本発明の実施の一形態について図1から図13に基づいて説明する。
1.装置構成
図1は、本発明に係る記録再生装置100の構成を示したブロック図である。記録再生装置100は、例えば、動画及び静止画の撮影が可能なカメラや、音声の収録が可能なマイクなどが一体化されたデジタルビデオカメラ一体型の記録再生装置である。
記録再生装置100は、出力制御部101、出力部102、メモリ103、同期システム104、画像・音声入力部105、記録・読取部107、システムコントローラ108、操作部109、デマルチプレクサ110、マルチプレクサ111、ビデオコーデック112、オーデオコーデック113、静止画コーデック114、バス115を備えている。
出力制御部101は、システムコントローラ108からの指示に基づき、出力部102を制御して所定の出力を行う。出力部102は、液晶パネル等の表示部と、スピーカ等の音声出力部とを備えており、出力制御部101の制御に基づいて画面の表示や音声の出力を行う。なお、本実施形態では、説明の便宜上、表示部と音声出力部とを出力部102とし、これらの制御部を出力制御部101として説明しているが、実際には、表示に関連する構成部材と音声出力に関連する構成部材とは別々に構成されているのが一般的である。
画像・音声入力部105は、レンズやCCDなどを備えたデジタル式のカメラによって構成される画像入力部と、マイク等のなどによって構成される音声入力部とを備えている。そして、画像・音声入力部105は、撮影した画像や収録した音声に応じた動画データ、静止画データ、音声データを生成する。なお、同期システム104は、画像・音声入力部105によって生成された動画データと音声データとを同期させるものである。
メモリ103は、画像・音声入力部105によって生成された動画データと音声データを処理する際に、これらのデータを一時的に記憶するものである。
ビデオコーデック112、オーデオコーデック113、及び静止画コーデック114は、それぞれ、画像・音声入力部105によって生成された動画データ、音声データ、及び静止画データの符号化・復号化処理を行う。
デマルチプレクサ110及びマルチプレクサ111は、それぞれ、符号化されたAVデータ(動画データ、音声データ)の分離、多重化を行う。
記録・読取部107は、ランダムアクセス可能な記録媒体であるディスク106に対して情報の読み書きを行う。ディスク106は、例えば、フレキシブルディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやMO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクである。なお、ディスク106の代わりに、ICカード/光カード等のカードを用いることもできる。
システムコントローラ108は、記録再生装置100全体を制御することにより、例えば、動画撮影や静止画撮影などの処理を行う。なお、図1では、システムコントローラ108の構成として、動画撮影処理部31及び静止画撮影処理部32のみを図示しているが、システムコントローラ108の特徴的な構成については、後述する図5に基づいて詳しく説明する。
操作部109は、動画撮影ボタンや静止画撮影ボタンなどの各種ボタン、スイッチ等のユーザインターフェースを備えている。したがって、記録再生装置100のユーザは、操作部109を操作することによって、記録再生装置100の種々の動作や処理を操作する。
なお、記録再生装置100における各種データや信号、各部間の命令の受け渡しなどは、バス115を介して行われる。
2.記録処理
次に、記録再生装置100における画像や音声の記録処理について説明する。
2−1.動画撮影処理
まず、動画を撮影して記録する動画撮影処理について説明する。なお、本実施形態において「動画撮影」というときは、特に断らない限り、音声の収録をともなった動画撮影を意味する。
動画撮影は、記録再生装置100の利用者が操作部109の動画撮影ボタンを押下して、記録再生装置100に対して動画撮影開始を指示することにより、開始される。動画撮影が開始されると、システムコントローラ108の動画撮影処理部31は、各部を動作させることにより、次の動画撮影処理を行う。
まず、動画撮影処理部31は、画像・音声入力部105の動作を開始させることにより、動画データ及び音声データの生成を開始させる。そして、動画撮影処理部31は、生成された動画データ及び音声データを、一旦メモリ103に書き込む。
そして、動画撮影処理部31は、メモリ103に書き込んだ動画データ及び音声データを、それぞれビデオコーデック112及びオーデオコーデック113へ転送する。ビデオコーデック112及びオーデオコーデック113は、それぞれ動画データ及び音声データを圧縮符号化し、再度メモリ103へ書き込む。本実施形態では、動画データ及び音声データの圧縮符号化方式としてMPEG−2を用いるものとするが、他の圧縮符号化方式を用いてもよい。
そして、動画撮影処理部31は、圧縮符号化後の動画データ及び音声データを、マルチプレクサ111へ転送する。マルチプレクサ111は、動画データ及び音声データをAV多重化することにより、AVデータを生成し、これを再度メモリ103に書き込む。
そして、動画撮影処理部31は、AVデータに対して、図示しない誤り訂正回路において誤り訂正符号を付加させた後、記録・読取部107を介してディスク106に記録させる。
なお、動画撮影処理部31は、AVデータをディスク106に記録するために、予めディスク106にそのAVデータを格納するためのAVファイルを作成しておく。
また、動画撮影処理部31は、動画撮影が終了し、AVデータの記録が完了した後に、そのAVデータの管理情報を生成し、ディスク106に記録する。管理情報とは、AVファイルの作成日時や使用コーデック、データサイズ、ディスク上の記録位置、全再生時間長、GOP単位の再生時間長やデータサイズなどからなる情報である。この管理情報は、ヘッダ又はフッタとしてAVデータに付加してもよく、管理情報を別ファイルとして記録するようにしてもよいが、本実施形態では、管理情報をヘッダとしてAVデータに付加するものとする。
また、動画撮影処理部31は、動画撮影が終了し、AVデータの記録が完了した後に、そのAVファイルの代表静止画データを生成する。AVファイルの代表静止画データとは、AVファイルの代表静止画を示すデータである。また、AVファイルの代表静止画とは、AVファイルを代表するものとして指定された静止画であり、ファイルをサムネイル表示するような場合に用いられる静止画である。代表静止画データの生成は、AVデータに含まれる動画データの1フレームを構成する静止画を代表静止画として選択し、適宜、画像の縮小などのデータ処理を施すことにより行われる。そして、動画撮影処理部31は、生成した代表静止画データを、対応するAVファイルに格納する。
また、ディスク106には、ディスク106内に複数存在するファイルを管理するための管理ファイル(以降、「インデックスファイル」と称する。)が1個作成されて記録されている。インデックスファイルには、ディスク106内の各ファイルに関する、ファイル名、代表静止画記録位置、各種属性情報などがそれぞれ登録されている(後述する図3参照)。このインデックスファイルは、AVファイルの記録が行われるたびに、動画撮影処理部31によって、そのAVファイルに対応する新しい情報が追加されて更新される。
また、既に記録したAVファイルのストリームに対して、アフレコ音声を記録した場合は、アフレコデータファイルが作成される。そして、対応するAVファイルの管理情報には、アフレコデータファイルのファイル名や使用コーデック、再生時間等のアフレコデータに関する管理情報が追記される。なお、「アフレコ」とは、「after recording」に基づく和製英語であり、先に記録した動画に対して、後から音声を記録することを意味する。
2−2.静止画撮影処理
次に、静止画を撮影して記録する静止画撮影処理について説明する。静止画撮影も同様に、記録再生装置100の利用者が操作部109の静止画撮影ボタンを押下して、記録再生装置100に対して静止画撮影を指示することにより、実行される。静止画撮影が指示されると、システムコントローラ108の静止画撮影処理部32は、各部を動作させることにより、次の静止画撮影処理を行う。
まず、静止画撮影処理部32は、画像・音声入力部105を動作させることにより、静止画データを生成させる。そして、静止画撮影処理部32は、生成された静止画データを、一旦メモリ103に書き込む。
そして、静止画撮影処理部32は、メモリ103に書き込んだ静止画データを、静止画コーデック114へ転送する。静止画コーデック114は、静止画データを圧縮符号化し、再度メモリ103へ書き込む。本実施形態では、静止画データの圧縮符号化方式としてJPEG Exif方式を用いるものとするが、他の圧縮符号化方式を用いてもよい。
そして、静止画撮影処理部32は、圧縮符号化後の静止画データに対して、図示しない誤り訂正回路において誤り訂正符号を付加させた後、記録・読取部107を介してディスク106に記録させる。
なお、静止画撮影処理部32は、静止画データをディスク106に記録するために、予めディスク106にその静止画データを格納するための静止画ファイルを作成しておく。
また、静止画撮影処理部32は、静止画データの記録が完了した後に、その静止画データの管理情報を生成し、ディスク106に記録する。管理情報とは、静止画ファイルの作成日時や使用コーデック、データサイズ、ディスク上の記録位置などからなる情報である。この管理情報は、ヘッダ又はフッタとして静止画データに付加してもよく、管理情報を別ファイルとして記録するようにしてもよいが、本実施形態では、管理情報をヘッダとして静止画データに付加するものとする。
また、静止画撮影処理部32は、静止画データの記録が完了した後に、その静止画ファイルの代表静止画データを生成する。静止画ファイルの代表静止画データとは、静止画ファイルの代表静止画を示すデータである。また、静止画ファイルの代表静止画とは、ファイルをサムネイル表示するような場合に用いられる静止画である。代表静止画データの生成は、静止画データに対し、適宜、画像の縮小などのデータ処理を施すことにより行われる。そして、静止画撮影処理部32は、生成した代表静止画データを、対応する静止画ファイルに格納する。
また、静止画撮影処理部32は、静止画ファイルの記録が完了した後に、ディスク106に記録されているインデックスファイルに対し、その静止画ファイルに対応する新しい情報を追加して更新する。
2−3.動画撮影中静止画撮影処理
次に、動画撮影中に、静止画撮影をする動画撮影中静止画撮影処理について説明する。ここでは、図2に示すように、動画撮影を開始することによりAVファイル「VABC0001.mpg」にAVデータを記録している期間に、2回の静止画撮影を行い、それぞれ静止画ファイル「SABC0002.jpg」及び「SABC0003.jpg」に静止画データを記録する場合を想定して説明する。
動画撮影ボタンが押下されると、動画撮影処理部31によって上記動画撮影処理が実行され、AVファイル「VABC0001.mpg」がディスク106上に作成されて、AVデータが記録されていく。このとき、メモリ103には、記録中のAVデータの管理情報を生成するための管理情報作成用テーブルが作成される。
ここで、動画撮影開始からの経過時間t1の時点において静止画撮影ボタンが押下されると、静止画撮影処理部32によって上記静止画撮影処理が実行され、静止画撮影処理部32は、画像・音声入力部105に対し、動画撮影による動画データとは別に、より高画質の静止画撮影による静止画データを生成させ、その静止画データを静止画コーデック114で圧縮符号化する。そして、ディスク106に静止画ファイル「SABC0002.jpg」を作成し、圧縮符号化後の静止画データを記録する。
このとき、AVファイル「VABC0001.mpg」と静止画ファイル「SABC0002.jpg」とが関連付けられる。より具体的には、AVファイル「VABC0001.mpg」に記録されるAVデータの、上記経過時間t1に対応する部分(特定部分)に対して、静止画ファイル「SABC0002.jpg」の静止画データが関連付けられる。
そのために、上記静止画ファイル「SABC0002.jpg」に静止画データとともにディスク106に記録される管理情報には、静止画撮影処理部32によって、上記特定部分を示す特定部分データと、関連ファイルのファイル名を示す関連ファイル名データとが含められる。特定部分データは、上記経過時間t1によって特定部分を示しており、関連ファイル名データは、記録中のAVファイルのファイル名「VABC0001.mpg」を示している。
また、メモリ103の管理情報作成用テーブルには、動画撮影処理部31によって、記録中のAVファイルに対する関連ファイルのファイル名、つまり上記静止画ファイルのファイル名「SABC0002.jpg」を示す関連ファイル名データと、上記特定部分を示す特定部分データとが格納される。
同様に、動画撮影開始からの経過時間t2の時点において静止画撮影ボタンが押下されると、静止画ファイル「SABC0003.jpg」が作成され、経過時間t2を示す特定部分データと、記録中のAVファイルのファイル名「VABC0001.mpg」を示す関連ファイル名データとが含められる。また、メモリ103の管理情報作成用テーブルには、上記静止画ファイルのファイル名「SABC0003.jpg」を示す関連ファイル名データと、上記経過時間t2を示す特定部分データとが格納される。
その後、動画撮影ボタンが再度押下されて動画撮影が終了されると、AVデータの記録を停止し、メモリ103の管理情報作成用テーブルに格納されたテーブル情報、すなわち動画撮影中に撮影された静止画の静止画ファイル名を示す関連ファイル名データと、その静止画の撮影された時点を示す特定部分データとが、AVファイル「VABC0001.mpg」の管理情報としてディスク106に記録される。その後、メモリ103の管理情報作成用テーブルに格納されたテーブル情報などに基づき、インデックスファイルが更新される。
インデックスファイルは、図3に示すように、インデックス、ファイル名、代表静止画記録位置、属性情報などからなるテーブルを格納している。なお、図3では、AVファイル「VABC0001.mpg」の作成以前に、ディスク106に既に静止画ファイル「SABC001.jpg」が記録されている場合を想定しており、インデックスファイルには4つのエントリが存在している。ここで、代表静止画記録位置とは、そのファイルの代表静止画データのディスク106上での記録位置である。
本実施形態では、インデックスファイルに登録される属性情報の1つとして、関連ファイルの有無が含まれる。関連ファイルの有無とは、各ファイルの管理情報内に、そのファイルに関連するファイル名を示す関連ファイル名データが含まれているか否かを示す識別データである。つまり、関連ファイルが存在する場合には「1」を記録し、存在しない場合には「0」を記録する。したがって、AVファイル「VABC0001.mpg」と、静止画ファイル「SABC0002.jpg」及び「SABC0003.jpg」とは、互いに関連するファイルとなっているので、それぞれの属性情報における関連ファイルの有無には「1」が記録され、静止画ファイル「SABC0001.jpg」は、関連するファイルがないので、属性情報における関連ファイルの有無には「0」が記録される。
このように、インデックスファイルにおいて、各ファイルについての関連ファイルの有無を示す識別データを含めることにより、各ファイルの一覧表示などを行う際に、単にインデックスファイルを読み出すことにより、各ファイルの代表静止画などとともに関連ファイルの有無を素早く表示することができるようになる。
上記のようにして各ファイルの記録を行ったときのファイルシステムのディレクトリ構造を図4に示す。ディスク106上には、インデックスファイル「AVIF0000.mov」と、静止画フォルダ「still」と、動画フォルダ「movie」とが存在し、静止画フォルダ内には静止画ファイル「SABC0001.jpg」、「SABC0002.jpg」、「SABC0003.jpg」が記録されている。動画フォルダ内には、さらにグループフォルダ「100VABC」があり、そのグループフォルダ内にAVファイル「VABC0001.mpg」が記録される。
3.システムコントローラ構成の詳細
次に、以下に説明する任意関連付け処理及び再生処理を行うための、システムコントローラ108の構成について、図5のブロック図に基づいてより詳細に説明する。なお、図5では、動画撮影処理部31や静止画撮影処理部32、バス115などの図示を省略している。また、図5では、ディスク106から読み取られた情報、及びディスク106に書き込む情報の流れについては実線による図示をし、その他の信号の流れについては破線による図示又は図示を省略している。
図5に示すように、システムコントローラ108は、制御部108a及び記憶部108bを備えている。なお、記憶部108bに記憶すべき情報の一部又は全部を、メモリ103に記憶するようにしてもよい。
制御部108aは、記録信号出力部11、再生信号出力部12、読取信号入力部13、操作信号入力部14、記録・読取制御部15、管理情報変更部16、管理情報取得部17、再生部18、再生範囲指定部19、モード切替部20を備えている。
ここで、記録信号出力部11、再生信号出力部12、読取信号入力部13は、システムコントローラ108外部の出力制御部101や記録・読取部107との間でやりとりする信号の入出力を行う。
すなわち、記録・読取部107によってディスク106を読み取ることによって得られた読取信号は、読取信号入力部13によって制御部108aに入力され、管理情報取得部17や再生部18に送られる。
また、再生部18からの再生信号は、再生信号出力部12によって制御部108aから出力制御部101に送られる。なお、後述するように、再生範囲指定部19やモード切替部20も表示画面に対して所定のボタン等の画像を合成して表示させるために、合成画像の表示のための信号を再生信号出力部12を介して出力制御部101に送ることになる。
また、管理情報変更部16からの記録信号は、記録信号出力部11によって制御部108aから記録・読取部107に送られ、記録・読取部107によってその記録信号に応じた情報がディスク106に書き込まれる。
操作信号入力部14は、ユーザが操作部109を操作することにより、その操作に応じて操作部109にて生成された操作信号を制御部108aに入力させ、その操作信号を管理情報変更部16、管理情報取得部17、再生部18、再生範囲指定部19、モード切替部20に送る。なお、図5では、制御部108a内部における操作信号の流れについては、図示を省略している。
記録・読取制御部15は、管理情報変更部16、管理情報取得部17、再生部18からの制御信号を記録・読取部107に対して送る。この制御信号は、管理情報変更部16、管理情報取得部17、再生部18が、ディスク106に記録されているデータを読み込んだり、ディスク106に対してデータを書き込んだりするときに、記録・読取部107におけるディスク106の所定のアドレスへのアクセス等の動作を制御するための信号である。なお、図5では、制御部108a内部における制御信号の流れについても、図示を省略している。
再生部18は、読取信号入力部13によって入力された読取信号から、再生に必要なデータを抜き出して、再生データとして記憶部108bに一旦記憶させるとともに、記憶部108bから再生データを適宜読み出して再生信号出力部12に送ることにより、出力制御部101を介して出力部102に対して再生データに基づく出力、つまり表示や音声出力を行わせる。また、再生部18は、読取信号入力部13によって入力された読取信号から、インデックスファイルに記録されている情報を抜き出し、インデックス情報として記憶部108bに記憶させるとともに、そのインデックス情報に基づいて、各ファイルの代表静止画データの取得などを行う。
管理情報取得部17は、読取信号入力部13によって入力された読取信号から、再生の対象となるファイルの管理情報を抜き出して、管理情報として記憶部108bに記憶させる。
管理情報変更部16は、操作信号入力部14からの操作信号に応じて、記憶部108bに記憶されている管理情報を書き替えるとともに、書き替えた管理情報を記録信号出力部11によって記録・読取部107へ送り、ディスク106に記録されていた対応する管理情報に上書きさせる。つまり、管理情報変更部16は、ディスク106に記録されている管理情報を、ユーザの操作に応じて変更する機能を有している。
再生範囲指定部19は、操作信号入力部14からの操作信号に応じて、記憶部108bに記憶されている再生範囲情報を書き替える。再生範囲情報は、後述するように、例えば、静止画の再生とともに、その静止画に関連付けられた動画の一部を抽出して同時に再生するような場合において、抽出して再生する動画の範囲を定めるために、再生部18によって参照される情報である。
モード切替部20は、操作信号入力部14からの操作信号に応じて、モードの切り替えを行う。記録再生装置100では、静止画の再生に関して、音声付再生モードと通常再生モードとの切り替えが可能であり、静止画のスライドショーに関して、ムービースライドショーモードと通常スライドショーモードとの切り替えが可能となっている。各モードについては後述するが、モード切替部20は、これらのモードの切り替えを行う。モードの切り替えの際、モード切替部20は、再生部18に対してモードの切り替えを指示するとともに、記憶部108bに記憶されているモード情報を書き替える。モード情報は、現在設定されているモードを示す情報である。
なお、記憶部108bは、上述したインデックス情報、管理情報、再生データ、再生範囲情報、モード情報などを記憶する。ここで、管理情報や再生データについては、管理情報変更部16、管理情報取得部17、再生部18などの各部によって行う処理に応じて、複数種類のものを別々に記憶しておくことができるようになっている。
上述した制御部108a及びその各機能ブロックは、ハードウェアによって構成されていてもよいが、コンピュータによって制御部108aを構成し、このコンピュータにプログラム(再生プログラム)を読み込んで実行することにより、上記各機能ブロックを実現するようにしてもよい。
上記プログラムは、そのプログラムを記録した記録媒体から上記コンピュータに供給することができる。このプログラムを記録する記録媒体は、上記コンピュータと分離可能に構成してもよく、上記コンピュータに組み込むようになっていてもよい。この記録媒体は、記録したプログラムコードをコンピュータが直接読み取ることができるようにコンピュータに装着されるものであっても、外部記憶装置としてコンピュータに接続されたプログラム読み取り装置を介して読み取ることができるように装着されるものであってもよい。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
なお、記録再生装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、適宜選択可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、適宜選択可能である。さらに、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。
4.任意関連付け処理
次に、記録再生装置100における任意関連付け処理について説明する。記録再生装置100では、別々に記録したAVファイルと静止画ファイルとを任意に関連付けることができるようになっている。これにより、ユーザの意図に応じた関連付けが可能になる。具体的な処理内容を以下において説明する。
まず、再生部18がインデックスファイルを読み込み、記憶部108bにインデックス情報として記憶させる。さらに、再生部18は、読み込んだインデックス情報に基づいて各静止画ファイルの代表静止画記録位置を認識し、各静止画ファイルに対応する代表静止画データを読み込み、記憶部108bに再生データとして記憶させる。そして、再生部18は、読み込んだ代表静止画データに基づいて、出力制御部101を介し、出力部102に代表静止画の一覧表示画面(サムネイル表示画面)を表示させる。
この状態において、ユーザが操作部109を操作することにより、関連付けるべき静止画ファイルを選択すると、この選択操作に基づき、管理情報取得部17が、選択された静止画ファイルを認識し、その管理情報を読み込み、記憶部108bに管理情報として記憶させる。
次に、再生部18及び管理情報取得部17は、上記静止画ファイルの選択処理と同様にして、AVファイルについても、代表静止画の一覧表示、ユーザによるAVファイルの選択、選択されたAVファイルの管理情報の読み込みを行う。
次に、管理情報変更部16が、ユーザによる指定時間の入力を受け付ける状態になる。この指定時間は、AVデータに対して静止画データを関連付ける時点を指定するためのものであり、AVデータにおける撮影開始からの経過時間によって示される。この状態において、ユーザが操作部109を操作して指定時間を入力すると、管理情報変更部16は、この指定時間信号によって示された時間を、記憶部108bに記憶された静止画ファイル及びAVファイルそれぞれの管理情報に特定部分データとして書き込む。
さらに、管理情報変更部16は、記憶部108bに記憶された静止画ファイルの管理情報に対し、指定されたAVファイル名を、関連ファイル名データとして書き込む。同様に、管理情報変更部16は、記憶部108bに記憶されたAVファイルの管理情報に対し、指定された静止画ファイル名を、関連ファイル名データとして書き込む。
また、管理情報変更部16は、制御部108aに記憶したインデックス情報において、上記のようにして関連付けられた静止画ファイル及びAVファイルそれぞれの関連ファイルの有無(図3参照)を「1」に書き換える。
そして、管理情報変更部16は、特定部分データや関連ファイル名データの書き込まれた静止画ファイル及びAVファイルそれぞれの関連情報と、内容が書き換えられたインデックス情報とを、記録・読取部107を介してディスク106に上書きする。
なお、ユーザによる指定時間の入力を受け付ける状態において、ユーザが指定時間を入力することなく終了操作をした場合には、管理情報変更部16は、静止画ファイル及びAVファイルそれぞれの管理情報の特定部分データとして、撮影開始時点を示す「00:00:00:00」を書き込む。
また、上記では、ユーザが指定時間を直接入力する場合について説明したが、これに限らず次のようにして指定時間を入力するようにしてもよい。すなわち、再生部18によってAVデータを再生し、再生された動画をユーザが確認しつつ、静止画を関連付けたいポイントが到来した時点においてユーザがそのポイントを指定する操作を行うと、管理情報変更部16が、その時点の撮影開始からの経過時間を算出して、特定部分データとして書き込むようにしてもよい。
さらに、関連ファイルが同時記録されたものであるか、別々に記録された後に関連付けられたものであるかを示す識別データ(同時記録識別データ)を、静止画ファイル及びAVファイルそれぞれの管理情報に記録してもよい。そうすることにより、同時記録ではなく後から関連付けられたファイルについては、一覧表示の際に簡単に関連ファイルを検索することはできるが、再生時には静止画の代わりに動画を再生することはしないといった処理を自動的に行うことが可能になる。
以上のように、本発明に係る記録装置としての記録再生装置100は、AVデータ(第1データ)の特定部分に対して静止画データ(第2データ)を関連付けるための管理情報(関連情報)を生成する管理情報変更部16(関連情報生成手段)と、管理情報変更部16の生成した管理情報をディスク106に記録させる記録・読取部107(記録部)とを備えている。これにより、AVデータと静止画データとの関連付けを実現することができる。
また、記録再生装置100は、AVデータの特定部分に対して静止画データを関連付けるための入力を受け付ける操作部109を備える。そして、管理情報変更部16は、予めディスク106に記録されているAVデータ及び静止画データについて、操作部109の受け付けた入力に基づいて管理情報を生成する。これにより、既にディスク106に記録されたAVデータと静止画データとを、ユーザの意図に応じて関連付けることができる。
また、記録再生装置100では、管理情報変更部16が、予めディスク106に記録されている第1データ及び第2データについて管理情報を生成した場合に、各データの記録後に関連付けが行われたことを示す識別データを、当該管理情報に含めるようにしてもよい。これにより、管理情報を用いた再生を行う際に、互いに関連するデータが、後から関連付けられたものであるか、各データの記録時に関連付けられたものであるか、を区別することができ、その区別に基づいて再生方法などを変更することができる。
5.再生処理
5−1.静止画再生処理
次に、記録再生装置100における再生処理について説明する。まず、1つの静止画を再生する際の再生処理について説明する。
図6に示すように、記録再生装置100では、静止画ファイル「SABC0002.jpg」の静止画データを再生して静止画を表示するとともに、その静止画データに関連付けられているAVファイル「VABC0001.mpg」のAVデータにおける音声データの一部を抽出して再生する。抽出する部分は、静止画撮影が行われた時点t1を含む所定の時間範囲に対応する部分である。これにより、静止画が撮影された時点付近の音声を、BGMのように流すことができる。具体的な処理内容を以下において説明する。
まず、再生部18がインデックスファイルを読み込み、記憶部108bにインデックス情報として記憶させる。さらに、再生部18は、読み込んだインデックス情報に基づいて各静止画ファイルの代表静止画記録位置を認識し、各静止画ファイルに対応する代表静止画データを読み込み、記憶部108bに再生データとして記憶させる。そして、再生部18は、読み込んだ代表静止画データに基づいて、出力制御部101を介し、出力部102に代表静止画の一覧表示画面(サムネイル表示画面)を表示させる。
このとき、インデックス情報に含まれる属性情報の関連ファイルの有無(図3参照)の識別データが「1」となっている静止画ファイルについては、代表静止画のそばに関連するAVファイルが有ることを示すアイコン、又は関連するAVデータを再生するためのボタンを表示してもよい。
上記のように代表静止画の一覧表示画面が表示された状態において、ユーザの操作により、ある静止画ファイルに対応する代表静止画が選択され、再生の指示がなされた場合の処理の流れについて、図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、再生部18は、記憶部108bに記憶されているモード情報に基づいて、現在のモードを判別する(S1)。ここで判別するモードは、静止画の再生に関するモードであり、静止画の再生とともにその静止画に関連付けられたAVデータの音声の再生を行う音声付再生が許可されているモード(音声付再生モード)と、禁止されているモード(通常再生モード)との2種類のモードがある。このモードは、予めユーザの操作に基づいて、モード切替部20によって設定されて記憶部108bにモード情報として記憶されている。
ステップS1において、音声付再生モードであると判別されると、再生部18は、選択された静止画の静止画ファイルを読み出し、その静止画ファイルに記録されている静止画データを記憶部108bに再生データとして記憶させるとともに、記憶させた静止画データに基づいて出力制御部101を介し、出力部102に静止画を表示させる(S2)。
また、管理情報取得部17は、選択された静止画の静止画ファイルから管理情報を取得し、記憶部108bに管理情報として記憶させる(S3)。そして、再生部18は、上記管理情報に基づいて、選択された静止画の静止画ファイルに関連するAVファイルの有無を判別する(S4)。この判別は、上記管理情報に、関連ファイル名データが含まれるか否かによって行うことができる。ここで、関連するAVファイルが無い場合には、ステップS9へ移行する。
関連するAVファイルが有る場合には、再生部18は、上記管理情報に含まれる関連ファイル名データに基づいて関連するAVファイルを読み出す。そして、再生部18は、上記管理情報に含まれる特定部分データに基づいて、そのAVファイルに記録されているAVデータにおいて、上記静止画の関連付けがされている部分(特定部分)を認識する。そして、再生部18は、記憶部108bに記憶されている再生範囲情報に基づいて、上記関連付けされている部分を含む所定時間範囲に対応するAVデータの部分(抽出部分)を、記憶部108bに再生データとして記憶させる。
なお、AVデータは、動画データと音声データとが多重化されたデータであるが、ここで再生データとして記憶させるのは音声データのみである。また、AVデータの抽出部分は、先に記憶部108bに再生データとして記憶させた静止画データとは別に記憶させる。
ここで、記憶部108bに記憶されている再生範囲情報とは、静止画データに関連して再生すべきAVデータの抽出部分を定めるための情報であり、例えば、特定部分データの示す時点を含む時間範囲を指定する情報である。この指定の具体例を示すと、「特定部分に対応する時点から5秒」や、「特定部分に対応する時点の3秒前から10秒間」などとなる。
そして、再生部18は、記憶部108bに記憶させたAVデータの抽出部分に基づいて、出力制御部101を介し、出力部102に音声を出力させる(S5)。これにより、出力部102は、静止画を表示しつつ、その静止画の撮影時に収録された音声などの、その静止画に関連付けられた音声を出力することができる。
このとき、モード切替部20は、出力制御部101を介して、出力部102に音声停止ボタンを表示させる(S6)。音声停止ボタンは、図8(a)に示すように、出力部102が表示する画面の一部に表示されるボタンであり、ユーザによる操作部109の操作によってこのボタンがクリックされると、モード切替部20は、再生モードが切り替えられたものと判断し(S7)、記憶部108bに記憶されているモード情報を、通常再生モードに書き替えるとともに、再生している音声データの再生を停止して(S8)、通常再生モードに移るためにステップS12に移行する。
音声停止ボタンがクリックされていない場合、再生部18は、ユーザの操作部109の操作によって再生の終了が指示されたか否かを判別し(S9)、終了が指示されていないときには、ステップS4からの処理を繰り返す。これにより、音声停止ボタンのクリック、又は再生終了の指示があるまで、上記AVデータの抽出部分に基づく音声の出力を繰り返すことになる(リピート再生)。
一方、ステップS1において音声付再生モードではなく、通常再生モードであると判別された場合には、再生部18は、まず、ステップS2と同様、選択された静止画の静止画ファイルを読み出し、その静止画ファイルに記録されている静止画データを記憶部108bに再生データとして記憶させるとともに、記憶させた静止画データに基づいて出力制御部101を介し、出力部102に静止画を表示させる(S10)。
また、管理情報取得部17は、選択された静止画の静止画ファイルから管理情報を取得し、記憶部108bに管理情報として記憶させる(S11)。そして、再生部18は、上記管理情報に基づいて、選択された静止画の静止画ファイルに関連するAVファイルの有無を判別する(S12)。ここで、関連するAVファイルが無い場合には、ステップS15へ移行する。
そして、関連するAVファイルが有る場合には、モード切替部20は、出力制御部101を介して、出力部102に音声再生ボタンを表示させる。音声再生ボタンは、図8(b)に示すように、出力部102が表示する画面の一部に表示されるボタンであり、ユーザによる操作部109の操作によってこのボタンがクリックされると、モード切替部20は、再生モードが切り替えられたものと判断し(S14)、記憶部108bに記憶されているモード情報を、音声付再生モードに書き替えるとともに、音声付再生モードに移るためにステップS5に移行する。
音声再生ボタンがクリックされていない場合、再生部18は、ユーザの操作部109の操作によって再生の終了が指示されたか否かを判別し(S15)、終了が指示されていないときには、ステップS12からの処理を繰り返す。
なお、ここでは、記憶部108bに記憶された再生範囲情報に基づいて、「特定部分に対応する時点から5秒間」や、「特定部分に対応する時点の3秒前から10秒間」などとAVデータの抽出部分を定めたが、この再生範囲情報は、ユーザが操作部109を操作し、その操作に基づいて再生範囲指定部19が再生範囲情報の内容を書き替えることによって、変更可能である。
また、予め定めた再生範囲情報に基づくのではなく、再生範囲指定部19が、特定部分前後の音声データに基づいて音声レベルの変化を検知し、その検知結果に基づいて抽出部分の範囲を定めてもよい。例えば、特定部分付近において音声レベルが相対的に高い部分を切り出し、その範囲を抽出部分としてもよい。
また、ここでは、上記抽出部分を繰り返し再生するものとして説明したが、必ずしも繰り返す必要はなく、1回限りの再生としてもよい。
また、ここでは、再生部18が、静止画の再生とともにその静止画に関連付けられたAVファイルの音声データを再生するものとして説明したが、音声データの再生の代わりに、あるいは、音声データの再生に加えて、動画データの再生を再生部18が行うようにしてもよい。この場合、出力部102に表示される画面では、静止画を表示する領域と、動画を表示する領域とを区分して表示するようにすればよい。さらに、再生部18は、ユーザの操作に応じて、静止画の再生を、関連する動画の再生に切り替え可能としてもよい。
また、再生する静止画ファイルに関連付けられたAVファイルが存在する場合において、そのAVファイルに対応するアフレコデータファイルが存在するときには、AVファイルに含まれるメインの音声データの代わりに、アフレコデータファイルに含まれるアフレコデータを再生するようにしてもよい。この場合、ステップS5においてAVファイルの音声データを再生する代わりに、アフレコデータファイルのアフレコデータを再生することになる。そのためには、静止画ファイルの管理情報に、関連ファイル名としてアフレコデータファイルのファイル名を記録しておくとともに、その管理情報内に、メインの音声データと、アフレコデータとのどちらを再生するか、あるいはミックス再生するかを示す識別データを含めるようにしてもよい。そして、再生時にはこの識別データにしたがい、再生対象のデータを選択できるようにしておけばよい。
以上のように、本発明に係る再生装置としての記録再生装置100は、AVデータ(第1データ)と、AVデータの所定の撮影時点(特定部分)に対して関連付けられた静止画データ(第2データ)と、静止画データが関連付けられているAVデータの特定部分を示す管理情報(関連情報)とが記録された情報記録媒体としてのディスク106を再生する装置である。
そして、記録再生装置100は、ディスク106に記録された管理情報を取得する管理情報取得部17(関連情報取得手段)と、ディスク106に記録された静止画データを再生するとともに、管理情報取得部17の取得した管理情報に基づいて、ディスク106に記録されたAVデータから抽出した抽出部分を再生する再生部18(再生手段)とを備えている。
したがって、記録再生装置100では、静止画データを再生することにより、この静止画データに関連付けられたAVデータの一部をも再生することができる。このように、記録再生装置100では、AVデータと静止画データとの関連付けを有効に活用した再生が可能になる。
ここで、再生部18は、静止画データに基づく静止画の再生を行いつつ、AVデータの抽出部分に基づく音声の再生を行う。これにより、静止画を表示しつつ、その静止画に関連する音声の出力を行うことができる。静止画データが、音声データの収録中に撮影されたものであるような場合には、静止画の表示とともに、その静止画が撮影された時点付近の音声を出力することができる。したがって、静止画の再生において、臨場感を盛り上げる効果を得ることができる。あるいは、音声データは、静止画の撮影後にアフレコで記録されたものであってもよい。この場合、静止画の再生とともに、音響効果やBGMなどユーザの意図に応じた音声を出力することができる。
また、再生部18は、静止画データに基づく静止画の再生を行いつつ、AVデータの抽出部分に基づく動画の再生を行う。これにより、静止画を表示しつつ、その静止画に関連する動画の再生を行うことができる。静止画データが、動画データの撮影中に撮影されたものであるような場合には、静止画の表示とともに、その静止画が撮影された時点付近の動画を再生することができる。したがって、静止画の再生において、その静止画の撮影された前後の様子をも提示することができる。
なお、再生部18は、静止画データに基づく静止画の再生を行いつつ、AVデータの抽出部分に基づく音声及び動画の再生を行うようになっていてもよい。
また、記録再生装置100は、さらに、再生部18に対して、静止画データの再生とともに行うAVデータの抽出部分の再生を許可するモード(音声付再生モード)と、禁止するモード(通常再生モード)とを切り替えるモード切替部20(切替手段)を備えていてもよい。このモード切替部20は、ユーザによる操作に応じて上記切り替えを行うものである。これにより、静止画データの再生の際に、AVデータの抽出部分の再生を行うか否かを、ユーザの意図に応じて決定することができる。
5−2.スライドショー再生処理
次に、記録再生装置100において静止画のスライドショーを行うときの再生処理について説明する。記録再生装置100では、複数の静止画を所定時間ごとに切り替えて再生するスライドショーに2つのモードを有している。その1つは、複数の静止画のうち、関連付けられたAVファイルを有するものについては、静止画の再生の代わりに、関連するAVデータの上記抽出部分を再生するモード(ムービースライドショーモード)であり、他の1つは、通常通り静止画を再生するモード(通常スライドショーモード)である。
図9及び図10に、それぞれ通常スライドショーモードにおける再生の概念、及びムービースライドショーモードにおける再生の概念を示す。ここでは、所定のフォルダに含まれる静止画ファイル「SABC0001.jpg」、「SABC0002.jpg」、「SABC0003.jpg」、「SABC0004.jpg」、「SABC0005.jpg」を、この順に再生するものとし、各静止画を予め設定されたΔts秒間表示するものとする。また、静止画ファイル「SABC0001.jpg」、「SABC0002.jpg」についてはAVファイル「VABC0001.mpg」に関連付けられており、静止画ファイル「SABC0004.jpg」、「SABC0005.jpg」についてはAVファイル「VABC0002.mpg」に関連付けられており、静止画ファイル「SABC0003.jpg」にはAVファイルは関連付けられていないものとする。
この場合、通常スライドショーモードでは、各静止画を順次再生するのに対し、ムービースライドショーモードでは、AVファイルに関連付けられている静止画については、静止画の再生の代わりに、関連付けられたAVファイルのAVデータから、特定部分(t1,t2,t3,t4に相当する部分)を中心として時間幅Δts秒間に相当する抽出部分を再生する。
ムービースライドショーモードについて、より具体的に説明すると、静止画ファイル「SABC0001.jpg」の再生に代えて、関連付けられた動画ファイル「VABC0001.mpg」の経過時間t1付近のAVデータをΔts秒間再生し、静止画ファイル「SABC0002.jpg」の再生に代えて、同じく関連付けられた動画ファイル「VABC0001.mpg」の経過時間t2付近のAVデータをΔts秒間再生する。静止画ファイル「SABC0003.jpg」については、関連付けられたAVファイルが存在しないため、静止画ファイル「SABC0003.jpg」に含まれる静止画データをΔts秒間再生する。また、静止画ファイル「SABC0004.jpg」の再生に代えて、今度は動画ファイル「VABC0002.mpg」の経過時間t3付近のAVデータをΔts秒間再生し、静止画ファイル「SABC0005.jpg」の再生に代えて、同じく動画ファイル「VABC0002.mpg」の経過時間t4付近をΔts秒間再生する。
これにより、あたかも動画のダイジェスト版のような再生が可能となり、短時間で動画の内容を確認したい場合や、静止画撮影のポイントのみを抜き出して動画を再生したい場合などに有効活用できる。具体的な処理内容を以下において説明する。
まず、再生部18がインデックスファイルを読み込み、記憶部108bにインデックス情報として記憶させる。そして、再生部18は、読み込んだインデックス情報に基づいて、スライドショーの対象となるフォルダに含まれる各静止画ファイルの静止画データを読み込み、記憶部108bに再生データとして記憶させる。そして、図11に示すフローチャートに即してスライドショーが実行される。
まず、再生部18は、記憶部108bに記憶されているモード情報に基づいて、現在のモードがムービースライドショーモードであるか否かを判別する(S21)。記憶部108bのモード情報には、現在のモードとして、通常スライドショーモード又はムービースライドショーモードの区別が記憶されており、この区別は、ユーザの操作部109の操作に応じてモード切替部20によって切り替えることができる。
ムービースライドショーモードである場合には、管理情報取得部17が、再生対象の静止画ファイルから管理情報を取得し、記憶部108bに管理情報として記憶させる(S22)。そして、再生部18は、上記管理情報に基づいて、選択された静止画の静止画ファイルに関連するAVファイルの有無を判別する(S23)。この判別は、上記管理情報に、関連ファイル名データが含まれるか否かによって行うことができる。ここで、関連するAVファイルが無い場合には、ステップS27へ移行する。
関連するAVファイルが有る場合には、再生部18は、上記管理情報に含まれる関連ファイル名データに基づいて関連するAVファイルを読み出す。そして、再生部18は、上記管理情報に含まれる特定部分データに基づいて、そのAVファイルに記録されているAVデータにおいて、上記静止画の関連付けがされている部分(特定部分)を認識する。そして、再生部18は、記憶部108bに記憶されている再生範囲情報に基づいて、上記関連付けされている部分を中心としたΔts秒間に対応するAVデータの部分(抽出部分)を、記憶部108bに再生データとして記憶させる。
そして、再生部18は、記憶部108bに記憶させたAVデータの抽出部分を再生し、出力制御部101を介し、出力部102に動画及び音声を出力させる(S24)。これにより、再生対象となる静止画に代えて、その静止画に関連付けられた動画及び音声を出力することができる。
上記抽出部分の再生が終了すると、再生部18は、次に再生対象となる静止画の有無を判別し(S25)、有る場合には、次の静止画に再生対象を変更して(S26)、ステップS21からの処理を繰り返す。
ステップS21においてムービースライドショーモードではないと判別された場合、又は、ステップS23において関連付けられたAVファイルが無いと判別された場合には、再生対象となる静止画をΔts秒間再生して(S27,S28)、ステップS25に移行する。
上記の処理では、スライドショーを行いながら関連付けられたAVファイルを読み出す必要があるので、ディスク106がランダムアクセス可能であることが望ましい。
なお、ここでは、動画及び音声の再生時間(抽出部分の時間幅)、及び静止画の再生時間をΔts秒と固定しているが、各再生対象となる静止画ごとに再生時間を定めてもよく、動画に関しては、上述したように、音声レベルに基づいて再生時間を決定するようにしてもよいし、動画データの動きベクトルを調べることによりシーンチェンジを検出し、特定部分付近からシーンチェンジまでの区間を再生するようにしてもよい。
また、図12に示すように、動画又は静止画の再生中に画面上に、再生範囲指定部19が、再生時間として設定可能な範囲を示す再生時間バーを表示するとともに、その再生時間バー内部に、再生時間長変更コントローラを表示し、ユーザが操作部109を操作することにより再生時間長変更コントローラを左右に移動させると、再生範囲指定部19が、その再生時間長変更コントローラの再生時間バー内での位置に応じた再生時間を設定し、記憶部108bに再生範囲情報として記憶させるようにしてもよい。これにより、再生途中に再生時間を自由に変更できるようになる。なお、このような再生時間の設定は、上述した、静止画の再生とともに音声の再生を行う場合における、音声の再生時間の設定に適用することもできる。
また、ここでは、静止画の再生に代えて動画を再生するものとして説明したが、関連付けられた動画の再生を開始する前に、まず静止画を再生し、その後、動画の再生に移行するようにしてもよい。また、静止画の再生に代えて動画を再生するのではなく、静止画によってスライドショーを行いつつ、再生中の静止画に関連付けられたAVファイルの音声データのみを同時に再生するようにしてもよい。
また、ここでは、所定のフォルダに含まれる静止画ファイルをスライドショーの対象とするものとして説明したが、スライドショーの対象とする静止画ファイルを予め定めて、プレイリストファイルとして登録しておくようにしてもよい。そして、このプレイリストファイルの管理情報において、動画の再生時間や再生する音声の種類(メインの音声データを再生するか、アフレコデータを再生するか)を指定するようにしてもよい。
また、図13に示すように、静止画ファイルの管理情報に含まれる同時記録識別データ、つまり、関連ファイルが同時記録されたものであるか、別々に記録され後に関連付けられたものであるかを示す識別データに基づいて、静止画データの代わりにAVデータを再生するか否かを決定してもよい。例えば、同時記録識別データが「0」となっている静止画ファイル、つまり関連ファイルが後から関連付けられたファイルである場合には、静止画データの代わりにAVデータを再生するのではなく、静止画データを再生するようにしてもよい。あるいは、静止画データを数秒間表示してから、AVデータを再生するようにしてもよい。これにより、後から関連付けられた静止画が、関連する動画を説明するような象徴的な画像であることが多い場合に、静止画表示を優先することができる。図13では、静止画ファイル「SABC0005.jpg」が後から関連付けられたものである場合を示しており、この場合には静止画ファイル「SABC0005.jpg」を再生する時間帯にはその静止画が表示される。
以上のように、本発明に係る再生装置としての記録再生装置100は、AVデータ(第1データ)と、AVデータの所定の撮影時点(特定部分)に対して関連付けられた静止画データ(第2データ)と、静止画データが関連付けられているAVデータの特定部分を示す管理情報(関連情報)とが記録された情報記録媒体としてのディスク106を再生する装置である。
そして、記録再生装置100は、ディスク106に記録された管理情報を取得する管理情報取得部17(関連情報取得手段)と、ディスク106に記録された静止画データの再生と、静止画データの再生の代わりに、管理情報取得部17の取得した管理情報に基づいて、ディスク106に記録されたAVデータから抽出した抽出部分の再生とを切り替えて実行できる再生部18(再生手段)とを備えている。
したがって、記録再生装置100では、静止画データを再生するか、この静止画データに関連付けられているAVデータの一部を再生するかを、切り替えることができる。このように、記録再生装置100では、AVデータと静止画データとの関連付けを有効に活用した再生が可能になる。
そして、記録再生装置100では、静止画データを再生しようとした場合に、静止画データそのものを再生するか、その静止画データに関連付けられた動画データの一部を再生するかを、切り替えることができる。静止画データが、動画データの撮影中に撮影されたものであるような場合には、静止画を表示させるか、その静止画が撮影された時点付近の動画を表示させるかを、切り替えることができる。したがって、ある場面の映像を確認あるいは鑑賞する際に、静止画による確認あるいは鑑賞と、動画による確認あるいは鑑賞とを切り替えることができる。
なお、静止画データは、動画データとは別に記録されているデータであるため、動画データに含まれる1フレームのデータよりも、高精細で解像度の高いものとして記録しておくことが容易である。したがって、静止画データの表示は、動画データを一時停止して表示する場合よりも、高精細で解像度の高い表示が可能である。
また、ディスク106には、1又は複数のAVデータの互いに異なる特定部分に対してそれぞれ関連付けられた複数の静止画データと、各静止画データが関連付けられているAVデータのそれぞれの特定部分を示す管理情報とが記録されており、再生部18は、各静止画データを順次切り替えての再生と、各静止画データを順次切り替えての再生の代わりに、管理情報取得部17の取得した管理情報に基づいてAVデータから抽出した複数の抽出部分を順次切り替えての再生とを切り替えて実行できるようになっていてもよい。これにより、静止画によるスライドショーと動画によるスライドショーとを切り替えて実行できる。
また、記録再生装置100は、さらに、再生部18に対して、静止画データの再生を実行させるモード(通常スライドショーモード)と、静止画データの再生の代わりにAVデータの抽出部分の再生を実行させるモード(ムービースライドショーモード)とを切り替えるモード切替部20(切替手段)を備えていてもよい。このモード切替部20は、ユーザによる操作に応じて上記切り替えを行うものである。これにより、静止画データの再生を実行させるか、AVデータの抽出部分の再生を実行させるかを、ユーザの意図に応じて決定することができる。
また、記録再生装置100は、さらに、抽出部分として抽出すべきAVデータの範囲の大きさを変更する再生範囲指定部19(抽出範囲変更手段)を備えていてもよい。再生部18は、管理情報に基づくことにより、AVデータの特定部分を基準として範囲を定めてAVデータの一部を抽出することになるが、再生範囲指定部19を備えることにより、抽出する範囲の大きさの変更が可能になる。
なお、以上では、静止画ファイルの管理情報に基づくことにより、その静止画データに関連するAVデータの再生を行う場合について説明したが、逆に、AVファイルの管理情報に基づくことにより、そのAVデータに関連する静止画データの再生を行うようにしてもよい。この場合、AVデータの再生の代わりに、関連する静止画データの再生を行うようにしてもよい。また、AVデータの再生の前後において、関連する静止画データの再生を行うようにしてもよい。関連する静止画データの再生は、その特定部分のAVデータ上における順序にしたがってスライドショー再生するようにすればよい。
このように、本発明に係る再生装置としての記録再生装置100は、管理情報取得部17の取得した管理情報に基づき、各静止画データが関連付けられている各特定部分のAVデータ上での位置に応じて各静止画データを再生する再生部18を備えている。
したがって、記録再生装置100では、AVデータの流れに沿って、AVデータの各特定部分に関連付けられている各静止画データを順次切り替えて再生することができる。これにより、静止画データを再生する際に、AVデータとの関連付けを有効に活用することができるようになる。この場合、動画データの各時点に関連付けられた静止画データが、動画データ上での順序にしたがって再生されるため、動画データを再生せずとも、動画データの概要を確認することができるようになる。
なお、本発明は、記録方法又は再生方法として捉えることもできる。すなわち、記録方法としては、AVデータと静止画データとを関連付けるための管理情報を記録できる。また、再生方法では、管理情報を持つ静止画データを再生する際に、関連するAVデータを再生するかどうかを選択可能であり、また、関連するAVデータの再生範囲を決定することができ、これらの選択及び決定にしたがって、静止画データの再生とともに、決定された再生範囲のAVデータを同時に再生する。
関連付けて記録する動画と静止画とは、動画データを含むAVファイルと、その動画撮影中に同時に撮影された静止画データを含む静止画ファイルとであってもよく、編集によって後から関連付けが設定されたAVファイルと静止画ファイルとであってもよい。そして、関連付けられたファイルが同時記録されたものか否かを示す識別データを管理情報内に含めてもよい。
静止画再生時には、関連するAVファイルの音声データのみを同時に再生するようにしてもよい。静止画再生時に同時に再生する音声データは、静止画撮影時点付近の音声データであってもよく、撮影後に記録されたアフレコデータであってもよい。
また、静止画再生時には、上記音声データの再生に加えて、関連するAVファイルの動画データを同一画面上に同時に再生するようにしてもよい。
また、本発明の再生方法は、複数の静止画を所定の時間間隔で順番に表示する再生方法であって、モード切り替えが可能であり、モード切り替えの操作に基づいて、静止画の代わりに、関連付けられたAVファイルの動画データを順番に再生するものである。動画データの再生時間長は、動画データ再生中に変更できるようになっていてもよい。
ここで、静止画再生の代わりに再生する動画データは、静止画撮影時点付近の動画データであってもよく、編集によって後から関連付けられた動画データであってもよい。編集によって後から関連付けられた動画データを持つ静止画データに関しては、静止画の代わりに関連付けられた動画データの再生を行わないようにしてもよい。
また、本発明の再生方法は、動画再生時に、動画データに関連する複数の静止画データを所定の時間間隔で再生を行った後に、動画の再生を行うようになっていてもよい。