JP2000026376A - ニトロ基含有ナフトキノン誘導体及びそれを用いた電子写真用感光体 - Google Patents

ニトロ基含有ナフトキノン誘導体及びそれを用いた電子写真用感光体

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JP2000026376A JP11109420A JP10942099A JP2000026376A JP 2000026376 A JP2000026376 A JP 2000026376A JP 11109420 A JP11109420 A JP 11109420A JP 10942099 A JP10942099 A JP 10942099A JP 2000026376 A JP2000026376 A JP 2000026376A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子輸送剤として有用な新規ニトロ基含有ナ
フトキノン誘導体を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 式中、Rはニトロ基を有する一価炭化水素基であり、環
Aは置換基で置換されていてもよい、で表されるニトロ
基含有ナフトキノン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニトロ基含有ナフ
トキノン誘導体、及びこのニトロ基含有ナフトキノン誘
導体を電子輸送剤として含有し、電子写真複写、プリン
ター、普通紙ファックス等に使用するための電子写真感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、電子写真感光体
を帯電し、画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜
像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像
し、形成されるトナー像を転写紙等に転写し、定着して
画像形成を行う。この電子写真法はデジタル式またはア
ナログ式の複写、プリンター或いは普通紙FAX等に広
く使用されている。
【0003】この電子写真法に用いる感光体として、従
来セレン感光体やアモルファスシリコン感光体が使用さ
れていたが、近年有機感光体(OPC)も広く使用され
るに至っている。有機感光体には、電荷発生剤(CG
M)と電荷輸送剤(CTM)を別々の層として積層した
機能分離型の積層感光体と、これらCGM及びCTMを
単一の分散層として設けた単層感光体とが代表的なもの
としてある。
【0004】電荷発生剤としては、各種の無機系または
有機系の電荷発生剤、例えばセレン、セレン−テルル、
アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジ
スアゾ系顔料、トリスアゾ顔料、アンサンスロン系顔
料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系
顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ピラント
ロン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料等が
知られており、電荷輸送剤としてもポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、フェナントレン、N−エチルカルバゾー
ル、2,5 −ジフェニル−1,3,4 −オキサジアゾール、2,
5 −ビス−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4 −
オキサジアゾール、ビス−ジエチルアミノフェニル−1,
3,6 −オキサジアゾール、4,4'−ビス(ジエチルアミ
ノ)−2,2'−ジメチルトリフエニルメタン、2,4,5 −ト
リアミノフェニルイミダゾール、2,5 −ビス(4−ジエ
チルアミノフェニル)−1,3,4 −トリアゾール、1−フ
ェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−
(4−ジエチルアミノフェニル)−2−ピラゾリン、p
−ジエチルアミノベンツアルデヒド−(ジフェニルヒド
ラゾン)、テトラ(m−メチルフェニル)メタフェニレ
ンジアミン、N,N,N',N' −テトラフェニルベンジジン誘
導体、N,N'−ジフエニル−N,N'−ジキシリルベンジジン
類などの正孔輸送剤、2−ニトロ−9−フルオレノン、
2,7 −ジニトロ−9−フルオレノン、2,4,7 −トリニト
ロ−9−フルオレノン、2,4,5,7 −テトラニトロ−9−
フルオレノン、2−ニトロベンゾチオフエン、2,4,8 −
トリニトロチオキサントン、ジニトロアントラセン、ジ
ニトロアクリジン、ジニトロアントラキノン、ナフトキ
ノン類、3,5−ジメチル−3’,5’−ジt−ブチル
ジフェノキノンなどの電子輸送剤等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電荷輸
送剤の内でも、実用的レベルに達している電子輸送剤は
非常に数が少なく、感度に優れているといわれる3,5
−ジメチル−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノン
においても、未だ感度において十分満足しうるものでは
ない。かくして、電子写真の分野においては、感度の増
大した電子輸送剤が求められている。
【0006】本発明者らは、感度の増大した電子輸送剤
について探求を重ねた結果、以下に詳細に説明するニト
ロ基含有ナフトキノン誘導体の合成に成功し、このニト
ロ基含有ナフトキノン誘導体は、感光体に含有させたと
き非常に高い感度を示すことを見い出した。
【0007】即ち、本発明の目的は、電子輸送剤として
有用なニトロ基含有ナフトキノン誘導体を提供するにあ
る。本発明の他の目的は、新規な電子輸送剤を含有し、
大きな光感度と低い残留電位とを有し、その結果として
高濃度でしかも地肌カブリのない鮮明な画像を長期にわ
たって安定に形成し得る電子写真有機感光体を提供する
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1)
【化2】 式中、Rはニトロ基を有する1価炭化水素基であり、環
Aは置換基で置換されていてもよい、で表されるニトロ
基含有ナフトキノン誘導体が提供される。本発明によれ
ばまた、上記ニトロ基含有ナフトキノン誘導体を含有す
ることを特徴とする電子写真用感光体が提供される。こ
の電子写真感光体においては、上記ニトロ基含有ナフト
キノン誘導体に加えて、電子受容体を更に含有すること
が好ましい。
【0009】
【発明の実施形態】[作用]本発明のニトロ基含有ナフ
トキノン誘導体は、上記式(1)で示されるとおり、
1,4−ナフトキノン骨格の2位にフェニル基、3位に
炭化水素カルボニル基を有しているが、3位のカルボニ
ル基に結合している一価炭化水素基がニトロ基を有して
いることが構造上の特徴である。
【0010】後述する実験例1を参照されたい。即ち、
実験例1においては、光感度の指標として、電荷発生剤
及び電子輸送剤を含有する感光体に対して一定光強度の
光線を一定時間照射した後の露光後電位を用いている
(小さいほど感度が高い)が、上記式(1)のニトロ基
含有ナフトキノン誘導体(実施例1乃至9)は、電子輸
送剤として最も高感度であるといわれている3,5−ジ
メチル−3’,5’−ジt−ブチル−4,4’−ジフェ
ノキノンに比して(比較例10,11,13,14,1
6)、かなり低い露光後電位を示し、光感度に優れてい
ることを示している。また、ニトロ基を含有しない以外
は同様の化学構造の化合物に比しても(比較例1乃至
5)、露光後電位が低下しており、光感度に優れている
ことが了解される。
【0011】また、上記比較例1で使用されているニト
ロ基を含有していない化合物は、電子受容体との組み合
わせで使用された場合、感度特性がかなり向上し、かな
り低い露光後電位を示す(比較例6乃至9)。しかしな
がら、この様な化合物と電子受容体とを含む電子写真感
光体は、後述する実験例2で示されている様に、繰り返
し特性が低く、500回程度の帯電−除電プロセスを繰
り返すと、帯電電位が著しく低下してしまう。これに対
して、本発明のニトロ基含有ナフトキノン誘導体を含有
する電子写真感光体は、繰り返し特性も極めて良好であ
り、500回程度の帯電−除電プロセスを繰り返して
も、初期と同様の帯電電位を確保することができ、長期
にわたって良好な画像を形成することができる。
【0012】また、本発明の感光体においては、光露出
後の残留電位を低くできるので、コントラストの高い電
荷像の形成が可能となるばかりではなく、地肌かぶりが
少ない画像を、電荷蓄積による不利益なしに、長期にわ
たって安定に形成できるという利点をも与えるものであ
る。
【0013】[ニトロ基含有ナフトキノン誘導体]本発
明に用いるニトロ基含有ナフトキノン誘導体は、下記式
(2)〔前記式(1)と実質的に同じ)
【化3】 で表される化学構造を有するものである。
【0014】このナフトキノン誘導体では、ナフタレン
環の1,4位の位置にキノイド炭素原子を有し、その隣
接炭素原子である2位にフェニル基、3位にカルボニル
基を介してニトロ基含有1価炭化水素基が結合されてい
るという化学構造上の特徴を有する。この構造上の特徴
により、このナフトキノン誘導体では、共役関係にある
π電子が多数存在し、これが光の吸収効率の増大及び電
子輸送性の増大に役立っていると信じられる。
【0015】上記の基Rは、一部の水素原子がニトロ基
で置換されている一価炭化水素基であるが、ニトロ基で
置換されるべき一価炭化水素基としては、炭素数1乃至
10のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキ
シル基、炭素数2乃至10のアルケニル基、例えばビニ
ル基、アリル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、
例えばシクロヘキシル基、シクロペンチル基、炭素数5
乃至6のシクロアルケニル基、例えばシクロヘキセニル
基、炭素数6乃至10のアリール基、例えばフェニル
基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチ
ル基、炭素数7乃至9のアラールキル基、例えばベンジ
ル基、フェネチル基、クミル基等が挙げられる。これら
の炭化水素基の内でも、アリール基、特にフェニル基が
好適である。
【0016】上記一価炭化水素基の一部の水素原子はニ
トロ基で置換されていることが必須不可欠である。ニト
ロ基の数は少なくとも1個であり、3個までは許容され
るが、多くの場合1個で十分である。炭化水素基がフェ
ニル基である場合、p位にニトロ基が結合しているのが
一般的で好適であるが、オルト位に結合していても差し
支えない。
【0017】2位に存在するフェニル基(A)は、未置
換でも、或いは置換基で置換されていてもよく、置換基
の適当な例としては、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ハロゲン原子が挙げられる。これらの置換基の数
は、2以下、特に1以下であることが好ましい。
【0018】ニトロ基含有ナフトキノン誘導体の具体的
な例としては、次のものが例示される。2−フェニル−
3−(p−ニトロベンゾイル)−1,4−ナフトキノ
ン、2−フェニル−3−(β−ニトロプロピオニル)−
1,4−ナフトキノン、2−(p−トルイル)−3−
(p−ニトロベンゾイル)−1,4−ナフトキノン、2
−フェニル−3−(o,p−ジニトロベンゾイル)−
1,4−ナフトキノン。勿論、本発明に用いるジナフト
キノンは上に例示したものに限定されない。これらの内
でも、2−フェニル−3−(p−ニトロベンゾイル)−
1,4−ナフトキノンが好適なものである。
【0019】上記ナフトキノン誘導体は、下記式(3)
【化4】 で示される1,3−ジケト−2−フェニルヒドロインデ
ンと、下記式(4)
【化5】 で示されるブロマイドとを水素化ナトリウムの存在下に
反応させて、下記式(5)
【化6】 で示される1,3−ジケト−2−フェニル−2−ニトロ
置換炭化水素カルボニルメチルヒドロインデンを合成
し、これを水素化ナトリウムの存在下に、下記式(6)
【化7】 で示される2−フェニル−3−ニトロ置換炭化水素カル
ボニル−1,4−ジナフトールに転位させ、次いでクロ
ルアニル等により、酸化して前記式(1)
【化8】 の化合物とすることにより製造される。
【0020】[電子写真感光体]本発明の電子写真感光
体は、上記ナフトキノン誘導体を電子輸送剤として含有
する限り、任意の感光体であってよく、例えば電子輸送
剤(ETM)と電荷発生剤(CGM)とを単一感光層中
に含む単一分散型感光体であってもよく、また電荷発生
層(CGL)と電荷輸送層(CTL)とを含む積層型感
光体であってもよい。以下、感光体の組成について説明
する。
【0021】(1)電荷発生剤 電荷発生剤としては、例えば、セレン、セレン−テル
ル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔
料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔料、トルイ
ジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系顔料、キナ
クリドン系顔料等が例示され、所望の領域に吸収波長域
を有するよう、一種または二種以上混合して用いられ
る。
【0022】特に好適なものとして、次のフタロシアニ
ン顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料等が例示され
る。フタロシアニン系顔料、例えば、メタルフリーフタ
ロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、バナジウム
フタロシアニン、カドミウムフタロシアニン、アンチモ
ンフタロシアニン、クロムフタロシアニン、銅4−フタ
ロシアニン、ゲルマニウムフタロシアニン、鉄フタロシ
アニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、オキソチ
タニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニ
ン、クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタ
ロシアニン、ジアルキルフタロシアニン、テトラメチル
フタロシアニン、テトラフェニルフタロシアニン等。ま
た、結晶形も、α型、β型、γ型、δ型、ε型、σ型、
x型、τ型等のものが何れも使用可能である。
【0023】ペリレン系顔料、特に一般式(7)、
【化9】 式中、R及びRの各々は、炭素数18以下の置換ま
たは未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルカリール基、またはアラールキル基である。で
表されるもの。アルキル基としては、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げ
られ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等
が挙げられ、アルカリール基としては、トリル基、キシ
リル基、エチルフェニル基等が挙げられ、アラールキル
基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ
る。置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子等が
ある。
【0024】ビスアゾ顔料、特に下記式(8)
【化10】 式中、Yは複素環基を含んでいてもよい2価の芳香族性
の基であり、Cpはカップラー残基である、で表わされ
るビスアゾ顔料。2価の芳香族性の基としては、ベンゼ
ン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリ
セン、アントラキノン、ビフェノール、ビスフェノール
類、或いは複素環或いは更にこれらの組み合わせから誘
導される2価の基が挙げられる。複素環基としては、窒
素、酸素、硫黄或いはこれらの組み合わせを環中に含有
する単環或いは多環の飽和乃至不飽和の複素環が挙げら
れ、具体的には、ピロール、ピラゾール、チオフェン、
フラン、イミダゾリン、ピリミジン、ピラゾリン、ピラ
ン、ピリジン、ピリミジン、ベンゾフラン、ベンゾイミ
ダゾリン、ベンゾオキサゾール、インドリン、キノリ
ン、クロメン、カルバゾール、ジベンゾフラン、キサン
テン、チオキサンテン等が挙げられる。これら2価の基
は、未置換でも或いは置換されていてもよく、置換基と
しては、アルキル基、アリール基或いは複素環基が挙げ
られる。ここで、アルキル基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、アミル基等が挙げられ、アリー
ル基としてはフェニル、ナフチル、ビフェニル、アント
リル、フェナントリル、フルオレニル基等が挙げられ、
置換複素環基としては、窒素、酸素、硫黄或いはこれら
の組み合わせを環中に含有する単環或いは多環の飽和乃
至不飽和の複素環基、例えばチエニル基、フリル基、イ
ミダゾリル基、ピロリル基、ピリミジニル基、イミダゾ
ール基、ピラジニル基、ピラゾリニル基、ピロリジニル
基、ピラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モル
ホリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリジニル
基、ピロリニル基、ベンゾフリル基、ベンゾイミダゾリ
ル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、キノリル基、
カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基等が挙げられる。
一方、式(8)におけるカプラー残基としては、この種
のアゾ顔料に使用されるカプラー(アゾカップリング成
分)の残基であれば任意のもの、例えば置換或いは未置
換のフェノール類、ナフトール類、或いは水酸基含有複
素環環化合物等であってよく、ここで置換基としては、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、アシ
ルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、ヒドロキシル
基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アシ
ルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0025】(2)電荷輸送剤 本発明で用いる電荷輸送剤は、前述したニトロ基含有ナ
フトキノン誘導体を電子輸送剤として含有するが、この
ニトロ基含有ナフトキノン誘導体は、単独で電荷輸送剤
として使用しうると共に、正孔輸送剤や電子受容体を組
み合わせて使用することができ、この組み合わせ使用に
より、光感度を一層向上させることができる。
【0026】正孔輸送性物質としては、例えば次のもの
が知られており、これらの内から、溶解性や、正孔輸送
性に優れているものが使用される。 ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イソプロピルカ
ルバゾール、N−メチル−N−フエニルヒドラジノ−3
−メチリデン−9−カルバゾール、N,N−ジフエニル
ヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾー
ル、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデン−
10−エチルフエノチアジン、N,N−ジフエニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−10−エチルフエノキサジ
ン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジ
フエニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−α−ナフチル−N−フエニルヒドラゾン、p−ピ
ロリジノベンズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラ
ゾン、1,3,3−トリメチルインドレニン−ω−アル
デヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、p−ジエチル
ベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2
−ヒドラゾン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフエ
ニル)−1,3,4−オキサジゾール、1−フエニル−
3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエ
チルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[キノニル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1
−[6−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフエ
ニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(3)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフエニル)ピラゾリン、1−[レピジル(3)]−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−
メチル−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−[ピリジル(2)]−3−(α−メチル−p−
ジエチルアミノスチリル)−3−(p−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−フエニル−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチ
ルアミノフエニル)ピラゾリン、スピロピラゾリン、2
−(p−ジエチルアミノスチリル)−3−ジエチルアミ
ノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフエ
ニル)−4−(p−ジメチルアミノフエニル)−5−
(2−クロロフエニル)オキサゾール、2−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンゾチア
ゾール、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフエニ
ル)フエニルメタン、1,1−ビス(4−N,N−ジエ
チルアミノ−2−メチルフエニル)ヘプタン、1,1,
2,2−テトラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2
−メチルフエニル)エタン、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(メチルフエニル)ベンジベン、N,N
´−ジフエニル−N,N´−ビス(エチルフエニル)ベ
ンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビス(プ
ロピルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(ブチルフエニル)ベンジジン、N,N
´−ビス(イソプロピルフエニル)ベンジジン、N,N
´−ジフエニル−N,N´−ビス(第2級ブチルフエニ
ル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(第3級ブチルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジ
フエニル−N,N´−ビス(2,4−ジメチルフエニ
ル)ベンジベン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(クロロフエニル)ベンジジン、トリフエニルアミ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアリクジン、
ポリ−9−ビニルフエニルアントラセン、ピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒ
ド樹脂等。
【0027】正孔輸送剤の好適なものとして、下記式
(9)
【化11】 式中、Ar、Ar、Ar及びArの各々は置換
或いは未置換のアリール基であり、Yは置換或いは未置
換のアリーレン基であり、nはゼロまたは1の数であ
る、で表される芳香族アミン類が挙げられる。
【0028】更に、正孔輸送剤の他の好適なものとし
て、ヒドラゾン類、特に下記式(10)
【化12】 式中、Ar 、Ar及びArの各々は置換或いは
未置換のアリール基である、で表されるヒドラゾン類を
挙げることができる。
【0029】一方、本発明のニトロ基含有ナフトキノン
誘導体(電子輸送剤)と組み合わせて用いる電子受容体
としては、従来電子輸送剤として使用されていたものが
何れも使用できるが、特に下記式(11)
【化13】 式中、縮合環Aは省略されていることができ、基R
びRの各々は、水素原子、アルキル基、或いはアシロ
キシ基である、で表されるベンゾキノン乃至ナフトキノ
ン類、特にp−ベンゾキノン、2,6−t−ブチルベン
ゾキノン、1,4−ナフトキノン、2−tブチル−3−
ベンゾイル−1,4−ナフトキノン、2−フェニル−3
−ベンゾイル−1,4−ナフトキノンや、下記式(1
2)
【化14】 式中、R 、R 、R 及びR の各々は、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシ
基であり、これらは互いに同一でも、異なっていてもよ
い、で表されるジフェノキノン類、特に3,5−ジメチ
ル−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノン、3,5
−ジメトキシ−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノ
ン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジt−ブチルジフ
ェノキノン、3,5’−ジメチル−3’,5−ジt−ブ
チルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラメチ
ルジフェノキノン、2,6,2’, 6’−テトラt−
ブチルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラフ
ェニルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラシ
クロヘキシルジフェノキノン等が使用される。
【0030】(3)結着樹脂 電荷発生剤や電荷輸送剤を分散させる樹脂媒質として
は、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチレン系重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイ
オノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキ
ッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジ
アリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノ
ール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型樹脂
等、各種の重合体が例示できる。これらの結着樹脂は、
一種または二種以上混合して用いることもできる。好適
な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチ
レン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹脂、アルキ
ッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等であ
る。
【0031】特に好適な樹脂は、ポリカーボネート、帝
人化成社製パンライト、三菱瓦斯化学社製PCZ等であ
り、下記一般式(13)、
【化15】 式中、R及びR10は水素原子または低級アルキル基
であって、R及びR10は連結して、結合炭素原子と
共に、シクロヘキサン環のごときシクロ環を形成してい
てもよい、で表されるビスフェノール類とホスゲンとか
ら誘導されるポリカーボネートである。
【0032】[単層感光体]単層型の感光体において
は、結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤は0.1
〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で
配合され、電子輸送剤は5〜100重量部、好ましくは
10〜80重量部の割合で配合される。また、正孔輸送
剤は5〜500重量部、好ましくは25〜200重量部
の割合で配合する。さらに、正孔輸送剤と電子輸送剤と
の総量は、結着樹脂100重量部に対して20〜500
重量部、好ましくは30〜200重量部であるのが適当
である。単層型の感光層に電子受容性化合物を含有させ
る場合は、電子受容性化合物を結着樹脂100重量部に
対して0.1〜40重量部、好ましくは0.5〜20重
量部で配合するのが適当である。
【0033】単層感光体の場合、感光層の厚みは、一般
に5乃至100μm、特に10乃至50μmの厚みに設
けることが、電子写真学的特性の点で好ましい。
【0034】[積層感光体]積層型感光体の場合、前記
電荷発生剤(CGM)は電荷発生層(CGL)中のの樹
脂固形分100重量部当たり5乃至1000重量部、特
に30乃至500重量部の量で含有されるのがよく、一
方、前記ジナフトキノン型電子輸送剤は電荷輸送層(C
TL)の樹脂固形分100重量部当たり0.5乃至50
重量部、特に1乃至40重量部の量で含有されるのがよ
い。
【0035】基板/CGL/CTL感光体の場合、CG
Lは、一般に0.01乃至5μm、特に0.1乃至3μ
mの範囲にあるのがよく、CTLは2乃至100μm、
特に5乃至50μmの範囲にあるのがよい。
【0036】[感光体の作成]本発明に用いる感光体形
成用組成物には、電子写真学的特性に悪影響を及ぼさな
い範囲で、それ自体公知の種々の配合剤例えば、酸化防
止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、UV吸収
剤、軟化剤、表面改質剤、消泡剤、増量剤、増粘剤、分
散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合さ
せることができる。
【0037】また、感光層の少なくとも上層に全固形分
当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール系
酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響を
与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させるこ
とができる。
【0038】感光層を設ける導電性基板としては、導電
性を有する種々の材料が使用でき、例えば、アルミニウ
ム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、
クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウム、
ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着ま
たはラミネートされたプラスック材料、ヨウ化アルミニ
ウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラス等
が例示される。本発明の感光体では、通常のアルミニウ
ム素管、特に膜厚が1乃至50μmとなるようにアルマ
イト処理を施した素管を好適に用い得る。
【0039】感光体を形成させるには、電荷発生剤、電
子輸送剤及び結着樹脂の組み合わせ、電荷発生剤と結着
樹脂との組み合わせ、或いは電子輸送剤と結着樹脂等の
組み合わせを、従来公知の方法、例えば、ロールミル、
ボールミル、アトライタ、ペイントシェイカーあるいは
超音波分散器等を用いて塗布用組成物を調製し、従来公
知の塗布手段により塗布し、必要により積層し、乾燥す
ればよい。
【0040】塗布液を形成するのに使用する溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示さ
れ、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の
固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
【0041】本発明の電子写真感光体を用いる画像形成
法は、特に限定されず、一般に感光体を一様に帯電した
後、画像露光して静電潜像を形成させ、次いで非磁性1
成分系トナー、磁性1成分系トナー、磁性二成分系現像
剤、非磁性二成分系現像剤等を用いて現像を行い、次い
で転写紙に転写し、定着して画像形成を行う。
【0042】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0043】[合成例] 2−フェニル−3−(p−ニトロベンゾイル)−1,4
−ナフトキノン(以下電子輸送剤(i)と呼ぶ)の合成
法 1,3−ジケト−2−フェニルヒドロインデン 10g
(0.045mol)、NaH 1.3g(0.054
mol)を氷冷、アルゴン置換した2口フラスコに入
れ、THF100mlをゆっくり滴下した。水素発生が
おさまるまでしばらく撹拌した後、p−ニトロベンゾイ
ルメタンブロマイド 12.1g(0.05mol)を
加え、4時間環流した。反応終了後、HCl水を加え、
クロロホルムで抽出し、油層を硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、溶媒を減圧留去し、粗製の1,3−ジケト−2−
フェニル−2−(p−ニトロベンゾイルメチル)ヒドロ
インデンを得た。粗製の1,3−ジケト−2−フェニル
−2−(p−ニトロベンゾイルメチル)ヒドロインデ
ン、NaH 1.3g(0.054mol)を、氷冷、
アルゴン置換した2口フラスコに入れ、THF100m
lをゆっくり滴下し6時間環流した。反応終了後、HC
l水を加え、クロロホルムで抽出し、油層を硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。そこへ、クロラニル13g(0.05
mol)を加え、室温にて12時間撹拌した。反応終了
後、過剰のクロラニルをろ別し、溶媒を減圧留去した
後、カラムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精
製し、さらに、クロロホルム/エタノールにて再結晶を
行い、2−フェニル−3−(p−ニトロベンゾイル)−
1,4−ナフトキノンの黄色固体9.13gを得た。
(収率:53%) 2−フェニル−3−(p−ニトロベンゾイル)−1,4
−ナフトキノンの物性 ・融点161〜163℃ ・赤外線吸収スペクトルチャート(図1)
【0044】実験例1(実施例1乃至9及び比較例1乃
至16) 1.感光体作製 (単層感光体)電荷発生剤として表1に示す顔料を5重
量部、正孔輸送剤として表1に示す化合物を50重量
部、電子輸送剤として表1に示す化合物を30重量部、
結着剤としてポリカーボネートを100重量部および溶
媒として800重量部のテトラヒドロフランをボールミ
ルで50時間混合分散して単層型感光層用塗布液を調整
し、この調整液をアルミニウム素管上に塗布した後、1
00℃で60分間熱風乾燥することにより膜厚15〜2
0μmの単層型電子写真用感光体を作製した。
【0045】(積層感光体)電荷発生剤を100重量
部、結着樹脂(ポリビニルブチラール)100重量部お
よび溶剤(テトラヒドロフラン)2000重量部をボー
ルミルで50時間混合分散し、電荷発生層用塗布液を調
整した。次いで、この塗布液をアルミニウム素管上に塗
布し、100℃で60分間熱風乾燥して膜厚1μmの電
荷発生層を作製した。一方、電子輸送剤100重量部、
ポリカーボネート100重量部及び溶剤(トルエン)8
00重量部をボールミルで50時間混合分散し、電荷輸
送層用塗布液を作製した。次いで、この塗布液を上記電
荷発生層上に塗布し、100℃で60分間熱風乾燥して
膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、積層型感光体を作
製した。
【0046】2.光感度評価 (1)フタロシアニン系顔料を電荷発生剤として用いた
場合 ドラム感度試験機を用いて、各実施例および比較例で得
られた感光体に印加電圧を加えて、+700Vに帯電さ
せ、バンドバスフィルターにより780nm(半値幅2
0nm)に単色化した光を感光体表面に所定の時間照射
し、その時の電位減衰を観測することにより電子写真特
性を測定した。 光源 :ハロゲンランプ 光強度 :16μW/cm (780nm) 光照射時間 :80msec 露光後電位計測:露光開始後330msec後 その結果を表1に示した。なお、表中Vr(V )は露光
開始後330msec後の感光体の表面電位を示す。
【0047】(2)ペリレン系顔料を電荷発生剤として
用いた場合 ドラム感度試験機を用いて、各実施例および比較例で得
られた感光体に印加電圧を加えて、+700Vに帯電さ
せ、ハロゲンランプの白色光を感光体表面に所定の時間
照射し、その時の電位減衰を観測することにより電子写
真特性を測定した。 光源 :ハロゲンランプ 光強度 :147μW/cm 光照射時間 :50msec 露光後電位計測:露光開始後330msec後 その結果を表1に示した。なお、表中Vr(V )は露光
開始後330msec後の感光体の表面電位を示す。
【0048】
【表1】 PcH:メタルフリーフタロシアニン PcTiO:オキソチタニルフタロシアニン a:p−ベンゾキノン b:2,6−ジ−t−ブチルベンゾキノン c:3,5-ジメチル-3´,5´-ジ-t-ブチル-4,4´-ジ
フェノキノン d:3,3´,5,5´-テトラ-t-ブチル-4,4´-ジフェノキ
ノン
【0049】電子輸送剤(i):下記式(14)
【化16】 で示される2−フェニル−3−(p−ニトロベンゾイ
ル)−1,4−ナフトキノン(合成例で合成したもの)
【0050】電子輸送剤(ii):下記式(15)
【化17】 で示される2−フェニル−3−ベンゾイル−1,4−ナ
フトキノン
【0051】実験例2 実施例6〜9及び比較例6〜9で作成された感光体につ
いて、繰り返し特性の評価を以下の方法で行った。ドラ
ム感度試験機を用いて、サンプルの感光体に印加電圧を
加えて+700V(Vo)に帯電させ、2秒後に除電を行
った。この帯電除電プロセスを500回繰り返した後、
初期と同じ電圧を印加し、その時の帯電電位(Vo')を
測定し、帯電電位の変化量ΔV(Vo'−Vo)を求めた。
その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、2位にフェニル基及び
3位にニトロ基置換炭化水素カルボニル基を有する1,
4−ナフトキノンを電子輸送剤として感光体中に含有さ
せることにより、大きな光感度と低い残留電位とを有
し、その結果として高濃度でしかも地肌カブリのない鮮
明な画像を長期にわたって安定に形成し得る電子写真有
機感光体を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた2−フェニル−3−
(p−ニトロベンゾイル)−1,4−ナフトキノンの赤
外線吸収スペクトルである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 式中、Rはニトロ基を有する1価炭化水素基であり、 環Aは置換基で置換されていてもよい、で表されるニト
    ロ基含有ナフトキノン誘導体。
  2. 【請求項2】 前記Rが、炭素数1乃至10のアルキル
    基、炭素数2乃至10のアルケニル基、炭素数3乃至6
    のシクロアルキル基、炭素数5乃至6のシクロアルケニ
    ル基、炭素数6乃至10のアリール基及び炭素数7乃至
    9のアラールキル基から成る群より選択された一価炭化
    水素基の1乃至3個の水素原子をニトロ基で置換した基
    である請求項1に記載のニトロ基含有ナフトキノン誘導
    体。
  3. 【請求項3】 前記Rが、p−ニトロフェニル基である
    請求項2に記載のニトロ基含有ナフトキノン誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のニトロ基含有ナフトキノ
    ン誘導体を含有することを特徴とする電子写真用感光
    体。
  5. 【請求項5】 電子受容体を更に含有する請求項4記載
    の電子写真用感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005122127A (ja) * 2003-09-26 2005-05-12 Kyocera Mita Corp 液体現像用電子写真感光体
JP2009104111A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置
JP2011186065A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び硬化膜

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