JP2005118752A - 薄膜形成方法及び液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 濡れ残りによって得られる薄膜に欠けが生じることを防止し、得られる薄膜がその機能を良好に発揮し得るようにした薄膜形成方法と、これを実施するのに好適な液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 薄膜形成材料を含有する第1の液状体を吐出する液滴吐出ヘッド5と、液滴吐出ヘッド5から吐出された第1の液状体が、基板S上の塗布領域に正常に配されたか否かを検査する検査手段7と、検査手段7によって第1の液状体が正常に配されていないと判断された場合に、この正常に配されていないと判断された塗布領域に対して薄膜形成材料を含有しない溶媒あるいは分散媒からなる第2の液状体を配するように、液滴吐出ヘッド6に対して制御信号を送出する制御部8と、を備えた液滴吐出装置1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機能性材料を有した液状体を液滴吐出法によって配し、機能性薄膜を形成する薄膜形成方法と、これを実施するのに好適な液滴吐出装置に関する。
薄膜の形成には、例えば薄膜塗布法の一つであるスピンコート法が一般的に用いられている。このスピンコート法は、塗布液を基板上に滴下した後に、基板を回転させて遠心力により基板全面に塗布を行って薄膜を形成する方法であり、回転数、回転保持時間および塗布液の粘度などにより膜厚を制御するものである。
しかしながら、このスピンコート法では、供給された塗布液の大半が飛散してしまうため、多くの塗布液を供給する必要があるとともに無駄が多く、生産コストが高くなるといった不都合があった。また、基板を回転させるため、遠心力により塗布液が内側から外側へと流動し、外周領域の膜厚が内側よりも厚くなる傾向があるため、膜厚が不均一になるといった不都合もあった。
このような背景から、近年、いわゆるインクジェット法などの液滴吐出法が提案され、この吐出法を実施するためのものとして、液滴吐出装置が提供されている。この液滴吐出装置は、所定量の液状材料を所望する位置に配することのできることから、特に機能性材料を吐出することによって機能性薄膜を形成するのに好適に用いられている。例えば、有機エレクトロルミネセンス装置(以下、有機EL装置と記す)における機能層、すなわち正孔注入層や発光層を作製するのに、この液滴吐出装置が用いられている。
ところで、有機EL装置の正孔注入層や発光層を液滴吐出装置で作製する場合、例えば予め基板上に隔壁(バンク)を形成しておき、この隔壁で仕切られた領域、すなわち画素領域(塗布領域)に液状体を吐出・充填し、その後乾燥することにより、正孔注入層や発光層となる各機能性薄膜を形成している。このとき、隔壁については、通常、液状体をその内部に保持するため、特許文献1に開示されているように表面が撥液性の状態となるような表面処理を行ったり、また、特許文献2に開示されているように撥液性を付与するための表面処理剤を塗布するといったことがなされている。
特開2000−334782号公報 特開2002−305077号公報
しかしながら、前述したような処理を行っても、液滴吐出精度が悪くなったり、隔壁で仕切られた画素領域(塗布領域)が十分な親液性を有していない場合などでは、例えば図10(a)の平面図、図10(b)の側面図に示すようにこの隔壁K内(塗布領域P)全体が液状体Lによって十分に濡れず、部分的に濡れない、いわゆる濡れ残りRが生じてしまうことがある。このような濡れ残りRが生じると、例えば前記の有機EL装置では、画素内において正孔注入層や発光層が部分的に欠けた状態となることから、画素欠陥となって表示性能を低下させる一因となってしまう。また、甚だしい場合には、正孔注入層や発光層を挟持する一対の電極が、この濡れ残りにより欠けた部分で短絡してしまうといったことも考えられる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、濡れ残りによって得られる薄膜に欠けが生じることを防止し、得られる薄膜がその機能を良好に発揮し得るようにした薄膜形成方法と、これを実施するのに好適な液滴吐出装置を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の薄膜形成方法は、親液化処理がなされて形成された塗布領域と、この塗布領域を囲んで配置され、かつ撥液化処理がなされて形成された非塗布領域と、を有する基板上の前記塗布領域に、選択的に薄膜を形成する方法であって、
前記薄膜形成材料を含有する第1の液状体を、液滴吐出法によって前記塗布領域に配する工程と、
前記塗布領域に第1の液状体が正常に配されたか否かを検査する工程と、
前記検査によって第1の液状体が正常に配されていないと判断された場合に、この正常に配されていないと判断された塗布領域に対して前記薄膜形成材料を含有しない溶媒あるいは分散媒からなる第2の液状体を液滴吐出法によって配する工程と、を備えたことを特徴としている。
この薄膜形成方法によれば、液滴吐出法によって薄膜形成材料を含有する第1の液状体を塗布領域に配した後、検査によってこれが正常に配されいないと判断された塗布領域に対して、薄膜形成材料を含有しない第2の液状体を液滴吐出法によって配するようにしたので、正常に配されておらず、濡れ残りが生じている塗布領域の濡れ残り部分に第2の液状体が配されあるいは流れ込むことで、濡れ残りがなくなる。すると、この部分に第1の液状体が流れ込み、または第1の液状体中の薄膜形成材料がここに拡散することにより、塗布領域全体に薄膜形成材料からなる薄膜が、欠けを生じることなく形成されるようになり、その機能が良好に発揮されるようになる。
また、第2の液状体は薄膜形成材料を含有していないことから、各塗布領域に配される薄膜形成材料は第1の液状体中に含まれている分だけとなり、したがって各塗布領域はほぼ同一量の薄膜形成材料が配されるようになる。よって、これから形成される薄膜はほぼ同一の厚さとなり、塗布領域間での薄膜の膜厚のばらつきが防止され、各薄膜の機能(特性)の均一化が図られる。
また、前記薄膜形成方法においては、前記第2の液状体を液滴吐出法によって配するに際して、該第2の液状体を、前記塗布領域の濡れ残り部分に選択的に配するのが好ましい。
このようにすれば、濡れ残り部分に第2の液状体が直接配されることにより、この濡れ残り部分が確実になくなり、得られる薄膜がその機能を良好に発揮し得るようになる。
また、前記薄膜形成方法においては、前記第2の液状体として、前記第1の液状体において薄膜形成材料を溶解しあるいは分散させた溶媒あるいは分散媒を、用いるのが好ましい。
このようにすれば、後から配された第2の液状体中に第1の液状体中の薄膜形成材料がより良好に拡散し易くなり、したがって得られる薄膜の膜厚均一化による機能(特性)向上が図られる。
また、前記薄膜形成方法においては、前記第1の液状体を液滴吐出法によって配する工程の後で、前記第2の液状体を液滴吐出法によって配する工程の前に、前記基板の薄膜を形成する側の面に、プラズマ照射処理を行う工程を備えているのが好ましい。
このようにすれば、第1の液状体が正常に配されておらず、塗布領域に濡れ残りが生じている場合に、例えば酸素プラズマ照射処理などのプラズマ照射処理によってこの濡れ残り部分を再度親液化することができ、したがって後工程で第2の液状体を配した際、この濡れ残り部分に第2の液状体がより濡れ易くなる。
また、前記薄膜形成方法においては、前記非塗布領域は、前記塗布領域と塗布領域との間を仕切る隔壁によって形成されているのが好ましい。
このようにすれば、隔壁があることによって比較的大量の液状体を塗布領域に吐出することが可能となり、したがって液状体の吐出と乾燥を繰り返さなくても、一回の吐出・乾燥で比較的厚い膜の形成が可能となる。
また、前記薄膜形成方法においては、前記塗布領域に選択的に形成する薄膜が、有機EL装置における機能層であってもよい。
このように機能層、すなわち正孔注入層や発光層を前記の薄膜形成方法で形成すれば、得られた有機EL装置は、前述したように機能層がその機能を良好に発揮し、また塗布領域間での機能(特性)が均一化されていることにより、良好な表示特性を有するものとな
また、前記薄膜形成方法においては、前記塗布領域に選択的に形成する薄膜が、カラーフィルタであってもよい。
このようにカラーフィルタを前記の薄膜形成方法で形成すれば、このカラーフィルタを備えた表示装置は、前述したようにカラーフィルタがその機能を良好に発揮し、また塗布領域間での機能(特性)が均一化されていることにより、良好な表示特性を有するものとなる。
また、本発明の液滴吐出装置は、薄膜形成材料を含有する第1の液状体を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドから吐出された前記第1の液状体が、基板上の塗布領域に正常に配されたか否かを検査する検査手段と、
前記検査手段によって第1の液状体が正常に配されていないと判断された場合に、この正常に配されていないと判断された塗布領域に対して前記薄膜形成材料を含有しない溶媒あるいは分散媒からなる第2の液状体を配するように、液滴吐出ヘッドに対して制御信号を送出する制御部と、を備えたことを特徴としている。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドによって薄膜形成材料を含有する第1の液状体を塗布領域に配し、その後、検査手段により検査してこれが正常に配されいないと判断された塗布領域に対し、薄膜形成材料を含有しない第2の液状体を液滴吐出ヘッドによって配するよう制御部から制御信号を送出するようにしたので、正常に配されておらず、濡れ残りが生じている塗布領域の濡れ残り部分に第2の液状体が配されあるいは流れ込むことで、濡れ残りがなくなる。すると、この部分に第1の液状体が流れ込み、または第1の液状体中の薄膜形成材料がここに拡散することにより、塗布領域全体に薄膜形成材料からなる薄膜が、欠けを生じることなく形成されるようになり、その機能が良好に発揮されるようになる。
また、第2の液状体は薄膜形成材料を含有していないことから、各塗布領域に配される薄膜形成材料は第1の液状体中に含まれている分だけとなり、したがって各塗布領域はほぼ同一量の薄膜形成材料が配されるようになる。よって、これから形成される薄膜はほぼ同一の厚さとなり、塗布領域間での薄膜の膜厚のばらつきが防止され、各薄膜の機能(特性)の均一化が図られる。
また、前記液滴吐出装置においては、前記第1の液状体を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記第2の液状体を吐出する液滴吐出ヘッドの両方を、同時に備えたことを特徴としている。
このようにすれば、第1の液状体を吐出した後、検査によって第1の液状体が正常に配されていないと判断された場合に、別の液滴吐出ヘッドから直ちに第2の液状体を吐出することが可能となり、したがって生産性の向上が図られる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1、図2は、本発明の液滴吐出装置の一実施形態を示す図であって、これらの図において符号1は液滴吐出装置である。この液滴吐出装置1は、
ベース2、基板移動手段3、ヘッド移動手段4、二つの液滴吐出ヘッド5、6、検査装置7、制御部8等を有して構成されたものである。ベース2は、その上に前記基板移動手段3を設置した台である。
基板移動手段3は、ベース2上に設けられたもので、Y軸方向に沿って配置された一対のガイドレール9、9と、これらガイドレール9、9上に移動可能に設けられたステージ10とを備えて構成されたものである。この基板移動手段3には、例えばリニアモータ(図示せず)が設けられており、これによってステージ10は、ガイドレール9、9の長さ方向(Y軸方向)に沿って移動するようになっている。ステージ10は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることによって基板Sを吸着保持し、これによって基板Sを位置決めし保持するものとなっている。
ヘッド移動手段4は、ベース2の両側に立てられた複数対(本実施形態では4対)の支柱30と、一対の支柱30、30上に架設された移送梁31と、隣り合う移送梁31、31間に架け渡されたキャリッジ32とを備えて構成されたものである。移送梁31上には、前記ガイドレールと直交する方向、すなわちX軸方向に沿って走行路(図示せず)が設けられている。キャリッジ32は、リニアモータ(図示せず)等の作動によって前記走行路上をX軸方向に沿って走行し、移動するようになっている。ここで、このキャリッジ32は、走行路の長さ方向に例えば1μm単位で移動が可能になっており、このような移動は制御部8によって制御されるようになっている。
液滴吐出ヘッド5、6は、前記キャリッジ32に保持板33を介して取り付けられたもので、これら液滴吐出ヘッド5、6は、図1、2に示したように一枚の保持板33に対して複数個(図1、図2では3個)が取り付けられたことにより、液滴吐出ヘッド群を構成したものとなっている。ここで、液滴吐出ヘッド5からなるヘッド群は、後述するように第1の液状体を吐出するための第1の液滴吐出ヘッド群5Aとなっており、液滴吐出ヘッド6からなるヘッド群は、後述するように第2の液状体を吐出するための第2の液滴吐出ヘッド群6Aとなっている。なお、液滴吐出ヘッド5、6は、前記保持板33に対してその支持軸(図示せず)が回動可能に取り付けられており、これら支持軸にはモータ(図示せず)が接続されている。このような構成のもとに液滴吐出ヘッド5、6は、その周方向に回動されるようになっており、またこの回動は、前記モータを制御する制御部8によってなされるようになっている。
ここで、液滴吐出ヘッド5(6)は、図3(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部は液状材料で満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15から液状材料を噴射するためのノズル孔18が縦横に整列させられた状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16に液状材料を供給するための孔19が形成されている。
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図3(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当する液状材料が、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部の液状材料の圧力が上昇し、ノズル孔18から基板に向けて液状材料の液滴22が吐出される。
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
また、このような液滴吐出ヘッド5(6)には、図1、図2に示したように液状体を貯留する容器34がチューブ35を介してそれぞれに接続されている。これら容器34およびチューブ35は、ヘッド5(6)に液状体を供給するためのものである。ここで、第1の液滴吐出ヘッド群5Aを構成する各液滴吐出ヘッド5に接続する容器34内には、第1の液状体、すなわち液滴吐出装置1によって形成する薄膜の形成材料(固形分)と、これを溶解しあるいは分散させる溶媒あるいは分散媒とが混合された液状体が貯留されている。一方、第2の液滴吐出ヘッド群6Aを構成する各液滴吐出ヘッド6に接続する容器34内には、第2の液状体、すなわち前記第1の液状体において、薄膜の形成材料(固形分)を除いた、溶媒あるいは分散媒のみからなる液体が貯留されている。
検査装置7は、後述するように液滴吐出ヘッド5から吐出された第1の液状体が、基板S上の塗布領域に正常に配されたか否かを検査するためのもので、本発明における検査手段となるものである。この検査装置7は、前記第1の液滴吐出ヘッド群5Aと第2の液滴吐出ヘッド群6Aとの間において、隣り合う移送梁31、31間に架け渡されたキャリッジ32と、これに取り付けられたカメラ36と、このカメラ36で撮影された画像を処理する処理部37とを有して構成されたもので、前述したようにキャリッジ32が走行路(図示せず)上を走行し移動することにより、カメラ36がX軸方向に沿って移動するようになっている。
ここで、カメラ36は、多数のCCD(Charge-Coupled Devices)素子を備えてなるCCDカメラであって、液滴吐出ヘッド5から基板S上に第1の液状体を吐出した際、被吐出箇所、すなわち塗布領域上を撮影し、例えばその濃淡を予め分割した領域毎に検出するものである。また、前記処理部37はコンピューター等からなるもので、カメラ36で撮影され検出された濃淡を例えば2値化処理し、その結果から第1の液状体が正常に配されているか否かを判断するものである。
制御部8はコンピュータ等からなるもので、基板移動手段3を動作させることによって基板SのY軸方向の移動を制御するとともに、ヘッド移動手段4を動作させることによって液滴吐出ヘッド5、6およびカメラ36のX軸方向の移動を制御し、さらに液滴吐出ヘッド5からの第1の液状体の吐出を制御するものである。また、前述したように処理部37からの前記判断結果に基づき、液滴吐出ヘッド6からの第2の液状体の吐出をも制御するようになっている。
次に、このような構成の液滴吐出装置1による薄膜の形成方法に基づき、本発明の薄膜形成方法の一実施形態を説明する。この薄膜の形成方法では、特に有機EL装置の機能層、すなわち正孔注入層と発光層との形成に、前記液滴吐出装置1を用いた薄膜の形成方法を適用している。
まず、作製する有機EL装置の一例についてその概略構成を説明する。図4は、有機EL装置の一例の概略構成を示す図であって、特に表示領域の断面構造を拡大した図である。図4中符号符号50は有機EL装置、51は有機EL素子であり、各有機EL素子51は、それぞれが単一の画素を構成するものとなっている。これら有機EL素子51は、赤色の発光をなすものと緑色の発光をなすものと青色の発光をなすものとが規則的に配置されており、このような構成のもとに有機EL装置1は、フルカラー表示をなすものとなっている。
有機EL装置50、基板52上に、TFTなどの回路等が形成された回路素子部53と、機能層110が形成されたEL素子部54とが順次積層されて構成されたものである。なお、基板52上に回路素子部53までが形成された部分がアクティブマトリクス基板となっており、このようにアクティブマトリクス基板を備えていることにより、有機EL装置50はアクティブマトリクス駆動をなすものとなっている。
さらに、この有機EL装置50においては、機能層110から基板52側に発した光が、アクティブマトリクス基板、すなわち回路素子部53及び基板52を透過して、基板52の下側(観測者側)に出射される、いわゆるボトムエミッションタイプとなっている。なお、機能層110から基板52の反対側に発した光は、後述するように陰極62で反射されて、アクティブマトリクス基板(回路素子部53及び基板52)を透過して基板52の下側(観測者側)に出射されるようになっている。
回路素子部53には、基板52上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜52cが形成され、この下地保護膜52c上には多結晶シリコンからなる島状の半導体膜141が形成されている。なお、半導体膜141には、ソース領域141a及びドレイン領域141bが高濃度Pイオン打ち込みによって形成されており、また、Pが導入されなかった部分はチャネル領域141cとなっている。
さらに、回路素子部53には、下地保護膜2c及び半導体膜141を覆う透明なゲート絶縁膜142が形成され、ゲート絶縁膜142上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなるゲート電極143(走査線101)が形成され、ゲート電極143及びゲート絶縁膜142上には透明な第1層間絶縁膜144aと第2層間絶縁膜144bとが形成されている。ゲート電極143は、半導体膜141のチャネル領域141cに対応する位置に設けられている。
また、第1、第2層間絶縁膜144a、144bには、半導体膜141のソース・ドレイン領域141a、141bにそれぞれ接続されるコンタクトホール145、146が形成されており、これらコンタクトホール145、146内にはそれぞれ導電材料が埋め込まれている。
そして、第2層間絶縁膜144b上には、透明な陽極(画素電極)111が所定の形状にパターニングされて形成されており、一方のコンタクトホール145がこの陽極111に接続されている。
また、もう一方のコンタクトホール146が電源線103に接続されている。
このようにして、回路素子部53には、各陽極111に接続された薄膜トランジスタ123が形成されている。
なお、回路素子部53には、保持容量(図示せず)や他の薄膜トランジスタ(図示せず)も形成されている。
EL素子部54は、複数の陽極111…上の各々に積層された機能層110と、各陽極111及び機能層110の間に備えられて各機能層110を区画する隔壁112と、機能層110上に形成された陰極62とを主体として構成されている。
ここで、陽極111は、透明導電性材料、例えばITOによって形成されたもので、平面視略矩形にパターニングされたものである。この各陽極111…の間には隔壁112が設けられている。
隔壁112は、基板52側に形成されたSiO等からなる無機バンク112aと、この無機バンク112a上に形成された有機バンク112bとから構成されたものである。
無機バンク112aは、陽極111の周縁部上に乗上げるように形成されたもので、平面視した状態で陽極111の周囲と無機バンク112aとが平面的に重なるように配置された構造となっている。また、有機バンク112bも、平面視した状態で陽極111の一部と重なるように配置されている。
また、有機バンク112bには、この有機バンク112bで囲まれてなる開口部112cが形成されており、後述するようにこの開口部112c内に機能層の形成材料が配置され成膜されることにより、機能層110が形成されるようになっている。なお、有機バンク112bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性のある材料によって形成されている。
機能層110は、本実施形態では正孔注入層151と発光層150とから構成されている。
正孔注入層151の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、ポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを混合させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔注入/輸送層151の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
発光層150の形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。なお、本実施形態では、特にフルカラー表示を行うべく、前述したようにその発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応したものが用いられる。すなわち、発光波長帯域が赤色に対応した発光層150を有する有機EL素子51と、緑色に対応した発光層150を有する有機EL素子51と、青色に対応した発光層150を有する有機EL素子51との三つの有機EL素子51が、それぞれに階調して発光することで、有機EL装置50が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
この発光層150の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等のポリシラン系など、各種の高分子系材料が好適に用いられる。
また、これらの高分子系材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
このような有機EL素子51における各機能層110上には、陰極62が形成されている。この陰極62は、例えばCa(カルシウム)とAl(アルミニウム)との積層膜によって構成されている。
また、このような陰極12上には、例えばSiO、SiO 、SiN等からなる酸化防止用の保護層(図示せず)が設けられている。
そして、このように形成した有機EL素子10上に封止基板(図示せず)が配置され、さらに封止基板が封止樹脂(図示せず)によって接着されたことにより、有機EL装置50が構成されている。
次に、このような構成の有機EL装置50の製造方法に基づき、本発明の薄膜形成方法の一実施形態を説明する。
前記構成の有機EL装置50を製造するには、まず、従来と同様にして図5に示すように基板52上にTFT素子(薄膜トランジスタ123)や各種配線等を形成し、さらに層間絶縁膜や平坦化膜を形成することにより、アクティブマトリクス基板を形成する。
次に、このアクティブマトリクス基板上に蒸着法等によってITOを成膜し、さらにパターニングすることによって陽極111を形成する。
続いて、前記陽極111の周囲を囲むようにして基板52上にSiOからなる無機バンク112aを形成する。さらに、図6に示すようにこの無機バンク112a上に樹脂からなる有機バンク112bを形成し、これにより陽極111上に、本発明における塗布領域となる開口部112cを形成する。なお、この塗布領域となる開口部112cを囲む有機バンク112bは、本発明における非塗布領域を構成するものとなる。このような有機バンク112bに用いられる材料としては、ポリイミド、アクリル樹脂などが挙げられるが、予めフッ素元素を含有したものも使用可能である。
次いで、無機バンク112a、有機バンク112bで囲まれた開口部112c、すなわち塗布領域に対して、後に塗布する液状体に対する濡れ性を良くするための親液化処理を施す。この親液化処理としては、例えば酸素プラズマ処理が好適に採用される。このような親液化処理がなされると、特に開口部112c内に露出する陽極111および無機バンク112aは親液化される。
続いて、特に有機バンク112bについて、後に塗布する液状体に対する濡れ性を悪くするための撥液化処理を行う。この撥液化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CFプラズマ処理法)が好適に採用される。CFプラズマ処理の条件としては、例えばプラズマパワーが50〜1000kW、4フッ化メタンガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基体搬送速度が0.5〜1020mm/sec、基体温度が70〜90℃とされる。なお、処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。このような撥液化処理を行うことにより、樹脂からなる有機バンク112bはその表面がフッ素化され、これによって撥液化される。
ここで、前記の開口部112c内に露出する陽極111および無機バンク112aは、共に無機物であり、表面がフッ素化されないことから、撥液化されることなく、親液性の状態に保持される。
なお、このような基板52上の塗布領域や非塗布領域の濡れ性の制御するための方法としては、例えば自己組織化膜を形成する方法を採用することもできる。
次いで、前記の液滴吐出装置1によって正孔注入層の形成材料を含有する液状体(第1の液状体)を、塗布領域である前記開口部112c内に選択的に配する。すなわち、図7のフローチャートに示すように、制御部8によって第1の液滴吐出ヘッド群5Aを動作させ、基板52上の開口部112c内に第1の液状体を選択的に吐出し配置する。なお、この工程をステップ1(図7中ではST1と記す(以下同様))の吐出処理とする。
このとき、前記の親液化処理や撥液化処理が部分的になされていない箇所があったり、液滴吐出ヘッド5の吐出不良などに起因して、塗布領域に図10(a)、(b)に示したような濡れ残りRが生じることがある。そこで、前述したように正孔注入層を形成する全ての塗布領域(開口部112c)に第1の液状体を配したら、制御部8によって基板移動手段3、ヘッド移動手段4を動作させ、基板52を検査装置7のカメラ36の下方にまで移動させる。
そして、カメラ36によって全ての塗布領域を撮影し、その結果を信号として処理部37に出力する。以上の工程をステップ2の検査処理とする。
カメラ36からの出力を受けた処理部37では、例えば塗布領域となる各開口部112cを予め多数の領域に分割しておき、各領域毎に撮影された画像を解析して2値化処理し、その結果から第1の液状体が正常に配されているか否かを判断する。2値化処理の手法としては、例えば液が正常に配されている場合と、液が配されておらず、濡れ残りとなっている場合とで撮影された画像に光の濃淡差が生じることを利用し、この撮影された画像の濃淡の度合いから2値化処理を行う。すなわち、光の濃淡にある基準を設けておき、例えばその基準より濃い場合には液状体が正常に配されているとして「0」とし、基準より淡い場合には液状体が正常に配されていないとして「1」とする。そして、この処理部37では各塗布領域(開口部112c)のそれぞれの分割した各領域毎に、カメラ36からの撮影結果を解析して2値化処理し、「0」「1」を付す。これにより、処理部37は前記の各領域毎に、正常に液状体が配されたか否かを判断し、その判断結果を制御部8に出力する。以上の工程をステップ3の判定処理とする。
処理部37からの判断処理結果を入力した制御部8は、特に正常に配されていないと判断された領域について、ここに選択的に第2の液状体を配するよう、まず、基板移動手段3、ヘッド移動手段4を動作させ、基板52を第2の液滴吐出ヘッド群6Aの下方にまで移動させる。続いて、第2の液滴吐出ヘッド群6Aに対して、第2の液状体、すなわち前記第1の液状体において、正孔注入層の形成材料(固形分)を除いた溶媒あるいは分散媒のみからなる液状体を、正常に配されていないと判断された領域に対して選択的に吐出させるように指示する。
このようにして正常に配されていないと判断された領域、すなわち濡れ残りとなっている領域に対して選択的に第2の液状体を配すると、濡れ残り部分に第2の液状体が配されあるいは流れ込むことにより、濡れ残りがなくなる。すると、この部分に第1の液状体が流れ込み、または第1の液状体中の正孔注入層形成材料がここに拡散することにより、塗布領域全体に正孔注入層形成材料からなる薄膜が、欠け等の欠陥を生じることなく形成されるようになる。
また、第2の液状体は正孔注入層形成材料を含有していないことから、各塗布領域に配される正孔注入層形成材料は第1の液状体中に含まれている分だけとなり、したがって各塗布領域はほぼ同一量の正孔注入層形成材料が配されるようになる。その結果、形成される正孔注入層はほぼ同一の厚さとなり、塗布領域間での膜厚のばらつきが防止される。
以上の工程をステップ4のリペア処理とする。
このようにして正孔注入層形成用の液状体(第1の液状体および第2の液状体)を開口部112c内に吐出し配置したら、さらに乾燥処理、焼成処理を行うことにより、図8に示すように正孔注入層151を形成する。以上の工程をステップ5の乾燥処理とする。
なお、前記の判定処理(ST3)において、全ての塗布領域の分割された各領域において全て正常に配されていると判断された場合には、前記のリペア処理(ST4)を行うことなく、乾燥処理(ST5)を行うようにする。
次いで、図9に示すように前記開口部112c内の正孔注入層151上に発光層150を形成する。これら発光層150の形成においても、前記の液滴吐出装置1を用い、特に図7に示したフローチャートに基づき、第1の液状体を吐出した後、これが正常に配置されたか否かを検査によって判定し、その後、検査結果に基づいて必要に応じリペア処理を行うようにする。
なお、発光層150の形成では、赤、緑、青の各色毎に作り分ける必要がある。したがって、前記液滴吐出装置1を用い、各色毎に図7に示したフローチャートに基づく工程を繰り返し、赤、緑、青の発光層150をそれぞれ形成する。
次いで、各発光層150の上にCa、Alを蒸着法等によって成膜積層し、陰極62を形成する。
その後、陰極62上に保護層、封止樹脂を形成し、さらに封止基板を貼設することにより、図4に示した有機EL装置50を得る。
このような液滴吐出装置1による機能層(正孔注入層151、発光層150)の形成方法にあっては、第1の液状体を塗布領域に配した後、検査によってこれが正常に配されいないと判断された塗布領域(開口部112c)に対して、第2の液状体を選択的に配するようにしたので、濡れ残り部分に第2の液状体が配されあるいは流れ込むことで、濡れ残りがなくなる。すると、この部分に第1の液状体が流れ込み、または第1の液状体中の正孔注入層形成材料がここに拡散することにより、塗布領域全体に形成材料からなる薄膜が、欠け等の欠陥を生じることなく形成されるようになる。したがって、得られた機能層は、その機能が良好に発揮されるようになり、もちろん機能層の欠落による陽極111と陰極62との短絡も確実に防止される。
また、第2の液状体は薄膜形成材料、すなわち正孔注入層形成材料や発光層形成材料を含有していないことから、各塗布領域に配される薄膜形成材料は第1の液状体中に含まれている分だけとなり、したがって各塗布領域はほぼ同一量の薄膜形成材料が配されるようになる。その結果、形成される正孔注入層や発光層はそれぞれほぼ同一の厚さとなり、塗布領域間での膜厚のばらつきが防止される。したがって、得られた機能層は各塗布領域毎、すなわち各画素毎にその機能(特性)が均一化されたものとなり、表示特性が向上したものとなる。
なお、この薄膜形成の方法の実施形態では、検査によって第1の液状体が正常に配置されていないと判断された場合に、直ちに第2の液状体の吐出(リペア処理)を行うようにしたが、このリペア処理に先立ち、塗布領域側に例えば酸素プラズマ照射処理を行うようにしてもよい。このような酸素プラズマ照射処理を行えば、塗布領域に濡れ残りが生じている場合に、この濡れ残り部分を再度親液化することができ、したがって後に第2の液状体を配した際、この濡れ残り部分を第2の液状体がより濡れ易くなるようにすることができる。
また、前記実施形態では、前記第2の液状体として、前記第1の液状体において薄膜形成材料を溶解しあるいは分散させた溶媒あるいは分散媒を、そのまま用いるようにしたが、例えば第1の液状体の溶媒あるいは分散媒を用いるのでなく、他の溶媒、例えば濡れ残り部分に対してより良好に濡れる性質を有したようなものや、界面活性剤などを添加して濡れ性を向上させたものなどをもちいてもよい。
また、前記実施形態では、前記第2の液状体を液滴吐出法によって配するに際して、該第2の液状体を、前記塗布領域の濡れ残り部分に選択的に配するようにしたが、特に塗布領域が狭い場合や、液滴吐出ヘッドからの一回の吐出量が塗布領域の面積に比べて相対的に多い場合などでは、単に塗布領域に向けて吐出を行うようにしてもよい。このようにしても、吐出された液滴が濡れ残り部分に流れて濡れ残りを無くし、得られる薄膜に欠け等が生じるのを防止することができる。
また、前記実施形態では、前記非塗布領域を、前記塗布領域と塗布領域との間を仕切る隔壁によって形成したが、本発明はこれに限定されることなく、単に基板上に親液化処理部分(塗布領域)とこれを囲んだ撥液化処理部分(非塗布領域)とを形成し、親液化処理部分に液状体を選択的に配するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、特に本発明の薄膜形成方法を、有機EL装置の機能層の形成に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、前記機能層以外の任意の薄膜の形成に適用可能である。例えば、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタの製造にも、本発明の薄膜形成方法、すなわち図1に示したような本発明の液滴吐出装置1を用いた方法が適用可能である。
また、前記実施形態では、図7に示すリペア処理を行った後、直ちに乾燥処理、焼成処理を行うようにしたが、再度検査処理(ST2)を行い、その判定(ST3)によっては再度リペア処理(ST4)を行うようにしてもよい。
また、前記液滴吐出装置1では、第1の液状体を吐出するための液滴吐出ヘッド5と、第2の液状体を吐出するための液滴吐出ヘッド6とを両方同時に備えるようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば一つの液滴吐出ヘッド(あるいは一組の液滴吐出ヘッド群)に対して第1の液状体と第2の液状体のいずれか一方を、三方弁などの切換手段によって選択的に供給できるようにしてもよく、また、一つの液滴吐出ヘッド内の流路を分け、第1の液状体と第2の液状体が別々のノズルから吐出できるようにしてもよく、さらには、第1の液状体を吐出するための液滴吐出ヘッド5をその走行路からとり外し、この走行路に第2の液状体を吐出するための液滴吐出ヘッド6を取り付けてその吐出を行わせるようにしてもよい。
さらに、前記液滴吐出装置1では、検査手段の構成要素としてCCDカメラを用いたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば開口部112c内の第1の液状体が吐出配置された面にレーザー光を照射し、その反射光を受光することなどによって第1の液状体からなる膜の厚さを検出する、装置構成としてもよい。このような装置構成にすれば、検出された膜厚が基準値より異常に薄い場合に、この検出箇所が膜形成されていない濡れ残り箇所であるとし、液状体が正常に配されていないと判断することができる。
本発明の液滴吐出装置の一実施形態の概略構成を示す平面図である。 図1に示した液滴吐出装置の側面図である。 (a)、(b)は液滴吐出ヘッドの概略構成を説明するための図である。 有機EL装置の一例の概略構成を示す要部側断面図である。 図4に示した有機EL装置の製造工程説明図である。 図4に示した有機EL装置の製造工程説明図である。 機能層形成のフローチャート図である。 図4に示した有機EL装置の製造工程説明図である。 図4に示した有機EL装置の製造工程説明図である。 (a)、(b)は隔壁内(塗布領域)での濡れ残りを示す図である。
符号の説明
1…液滴吐出装置、5、6…液滴吐出ヘッド、7…検査装置(検査手段)、
8…制御部、S…基板

Claims (9)

  1. 親液化処理がなされて形成された塗布領域と、この塗布領域を囲んで配置され、かつ撥液化処理がなされて形成された非塗布領域と、を有する基板上の前記塗布領域に、選択的に薄膜を形成する方法であって、
    前記薄膜形成材料を含有する第1の液状体を、液滴吐出法によって前記塗布領域に配する工程と、
    前記塗布領域に第1の液状体が正常に配されたか否かを検査する工程と、
    前記検査によって第1の液状体が正常に配されていないと判断された場合に、この正常に配されていないと判断された塗布領域に対して前記薄膜形成材料を含有しない溶媒あるいは分散媒からなる第2の液状体を液滴吐出法によって配する工程と、を備えたことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 前記第2の液状体を液滴吐出法によって配するに際して、該第2の液状体を、前記塗布領域の濡れ残り部分に選択的に配することを特徴とする請求項1記載の薄膜形成方法。
  3. 前記第2の液状体として、前記第1の液状体において薄膜形成材料を溶解しあるいは分散させた溶媒あるいは分散媒を、用いることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜形成方法。
  4. 前記第1の液状体を液滴吐出法によって配する工程の後で、前記第2の液状体を液滴吐出法によって配する工程の前に、前記基板の薄膜を形成する側の面に、プラズマ照射処理を行う工程を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
  5. 前記非塗布領域は、前記塗布領域と塗布領域との間を仕切る隔壁によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
  6. 前記塗布領域に選択的に形成する薄膜が、有機EL装置における機能層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
  7. 前記塗布領域に選択的に形成する薄膜が、カラーフィルタであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
  8. 薄膜形成材料を含有する第1の液状体を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドから吐出された前記第1の液状体が、基板上の塗布領域に正常に配されたか否かを検査する検査手段と、
    前記検査手段によって第1の液状体が正常に配されていないと判断された場合に、この正常に配されていないと判断された塗布領域に対して前記薄膜形成材料を含有しない溶媒あるいは分散媒からなる第2の液状体を配するように、液滴吐出ヘッドに対して制御信号を送出する制御部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 前記第1の液状体を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記第2の液状体を吐出する液滴吐出ヘッドの両方を、同時に備えたことを特徴とする請求項8記載の液滴吐出装置。
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