JP2005121121A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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【課題】車両が停止しているときのロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供する。
【解決手段】自動変速機の流体継手21に用いられるロックアップクラッチ31の制御装置であって、車両走行中にロックアップクラッチを流体継手のフロントカバー35から離間した解放状態にするために所定圧力にて供給されるロックアップクラッチ解放圧を、車両が停止しているときに少なくとも一時的に前記所定圧力よりも高く設定する。車両が停止しているときにロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定することにより、ロックアップクラッチとフロントカバーとの隙間が大きく確保され、車両が停止しているときの引き摺りトルクを低減することができる。これにより、燃費損失が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロックアップクラッチの制御装置に関し、特に、車両停止中のロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能なロックアップクラッチの制御装置に関する。
図12に示すように、車両の自動変速機の流体継手として用いられるトルクコンバータ21には、ポンプインペラ(エンジン側)24とタービンランナ(変速機側)26との間に、ロックアップクラッチ31と呼ばれる機械式のクラッチが設けられている。所定の車速以上になると、ロックアップクラッチ31をフロントカバー35に押し付け、このとき発生する摩擦力により入力軸(フロントカバー35)と出力軸(タービンランナ26)を締結させて、トルクコンバータ21を介さずに直接動力を伝えることで、自動変速機の伝達効率を高め、燃費を向上させる。
ロックアップしていない解放状態では、油圧制御回路34のオイルポンプから供給される油によってロックアップピストン36の両側の圧力、即ち解放側油室33内の圧力(ロックアップクラッチ解放圧)と係合側油室32内の圧力(ロックアップON圧)が略同じになっている。
ロックアップの制御機構が作動すると、オイルポンプから供給される油によってロックアップON圧がロックアップクラッチ解放圧より高くなり、ロックアップクラッチ31(クラッチフェージング)とフロントカバー35が接続(係合)されロックアップする。
特開平2−212669号公報(特許文献1)には、ロックアップクラッチの解放応答性を高めて、車両の急制動時や低摩擦路面での制動時などにおいて、エンジン停止が発生することを解消する旨が開示されている。
特開平7−127730号公報(特許文献2)には、ロックアップクラッチを係合状態に維持する際の駆動電流を通常時は零に近い値とし、その分消費電力を抑制して燃費向上に寄与しながら、運転状態に基づいて車両が停止される可能性が高いか否かを判断し、停止される可能性が高いときには駆動電流を高めに維持することで、エンジンストールの発生を未然に防止する技術が開示されている。また、特許文献2には、車両の急停止が判定されたときに、ロックアップクラッチを急解放制御する旨が記載されている。
特開平2−212669号公報 特開平7−127730号公報
ロックアップクラッチの解放状態から係合状態に移行する際には、それまで解放されていたロックアップクラッチを迅速にフロントカバーに接続させる必要がある。このことから、ロックアップクラッチの解放時におけるロックアップクラッチとフロントカバーとの隙間は、小さな値に設定されている。
ところで、車両走行時のロックアップクラッチの引き摺りトルクは、エンジンからトランスミッション側への伝達トルクとなるため燃費損失にはならないが、車両停止(エンジン空転)時(車両停車中)は、トランスミッション側へのトルク伝達はそのまま損失とな
る。そのため、車両停止時におけるロックアップクラッチの引き摺りトルクは、最小限に抑制されるべきである。
上記において、引き摺りトルクとは、ロックアップクラッチの解放時のフロントカバーとロックアップピストンとの相対回転(通常時はロックアップピストンよりもフロントカバーの回転数の方が高い)に伴う流体(油)の摩擦により発生するトルクの意味である。
上記特許文献1及び2に記載の技術は、車両停止時(特に急停止時)におけるエンジンストールの防止を達成するための技術であり、車両停止後のロックアップクラッチの引き摺りトルクについては何ら対策がなされていない。
これらの従来技術において、仮に、車両停止前にロックアップクラッチを解放し、一時的に高い油圧にてフロントカバーとロックアップクラッチとの隙間を大きくすることができたとしても、車両停止に至るまでの前後G(加速度)等の挙動に対する隙間確保のための手段が講じられておらず、大きな引き摺りトルクが発生する可能性がある。例えば、FR(フロントエンジン・リアホイールドライブ)車両においては、自動変速機のトルクコンバータは通常、回転軸が車両進行方向と平行に配置され、車両停止に至るときには、前後Gによりロックアップピストンには、フロントカバーに押し付けられる力が作用する。以上のことから、上記従来技術では、車両停止時にはロックアップクラッチの引き摺りトルクが大となって、燃費を損ねている可能性がある。
本発明の目的は、車両が停止しているときのロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することである。
本発明のロックアップクラッチの制御装置は、自動変速機の流体継手に用いられるロックアップクラッチの制御装置であって、車両走行中にロックアップクラッチを流体継手のフロントカバーから離間した解放状態にするために所定圧力にて供給されるロックアップクラッチ解放圧を、車両が停止しているときに少なくとも一時的に前記所定圧力よりも高く設定することを特徴としている。
上記本発明によれば、車両が停止しているときにロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定することにより、ロックアップクラッチとフロントカバーとの隙間が大きく確保され、車両が停止しているときの引き摺りトルクを低減することができる。これにより、燃費損失が抑制される。また、流体継手には、トルクコンバータやその前身である単なるフルードカップリングなどが含まれる。
本発明のロックアップクラッチの制御装置において、前記車両が停止しているときであって、車両が走行状態から停止状態に変わった後、エンジンの始動後、及び自動変速機のシフト操作位置が車両停止位置から車両走行位置に変更された後の少なくともいずれか一つの時期に、少なくとも一時的に、前記ロックアップクラッチ解放圧を前記所定圧力よりも高く設定することを特徴としている。
上記本発明において、車両が停止しているときであって、車両が走行状態から停止状態に変わった後にロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定した場合には、上記の作用効果に加えて、車両が走行状態から停止状態に変わった後の加速度や車両の挙動の不安定さ等に起因して、ロックアップクラッチがフロントカバーに近づくことが抑制され、これにより、引き摺りトルクの増大を効果的に抑えることができる。
また、上記本発明において、車両が停止しているときであって、エンジンの始動後に、
ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定した場合にも、車両が停止しているときの引き摺りトルクを低減することができる。
また、上記本発明において、車両が停止しているときであって、自動変速機のシフト操作位置が車両停止位置から車両走行位置に変更された後に、ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定した場合にも、車両が停止しているときの引き摺りトルクを低減することができる。実質的に引き摺りトルクによる損失が問題となるのは、自動変速機のシフト操作位置が車両停止位置から車両走行位置に変更された後である。
さらに、上記本発明において、車両が停止しているときであって、車両が走行状態から停止状態に変わった後と、エンジンの始動後、又は自動変速機のシフト操作位置が車両停止位置から車両走行位置に変更された後の両方の時期に、ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定すれば、更に、引き摺りトルクの低減効果が増す。
本発明において、自動変速機のシフト操作位置が車両走行位置であるとは、変速段又は変速比を運転状態に基づいて設定する自動変速モード(いわゆるDポジション)の他に、その自動変速モードで設定される変速段又は変速比の範囲の下限値を手動操作に基づいて設定する手動変速モード(いわゆるMポジション)が含まれる。本発明においては、例えば、シフトレバー、シフトスイッチ、シフトアーム、押しボタン、ダイヤル、スティックのようなシフト装置がシフト操作されることにより、自動変速機のシフト操作位置が車両停止位置から車両走行位置に変更される。本発明において、自動変速機のシフト操作位置は、例えば、シフトレバー、シフトスイッチ等のようなシフト装置の操作位置であることができる。
本発明のロックアップクラッチの制御装置において、前記車両が停止しているときに一時的に前記ロックアップクラッチ解放圧を前記所定圧力よりも高い第1圧力に設定した後に前記ロックアップクラッチ解放圧を前記第1圧力よりも低い第2圧力に設定することを特徴としている。
上記本発明によれば、上記作用効果に加えて、ロックアップクラッチ解放圧を供給するオイルポンプの駆動力の増加を抑制することができ、燃費の悪化を抑えることができる。前記第2圧力は、前記所定圧力と同じであってもよい。
(1) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、ロックアップクラッチ解放圧を車両停止後から所定時間、所定圧(通常の車両走行中のロックアップクラッチ解放圧である通常圧よりも高い圧)に高めるものである。
(2) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、車両停止後、ロックアップクラッチ解放圧を所定時間後に所定圧に低減するものである。即ち、車両停止後の所定時間の間と、車両停止後のその所定時間の経過後では、ロックアップクラッチ解放圧が異なり、前者の時間の方がロックアップクラッチ解放圧が高い。ここで、所定圧とは、上記通常圧である。
(3) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、上記(1)の本発明において、エンジン回転数を車両停止後所定時間上昇させるものである。
(4) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、上記(2)の本発明において、エンジン回転数を車両停止後所定時間後に低減させるものである。
(5) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、車両停止時に通常走行より高いロックアップクラッチ解放圧を作用するものである。
(6) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、エンジン始動後、ロックアップクラッチ解放圧を所定時間、所定圧だけ高めるものである。
(7) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、自動変速機の車両停止位置から車両
走行位置にシフトチェンジした場合にロックアップクラッチ解放圧を所定時間、所定圧だけ高めるものである。
(8) 本発明のロックアップクラッチ制御装置は、上記(7)の本発明において、車両停止位置から車両走行位置にシフトチェンジした場合にエンジン回転数を所定時間上昇させるものである。
本発明のロックアップクラッチの制御装置によれば、車両が停止しているときのロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能である。
以下、本発明のロックアップクラッチの制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の目的は、オイルポンプの駆動力の増加を抑制しつつ、車両が停止しているときのロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することである。本実施形態の他の目的は、車両が停止しているときのロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能であり、かつ車両が走行状態から停止状態に変わった後の加速度や車両の挙動の不安定さ等に起因する引き摺りトルクの増大を抑制可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することである。
図12は、第1実施形態のロックアップクラッチ制御装置が適用された車両用伝達装置のスケルトン図である。エンジン20の動力は、ロックアップクラッチ付トルクコンバータ(流体継手)21、3組の遊星歯車ユニット等から構成された有段自動変速機22、及び図示しない差動歯車装置等を経て駆動輪へ伝達される。
トルクコンバータ21は、エンジン20のクランク軸23と連結されるポンプ(ポンプインペラ)24と、自動変速機22の入力軸25に固定され、ポンプ24とオイルを介して対峙されたタービン(タービンランナ)26と、一方向クラッチ27を介してハウジング28に固定されたステータ29と、ダンパ30を介して入力軸25に連結されたロックアップクラッチ31とを備える。
トルクコンバータ21において、ロックアップピストン36よりも図中右側には、係合側油室32が形成され、また、ロックアップピストン36よりも図中左側には、解放側油室33が形成されている。
油圧制御装置34により、トルクコンバータ21の係合側油室32よりも解放側油室33内の油圧(ロックアップクラッチ解放圧)が高められると、ロックアップクラッチ31は解放状態とされオイルを介してポンプ24からタービン26へとトルクが伝達される。
一方、解放側油室33よりも係合側油室32内の油圧(ロックアップON圧)が高められると、ロックアップクラッチ31はフロントカバー35に押し付けられて係合状態となり、トルクコンバータ21の入出力部材、即ちクランク軸23及び入力軸25が機械的に直結される。また、解放側油室33と係合側油室32の油圧が適宜のバランスで維持されると、ロックアップクラッチ31はスリップ状態となり、解放と係合の中間の動力伝達状態が形成される。
トルクコンバータ21は、自動変速機22用のロックアップクラッチ31付トルクコンバータであり、本件は、そのロックアップクラッチ31の制御装置である。流体継手は、自動変速機22用のロックアップクラッチ31付流体継手であり、本件はそのロックアッ
プクラッチ31の制御装置である。
次に、本実施形態において、アイドル状態(車両が停止しエンジンが空転している状態)において引き摺りトルクを低減させる方法について説明する。
引き摺りトルクは、ロックアップクラッチ31とフロントカバー35との隙間にほぼ反比例する。よって、引き摺りトルクが燃費の損失となる車両停止後において、ロックアップクラッチ31の解放圧を高く設定し、フロントカバー35とロックアップクラッチ31との隙間を最大限に離すことが望ましい。
しかしながら、トランスミッション各部に供給される油圧は、オイルポンプの駆動力、ひいては燃費へ影響するため、低燃費の観点からは、車両停車中においてもロックアップクラッチ31の解放圧は最低限とする必要がある。そこで、本実施形態では、車両停止後の所定時間の間だけロックアップクラッチ解放圧を相対的に高くし、その所定時間経過後は、それよりも低い通常圧に戻して、燃費向上に寄与することとしている。
即ち、本実施形態では、車両停車時(車両停車中)の定常状態では、トルクコンバータチャージ圧を兼ねるロックアップクラッチ31の解放圧を最低限の低油圧とする一方、車両停止の直後には、ロックアップピストン36とフロントカバー35の隙間を最大限に離すため、一旦ロックアップクラッチ31の解放圧を上昇させることで、車両停車時の引き摺りトルクを低減し、燃費の向上を実現する。
車両が停止する直前は、車速が所定値以下であるため、ロックアップクラッチ31が解放状態にあり、上記ロックアップクラッチ解放圧がロックアップクラッチ31の係合時に比べて相対的に高い。それにもかかわらず、車両が停止する直前に、ブレーキ(特に急ブレーキ)が踏まれたり、路面に凹凸があり荒れている等、路面が悪路であると、ロックアップピストン36に油圧以外の外力が作用して、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に接近し、相対的にロックアップクラッチ31とフロントカバー35との間の隙間が小さくなることがある。
また、車両がFR車の場合には、車両が停止する直前に、ブレーキが踏まれることによる前後Gにより、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に接近することがある。さらに、車両がFF車の場合であっても、車両停止前に横Gが瞬間的に作用した場合には、同様にロックアップピストン36がフロントカバー35側に接近することが考えられる。
上記の場合、車両停止後にそのままの状態で放置すると、相対的に小さな隙間のままでフロントカバー35とロックアップピストン36とが相対回転し、相対的に大きな引き摺りトルクが発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、車両が停止した後にも所定時間は上記ロックアップクラッチ解放圧を相対的に高めに設定した状態とし、上記隙間を最大限に大きく確保する。車両停止に伴う車両(及び車両の構成部材)の挙動・動作が安定し、上記隙間(ロックアップピストン36の位置)が上記最大限の状態で安定した後は、そのまま引き摺りトルクが大きくなることなくアイドル状態を続行するので、ロックアップクラッチ解放圧を通常時の相対的に低い値(通常圧)に戻す。なお、上記において、通常圧とは、車両走行中に車速が所定値以下の場合のロックアップクラッチ解放圧である。
上記所定時間とは、車両停止の瞬間にロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定してから実際にロックアップピストン36が押圧されてロックアップピストン36とフロントカバー35との隙間が上記の最大値にまで広がるまでに要する時間と、車両停止に伴う車両
等の挙動等が安定し、上記隙間が最大値の状態で安定するまでに要する時間を考慮して設定される。
図1を参照して、第1実施形態のロックアップクラッチ制御装置の制御フローについて説明する。
まず、ステップ1に示すように、車両が停止中か否かが判定される。ここで、車両が停止中か否かの判定に関しては、車速が零になったときに車両が停止状態と判定される。または、上記の車速自体に代えて、車速が低下するときの傾きに基づいて、車両が停止状態と判定されることができる。ステップS1の判定の結果、車両が停止中と判定されれば、ステップS2に進む。ステップS1の判定の結果、車両が停止中と判定されなければ、リターンする。
ステップS2では、車両停止後t秒後以内か否かが判定される。ステップS2の判定の結果、車両の停止後t秒以内であれば、ロックアップクラッチ解放圧を相対的に高い圧に設定する(ステップS3)。ここで、「相対的に高い圧」とは、通常の車両走行時に所定の車速以下のときのロックアップクラッチ解放圧(通常圧)よりも高い圧であることを意味する。これにより、ロックアップクラッチ31とフロントカバー35との間の隙間を最大値に設定し、車両停車中の引き摺りトルクを最小限に抑えるとともに、車両が停止する際にかかるG等の影響により、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に近づくことが有効に防止される。
また、「t秒」とは、下記t1とt2に基づいて設定される時間である。「t1」とは、ロックアップクラッチ解放圧が上記の高圧に設定されてから、実際にロックアップピストン36が押圧されて移動しフロントカバー35との上記隙間が上記最大値にまで広がるまでに要する時間である。
「t2」とは、以下の通りである。即ち、車両が停止した瞬間(停止直後)からロックアップクラッチ解放圧が上記高圧に設定される(ステップS1〜S3)が、車両停止(車速がゼロ)になった瞬間又は停止直後には、車両やその構成部材の挙動や動作が未だ安定しておらずG等が作用することがあり、その影響でロックアップクラッチ31とフロントカバー35との間の隙間が小さくなることがある。車両停止から暫く時間か経過すると、車両等の挙動等が安定することで、上記隙間を小さくする要因となるような外力が作用しなくなる。「t2」とは、車両停止から上記車両等の挙動等が安定することで、上記隙間を小さくする要因となるような外力が作用しなくなるまでに要する時間である。
ステップS2の「t秒」とは、上記t1の値と上記t2の値の大きい方に合わせて設定されることができる。または、「t秒」とは、上記t1と上記t2の和として設定されることができる。例えば、t秒とは、1秒前後の値が考えられる。
一方、ステップS2の判定の結果、車両の停止後t秒を越えていれば、ロックアップクラッチ解放圧を相対的に低い圧に設定する(ステップS4)。ここで、「相対的に低い圧」とは、上記通常圧である。ここで、車両の停止後t秒を越えた後にロックアップクラッチ解放圧を通常圧に戻すのは、オイルポンプの駆動力を抑え燃費を低減するためである。ステップS4において、「相対的に低い圧」とは、上記通常圧と異なった圧力であってもよく、少なくともt秒以内の間に設定される高圧よりも相対的に低い圧力であればよい。これによっても、燃費の低減に寄与するからである。
図1の制御フローから明らかなように、第1実施形態では、図2に示すように、ロックアップクラッチ解放圧を車両停止後から所定時間、所定圧(通常の車両走行中のロックア
ップクラッチ解放圧である通常圧よりも高い圧)に高めるものである。車両が停止すると同時からロックアップクラッチ解放圧を通常圧よりも高く設定し、所定の停車中の時間だけそれを継続する。即ち、車両停止の瞬間から所定時間の間は、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧よりも高く設定し続けることで、車両停止の瞬間又は停止直後に車両にGがかかる等により、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に接近することを効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、上記第1実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
まず、車両が停止中か否かが判定される(ステップS1)。その判定の結果、停止中でなければ、ロックアップクラッチ解放信号が出力されているか否かが判定される(ステップS2)。ロックアップクラッチ解放信号は、例えば車両の車速が所定値以下であるときに出力される。即ち、通常一般の車両において、エンジンストール防止等の観点からロックアップクラッチを解放させるべきと予め設定された条件(例えば上記車速が所定値以下の場合など)に基づいて出力される。
ステップS2の判定の結果、ロックアップクラッチ解放信号が出力されていれば、ロックアップクラッチ解放圧が通常圧よりも高い圧に設定される(ステップS3)。ここで、通常圧とは、上記第1実施形態と同じ意味である。これにより、車両が停止する前の段階(ステップS1−Y)からかかるG等の影響により、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に近づくことを有効に防止しつつ、ロックアップクラッチ31とフロントカバー35との間の隙間を最大値に設定し、引き摺りトルクを最小限に抑える。ステップS2の判定の結果、ロックアップクラッチ解放信号が出力されていなければ、リターンする。
一方、ステップS1において、車両が停止中であると判定された場合には、ステップS4に進む。
ステップS4では、車両が停止してからt秒以上経過したか否かが判定される。ステップS4の判定の結果、車両が停止してからt秒以上経過していないと判定されたときには、ステップS6に進む。ステップS6では、ロックアップクラッチ解放圧が通常圧よりも高い圧に設定される。ここで設定されるロックアップクラッチ解放圧は、上記ステップS3と同じ圧力であることができる。
車両停止の直前には、車速が所定値以下でありロックアップクラッチ解放信号が必ず出力されていることから、ロックアップクラッチ解放圧が高圧に設定されており(上記ステップS2、ステップS3)、その後の車両停車後t秒以内の段階(ステップS6)では、上記ステップS3で設定されたロックアップクラッチ解放圧の圧力がそのまま高圧に保持されている状態である。但し、本実施形態では、車両が停止する際(停止の瞬間及び停止直後)にかかるG等の影響により、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に近づくことをより確実に防止するともに、ロックアップクラッチ31とフロントカバー35との間の隙間を確実に最大値に設定するために、改めてロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定し直す。上記ステップS4における「t秒」の意味は、上記第1実施形態と同じである。
一方、ステップS4の判定の結果、車両が停止してからt秒以上経過したときには、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧に設定する(ステップS5)。このステップS5は、
第1実施形態のステップS4と同様の意味である。
図3の制御フローから明らかなように、第2実施形態では、図4に示すように、車速が所定値以下の車両が停止される前の段階(少なくとも車両の停止直前の時点が含まれる)からロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定し、かつ車両停止の瞬間及び停止直後に再度、ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定し直し、車両停止後の所定時間までそれを継続させる。
第2実施形態では、車両停止の瞬間から車両等の挙動等が安定してするまで、ロックアップピストン36がフロントカバー35側に近づくことをより確実に防止するともに、ロックアップクラッチ31とフロントカバー35との間の隙間を確実に最大値に設定することができる。また、第2実施形態では、車両が停止される前の段階からロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定しておくため、車両停止の瞬間にロックアップクラッチ解放圧が高圧に設定されていない可能性(リスク)をより少なくすることができる。
第2実施形態では、車両停止前よりロックアップクラッチ解放圧が高圧に設定され、停車後は速やかに解放圧が低減されるため、引き摺り損失の低減及び停車中の油圧低減を両立し、燃費低減を図ることができる。
なお、第2実施形態のステップS2では、上記のように、通常一般の技術と同様に、車速が所定値以下のときにロックアップクラッチ解放信号が出力され、所定値を超えていればロックアップクラッチ解放信号は出力されないという構成に代えて、ロックアップクラッチ解放信号は、車速以外で車両停止の可能性の有無を判定し、その判定結果に応じて出力される構成を採用することができる。
(第3実施形態)
図5を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態において、上記第1実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
図5に示すように、第3実施形態では、図1の第1実施形態に比べて、ステップS3が追加されている。それ以外のステップは、図1と同じであるため、以下、このステップS3の意味について説明する。
一般に、車両停車中(アイドル運転中)は、燃費を抑えるために、エンジン回転数(アイドル回転数)が低く設定されている。オイルポンプからの吐出量はエンジン回転数に比例するが、この車両停車中の低く設定されたエンジン回転数では、オイルポンプ流量が不足してロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定することが難しいことが考えられる。
そこで、ステップS3に示すように、車両停車後t秒以内であってロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定すべきとき(ステップS2、S4)には、ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定するために必要なオイルポンプ流量が確保できる程度に、エンジン回転数を通常のアイドル回転数よりも高く設定することとしている(ステップS3)。第3実施形態では、ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定するときのみ、エンジン回転数を通常のアイドル回転数よりも高く設定し、燃費の低減を図る。
(第4実施形態)
図6を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態において、上記実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、上記実施形態との相違点を中心として説明する。
第4実施形態は、第2実施形態と第3実施形態とを合わせた内容に相当する。
第4実施形態では、ステップS5に示すように、車両が停車中は、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧にする前までは、エンジン回転数を通常のアイドル回転数よりも高く設定する。
(第5実施形態)
図7を参照して、第5実施形態について説明する。第5実施形態において、上記実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、上記実施形態との相違点を中心として説明する。
まず、車両が停止中か否かが判定される(ステップS1)。ステップS1の判定の結果、車両が停止中と判定されれば、ロックアップクラッチ解放圧が高圧に設定される(ステップS3)。ここで、高圧とは、上記通常圧よりも高い圧である。
一方、ステップS1の判定の結果、車両が停止中ではないと判定されれば、ステップS2に進む。ステップS2は、図3のステップS2と同様である。即ち、ステップS2では、車速が所定値以下か否かが判定され、所定値以下と判定されればロックアップクラッチ解放信号が出力され、所定値を超えていると判定されればロックアップクラッチ解放信号は出力されない。ロックアップクラッチ解放信号が出力されている場合には、ステップS4に進み、出力されていない場合には、本制御フローにおいてリターンされる。ステップS4では、ロックアップクラッチ解放圧が通常圧に設定される。
“ステップS1−No→ステップS2−Yes→ステップS4”の流れは、従来一般の技術と同様である。その従来一般の技術における車両走行中で車速が所定値以下の場合のロックアップクラッチ解放圧(上記通常圧)よりも高い圧に、車両停止中は常にロックアップクラッチ解放圧を保持しておくことが本実施形態の特徴である。
第5実施形態では、車両が停止中は常にロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定し、ロックアップクラッチ31の引き摺りトルクの発生を最大限に抑える。車両停止中は常にロックアップクラッチ解放圧を高圧にさせるためのオイルポンプの駆動に要する燃費損失よりも、車両停止中の引き摺りトルク低減効果の方が大きい場合には、第5実施形態の制御によっても燃費の低減を図ることができる。即ち、ロックアップクラッチ解放圧の上昇によるオイルポンプの駆動トルク損失分よりも、ロックアップクラッチ31の引き摺りによる損失の方が大きい場合には、車両停止の瞬間から所定時間の経過後であっても車両停車中であれば引き続き、通常圧よりも高圧の状態を継続する制御を行う。
(第6実施形態)
図8を参照して、第6実施形態について説明する。第6実施形態において、上記実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、上記実施形態との相違点を中心として説明する。
本実施形態の目的は、車両が停止しているときであって、エンジンの始動後のロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することである。
まず、車両が停車中か否かが判定される(ステップS1)。車両が停車中であると判定された場合(ステップS1−Y)、ステップS2に進む。ステップS2では、エンジンの始動後t秒以内か否かが判定される。ステップS2の判定の結果、エンジン始動後t秒以内であれば、ロックアップクラッチ解放圧が上記通常圧よりも高い圧に設定される(ステ
ップS3)。
このステップS2において、「t秒」の意味は、上記第1実施形態のステップS2の「t秒」とは異なる。即ち、このステップS2の「t秒」とは、上記「t1」に相当する時間であり、上記「t2」は考慮されない。
一方、ステップS2の判定の結果、エンジン始動後、t秒を越えていれば、ロックアップクラッチ解放圧は、上記通常圧に設定される(ステップS4)。“ステップS1−Yes→ステップS2−No→ステップS4”の流れは、従来一般の技術と同様である。その従来一般の技術における車速が所定値以下の場合のロックアップクラッチ解放圧(通常圧)よりも高い圧に、車両停止中であってエンジン始動から所定時間以内の間はロックアップクラッチ解放圧を設定することが本実施形態の特徴である。
エンジンの始動の瞬間及び始動直後に、ロックアップクラッチ解放圧を上記通常圧よりも高圧に設定し、フロントカバー35とロックアップピストン36との隙間を最大値に設定することで、エンジン始動後のアイドル状態(車両停止状態)における引き摺りトルクを最小限に抑え、燃費向上を図る。
なお、図8のフローとは異なり、車両が停止中であれば、エンジンの始動後t秒を超えていても、ロックアップクラッチ解放圧を上記通常圧よりも高圧に設定し続け、更に、アイドル状態の燃費を向上させることができる。即ち、上記第5実施形態で述べたように、車両停止中は常にロックアップクラッチ解放圧を高圧にさせるためのオイルポンプの駆動に要する燃費損失よりも、車両停止中の引き摺りトルク低減効果の方が大きい場合には、車両が停止中であれば、常に、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧よりも高圧に設定することによっても燃費の低減を図ることができる。
第6実施形態は、上記第1〜第5の実施形態と適宜組合わせることができる。車両が停止中であるときに、エンジン始動後と、車両が走行状態から停止状態に移った後の両方の時期に、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧よりも高圧にすれば、更に引き摺りトルクを低減させることができる。
(第7実施形態)
図9を参照して、第7実施形態について説明する。第7実施形態において、上記実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、上記実施形態との相違点を中心として説明する。
本実施形態の目的は、車両が停止しているときであって、自動変速機が車両停止位置から車両走行位置に変更された後のロックアップクラッチの引き摺りトルクを低減することが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することである。
まず、車両が停車中か否かが判定される(ステップS1)。車両が停車中であると判定された場合(ステップS1−Y)、ステップS2に進む。ステップS2では、自動変速機が車両停止位置(車両停止レンジ)から車両走行位置(車両走行レンジ)に変更(シフト)後t秒以内か否かが判定される。この「t秒」の意味は、上記第6実施形態と同じ意味である。ステップS2の判定の結果、変更後t秒以内であれば、ロックアップクラッチ解放圧が上記通常圧よりも高い圧に設定される(ステップS3)。
一方、ステップS2の判定の結果、変更後、t秒を越えていれば、ロックアップクラッチ解放圧は、上記通常圧に設定される(ステップS4)。“ステップS1−Yes→ステップS2−No→ステップS4”の流れは、従来一般の技術と同様である。その従来一般
の技術における上記通常圧よりも高い圧に、車両停止中であって車両停止レンジから車両走行レンジに変更してから所定時間以内の間はロックアップクラッチ解放圧を設定することが本実施形態の特徴である。
エンジン始動は、通常、車両停止レンジ(Pレンジ)で行われるが、車両停止レンジでは、自動変速機のタービンランナ26がフリーな状態であるため、引き摺りトルクの損失はそれほど問題にはならない。実質的に引き摺りトルクによる損失が問題となるのは、車両停止レンジから走行レンジ(前進・後進)に変更された後である。
このことから、実質的に引き摺りトルクによる損失が問題となる走行レンジに変更した時に、ロックアップクラッチ解放圧を上記通常圧よりも高圧に設定し、フロントカバー35とロックアップピストン36との隙間を最大値に設定することで、走行レンジに変更した後のアイドル状態(停車状態)における引き摺りトルクを最小限に抑え、燃費向上を図る。
上記において、自動変速機の車両走行位置には、変速段又は変速比を運転状態に基づいて設定する自動変速モード(いわゆるDポジション)の他に、その自動変速モードで設定される変速段又は変速比の範囲の下限値を手動操作に基づいて設定する手動変速モード(いわゆるMポジション)が含まれる。そのMポジションは、変速可能な高速側の変速段又は変速比が異なる複数の変速レンジを切り換えることにより手動変速を可能とするものであり、例えば特開2003−156133号公報や特開2001−221338号公報に示されている。上記において、例えば、シフトレバー、シフトスイッチ、シフトアーム、押しボタン、ダイヤル、スティックのようなシフト装置がシフト操作されることにより、自動変速機が車両停止位置から車両走行位置に変更される。
なお、図9のフローと異なり、車両が停止中であれば、走行レンジに変更した後t秒を超えていても、ロックアップクラッチ解放圧を上記通常圧よりも高圧に設定し続け、更に、アイドル状態の燃費を向上させることができる。即ち、上記第5及び第6実施形態で述べたように、車両停止中は常にロックアップクラッチ解放圧を高圧にさせるためのオイルポンプの駆動に要する燃費損失よりも、車両停止中の引き摺りトルク低減効果の方が大きい場合には、車両が停止中であれば、常に、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧よりも高圧に設定することによっても燃費の低減を図ることができる。
第7実施形態は、上記第1〜第5の実施形態と適宜組合わせることができる。車両が停止中であるときに、車両停止レンジから走行レンジに変更された後と、車両が走行状態から停止状態に移った後の両方の時期に、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧よりも高圧にすれば、更に引き摺りトルクを低減させることができる。
(第8実施形態)
図10を参照して、第8実施形態について説明する。第8実施形態において、上記実施形態と共通の構成についてはその説明を省略し、上記実施形態との相違点を中心として説明する。
第8実施形態は、第7実施形態と第3実施形態を合わせた内容に相当する。
第8実施形態では、ステップS3に示すように、車両が停車中は、ロックアップクラッチ解放圧を通常圧にする前までは、エンジン回転数を通常のアイドル回転数よりも高く設定する。
(第9実施形態)
図11を参照して、第9実施形態について説明する。第9実施形態において、上記実施
形態と共通の構成についてはその説明を省略し、上記実施形態との相違点を中心として説明する。
まず、車両が停車中か否かが判定される(ステップS1)。車両が停車中であると判定された場合(ステップS1−Y)、ステップS2に進む。ステップS2では、オイルポンプの油圧(元圧)が所定値以上か否かが判定される。
ステップS2の判定の結果、オイルポンプの油圧が所定値以上であれば、ロックアップクラッチ解放圧を上記通常圧よりも高圧に設定する(ステップS3)。一方、ステップS2の判定の結果、オイルポンプの油圧が所定値未満であれば、ロックアップクラッチ解放圧を上記通常圧に設定する(ステップS4)。
このステップS2では、上記第1実施形態のステップS2における「車両停止後t秒以内か」の判定条件に代えて、オイルポンプの油圧が判定条件となる。オイルポンプの油圧(吐出圧)は、エンジン回転数と相関がある場合があり、特に低回転数ほどその傾向は顕著である。車両停止の瞬間のエンジン回転数から、車両が停止してエンジン回転数がアイドル回転数にまで下がるまでの間には所定の時間がかかる。車両停止時のエンジン回転数からアイドル回転数に下がるまでに、オイルポンプの油圧は、そのエンジン回転数の推移とともに低下する。オイルポンプの油圧が所定値未満になるまでの時間が、上記第1実施形態の「t秒」に相当する場合には、図11の制御フローで上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
更に、上記第3実施形態で述べた事項と関連して、図11のステップS3でロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定する際の判定条件として、ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定できる程度のオイルポンプ流量の有無を判定するという意味においても、図11のステップS2は技術的意義を有する。
上記第1〜第9実施形態では、適宜組合わせることが可能である。適宜組合わせることで、引き摺りトルクの低減とオイルポンプの駆動力の低減の両方の作用を必要に応じた形で得ることができる。
なお、上記第1〜第9実施形態では、ロックアップピストン36を油圧で作動させることを前提としたために、ロックアップピストン36をフロントカバー35から遠ざける(両者の隙間を大きくする)ために、“ロックアップクラッチ解放圧を高圧に設定する”として説明した。油圧に代えてロックアップピストン(又はロックアップピストンと同機能部材)を作動させる他の手段(例えば電磁式など)を用いる場合には、その作動手段を用いてロックアップピストン(又はロックアップピストンと同機能部材)をフロントカバー(又はフロントカバーと同機能部材)から遠ざけるための動作が行われる。即ち、その場合には、車両走行中にロックアップクラッチをトルクコンバータのフロントカバーから離間した解放状態にするために所定の力(例えば電磁力)にて供給されるロックアップクラッチ解放力を、車両が停止しているときに少なくとも一時的に上記所定力よりも高く設定する。
本発明のロックアップクラッチの制御装置の第1実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第1実施形態の制御結果を説明するためのグラフである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第2実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第2実施形態の制御結果を説明するためのグラフである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第3実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第4実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第5実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第6実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第7実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第8実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第9実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明のロックアップクラッチの制御装置の第1実施形態が適用された車両用伝達装置のスケルトン図である。
符号の説明
21 トルクコンバータ
22 自動変速機
31 ロックアップクラッチ
32 係合側油室
33 解放側油室
34 油圧制御装置
35 フロントカバー
36 ロックアップピストン

Claims (3)

  1. 自動変速機の流体継手に用いられるロックアップクラッチの制御装置であって、
    車両走行中にロックアップクラッチを流体継手のフロントカバーから離間した解放状態にするために所定圧力にて供給されるロックアップクラッチ解放圧を、車両が停止しているときに少なくとも一時的に前記所定圧力よりも高く設定する
    ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
  2. 請求項1記載のロックアップクラッチの制御装置において、
    前記車両が停止しているときであって、車両が走行状態から停止状態に変わった後、エンジンの始動後、及び自動変速機のシフト操作位置が車両停止位置から車両走行位置に変更された後の少なくともいずれか一つの時期に、少なくとも一時的に、前記ロックアップクラッチ解放圧を前記所定圧力よりも高く設定する
    ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のロックアップクラッチの制御装置において、
    前記車両が停止しているときに一時的に前記ロックアップクラッチ解放圧を前記所定圧力よりも高い第1圧力に設定した後に前記ロックアップクラッチ解放圧を前記第1圧力よりも低い第2圧力に設定する
    ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
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