JP2005117840A - モータ駆動装置 - Google Patents

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晶久 上野
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Abstract

【課題】 モータ駆動装置における逆転検知手段において、従来の回路形式ではモータからの位置検出信号や通電切換信号にノイズが乗った場合、モータが正確に正転もしくは逆転しているかどうかを判別できないという課題を有していた。
【解決手段】 誤動作の原因となる通電切換信号a,b,cをノイズレス通電切換信号hに変換して逆転検知信号生成手段12に供給するノイズ除去手段58と、ノイズの原因となるモータ巻線を駆動するスイッチング電流と、ノイズ除去タイミング信号とのタイミングが重ならないように、スイッチング信号eを遅延させた遅延信号iを生成する遅延信号生成手段13とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータの逆転を検知して前記モータの駆動を制御する逆転検知手段付きのモータ駆動装置に関するものである。
図4は従来の逆転検知手段を有するモータ駆動装置を示す。
101は位置検出手段、102は位置検出手段から位置検出信号を受けて通電切換信号を生成する通電切換信号生成手段、103は通電切換信号をスイッチング信号に変換するスイッチング信号生成手段、104,105,106はモータに電力を供給する出力部、107は出力部104,105,106で構成されたモータを駆動する出力段、108,109,110はモータのコイル、111はモータ、112は逆転検知信号生成手段で、通電切換信号a,b,cから正または逆転方向であるかを判別し、逆転であると判別した場合には逆転検知信号dを生成する。
図4を用いて具体的に説明する。
位置検出手段101は、モータ111のロータとモータの巻線との相対位置を例えばホール素子等を使用して検出し、位置検出信号として出力する。
通電切換信号生成手段102は、位置検出信号を最適な位相に調整し、120度ずつ位相差をもった通電切換信号a,b,cを出力する。
スイッチング信号生成手段103は、通電切換信号a,b,cに応じて逆転検知信号dがLowである場合、前記モータ111をスイッチング駆動するためのPWM信号を生成し、逆に逆転検知信号dがHighである場合、前記PWM信号を生成せず出力段107を遮断する論理の出力信号を生成する。
逆転検知信号dは、逆転検知信号生成手段112によって前記通電切換信号a,b,cを論理合成して出力されるものであり、これは、正転しているモータ111に逆転ブレーキを掛けたときにモータ111に逆転方向のトルクが掛かり過ぎるとモータ111が逆転するのだが、その逆転状態を検知し前記スイッチング信号生成手段103に対してモータ111への電力供給を遮断させる命令を示す信号である。
逆転検知信号生成手段112は図5に示すように、Dフリップフロップ131,132,133と、NORゲート134で構成されている。図6はモータが通常回転、つまり、正転方向に回転しているときの逆転検知信号生成手段の回路動作を表したものであり、図7はモータが逆転方向に回転するときの回路動作を表したものである。
図5と図6において3相の通電切換信号a,b,cは、通電切換信号bの立ち上がりで通電切換信号aをラッチするDフリップフロップ131と、通電切換信号cの立ち上がりで通電切換信号bをラッチするDフリップフロップ132と、通電切換信号aの立ち上がりで通電切換信号cをラッチするDフリップフロップ133に入力される。
正転方向である場合は、Dフリップフロップ131の動作を例にとると、通電切換信号b、つまりCLKの立ち上がりのタイミングにおいて「aがHigh」(=「DがHigh」)であるのでそのまま出力QにHighが出力される。Dフリップフロップ132,133も同じ動作であるため説明を省略する。
Dフリップフロップ131〜133のいずれかの出力QがHighとなると、NORゲート134の入力の一つがHighとなり、出力d(逆転検知信号)はLowとなる。また、逆転方向である場合は、正転方向のときと通電切換信号の位相が異なり正転状態では信号の立ち上がり順番がa→b→cの順番(図6)に位相が変化していたのに対し、逆転状態ではa→c→bの順番(図7)に位相が変化する。ここでもDフリップフロップ131の動作を例にとると、通電切換信号bつまりCLKの立ち上がりのタイミングにおいて「aがLow」(=「DがLow」)であるのでそのまま出力QにLowが出力される。Dフリップフロップ132,133も同じ動作であるため説明を省略する。
Dフリップフロップ131〜133の出力QがすべてLowとなると、NORゲート134の入力のすべてがLowとなるので出力dはHighとなる。このとき、前記スイッチング信号生成手段は出力を遮断する論理の信号を生成し、モータは出力から電力の供給を受けない期間を経て停止する。
特開平7−250494号公報
しかしながら従来の構成では、出力段107がスイッチング駆動する際、モータ111のコイルに大電流、大振幅電圧の電力を位置検出信号や通電切換信号に比べて十分速い周波数でパルス的に供給(PWM駆動)することで、パルスの立上りまたは立下りのタイミングにおいてモータ駆動装置の電源、GNDを揺らし、位置検出信号や通電切換信号へのノイズとして表れる。
このノイズが、モータ駆動装置の基板やモータ配線から位置検出信号や通電切換信号に回り込んだ場合、逆転検知信号生成手段112は、本来、通電切換信号の立上りエッジのタイミングがa→b→cの順番で正転、a→c→bの順番で逆転と認識しているが、前記ノイズによって本来の挙動と違うタイミングでノイズの立ち上がりエッジが入り、正転時に逆転もしくは逆転時に正転と誤認識してしまうという課題を有している。
本発明は、前記ノイズの影響によって正転時と逆転時を誤認識することがない信頼性の高いモータ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、モータのロータと巻線との相対位置を検出して位置信号を出力する位置検出手段と、前記位置信号に基づいて前記モータに順次通電するための通電切換信号を出力する通電切換信号生成手段と、前記通電切換信号に応じてスイッチング信号を生成するスイッチング信号生成手段と、前記スイッチング信号の立上りと立下りエッジから一定期間の幅を持つエッジ検出信号を作成し合成してノイズ除去タイミング信号を生成し、前記通電切換信号と前記ノイズ除去タイミング信号からノイズレス通電切換信号を生成するノイズ除去手段と、前記ノイズレス通電切換信号から逆転検知信号を生成する逆転検知信号生成手段と、前記ノイズ除去タイミング信号のマスク時間内に前記遅延信号の立上り立下りタイミングが入るように前記スイッチング信号を一定期間遅らせた遅延信号を生成する遅延信号生成手段と、前記遅延信号によりモータの前記巻線に電力を供給する出力段と、を設け、前記逆転検知信号によって前記スイッチング信号生成手段を制御するよう構成したことを特徴とする。
また、前記ノイズ除去手段は、前記スイッチング信号の立上りと立下りエッジから一定期間の幅を持つエッジ検出信号を出力するエッジ検出信号生成手段と、前記エッジ検出信号を合成してノイズ除去タイミング信号を生成する信号合成手段と、前記通電切換信号と前記ノイズ除去タイミング信号からノイズレス通電切換信号を生成するノイズレス通電切換信号生成手段とを有しており、前記ノイズレス通電切換信号を前記逆転検知信号生成手段の入力信号としたことを特徴とする。
また、前記ノイズレス通電切換信号生成手段は、前記通電切換信号からノイズ成分を減衰させるローパスフィルタを有していることを特徴とする。
本発明によれば、モータをスイッチング駆動することによるノイズが逆転検知信号生成手段に入力される通電切換信号に乗ったとしても誤認識することなく正転方向、逆転方向を検知することが可能になる。このため、モータの駆動において正転時にモータに電力が供給されなくなったり、逆転時にモータに電力を供給してしまうといった誤動作を起こさせない効果がある。
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1と図2は本発明の(実施の形態1)を示す。
図1は本発明のモータ駆動装置で、遅延信号生成手段13とノイズ除去手段58とが追加されている点が従来例を示した図4とは異なっている。
1は位置検出手段、2は前記位置検出手段1から位置検出信号を受けて通電切換信号a,b,cを生成する通電切換信号生成手段、3は通電切換信号a,b,cをスイッチング信号eに変換するスイッチング信号生成手段、4,5,6はモータに電力を供給する出力部、8は出力部4,5,6で構成されたモータを駆動する出力段、8,9,10はモータのコイル、11はモータ、12は通電切換信号から正または逆転方向であるかを判別し逆転であると判別した場合、逆転検知信号dを生成する逆転検知信号生成手段である。
この図1の位置検出手段1,通電切換信号生成手段2,スイッチング信号生成手段3,出力段7,モータ11,逆転検知信号生成手段12は、それぞれ従来例を示した図4における位置検出手段101,通電切換信号生成手段102,スイッチング信号生成手段103,出力段107,モータ111,逆転検知信号生成手段112と同一である。
図1において、スイッチング信号生成手段3と出力段7との間に介装された遅延信号生成手段は、スイッチング信号生成手段3が発生するスイッチング信号eを一定時間遅らせた遅延信号iを生成する。
さらに、前記スイッチング信号eと前記通電切換信号a,b,cを入力信号として前記逆転検知信号生成手段12へ入力信号を出力するノイズ除去手段58は、ノイズ除去タイミング信号生成手段53とノイズレス通電切換信号生成手段57とで構成されている。
前記ノイズ除去タイミング信号生成手段53は、前記スイッチング信号生成手段3で生成したスイッチング信号eの立上り立下りエッジを検出しエッジ検出信号fを生成するエッジ検出信号生成手段51と、エッジ検出信号生成手段51が出力する各エッジ検出信号fを合成しすべてのエッジタイミングから一定の幅を持ったノイズ除去タイミング信号gを生成する信号合成手段52から構成されている。
前記ノイズレス通電切換信号生成手段57は、サンプリング回路54,55,56にて前記ノイズ除去タイミング信号gのタイミングで通電切換信号a,b,cをサンプリングしノイズレス通電切換信号hを生成する。
58はノイズ除去手段で、前記ノイズ除去タイミング信号生成手段53と前記ノイズレス通電切換信号生成手段57から構成されている。
図2は、図1における信号a,e,f,g,h,iのタイミングチャートであり、aは通電切換信号、eはスイッチング信号、fは前記スイッチング信号の立上り下りエッジを検出したエッジ検出信号、gは前記エッジ検出信号を合成し、すべてのエッジタイミングから一定の幅を持たせたノイズ除去タイミング信号、hは前記通電切換信号を前記ノイズ除去タイミング信号でノイズ除去したノイズレス通電切換信号、iは前記スイッチング信号を一定時間遅らせた遅延信号である。
ノイズ除去タイミング信号生成手段53において、エッジ検出信号生成手段51は、複数相のスイッチング信号(信号e)の立上りと立下りエッジを検出し、エッジ検出信号(信号f)を生成し、複数相すべての前記エッジ検出信号を信号合成手段52にて合成し、前記エッジ検出信号fの立上りエッジからある一定の時間幅(以下、マスク時間と呼ぶ)を持たせ、それぞれの信号が重なった場合は論理和を取ってノイズ除去タイミング信号(信号g)が生成される。
遅延信号生成手段13は、そこで生成される遅延信号(信号i)の切換タイミングが位置検出信号や通電切換信号へのノイズとなりうるため、ノイズ除去タイミング信号が持つマスク時間内に立上り立下りタイミングが入るように遅延信号(信号i)を生成する。
ノイズレス通電切換信号生成手段57では、サンプリング回路54,55,56にて前記ノイズ除去タイミング信号の立下りエッジに応じて通電切換信号(信号a)をサンプリングすることにより、ノイズレス通電切換信号(信号h)を生成する。ノイズレス通電切換信号が生成された後の逆転検知信号生成手段12の動作については、従来例の113の動作と同じであるため省略する。
このようにして、逆転検知信号生成手段12にはノイズレスのノイズレス通電切換信号(信号h)が入力されることになって、モータ11の安定な動作を期待できる。
(実施の形態2)
図3は本発明の(実施の形態2)を示し、図1に示した(実施の形態1)のサンプリング回路54,55,56への前記通電切換信号a,b,cの入力ラインにローパスフィルタ59,60,61が介装されている点だけが異なっている。
このようにローパスフィルタ59,60,61によって前記通電切換信号a,b,cから不要信号周波数を除去した信号をサンプリング回路54,55,56でサンプリングするため、(実施の形態1)よりも通電切換信号のノイズを低減したノイズレス通電切換信号を得られ、モータ11の安定した動作を期待できる。
なお、ローパスフィルタ59,60,61のカットオフ周波数は、固定または運転モードに応じてコントロールすることによってモータ11のより一層安定した動作を期待できる。
本発明は、逆転ブレーキ機能を有するモータ駆動装置等に有用であり、DVD、コンパクトディスク、HDD等のディスク装置に用いられるモータ駆動装置をブレーキ制御する時の誤動作を防止するができる。
本発明の(実施の形態1)におけるモータ駆動装置の構成図 同実施の形態の各信号のタイミングチャート 本発明の(実施の形態2)におけるモータ駆動装置の構成図 従来のモータ駆動装置の構成図 同従来例の逆転検知信号生成手段の具体的な構成図 同従来例の正転時の逆転検知信号生成手段のタイミングチャート 同従来例の逆転時の逆転検知信号生成手段のタイミングチャート
符号の説明
1,101 位置検出手段
2,102 通電切換信号生成手段
3,103 スイッチング信号生成手段
4,5,6,104,105,106 出力部
7,107 出力段
8,9,10,108,109,110 モータ巻線
11,111 モータ
12,112 逆転検知信号生成手段
13 遅延信号生成手段
51 エッジ検出信号生成手段
52 信号合成手段
53 ノイズ除去タイミング信号生成手段
54,55,56 サンプリング回路
57 ノイズレス通電切換信号生成手段
58 ノイズ除去手段
59,60,61 ローパスフィルタ
131,132,133 Dフリップフロップ
134 NORゲート
a,b,c 通電切換信号
d 逆転検知信号
e スイッチング信号
f エッジ検出信号
g ノイズ除去タイミング信号
h ノイズレス通電切換信号
i 遅延信号
D Dフリップフロップの入力信号
CLK Dフリップフロップのクロック信号
Q Dフリップフロップの出力

Claims (3)

  1. モータのロータと巻線との相対位置を検出して位置信号を出力する位置検出手段と、
    前記位置信号に基づいて前記モータに順次通電するための通電切換信号を出力する通電切換信号生成手段と、
    前記通電切換信号に応じてスイッチング信号を生成するスイッチング信号生成手段と、
    前記スイッチング信号の立上りと立下りエッジから一定期間の幅を持つエッジ検出信号を作成し合成してノイズ除去タイミング信号を生成し、前記通電切換信号と前記ノイズ除去タイミング信号からノイズレス通電切換信号を生成するノイズ除去手段と、
    前記ノイズレス通電切換信号から逆転検知信号を生成する逆転検知信号生成手段と、
    前記ノイズ除去タイミング信号のマスク時間内に前記遅延信号の立上り立下りタイミングが入るように前記スイッチング信号を一定期間遅らせた遅延信号を生成する遅延信号生成手段と、
    前記遅延信号によりモータの前記巻線に電力を供給する出力段と、
    を設け、前記逆転検知信号によって前記スイッチング信号生成手段を制御するよう構成したモータ駆動装置。
  2. ノイズ除去手段は、
    前記スイッチング信号の立上りと立下りエッジから一定期間の幅を持つエッジ検出信号を出力するエッジ検出信号生成手段と、
    前記エッジ検出信号を合成してノイズ除去タイミング信号を生成する信号合成手段と、
    前記通電切換信号と前記ノイズ除去タイミング信号からノイズレス通電切換信号を生成するノイズレス通電切換信号生成手段と
    を有しており、前記ノイズレス通電切換信号を前記逆転検知信号生成手段の入力信号としたことを特徴とする
    請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. ノイズレス通電切換信号生成手段は、前記通電切換信号からノイズ成分を減衰させるローパスフィルタを有していることを特徴とする
    請求項2記載のモータ駆動装置。
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