JP2005131502A - 基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵方法と、この除塵方法を利用した基板又はシート等の除塵装置 - Google Patents

基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵方法と、この除塵方法を利用した基板又はシート等の除塵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】直接接触することができない基板又はシート等の表面に付着する塵埃或いは汚染微粒子を簡易且つ確実に除塵することができるようにするものである。
【解決手段】回転ノズル(13)と基板又はシート等(2)とを近接することにより形成される幅狭な空間(25)内に、該回転ノズル(13)を回転させつつ、その表面の圧縮空気噴射孔(22)から圧縮空気(15)を噴射すると共に、高圧吸入孔(23)から高圧の吸引を行うことで、該圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至る気流を形成すると共に、基板又はシート等の表面に固着する塵埃等に対して圧縮空気の押圧と高圧の吸引による引張を反復して作用させて細かく振動させることにより、塵埃等の固着力を弱めることで、迅速且つ確実に塵埃等を除塵することができる。
【選択図】図12

Description

この発明は、製造工程において、基板又はシートの表面に付着する塵埃や汚染微粒子(以下、「塵埃等」とする。)の除塵方法と、この方法を利用した基板又はシート等の除塵装置に関するものである。
近年、基板又はシート等では、その表面に印刷されることとなる回路等のファインパターン化が進んでいるため、例えば、製造工程において生じる樹脂や金属等の塵埃等が基板又はシート等の表面に印刷された回路に付着することで発生する短絡や接続不良等が問題となっている。そのため、基板又はシート等の表面に付着する、例えば樹脂や金属等の塵埃等を除去するために、基板又はシート等のクリーンルーム内における製造、水等の溶媒による基板又はシート等の表面の超音波洗浄、或いは基板又はシート表面に粘着ゴムロールを密着させる等の方法により除塵が行われている。
しかしながら、上記従来の除塵方法のうち、基板又はシート等の製造をクリーンルーム内で行うことは、製造工程において発生し、空気中に浮遊する塵埃等が基板又はシート等の表面に付着してしまうことは大幅に防ぐことができるものの、この基板又はシート等の製造工程を全てクリーンルーム内で行うことは、基板又はシート等の製造設備としては大規模なものとなり、設備コストを含む基板又はシート等の製造における製造コストは著しく上昇してしまい、大量生産を予定する基板又はシート等の製造においては非常に不利となるものである。また、基板又はシート等を所定の大きさに切断する工程では、その切断に伴って基板又はシート等自体から塵埃等が新たに多量に発生するので、クリーンルーム内において製造作業を行っても、基板又はシート等への塵埃等の付着を完全には防ぐことはできないものである。
更に、水等の溶媒による基板又はシート等の表面の超音波洗浄を行うものであっては、基板又はシート等の表面に付着する塵埃等の発生自体を抑制するものではないが、基板又はシート表面に付着した塵埃等は水等の溶媒を用いて超音波洗浄をすることにより、この溶媒が超音波の振動により細部まで浸透して、簡易かつ確実に塵埃等を除塵することが可能となる。しかしながら、洗浄に際して超音波を利用することは、基板又はシート等に印刷されるファインパターン化している回路に対して振動による断線等の不具合を与えるおそれがある。そして、特に洗浄する溶媒として水を使用した場合には、その揮発性の低さ故に、基板又はシート等の表面に印刷した回路等から蒸発し難く腐食をもたらすことがある。また逆に、揮発性の高い溶媒、例えばアルコール類等の有機溶媒を使用した場合には、基板やシート表面に付着した塵埃等のみならず、不用意な接触によって付着することとなる油分等の除去においても確実に行えるものであるものの、この溶媒の有する高い揮発性によって溶媒が作業環境中に広く蔓延し易く、作業者の健康や周辺環境に悪影響を与えてしまう恐れがある。そのため、この揮発性の高い溶媒による作業者の健康や周辺環境に与える悪影響を防止するべく、この高い揮発性を有する溶媒の使用を一定空間の閉鎖系内で行ったり、或いは完全な換気を行うことで実現しようとすると、クリーンルームと同様に設備費用が膨大となり、基板又はシート等の製造コストの著しい上昇を招いてしまう。
そして、塵埃等を、粘着ゴムロールをその表面に密着させて、吸着により除去するものでは、塵埃等を直接吸着する粘着ゴムロールの表面の粘着力を調節することにより、基板又はシートの表面に付着するあらゆる種類の塵埃等に対応して除塵することができるものとなる。しかし、この粘着ゴムロールの吸着による塵埃等の除塵では、基板又はシート等の表面と粘着ゴムロールとの密着が避けられないので、基板又はシート等の表面に粘着ゴムロール自体の成分の汚染微粒子が付着したり、或いはその粘着ゴムロールに吸着された塵埃などを除去するために使用される接着テープの接着剤が、粘着ゴムロールを介して基板又はシート等の表面に付着し、その基板又はシート等自体を不良品にしてしまう恐れがある。更に、ファインパターン化した回路等を印刷する基板やシート表面に対して付着した塵埃等の除塵作業は、粘着ゴムロールの粘着性の強度によっては基板又はシート等の表面に印刷された回路の剥離等の破損をもたらす危険も考えられる。そして、例えば液晶ガラスパネル等の表面等への直接接触すら許されないものに対しては、粘着ゴムロール自体使用不可能である。
そこで、例えば基板又はシート等の表面に対して略閉鎖空間内において圧縮空気を吹き付けた上で、該略閉鎖空間内の空気を吸引することにより、上記略閉鎖空間内で吹き付けられた圧縮空気により基板又はシート等から剥離して浮遊する塵埃等を、外部から導入される空気及び上記圧縮空気と共に外部に飛散させることなく吸引、除去してなるいわゆる非接触型の除塵装置が提案されている。
しかしながら、上記除塵装置においては、基板又はシート等から剥離して浮遊する塵埃等を吸引するだけであるので、上記装置内の略閉鎖空間内での吸引が完全に行われないと、基板又はシート等から剥離して浮遊する塵埃等は基板又はシート等に再度付着したり、装置内を汚染して順次基板又はシート等を間接的に汚染してしまうおそれがある。
また、基板又はシート等に対して圧縮空気を吹き付けても、該基板又はシート等の表面に塵埃等が強固に付着している場合には、基板又はシート表面に付着している塵埃等を除去することができないことがある。そのため、基板又はシート等に吹き付ける空気の圧力を大きくすると、基板又はシート等の表面に強固に付着した塵埃等でもその強力な空気の圧力により剥離することが可能となるかもしれないが、この強力な空気の圧力により基板又はシート等表面から剥離した塵埃等は、たとえ装置内で吸引を行っていても装置外に容易に飛散し、既に洗浄を終えた基板又はシート等や半製品が再び塵埃等により汚損してしまうこともあり、又、そもそも当該強力な空気の圧力により、基板又はシート等自体が破損する原因ともなりえた。
特願2002−27636
この発明が解決しようとする問題点は、直接粘着ゴムロールが接触することができない被洗浄物に使用される非接触型の除塵装置において、単に空気を吹き付けるだけでは除去できないほど強力に固着している塵埃或いは汚染微粒子を、周囲に飛散させることなく効率よく、且つ確実に除去することができるようにする点である。
そのため、この発明は、その表面において、圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射孔と、高圧で吸引する高圧吸入孔とを、その中心から互いに一定の角度θを以て放射状となるように一対として配置してなる回転ノズルを、基板又はシート等の表面に近接させて、該回転ノズルと基板又はシート等との間で幅狭な空間を形成すると共に、該回転ノズルを回転させながら、該幅狭な空間内に、回転ノズルの圧縮空気噴射孔から圧縮空気を噴射して高密度の空気層を形成しながら、同時に、高圧吸入孔から高圧で吸引を行うことで、該幅狭な空間内に圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至る気流を発生させると共に、基板又はシート等の表面に固着する塵埃等に対して圧縮空気の噴射による押圧及び高圧の吸引による引張を、交互に反復して作用させて細かく振動させることにより、基板又はシート等表面との固着力を弱め、該圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至るよう形成される気流により、基板又はシート等の表面に固着する塵埃或いは汚染微粒子を離脱させると同時に、吸引除去しようとするものである。
この発明は、回転ノズルと基板又はシート等とが近接することで形成される幅狭な空間内において、回転ノズル自身が回転しながら圧縮空気の噴射と高圧の吸引を同時に行うことで、まず該幅狭な空間内に高密度の空気層が形成され、更に強力な気流と同時に特に基板又はシート等表面に固着する塵埃等に対して、圧縮空気の噴射による押圧及び高圧の吸引による引張を交互に反復して作用させて、基板又はシート等表面との固着力を弱め、該気流により基板又はシート等の表面に固着する塵埃等を離脱させると同時に、吸引除去することから、該回転ノズルと基板又はシート表面との間で形成される幅狭な空間内で全ての除塵が行われるので、周囲を汚染することなく、最低限の圧縮空気の噴射と吸引により効率よく且つ確実に除塵を行うことができるものである。
直接被洗浄物である基板又はシート等に触れることなく、当該基板又はシート等の表面に付着する塵埃等を周囲を汚染することなく効率よく且つ確実に除去するという目的を、回転ノズル表面に複数組の圧縮空気噴射孔と高圧吸入孔を均等に配置し、また回転する除塵ユニットを前後左右にスライドさせ、又は回転ノズルを直列に単一列で、或いは基板又はシート等の除塵装置本体内への搬出入方向に互い違いに複数列で配置し、更には基板又はシート等の表面に固着する塵埃等の固着力を予め物理的、熱的又は電気的作用により軟化させる、例えば超音波振動装置、赤外線ヒーター、又は軟X線照射装置を付設することで、周囲を汚染することなく、より効率よく且つ確実に塵埃等の除塵を実現した。
図1乃至図3において示すのは、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)である。この基板又はシート等の除塵装置(1)は、左右方向をガイド回転子(5)により規制しながら、回転子(7)を軸着するシャフト(6)をベルト(図示せず。)により駆動することで、該回転子(7)上に載置される被洗浄物の基板又はシート等(2)を、略閉鎖空間を形成する装置本体(3)内外に搬出入してなる搬送装置(4)と、該搬送装置(4)により装置本体(3)内に搬入された基板又はシート等(2)を、下方から吸引スリット(9)によって吸引、固定すると共に、固定した該基板又はシート等(2)を任意の高さへ昇降自在としてなる固定装置(8)と、該固定装置(8)により装置本体(3)内において固定された基板又はシート等(2)に対して、除塵作業を行う除塵ユニット(11)を一体に複数個支持してなる除塵ユニット集合体(10)及び、これらの搬送装置(4)、固定装置(8)又は除塵ユニット集合体(10)の作動を一括して操作してなる操作パネル(12)から構成されるものである。
そして、この基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット集合体(10)は、図4乃至図6において示すように、まず除塵ユニット(11)が基板又はシート等(2)の搬出入方向に対して直角に並列設置されており、そのため該除塵ユニット集合体(10)は、基板又はシート等(2)に搬出入方向にスライドして除塵を行うものである。
このとき、除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)は、直列に単一列で設置されるものであるが(図5参照)、被洗浄物である基板又はシート等(2)の洗浄をより確実に行えるようにするため、例えば、図13において示すように、回転ノズル(13)を基板又はシート等(2)の搬出入方向に互い違いに複数列で設置した除塵ユニット集合体(10’)とすることにより、回転ノズル(13)を直列に単一列で設置する場合に比べ、回転ノズル(13)間が、その間に互い違いとなって設置される他の回転ノズル(13)によって補われるものとなる。そのため、回転ノズル(13)は基板又はシート等(2)の搬出入方向に対して直角方向に隙間無く配置されるので、回転ノズルを保持する除塵ユニット(11’)からなる除塵ユニット集合体(10’)を基板又はシート等の搬出入方向にスキャニングすることで、該基板又はシート等(2)を隙間無く完全に除塵できるものである。
また、この除塵ユニット集合体(10)をなす各除塵ユニット(11)は、その背面において、回転可能な連結部(14)を介して圧縮空気(15)を圧送する圧縮空気パイプ(16)に連結し、又、基板又はシート等(2)に噴射された該圧縮空気(15)を高圧で吸引する除塵ユニット集合体(10)内部の減圧部(17)に一体に連通する円盤状であって、回転自在となる回転ノズル(13)と、該回転ノズル(13)と同軸上に回転動力を伝達するギア(19)を軸着すると共にベアリング(20)を保持してなる保持体(18)から構成される。
尚、各除塵ユニット(11)を構成する各回転ノズル(13)は前記ギア(19)が小ギア(19’)を介して噛合することにより、全て同一方向に同期して回転することとなる。
更に、該回転ノズル(13)は、図7及び図8において示すように、基板又はシート等(2)に正対する表面には、上記圧縮空気パイプ(16)に連結部(14)を介して連結し、圧縮空気集合管(21)を経由して供給される圧縮空気(15)を噴射する複数の圧縮空気噴射孔(22)と、該圧縮空気噴射孔(22)から噴射された圧縮空気(15)を高圧で吸引し、その吸引に当たって流速を高めるため一体に連通する減圧室(17)方向に向かってテーパー状となし、かつ半径方向にスリット状の高圧吸入孔(23)とを、回転ノズル(13)の表面において、回転方向前方に高圧吸入孔(23)を、後方に圧縮空気噴射孔(22)を、該回転ノズル(13)の表面の中心(O)から互いに一定の角度θ(この発明の実施例ではθ=90°である。)を以て放射状となるように一対として配置してなるものである。そして、該圧縮空気噴射孔(19)は、回転ノズル(13)の表面に対する垂線に対してなす角度α(この発明の実施例においては、18°である。)をもって、該高圧吸入孔(23)方向に向けて傾斜させているものである。
以上から、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)における塵埃或いは汚染微粒子の除塵方法について簡単に述べる。
まず、該回転ノズル(13)を基板又はシート等(2)の表面に近接させて、該回転ノズル(13)と基板又はシート等(2)との間で幅狭な空間(25)を形成する。そして、該回転ノズル(13)を回転させながら、該幅狭な空間(25)内に、回転ノズル(13)の圧縮空気噴射孔(22)から圧縮空気(15)を噴射して高密度の空気層を形成しながら、一方、高圧吸入孔(23)から高圧で減圧室(17)に吸引を行うものである。この結果、該幅狭な空間(25)内に圧縮空気噴射孔(22)から高圧吸入孔(23)に至る気流(26)を発生させる。また、基板又はシート等(2)の表面に固着する塵埃等(24)に対しては、圧縮空気(15)の噴射による押圧及び高圧の吸引による引張が、交互に反復して作用して細かく振動することで、該塵埃等(24)と基板又はシート等(2)の表面との固着力が弱められ、該気流(26)により、基板又はシート等(2)の表面に固着する塵埃等(24)は離脱すると同時に、吸引、除去されるものである。
そこで、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)は、以上の構成を具えるので、具体的に基板又はシート等(2)の表面に付着する塵埃等(24)を除塵しようとする場合について説明する。
まず、基板又はシート等(2)を該除塵装置(1)を構成する搬送装置(4)のシャフト(6)に軸着される回転子(7)上に載置する。そして、当該基板又はシート等の除塵装置(1)の作動調整等の全てを制御する操作パネル(12)により搬送装置(4)を作動させると、ベルト(図示せず。)により駆動するシャフト(6)に軸着されている回転子(7)が回転することで、基板又はシート等(2)は略閉鎖空間を形成する装置本体(3)内に搬入される。このとき、回転子(7)によって装置本体(3)内に搬入される基板又はシート等(2)は、該回転子(7)に沿って配設されるガイド回転子(5)によって搬入方向左右へはその動きが規制されるので、装置本体(3)内に不用意に触れることなく確実に装置本体(3)内に搬入されるものである。
次に、上記搬入装置(4)により、装置本体(3)内に搬入された基板又はシート等(2)は、固定装置(8)上において自動的に停止し、この基板又はシート等(2)は固定装置(8)に条設されるの吸引スリット(9)による吸引により、該固定装置(8)に密着して固定されるものである。その後、この固定装置(8)は、この固定装置(8)の上方において支持されている除塵ユニット集合体(10)との間で任意に設定した間隔(この発明の実施例においては0.5〜2mmである。)となるまで上昇し自動的に停止して、該除塵ユニット集合体(10)と基板又はシート等(2)との間で、幅狭な空間(25)を形成するものである。
ところで、この発明の実施例のように、固定装置(8)に固定された基板又はシート等(2)を、赤外線ヒーター(27)によって40℃位まで加熱することにより、基板又はシート等(2)の表面に付着する塵埃等(24)の固着力が弱まるので、該塵埃等(24)を離脱させる次行程がより容易になるものである。 また、この赤外線ヒーター(27)による加熱と共に、軟X線照射装置による軟X線の照射によって静電気の電気的中和や、超音波振動装置による微細振動の付加によっても基板又はシート等(2)の表面に付着する塵埃等(24)の固着力は弱まるので、赤外線ヒーター(27)による加熱と同様に次行程がより容易になるものである。
そこで、該除塵ユニット集合体(10)と基板又はシート等(2)との間で、幅狭な空間(25)を形成した後は、該除塵ユニット集合体(10)を作動させるものである。即ち、除塵ユニット集合体(10)を構成する各除塵ユニット(11)において回転ノズル(13)を回転させると共に、この回転ノズル(13)の表面に配設される複数の圧縮空気噴射孔(22)が圧縮空気(15)を基板又はシート等(2)に対して噴射を行うものである。この圧縮空気噴射孔(22)からの圧縮空気(15)の噴射により、該幅狭な空間(25)内には高密度の空気層が形成されることとなる。一方、回転ノズル(13)の表面において該圧縮空気噴射孔(22)と一定の角度θ(この実施例ではθ=90°である。)を以て放射状に一対として配設される高圧吸入孔(23)が圧縮空気(15)を吸引すると、基板又はシート等(2)の表面には、該圧縮空気噴射孔(22)から基板又はシート等(2)の表面を経て高圧吸入孔(23)へ至る強力な気流(26)が発生することとなる(図11参照)。
そのため、まず基板又はシート等(2)の表面に弱く付着している塵埃等(24)は該気流(26)により高圧吸入孔(23)を通して減圧室(17)に吸引除去されるものである。
そして、基板又はシート等(2)の表面に強力に固着している塵埃等(24)に対しては、幅狭の空間(25)内に形成される高密度の空気層内において、圧縮空気噴射孔(22)から噴射される圧縮空気(15)による押圧及び高圧吸入孔(23)の吸引による引張を、交互に反復して作用させることで細かく強く振動させ、基板又はシート等(2)の表面との固着力を徐々に弱めてなるものである。この結果、前記場合と同様に該気流(26)や高圧吸入孔(23)による吸引によって基板又はシート等(2)の表面から剥離され、高圧吸入孔(23)を通して減圧室(17)に吸引除去されるものとなる(図12参照)。
その上、上記除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)は同軸上に軸着され、互いに連結するギア(19)により一斉に回転すると共に、この回転ノズル(13)も含めた除塵ユニット(11)を複数個配置した除塵ユニット集合体(10)自体が基板又はシート等(2)の表面を、当該基板又はシート等(2)の搬出入方向に往復スライドしてスキャンするものである。このため、該基板又はシート等(2)の表面は、満遍なく、強力な押圧、吸引を反復して作用することで、そこに付着した塵埃等(24)は細かく振動すると共に、回転ノズル(13)の表面の圧縮空気噴射孔(22)から高圧吸入孔(23)へ至る気流(26)に晒されることとなるので、基板又はシート等(2)の表面において、強固に固着している塵埃等(24)であっても確実に剥離されることとなる。更に、この剥離した塵埃等(24)を含む圧縮空気(15)の気流(26)は、幅狭な空間(25)の周囲の空気をも吸引するので、たとえ装置本体(3)内においても塵埃等(24)は漏出することが無いものである。そして該圧縮空気(15)は除塵ユニット集合体(10)内部の減圧部(17)へと吸引され、フィルタ等によって上記圧縮空気(15)内に含まれる塵埃等(24)を分離した上で、外部へ排出されるので、周囲の環境も汚染することがないものである。なお、このとき除塵ユニット(11)の有する回転ノズル(13)は直列的に単一列に設置されているものであるが(図5参照)、この回転ノズル(13)の除塵ユニット集合体(10’)内での配置を、基板又はシート等(2)の搬出入方向に互い違いに複数列で設置してもよいものである(図13参照)。即ち、除塵ユニット(11’)の回転ノズル(13)を、上述のように、基板又はシート等(2)の搬出入方向に互い違いに複数列で設置することで、回転ノズル(13)を直列に単一列に設置する場合と比べて、その回転ノズル(13)間が、互い違いに設置される他の回転ノズル(13)によって補われることとなるので、基板又はシート等(2)の搬出入方向に対して直角方向に隙間無く設置されることとなる。従って、このように設置された回転ノズル(13)を、基板又はシート等(2)の搬出入方向にスキャニングすることで、基板又はシート等(2)を隙間無く完全に除塵することができるものとなる。
上述のように、装置本体(3)内において洗浄された基板又はシート等(2)は、除塵ユニット集合体(10)の作動終了後、該基板又はシート等(2)を吸引、固定する固定装置(8)が下降すると共に、吸引による固定を終了することで、該基板又はシート等(2)は搬送装置(4)上に載置されるので、該搬送装置(4)を作動させることにより、装置本体(3)外、又は次作業行程へと搬出されるものとなる。
なお、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の表面に配置される圧縮空気噴射孔(22)から噴射される圧縮空気(15)の空気圧は、7kgf/cm以下としてなるものである。ここで、上記圧縮空気(15)の空気圧を7kgf/cm以下とするのは、7kgf/cmより大の空気圧を、除塵ユニット集合体(10)と基板又はシート等(2)が形成する幅狭な空間(25)内において基板又はシート等(2)に噴射すると、該基板又はシート等(2)に固着する塵埃等(24)が強力に飛散してしまい、高圧吸入孔(23)から確実に吸引することができなくなる。その結果、該幅狭な空間(25)から外に飛散してしまい、装置本体(3)内のみならず周囲の環境や洗浄済みの基板又はシート等(2)までをも汚染するおそれがあるためである。そこで、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)において、回転ノズル(13)の圧縮空気噴射孔(22)から噴射する圧縮空気(15)の空気圧を、1、2、3、4、5、6、7、8及び9kgf/cmと替えながら、回転ノズル(13)表面と被洗浄物であるガラス基板との間隔Lを2.5mm、高圧吸入孔(23)の吸入圧を5m/分及び回転ノズルの回転数を600rpmとする条件の下で、表面に様々な粒径のアクリル樹脂粒子及び銅粉の塵埃等を固着させた被洗浄物であるガラス基板に対して除塵作業を行い、直径1mm以下の範囲内での塵埃等の数をカウントしたところ、8kgf/cm以上であっても良好に除塵は行われるが、装置本体(3)内に大量の塵埃等の飛散が認められた。そこで、上述のように、圧縮空気(15)の空気圧を7kgf/cm以下とすることが適当であると考える。
また、同様に、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の表面に配置される高圧吸入孔(23)のバキューム圧は、10m/分以下としてなるものである。ここで、高圧吸入孔(23)のバキューム圧を10m/分以下とするのは、該バキューム圧を10m/分より大とすると、装置本体(3)内で固定装置(8)の吸引スリット(9)により基板又はシート等(2)に固定する場合に発生する固定装置(8)の吸引力以上となる(この場合、固定装置(8)の吸引力をより強力にすると、当該固定装置(8)による基板又はシート等(2)の固定によって、特にシート等の薄物において、それ自体に損傷を発生させ易くする。そのため、該固定装置(8)の吸引力を強化することは困難となっている。)。そのため、該固定装置(8)に吸引固定されている該基板又はシート等(2)が離脱してしまい、該除塵ユニット(11)と衝突することによって、該基板又はシート等(2)に損傷などを与えるおそれがあるからである。従って、高圧吸入孔(23)のバキューム圧は、10m/分以下としてなるものが適当であると考える。
そして、上記この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の表面において、該回転ノズル(13)の表面の中心から互いに放射状となるように配置される高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)とのなす角度θは、0°<θ<180°とするものである。ここで、高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)とのなす角度θを180°以上とすると、対をなす圧縮空気噴射孔(22)と高圧吸入孔(23)との間で圧縮空気(15)による気流(26)が円滑に発生せず、塵埃等(24)の高圧吸入孔(23)への吸引除去が円滑に行われなくなる。更に、除塵ユニット集合体(10)と基板又はシート等(2)が形成する幅狭な空間(25)内において、基板又はシート等(2)に固着する塵埃等(24)に対する圧縮空気(15)による押圧と、高圧吸入孔(23)の高圧な吸入による引張が十分に作用を発揮しないので、塵埃等(24)の基板又はシート等(2)への固着力を弱める原因となる細かな振動が発生し辛くなるためである。
そこで、上記この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の表面において、該回転ノズル(13)の表面の中心から互いに放射状となるように配置される高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)とのなす角度θを、例えば図9において示すように、θ=30°〔図9(イ)参照〕として、その中心から互いに放射状となるように配置される一対の高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)とを1組とすると、該回転ノズル(13)の表面全周に渡って6組の高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)が均等に配置されることとなる。また、θ=60°〔図9(ロ)参照〕とすると、その中心から互いに放射状となるように配置される一対の高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)とを1組として、該回転ノズル(13)の表面全周に渡って3組の高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)が均等に配置されることとなる。従って、このように、回転ノズル(13)の表面全周に渡って単数のみ成らず複数組の高圧吸入孔(23)と圧縮空気噴射孔(22)を均等に配置することで、基板又はシート等(2)に固着する塵埃等(24)に対して、圧縮空気(15)による押圧と、高圧吸入孔(23)の高圧な吸入による引張が効率よく反復して作用することとなり、確実に除塵を行えるものとなる。
ところで、上記この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の表面において、高圧吸入孔(23)と共にその中心(O)から互いに放射状となるように配置される圧縮空気噴射孔(22)を、該回転ノズル(13)の表面に対する垂線に対してなす角度αをもって、その対をなす該高圧吸入孔(23)方向に向けて傾斜させるものであって、該角度αを、0°<α<30°としてなるものである。ここで、圧縮空気噴射孔(22)を高圧吸入方向へ向けて傾斜させるのは、基板又はシート等(2)の表面に固着する塵埃等(24)に対して噴射される圧縮空気(15)が、該塵埃等(24)と基板又はシート等(2)との間の固着部分に入り込むこととなるからである。その結果、この圧縮空気(15)は該塵埃等(24)の脱離を十分に促進するものとなると共に、基板又はシート等(2)から脱離した塵埃等(24)を高圧吸入孔(23)へ運搬することとなる気流(26)の形成が円滑に成されることとなる。また、このように圧縮空気噴射孔(22)を、該高圧吸入孔(23)方向に向けて傾斜させるにあたって、該回転ノズル(13)の表面に対する垂線に対してなす角度αを、0°<α<30°とするのは、次の理由によるものである。即ち、α=0°とすると、圧縮空気噴射孔(22)から噴射される圧縮空気(15)は、基板又はシート等(2)に対して直角に当たって拡散してしまい、上記塵埃等(24)を高圧吸入孔(23)へ運搬することとなる気流(26)の形成が不十分となるものであり、またα≧30°とすると、基板又はシート等(2)に固着する塵埃等(24)が、除塵ユニット集合体(10)と基板又はシート等(2)が形成する幅狭な空間(25)外へ不用意に飛散して、周囲への汚染等を招く原因となるからである。従って、圧縮空気噴射孔(22)を、該回転ノズル(13)の表面に対する垂線に対してなす角度αをもって、該高圧吸入孔(23)方向に向けて傾斜させ、その角度αは、0°<α<30°とすることが適当であると考える
その上、上記この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)表面と、基板又はシート等(2)とが装置本体(3)内の固定装置(8)の上昇により互いに近接して幅狭な空間(25)を形成する際の間隔Lは(図10参照)、0mm<L<8mmとするものであるが、最適なのは、0<L≦5mmとしてなるものである。即ち、8≦Lとすると、除塵ユニット集合体(10)と基板又はシート等(2)が形成する幅狭な空間(25)内に、回転ノズル(13)の圧縮空気噴射孔(22)から噴射される圧縮空気(15)による高密度の空気層が形成されにくくなり、そのため圧縮空気(15)による押圧と、高圧な吸入による引張という作用が基板又はシート等(2)の表面に固着する塵埃等(24)に対して発揮されず、確実な除塵を行えないものとなるからである。
実際、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)において、除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の表面と、基板又はシート等(2)とが互いに近接して幅狭な空間(25)を形成する際の間隔Lを、1mm、2.5mm、5mm、8mm及び9mmとして、表面に様々な粒径のアクリル樹脂粒子及び銅粉の塵埃等を固着させた被洗浄物であるガラス基板に対して除塵作業を行ったところ、L≧8mm以上となると、ガラス基板上に残存する塵埃等が、製品として使用に供することができる限度を越えてしまうことが確認された。また、L≦5mmとすると、ガラス基板の表面に付着する塵埃等をほぼ100%除塵することができることも確認された。従って、回転ノズル(13)表面と、基板又はシート等(2)とが互いに近接して幅狭な空間(25)を形成する際の間隔Lは、最大限0mm<L<8mmとし、最適なのが0<L≦5mmとすることであると考える。
また、上記この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)を構成する除塵ユニット(11)の回転ノズル(13)の回転数は、600〜1200rpmとしてなるものである。ここで、回転ノズル(13)の回転数を600〜1200rpmとするのは、その範囲外では圧縮空気(15)による押圧及び高圧の吸引による引張による、基板又はシート等(2)に固着する塵埃等(24)における細かな振動が十分に起こりにくくなるためである。特に、回転ノズル(13)の回転数を1200rpmより大としてなると、回転ノズル(13)の回転に偏心が生じてしまい、除塵ユニット(11)との間で接触が生じるおそれがある。その結果、装置本体(3)内のみならず、洗浄すべき基板又はシート等(2)が上記接触による新たな塵埃等(24)により汚染されるおそれがあり、更にはこの除塵装置(1)自体の破損にもつながるものとなるからである。
そこで、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)と、従来の非接触式除塵装置、即ち被洗浄物に圧縮空気を噴射することで、被洗浄物の表面に付着する塵埃等を剥離した後、この塵埃等を吸引除去してなる装置とについて、除塵効果の比較試験を行った。このとき、被洗浄物である基板又はシート等(2)にはガラス基板を用い、係る基板又はシート等(2)に噴射する圧縮空気の空気圧を4kgf/cm、更に吸引する圧力を3m/分として、塵埃等として様々な粒径を含むアクリル樹脂粒子及び銅粉を使用するとの条件の下で、除塵実験を行った。
なお、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)では、除塵ユニット(11)を構成する回転ノズル(13)の回転数は、600rpmであって、回転ノズル(13)表面と基板又はシート等(2)との間隔Lは2.5mmとするものである。
その結果、従来の非接触式除塵装置では、20μm以上の粒径のアクリル樹脂粒子及び銅粉の塵埃等が基板又はシート等(2)の表面に残存してしまうのに対して、この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置(1)では、基板又はシート等(2)の表面には、アクリル樹脂粒子及び銅粉の塵埃等がほとんど残存しないものである。従って、この発明の効果は明らかに認められるものである。
この発明は、直接接触することができない基板又はシートのみならず、液晶パネルなどの作業工程において、その表面に接触することなく、表面に付着した塵埃或いは汚染微粒子を簡易且つ確実に除塵することができるようにするものである。
この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置の全体斜視図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置の上面図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置の要部拡大斜視図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置を構成する除塵ユニット集合体の縦断面図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置を構成する除塵ユニット集合体の下面図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置を構成する除塵ユニット集合体の横断面図である。 (イ)はこの発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置の除塵ユニットを構成する回転ノズルの上面図、(ロ)は同縦断面図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置の除塵ユニットを成す回転ノズルの90°回転させた同縦断面図である。 回転ノズル表面の圧縮空気噴射孔と圧縮空気吸引スリット孔のその他の配置を示した模式図である。 回転ノズルと基板又はシート等との関係を示した図である。 回転ノズルと基板又はシート等との間で形成される気流の模式図である。 基板又はシート等に固着する塵埃等に対する押圧、引張作用を模式的に表した図である。 この発明の実施例である基板又はシート等の除塵装置を構成する除塵ユニット集合体における回転ノズルの他の配置を示した下面図である。
符号の説明
1 基板又はシート等の除塵装置
2 基板又はシート等
3 装置本体
4 搬送装置
5 ガイド回転子
6 シャフト
7 回転子
8 固定装置
9 吸引スリット
10、10’ 除塵ユニット集合体
11、11’ 除塵ユニット
12 操作パネル
13 回転ノズル
14 連結部
15 圧縮空気
16 圧縮空気パイプ
17 減圧部
18 保持体
19 ギア
19’ 小ギア
20 ベアリング
21 圧縮空気集合管
22 圧縮空気噴射孔
23 高圧吸入孔
24 塵埃等
25 幅狭な空間
26 気流
27 赤外線ヒーター

Claims (10)

  1. 回転自在である回転ノズルの表面において、圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射孔と、高圧で吸引を行う高圧吸入孔とを、回転ノズルの被洗浄物側の表面において、回転方向前方に高圧吸入孔を、後方に圧縮空気噴射孔を、該回転ノズルの表面の中心から互いに一定の角度θを以て放射状となるように配置してなるものであり、
    該回転ノズルを基板又はシート等の表面に近接させて、該回転ノズルと基板又はシート等との間で幅狭な空間を形成し、
    該回転ノズルを回転させながら
    該幅狭な空間内に、回転ノズルの圧縮空気噴射孔から圧縮空気を噴射して高密度の空気層を形成する一方で、高圧吸入孔から高圧で吸引を行うことにより、
    該幅狭な空間内に圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至る気流を発生させると共に、
    基板又はシート等の表面に固着する塵埃或いは汚染微粒子に対して圧縮空気の噴射による押圧及び高圧の吸引による引張を、交互に反復して作用させて細かく振動させることによって基板又はシート等の表面との固着力を弱め、
    該圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至る気流により、基板又はシート等の表面に固着する塵埃或いは汚染微粒子を離脱させると同時に、吸引除去してなる
    基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵方法。
  2. 除塵装置本体と、
    基板又はシート等を載置した上で、前記除塵装置本体内外にその載置した基板又はシート等を搬出入してなる搬送装置と、
    該搬送装置により除塵装置本体内に搬入された基板又はシート等を下方から吸引して固定すると共に固定された基板又はシート等と一体に昇降自在となる固定装置と、
    該除塵装置本体内において、上記固定装置に対向するように配置され、その背面においては圧縮空気パイプ及び吸引パイプに連結し、その表面において、回転方向前方に高圧吸入孔を、後方に圧縮空気噴射孔を、該回転ノズルの表面の中心から互いに一定の角度θを以て放射状となるように一対として配置されて具える回転ノズルを、回転自在に保持体により保持してなる単数又は複数個の除塵ユニット
    とから構成されるものであって、
    上記除塵装置本体内に搬送装置により搬入されてきた基板又はシート等を、上記固定装置により吸着固定すると共に、該基板又はシート等を固定装置と共に上昇させて、該除塵ユニットに近接させて幅狭な空間を形成した上で、該除塵ユニットを回転させながら、該幅狭な空間内に、回転ノズルの圧縮空気噴射孔から圧縮空気を噴射して高密度の空気層を形成しながら、同時に、高圧吸入孔から高圧で吸引を行うことによって、固定装置に固定された基板又はシート等と除塵ユニットとの間に形成された該幅狭な空間内に圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至る気流を発生させると共に、基板又はシート等の表面に固着する塵埃或いは汚染微粒子に対して圧縮空気の噴射による押圧及び高圧の吸引による引張を交互に作用させて細かく振動させることによって基板又はシート等の表面との固着力を弱め、基板又はシート等表面から塵埃或いは汚染微粒子を離脱させると共に、該圧縮空気噴射孔から高圧吸入孔に至るよう形成される気流により吸引除去してなる
    基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  3. 上記請求項2に記載される除塵ユニットの回転ノズルの配列を、基板又はシート等の除塵装置本体内への搬出入方向に対して直角となるように直列に一列に設置し、あるいは回転ノズルを上記方向に互い違いに複数列で設置してなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  4. 上記請求項2及び請求項3に記載される、回転ノズルの表面に配置される圧縮空気噴射孔から噴射される圧縮空気の空気圧を7kgf/cm以下としてなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  5. 上記請求項2乃至請求項4に記載される、回転ノズルの表面に配置される高圧吸入孔のバキューム圧を10m/分以下としてなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  6. 上記請求項2乃至請求項5に記載される、回転ノズルの表面において、該回転ノズルの表面の中心から互いに放射状となるように一対として配置される高圧吸入孔と圧縮空気噴射孔とのなす角度θを、
    0°<θ<180°
    としてなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  7. 上記請求項2乃至請求項6に記載される、回転ノズルの表面において、その中心から互いに放射状となるように一対として配置される高圧吸入孔と圧縮空気噴射孔とを一組として、該回転ノズルの表面に複数組を均等に配置してなる基板又はシート等における基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  8. 上記請求項2乃至請求項7に記載される、回転ノズルの表面において、高圧吸入孔と共にその中心から互いに放射状となるように一対として配置される圧縮空気噴射孔を、回転ノズルの表面に対する垂線に対してなす角度αをもって、該高圧吸入孔方向に向けて傾斜させるものであって、該角度αを、
    0°<α<30°
    としてなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  9. 上記請求項2乃至請求項8に記載される、回転ノズル表面と、この回転ノズルに近接して幅狭な空間を形成する基板或いはシート等との間隔Lを、
    0mm<L<8mm
    としてなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
  10. 上記請求項2乃至請求項9に記載される、回転ノズルの回転数を60〜1200rpmとしてなる基板又はシート等における塵埃或いは汚染微粒子の除塵装置。
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