JP2005130439A - アダプティブアンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 K個のアンテナ素子A1〜AKのうち、少なくとも1以上のアンテナ素子の受信信号から先行波に対する遅延波の遅延時間dを推定する遅延時間推定部2と、K個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号を遅延時間推定部2により推定された遅延時間dだけ遅延させる遅延調整部3とを設け、K個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号を合成して参照信号r(t)を生成し、その参照信号r(t)と合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部4が乗算に用いる荷重w1〜wKを計算する。
【選択図】 図1
Description
OFDMでは、特定区間の信号を別の区間にコピーして送信するので、例えば、遅延波の遅延時間が信号区間1の期間よりも短い場合には、アンテナ素子の受信信号を補正して合成することができる。
しかしながら、遅延波の遅延時間が信号区間1の期間より長い場合には、アンテナ素子の受信信号を補正して合成することができないので、特定の信号区間の信号サンプルを用いて荷重を計算し、複数のアンテナ素子の受信信号を荷重合成して遅延波を抑圧する(例えば、非特許文献1参照)。
図1はこの発明の実施の形態1によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、アレーアンテナ1はK個のアンテナ素子A1〜AKから構成されており、アレーアンテナ1により受信されるRF(Radio Frequency)帯の信号X(t)は、低雑音増幅器、フィルタ、周波数変換器やA/D変換器などの各種受信デバイスによりベースバンドのディジタル信号に変換されるものとする。ただし、これらの受信デバイスは説明を簡単化するため図1では省略している。
遅延時間推定部2はK個のアンテナ素子A1〜AKのうち、少なくとも1以上のアンテナ素子の受信信号x1(t)〜xK(t)から先行波(所望波)に対する遅延波の遅延時間dを推定する遅延時間推定手段を構成している。遅延調整部3はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延時間推定部2により推定された遅延時間dだけ遅延させる遅延手段を構成している。
参照信号生成部6はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を合成して参照信号r(t)を生成し、制御部7は参照信号生成部6により生成された参照信号r(t)と合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部4が乗算に用いる荷重w1〜wKを計算する。なお、参照信号生成部6及び制御部7から荷重計算手段が構成されている。
U(t)=X(t−d) (1)
X(t)=[x1(t),x2(t),・・・,xK(t)]T
U(t)=[u1(t),u2(t),・・・,uK(t)]T
ただし、Tは転置を表している。
まず、遅延時間推定部2は、K個のアンテナ素子A1〜AKのうち、いずれかのアンテナ素子の受信信号x(t)、あるいは、複数のアンテナ素子の受信信号x(t)から先行波に対する遅延波の遅延時間dを推定する。
遅延時間dの推定は、例えば、先行波における既知の信号部分を用いてスライディング相関処理を行うことによって遅延プロファイルを算出し、その遅延プロファイルのピークから遅延時間を算出することができる。
図3のFIRフィルタは、例えば、k番目のアンテナ素子Akの受信信号xk(t)を1サンプル時間だけ遅延させる1サンプル遅延器11と、先行波における既知の信号系列x(1)〜x(I)の複素共役x*(1)〜x*(I)が予め設定され、その複素共役x*(1)〜x*(I)を受信信号xk(t)に乗算する乗算器12と、乗算器12の乗算結果を加算する加算器13とから構成されている。
アンテナ素子Akの受信信号xk(t)が図3のFIRフィルタに入力されると、その受信信号xk(t)中の既知の信号系列と一致するタイミングにおいて遅延プロファイルがピークを持つので、先行波と遅延波が含まれる時間を検出して遅延時間dを推定することができる。
なお、遅延調整部3で行われる受信信号の遅延操作は、DSP(Digital Signal Processor)などの信号処理デバイスにて荷重を演算する際に、同デバイス内にて仮想的に施される処理であってもよい。
制御部7は、参照信号生成部6が参照信号r(t)を生成すると、その参照信号r(t)と合成部5から出力されるアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部4が乗算に用いる荷重w1,w2,・・・,wKを計算する。
Q(W)=E[|r(t)−y(t)|2] (2)
W=Ruu −1Pur (3)
Ruu=E[U(t)U(t)H] (4)
Pur=E[U(t)r(t)*] (5)
ただし、E[]は期待値操作を表し、通常は時間平均で代用することができる。また、Hは複素共役転置、*は複素共役を表している。
ウエイトベクトルWの算出については、SMI(Sample Matrix Inversion),RLS(Recursive Least Square),LMS(Least Mean Square)などの最適化アルゴリズムにより制御することができる。
合成部5は、重み付け部4による各乗算結果を合成し、その合成信号をアレー出力信号y(t)として出力する。
y(t)=WHU(t) (6)
この実施の形態1では、通信方式毎に異なる信号のフレームフォーマットに関係なく、アダプティブアレーアンテナを実現することができる。なお、OFDMを採用したシステムでなくても、適用可能である。
図4はこの発明の実施の形態2によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
重み付け部21はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)に荷重z1〜zKをそれぞれ乗算し、合成部22は重み付け部21による各乗算結果を合成して参照信号r(t)を出力する。
制御部23は合成部22から出力された参照信号r(t)と合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部4が乗算に用いる荷重w1〜wKを計算する一方、その参照信号r(t)とアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部21が乗算に用いる荷重z1〜zKを計算する。なお、重み付け部21、合成部22及び制御部23から荷重計算手段が構成されている。
具体的には下記の通りである。
即ち、下記の式(7)におけるウエイトに関する評価関数Q(Z)が最小になるウエイトベクトルZを制御する。
Q(Z)=E[|r(t)−y(t)|2] (7)
Z=Rxx −1Pxy (8)
Rxx=E[X(t)X(t)H] (9)
Pxy=E[X(t)y(t)*] (10)
ウエイトベクトルZの算出については、SMI,RLS,LMSなどの最適化アルゴリズムにより制御することができる。
r(t)=ZHX(t) (11)
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、参照信号r(t)に関しても最適化されるため、その参照信号r(t)の精度が向上し、その結果、アダプティブアンテナとしての収束性や追従性や不要波抑圧性能を高めることができる効果を奏する。
図5はこの発明の実施の形態3によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
切替部24はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)のうち、任意のアンテナ素子の受信信号を参照信号r(t)として選択する。制御部25はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)のうち、最も受信電力が大きい受信信号、または、最もSNRが大きい受信信号の選択指令を切替部24に出力し、切替部24から出力された参照信号r(t)と合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部4が乗算に用いる荷重w1〜wKを計算する。なお、切替部24及び制御部25から荷重計算手段が構成されている。
この場合、切替部24により選択されない受信信号が考慮されずに参照信号r(t)が得られるため、上記実施の形態1の場合よりも若干参照信号r(t)の精度が劣るが、通信品質に対する影響力が大きい受信信号(最も受信電力が大きい受信信号、最もSNRが大きい受信信号)が参照信号r(t)として選択されるため、精度の高い参照信号r(t)が得られる。
この実施の形態3によれば、複数の受信信号から任意の受信信号を選択する単純な構成であるため、演算量が削減され、ハードウェア規模を抑えることができる効果を奏する。
図6はこの発明の実施の形態4によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ダイバーシチ合成部26は遅延時間推定部2により推定された遅延時間dがガードインターバル区間内の遅延時間である場合、合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)と合成部22から出力された参照信号r(t)をダイバーシチ合成し、遅延時間推定部2により推定された遅延時間dがガードインターバル区間を越える遅延時間である場合、合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)をそのまま出力するダイバーシチ合成処理手段を構成している。
合成部22から出力された参照信号r(t)は、図2に示すように遅延波成分であり、アレー出力信号y(t)と同一の情報を含む信号である。従って、この参照信号r(t)も別のアレー出力信号とみなし、ダイバーシチ合成部26がそのアレー出力信号y(t)と参照信号r(t)をダイバーシチ合成する。
特に、OFDM伝送では、ガードインターバル区間内の遅延で到来する信号のうち、上位2波を先行波と遅延波として、上記処理を施すことが最も効果的となり得る。
ただし、遅延時間推定部2により推定された遅延時間dがガードインターバル区間を越える遅延時間であるときに、アレー出力信号y(t)と参照信号r(t)をダイバーシチ合成しても、アンテナの受信性能の劣化をもたらす性質のものではないので、常にダイバーシチ合成を実施するようにしてもよい。
また、OFDM伝送の場合は、アレー出力信号y(t)と参照信号r(t)をFFTして、サブキャリア毎のデータに変換した後に、周波数領域にてサブキャリア毎のダイバーシチ合成を行うこともできる。
この実施の形態4では、図4のアダプティブアンテナにダイバーシチ合成部26を追加するものについて示したが、これに限るものではなく、例えば、図5のアダプティブアンテナにダイバーシチ合成部26を追加するようにしてもよい。
上記実施の形態1〜4では、特に言及していないが、アレーアンテナ1の受信信号X(t)に複数の遅延波が存在する場合、遅延時間推定部2は、最も電力が大きい遅延波の遅延時間を推定するようにしてもよい。
即ち、遅延時間推定部2は、例えば、アンテナ素子A1の受信信号x1(t)に複数の遅延波が存在する場合、上述した遅延プロファイルから複数の遅延波の電力を推定する。
そして、複数の遅延波の電力を相互に比較して、最も電力が大きい遅延波を判別し、その遅延波の遅延時間dを推定するようにする。
このように、最も電力が大きい遅延波の遅延時間dを推定し、その遅延時間dだけ受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させる場合、電力が小さい遅延波の遅延時間だけ受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させる場合よりも、精度の高い参照信号r(t)を得ることができる。
なお、遅延時間推定部2は、例えば、アンテナ素子A1の受信信号x1(t)に遅延波が存在しない場合、アダプティブアンテナを動作させる必要がないので、アダプティブアンテナ処理を中止するようにしてもよい。
図7はこの発明の実施の形態6によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
遅延時間推定部27はK個のアンテナ素子A1〜AKのうち、少なくとも1以上のアンテナ素子の受信信号x1(t)〜xK(t)から先行波に対する複数の遅延波の遅延時間d,2dを推定する遅延時間推定手段を構成している。
図7では遅延調整部28及び参照信号生成部29をL個搭載しているが、説明の便宜上、以下、L=2であるものとして説明する。
遅延調整部28−LはK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延時間推定部2により推定された遅延時間2dだけ遅延させて出力し、遅延調整部28−1はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させることなく出力する。参照信号生成部29−1は遅延調整部28−1から出力された受信信号x1(t)〜xK(t)を合成して参照信号r1(t)を生成し、参照信号生成部29−Lは遅延調整部28−Lにより遅延された受信信号x1(t)〜xK(t)を合成して参照信号rL(t)を生成する。
制御部30は参照信号生成部29−1〜29−Lにより生成された参照信号r1(t),rL(t)と合成部5から出力されたアレー出力信号y(t)の誤差が最小になるように、重み付け部4が乗算に用いる荷重w1〜wKを計算する。なお、遅延調整部28−1〜28−L、参照信号生成部29−1〜29−L及び制御部30から荷重計算手段が構成されている。
しかしながら、ODFM伝送ではガードインターバル区間の遅延波については、その影響を補償することが可能であるので、なるべく取り込んだ方が受信電力の観点からは有利である。
そこで、この実施の形態6では、複数の信号を選択的に同時受信できるようにしている。
上記の実施の形態1では、受信信号X(t)と、その受信信号X(t)より遅延時間dだけ遅延された信号U(t)とを利用したMMSE制御を実施しているが、この実施の形態6では、さらに、その受信信号X(t)より遅延時間2dだけ遅延された信号V(t)を利用して制御を実施する。
このとき、V(t)に含まれる先行波成分は、U(t)内の遅延波成分とタイミングが一致する。
以下、図8に示すような先行波および遅延波を選択受信する場合について説明する。
参照信号生成部29−1は、遅延調整部28−1から受信信号x1(t)〜xK(t)を受けると、上記実施の形態2の重み付け部21と同様にして、その受信信号x1(t)〜xK(t)に荷重z1〜zKをそれぞれ乗算し、各乗算結果を合成して参照信号r1(t)を出力する。ただし、Zはウエイトベクトルである。
r1(t)=ZHX(t) (12)
V(t)=X(t−2d) (13)
V(t)=[v1(t),v2(t),・・・,vK(t)]T
参照信号生成部29−Lは、遅延調整部28−Lから遅延信号v1(t)〜vK(t)を受けると、その遅延信号v1(t)〜vK(t)に荷重g1〜gKをそれぞれ乗算し、各乗算結果を合成して参照信号r2(t)を出力する。ただし、Gはウエイトベクトルである。
r2(t)=GHV(t) (14)
ここでは説明を省略するが、上記実施の形態2と同様にして、ウエイトベクトルZ,Gについても最適化を行うようにしてもよい。
C=[Pur1 Pur2]
=[E[U(t)r1(t)*]E[U(t)r2(t)*]] (15)
拘束行列Cは、U(t)内の先行波、遅延波との相互相関ベクトルを求めた要素からなる行列であり、これを拘束条件とする相関拘束付の電力最小化を行うことで、2波を受信しつつ、他の不要波を抑圧することができる。
W=βRuu −1CH* (16)
H=[a1 a2]T
β=(CHRuu −1C)−1
ただし、a1,a2はそれぞれ先行波と遅延波の出力レベルの拘束値(所望の出力レベル)であり、それぞれの素子当りの受信電界レベルに対応させるのがよい。
なお、ウエイトベクトルWの制御についても、SMI,RLS,LMSなどの最適化アルゴリズムを用いて求めてもよい。
なお、この実施の形態6では、2波を選択受信するものについて示したが(L=2の場合)、図7に示すように、遅延調整部28及び参照信号生成部29をL組用意すれば、L波を同時受信することができる。
図9はこの発明の実施の形態7によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
遅延時間判定部31は遅延時間推定部2により推定された遅延時間dを含む前後数サンプルの時間の中で、遅延調整部3が遅延する遅延時間として最も適当な時間を判定する。即ち、遅延時間推定部2により推定された遅延時間dにおけるK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)と参照信号生成部6により生成された参照信号r(t)との相互相関値の和を求めるとともに、その遅延時間dの前後数サンプルにおけるK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)と参照信号生成部6により生成された参照信号r(t)との相互相関値の和を求め、相互相関値の和が最大になる時間を遅延時間として遅延調整部3に出力する。なお、遅延時間判定部31は遅延時間判定手段を構成している。
上記実施の形態1〜6では、遅延調整部3が遅延時間推定部2により推定された遅延時間dだけ、K個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させている。
しかし、マルチパス環境などの劣悪な受信環境では、遅延時間推定部2が正確に遅延時間dを推定することが困難な場合があり、その遅延時間dの推定結果に数サンプルのずれが生じることがある。
具体的には下記の通りである。
なお、‖・‖はベクトルのノルム演算を表している。
したがって、遅延調整部3は、遅延時間判定部31から出力された遅延時間dだけ、K個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させるようになる。
以後の動作は、上記実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。
図10はこの発明の実施の形態8によるアダプティブアンテナを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
切替部32はK個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)のうち、最も受信電力が大きな受信信号xk(t)、または、最もSNRが大きい受信信号xk(t)を選択して遅延時間判定部33に出力する。
上記実施の形態1〜6では、遅延調整部3が遅延時間推定部2により推定された遅延時間dだけ、K個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させている。
しかし、マルチパス環境などの劣悪な受信環境では、遅延時間推定部2が正確に遅延時間dを推定することが困難な場合があり、その遅延時間dの推定結果に数サンプルのずれが生じることがある。
具体的には下記の通りである。
したがって、遅延調整部3は、遅延時間判定部33から出力された遅延時間dだけ、K個のアンテナ素子A1〜AKの受信信号x1(t)〜xK(t)を遅延させるようになる。
以後の動作は、上記実施の形態1〜6と同様であるため説明を省略する。
なお、この実施の形態8では、上記実施の形態7よりも、遅延時間判定部における相互相関値の演算量を削減することができる効果も奏する。
Claims (14)
- アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子のうち、少なくとも1以上のアンテナ素子の受信信号から先行波に対する遅延波の遅延時間を推定する遅延時間推定手段と、上記複数のアンテナ素子の受信信号を上記遅延時間推定手段により推定された遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、上記遅延手段により遅延された複数の受信信号に荷重をそれぞれ乗算し、それらの乗算結果を合成してアレー出力信号を出力する合成手段と、上記アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の受信信号を合成して参照信号を生成し、その参照信号と上記合成手段から出力されたアレー出力信号の誤差が最小になるように、上記合成手段が乗算に用いる荷重を計算する荷重計算手段とを備えたアダプティブアンテナ。
- 荷重計算手段は、アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の受信信号に荷重をそれぞれ乗算し、それらの乗算結果を合成して参照信号を生成することを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ。
- 荷重計算手段は、複数のアンテナ素子の受信信号に荷重をそれぞれ乗算する際、参照信号と合成手段から出力されたアレー出力信号の誤差が最小になるように、その荷重を計算することを特徴とする請求項2記載のアダプティブアンテナ。
- アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子のうち、少なくとも1以上のアンテナ素子の受信信号から先行波に対する遅延波の遅延時間を推定する遅延時間推定手段と、上記複数のアンテナ素子の受信信号を上記遅延時間推定手段により推定された遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、上記遅延手段により遅延された複数の受信信号に荷重をそれぞれ乗算し、それらの乗算結果を合成してアレー出力信号を出力する合成手段と、上記アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の受信信号のうち、任意のアンテナ素子の受信信号を参照信号として選択し、その参照信号と上記合成手段から出力されたアレー出力信号の誤差が最小になるように、上記合成手段が乗算に用いる荷重を計算する荷重計算手段とを備えたアダプティブアンテナ。
- 荷重計算手段は、最も受信電力が大きい受信信号、または、最もSNRが大きい受信信号を選択することを特徴とする請求項4記載のアダプティブアンテナ。
- 合成手段から出力されたアレー出力信号と荷重計算手段により生成された参照信号をダイバーシチ合成するダイバーシチ合成処理手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のアダプティブアンテナ。
- ダイバーシチ合成処理手段は、遅延時間推定手段により推定された遅延時間がガードインターバル区間内の遅延時間である場合に限り、アレー出力信号と参照信号のダイバーシチ合成を行うことを特徴とする請求項6記載のアダプティブアンテナ。
- 遅延時間推定手段は、複数の遅延波が存在する場合、最も電力が大きい遅延波の遅延時間を推定することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のアダプティブアンテナ。
- アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子のうち、少なくとも1以上のアンテナ素子の受信信号から先行波に対する複数の遅延波の遅延時間を推定する遅延時間推定手段と、上記複数のアンテナ素子の受信信号を上記遅延時間推定手段により推定されたある遅延波の遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、上記遅延手段により遅延された複数の受信信号に荷重をそれぞれ乗算し、それらの乗算結果を合成してアレー出力信号を出力する合成手段と、上記アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の受信信号を上記遅延時間推定手段により推定された他の遅延波の遅延時間だけそれぞれ遅延させて合成して参照信号を生成し、複数の参照信号と上記合成手段から出力されたアレー出力信号の誤差が最小になるように、上記合成手段が乗算に用いる荷重を計算する荷重計算手段とを備えたアダプティブアンテナ。
- 荷重計算手段は、SMIアルゴリズム、RLSアルゴリズム又はLMSアルゴリズムを用いて、荷重を計算することを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載のアダプティブアンテナ。
- 遅延時間推定手段により推定された遅延時間における複数のアンテナ素子の受信信号と、その遅延時間の前後数サンプルにおける複数のアンテナ素子の受信信号とを参照して、その遅延時間を含む前後数サンプルの時間の中で、遅延手段が遅延する遅延時間として最も適当な時間を判定し、その時間を遅延時間として上記遅延手段に出力する遅延時間判定手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載のアダプティブアンテナ。
- 遅延時間判定手段は、遅延時間推定手段により推定された遅延時間における複数のアンテナ素子の受信信号と参照信号との相互相関値の和を求めるとともに、その遅延時間の前後数サンプルにおける複数のアンテナ素子の受信信号と参照信号との相互相関値の和を求め、相互相関値の和が最大になる時間を遅延時間として遅延手段に出力することを特徴とする請求項11記載のアダプティブアンテナ。
- 遅延時間判定手段は、遅延時間推定手段により推定された遅延時間における任意のアンテナ素子の受信信号と参照信号の相互相関値を求めるとともに、その遅延時間の前後数サンプルにおける任意のアンテナ素子の受信信号と参照信号の相互相関値を求め、相互相関値が最大になる時間を遅延時間として遅延手段に出力することを特徴とする請求項11記載のアダプティブアンテナ。
- 遅延時間判定手段は、複数のアンテナ素子の受信信号のうち、最も受信電力が大きい受信信号、または、最もSNRが大きい受信信号と参照信号の相互相関値を求めることを特徴とする請求項13記載のアダプティブアンテナ。
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