JP2005121613A - 膜構造解析方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒子・空孔の絶対量が少ないときであっても、高精度で粒子・空孔サイズ分布を解析し、かつ表面界面形状を評価する膜構造解析方法とその装置を提供すること。
【解決手段】 単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、膜試料表面に対する入射角度と出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィッティングを行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この出願の発明は、膜構造解析方法およびその装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、単層膜あるいは多層膜における界面粗さおよび空孔分布について解析を行う膜構造解析方法およびその装置に関するものである。
薄膜試料の表面・界面の構造解析方法として、電子顕微鏡などのマイクロスコープ技術が一般に用いられており、これらにより実空間観測という点で多くの情報を得ることができる。しかしながら、観測領域の制限や試料へのダメージ、また、埋もれた膜中における界面構造解析の困難などの問題点を抱えていることも事実である。
一方で、非破壊での膜構造解析方法としてX線反射率測定やX線散漫散乱測定が用いられている。
これまで、ポーラス膜等の密度不均一試料内の粒径分布についてX線反射率測定を応用して解析する方法が、この出願の発明の発明者らにより提案されている(特許文献1参照)。この解析方法は、X線の散漫散乱強度を測定し、その測定値に基づいて粒径分布を解析するものである。
X線を薄膜表面すれすれに入射すると、入射X線は反射および透過する。このとき、すれすれの入射角度が薄膜の全反射臨界角度近傍であれば、屈折の影響により(透過)X線は薄膜内部にほとんど進入できず、エバネッセント波として表面から数nmの領域内において、薄膜表面へ移行方向に進行する。このように、X線入射角度が、全反射臨界角度に近いすれすれの入射条件であるとき、薄膜の表面構造解析が可能となる。
薄膜の表面界面は、試料表面法線方向におよそ数nmのオーダーの電子密度揺らぎ(ラフネス)を持つ。そのため、上記の通り、試料表面にすれすれにX線を入射することにより、試料の表面界面の形状に対応したX線プロファイルを観測し、さらに、そのプロファイルを解析することで表面・界面形状を評価することを実現する密度不均一試料解析方法ならびにその装置およびシステムが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−349849号公報 特開2003−14663号公報
これまでこの出願の発明者らによって提案されてきたX線を用いた密度不均一試料の解析方法は、優れた解析能力を実現するものであるが、試料の界面の形状と空孔サイズの同時解析が不可能であり、また、解析対象が単層膜である場合を想定された技術であることから、多層膜からなる試料に対しては適用することが困難であった。また、薄膜中の粒子・空孔の絶対量が少なくなると(単位体積あたりの粒子・空孔数や密度が小さくなると)、粒子・空孔等の散乱に対して、相対的に表面・界面粗さの散乱が顕著になる。表面・界面粗さによる散乱は、その電子密度が界面にのみ存在し、膜厚には依存しないからであるという問題がある。
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、試料の界面の形状と空孔サイズの同時解析を実現し、また、多層からなる試料に対しても適用可能であり、X線入射角度が全反射臨界角度より大きくなったときに粒子・空孔散乱が急激に大きくなる点、X線入射角度が0°から全反射臨界角度にかけて表面・界面散乱が顕著に観測される点という2つの特徴を用いることにより、粒子・空孔の絶対量が少ないときであっても、高精度で粒子・空孔サイズ分布を解析し、かつ表面界面形状を評価する膜構造解析方法とその装置を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1に、〔請求項1〕
単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、膜試料表面に対する入射角度と出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析方法を提供する。
また、この出願の発明は、第2に、〔請求項2〕
単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定の内の少なくとも2つの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析方法を提供する。
この出願の発明における第3の態様として、上記の膜構造解析方法は、オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対し、膜試料表面の界面粗さおよび膜試料内部の空孔サイズに関するパラメータを変化させて行うシミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線をフィッティングして実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定することを特徴とする。
そして、この出願の発明は、第4に、単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、膜試料表面に対する入射角度と出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析装置を、また、第5に、単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定の内の少なくとも2つの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析装置を提供する。
上記の膜構造解析装置においては、この出願の発明の第6の態様として、オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対し、膜試料表面の界面粗さおよび膜試料内部の空孔サイズに関するパラメータを変化させて行うシミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線をフィッティングして実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定することを特徴とするものである。
この出願の発明の膜構造解析方法およびその装置により、試料の界面の形状と空孔サイズの同時解析が実現され、また、多層からなる試料に対しても適用可能となる。
以下に、この出願の発明である膜構造解析方法およびその装置による発明の効果を、具体的に示す。
1) 従来は、オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対するフィッティングにより膜構造解析が行われていたが、薄膜試料表面に対する入射角度と出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィティングを行ったり、従来のスキャン測定を応用したオフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、およびディテクタースキャン測定の内の少なくとも2つの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィティングを行うことにより薄膜試料の物性を示すパラメータの最適値を求めることができる。この出願の発明である膜構造解析方法およびその装置においては、ロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線を、オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線と併せて解析を行うことにより、界面の形状と薄膜中の空孔サイズ分布解析を行うことが可能となる。
2) この出願の発明である膜構造解析方法においては、多層膜中の空孔サイズ分布の評価を行うことが可能となる.
3) ロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線において、入射角度及び反射角度が全反射臨界角度より小さい領域においては、最表面界面からの散乱のみのシグナルが含まれており、複数種類のロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対し、これらの角度領域を解析することにより最表面界面の形状を評価することが可能となる。
4) 界面散乱は、空孔散乱とは異なり、各界面間で生じる散乱が干渉し、膜厚に相当する振動が観測される。これらの振幅および干渉散乱の傾斜から表面以外の界面形状を評価することが可能となる。
5) 特に、界面散乱と空孔散乱とではロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に大きな違いが見られる。界面散乱においては、界面面内方向の電子密度揺らぎ相関距離および界面の形状に対応して鏡面反射の周りに強く散乱が観測される。一方、空孔散乱においては、鏡面反射近傍においてもほぼ一定の散乱強度が観測される。これらの違いを利用することにより空孔散乱と界面散乱の比率を推定することが可能となり、両散乱を同時に解析することが可能となる。これは、界面散乱が、面内と表面直行方向で形状に異方性があることに起因する。空孔散乱は、膜中にランダムに存在しているために、このような異方性はほとんど見られない。
6) ロッキングスキャン測定において、空孔散乱は散乱体(空孔)が薄膜中に存在しているためX線が膜中に侵入できる条件、すなわち、全反射臨界角度を越える条件における観測が可能である。言い換えるならば、X線入射角度がポーラス膜の全反射臨界角度を越えると、急激に散乱が観測されることとなる。一方、表面界面ラフネスは、散乱体(ラフネス)が界面にあるため、界面散乱は界面における屈折X線の強度に依存し、X線入射角度およびX線反射角度が全反射臨界角度より小さい場合であっても測定される(Yoneda−Wing)。また、屈折X線(Yoneda−Wing)の入射角度依存性は連続的であり、急激に増加するものではない。つまり、ロッキングスキャン測定において、ポーラス膜の全反射臨界角度において散乱強度が急増しているか否か、または、散乱強度の増加量に着目することにより、界面散乱と空孔散乱とを区別することが可能となる。
この出願の発明である膜構造解析方法においては、膜試料の表面に対し臨界角近傍の角度からのX線を入射することにより得られる実測X線散乱強度曲線に対し、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させて行うシミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線をフィッティングして実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する。この出願の発明である膜構造解析方法においては、膜試料は単層膜または多層膜のどちらであってもよい。
この出願の発明である膜構造解析方法においては、膜試料表面に対するX線入射角度とX線出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィッティングを行う。すなわち、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定においては、膜試料表面に対するX線入射角度とX線出射角度とが特定の相関関係を有しているが、この出願の発明である膜構造解析方法においては、このようなX線入射角度とX線出射角度とが相関関係を有するスキャン測定を行わず、別個に任意に定められたX線入射角度とX線出射角度との組を複数設定し、それらの組について測定を行うことにより得られたX線強度に対してフィッティングを実施し、膜構造の解析を行うものである。
ディテクタースキャンは、薄膜試料表面に対するX線の入射角度を一定にし(試料回転軸θを固定)、検出器の回転軸20をスキャンする方法で、X線入射角度を複数変化させたディテクタースキャンにより、すべての入射角度、出射角度のX線強度を測定することができる。
従来のスキャン測定を応用した本発明の膜構造解析方法としては、以下に示す4種類が知られている。
1)オフセットスキャン測定およびロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行い、併せて解析を行う方法
2)ロッキングスキャン測定およびディテクタースキャン測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行い、併せて解析を行う方法
3)オフセットスキャン測定およびディテクタースキャン測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行い、併せて解析を行う方法
4)オフセットスキャン測定とロッキングスキャン測定とディテクタースキャン測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行い併せて解析を行う方法
この出願の発明である膜構造解析方法においては、以上に示したX線入射角度とX線出射角度とが相関関係を持つスキャン方法を用いて測定した複数のX線強度のみによりフィッティングを行い、膜構造の解析をするのではなく、薄膜試料表面に対するX線入射角度とX線出射角度とを、全く別個に、かつ任意に決定し、複数のX線入射角度およびX線出射角度の組により測定された複数のX線強度を用いてフィッティングを行い、膜構造の解析を実施する。
もちろん、実測X線散乱強度曲線を取得する際には、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定の内の少なくとも2つの測定が行われ、それぞれの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングが行ってもよい。
具体的な、フィッティングの手順としては、例えば、最小二乗法による解析が用いられ、X線反射率を求めている因子をパラメータ(変数)として、パラメータの値を少しずつ変化させながら反射率を計算して、実際の反射率データとの残差二乗和を最小にすることにより、測定データに最もフィッティングするような1組のパラメータを決定する。
最小二乗法による解析では、フィッティングの順番や方法、あるいは初期値の適正や不適正などによって、単純に残差二乗和を最小にすることが困難であり、発散してしまいフィッティングができないことが少なくない。通常の解析では、X線反射率の測定データへのシミュレーション演算データのフィッティングは以下の順番で実行することにより、解が収束することが知られている。
1) 基板を含む薄膜の層構造のモデルを作成する。
2) 測定データとシミュレーション演算データに対して、臨界角より低角度での最大強度を一致させる。
3) 測定データの強度とモデルのバックグランドの強度を一致させる。
4) モデルのパラメータの中で固定するものを決定する。多くの場合は、基板ガラスは既知であるので、その密度を固定する。また、膜厚と密度などのその他のパラメータで既知のものがあれば定数化しておく。
5) 目視のレベルで測定データとシミュレーション演算データが一致するように、パラメータを手動で決定する。
6) 自動のフィッティングを実行する。
7) 測定データとシミュレーション演算データとの差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求められる。このとき、最小二乗和の残差が少数2桁以下(10-2のオーダ)になれば、かなりの精度でフィッティングできていると判断される。
フィッティングにおいて実行されるシミュレーション演算の原理について以下に説明する。
量子論的散乱の記述
試料表面に対してすれすれにX線を入射した場合、入射したX線および界面で反射したX線は、互いに干渉するため、干渉縞が観測される。X線反射率測定においては、この干渉現象を利用し、薄膜の密度だけでなく、薄膜の膜厚および界面のラフネスを評価するのに利用されている。この出願の発明である膜構造解析方法においては、図1に示すように、試料の表面・界面における散乱は、すれすれのX線入射の条件でX線が試料の表面・界面の粗さによって散乱される場合を取り扱うため、散乱確率が反射・屈折条件を満足するX線の基底状態に、表面・界面粗さの散乱ポテンシャルを作用させた場合の散乱確率を計算することになる。量子力学の散乱理論によれば、入射X線の固有状態をΨi、散乱X線の固有状態をΨfと、試料の表面・界面の散乱ポテンシャルをVとした場合、微分散乱面積は次式で与えられる。
式(I)に示したとおり、散乱を記述するためには、まず、入射X線の固有状態、散乱X線の固有状態、および、散乱ポテンシャルが必要となる。
薄膜中のX線の固有状態
多層膜中のX線の固有状態Ψの計算は、Parrattにより既に行われている。Frenellの式を用いると、第l層の薄膜の深さZiにおける入射X線の固有状態は次式にて与えられる。
また、散乱X線については、試料の表面・界面において散乱されたときの出射波について考える必要がある。そのような波動方程式の解は、入力X線の解(固有状態)を時間反転したものが考えられる。これは入射X線の解の複素共役を取り、さらにk→−kとすることで、次式のように得られるものである。
薄膜中の表面・界面散乱過程
薄膜中の多重反射内で生じる表面・界面散乱は、複雑な散乱過程を持つ。あるものは薄膜の全反射臨界角度近傍のみで強く観測されたり、また、あるものは広い角度領域で強く観測されたりと、様々な散乱過程が見られる。図2に、各層において観測される4成分の散乱過程を示す。
図2(a)は、界面l−1において屈折したX線が散乱され、そのまま観測された場合を示しており、以下、散乱過程(a)と呼ぶ。図2(b)は、界面lにおいて鏡面反射したX線が散乱され観測された場合を示しており、以下、散乱過程(b)と呼ぶ。図2(c)は、散乱されたX線が界面lで鏡面反射し観測された場合を示しており、以下、散乱過程(c)と呼ぶ。図2(d)は、界面lで鏡面反射したX線が散乱され、散乱されたX線が再び界面lで鏡面反射し観測された場合を示しており、以下、散乱過程(d)と呼ぶ。図2(a)で示した場合を除き、図2(b)〜(d)で示した散乱過程は、界面l層での反射の効果を含んでいるため、界面lが全反射を満足しているときのみ強く観測される。一方、図2(a)は、界面l層の反射の寄与がないため、広い角度領域において観測される。
薄膜中の表面・界面散乱過程に依存する散乱ベクトル
図2に示したとおり、表面/界面散乱で生じる表面法線方向の散乱ベクトルqsは2種類存在する。以下に、界面l−1で生じる表面法線方向の散乱ベクトルの大きさを記述する。
散乱過程(a)および散乱過程(d)の表面法線方向の散乱ベクトルの大きさ
散乱過程(b)および散乱過程(c)の表面法線方向の散乱ベクトルの大きさ
一方、面内方向の散乱ベクトルの大きさqrは、各界面および散乱過程に依存せず、次式で与えられる。
微分散乱断面積の記述
第l層における表面・界面の散乱ポテンシャルをVlとした場合、図2に示した4つの散乱過程を考慮すれば、第l層における散乱振幅は次式で与えられる。
全散乱振幅は、上記全ての層における散乱振幅の輪を取ればよく、次式により与えられる。
式(I)および式(VIII)より、散乱断面積は以下の式で求められる。
式(IX)の第2項目は、各界面間で生じる干渉性散乱に相当する。
表面・界面ラフネスによる散乱
理想的にフラットな界面状態に対して界面にラフネスが存在すると、界面での電子密度変化と界面ラフネスの形状に依存した散乱が観測される。散乱前、散乱後のX線の固有状態は、それぞれ式(II)または式(III)により厳密に与えられる。各界面でのラフネスによる散乱振幅は、式(VII)を用いて計算することができる。このとき、図2に示した散乱過程において、散乱ポテンシャルVlは、次式で与えられる。
散乱過程(a)または散乱過程(c)の場合
散乱過程(b)または散乱過程(d)の場合
ここで、nは各界面での屈折率であり、また、k0は真空での波数ベクトルである。
この出願の発明で記述されるべき散乱式は、式(IX)の微分散乱断面積である。微分散乱断面積を記述するためには、各界面の各散乱過程の散乱振幅を求める必要がある。散乱振幅を記述できれば、微分散乱断面積は記述できたことに等しい。
まず、最初に界面lの散乱過程(a)において生じる散乱振幅の導出について、以下に示す。
ここでは、表面散乱の計算を行うため、体積成分を表面積分に置き換える。
ここで、dSは表面に垂直な微分表面ベクトルである。また、Aは任意の単位ベクトルである。ここでは、Aを試料表面法線方向にとるものとする。そうすると、式(XIII)は次式のように変形可能である。
さて、式(XIV)において表面が特定の形状を持っている場合については、計算を実行できるが、多くの場合、表面・界面の電子密度揺らぎが、ある相関関数に従うものと想定し、|<−ζl *|Vl|ηl>|2を計算することにする(Shinba、Phys。Rev。B38、p。2297 (1998)に詳しい)。
ここで、σは表面・界面粗さ、また、ζは表面・界面粗さの面内方向の相関距離である。hは表面ラフネスの形状を与えるHurstパラメータであり、hが1に近いほど滑らかな表面を与え、また、hが0に近いほどぎざぎざな表面形状を与える。
表面がある特定の形状を持たないため、表面・界面粗さの<−ζl *|Vl|ηl>を計算することはできないが、式(XV)より|<−ζl *|Vl|ηl>|2を求めることは可能である。式(XIV)および式(XV)により、界面lの散乱過程(a)における散乱振幅は以下のように求まる。
同様に、界面lにおける散乱過程(b)、散乱過程(c)および散乱過程(d)の散乱振幅も以下のとおりに求められる。
散乱振幅(b)
散乱振幅(c)
散乱振幅(d)
以上で導出した散乱振幅を用い、また、式(VII)〜(IX)を用いれば、微分散乱断面積が与えられる。
この出願の発明である膜構造解析方法においては、以上の原理を用いて、X線の界面散乱をシミュレーション演算が行われる。
この出願の発明である膜構造解析方法においては、前述の通り、実測X線散乱強度曲線を取得する際には、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定の3通りの測定が行われ、それぞれの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングが行われる。
オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対しては、膜試料表面の界面粗さおよび膜試料内部の空孔サイズに関するパラメータを変化させてシミュレーション演算が行われ、このシミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を実測X線散乱曲線にフィッティングして実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する。
また、ロッキングスキャン測定は、複数の異なるスキャン角度を設定して行われ、それぞれのロッキングスキャン測定により得られた実測X線散乱曲線に対してシミュレートX線散乱曲線をフィッティングすることで、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する。このとき、入射側の膜試料表面の全反射臨界角度から出射側の膜試料表面の全反射臨界角度までの間の実測X線散乱曲線に対してシミュレートX線散乱曲線をフィッティングすることにより、膜試料内部の空孔サイズに関するパラメータの最適値を求めることが可能である。また、入射側の膜試料面の全反射臨界角度以下あるいは出射側の膜試料表面の全反射臨界角度以上の実測X線散乱曲線に対してシミュレートX線散乱曲線をフィッティングすることにより、膜試料表面の界面粗さに関するパラメータの最適値を求めることが可能である。
以下に、この出願の発明である膜構造解析方法を実施するための装置構成および手順について説明する。
図3は、この出願の発明の膜構造解析方法を実施するための膜構造解析装置における光学系について示した概要図である。入射側においては、光源(31)から照射される入射X線は、多層膜ミラー(32)により反射され、さらに2体のナロースリット(33)によりビーム径の絞り込みが行われる。試料(34)に入射されたX線は反射・屈折・散乱し、受光側に設置された2体のナロースリット(35)を通過して、検出手段(36)により受光される。ナロースリット(35)を用いることにより、検出手段(36)側の分解能を高めることが可能となる。
この出願の発明である膜構造解析装置は以上の構成を最低限備えるものであって、実際には、上記の光学系の他に、光学系により得られた測定データを取り込み、取り込まれた測定データを用いて膜構造解析を実行するコンピュータなどの膜構造解析手段を備えている。
さらに、この出願の発明の膜構造解析方法を実施するための具体的手順について詳細に説明する。
まず、X線の入射角度と反射角度を一定角度だけずらしてオフセットスキャン測定を行うことにより、オフセット角度を見積もる。このとき、オフセット角度は、鏡面反射の影響の無い角度とする。オフセット角度は、検出器ステージ角度2θを固定し、試料ステージ角度θを一定角度分だけスキャンすることにより行われる鏡面反射のロッキングスキャンにより知ることができる。ロッキングスキャン測定によるX線散乱曲線の鏡面反射の半価全幅は、受光側のスリット条件により計算することができる。受光側の受光スリット幅をRSWと、また、散乱抑制スリット幅をSSWとし、さらに、RSWがSSWに等しいものとした場合、試料中心から散乱抑制スリットまでの距離をLとすれば、おおよその受光側の発散角度は次式で表される。
例えば、RSW=0.2mm、SSW=0.2mm、L=340mmである場合、式(XX)を用いると受光側分解能はおよそ0.03°となる。実際には、薄膜試料表面の影響等があるため、図4に示すような鏡面反射のロッキングスキャンによる測定結果より、鏡面反射の影響がないオフセット角度を設定する必要がある。図4に示した場合であれば、オフセット角度は0.1°と見積もられ、このように設定することにより、鏡面反射の影響をほとんど受けないことがわかる。
次いで、上記の通りに見積もられたオフセット角度を一定に保ちながら、検出器ステージ角度2θと試料ステージ角度θを2θ:θ=2:1となるように移動しながら、オフセットスキャン測定を行う。オフセットスキャン測定においては、オフセット角度を可能な限り小さな値に設定していることから、面内の散乱ベクトルは試料表面法線方向の散乱ベクトルと比較して極めて小さくなる。そのため、界面散乱の情報としては、試料表面法線方向の電子密度揺らぎの相関距離、すなわち、ラフネスの情報を多く含むことになる。空孔散乱についても同様であり、試料表面方向の空孔サイズの情報を持つ。ただし、薄膜中の空孔の形状が、界面形状と異なり、面内と面法線方向で大きな異方性がなければ、薄膜中の平均の空孔サイズ情報を持っているものと考えられる。
このように、オフセットスキャン測定のX線散乱曲線から、界面のラフネス情報および薄膜中の平均空孔サイズに関する情報を知ることが可能となる。また、図5に示すように、界面のラフネス(試料表面法線方向の電子密度揺らぎの相関距離)が大きくなるにつれて、オフセットスキャンのX線散乱曲線の傾斜が大きくなる。同様に、図6に示すように、薄膜中の平均空孔サイズが大きくなるにつれて、オフセットスキャンのX線散乱曲線の傾斜が大きくなる。
続くロッキングスキャン測定は、前述の通り、検出器ステージ角度2θを一定に固定したまま、試料ステージ角度θを変化させることにより行う。オフセット角度の見積もりを行うステップにおいては、鏡面反射スペクトル近傍のみで測定を行っているが、このステップにおけるロッキングスキャン測定においては、図7に示したように、試料ステージ角度θを0°から検出器ステージの固定角度までスキャンする。
ロッキングスキャン測定においては、検出器の角度を固定することから、試料表面法線方向の散乱ベクトルはほぼ一定となる。一方、試料表面面内方向の散乱ベクトルは大きく変化している。そのため、界面散乱の情報としては、試料表面面内方向の電子密度揺らぎ相関距離および形状パラメータの情報が多く含まれる。
図8は、形状パラメータとしてHurstパラメータを変化させた場合のロッキングスキャン測定により得られるシミュレーションX線散乱曲線であり、Hurstパラメータを大きく設定することによりX線散乱曲線はガウス型の曲線となる。また、Hurstパラメータを小さく設定することにより、鏡面反射近傍で急激に散乱強度が増加していることがわかる。
図9は、面内相関距離を変化させた場合のロッキングスキャン測定により得られるシミュレーションX線散乱曲線である。面内相関距離を大きく設定した場合、鏡面反射からわずかにずれるだけで、すなわち、面内の散乱ベクトルが0からわずかに変化するだけで、は大きく変化する。この傾斜の大きさは、面内の電子密度揺らぎの相関距離に対応し、傾きが大きいほど相関距離が大きくなる。一方、面内相関距離が小さい場合、もっと面内の散乱ベクトルが大きく変化する角度に検出器ステージ角度2θの固定角度を設定する必要がある。すなわち、面内の相関距離が小さい場合、面内相関距離に対応する傾斜が緩やかであるため、面内の散乱ベクトルが大きく変化するような条件で、ロッキングスキャン測定を行わなければならない。面内の相関距離が比較的小さい場合に検出器ステージ角度2θの固定角度を様々に変化させたロッキングスキャン測定のシミュレーションX線散乱曲線を図10に示す。
実際に測定されるX線散乱曲線には、空孔から散乱と界面粗さからの散乱が同時に観測され、両者を実験的に分離できない。もし、界面ラフネスが大きく、また、薄膜中の平均空孔サイズが比較的小さい場合、高角度側においては界面粗さの散乱が、空孔からの散乱と比較して相対的に弱くなることが予想される。そのような場合には、検出器ステージ角度2θの固定角度を高角度側に設定しロッキングスキャン測定を行っても、界面粗さの情報はあまり含まれず、十分な解析を行うことは不可能である。逆に、空孔の平均サイズが大きく界面ラフネスが小さい場合に、検出器ステージ角度2θの固定角度を低角度側に設定してロッキングスキャン測定を行っても、界面粗さの情報を取得することをほとんど不可能といえる。そのため、本ステップのロッキングスキャン測定においては、検出器ステージ角度2θの固定角度を複数選択することが好ましい。
以上のロッキングスキャン測定により、試料表面内方向の散乱ベクトルを変化させることによって、面内方向の電子密度揺らぎ相関距離およびその形状パラメータであるHurstパラメータの情報を知ることが可能であることを示した。また、上記の通り、無作為に条件を設定してロッキングスキャン測定を実施した場合には、界面粗さの散乱と空孔散乱とを分離して測定することは不可能である。しかし、以下で示すとおり、膜試料の最表面における界面散乱(真空と最表面薄膜との界面における散乱)をほぼ独立に求めることが可能である。
界面散乱は、膜試料の界面のみで散乱が生じる。一方、空孔散乱は膜試料内部において発生するため、X線が膜試料に侵入する条件または薄膜中から空孔散乱が反射される条件を満足するときのみ観測される。このような条件は、X線の入射角度及び反射角度と薄膜の全反射臨界角度との大小により決定される。すなわち、X線入射角度および反射角度が全反射臨界角度より小さい条件のもとでは、最表層の界面粗さの散乱のみが検出される(図11)。また、界面散乱は界面において発生する散乱であることから、界面における屈折波の強度が大きいときに、非常に強く観測される(図12)。
X線入射角度またはX線反射角度が膜試料の全反射臨界角度を越えたときに、X線はPorous膜内部に侵入され、また、Porous膜から膜外に放出されるため、空孔散乱が観測される(図13)。
以上に、この出願の発明である膜構造解析方法における基本的な態様の一例を示したが、以上で示した形態に限定されることはなく、その細部について、様々な形態をとりうることが考慮されるべきであることは言うまでもない。
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
上記の通り、オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線およびロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線には、それぞれ空孔サイズ分布の情報と界面形状の情報が含まれている。多層構造の解析を行う場合、界面形状パラメータ数は膜数に比例して増加するため各パラメータを高い精度で算出することは困難であるが、以下に示すような手順により多層構造膜試料の測定データを扱うことにより、高い精度で構造解析を実現することができる。
1) 界面粗さのパラメータであるラフネスは、X線反射率解析の結果からある程度推測することができる。ただし、X線反射率測定で得られた結果を初期値として用いる場合は、X線反射率解析が十分行われている必要がある。
2) X線入射角度またはX線反射角度が、最表面の全反射臨界角度より小さい条件では、最表面の界面粗さの情報のみを取り出すことが可能である。複数種類測定されるロッキングスキャン測定データにおいて、入射角度もしくは反射角度が全反射臨界角度より小さい角度領域のデータを用いて、フィッティングを行うことにより表面形状のパラメータをある程度推定することができる。
3) 多層膜中に数十nmの膜が存在する場合、実測X線散乱曲線にそれらの層の上下界面で発生した散乱が干渉し、振動構造が観測される。これらの干渉は、式(IX)の第2項によって記述されるものである。式(IX)より、干渉の振幅の強さは、上下界面の散乱振幅の大きさが等しいときに最も強くなる。例えば、基板上に40nmのキャップ層を仮定し、基板で生じる界面散乱の散乱振幅をA、キャップ層表面の散乱振幅をBとしたとき、式(IX)によれば、全散乱強度は次式
により与えられる。ベースとなる|A|2+|B|2の項に対して、2(A*B+B*A)で示される振動成分は、散乱振幅AとBの大きさが等しいときに最も顕著に振動が観測される。
図14〜17は、キャップ層のラフネスを変化させた場合の干渉散乱の変化を示したものである。
図14は、以下の表に示すように基板とキャップ層のラフネスを同じに設定した場合における干渉散乱の変化である。傾斜が等しいため、高角度側まで振動振幅がほぼ一定で観測されることがわかる。
図15は、以下の表に示すように、図14における条件から基板とキャップ層のラフネスを少し変化させた場合における干渉散乱の変化である。各界面の散乱強度がほぼ同じ角度(θ=1.5deg近傍)のとき、最も干渉の振幅が大きく、1.5degからずれるにしたがって振幅が小さくなる。
図16は、以下の表に示すように、図15と同様に各界面の散乱強度が等しい角度で最も干渉の振動が強く観測されている。両界面のラフネスの値に大きな差が出てきたため、それ以外の角度で干渉の振幅の減衰が大きくなっている。両界面のラフネスにこの程度の差異が生じることにより、各界面におけるX線散乱曲線の傾斜に大きな差が現れていることがわかる。
図17は、以下の表に示すように、図16の設定をさらに顕著したものであり、各界面の散乱強度が等しい角度での干渉の振幅の大きさは、図14〜16と変わらないが、それ以外の角度領域において、各界面の散乱強度に大きな差があるため干渉の振幅は小さい。図16と同様に、各界面でラフネスにこの程度の差異を設けることにより、傾斜の大きさに顕著な差が生じている。
図14〜17中に示した基板において発生する散乱に対応する曲線(Substrate)は上式の|A|2に相当し、また、図中のキャップ層において発生する散乱に対応する曲線(Cap Layer)は上式の|B|2に相当している。散乱振幅であるAおよびBは複素数であるため絶対値の2乗で示しているが、各界面の散乱強度が等しい角度のとき、すなわち、2つの曲線が重なったときに、干渉の振幅が最も大きくなっていることがわかる。当然、両者のラフネスが異なれば、前述したように、各界面によって生じるオフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱強度曲線の傾斜が変わるため、図14〜17で示されるように、全散乱強度には傾斜の異なる2本の直線がベースとなって測定される。それらの傾きからラフネスを評価することが可能であるが、干渉の振幅の大きさがどこで変化しているかを注目することによってもラフネスを評価することが可能である。
4) 各界面の散乱振幅の比を変えた場合にも、実測X線散乱曲線にそれらの層の上下界面で発生した散乱が干渉し、振動構造が観測される。図18〜21に、基板とキャップ層のラフネスとを等しい設定にして、両界面の面内相間距離を変化させた場合における干渉の強さを示す。図14〜17で示した場合と同様に、キャップ層の面内相間距離を変化させ場合、すなわち、各界面間の散乱振幅比を変化させた場合、両界面の散乱振幅の差が小さくなるにつれて干渉の振幅が大きくなることがわかる。ラフネスの値がある程度決まれば、干渉の振幅の強さから面内の相関距離を見積もることも可能である。
5) 多層膜中の任意の層における膜厚が大きい場合、その上下界面で生じる界面散乱の干渉はその振動周期が小さいため、測定が困難となる。だからと言って、入射側の光学系または反射側の光学系の分解能を向上させる操作を行っても、界面散乱自体の散乱確率が小さいため、十分な強度を得られないため、測定が困難である。そのような場合は、反射率解析からある程度正確なラフネスの初期値を見積もることができても、面内の相関距離とラフネスの形状パラメータ(Hurstパラメータ)の初期値を予想することが困難になる。この出願の発明である膜構造解析方法により、ある程度、他の層のパラメータが決まれば、厚膜層の界面のパラメータを最小二乗法により求めることもできるが、情報量が少なく複数の局所解に陥る場合がある。そのような場合には、すべてのパラメータを完全に精密化することが不可能である。ただし、膜の成膜条件や設計値等から、ある層の上の界面と下の界面のパラメータを同じであると仮定するなど、パラメータを束縛して解析することによりこのような問題を解消できる場合がある。
6) 前述してきたように、界面散乱と空孔散乱とでは多層膜中の空孔サイズ分布解析が異なる。また、界面散乱は、面内方向と表面法線方向とでは、異なる形状を取るものと考えられる。それに対し、空孔散乱は材料にもよるが、ほとんどの場合において膜中で異方性がないものと考えられる。逆にいえば、そのような材料を対象とした解析になっている。特に、表面界面散乱は、X線入射角度またはX線反射角度が薄膜最表面の全反射臨界角度近傍になるにつれて連続的に増加するのに対し、空孔散乱は入射X線または反射X線が全反射臨界角度より大きくならない限りは観測されない。また、空孔散乱においては、全反射臨界角度を越えたとたんに急激に散乱強度が増加する。また、空孔散乱のロッキングスキャンは平均空孔径が極端に大きくならない限り、界面散乱とは異なり、フラットなX線散乱曲線を与える。このように、空孔散乱と界面散乱との異なる特性を利用することにより、空孔サイズ分布解析は難しくない。
以上のとおり、多層膜試料に対してもこの出願の発明である膜構造解析方法は適用可能である。以下に、以上で詳しく説明したこの出願の発明である膜構造解析方法を多層膜試料の構造解析に適用した場合の特徴をまとめる。
(A) 表面散乱は、表面屈折波の強度依存性をもつ特徴を有しているため、比較的容易に表面構造を知ることができる。
(B) 式(IX)の第2項に示した界面散乱の干渉成分を利用することにより多層膜試料の各界面の構造を評価することができる。
(C) 空孔散乱は空孔層の全反射臨界角度より大きくなったときに急激に散乱が強くなるという特性を利用することにより、多層膜中の空孔サイズを解析できる。
次いで、基板上に、下層から順に、ポーラス膜、キャップ層、および、酸化膜層が形成された多層膜を試料として、ポーラス膜内の空孔サイズおよび多層膜の界面形状解析結果を示す。
まず、X線反射率測定を行い、図22に示すようなX線反射率曲線が得られた。このX線反射率曲線を用いてX線反射率解析をした結果、以下の通りの密度および膜厚が得られた。
このX線反射率解析で得られた密度と膜厚をもとに、薄膜中のX線固有状態を記述し、X線散漫散乱測定データを解析することにより、多層膜の各界面の形状およびポーラス層中の空孔サイズ解析を行う。ここで、ラフネスの初期値はX線反射率解析の解析値を用いた。
入射角度と出射角度を0.1°だけずらしたオフセットスキャン測定により得られた実測X線散乱曲線と2θを0.6、0.8、1.0、1.2、1.5、1.8、2.0に固定して測定した7種類のロッキングスキャン測定により得られた実測X線散乱曲線を用い、シミュレーションX線散乱曲線をフィッティングすることにより構造解析を行った。それぞれの実測X線散乱曲線に対するフィッティングの結果を図28〜30に示す。また、解析されたポーラス層における空孔サイズ分布について、図31に示す。フィッティングにより得られた解析結果、次表のとおりである。
従来、オフセットスキャン測定により得られる単一の実測X線散乱曲線を用いて空孔サイズ分布解析等の膜構造解析を行っていたが、界面粗さ散乱が無視できないほど強く観測される場合は、界面散乱を考慮する必要がある。界面散乱はロッキングスキャン測定より得られる実測X線散乱曲線に特徴を持つことから、この出願の発明である膜構造解析方法においては、オフセットスキャン測定による実測X線散乱曲線と複数種類のロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線を用いることにより空孔サイズ分布解析と界面形状評価を同時に行った。この実施例においては、X線反射率により得られたキャップ層のラフネスが、X線反射率および散漫散乱パターンに与える影響が小さいため、キャップ層の界面形状の解析結果に多少誤差が含まれていることが予想される。しかし、空孔散乱に関しては、上記の通り、空孔散乱と界面散乱とが異なる実測X線散乱曲線の形状を与えるという特性を活かしているため、空孔サイズ分布の解析結果に大きな誤差はないものと考えられる。
この出願の発明により、試料の界面の形状と空孔サイズの同時解析を実現し、また、多層からなる試料に対しても適用可能な膜構造解析方法とその装置が提供される。
この出願の膜構造解析方法とその装置により、従来のX線反射率測定装置の構成を変更することなく、多層膜試料を対象とした試料の界面の形状と空孔サイズの同時解析が可能となることから、各種の機能性材料の開発における特性評価等に貢献するものと考えられ、その実用化が強く期待される。
入射波と散乱波のX線固有状態について示した概要図である。 薄膜中における界面散乱による散乱過程について示した概要図である。 この出願の発明である膜構造解析装置の光学系の構成について示した概要図である。 オフセット角度を見積もるために行われるロッキングスキャン測定により得られたX線散乱曲線について示したグラフである。 オフセットスキャンにより得られる界面散乱による成分のシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 オフセットスキャンにより得られる空孔散乱による成分のシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 ロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線について示したグラフである。 形状パラメータとしてHurstパラメータを変化させた場合のロッキングスキャン測定により得られるシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 面内相関距離を変化させた場合のロッキングスキャン測定により得られるシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 検出器ステージ角度2θの固定角度を様々に変化させたロッキングスキャン測定のシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 ロッキングスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線について示したグラフである。 最表層の界面散乱によるX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜モデルに対するロッキングスキャン測定により得られるシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 多層膜の界面散乱について算出したシミュレーションX線散乱曲線について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において行われたX線反射率解析結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において得られたロッキングスキャン測定による実測X線散乱曲線に対するフィッティング結果について示したグラフである。 この出願の発明の実施例において解析されたポーラス層における空孔サイズ分布について示したグラフである。
符号の説明
31 光源
32 多層膜ミラー
33 ナロースリット
34 試料
35 ナロースリット
36 検出手段

Claims (6)

  1. 単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、膜試料表面に対する入射角度と出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析方法。
  2. 単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析方法において、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定の内の少なくとも2つの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析方法。
  3. オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対し、膜試料表面の界面粗さおよび膜試料内部の空孔サイズに関するパラメータを変化させて行うシミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線をフィッティングして実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定することを特徴とする請求項2記載の膜構造解析方法。
  4. 単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析装置において、膜試料表面に対する入射角度と出射角度とが相関関係を有さないように入射角度と出射角度との組を複数設定し、それぞれの入射角度と出射角度との組についてX線強度を測定することにより得られる実測X線散乱曲線に対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析装置。
  5. 単層膜または多層膜からなる膜試料の表面に対する臨界角近傍の角度からのX線入射により得られる実測X線散乱強度曲線に対し、シミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線を、少なくとも1個以上の試料の物性を示すパラメータを変化させることによりフィッティングを行い、実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定する膜構造解析装置において、オフセットスキャン測定、ロッキングスキャン測定、および、ディテクタースキャン測定の内の少なくとも2つの測定により得られる実測X線散乱曲線のそれぞれに対してフィッティングを行うことを特徴とする膜構造解析装置。
  6. オフセットスキャン測定により得られる実測X線散乱曲線に対し、膜試料表面の界面粗さおよび膜試料内部の空孔サイズに関するパラメータを変化させて行うシミュレーション演算により得られるシミュレートX線散乱曲線をフィッティングして実測X線散乱曲線とシミュレートX線散乱曲線との差異が最小となったときのパラメータの値を最適値として求め、膜試料の構造を決定することを特徴とする請求項5記載の膜構造解析装置。
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