JP2005126291A - セラミック板の焼成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼成時にセッターとセラミック板とが接触する事態を防ぐことができるセラミック板の焼成方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るセラミック板12の焼成方法は、下セッター10B上に、セラミック板12を載置するステップと、下セッター10B上に、焼成過程の際に収縮する複数の支柱部材14を載置するステップと、下セッター10B上に、セラミック板12の周囲に位置するように、焼成過程前の高さが、焼成過程前の支柱部材14の高さよりも低く、且つ、焼成過程を経た後の高さが、焼成過程を経たセラミック板12の高さよりも高いスペーサ16を載置するステップと、複数の支柱部材14上に、セラミック板12及びスペーサ16を覆う上セッター10Aを搭載するステップと、セッター10A,10Bの間に介在するセラミック板12を焼成するステップとを有することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、セラミック板の焼成方法に関するものであり、特に鉛を含有する圧電セラミック板の焼成方法に関するものである。
従来、鉛を含んだセラミックスとして、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックが知られている。そして、この圧電セラミックは、セラミック発振子、セラミックフィルター、圧電ブザー、圧電センサ、圧電アクチュエータなど、様々な製品に応用されている。これらの製品に用いられる圧電セラミックには、圧電材料で構成された基板(圧電セラミック基板)や、近年盛んに研究が進められている、この基板と内部電極層とを交互に積層した積層体などがある。
ここで、圧電セラミックを作製する一般的な手順について簡単に説明する。まず、出発原料として酸化物、炭酸塩等の化合物により合成された圧電セラミック粉体を精製する。そして、この圧電セラミック粉体にバインダ等を加えて成形を行いセラミック板を形成する。形成されたセラミック板に、脱脂(脱バインダ)処理を施し、さらに脱脂したセラミック板を焼成することにより焼結体が得られる。得られた焼結体を研磨すると共に、所定寸法に切断することにより、上述した圧電セラミック基板が得られる。なお、圧電セラミックの積層体は、焼成により内部電極層となる電極ペーストを表面に塗布したセラミック板と複数枚重ねて焼成することにより得られる。
圧電セラミックは、上述したように鉛を含有しているため、焼成時にその鉛が蒸発する。特に900℃以上の高温で焼成する場合には、鉛の蒸発は顕著となる。従って、鉛の蒸散を抑制するために、脱脂後のセラミック板をセッターに搭載し、このセッターを密閉された匣鉢内に設置して焼成するのが一般的な焼成方法である。また、鉛の蒸散を抑制する別の方法としては、匣鉢内に、セッターと一緒に酸化鉛粉体を入れて焼成する方法が知られている。
近年、圧電セラミックを用いた製品の小型化に伴い、圧電セラミックの小型化及び薄型化が求められている。圧電セラミックの小型化に関しては、焼結体を所定寸法にダイシング等で切断することにより、比較的容易に実現することができる。一方、圧電セラミックの薄型化には、以下のような問題点があった。すなわち、焼結体を研磨することによりある程度の薄さまですることができるが、厚い焼結体を研磨する場合には多大な手間と時間を要し、薄い焼結体を研磨する場合には研磨時に小さな圧力が加わるだけで割れかけが発生してしまう。
そこで、薄いセラミック板を用いて、研磨の必要がない焼結体を求めることが考えられるが、薄いセラミック板を焼成した場合、焼結収縮に起因する歪みにより反りが発生する。この反りは、方形状のセラミック板の四隅において顕著である。そのため、圧電セラミックを研磨することなく利用する場合には、反りの大きな四隅を除去しなければならず、歩留まりの低下及びコストの増加を招いてしまう。そこで、焼結体の反りを抑制する技術が、例えば下記特許文献1〜4等に開示されている。
特許文献1に開示された技術は、支柱部材の焼結収縮に伴って、焼成途中から成形体の上のセッターがセラミック板を押圧する技術である。この文献に開示された技術では、セラミック板に荷重がかかるため割れかけが発生することがあり、また支柱部材の焼結速度が不均一な場合には形状不良の焼結体が作製される。
また、特許文献2及び特許文献3には、不均一な加熱を抑制することで焼結体の反りを抑える焼成方法が示されており、セッター上のセラミック板をセラミック製の枠で囲って焼成する技術(特許文献2)及びセラミック板とその上のセッターとの隙間を狭くする技術(特許文献3)が開示されている。しかし、これら特許文献2及び特許文献3に示された焼成方法では、セラミック板内部及びセラミック板周囲の鉛雰囲気が均一に保たれないため、やはり焼結体には反りが発生してしまう。そこで、不均一な加熱の抑制に加えて、鉛雰囲気の均一化が図られた技術が、特許文献4に示されている。この特許文献4に開示された技術は、セッターを支持する支柱部材の材料に、セッター上のセラミック板と同材質の材料を採用するというものであり、この技術によれば、セラミック板が焼結収縮するに従って支柱部材の長さも縮むため、また焼成時には支柱部材からも鉛が蒸散するため、焼成時における均一な加熱状態及び均一な鉛雰囲気を実現することができる。
特開昭62−128973号公報 特開平1−282157号公報 特開平8−91944号公報 特開平10−324574号公報
しかしながら、前述した従来のセラミック板の焼成方法には、次のような課題が存在している。すなわち、セラミック板の焼成の進行に伴って、セッターを支持する複数の支柱部材が焼結収縮するが、この支柱部材の収縮を均一且つ正確に制御することは困難である。特に、支柱部材を介してセッターを多段搭載する場合には、下の方に位置するセッターを支持する支柱部材は、複数のセッターを支持するため、その収縮の制御はより困難となる。
それにより、複数の支柱部材によって支持されたセッターが傾き、このセッターとセラミック板とが接触する事態が生じてしまう。このようにセッターとセラミック板とが接触したままで焼成がおこなわれた場合、セラミック板の焼成により得られる焼結体がセッターに焼き付いてしまうという不具合が生じ、このような焼結体はセッターから剥がされる際に破損したり、形状不良が発生したりするため、圧電セラミック製品に用いる焼結体には適していない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、焼成時にセッターとセラミック板とが接触する事態を防ぐことができるセラミック板の焼成方法を提供することを目的とする。
本発明に係るセラミック板の焼成方法は、第1のセッター上に、セラミック板と、複数の支柱部材と、セラミック板を焼成する焼成過程前の高さが該焼成過程前の支柱部材の高さよりも低く、且つ、焼成過程を経た後の高さが焼成過程を経たセラミック板の高さよりも高いスペーサとを載置するステップと、複数の支柱部材上に、セラミック板及びスペーサを覆う第2のセッターを搭載するステップと、第1及び第2のセッターの間に介在するセラミック板を焼成するステップとを有することを特徴とする。
このセラミック板の焼成方法においては、第1のセッターと第2のセッターとの間に、セラミック板とスペーサとが介在する状態で焼成がおこなわれる。なお、この焼成過程を経た後のこのスペーサの高さは、焼成過程を経たセラミック板の高さよりも高い。そのため、例えば、焼成過程において複数の支柱部材が収縮する場合であって、それらの支柱部材が均一に収縮せずに第2のセッターが傾くような場合であっても、スペーサが第2のセッターの少なくとも一部を支持することで、第2のセッターとセラミック板との接触が有意に抑制される。なおセラミック板には、セラミックシートの単板の他、複数のセラミックシートを積層してなる板状の積層体や、表面に電極等が形成されたセラミックシート等も含まれる。
また、第1のセッター上にスペーサを複数個載置することが好ましい。この場合、より確実に第2のセッターとセラミック板との接触を抑制することができる。
また、焼成過程を経た複数のスペーサの高さが同一であることが好ましい。この場合、焼結過程において、支柱部材全ての高さがセラミック板の高さよりも低くなる場合であっても、複数のスペーサが、第2のセッターをセラミック板と平行な状態で支持するため、第2のセッターとセラミック板との接触が有意に抑制される。
また、複数のスペーサは、セラミック板を挟む位置に配置されていることが好ましく、セラミック板が一方向に延びている場合には、セラミック板を挟むように2つのスペーサがセラミック板の長手方向に並んでいることが好ましい。さらに、セラミック板が鉛を含むことが好ましい。
また、焼成過程前のスペーサの高さは、焼成過程前のセラミック板の高さよりも低いことが好ましい。この場合、焼成過程前における第2のセッターの高さ位置をセラミック板に接触しない極限の位置にまで近づけることができ、第2のセッターとセラミック板との間の間隙をごくわずかなものにすることができる。そのため、焼成過程におけるセラミック板の周囲の温度及び雰囲気の均一化を図ることができる。
また、セラミック板を焼成する際、その周囲を包囲部材で包囲した状態で該セラミック板を焼成することが好ましい。この場合、焼成過程におけるセラミック板の周囲の温度及び雰囲気の均一化を図ることができる。
また、セラミック板上に位置する第2のセッター上に、さらにセラミック板、支柱部材及びスペーサを載置して、該支柱部材上に新たなセッターを搭載するステップをさらに有し、このステップを複数回繰り返した後、複数のセラミック板を焼成することが好ましい。このように、複数のセラミック板を一度に焼成するためにセッターを複数段重ねる場合、下の方に位置する支柱部材には比較的大きな荷重がかかるため、このような支柱部材においては予定量以上の収縮がおこりやすい。そのため、セラミック板にセッターが接触しやすい状況となっているが、2つのセッターの間に上述したスペーサが介在しているため、セラミック板とセッターとの接触が有意に抑制される。
また支柱部材は、焼成過程における収縮特性が、セラミック板の材料と略同じである材料で構成されていることが好ましい。この場合、支柱部材の収縮挙動が、セラミック板の収縮挙動にある程度追従するため、セラミック板と第2のセッターとの間の距離をある程度保持した状態でセラミック板の焼成をおこなうことができる。そのため、焼成過程前において、セラミック板と第2のセッターとをある程度近づけておくことにより、焼成過程におけるセラミック板の周囲の温度及び雰囲気の均一化を有意に図ることができる。
また支柱部材は、セラミック板の材料と同じ材料で構成されていることが好ましい。この場合、支柱部材の収縮挙動が、セラミック板の収縮挙動と略一致する。そのため、焼成過程におけるセラミック板の周囲の温度及び雰囲気の均一化をより有意に図ることができる。
本発明によれば、焼成時にセッターとセラミック板とが接触する事態を防ぐことができるセラミック板の焼成方法が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明に係るセラミック板の焼成方法を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るセラミック板の焼成方法を示した図である。以下、図1を参照しつつ、セラミック板を焼成する手順について説明する。
まず、図1(a)に示すように、正方形平板状のセッター10の略中央にセラミック板12を載置する。セッター10は、イットリア(Y)を3mol%〜8mol%添加した酸化ジルコニウムで構成されている。このセッター10は緻密質であり、その気孔率はおよそ3%未満であるが、気孔率は1%未満であることがより好ましい。セラミック板12は、チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電セラミック(より詳細にはPbTiO、PbZrO、Pb(Mg1/3Nb2/3)O及びPb(Zn1/3Nb2/3)Oの4成分系圧電セラミック)により形成された単板であり、以下のようにして作製されたものである。
すなわち、酸化物又は炭酸塩の形態の材料をボールミルにより湿式混合し、混合後950℃にて仮焼成を行う。この仮焼成後の材料をボールミルにて湿式粉砕して圧電セラミック粉体を用意する。続いて、この圧電セラミック粉体にバインダや溶剤等を加えてスラリー化し、押し出し成形法によって厚さ0.15mmのグリーンシートを成形する。このグリーンシートを押し切り切断して、図示した形状の長方形薄板状のセラミック板12を得る。
次に、図1(b)に示すようにセッター10の4隅に支柱部材14を載置する。この支柱部材は、上述したセラミック板12と同一の材料で構成されており、セラミック板12と同様に作製したグリーンシートから切り出したものである。この支柱部材14は、いずれも断面が正方形の角柱形状を有しており、セッター10の厚さ方向に延在している。このように、支柱部材14がセラミック板12の材料と同じ材料で構成されている場合、後述するセラミック板12の焼成過程において、支柱部材14の収縮挙動とセラミック板12の収縮挙動とが一致する。なお、支柱部材14の材料は、必ずしもセラミック板12の材料と同一である必要はなく、例えば、セラミック板12の収縮特性と同一又は同等の収縮特性を有する他の材料の中から選択することが可能である。
そして、図1(c)に示すように、セッター10上のセラミック板12の周囲に、4つのスペーサ16を載置する。より具体的には,セラミック板12の各側面に近接する位置であって、各側面の中央部に対応する位置に、それぞれ1つのスペーサ16を載置する。この4つのスペーサ16の高さは同一であり、その高さは、支柱部材14の高さよりも低い。また、スペーサ16の高さは、後述する焼成過程を経たセラミック板12の高さよりも高い。またスペーサ16は、上述したセッター10と同一の材料で構成されており、いずれも断面が正方形の角柱形状を有している。
そして、セッター10上に、セラミック板12、支柱部材14及びスペーサ16を載置した後、400℃前後に加熱して、セラミック板12及び支柱部材14の脱脂をおこなう。なお以上では、セッター上にセラミック板、支柱部材、スペーサの順に載置する手順を示したが、これらを載置する順番は適宜変更可能である。
脱脂処理の後、図1(d)に示すように、上述と同様の手順により準備した、セラミック板12、支柱部材14及びスペーサ16が配置されたセッター10を、支柱部材14上に搭載する。搭載されるこのセッター10によって、下のセッター10上に配置されたセラミック板12及びスペーサ16が覆われる。さらに、セラミック板12、支柱部材14及びスペーサ16が配置されたセッター10を、支柱部材14を介して搭載する作業を複数回繰り返し、図1(e)に示す多段積層セッター20を得る。
そして、この多段積層セッター20を、図2に示すような匣鉢22内に設置して焼成処理を施す。ここで図2は、多段積層セッター20を焼成する状態を示した図である。匣鉢22は、上面開口の筐体部22aと蓋部22bとで構成されている。そして、筐体部22aに多段積層セッター20を設置した後、蓋部22bで閉蓋して密閉し、匣鉢外部から加熱して多段積層セッター20を焼成する。このときの焼成条件は、セラミック板を焼成する公知の焼成条件から適宜選択することができる。
以下、焼成過程におけるセッター10、セラミック板12、支柱部材14及びスペーサ16の状態について、図3を参照しつつ説明する。ここで図3は、焼成過程における各要素の状態を示した図である。なお図3に示すように、説明を簡単にするために、多段積層セッター20全体ではなく、2枚のセッター10,10及びこれらのセッター10,10の間に介在する要素についてのみ示す。また、説明の便宜上、2枚のセッター10,10のうち、上側のセッターを上セッター10A、下側のセッターに10を下セッター10Bと称する。
まず、焼成過程前の状態(図3(a)参照)では、上セッター10Aを支持する4本の支柱部材14の高さが最も高くなっている。また、スペーサ16の高さは、セラミック板12の高さよりも低くなっており、セラミック板12が上セッター10Aに近接している。このようにセラミック板12が上セッター10Aに近接して、セラミック板12と上セッター10Aとの間の距離dが小さく設定されている場合、焼成過程におけるセラミック板12の周囲の温度及びセラミック板12から蒸発する鉛の雰囲気が有意に均一化されるため、焼成過程おいて生じやすいセラミック板12の反りを抑制することができる。
そして、セラミック板12の焼成が開始されると、セラミック板12及び支柱部材14は焼結に伴って収縮しはじめる。なおスペーサ16は、上述したようにセッター10と同一素材であるため、実質的に収縮しない。そのため、支柱部材14の収縮がある程度進行した時点で、支柱部材14とスペーサ16との高さが同じとなり、またセラミック板12の高さよりも高くなる(図3(b)参照)。なお、上述したように支柱部材14とセラミック板12とは同じグリーンシートから切り出されているため、支柱部材14の収縮挙動とセラミック板12の収縮挙動とが一致する。そのため、セラミック板12と上セッター10Aとの間のわずかな距離dを保持することができ、セラミック板12の周囲の温度及びセラミック板12から蒸発する鉛の雰囲気が有意に均一化される。
さらに支柱部材14の収縮が進行すると、支柱部材14に代わって、スペーサ16が上セッター10Aを支持するようになる(図3(c)参照)。その後、セラミック板12及び支柱部材14の焼結収縮は進行するが、上セッター10Aの高さは焼結過程の終了まで変化しない。
以上で詳細に説明したように、本実施形態に係るセラミック板12の焼成方法においては、セッター10に上述したスペーサ16が載置されている。このスペーサ16は、セラミック板12の焼成過程の途中で、収縮する支柱部材14の代わってセッター10を支持するようになる。従って、4つの支柱部材14の収縮挙動が均一でない場合であっても、セッター10の支持が支柱部材14による支持からスペーサ16による支持に代わった時点で、上セッター10Aと下セッター10Bとを確実に平行に保つことができる。そのため、焼成過程において、上セッター10Aが下セッター10Bに対して傾いて、上セッター10Aとセラミック板12とが接触する事態が有意に抑制されている。それにより、セラミック板12とセッター10との焼き付きが低減するため、セラミック板12の焼成により得られる圧電セラミックの歩留まりが向上する。
特に、多段積層セッター20を積層する場合には、下の方に位置する支柱部材14には比較的大きな荷重がかかる。そのため、支柱部材14が予想以上に収縮するような事態に陥りやすく、上述したスペーサがより効果的に機能することとなる。
なお、上述した実施形態では、セラミック板12の周りに4つのスペーサ16を配置する態様であったが、スペーサの数を適宜増減した場合であっても、焼成過程においてスペーサが上セッターの少なくとも一部を支持可能であるため、上セッターとセラミック板とが接触するという事態が有意に抑制されることは言うまでもない。また、上述した実施形態では、複数のスペーサ16がすべて同じ高さである態様であったが、複数のスペーサの高さが相違する場合であっても、焼成過程においてスペーサが上セッターの少なくとも一部を支持可能であるため、上セッターとセラミック板との接触が有意に抑制される。
さらに、焼成過程を経たスペーサの高さは、必ずしも焼成後の支柱部材14の高さより高い必要はなく、焼成後の支柱部材14と同じ、又は低くてもよい。この場合には、スペーサはセラミック板12の焼成終了まで上セッターを支持しないことになるが、このようなスペーサを下セッター上に配置することで、万が一、上セッターとセラミック板とが接触する事態を引き起こすような原因が生じた場合であっても、そのような事態を未然に抑制することができる。
また上述した実施形態では、実質的に収縮しないスペーサを利用する態様であったが、焼成過程前の高さが、焼成過程前の支柱部材の高さよりも低く、且つ、焼成過程を経た後の高さが、焼成過程を経たセラミック板の高さよりも高ければ、焼成過程において収縮するスペーサであってもよい。
さらに、図4に示すように、1枚のセッター10上に複数のセラミック板12を載置して、一度に多くのセラミック板12を焼成する態様であってもよい。図4は、上記実施形態とは異なる態様のセッターを示した図である。図4に示した態様においては、セッター10上には、10枚のセラミック板12が2枚ずつ5列に等間隔で並列されている。そして、各列ごとに3つのスペーサ16が、2枚のセラミック板12を挟むように配置されている。すなわち、3つのスペーサ16は、セラミック板12の長手方向(図中のX方向)に沿って並んでおり、2枚のセラミック板12の中間位置に1つ、このスペーサ16と各セラミック板12を介して対峙する位置に各1つずつ配置されている。そして、このような3つのスペーサ16がセラミック板12の並列方向(図中のY方向)に沿って5組配置されている。
図4に示したように、複数のセラミック板12がセッター10上に配置された場合であっても、複数のセラミック板12の周囲にスペーサ16を配置することにより、支柱部材14上に搭載されるセッターとセラミック板12との接触が有意に抑制される。
また図5に示すように、図4に示したセッター10上に、セラミック板12と同じグリーンシートから切り出した包囲部材22を、セラミック板12を包囲するように配置してもよい。ここで図5は、上記実施形態とは異なる態様のセッターを示した図である。すなわち、この態様においては、隣り合う2本の支柱部材14の間に4本の角柱状包囲部材24が載置されて、10枚のセラミック板12のすべてが、同一のグリーンシートから切り出された支柱部材14及び包囲部材24で囲われる。上述したようなセラミック板12の焼成過程で、この支柱部材14及び包囲部材24からはチタン酸ジルコン酸鉛中の鉛が放出される。それにより、支柱部材14及び包囲部材24に囲まれたセラミック板12からの鉛の蒸発が抑制され、しかもセラミック板12周囲の温度及び鉛雰囲気が均一に保たれるため、焼成によるセラミック板12の収縮が各領域で均一化され、その結果焼成後のセラミック板12に反りやうねりが生じる事態が有意に抑制される。
さらに、包囲部材24は、セラミック板12を切り出したグリーンシートの残余部分であるため、セラミック板12とほぼ同一組成のセラミック材料からなる包囲部材4を効率良く形成することができる。しかも、一般に廃材となるグリーンシートの残余部分を利用するため、セラミック板12の焼成に要するコストの低廉化、及び廃材の発生量の減少化を図ることができる。
上述したセッター10と同様のジルコニアセッター(100mm×100mm)上に、図4に示した配置で、セラミック板、支柱部材及びスペーサを配置した。そして、このセッターに350℃の脱脂処理を施したものと同じものを10組準備し、10段の積層セッターを作製した。
ここで、本実施例に用いたセラミック板は、PbTiO、PbZrO、Pb(Mg1/3Nb2/3)O及びPb(Zn1/3Nb2/3)Oの4成分系圧電セラミックを主成分とする15mm×35mmの単板であり、厚さ0.35mmのグリーンシートから切り出したものである。なおこのセラミック板は、後述する焼成過程の後、その厚さが0.29mmになる。
また本実施例に用いたスペーサは、ジルコニアセッターと同材質であり、その大きさは4mm×4mm(高さ0.32mm)である。さらに支柱部材は、上記セラミック板と同材質であり、その大きさは4mm×5mm、高さは3種類の高さ(0.4mm、0.45mm、0.55mm)を選択した。なお、高さが0.4mm、0.45mm及び0.55mmである支柱部材のそれぞれの場合における、セラミック板と上セッターとの距離は、50μm、100μm及び200μmであった。
以上のようにして準備した、支柱部材の厚さが異なる3種類の積層セッターをそれぞれ、匣鉢に収容して1100℃で焼成した。そして焼成後の各セラミック板の反りを、レーザ式の非接触3次元形状測定装置を用いて測定した。より具体的には、同一基板における最大高低差を反り量として測定した。その結果、支柱部材の高さが0.4mmである場合の反り量の最大値は25μm、支柱部材の高さが0.45mmである場合の反り量の最大値は30μm、支柱部材の高さが0.55mmである場合の反り量の最大値は130μmであった。そして、焼成したセラミック板のいずれも、破損及び形状不良が発生しなかった。
そこで、上述したスペーサを取り除いた点でのみ、上述した10段の積層セッターと異なる積層セッターを準備し、上述と同様の条件で焼成した。その結果、セラミック板の35%に破損や形状不良が発生した。このような不良は、積層セッターの下の方のセラミック板に多くみられた。なお、図5に示した包囲部材22と同様の包囲部材を採用した場合には、反り量の平均値がいずれの場合も10〜20%低減した。
PbTiO、PbZrO、Pb(Mg1/3Nb2/3)O及びPb(Zn1/3Nb2/3)Oの4成分系圧電セラミックを主成分とする圧電セラミック粉体にバインダ等を添加してペースト状にし、ドクターブレード法を用いて所定厚さのセラミック素体を形成した。そして、このセラミック素体表面の所定領域に、AgとPbとの混合比が7:3である内部電極ペーストをスクリーン印刷した。さらに、このように電極ペーストが印刷されたセラミック素体を8枚積層し、その積層方向からプレスすると共に、15mm×35mmの大きさに切り分けて、セラミック素体の積層体(セラミック板)を複数作製した。なお、プレス後の各積層体の厚さは0.35mmであり、後述する焼成過程後の各積層体の厚さは0.295mmである。
そして、実施例1と同様のジルコニアセッター(100mm×100mm)上に、図4に示した配置で、積層体、支柱部材及びスペーサを配置した。そして、このセッターに350℃の脱脂処理を施したものと同じものを10組準備し、10段の積層セッターを作製した。
ここで本実施例に用いたスペーサは、ジルコニアセッターと同材質であり、その大きさは4mm×4mm(高さ0.32mm)である。また支柱部材は、上記セラミック素体と同材質であり、その大きさは4mm×5mm、高さは3種類の高さ(0.4mm、0.45mm、0.55mm)を選択した。なお、高さが0.4mm、0.45mm及び0.55mmである支柱部材のそれぞれの場合における、積層体と上セッターとの距離は、50μm、100μm及び200μmであった。
以上のようにして準備した、支柱部材の厚さが異なる3種類の積層セッターをそれぞれ、匣鉢に収容して1100℃で焼成した。そして焼成後の各積層体の反りを、実施例1と同様に、レーザ式の非接触3次元形状測定装置を用いて測定した。その結果、支柱部材の高さが0.4mmである場合の反り量の最大値は20μm、支柱部材の高さが0.45mmである場合の反り量の最大値は25μm、支柱部材の高さが0.55mmである場合の反り量の最大値は120μmであった。そして、焼成した積層体のいずれも、破損及び形状不良が発生しなかった。
そこで、上述したスペーサを取り除いた点でのみ、上述した10段の積層セッターと異なる積層セッターを準備し、上述と同様の条件で焼成した。その結果、積層体の40%に破損や形状不良が発生した。このような不良は、積層セッターの下の方のセラミック板に多くみられた。なお、図5に示した包囲部材22と同様の包囲部材を採用した場合には、反り量の平均値がいずれの場合も10〜20%低減した。
本実施形態に係るセラミック板の焼成方法を示した図である。 多段積層セッターを焼成する状態を示した図である。 焼成過程における各要素の状態を示した図である。 異なる態様のセッターを示した図である。 異なる態様のセッターを示した図である。
符号の説明
10…セッター、10A…上セッター、10B…下セッター、12…セラミック板、14…支柱部材、16…スペーサ。

Claims (11)

  1. 第1のセッター上に、セラミック板と、複数の支柱部材と、前記セラミック板を焼成する焼成過程前の高さが該焼成過程前の前記支柱部材の高さよりも低く、且つ、前記焼成過程を経た後の高さが前記焼成過程を経た前記セラミック板の高さよりも高いスペーサとを載置するステップと、
    前記複数の支柱部材上に、前記セラミック板及び前記スペーサを覆う第2のセッターを搭載するステップと、
    前記第1及び第2のセッターの間に介在する前記セラミック板を焼成するステップとを有する、セラミック板の焼成方法。
  2. 前記第1のセッター上に前記スペーサを複数個載置する、請求項1に記載のセラミック板の焼成方法。
  3. 前記焼成過程を経た複数の前記スペーサの高さが同一である、請求項2に記載のセラミック板の焼成方法。
  4. 前記複数のスペーサは、前記セラミック板を挟む位置に配置されている、請求項2又は3に記載のセラミック板の焼成方法。
  5. 前記セラミック板は一方向に延びており、前記セラミック板を挟むように2つの前記スペーサが前記セラミック板の長手方向に並んでいる、請求項4に記載のセラミック板の焼成方法。
  6. 前記焼成過程前の前記スペーサの高さは、前記焼成過程前の前記セラミック板の高さよりも低い、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミック板の焼成方法。
  7. 前記セラミック板を焼成する際、その周囲を包囲部材で包囲した状態で該セラミック板を焼成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセラミック板の焼成方法。
  8. 前記セラミック板上に位置する前記第2のセッター上に、さらに前記セラミック板、前記支柱部材及び前記スペーサを載置して、該支柱部材上に新たなセッターを搭載するステップをさらに有し、
    このステップを複数回繰り返した後、複数の前記セラミック板を焼成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセラミック板の焼成方法。
  9. 前記支柱部材は、前記焼成過程における収縮特性が、前記セラミック板の材料と略同じである材料で構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセラミック板の焼成方法。
  10. 前記支柱部材は、前記セラミック板の材料と同じ材料で構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセラミック板の焼成方法。
  11. 前記セラミック板が鉛を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のセラミック板の焼成方法。
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