JP2005114517A - 測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電圧が印加されている状態で抵抗測定を行うことを防止する。
【解決手段】 電圧測定と抵抗測定とが可能なマルチメータで、抵抗測定ファンクションを選択(S1)して抵抗測定を行う場合、抵抗測定ファンクションであってもまず電圧を測定(S3)し、測定された電圧値が実質的に零すなわち電圧が印加されていないことを確認(S4)して初めて抵抗測定を可能にする。電圧が検出された場合には警告を発し、抵抗測定を不可能にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複数の測定機能を備える測定装置に関し、特に電圧測定機能と抵抗測定機能とを備える測定装置に関する。
一般に、デジタルマルチメータは、直流あるいは交流に対応して電圧、電流、抵抗その他を測定するための機能すなわちファンクションを備えている。複数のファンクションは、押しボタンスイッチあるいはロータリスイッチ等のファンクションキーを切替えて選択するようになっている。
図1に従来のデジタルマルチメータの一例を示す。
マルチメータのファンクションの切替えはファンクションスイッチ50により行われ、例えば、直流電圧及び交流電圧を測定するためのスイッチDCV及びACVのような電圧測定ファンクションキー51、抵抗測定のためのスイッチ2WΩ及び4WΩからなる抵抗測定ファンクションキー、その他電流、温度、周波数、脈流の電圧DC+ACを測定するファンクションキー等が配置され、また測定レンジの切替えキー53が配置されている。入力端子60は、共通端子COMの両側に電圧及び抵抗その他の測定端子V/Ω及び電流測定端子L/mAが配置されている。表示部70は、測定値表示部71と単位表示部72とを有する。
図1に示されているように、電圧又は抵抗を測定する場合は、同一の入力端子を使用するので、電圧又は抵抗に関するいずれかのファンクションキーをオンにすれば、所望の測定が可能となる。しかしながら、次のような誤操作によりメータを破損してしまうことがあった。すなわち、電圧測定中に誤って抵抗測定ファンクションに切替えてしまう場合、抵抗測定ファンクションであるにもかかわらず誤って電圧を測定するような場合等である。特に押ボタンスイッチの場合はワンタッチで切替わってしまうため誤操作を起こしやすい。通常、電圧測定ファンクションでは、最高印加電圧はおよそDC1100ボルトピークであり、抵抗測定ファンクションでは、耐圧が500〜600ボルト程度である。したがって、電圧測定中に誤って抵抗測定ファンクションに切替え、抵抗測定ファンクションの耐圧を超えて電圧が印加されると、マルチメータが破損する。
抵抗測定時に過大電圧が印加されても、破損しないようにするためには、抵抗測定ファンクションの耐圧を電圧測定ファンクションと同等にすればよいが、抵抗測定には電流を流す必要があることから、現在の耐圧以上にするには技術的に困難な点があり、また保護回路も複雑なものとなり、コストも増大する。
また、メータの破損にいたらないまでも、ある素子の抵抗を測定する際に、素子に電圧が印加され電流が流れていると、抵抗値の測定を誤ることになる。このような誤測定は、抵抗測定回路の耐圧を上げても防ぐことはできない。
なお、抵抗測定回路の保護のために、抵抗測定回路の入力端子間に過電圧により放電する放電素子を備え、過電圧が印加された場合には放電電流により抵抗測定回路を一時的に開放するようにした抵抗測定装置が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、これは、例えば送電線等の導通チェック時にAC過電圧が印加された場合、抵抗測定回路を保護しようとするもので、ここには電圧を測定しようとする考えはなく、電圧測定ファンクションと抵抗測定ファンクションとを有するマルチメータ特有の問題点、例えば、電圧測定しているときに誤って抵抗測定ファンクションに切替えてしまうときの問題点を認識しているものではない。
特開平5−264616号公報
本発明は、前記問題点に鑑み、電圧測定と抵抗測定とが可能な測定装置において、誤操作及び誤測定を防止することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、電圧測定部と抵抗測定部とを備える測定装置であって、抵抗測定部により抵抗測定を行う場合まず電圧電圧測定部により電圧を測定し、測定された電圧値が実質的に零であることを条件に抵抗測定を可能にした。
測定された電圧値が実質的に零でない場合には警告表示し、抵抗測定を禁止することができる。
また、表示部には測定された電圧値を表示するようにしてもよい。
本発明は、さらに電圧測定部と抵抗測定部の入力端子が同一である測定装置に適用することができる。
本発明によれば、電圧測定と抵抗測定が可能な測定装置において、抵抗測定時高電圧の印加により回路を破損する誤操作を防止することができる。また、まず抵抗に印加された電圧を測定して電圧が印加されているか否かをみるから、電圧印加された状態で抵抗を測定するという誤測定を回避することができる。さらに、新たなハードウェアの追加を行うこがとないので、コストの増加を抑えることができ、電圧測定と抵抗測定が可能などのような測定装置に対しても容易に適用できる。
以下、図2〜4を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明が適用される測定装置の電圧測定と抵抗測定とを示す概念図である。測定装置100は、測定信号が入力される入力端子H,Lと、電圧測定部10と、抵抗測定時に付加される付加回路20とを備える。電圧測定部10は、高インピーダンスの電圧計11を備え、付加回路20は、定電流源21と、ダイオード22と、スイッチ23を備え、抵抗測定に際しては、スイッチ23がオンして、電圧測定回路10に付加回路20が付加されて、抵抗測定部を構成する。すなわち抵抗を測定する場合、スイッチ23をオンにして付加回路を動作させ、測定すべき抵抗Rxを入力端子H,Lに接続して、定電流源21から電流を流す。電圧測定回路10は高インピーダンスであるので電流を吸い込むことなく、電流が抵抗Rxに流れ、その結果得られる電圧により抵抗Rxを測定する。
もし、信号入力端子に高電圧が印加されるような場合、あるいはわずかの電圧であっても抵抗Rxに印加されているような場合、メータの破損に至る事故となるか、あるいは抵抗値の誤測定となる可能性を有している。
本発明は、抵抗測定する際には必ず電圧測定を行った後に抵抗測定を実施するようにした。すなわち、抵抗測定ファンクションに切替えられた場合でもすぐに抵抗測定を行うのではなく、電圧測定を行い抵抗測定が可能な状態であるかどうかを判断して抵抗測定に切替えるものである。言い換えれば、抵抗測定ファンクションに入ったとしても、スイッチ23をすぐにオンすることなく、電圧測定ファンクションのまま電圧測定回路10で電圧測定を行い、得られた電圧値が実質的に零であり抵抗測定が可能であると判断されてはじめて抵抗測定を可能にするスイッチ23をオンとするものである。
次に本発明の測定シーケンスを説明する。
図3は、本発明による抵抗測定シーケンスを示すフローチャートである。
ステップS1では、ユーザにより抵抗測定ファンクションキーが押下され、抵抗測定ファンクションが選択されたか否かを判断する。
次のステップS2で、入力端子から測定信号が入力されると、抵抗測定ファンクションに入っているにも拘らず、ステップS3で電圧測定ファンクションにより電圧測定を行う。
その後、ステップS4で、測定結果の電圧値が所定値(例えば0.5μV又は1μV等)以下で実質的に零に等しいか否か、言い換えれば、電圧が印加されていないに等しいかどうかを判断する。測定値が実質的に零、すなわち電圧が印加されていないといえる場合には、ステップS6で抵抗測定を行う。
しかし、測定値が零ではなく、電圧が印加されていると判断される場合には、ステップS5で、マルチメータの表示部に電圧値を表示し、警告を発するとともに、抵抗の測定を行わずに、ステップS3の電圧測定に戻る。
警告は警告表示(文字や点滅等)、ブザーによる警報等を用いることができる。装置が破損するほどの電圧がかかっているような場合、非常用の警報を発するようにしてもよく、表示や警報はさまざまな方法を適宜採用できる。電圧値については、表示しなくてもよいが、表示したほうがユーザに適切な情報を与えることになると考えられる。
図4に、図1に示した測定装置の表示部に測定結果と警告が表示された一例を示す。入力端子に印加されている電圧値ととともに抵抗ファンクションが使用できないことを警告している。表示部が、セグメントタイプの数字表示部のみであれば、アルファベット等他の記号表現等を用いて警告するようにすればよい。ここでは、マルチメータの表示部を使用して表示したが、他の表示部を設けて、これに表示するようにしてよい。また、ブザー等の音声による表示のみでもよい。
次に計器の破損に至る誤操作を回避できることを具体例で説明する。
例えば電圧計自体は1kVの耐圧を持ち、付加回路の耐圧は500Vであり、今DC600Vの電圧を測定しているとする。ユーザがレンジの切替えを行おうとしてファンクションキーを操作するような場合に、誤って抵抗測定ファンクションキーを押下げ、一瞬のうちに測定装置が破損するようなことがあった。
本実施形態では、このような場合、抵抗測定ファンクションが選択されたことが判定される(ステップS1)が、実際の測定に当っては、入力信号が到来(ステップS2)しても、ステップS3で、電圧測定ファンクションのまま電圧測定を行い、電圧値DC600Vを測定し(ステップS4)、表示部に測定結果を表示するとともに警告表示して、抵抗測定を禁止する。
このようにして、誤操作による抵抗測定回路への高電圧の印加を防ぐことができる。ユーザはこれにより誤操作を知り、電圧測定ファンクションに戻すか、電圧の入力を中止してすなわち入力端子に電圧が印加されない状態にして、抵抗を測定することができる。
このように、本実施形態では、従来のように抵抗測定を行っていれば、抵抗測定ファンクションの耐圧を超えて電圧がかかり、回路を破損することになっていた事故を防止することができる。また、わずかの電圧であっても電圧を測定検出できるので、電圧印加された状態での抵抗の誤測定を回避することができる。さらに、測定シーケンスを付加するだけで、新たなハードウェアの追加を行うことなく、コストを増加することなく誤操作あるいは誤測定を防止できる。
なお、抵抗測定に際して安全を確保するために必ず電圧測定を行うという本発明のシーケンスが明らかに必要でない場合(たとえば、多数の抵抗素子を単独で次々と抵抗値を計測するような場合)には、本発明のシーケンスを解除して通常のシーケンスを採用できるように測定シーケンスを選択可能としてもよい。
また、本実施形態では、電圧測定と抵抗測定の入力端子が共通である装置について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、たとえ電圧測定端子と抵抗測定端子とが異なる場合であっても、抵抗測定時に電圧が印加された抵抗を測定していしまうことがあり、まず電圧を測定することにより誤操作による破損及び誤測定を回避することができる。
従来の測定装置を示す図である。 本発明が適用される電圧測定部と抵抗測定部を示す概念図である。 本発明の一実施形態の測定シーケンスのフローを示す図である。 本発明一実施形態による電圧測定値と抵抗測定の禁止とを表示する測定装置を示す図である。
符号の説明
10…電圧測定ブロック
11…電圧測定回路
20…抵抗測定のための付加回路ブロック
21…定電流源
22…スイッチ
Rx…被測定抵抗

Claims (4)

  1. 少なくとも電圧測定部と抵抗測定部とを備える測定装置であって、前記抵抗測定部により抵抗測定を行う場合まず前記電圧測定部により電圧を測定し、測定された電圧値が実質的に零であることを条件に抵抗測定を行う測定装置。
  2. 測定値を表示する表示部を備え、前記測定された電圧値が実質的に零でない場合には警告表示して、抵抗測定を禁止する請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記表示部には、前記測定された電圧値を表示する請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 前記電圧測定部と前記抵抗測定部の入力端子が同一である請求項1〜4のいずれか1項に記載の測定装置。
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