JP2005122127A - 液体現像用電子写真感光体 - Google Patents

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JP2005122127A JP2004253348A JP2004253348A JP2005122127A JP 2005122127 A JP2005122127 A JP 2005122127A JP 2004253348 A JP2004253348 A JP 2004253348A JP 2004253348 A JP2004253348 A JP 2004253348A JP 2005122127 A JP2005122127 A JP 2005122127A
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Abstract

【課題】 液体現像に適した、高感度でかつ耐久性に優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 液体現像用の電子写真感光体として、導電性基体上に、電荷発生剤と電子輸送剤とを含むバインダ樹脂を用いてなる感光層を備えるものを使用し、当該電子輸送剤として、その分子中に少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基および2つ以上のアシル基のいずれかを有するものを使用する。
【効果】 パラフィン系溶媒等を用いた湿式現像剤によって液体現像法による画像形成を繰り返したときに、電荷輸送剤がパラフィン系溶媒中に溶出したり、感光層が劣化したりするのを抑制することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気特性および耐久性に優れた液体現像用の電子写真感光体に関する。
静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ等の画像形成装置には、当該装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する電子写真感光体が使用されている。近年の電子写真感光体は有機感光体(OPC)が主流であって、この有機感光体の感光層は、電荷発生剤と、電荷輸送剤とを含有するバインダ樹脂を用いて形成されている。
かかる有機感光体を用いた画像形成装置においては、現像剤として粉体のトナー(乾式現像剤)を用いる乾式現像法が一般的である。一方、電気絶縁性の高い溶剤中に着色剤、ポリマー粒子等を分散させた湿式現像剤を用いて、感光体表面の静電潜像にトナー粒子を電気泳動させて現像する液体現像法も知られている。この湿式現像剤において、トナー粒子は、それを構成する樹脂や帯電制御剤によって所定の電荷に帯電しており、溶剤中にて安定に分散している。従って、湿式現像剤には、乾式現像剤に比べて粒径の小さなトナー粒子(通常1μm程度)を用いることができ、その結果、液体現像を採用することで、乾式現像に比べて解像度の高い画像形成を行うことができる。また、乾式現像ではリーク等によって局所的に帯電電位が低下するという問題が生じるものの、液体現像ではかかる問題を生じることがない。それゆえ、湿式現像剤および液体現像は、高品位の画像形成を実現する上で好適である。
しかしながら、湿式現像剤の溶剤には高い電気絶縁性が求められることから、イソパラフィンやn−パラフィン等のパラフィン系溶媒が多用されているところ、感光体が湿式現像剤と長時間にわたって接触することで、感光層中の電荷輸送剤がパラフィン系溶媒中に溶出してしまい、感光体の感度が低下するという問題がある。また、感光層を形成するバインダ樹脂がパラフィン系溶媒によって膨潤してしまい、感光層が軟化、ひび割れ等によって劣化するという問題もある。
そこで、湿式現像剤を用いた液体現像において、経時的に電荷輸送剤が感光層から湿式現像剤中へと溶出したり、感光層が劣化したりするのを抑制することのできる有機感光体が求められている。
なお、特許文献1〜4には、液体現像用の有機感光体に係る発明が開示されているが、これらの発明はいずれも、感光体の塗布欠陥の低減や、導電性支持体からの電荷の注入を抑制する目的で、感光層と導電性基体渡の間にブロッキング層を設けることを特徴としている。また、特許文献1〜4においては、電荷輸送剤の湿式現像剤中への溶出や感光層の膨潤による劣化を抑制することについては、特段の考慮がなされていない。
特開平7−191487号公報 特開平7−191488号公報 特開平7−325419号公報 特開平7−325420号公報 特開平6−282085号公報
そこで本発明の目的は、液体現像に適した、高感度でかつ耐久性に優れた電子写真感光体を提供することである。
本発明者らは、前述の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、感光層中に含有させる電子輸送剤として、特定の置換基を有するもの、具体的には少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基または2つ以上のアシル基を用いたときには、意外にも、パラフィン系溶媒等を用いた湿式現像剤によって液体現像法による画像形成を繰り返したときに、電荷輸送剤がパラフィン系溶媒中に溶出するのを抑制することができ、しかも同一の感光層に含有されている正孔輸送剤についても、パラフィン系溶媒中への溶出を抑制することができ、それゆえ、感光層が劣化するのを抑制できるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的を達成するための本発明に係る液体現像用電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤と電子輸送剤とを含むバインダ樹脂を用いてなる感光層を備え、かつ当該電子輸送剤が、その分子中に少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基および2つ以上のアシル基のいずれかを有するものである。
上記電子輸送剤は、その分子中にニトロ基、カルボキシル基またはアシル基を有している。電子輸送剤にかかる基を導入することによって、かかる基を有しない電子輸送剤に比べて、その電子輸送能を低下させることなく、分子の極性を高くすることができる。電子輸送剤の分子の極性が高くなることで、極性を有しないパラフィン系溶媒への溶出性は低くなるものと推測される。
従って、上記の本発明に係る液体現像用電子写真感光体によれば、電子写真感光体を高感度でかつ耐久性に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像用電子写真感光体に用いられる上記の電子輸送剤のうち、その分子中に少なくとも1つのニトロ基を有するものについては、当該ニトロ基がベンゼン環に直接置換しているものであるのが好ましい。
電子写真感光体の感光層中にニトロ基を有する化合物が含まれていると、帯電、露光等の画像形成処理を繰り返し行うことによって、ニトロ基が、変異原性を有するアミノ基へと還元するおそれがある。しかしながら、ニトロ基がベンゼン環に直接置換したものである場合には、アミノ基への還元を防止することができる。また、ニトロ基は、前述のカルボキシル基やアシル基よりも極性が高く、それゆえパラフィン系溶媒への溶出性をより一層低くすることができる。
従って、分子中に少なくとも1つのニトロ基を有し、かつ当該ニトロ基がベンゼン環に直接置換してなるものを電子輸送剤として用いることによって、当該電子輸送剤を含む電荷輸送剤全体の湿式現像剤中への溶出を防止することができ、当該電子輸送剤の電子輸送能の向上および感光体の感度の向上を図ることができ、しかも感光層中に含有されている電子輸送剤が変異原性を示す化合物へと経時的に変化するといった問題が生じるのを防止することができる。
本発明の液体現像用電子写真感光体においては、バインダ樹脂がさらに正孔輸送剤を備えており、かつ感光層が単層型であるのが好ましい。
感光層を単層型とし、しかも同一の感光層中に、上記の電子輸送剤と正孔輸送剤とを併存させることによって、電子写真感光体の感度をより一層向上させることができる。
バインダ樹脂が電荷発生剤と電子輸送剤と正孔輸送剤とを備え、かつ感光層が単層型である上記の液体現像用電子写真感光体においては、単層型感光層中での電子輸送剤の含有量が、当該感光層中での正孔輸送剤の含有量よりも多いのが好ましい。
同一の感光層中に電子輸送剤と正孔輸送剤とを併存させる場合においては、正孔輸送剤の含有量を電子輸送剤の含有量よりも多く設定するのが一般的である。しかしながら、本発明においては、電子輸送剤と正孔輸送剤とが湿式現像剤中に溶出するのを防止する観点から、特定の置換基を有する上記電子輸送剤の含有量を正孔輸送剤の含有量よりも多く設定するのが好ましい。
なお、本発明の液体現像用電子写真感光体において、感光層中に含有される正孔輸送剤としては特に限定されるものではなく、従来公知の種々のものを用いることができる。
本発明の液体現像用電子写真感光体においては、バインダ樹脂が、一般式(I):
Figure 2005122127
(一般式(I)中、R20およびR21は同一または異なってアルキル基を示す。αおよびβは同一または異なって0〜3の整数を示す。αおよびβが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。)
で表される繰り返し単位と、一般式(II):
Figure 2005122127
(一般式(II)中、R22およびR23は同一または異なってアルキル基を示す。γおよびδは同一または異なって0〜3の整数を示す。γおよびδが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。Xは式(II−1)、(II−2)および(II−3):
Figure 2005122127
で表される二価基のいずれかを示す。式(II−2)中、R24は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R25は炭素数1〜3のアルキル基を示す。式(II−3)中、R26は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R27は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で表される繰り返し単位と、を有する共重合ポリカーボネート樹脂であるのが好ましい。
かかる共重合ポリカーボネート樹脂は、イソパラフィンやn−パラフィン等のパラフィン系溶媒に対する膨潤性が低い。それゆえ、かかる共重合ポリカーボネート樹脂をバインダ樹脂とする感光層は、パラフィン系溶媒を用いた湿式現像剤と長期にわたって接触しても、膨潤して、軟化したり、ひび割れを生じたりすることがない。従って、感光層の劣化や、画像形成を繰り返すことによる感光層の磨耗を防止することができ、電子写真感光体の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(電荷発生剤)
本発明の液体現像用電子写真感光体に使用可能な電荷発生剤としては、例えば下記式(CGM1)で表される無金属フタロシアニン、下記式(CGM2)で表されるチタニルフタロシアニン(TiOPc)、下記式(CGM3)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン、下記式(CGM4)で表されるクロロガリウムフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;ジスアゾ顔料;ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の、従来公知の種々の電荷発生剤が挙げられる。
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
電荷発生剤は、電子写真感光体が所望の吸収波長域で感度を有するように、上記例示のものの中から種々選択すればよい。上記例示の電荷発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
半導体レーザを使用したレーザビームプリンタやファクシミリといったデジタル光学系の画像形成装置には、上記例示の電荷発生剤のうち、600nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば無金属フタロシアニン(CGM1)やチタニルフタロシアニン(CGM2)等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。
上記フタロシアニン系顔料について、その結晶形は特に限定されるものではなく、種々のものを採用することができるが、無金属フタロシアニン(CGM1)についてはX型またはI型を、チタニルフタロシアニン(CGM2)についてはα型(そのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°と28.6°の時に主たる回折ピークを有するもの)またはY型(ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.2°の時に主たる回折ピークを有するもの)を、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM3)についてはV型を、クロロガリウムフタロシアニン(CGM4)についてはII型を、それぞれ用いるのが、感光体の感度をより一層良好なものにするという観点から好ましい。
ハロゲンランプ等の白色光源を使用した静電式複写機といったアナログ光学系の画像形成装置には、上記例示の電荷発生剤のうち、可視領域に感度を有するペリレン系顔料やビスアゾ系顔料等が好適に用いられる。
電荷発生剤のバインダ樹脂中での分散性といった特性を向上させるためには、ジスアゾイエロー、ジアニシジンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッド等のアゾ系顔料を配合してもよい。
(電子輸送剤)
本発明の液体現像用電子写真感光体に使用可能な電子輸送剤としては、その分子中に少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基および2つ以上のアシル基のいずれかを有するものであるほかは特に限定されるものではなく、従来公知の種々の電子輸送剤が挙げられる。
電子輸送剤の具体例としては、例えば、下記一般式(ETM1)および(ETM2)で表されるジフェノキノン誘導体、下記一般式(ETM3)で表されるスチルベンキノン誘導体、下記一般式(ETM4)、(ETM5)、(ETM6)および(ETM7)で表されるナフトキノン誘導体、下記一般式(ETM8)および(ETM9)で表されるジナフトキノン誘導体、下記一般式(ETM10)、(ETM11)、(ETM12)および(ETM13)で表されるアゾキノン誘導体、下記一般式(ETM14)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体などのうち、少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基および2つ以上のアシル基のいずれかを有するものが挙げられる。
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
Figure 2005122127
(一般式(ETM1)〜(ETM14)中、Re1〜Re11、Re13〜Re26、Re32〜Re37、Re40およびRe41は同一または異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。Re12は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数12以下のアリール基、炭素数1〜9のアシル基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数13以下のアリールカルボニル基または炭素数13以下のアリールオキシカルボニル基を示す。Re27、Re29およびRe31は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数12以下のアリール基、塩素原子またはニトロ基を示す。Re28、Re30、Re38およびRe39は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。aは0〜3の整数を示し、bは0〜4の整数を示す。上記アリール基、アリールカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基は、そのアリール部分にニトロ基等の置換基をさらに有していてもよい。aが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。bが2、3または4のとき、同一の縮合環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。)
炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、sec−ペンチル、2−メチルペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。
炭素数12以下のアリール基としては、例えば、フェニル、o、mまたはp−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−キシリル、o、mまたはp−クメニル、メシチル、ナフチル、ビフェニルなどが挙げられる。
炭素数1〜9のアシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル等が挙げられる。
炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
炭素数13以下のアリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイルなどが挙げられる。
炭素数13以下のアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
なお、上記一般式(ETM12)で表されるアゾキノン誘導体は、アニリン誘導体(置換基(Re31を備えるもの)と亜硝酸ナトリウムに濃塩酸を加えてジアゾニウム化合物を生成させて、このジアゾニウム化合物と9−ヒドロキシ−10−メチルアントラセンの誘導体(置換基(Re30を備えるもの)とをジアゾカップリングさせた後、こうして得られた生成物のヒドロキシ基を酸化することによって得られる。
上記例示の電子輸送剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(正孔輸送剤)
本発明の液体現像用電子写真感光体に用いられる正孔輸送剤は、電子輸送剤との間に電荷移動錯体が生じないものであるほかは特に限定されるものではなく、従来公知の種々の正孔輸送剤の中から適宜選択して用いることができる。
正孔輸送剤の具体例としては、例えば、一般式(HTM1)で表されるビススチルベンジアミン誘導体、一般式(HTM2)で表されるトリアリールアミン誘導体、一般式(HTM3)で表されるスチルベン誘導体または一般式(HTM4)で表されるスチルベンアミン−ヒドラゾン誘導体が挙げられる。
Figure 2005122127
(一般式(HTM1)のXh1は下記式(A)〜(C)のいずれかを、一般式(HTM2)のXh2は下記式(A)〜(D)のいずれかを、それぞれ示す。)
Figure 2005122127
Figure 2005122127
(一般式(HTM1)〜(HTM4)中、Rh1〜Rh18およびRh20〜Rh25は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数12以下のアリール基を示す。Rh19は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。aおよびbは前記と同じである。aが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。bが2、3または4のとき、同一の縮合環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。kは0〜3の整数を示す。)
炭素数1〜8のアルキル基および炭素数12以下のアリール基としては、上記したのと同様の基が挙げられる。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシなどが挙げられる。
上記例示の正孔輸送剤はその電荷輸送能が高く、しかも上記例示の電子輸送剤との間に電荷移動錯体を形成しにくく、後述するバインダ樹脂との相溶性が良好であるといった特徴を備えている。
なお、これに限定されるものではないが、電荷輸送剤の湿式現像剤中への溶出を防止し、感光体の感度の向上を図るという観点から、正孔輸送剤には、その分子中に一般式(1):
Figure 2005122127
(一般式(1)中、R、R、RおよびRは同一または異なって、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アラルキル基またはアリール基を示す。m、n、oおよびpは同一または異なって0〜3の整数を示す。m、n、oおよびpが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。m、n、oおよびpが2または3のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルキル基は、互いに結合して飽和の炭化水素環を形成してもよく、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環と縮合環を形成してもよい。)
および/または一般式(2):
Figure 2005122127
(一般式(2)中、R、RおよびRは同一または異なって、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アラルキル基またはアリール基を示す。q、rおよびsは同一または異なって0〜3の整数を示す。q、r、およびsが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。q、rおよびsが2または3のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルキル基は、互いに結合して飽和の炭化水素環を形成してもよく、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環と縮合環を形成してもよい。)
で表される部位を有するものを用いるのが好ましい。
かかる部位を有する正孔輸送剤の具体例としては、一般式(3):
Figure 2005122127
(一般式(3)中、R、R、RおよびRは同一または異なって、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アラルキル基またはアリール基を示す。m、n、oおよびpは同一または異なって0〜3の整数を示す。m、n、oおよびpが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。m、n、oおよびpが2または3のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルキル基は、互いに結合して飽和の炭化水素環を形成してもよく、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環と縮合環を形成してもよい。)
で表されるジスチルベン誘導体、一般式(4):
Figure 2005122127
(一般式(4)中、R、RおよびRは同一または異なって、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アラルキル基またはアリール基を示す。q、rおよびsは同一または異なって0〜3の整数を示す。q、r、およびsが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。q、rおよびsが2または3のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルキル基は、互いに結合して飽和の炭化水素環を形成してもよく、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環と縮合環を形成してもよい。xは2または3を示す。Arは、xが2の時に式(4a)〜(4c):
Figure 2005122127
で表される二価基のいずれかを示し、xが3の時に式(4d):
Figure 2005122127
で表される三価基を示す。)
で表されるスチルベン誘導体、または一般式(5):
Figure 2005122127
(一般式(5)中、R、R、R、R10およびR11は同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基またはアリール基を示す。q、r、s、tおよびuは同一または異なって0〜3の整数を示す。q、r、s、tおよびuが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。q、r、s、tおよびuが2または3のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環と縮合環を形成してもよい。)
で表されるスチルベン誘導体が挙げられる。
なお、上記一般式(3)で表されるジスチルベン誘導体は、次のようにして合成することができる。すなわち、まず、Rを有するアニリンと、無水酢酸とを、濃硫酸の存在下で反応させる。次いで、これを、炭酸カリウムと銅の存在下で、Rを有することのあるヨードベンゼンと反応させて、その生成物をアミン体に還元する。さらに、その生成物(アミン体)と、RとRとを有するジフェニルアセトアルデヒドとを反応させて、塩化ホスホリルの存在下で加熱攪拌することにより、ホルミル体を合成する。一方、α,α’−ジクロロキシレンとホスホン酸トリエチルとをあらかじめ反応させておき、これと上記ホルミル体とを強塩基の存在下で反応させることによって、一般式(3)で表されるジスチルベン誘導体が得られる。
上記(ジ)スチルベン誘導体(3)〜(5)の置換基R〜R11は同一または異なって、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アラルキル基またはアリール基である。R〜R11の炭素数は、一般に、有機溶剤に対する溶解性をより一層良好なものとする上で多いのが好ましいが、電荷輸送能(電荷移動度)をより一層良好なものとするには少ないのが好ましいことから、両者のバランスをとって設定すればよい。通常、R〜R11の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
〜R11に相当する基のうち、アルキル基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル;シクロペンチル、シクロヘキシル、2,6−ジメチルシクロヘキシル等が挙げられる。アルケニル基には、例えばビニル、1−プロペニル、2−ジフェニル−1−エテニル、4−フェニル−1,3−ブタジエニル、アリル等が挙げられる。アルコキシ基には、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ等が挙げられる。アラルキル基には、例えばベンジル、フェネチル、2,6−ジメチルベンジル等が挙げられる。アリール基には、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニリル;トリル、キシリル、メシチル、クメニル、2−エチル−6−メチルフェニル等が挙げられる。
基R〜R11の置換数を示すm、n、o、p、q、r、s、tおよびuが2または3のとき、ベンゼン環の隣接する炭素原子に置換する2つのアルケニル基は、互いに結合して当該ベンゼン環と縮合環を形成してもよい。すなわち、例えば基RおよびRを有するベンゼン環について、アルケニル基であるRが隣接する炭素原子に2個置換している場合において、その基Rは互いに結合して、上記ベンゼン環とともにナフタレン環等の縮合環を形成してもよい。縮合環の具体例としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等が挙げられる。
(バインダ樹脂)
本発明の液体現像用電子写真感光体において、感光層を形成するためのバインダ樹脂には、従来公知の種々の樹脂を採用することができる。なかでも、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂をバインダ樹脂として使用するのが、前述の電子輸送剤、正孔輸送剤等との相溶性や、感光層の強度、耐磨耗性等の特性をより一層良好なものにするという観点から好ましい。上記例示のバインダ樹脂は、電荷輸送剤の電荷輸送能を妨害するような部位をその分子内に有しないものであることから、かかるバインダ樹脂を用いることによって、より一層高感度な電子写真感光体を得ることができる。
本発明の液体現像用電子写真感光体においては、前述のとおり、上記一般式(I)で表される繰り返し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位と、を有する共重合ポリカーボネート樹脂をバインダ樹脂として用いるのが、特に好ましい。
上記一般式(I)中のR22およびR23に相当するアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である。かかるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位と、一般式(II)で表される繰り返し単位と、を有する共重合ポリカーボネート樹脂において、両繰り返し単位の含有割合については特に限定されるものではないが、一般式(I)で表される繰り返し単位の重合度mと、一般式(II)で表される繰り返し単位の重合度nとは、式:
0.05<m/(m+n)<0.4
を満たすように設定するのが好ましい。
(分散媒)
上記例示の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダ樹脂等を分散・溶解させて感光層形成用の塗布液を調製するのに用いる分散媒としては、感光層形成用塗布液に従来用いられている種々の有機溶剤が使用可能である。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
なお、これに限定されるものではないが、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂等の各成分を安定して分散させる上で、各種の有機溶剤の中でも特に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびクロロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を用いるのが好ましい。
(他の成分)
感光層形成用の塗布液には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲であれば、上記各成分のほかにも従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
(導電性基体)
本発明の液体現像用電子写真感光体において、感光層が形成される導電性基体には、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体;上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス;カーボンブラック等の導電性微粒子を分散させた樹脂基体等が挙げられる。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
本発明に用いられる導電性基体は、その表面に酸化被膜処理または樹脂被膜処理を施したものであってもよい。
導電性基体に対する酸化被膜処理には、例えば、導電性基体としてアルミニウムやチタンを使用する場合に、当該導電性基体の表面に陽極酸化被膜(アノード酸化被膜)を形成する処理が挙げられる。
陽極酸化被膜は、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で陽極酸化処理することによって形成されるが、上記例示の酸性浴中でも特に、硫酸中で処理を行うのが好ましい。陽極酸化処理の方法、陽極酸化処理に先立って施される脱脂処理の方法等については特に限定されるものではなく、常法に従って行えばよい。
導電性基体に対する樹脂被膜処理には、例えば、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアセタール等を適当な溶媒に溶解して、これを導電性基体の表面に塗布する処理が挙げられる。
樹脂被膜処理に用いる樹脂材料としては、上記例示の樹脂のなかでも特に、ナイロン樹脂やレゾール型のフェノール樹脂を用いるのが好ましい。
(単層型電子写真感光体の製造方法)
単層型の電子写真感光体は、電荷発生剤と、電子輸送剤と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて正孔輸送剤や上記他の成分とを、適当な分散媒に分散または溶解させて、こうして得られた感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて感光層を形成することによって得られる。
上記感光層形成用塗布液において、電荷発生剤は、バインダ樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部の割合で配合すればよい。正孔輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して20〜150重量部、好ましくは30〜100重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合において、電子輸送剤と正孔輸送剤との総量は、バインダ樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好ましくは30〜200重量部とするのが適当である。
感光層形成用塗布液の塗布によって得られる感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μmとなるように設定するのが好ましい。
前記感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、不溶性アゾ顔料、バインダ樹脂等を、適当な溶剤とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等の公知の手段を用いて分散混合して、こうして調製された分散液を公知の手段により導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。
(積層型電子写真感光体の製造方法)
積層型の電子写真感光体の製造では、まず、電荷発生剤とバインダ樹脂と、さらに必要に応じて上記他の成分を、適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた電荷発生層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成する。次いで、電子輸送剤とバインダ樹脂と、さらに必要に応じて正孔輸送剤や上記他の成分とを、適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を上記の電荷発生層上に塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成する。こうして、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順序で積層してなる電子写真感光体が得られる。
なお、電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は上記と逆の順序であってもよいが、通常、電荷発生層の膜厚が薄く、その強度が十分ではないことから、上記のとおりの積層順序とするのが好ましい。
本発明において特に限定されるものではないが、導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲で下引き層(バリア層)を形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成してもよい。
(電子写真感光体の製造)
実施例1
上記式(CGM1)で表されるX型無金属フタロシアニン(電荷発生剤)4重量部と、下記式(HTM4−1)で表されるジスチルベン誘導体(正孔輸送剤)40重量部と、下記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体(電子輸送剤)50重量部と、ポリカーボネート(結着樹脂)100重量部と、ジメチルシリコーンオイル(レベリング剤)0.1重量部とを、テトラヒドロフラン(溶剤)650重量部とともにペイントシェーカーにて2時間混合分散、溶解させて、単層型感光層用の塗布液を作製した。
Figure 2005122127
Figure 2005122127
上記ポリカーボネートには、下記式(I−1)で表される繰り返し単位と、下記式(II−3−1)で表される繰り返し単位とを15:85の割合で含有する、粘度平均分子量が50,000の共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−1)を使用した。
Figure 2005122127
上記ジメチルシリコーンオイルには、信越化学工業(株)製の品番「KF−96−50CS」を使用した。
次いで、上記の単層型感光層用塗布液を、φ30mm、長さ254mmのアルミニウム素管(導電性基体)の表面にディップコート法によって塗布し、140℃で20分間熱風乾燥することにより、膜厚20μmの感光層を備える単層型感光体を得た。
実施例2
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM4−2):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例3
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM15−1):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例4
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM15−2):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例5
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM14−1):
Figure 2005122127
で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例6
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM15−3):
Figure 2005122127
で表される化合物を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例7
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM5−1):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例8
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM10−1):
Figure 2005122127
で表されるアゾキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
比較例1
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM4−3):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
比較例2
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM4−4):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
比較例3
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM14−2):
Figure 2005122127
で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
比較例4
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM5−2):
Figure 2005122127
で表されるナフトキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
比較例5
電荷輸送剤として、上記式(ETM4−1)で表されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ETM10−2):
Figure 2005122127
で表されるアゾキノン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
(電子写真感光体の物性評価)
(1)溶出試験
上記実施例1〜8および比較例1〜5で得られた単層型感光体の表面を、湿式現像剤用のパラフィン系溶媒(エクソンモービル化学社製のイソパラフィン,商品名「アイソパーG」)200gに、25℃で200時間浸した。パラフィン系溶媒への浸漬は、密閉系、暗所にて行い、200時間経過した後で、パラフィン系溶媒のUV吸光度を測定した。
一方、実施例・比較例で使用した電子輸送剤をそれぞれパラフィン系溶媒に溶解させ、電子輸送剤の濃度と、電子輸送剤のピーク波長でのUV吸光度とを測定することにより、電子輸送剤の濃度−吸光度の検量線を作製した。次いで、その検量線と、電子輸送剤の吸光度の実測値から、電子輸送剤の溶出量(1×10−7g/cm)を算出した。溶出量が少ないほど、電子写真感光体の耐溶媒性が高いといえる。
(2)感光体表面の評価
上記実施例1〜8および比較例1〜5で得られた単層型感光体について、上記(1)の溶出試験に供した後で、その表面の状態を目視で観察した。
感光体の表面にクラック、凹凸等が観察されなかった場合には良、微細なクラックや凹凸が観察されたものの、実用上問題のない程度であった場合には可、クラックや凹凸の発生が顕著であった場合には不良、で評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005122127
表1に示した実施例と比較例との結果の対比より明らかなように、電子輸送剤として少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基または2つ以上のアシル基を有するものを使用したときは、湿式現像剤におけるパラフィン系溶媒中への電荷輸送剤の溶出を抑制することができ、感光層の劣化を防止できることが分かった。
(電子写真感光体の製造)
実施例9
電荷発生剤として、上記式(CGM1)で表されるX型無金属フタロシアニンに代えて、上記式(CGM2)で表されるチタニルフタロシアニンを用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例10
電荷発生剤として、上記式(CGM1)で表されるX型無金属フタロシアニンに代えて、上記式(CGM3)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例11
電荷発生剤として、上記式(CGM1)で表されるX型無金属フタロシアニンに代えて、上記式(CGM4)で表されるクロロガリウムフタロシアニンを用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
実施例12
正孔輸送剤として、上記式(HTM4−1)で表されるジスチルベン誘導体に代えて、下記式(HTM3−1):
Figure 2005122127
で表されるジスチルベン誘導体を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
(電子写真感光体の物性評価)
上記実施例1〜8および比較例1〜5で得られた単層型感光体について、前述の「(1)溶出試験」と、「(2)感光体表面の評価」とを行った。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2005122127
表2より明らかなように、電子輸送剤として少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基または2つ以上のアシル基を有するものを使用したときは、電荷発生剤や正孔輸送剤の種類が異なる場合であっても、パラフィン系溶媒中への電荷輸送剤の溶出を抑制することができ、感光層の劣化を防止できることが分かった。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。

Claims (5)

  1. 導電性基体上に、電荷発生剤と電子輸送剤とを含むバインダ樹脂を用いてなる感光層を備え、かつ当該電子輸送剤が、その分子中に少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基および2つ以上のアシル基のいずれかを有するものである液体現像用電子写真感光体。
  2. 上記電子輸送剤がその分子中に少なくとも1つのニトロ基を有するものであり、かつ当該ニトロ基がベンゼン環に直接置換しているものである請求項1記載の液体現像用電子写真感光体。
  3. 上記バインダ樹脂がさらに正孔輸送剤を備えており、かつ上記感光層が単層型である請求項1または2記載の液体現像用電子写真感光体。
  4. 上記単層型感光層中での電子輸送剤の含有量が、当該感光層中での正孔輸送剤の含有量よりも多い請求項3記載の液体現像用電子写真感光体。
  5. 上記バインダ樹脂が、一般式(I):
    Figure 2005122127
    (一般式(I)中、R20およびR21は同一または異なってアルキル基を示す。αおよびβは同一または異なって0〜3の整数を示す。αおよびβが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。)
    で表される繰り返し単位と、一般式(II):
    Figure 2005122127
    (一般式(II)中、R22およびR23は同一または異なってアルキル基を示す。γおよびδは同一または異なって0〜3の整数を示す。γおよびδが2または3のとき、同一のベンゼン環に置換する複数の置換基は、互いに異なる基であってもよい。Xは式(II−1)、(II−2)および(II−3):
    Figure 2005122127
    で表される二価基のいずれかを示す。式(II−2)中、R24は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R25は炭素数1〜3のアルキル基を示す。式(II−3)中、R26は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R27は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    で表される繰り返し単位と、を有する共重合ポリカーボネート樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の液体現像用電子写真感光体。
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