繊維が得られていないのが現状であった。よって上記ポリ乳酸繊維の染色及び繊維に必要な処理については、適切な加工技術が確立されておらず、良好な繊維処理剤、方法の開発が望まれていた。
また、従来、ポリエステル系繊維製品の濃色化法、染色加工法に関して、カチオン系保護コロイドの存在下での重合により得られる水性樹脂組成物を含む濃色化剤(特許文献2)、ウレタンエマルションの存在下での重合により得られる水性樹脂組成物を含む濃色化剤(特許文献3)、カチオン化剤とノニオン界面活性剤、無機塩とを組み合わせた染色加工法(特許文献4)ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等を低屈折率樹脂で処理する方法(特許文献5)などが提案されているが、いずれも生分解性ポリエステル系成形体を対象としたものではない。
特開平8−311781号公報 特許2669519号公報 特開2000−282376号公報 特開平10−259579号公報 特開2001−288683号公報
本発明は、生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤、特にポリ乳酸系成形体の染色工程において特別な装置を使用せず、複雑な工程を経ずに濃色性を向上させるのと同時に、堅牢度向上ならびに柔軟性及び帯電防止性の付与などを効率良く出来る処理剤を提供することが課題である。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究した結果、優れた濃色作用を有し、かつ成形体の堅牢度を向上させ、柔軟性、帯電防止性等を付与できる生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤の発明を完成させた。
即ち、本発明は、陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有する重合体を含むことを特徴とする生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤である。さらには、上記重合体が、(1)陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有するポリウレタン、(2)下記一般式(A)および(B)で表される単量体から選択される1種以上を重合して得られる重合体、および(3)アミノ変性シリコーン、から選択される1種または2種以上であることを特徴とする生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤である。
Figure 2005132917
〔R1、R2、R3およびR4は各々独立して、少なくとも1が炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基を示し、残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜24の置換されたフェニル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、または−(ZO)m−H基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜40の整数である。)を示し、X-は陰イオンを示す。〕
Figure 2005132917
〔R5、R6およびR7は各々独立して、少なくとも1が炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基を示し、残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜24の置換されたフェニル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、または−(ZO)m−H基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜40の整数である。)を示す。〕
生分解性ポリエステル系成形体の処理の際に、本発明に従う重合体を含む処理剤を使用することで、染色時の染料の吸着性を向上させ、再現性良く濃色効果を発揮出来る。さらに、堅牢性、柔軟性および帯電防止性の付与によって成形体の改質を図ることができ、生分解性ポリエステル系成形体の応用を広く可能にする。
本発明に係わる重合体はカチオン性であり、陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有する。好ましい重合体として、以下に説明する(1)〜(3)が挙げられる。
(1)陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有するポリウレタン:
本発明に係るポリウレタンは、陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有することが必須であり、例えばイソシアネート成分とポリオール成分とから公知の方法によって得ることができる。例えば、はじめにプレポリマー化反応を行い、次いで必要に応じ鎖延長反応を行うことによって得ることができる。陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子は、プレポリマー化反応の際にポリオール成分としてアミン系ポリオールを存在させることによって、あるいは鎖延長反応をアミン系化合物を用いて行うことによって導入することができる。
イソシアネート成分としては、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、ポリイソイシアネート、水添イソシアネートなどが挙げられ、これらを必要に応じ単独でまたは混合して使用することができる。ジイソシアネートが好ましく用いられるが、耐黄変性の点から、水添イソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートの使用も好ましい。
ポリオール成分としては、公知のポリエーテル、低分子量のポリオール化合物、ポリエステル、アミン系ポリオール、ポリエーテルエステル、ポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリブタジエンなどがあり、好ましくは、2個以上のヒドロキシル基を有するポリエーテル、低分子量のポリオール化合物およびポリエステルである。
ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。
低分子量のポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。また、これらのポリオール化合物とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどの一種または二種以上との付加物を使用することもできる。
ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンまたはトリメチロールプロパン等のポリオール、もしくはこれらのアルキレンオキサイド付加物とコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等の多価飽和又は不飽和カルボン酸、若しくはこれらの酸無水物との縮合生成物やポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。これらは必要に応じて混合して使用される。
アミン系ポリオールとしては、例えば、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの3級アミン、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。これらのアミン系ポリオールは一般的に、ポリウレタンの全構成成分に対し0〜30重量%程度用いられる。これらのアミン系ポリオールを使用することにより、ポリウレタンに陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を導入することができる。ポリウレタンの製造において、下記で述べるアミン系化合物による鎖延長反応を行わない場合は、このアミン系ポリオールの使用が必須である。アミン基に対する中和剤としては、塩酸、燐酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、有機スルホン酸、エピクロルヒドリンなどの有機酸が使用できる。また、ジメチロールプロピオン酸などのアニオン成分を併用してもよい。
プレポリマー化時に、上記のポリオール類に加え、カルボキシル基を有するポリオールを使用することにより、均一な水系化を容易にすることができる。具体的には、ジメチロールプロピオン酸等が挙げられる。さらには溶剤を使用することで反応を容易とし、また粘度を低下させ均一水系化し易い。その他、水系化の補助法として、界面活性剤を使用する方法、ブロック化する方法などが行われ得る。プレポリマー化は、適度な分子量に調整できることおよび必要な性能をポリオールで調整できることから望ましい。
プレポリマー化反応後、必要に応じ高分子量化等の目的で、アミン系鎖延長剤による鎖延長反応が行なわれ得る。上記アミン系鎖延長剤としては、一級、または二級アミノ基を一分子中に2個以上有するもの、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピペラジン、メチルピペラジン、ヒドラジン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、メラミン、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド等の化合物が挙げられる。使用量はプレポリマー100重量部に対し0部〜15重量部である。これらを使用することにより、ポリウレタンに陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を導入することができる。
本発明に係るポリウレタンとしては、スーパーフレックス610、同650(第一工業製薬製)や、旭電化工業などから提供されているアデカボンタイターHUXシリーズを利用することもでき、通常、処理剤含有量が5〜70%となるように調整される。
(2)下記一般式(A)で表される単量体および一般式(B)で表される単量体から選択される1種以上を重合することにより得られる重合体:
Figure 2005132917
〔R1、R2、R3およびR4は各々独立して、少なくとも1が炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基を示し、残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜24の置換されたフェニル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、または−(ZO)m−H基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレン基)であり、mは1〜40、好ましくは2〜30の整数である。)を示し、X-は陰イオンを示す。〕
Figure 2005132917
〔R5、R6およびR7は各々独立して、少なくとも1が炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基を示し、残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜24の置換されたフェニル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、または−(ZO)m−H基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレン基)であり、mは1〜40、好ましくは2〜30の整数である。)を示す。〕
上記式のR1〜R4およびR5〜R7において、炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基としては、例えばアリル基、ビニル基が挙げられ、好ましくはアリル基であり、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシメチル基、(メタ)アクリロイルオキシエチル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、(メタ)アクリロイルオキシブチル基が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシエチル基である。炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基としては、例えば(メタ)アクリルアミドメチル基、(メタ)アクリルアミドエチル基、(メタ)アクリルアミドプロピル基、(メタ)アクリルアミドブチル基が挙げられる。また、炭素数1〜4のアルキル基は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を包含し、好ましくはメチル基であり、炭素数7〜24の置換されたフェニル基は、例えばモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、モノスチリルフェニル基、ジスチリルフェニル基を包含し、炭素数7〜24のアリールアルキル基は、例えばベンジル基、スチリル基、クミル基、モノベンジルクミル基、ジベンジルクミル基、モノスチリルクミル基、ジスチリルクミル基を包含する。X-は陰イオンであり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンを包含する。
上記一般式(A)で表される単量体の例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルジエチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。上記一般式(B)で表される単量体の例としては、アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどが挙げられる。一般式(A)で表される単量体については、一般式(B)で表される単量体を塩化メチル等により4級化することによって得ることもできる。これらの単量体の1種または2種以上を重合することにより、陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有する重合体を得ることができる。また、本発明の目的を損なわない範囲で共重合可能な他の単量体を使用してもよい。
単量体の重合に使用する重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の硫酸化合物類や、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ系化合物等の水溶性ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤を使用して公知の条件で重合を行うことができる。
また、上記重合体として、ダンフィックスシリーズ(日東紡績製)、ネオフィックスシリーズ(日華化学製)、サンフィックスシリーズ(三洋化成工業製)などの市販品を使用することもできる。
(3)アミノ変性シリコーン:
本発明に係るアミノ変性シリコーンとしては、アミノ基を導入した変性ポリシロキサン(側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型などの各種導入位置のもの)、アミノシランなどの重合体等が使用できる。水分散型のSM−8702(東レダウ製)等の市販品を使用することもできる。さらに必要に応じて界面活性剤を使用し、ホモミキサー、コロイドミル、ホモジナイザーなどを用いて得たこれらの乳化物も使用することができる。
本発明の処理剤は、上記(1)〜(3)の重合体を1種以上含むことを特徴とするが、本発明の処理剤の効果をさらに高めるために、必要に応じて界面活性剤を本発明の処理剤中に含めることができ、または本発明の処理剤と共に使用することができる。界面活性剤として、非イオン型の界面活性剤、例えばエステル型、エーテル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型、アルカノールアミド型などの非イオン界面活性剤が使用できる。エステル型非イオン界面活性剤の具体例としては、ポリアルキレングリコール類にアルキレンオキサイドを付加させたものと脂肪酸とのエステル化物、グリセリン、ジグリセリン類にアルキレンオキサイドを付加させたものと脂肪酸とのエステル化物などが挙げることができる。エーテル型においては、活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加するタイプが一般的である。
カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤も使用できる。カチオン界面活性剤では、第4級アンモニウム塩型、脂肪族アミン型、イミダゾリニウム型、カチオン化セルロース型など、両性界面活性剤ではアルキルアミドアミン型、エーテルアミンオキシド型、グリシン型、ベタイン型、アミノ酸系両性活性剤型、アミンオキサイド型、アルキロールアマイド型などが使用できる。これらについては、各界面活性剤メーカーより販売されているものを使用できる。
アニオン界面活性剤では、カルボン酸塩、アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩型、アシル化ペプチドなどのカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルNメチルタウリン塩などのスルホン酸塩型、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル燐酸塩、アルキル燐酸塩などの燐酸エステル塩型などが例示できる。
これらの界面活性剤の使用量は一般的に、上記(1)〜(3)の本発明に係る重合体の使用量よりも少なくする方が良い。
また、本発明の処理剤の効果をさらに高めるために、上記界面活性剤と同様に、カルボキシル基を含有する重合体を使用することができる。例として、アルギン酸類、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチ類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸類、アクリル酸またはメタクリル酸などと他の単量体との共重合体類、マレイン酸、クロトン酸等との共重合体、さらにはカルボキシル基を含有するポリオレフィン系エマルジョン、例えば酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリプロピレンワックス、エチレン(メタ)アクリル酸共重合樹脂及びワックスなどカルボキシル基を付与したオレフィンワックス類の乳化物が挙げられる。
さらに、本発明の処理剤の効果を確実にするために、上記界面活性剤と同様に、架橋剤を必要に応じ使用することが出来る。例えば、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、メチロール化合物、ブロックイソシアネート類、カルボジイミド類などの有機系架橋剤、Ba、Fe、Ca、Mg、Cu、Zn及びMnなどの二価の金属を基にして作られたMgCO3、CaCO3、FeCO3、BaCO3、ZnCO3、CuCO3などの金属炭酸塩類、さらにMg(OH)2、Ca(OH)2、Zn(OH)2、Fe(OH)2、Fe(OH)3 、Ba(OH)2、などの金属水酸化物、ZnO、MgO 及びCaOなどの金属酸化物等が挙げられる。これらは必要に応じて単独で、または2種以上を組み合わせて使用される。
また、本発明の処理剤は、本発明の目的を損なわない範囲で可塑剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、無機フィラー等の各種添加剤、改質剤、充填剤を付加成分として含むことができ、あるいはこれらを本発明の処理剤と共に使用することができる。
本発明の処理剤は、例えば、濃色性を付与する目的で染色助剤として使用することができる。この場合、本発明の処理剤は、染色時または染色の前に添加され得る。本発明の処理剤を染色時に添加して使用する場合には、分散性、均染性、浸透性、浴中柔軟性、低起泡性等の向上を図るために本発明の目的を損なわない範囲で分散剤、均染剤、浸透剤、浴中柔軟剤、消泡剤等の各種添加剤を任意成分として併用することができ、染色浴に用いる染料、pH調整のための酸、キレート剤なども従来通り使用できる。ポリ乳酸系の成形体の染色は、100〜120℃の温度、4〜6のpHで行うことが好ましい。ポリ乳酸が加水分解することによる分子量の低下を防止するためである。
本発明の処理剤を染色前に使用する場合には、本発明の処理剤の水溶液を処理温度20〜120℃、処理時間5〜60分間で成形体に処理剤を吸着させる。処理後は通常の染色方法で染色すれば良く、染色時には上記と同様に分散性、均染性、浸透性、浴中柔軟性、低起泡性の向上を図るために本発明の目的を損なわない範囲で分散剤、均染剤、浸透剤、浴中柔軟剤、消泡剤等の各種添加剤を任意成分として使用しても良い。
また、本発明の処理剤は、堅牢度向上、柔軟性及び帯電防止性の付与などの目的で染色後に使用することもできる。この場合には、浸漬法、パッディング法、スプレー法等で成形体に付与することが出来る。処理剤を付与した後、成形体上での堅牢度向上、柔軟性及び帯電防止性などの耐久性を高めるために、予備乾燥及び熱処理の併用等による加熱処理を行ってもよい。
本発明の処理剤の使用量は、固形分で染浴または水溶液に対して通常0.01〜10g/リットルで、好ましくは0.2〜5.0g/リットルである。また、溶解性や安定性の向上、低粘度化の為にイソプロピルアルコール、ブチルセルソルブ等の溶剤等で希釈して使用しても良い。通常、処理浴の浴比は1:5〜1:30であり、染色方法は浸染、捺染、連染などのいずれでも良い。
本発明における生分解性ポリエステル系成形体は、生分解性ポリエステル系樹脂から製造された繊維、布帛、ファスナー、ボタン等を含み、本発明の処理剤は、いずれの成形体の染色においても優れた効果を有する。以下に、本発明の処理剤が使用される成形体の好ましい例として、ポリ乳酸系繊維について説明するが、本発明における生分解性ポリエステル系成形体は、ポリ乳酸系繊維に限定されるものではない。
ポリ乳酸系繊維は、ポリ乳酸系繊維単独あるいはポリ乳酸系繊維と他の天然、再生、合成繊維との混紡、交編物、交織物等であってもよい。また、その形態としては、糸、編物、織物、不織布、綱、網等の繊維構造体と認識されるものであればよい。
ポリ乳酸系繊維は、L−乳酸及び/又はD−乳酸を主とした繰り返し単位の脂肪族ポリエステル繊維である。
ポリ乳酸系繊維を製造する際に用いられるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸、乳酸の2量体であるL−ラクチドやD−ラクチド、あるいはメゾラクチドを原料とする。ポリ乳酸系繊維の結晶性を上げ強度を上げるために、ポリ乳酸はL体の比率が95%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましい。
この時用いられるポリ乳酸は、製糸性及び延伸特性の点で、相対粘度が2.5〜3.5の範囲であることが好ましく、2.7〜3.2の範囲であることがより好ましい。また、用いられるポリ乳酸は、モノマーの含有量が0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、特に0.2重量%以下であることが好ましい。上記モノマーは、後述するGPC分析により算出される分子量1000以下の成分である。モノマーの含有量が0.5重量%を超えると、紡糸・延伸工程で糸切れ等が発生し、操業性が著しく低下するおそれがある。これは、モノマー成分が熱により分解する為、ポリ乳酸の耐熱性を低下させるからであると考えられる。
ポリ乳酸系繊維の単糸繊度は、0.50〜25dtex(デシテックス)であることが好ましく、0.75〜10dtexであることがより好ましい。ポリ乳酸系繊維としては、マルチフィラメント延伸糸、マルチフィラメント仮撚糸、ステープルファイバーなどがあげられる。例えば、マルチフィラメント延伸糸は、紡糸速度を3000m/分以上で紡糸した後、延伸温度を100〜125℃で、1.3倍以上延伸した後、125〜150℃で熱セットすることにより得られる。この延伸糸の引張強度は、3.5cN/dtex(センチニュートン/デシテックス)以上であり、沸水収縮率も15%以下であるものが好ましい。
また、マルチフィラメント仮撚糸の製造方法は、通常の延伸同時仮撚方法であれば特に問題はなく、ベルトタイプ、ピンタイプ、フリクションタイプなどの仮撚機でも使用可能である。仮撚速度は生産性を考慮して500m/分以上であることが好ましい。この仮撚糸の引張強度は、2.65cN/dtex以上であるものが好ましい。
さらに、ステープルファイバーは、紡糸速度を2000m/分以下で紡糸した後、延伸温度を60〜98℃で、4.0倍以上延伸した後、105〜135℃で熱セットする事により得られる。このステープルファイバー引張強度は、3.0cN/dtex以上であるものが好ましい。
ポリ乳酸系繊維を染色する場合、通常は分散染料を用い、界面活性剤を使用して浴中に分散させて使用する。この際、粒子径0.02ミクロン以上5ミクロン以下である染料が好ましい。
本発明は生分解性ポリエステル系成形体に使用するための処理剤であり、陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有する重合体を含有することを特徴とする。生分解性ポリエステル系成形体、特にポリ乳酸繊維の染色において、優れた濃色効果を発揮でき、かつ堅牢度向上、柔軟性付与、帯電防止性の付与を可能にする処理剤は今まで提案されておらず、本発明は極めて有用である。
これらの効果の発現の機構に関しては明らかになっていないが、本発明に従う重合体は陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有しており、それが、陰性を帯びた生分解性ポリエステル成形体(繊維を含む)に吸着し、さらに、陰性を帯びた染料の微粒子が本発明の重合体に吸着することで濃色化等の効果が得られると推測される。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1(水系ポリウレタンの製造例)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成設備にポリオール成分としてポリエーテル系ポリオール(P−1000、旭電化(株)製、分子量1000)50g、1,4−シクロヘキサンジメタノール2.9g、ジメチロールプロピオン酸6g、を仕込み、さらに反応溶媒としてメチルピロリドン60gを加えた。イソシアネート成分として水添MDIを79g仕込み、有機錫系触媒L−101(東京ファインケミカル(株)製)を3滴加えて90〜95℃に昇温し8時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO%は7.6%であった。さらにトリエチルアミン5gを加え、中和の後、ヒドラジン一水和物13gと水280gの混合水溶液を加え50℃で5時間乳化して、架橋反応させ鎖延長させたウレタンエマルション樹脂U−1を得た(処理剤含有量29.8%)。
製造例2(水系ポリウレタンの製造例)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8kgの合成設備にポリオール成分としてポリエーテル系ポリオール(PP−400、三洋化成工業(株)製、分子量400)40g、1,4−シクロヘキサンジメタノール7.2g、ジメチロールプロピオン酸25gを仕込み、さらに反応溶媒としてメチルピロリドン80gを加えた。イソシアネート成分として水添MDIを105g仕込み、有機錫系触媒L−101(東京ファインケミカル(株)を2滴加えて90〜95℃に昇温し、8時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO%は2.2%であった。さらにトリエチルアミン21gを加え、中和の後、ヒドラジン一水和物4.5gと水330gの混合水溶液を加え50℃で5時間乳化して、架橋反応させ鎖延長させたウレタンエマルション樹脂U−2を得た(処理剤含有量29.7%)。
製造例3(水系ポリウレタンの製造例)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量2.0リットルの合成設備にポリエステルポリオール(アジピン酸/1,6−ヘキサングリコール;平均分子量1800)167g、ポリエチレングリコール(平均分子量400)45g、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン36g、水添MDI200g、N―メチル2−ピロリドン230gを仕込み、70〜90℃でフレポリマーを合成した。次いで水800gと酢酸22gの混合物を添加してウレタンエマルション樹脂U−3を得た(処理剤含有量28.6%)。
製造例4(カチオンアクリル樹脂の水系分散体)
反応用フラスコにジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物の78%水溶液30g、アクリルアミド35gと一度沸騰させ冷却した水140gを加え溶解させた。窒素置換後50℃まで昇温し、触媒(和光純薬社製V−50)3gを20mlの水に溶解して添加シリンダーに入れ、初期に5mlを添加して反応開始とした。残りは反応の間に断続的に滴下した。反応を6時間行い、熟成に1時間を要した。その結果、アクリル樹脂の水系分散体A−6を得た(処理剤含有量28.0%)。
製造例5(カチオンアクリル樹脂の水系分散体)
製造例4と同様な条件で行った。使用した単量体はジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物の78%水溶液30g、アクリルアミド25g、メトキシポリエチレングリコール(PEG400)モノアクリレート10gであった。その結果、アクリル樹脂の水系分散体A−7を得た(処理剤含有量25.6%)。
製造例6(カチオンオレフィン系樹脂の水系分散体)
製造例4と同様な装置を使用して、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(65%水溶液)とアクリルアミド(50%水溶液)を単量体として同量とり9%水溶液となるように水を加えた。触媒として過硫酸ナトリウムを使用し、反応温度を80℃まで昇温し重合させた。その結果、オレフィン系樹脂の水系分散体A−8を得た(処理剤含有量9.1%)。
下記表1に示す樹脂を処理剤として用いて、ポリ乳酸系繊維からなる布帛を処理し、下記に示す試験に供した。結果を表2に示す。なお、実施例においては、上記の製造例1〜6の樹脂以外に、市販品であるスーパーフレックス610、同650(第一工業製薬製、水系ポリウレタン)、ダンフィックス202(日東紡績製、アクリル樹脂)、SM−8702(東レダウ製、アミノ変性シリコーン)を試験に供した。また、比較例では、トーホーソルトA10N(東邦化学工業製、特殊アニオン系界面活性剤)、CA−300(近代化学製、スチレンマレイン酸重合体)、S−3121(東邦化学工業製、エチレンアクリル酸共重合体)、およびプライマルHA−8(ローム アンド ハース製、アクリル系樹脂)を使用した。
Figure 2005132917
実施例および比較例における処理方法および試験方法を下記に示す。
<処理条件>
染料 : Trial Blue 02 1%o.w.f.
処理剤 : 1.0g/L(固型分換算)
80%酢酸: 0.3ml/L
浴比 : 1:20
温度・時間: 110℃×30分
染色機 : カラーマスター12(辻井染機工業製)
ポリ乳酸系繊維からなる布帛を上記条件で処理し、水洗・乾燥後に処理布の濃色性、摩擦堅牢度、柔軟性、帯電防止性を下記のように試験した。
(a)濃色性
<判定方法>
東京電色製の色差計(COLOR ACE MODEL TCA-1)により処理布のL値を測定した。L値は明度指数といい、数値が小さいほど濃色効果が優れていることを意味する。
(b)摩擦堅牢度
<判定方法>
処理布を摩擦堅牢度試験に供した。摩擦堅牢度試験は、処理布を20℃、40%RHの恒温室内に24時間放置したものを用い、JIS L−0849に従って行った。
(c)柔軟性
<判定方法>
処理布の柔軟性を触感法により判定した。
○ ・・・優れる
△ ・・・劣る
× ・・・不良
(d)帯電防止性
<判定方法>
処理布を20℃、40%RHの恒温室内に24時間放置したものを用い、JIS L−1094に従って、ロータリースタティックテスターを用いて1分後の摩擦静電気(V)を測定した。
上記の処理に用いた、ポリ乳酸系繊維からなる布帛の製法および物性の分析法は以下の通りである。
製法
L体比率が98.8%、相対粘度が3.08、モノマー含有量が0.28重量%であるポリ乳酸を用いて紡糸・延伸した。得られたマルチフィラメント延伸糸56dtex(デシテックス)/48f(フィラメント)の引っ張り強度は4.73cN/dtex、伸度は28.7%、沸水収縮率は11.6%であった。
上記フィラメントを原料として、30インチ丸編み機にて28ゲージで、インターロックを作成した。
分析法
原料であるポリマー(ポリ乳酸)およびそれを延伸して得られた延伸糸の物性の分析を以下の方法で行った。
<モノマー含有量>
ポリマーを10mg/mLの濃度になるようクロロホルムに溶かした。クロロホルムを溶媒としてGPC分析を行い、分子量を測定した。検出器はRIを用い、分子量の標準物質としてポリスチレンを用いた。分子量1000以下の成分の割合からポリマー中のモノマー含有量を算出した。
<相対粘度:ηrel>
フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒にポリマーを1g/dLの濃度になるよう溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
<L体比率の測定>
ポリマーを加水分解させ、1.0mol/Lのメタノール性水酸化ナトリウム溶液を溶媒として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:島津製作所製、LC10AD型)を使ってL体の比率を求めた。
<強伸度の測定>
引っ張り試験機(島津製作所製、RTM−100)を用い、試料長20cm、速度20cm/分で引っ張り試験を行った。破断強度を引っ張り強度、破断伸度を伸度とした。
<沸水収縮率>
初期値50cmの試料に、初期荷重200mgをかけて沸騰水中に15分間浸漬し、5分間風乾した後、次式により沸水収縮率を求めた。
沸水収縮率(%)=(初期試料長−収縮後の試料長)/初期試料長×100
Figure 2005132917

<総合評価判定基準>
○…処理剤が濃色性、摩擦堅牢度、柔軟性、帯電防止性の全ての性能を満たしている。
△…処理剤が濃色性、摩擦堅牢度、柔軟性、帯電防止性のいずれかの性能を満たしている。
×…処理剤が濃色性、摩擦堅牢度、柔軟性、帯電防止性の全ての性能を満たしていない。
上記結果より、本発明の重合体を含む処理剤は、比較処理剤に比べ濃色効果に優れ、同時に堅牢度向上、柔軟性及び帯電防止性の効果を付与することが確認された。

Claims (6)

  1. 陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有する重合体を含むことを特徴とする生分解性ポリエステル系成形体用の処理剤。
  2. 該重合体が、
    (1)陽イオン性窒素原子または塩基性窒素原子を有するポリウレタン、
    (2)下記一般式(A)で表される単量体:
    Figure 2005132917
    〔R1、R2、R3およびR4は各々独立して、少なくとも1が炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基を示し、残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜24の置換されたフェニル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、または−(ZO)m−H基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜40の整数である。)を示し、X-は陰イオンを示す。〕および
    下記一般式(B)で表される単量体:
    Figure 2005132917
    〔R5、R6およびR7は各々独立して、少なくとも1が炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、炭素数4〜8の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または炭素数4〜8の(メタ)アクリルアミドアルキル基を示し、残りが水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数7〜24の置換されたフェニル基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、または−(ZO)m−H基(Zは炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは1〜40の整数である。)を示す。〕
    から選択される1種以上を重合して得られる重合体、および
    (3)アミノ変性シリコーン
    から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の処理剤。
  3. 生分解性ポリエステル系成形体がポリ乳酸系成形体であることを特徴とする請求項1または2に記載の処理剤。
  4. ポリ乳酸系成形体の染色において使用される請求項3に記載の処理剤。
  5. 処理が、濃色化、堅牢度向上、柔軟性付与または帯電防止性付与の処理である、請求項1〜4のいずれか1項記載の処理剤。
  6. 請求項4または5に記載の処理剤を使用して染色されたポリ乳酸系成形体。
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