JP2005114696A - 角速度センサ - Google Patents

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    • G01C19/5642Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating bars or beams
    • G01C19/5663Manufacturing; Trimming; Mounting; Housings

Abstract

【課題】 簡単な構成で量産効果が期待でき、角速度センサとして本質的な特性を左右する振動子の寸法精度も比較的容易に満足できる検出感度に優れた角速度センサを提供する。
【解決手段】 基体2と圧電体3とを積層してなる四角柱状の振動子1aを備え、上記圧電体3はPZT(ジルコニウム酸チタン酸鉛)を主成分とする圧電セラミクスからなり、上記基体2は上記圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べてヤング率と熱膨張係数等の物性値が同等以下の材料からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、ビデオカメラの手振れ検知や、バーチャルリアリティ装置における動作検知や、カーナビゲーションシステムにおける方向検知等に用いられる角速度センサに関する。
従来より、民生用の角速度センサとしては、棒状の振動子を所定の共振周波数で振動させておき、角速度の影響によって生じるコリオリ力を圧電素子等で検出することによって角速度を検出する、いわゆる振動ジャイロ型の角速度センサが広く使用されている。
このような角速度センサにおいて、振動子を駆動する方法としては、他励発振型駆動回路による方法と、自励発振型駆動回路による方法とがある。しかしながら、他励発振型駆動回路による方法は、振動子等の温度特性によって発振周波数と振動子の共振周波数とにずれが生じると急激にコリオリ力の検出感度が低下するという問題があり、実用化に至っていない。
そこで現在は、移相発振回路のループに振動子を組み入れた自励発振型駆動回路による角速度センサが一般的になっている。このような角速度センサでは、振動子の共振周波数で自励発振するので、温度特性による感度変化が少なく、広温度範囲において感度の安定した角速度出力を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
図10に示す従来の角速度センサは、三角柱状の恒弾性振動子100の側面に、電極101a及び圧電体101bからなる第1の圧電素子101と、電極102a及び圧電体102bからなる第2の圧電素子102と、電極103a及び圧電体103bからなる第3の圧電素子103とがそれぞれ取り付けられた三角柱状の振動子104を備えている。例えば、恒弾性振動子100は、恒弾性金属振動子である。
この従来の角速度センサは、第1の圧電素子101に接続された増幅器105と、増幅器105に接続された移相器106と、第2の圧電素子102及び第3の圧電素子103に接続された差動増幅器107と、差動増幅器107に接続された同期検波器108と、同期検波器108に接続されたローパスフィルタ109とを備えている。この従来の角速度センサにおいて、第2 の圧電素子102及び第3の圧電素子103は、自励発振のために振動子104の振動を検出するとともに、振動子104に生じるコリオリ力を検出する。
このような三角柱状の振動子104を用いた角速度センサは、現在のところ最も感度が高く、主流となっている。しかしながら、このような角速度センサでは、構造が複雑なために、製造工程における量産効果を出すことが難しいという問題があった。例えば、三角形状に形成されている恒弾性振動子の一つ一つに圧電素子を接着する工程が必要になり、量産効果を出すことができないといった問題がある。また、小型化に伴い支持機構の精度や恒弾性金属振動子への圧電素子の接着精度が要求され、且つその接着による接着層の当該振動子に与える影響が増大するため、小型化による生産効率が悪く、コストアップが著しくなるという問題があった。
また、図11に示す従来の角速度センサは、円柱状の圧電セラミック振動子110の側面に6つの電極111,112,113,114,115,116 が印刷された振動子117を備えている。ここで、第1 乃至第3 の電極111,112,113はそれぞれ独立した電極とされ、第4 乃至第6の電極114,115,116は共通のグランド電位に接続される。また、この角速度センサーは、第1の電極111に接続された増幅器118と、増幅器118に接続された移相器119と、移相器119に接続された加算機120と、第2及び第3の電極112 ,113に接続された差動増幅器121と、差動増幅器121に接続された同期検波器122と、同期検波器122に接続されたローパスフィルタ123 とを備えている。この角速度センサーでは、第1 の電極111に電圧を印加することにより、振動子117を振動させるとともに、第2及び第3の電極112,113 によって、振動子117に生じるコリオリ力を検出する。
この従来の角速度センサでは、上述したように電極111,112,113,114,115,116が振動子117に印刷されているために、振動子117に圧電素子を接着する必要がなく、比較的にシンプルな構造となっている。しかしながら、この従来の角速度センサでは、特に小型化を図った場合に、圧電セラミック振動子110の製造、並びに当該圧電セラミック振動子110への電極の印刷を精度良く行うことが難しいという問題があった。
すなわち、この従来の角速度センサでは、円柱状の圧電セラミック振動子110を用いているが、三角柱状や四角柱状のものに比べて、円柱状の圧電セラミック振動子110を精度良く製造することは難しい。しかも、この角速度センサでは、曲面上に電極を精度良く印刷することは容易ではない。このように、この角速度センサでは、円柱状の圧電セラミック振動子110を用いるために製造が難しく、量産効果が期待できない構造となっており、たとえ量産したとしても低コスト化を図ることは難しい。
また、従来の角速度センサの振動子構造に加え、ユニモルフやバイモルフ型の振動子が広く使用されている。
ユニモルフやバイモルフ型の振動子においては、原材料の共通化によるコストダウンや加工性の安定化と精度向上、接着性や熱的特性変化による弊害圧縮を図る為に、PZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)等の同一材料を組合せるのが一般的である。
特開2000−131077号公報
しかしながら、PZT等の圧電材料では、熱的な特性変化が非直線的であるため、基体にPZTを使用すると、諸特性の温度変化を圧縮することが難しい。また、検出感度や周波数応答性に大きく寄与する離調度(横振動と縦振動の周波数差)を自由に設定したくとも、振動子の断面寸法と基体の材質で一義的に決定されるため、振動子形状の設計自由度が制限される傾向にあった。
また、同じPZT同士を積層して、基体が圧電性を持たない未分極状態(モノモルフ)の場合、振動子単体を自励発振させた場合の共振抵抗や同振動子を用いた角速度センサの感度の環境温度に対する特性変化が大きく、高温側に行くにつれて変化量が増大する傾向があった。このため、フィールド等の環境温度変化の多いところでも所定の性能を維持するためには、特性変化を電気回路により補正する必要があり、回路構成を簡略化したり部品点数を削減することは極めて困難であった。さらに、電気回路による補正を行うにしても、特性変化自体が非線形なために、完全に補正することは難しく、環境変化に対する特性変化許容度の狭い機種には、同振動子を用いた角速度センサを使用できない。
また、手振れ補正用の角速度センサは、ビデオカメラ等の画像出力装置を伴った機器に搭載されることが多く、同機器筐体内で飛び交う電磁波や振動等の干渉や相互作用を防ぐために、同振動子の発振周波数は所定の周波数範囲内に制御する必要がある。さらに、感度や周波数応答性と相関の強い離調度については、目的の値にするために、縦振動と横振動の周波数を別々に調整する必要があるが、初期状態の値が目的の値から大きくかけ離れた値では、調整自体が難しくなるばかりでなく、調整しきれなくなる恐れがある。
ここで、離調度とは、縦方向の共振周波数と横方向の共振周波数の差であり、離調度が小さい程感度は高くなる。
そこで、本発明は以上のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、より簡単な構成で量産効果が期待でき、角速度センサとして本質的な特性を左右する振動子の寸法精度も比較的容易に満足できる検出感度に優れた角速度センサを提供することを目的としている。
本発明に係る角速度センサは、基体と圧電体とを積層してなる四角柱状の振動子を備え、上記圧電体はPZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)を主成分とする圧電セラミクスからなり、上記基体は上記圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べて、ヤング率と熱膨張係数が同等以下の物性値を持つPZT以外の材料からなることを特徴とする。
本発明に係る角速度センサにおいて、上記基体は、例えば、カーボンを主成分とする材料からなる。
本発明に係る角速度センサにおいて、上記基体は、例えば、アモルファスカーボンからなる。
本発明に係る角速度センサでは、上記圧電体の厚みと上記振動子の厚みとの比を0.14〜0.27の範囲内とする。
本発明に係る角速度センサでは、上記振動子の全幅と厚みとの比を1.030〜1.055の範囲内とする。
本発明に係る角速度センサは、上記圧電体の対向する一方の主面であって上記基体と接合される面に形成され、基準電位に接続される基準電極と、上記圧電体の対向する他方の主面に上記振動子の長手方向に沿って形成され、上記振動子を振動させるための信号が供給される少なくとも1つの駆動電極と、上記圧電体の対向する他方の主面に上記駆動電極を挟む形で互いに平行に形成され、上記振動子に生じるコリオリ力に応じた信号を出力するための少なくとも1対の検出電極とを備え、上記駆動電極と上記基準電極との間に電圧を印加して上記圧電体により上記振動子を振動させるとともに上記振動子に生じるコリオリ力を上記圧電体により検出し、上記検出電極から上記コリオリ力に応じた信号として角速度検出信号を出力する。
本発明に係る角速度センサでは、圧電体の主成分であるPZTと比べて、ヤング率と熱膨張係数が同等以下の物性値を持つPZT以外の材料にて基体を構成したことによって、環境温度の変化の影響を受けにくい振動子を構成することができる。したがって、振動子単体の共振抵抗/センサ感度の温度変化を小さくすることができるとともに、その変化の形態が直線的になり補正を容易に行うことができる。
また、PZT同士を組合せた場合よりも弾性変形しやすくなる為、振動子の幅寸法(W)と厚み寸法(T)の比(W/T)に対する離調度変化の度合いが小さくなり、結果的に振動子寸法に対する要求精度が緩和されるので、設計の自由度が高い。さらに、所定の離調度を得るための振動子断面の縦横比で横の割合が大きくなる形となり、電極面積を大きくすることができる。
また、本発明に係る角速度センサでは、上記圧電体の厚みと上記振動子の厚みとの比を0.14〜0.27の範囲内とすることによって、共振抵抗と発振周波数を一定の範囲内に圧縮できると共に、振動子を自励発振させるための駆動回路のフェイズマージンを確保できる。
また、本発明に係る角速度センサでは、上記振動子の全幅と厚みとの比を1.030〜1.055の範囲内とすることによって、振動子の寸法変化に対する周波数変化の度合いを低減でき、所定の離調度や発振周波数への調整が容易になる。
また、本発明に係る角速度センサは、PZTと同じセラミックス系の材料の組合せとなるため、同じ脆性材の複合物として砥石による切削・研磨加工が可能となり、量産性と加工精度の両立化が可能となる。
さらに、圧電素子と基体素子を積層した非常にシンプルな構造により構成されることから、本発明に係る角速度センサは、小型化を進めても精度を損なわず量産効果も期待でき、コストパフォーマンスが高い。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
図1は本発明を適用した角速度センサ1に備えられる振動子1aの外観斜視図であり、また、図2は上記角速度センサ1を使用するための回路の一例を示すブロック図である。
この実施の形態における角速度センサ1は、図1及び図2に示すように、振動ジャイロとして動作する振動子1aを備えている。
振動子1aは、基体2と圧電体3とを積層してなり、長手方向に対して垂直な平面で切断したときの断面の形状(以下、単に断面形状と称する)が矩形となる四角柱状に形成されている。
この振動子1aの圧電体3は、PZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)を主成分とする圧電セラミックスからなり、通常、分極処理により生成されている。
また、基体2は、上記圧電体3を構成する圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べて、ヤング率と熱膨張係数が同等以下の物性値を持つPZT以外の材料、例えばアモルファスカーボンあるいはグラファイトを主成分とする化合物からなる。
ここで、各種材料の物性値の比較結果を図3に示すように、圧電セラミクスの主成分であるPZT(BZ27M5材)はヤング率が103GPaで熱膨張係数が32×10−7〜35×10−7であるのに対し、アモルファスカーボンはヤング率が30〜33GPaで熱膨張係数が30×10−7であり、また、グラファイトはヤング率が14GPaで熱膨張係数が32×10−7であり、アモルファスカーボンやグラファイト材料は、圧電セラミックスの主成分であるPZTと比べヤング率と熱膨張係数等の物性値が同等以下の値となっている。
圧電体3には、その対向する一方の主面3Aであって上記基体と接合される面に基準電極3aが形成されている。さらに、この圧電体3には、その対向する他方の主面3Bに、駆動電極3bと、この駆動電極3bを挟む形で1対の検出電極3c,3cが、上記振動子1aの長手方向に沿って互いに平行に分割されて形成されている。
この角速度センサ1において、圧電体3の厚さは基体2の厚さより薄く、例えば、圧電体3の厚さを0.2mm、基体2の厚さを0.8mmとしている。
この角速度センサ1は、上記基体2と圧電体3とを積層して接合なる振動子1aの上記圧電体3の対向する一方の主面3Aに設けられている基準電極3aと他方の主面3Bに設けられている駆動電極3bとの間に電圧を印加することにより上記振動子1aを振動させるとともに上記振動子1aに生じるコリオリ力を圧電体3により検出し、上記他方の主面3Bに設けられている検出電極3c,3cから上記コリオリ力に応じた信号として角速度検出信号を出力する。
この実施の形態における角速度センサ1では、上記圧電体3の主面と対向する上記基体2が導電体であるアモルファスカーボンを用いているので、2つの主面2A、2B間を電気的に接続する必要がなく、単純に上記基体2と圧電体3が積層された振動子1aを構成している。なお、上記基体2の全周面に導電性材料をメッキして電極を形成するようにしても良い。
そして、この角速度センサ1は、上記圧電体3の他方の主面3Bに形成された駆動電極3bと1対の検出電極3c,3cから、各々端子A,B,Cが導出されているとともに、上記圧電体3の一方の主面3Aに形成された基準電極3aと導通する上記基体2の主面2Aに設けられた端子Dが導出されている。
この角速度センサ1の圧電体3は、振動駆動機能及びその振動を検出する機能を合わせ持っている。これにより、角速度センサ1は、振動駆動機能により振動しているときに振動子1aが回転することによって生じたコリオリ力を検出機能により検出する。
すなわち、この角速度センサ1は、図2に示すように、上記1対の検出電極3c,3cから導出された端子B,Cに加算器10と差動増幅器13が接続され、また、上記加算器10の加算出力が増幅器11により増幅されて供給される移相器12の出力端が上記駆動電極3bから導出された端子Aに接続されることにより、これらが振動子1aを振動させる振動駆動部として機能するようになっている。なお、上記圧電体3の一方の主面3Aに形成された基準電極3aと導通する上記基体2の主面2Aから導出されている端子Dは、所定の電位を持つ基準電圧端子に接続されている。
この角速度センサ1では、上記加算器10、増幅器11、移相器12及び振動子1aによって所謂移相発振回路を構成しており、この移相発振回路によって振動子1aを自励振動させる。この自励振動による振動子1aの振動方向は、駆動電極3bが設けられている圧電体3の主面3Bに対して垂直な方向であり、以下、単に振動方向と称する。
また、この角速度センサ1では、上記1対の検出電極3c,3cから導出された端子B,Cに接続された上記加算器10及び上記差動増幅器13の出力端が、同期検波器14に接続され、この同期検波器14がローパスフィルタ15に接続されており、これらと圧電体3が、振動子1aの回転を検出する検出部として機能する。
すなわち、角速度センサ1では、振動子1aを振動方向に振動させているときに、振動子1aが回転することによって当該振動子1aに生じたコリオリ力を、圧電体3によって検出し、検出電極3c,3cから互いに逆極性の信号として出力し、差動増幅器13に入力する。そして、差動増幅器13にて増幅された出力は、同期検波器14に入力され、同期検波が行われる。このとき、同期検波器14には、同期検波を行うために、加算器10からの出力が同期信号として供給される。そして、同期検波器14からの出力が、ローパスフィルタ15を介して、振動子1aに生じたコリオリ力を検出することにより得られた角速度信号として出力される。
以上のように、この角速度センサ1では、圧電体3を用いて振動子1aを振動させるとともに、そのときに振動子1aに生じるコリオリ力を当該圧電体3によって検出し、この圧電体3によって検出されたコリオリ力に基づいて角速度を検出することができる。
このような構造の角速度センサ1では、同一面に検出電極3c,3cと駆動電極3bが配されているので、図4(A)に示すように、導電性材料をメッキすることにより全周面に電極を形成した基体の母体であるウェハ20と両面電極メッキを施すことにより各電極を形成した圧電体の母体であるウェハ30とを積層させてこれらを接着し、図4(B)に示すように、溝入れと切断を行い、四角柱状として個々に切り出すことにより、図4(C)に示すように、振動子1aを製造することができる。このような工程により製造される振動子1aは、非常に精度が高く、かつ超小型化が可能となる。さらに量産効果も得やすい構造とされる。また、圧電体の接着位置ずれといった問題も解決することができる。また、基体は、上記圧電体と略同様の切削加工性を有していることから、基体のウェハと圧電体のウェハとから上述したように、振動子としての切り出しが容易とされる。
さらに、従来のように、恒弾性金属振動子に圧電素子を接着したり、曲面に電極を印刷するといった難しい工程を設ける必要がなくなる。
この角速度センサ1では、上記圧電体3の対向する一方の主面3A であって上記基体2と接合される面に基準電極3aが 形成されているが、上記基体2に導電性があるため、上記圧電体3の主面3Aと対向する上記基体2の主面2Bを単純に接合することで、圧電体3に効率よく駆動電界を印加することが可能になり、感度向上を図ることが可能になる。
また、当然、小型化に伴って技術的な難しさが増し、精度を確保することが困難になると考えられるが、既にLSIやヘッド加工などで確立されている微細加工技術を応用することにより、このような問題はクリアできる。従って、高精度の寸法精度が得られるため、振動子の周波数調整も簡略化することが可能になる。
また、自励発振型駆動回路を応用することにより、非常に簡単な回路によって高精度な角速度センサ1を構成することができる。
そして、この角速度センサ1は、自励発振型なので、他励発振型の角速度センサのように温度特性の影響によって感度が低下してしまうようなこともない。
ここで、この角速度センサ1の環境温度の変化に対する感度の変化特性の実測結果を図5に示す。この図5において、特性A1は、圧電体3を構成する圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べてヤング率と熱膨張係数が同等以下の材料(アモルファスカーボン)にて基体2を構成した角速度センサ1の特性を示し、特性B1は、基体2をPZTにて構成した場合の特性を示している。
この図5からも明らかなように、圧電体3を構成する圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べてヤング率と熱膨張係数が同等以下の材料(アモルファスカーボン)にて基体2を構成することによって、環境温度の変化の影響を受けにくい振動子1aを構成することができる。
また、この振動子1aは、図6に示す特性A2のように、基体2をPZTにて構成した場合の特性B2と比較して、振動子単体の共振抵抗の温度変化を小さくすることができ、また、その変化の形態が直線的になるので補正を容易に行うことができる。
また、この角速度センサ1における振動子1aの断面縦横比と離調度の関係を図7に示す。なお、離調度とは、縦方向の共振周波数と横方向の共振周波数の差であり、離調度が小さい程感度は高くなる。
この図7において、特性A3は、圧電体3を構成する圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べてヤング率と熱膨張係数の物性値が同等以下の材料(アモルファスカーボン)にて基体2を構成した角速度センサ1の特性を示し、特性B3は、基体をPZTにて構成した場合の特性を示している。
この図7中に離調度0±200Hzに対応する振動子1aの縦横比の範囲を黒枠にて囲んで示してあるように、この角速度センサ1では、振動子1aの全幅と厚みとの比、すなわち断面縦横比を1.030〜1.055の範囲内とすることによって離調度を0近傍とすることができ、初期状態でこの範囲に抑えることによって離調度を容易に且つ確実に調整することができる。
なお、この角速度センサ1では、同一面に形成された駆動電極3bと検出電極3c,3cの振動子1の幅方向の電極寸法W1,W2を、図8に示すように、検出電極3c,3cと駆動電極3bとで異ならしめることによって、検出特性を最適化することができる。すなわち、駆動電極3bの形状や寸法を調整することで駆動効率を調整することができ、また、検出電極3c,3cの形状や寸法を調整することで検出効率を調整が可能になる。
さらに、この実施の形態における角速度センサ1において、圧電体3の厚さT1は基体2の厚さT2より薄く、例えば、圧電体3の厚さT1を0.2mm、基体2の厚さを0.8mmとしているが、上記圧電体3の厚みT1と上記振動子1aの厚みT0との比を変えて、振動子1aの発振周波数及びその駆動回路の移相器の調整許容量を測定したところ、図9に示すような結果が得られた。上述の如き構造の角速度センサ1では、上記圧電体3の厚みT1と上記振動子の厚みT0との比を0.14〜0.27の範囲内、具体的には、振動子1aの厚みT0が0.9mm〜1.1mmに対して、圧電体3の厚みT1を0.15mm〜0.25mmの構成にすることで、共振抵抗と発振周波数を一定の範囲内に圧縮できるとともに、振動子1aを自励発振させるための駆動回路のフェイズマージンを確保できる。さらに、振動子1aの寸法変化に対する周波数変化の度合いを低減できることにより、所定の離調度や発振周波数への調整が容易になる。
以上の説明から明らかなように、この角速度センサ1は、非常にシンプルな構造を有し、小型化を進めても、精度を損なわず、量産効果も期待でき、コストパフォーマンスが高く、高感度のものとなる。また、角速度センサ1は、低コスト化、小型化、高感度化をさらに推進することを可能にするので、ビデオカメラ、バーチャルリアリティ装置等のさらなる小型化・ハイコストパフォーマンスの要求に応えることができる。
本発明を適用した角速度センサに備えられる振動子の外観斜視図である。 上記角速度センサを使用するための回路の一例を示すブロック図である。 各種材料の物性の比較結果を示す図である。 上記角速度センサの製造方法の一例を示す図である。 上記角速度センサの環境温度の変化に対する感度の変化特性の実測結果を示す図である。 上記角速度センサにおける振動子単体の共振抵抗の温度依存性を示す図である。 上記角速度センサにおける振動子の断面縦横比と離調度の関係を示す図である。 上記角速度センサにおける振動子の断面図である。 上記角速度センサにおける圧電体の厚みと振動子の厚みとの比を変えて、振動子の駆動回路の移相器の調整許容量を測定した結果を示す図である。 従来の角速度センサの一例を示す図であり、(a)は当該角速度センサの全体構成を示す図であり、(b)は振動子の部分を示す斜視図であり、(c)は振動子の中央部分における断面を示す断面図である。 従来の角速度センサの一例を示す図であり、(a)は当該角速度センサの全体構成を示す図であり、(b)は振動子の部分を示す斜視図であり、(c)は振動子の中央部分における断面を示す断面図である。
符号の説明
1 角速度センサ、1a 振動子、2 基体、2A,2B 主面、3 圧電体、3A,3B 主面、3a 基準電極、3b 駆動電極、3c,3c 検出電極、10 加算器、11 増幅器、12 移相器、13 差動増幅器、14 同期検波器、15 ローパスフィルタ、20,30 ウェハ

Claims (6)

  1. 基体と圧電体とを積層してなる四角柱状の振動子を備え、
    上記圧電体はPZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)を主成分とする圧電セラミクスからなり、上記基体は、上記圧電セラミクスの主成分であるPZTと比べて、ヤング率と熱膨張係数が同等以下の物性値を持つPZT以外の材料からなることを特徴とする角速度センサ。
  2. 上記基体は、カーボンを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  3. 上記基体は、アモルファスカーボンからなることを特徴とする請求項2記載の角速度センサ。
  4. 上記圧電体の厚みと上記振動子の厚みとの比を0.14〜0.27の範囲内としたことを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  5. 上記振動子の全幅と厚みとの比を1.030〜1.055の範囲内としたことを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  6. 上記圧電体の対向する一方の主面であって上記基体と接合される面に形成され、基準電位に接続される基準電極と、
    上記圧電体の対向する他方の主面に上記振動子の長手方向に沿って形成され、上記振動子を振動させるための信号が供給される少なくとも1つの駆動電極と、
    上記圧電体の対向する他方の主面に上記駆動電極を挟む形で互いに平行に形成され、上記振動子に生じるコリオリ力に応じた信号を出力するための少なくとも1対の検出電極とを備え、
    上記駆動電極と上記基準電極との間に電圧を印加して上記圧電体により上記振動子を振動させるとともに上記振動子に生じるコリオリ力を上記圧電体により検出し、上記検出電極から上記コリオリ力に応じた信号として角速度検出信号を出力することを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
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