JP2005112841A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フッ化カルシウムの粒子径を制御して効率的に歯にフッ素とカルシウムを吸着させることができ、優れた歯の脱灰抑制効果や再石灰化促進効果が得られる口腔用組成物を提供する。
【解決手段】 カルシウムイオン供給化合物を含有する組成物(A)と、フッ素イオン供給化合物を含有する組成物(B)とを少なくとも含む多組成物系であって、前記多組成物系には、さらに(C)ポリオールリン酸イオン供給化合物及び(D)モノフルオロリン酸イオン供給化合物を含有する口腔用組成物である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微粒子状のフッ化カルシウムを効率的に歯などの口腔内に吸着させることで、歯の脱灰抑制効果や再石灰化促進効果に優れ、歯垢によるpH低下の抑制効果に優れた口腔用組成物に関する。
歯のエナメル質は、ハイドロキシアパタイトを主成分とし、口中においては通常、リン酸イオンやカルシウムイオンの溶出(脱灰)と、リン酸カルシウムやハイドロキシアパタイトへの結晶化(再石灰化)が平衡状態にある。フッ素イオンは脱灰を抑制し、カルシウムイオンとリン酸イオンの供給・結晶化、すなわち、再石灰化を促進することにより、う蝕の発生が予防できる。従って、フッ素イオンとカルシウムイオンを口腔内に供給すると歯の再石灰化を促進させることができる。
しかし、組成物に予めフッ素イオンとカルシウムイオンとを配合すると、組成物中でフッ化カルシウムが析出してしまう。このように予め生成したフッ化カルシウムは粉末状(平均粒子径:数μm)のものであり、これを口腔内に供給しても、粒子径が大きすぎるため、ほとんど歯には吸着されず、歯の再石灰化促進効果はほとんど認められない。
かかる観点から、カルシウムイオン源とフッ素イオン源とを別の組成物とし、口腔内で又は口腔への適用直前に当該2つの組成物を混合することにより、口腔内でフッ化カルシウムを生成させる形態の口腔用剤が提案されている。例えば、カルシウムイオン源とフッ素イオン源とカルシウム金属イオン封鎖剤を含有する口腔衛生用製品(特許文献1、特許文献2)がある。しかし、この口腔用剤においては、カルシウム金属イオン封鎖剤が含まれているため、前記金属イオン封鎖剤によって歯へのフッ素吸着がかえって阻害されるという問題がある。
また、予め生成したフッ化カルシウムをコロイド状にして配合した組成物も提案されている(特許文献3)が、保存期間が長くなるとコロイドの安定性が低下するという問題があり、フッ化カルシウムの微粒子を歯牙の表面に吸着させるのに充分な効果が得られていない。
また、特許文献4には、フッ化カルシウムが急速に析出されることが可能であることが開示されている。しかし、この場合、析出後のフッ化カルシウム微粒子(一次粒子)はその凝集速度の制御ができないため、一次粒子の形成後自己凝集が急速に進行し二次粒子が形成される。このように形成されたフッ化カルシウムの二次粒子は、粒子径が大きく成長しすぎて歯への吸着量が低下してしまうという問題があった。
ここで、一次粒子は、フッ素イオンとカルシウムイオンによって形成されたフッ化カルシウムの結晶子である。二次粒子は、前記一次粒子が凝集して(例えば、自己凝集など)形成された粒子である。
さらに、特許文献2には、嗽剤、歯磨き及びゲルにおけるフッ化カルシウム形成を制御することが開示されている。すなわち、フッ化カルシウムの形成を制御するために、カルシウムイオンとフッ素イオンとの混合後少なくとも約5秒までフッ化カルシウムの沈殿を遅延させるフッ化カルシウム阻害剤を配合することが提案されている。このフッ化カルシウム阻害剤が配合された結果、フッ化カルシウムの凝集(二次粒子の形成)の遅延を達成することができたが、前記阻害剤の存在がフッ化カルシウムの生成反応(一次粒子の形成)をも阻害してしまい、一次粒子としてのフッ化カルシウムの生成量が低減する問題があ
った。
従って、より効率のよい再石灰化の促進を実現するためには、フッ化カルシウムの生成(一次粒子の形成)には影響することなく、かつ、フッ化カルシウムの凝集(二次粒子の形成)速度を制御することができるものが望まれる。
特開昭58−219107号公報 特表平10−511956号公報 特公平6−37382号公報 特許第20170804号公報
本発明の目的は、より多くのフッ化カルシウムの一次粒子を形成することができ、かつ、フッ化カルシウムの凝集(二次粒子の形成)速度を制御することができ、より多くの微粒子状のフッ化カルシウムを歯などに吸着させやすくすることにより、歯の脱灰抑制効果や再石灰化促進効果に優れた口腔用組成物を提供することにある。
本発明者らは、ポリオールリン酸イオンは、フッ化カルシウムの一次粒子を小さくし、更に一次粒子の凝集(二次粒子の形成)を抑制することにより、フッ化カルシウムの二次粒子(フッ化カルシウムの凝集物)の粒子径を制御することができることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明者らは、(A)カルシウムイオン供給化合物を含有する第1組成物と、(B)フッ素イオン供給化合物を含有する第2組成物とを含む多組成物系に、(C)ポリオールリン酸イオン供給化合物及び(D)モノフルオロリン酸イオン供給化合物を含有する口腔用組成物を用いることにより、一次粒子の形成が促進され、かつ、二次粒子の形成を制御できる歯の脱灰抑制効果や再石灰化促進効果に優れた口腔用組成物を得ることができた。
また、本発明者らは、前記組成物(A)、前記組成物(B)、前記成分(C)、及び前記成分(D)を互いに混合することにより、速やかに微粒子状フッ化カルシウム(一次粒子)が生成されることを可能にした。本発明の多組成物系における前記組成物及び前記成分の組み合わせは、例えば次の組み合わせが好ましい。
(1)前記成分(C)及び(D)が配合された前記組成物(A)と前記組成物(B)の組み合わせ
(2)前記組成物(A)と前記成分(C)及び(D)が配合された前記組成物(B)の組み合わせ
(3)前記成分(C)が配合された前記組成物(A)と前記成分(D)が配合された前記組成物(B)の組み合わせ
(4)前記成分(D)が配合された前記組成物(A)と前記成分(C)が配合された前記組成物(B)の組み合わせ
(5)前記成分(D)が配合された前記組成物(A)と前記組成物(B)と前記成分(C)が配合された組成物の組み合わせ
(6)前記成分(C)が配合された前記組成物(A)と前記組成物(B)と前記成分(D)が配合された組成物の組み合わせ
(7)前記組成物(A)と前記成分(D)が配合された前記組成物(B)と前記成分(C)が配合された組成物の組み合わせ
(8)前記組成物(A)と前記成分(C)が配合された前記組成物(B)と前記成分(D)が配合された組成物の組み合わせ
(9)前記組成物(A)と前記組成物(B)と前記成分(C)が配合された組成物と前記成分(D)が配合された組成物の組み合わせ
また、前記微粒子状フッ化カルシウムの一次粒子は、0.3〜15nmであることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜12nmであり、特に好ましくは0.3nm〜9nmである。
前記微粒子状フッ化カルシウムの凝集物である二次粒子には、モノフルオロリン酸類を含有してもよく、前記凝集物におけるモノフルオロリン酸類の含有量は0.05〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは、前記含有量が0.1〜15質量%で、特に好ましくは、前記含有量が0.5〜10質量%である。また、前記微粒子状フッ化カルシウムの二次粒子には、ポリオールリン酸類をも含有することができ、前記凝集物におけるポリオールリン酸類の含有量は0.05〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは、前記含有量が0.1〜15質量%で、特に好ましくは、前記含有量が0.5〜10質量%である。さらに、前記モノフルオロリン酸類及び前記ポリオールリン酸類を同時に含有してもよく、前記モノフルオロリン酸類と前記ポリオールリン酸類との複合粒子であってもよい。前記複合粒子における前記モノフルオロリン酸類と前記ポリオールリン酸類との合計含有量は0.1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは、前記合計含有量が0.2〜30質量%で、特に好ましくは、前記合計含有量が1〜20質量%である。
本発明に係る口腔用組成物の好ましい態様としては、カルシウムイオン供給化合物及びポリオールリン酸イオン供給化合物として用いられ得るポリオールリン酸カルシウムを含有する第1組成物(E)と、フッ素イオン供給化合物を含有する第2組成物(B)とを含む多組成物系であって、前記多組成物系には、更に(D)モノフルオロリン酸イオン供給化合物を含有する口腔用組成物が挙げられる。
本発明に係る口腔用組成物を用いると、より多くのフッ化カルシウムの一次粒子を形成させることができる一方、フッ化カルシウムの凝集(二次粒子の形成)速度を制御することができる。その結果、より多くの微粒子状のフッ化カルシウムを歯などに吸着させやすくすることができ、口腔内の歯表面などへの吸着性に優れ、歯の脱灰抑制効果や歯の再石灰化促進効果に優れた口腔用組成物が得られる。
また、ポリオールリン酸類が含まれる本発明に係る口腔用組成物を用いると、フッ化カルシウムの二次粒子の形成に際し、フッ化カルシウムの微粒子とポリオールリン酸類とが複合粒子となって二次粒子に存在することが可能になる。該複合粒子に含まれているポリオールリン酸類のpH緩衝能によって、残留歯垢(特に歯磨き後の残留歯垢)のpHの低下を抑制する働きをし、その結果、歯垢のpHの低下に起因する歯のう蝕を未然に予防することができる。また、二次粒子は、フッ化カルシウムの微粒子とモノフルオロリン酸類とが複合粒子となって二次粒子に存在する場合、モノフルオロリン酸類による歯の脱灰抑
制を向上させる効果や、歯の再石灰化を促進する効果が高くなり、これらの効果によっても、う蝕の未然が予防に予防される。
本発明の口腔用組成物を用いれば、フッ化カルシウムの粒子径を制御することにより、効率的に歯にフッ化カルシウムを吸着させることができ、優れた歯の脱灰抑制効果や再石灰化促進効果が得られる。
フッ化カルシウムの二次粒子として、フッ化カルシウムと共にポリオールリン酸類を含有する複合粒子が形成される場合には、該複合粒子に含まれているポリオールリン酸類のpH緩衝能によって残留歯垢のpHの低下を抑制することができ、その結果、未然にう触を予防することができる。
さらに、フッ化カルシウムの微粒子、モノフルオロリン酸類及びポリオールリン酸類が複合粒子となって二次粒子に存在する場合には、これらのものの相乗効果により、残留歯垢によるpHの低下が抑制され、歯の脱灰が抑制され、再石灰化が促進されることがより効果的に行われ、う蝕の予防がより効果的になる。
本発明において組成物(A)に用いられるカルシウムイオン供給化合物としては、例えば、ポリオールリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、イソ酪酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト及びそれらの混合物が挙げられる。ポリオールリン酸カルシウムとしては、例えば、グリセロリン酸カルシウム、グルコース-1-リン酸カルシウム、グルコース-6-リン酸カルシウムなどが挙げられる。また、味のよい観点から、好ましいカルシウムイオン供給化合物として乳酸カルシウムやグリセロリン酸カルシウムなどが挙げられる。
前記組成物(A)中のカルシウムイオン供給化合物は、口腔内で効率的にフッ化カルシウムを生成させる点から、組成物(A)中にカルシウムイオンを10〜16000ppm、より好ましくは50〜12000ppm、特に200〜8000ppm供給することが好ましい。本発明に係るカルシウムイオン供給化合物としては、イオン化するカルシウムイオン供給化合物を用いることが好ましい。前記組成物(A)と組成物(B)の使用量を同量(質量換算)とした場合には、組成物(A)中にこれらのカルシウムイオン供給化合物を0.25〜400μmol/g、更に1.25〜300μmol/g、特に5〜200μmol/g含有させるのが好ましい。
本発明において組成物(B)に用いられるフッ素イオン供給化合物はモノフルオロリン酸イオン供給化合物以外のフッ素イオン供給化合物であり、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化カリウム、フッ化亜鉛、フッ化ベタイン、フッ化第一スズアラニン、フルオロケイ酸ナトリウム、フッ化ヘキシルアミン及びそれらの混合物が挙げられる。好ましいフッ素イオン供給化合物は、フッ化ナトリウム又はフッ化第一スズである。
前記組成物(B)中のフッ素イオン供給化合物は、口腔内で効率的にフッ化カルシウムを生成させる点から、組成物(B)中にフッ素イオンを5〜4000ppm、更に25〜2000ppm、特に100〜1000ppm供給することが好ましい。フッ素イオン濃度をこの範囲になるようにするには、例えば、組成物(A)と(B)の使用量を同量(質量換算)とした場合には、組成物(B)中にこれらのフッ素イオン供給化合物を0.065〜210μmol/g、更に0.325〜158μmol/g、特に2.6〜105μmol/g含有させるのが好ましい。
カルシウムイオンとフッ素イオンは1:2(モル比)で反応してフッ化カルシウムを生成する。本発明の口腔用組成物におけるカルシウムイオン供給化合物(カルシウム換算)とフッ素イオン供給化合物(フッ素換算)の含量比(モル比)は、使用時に効率的にフッ化カルシウムを生成させる観点から、1:8〜4:1が好ましく、特に1:4〜2:1が好ましい。
本発明において成分(D)に用いられるモノフルオロリン酸イオン供給化合物としては、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸マグネシウム、モノフルオロリン酸カルシウム等が挙げられるが、モノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。モノフルオロリン酸イオンは、口腔内、特に歯垢などに残留し、唾液や歯垢中のホスファターゼなどで徐々に分解され、持続的にフッ素イオンを歯に供給する。モノフルオロリン酸イオン供給化合物の含有量は、前記組成物(A)と組成物(B)の使用量を同量(質量換算)とし、組成物(A)中にのみ成分(D)を含有させた場合には、組成物(A)中に0.065〜210μmol/g、更に0.325〜158μmol/g、特に2.6〜105μmol/gが好ましい。
成分(D)であるモノフルオロリン酸イオン供給化合物は、上記組成物(A)及び上記組成物(B)のいずれか一方又は両方に含有されていても良いし、組成物(A)及び組成物(B)とは別個に第三の成分として又は第三の組成物に含まれる一成分として存在していても良い。
本発明において成分(C)として用いられるポリオールリン酸イオン供給化合物としては、例えば、分子内に1個またはそれ以上のリン酸基を有する炭素数3〜10の単糖、それらの単糖が2〜6個結合したオリゴ糖、並びに分子内に1個またはそれ以上のリン酸基を有する炭素数3〜10の多価アルコールが挙げられる。具体的には、グリセロリン酸、グリセリルアルデヒド-3-リン酸、エリスロース−4−リン酸、リボース−5−リン酸、グルコース-1-リン酸、グルコース-6-リン酸、イノシトールモノリン酸、イノシトールヘキサリン酸、フルクトース−1−リン酸、フルクトース−6−リン酸、フルクトース−1,6−ジリン酸、アスコルビン酸−2−リン酸、リン酸化マルトトリオース、リン酸化マルトテトラオース及びこれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩が挙げられる。中でも、グリセロリン酸、グルコース-1-リン酸、グルコース-6-リン酸のナトリウム塩やカルシウム塩が好ましい。前述したように、グリセロリン酸カルシウム、グルコース-1-リン酸カルシウム、グルコース-6-リン酸カルシウムなどのポリオールリン酸カルシウムとして含有させる場合は、カルシウムイオン供給化合物としても用いることができる。
成分(C)であるポリオールリン酸イオン供給化合物は、上記組成物(A)及び上記組成物(B)のいずれか一方又は両方に含有されていても良いし、組成物(A)及び組成物(B)とは別個に第三の成分として又は第三の組成物に含まれる一成分として存在していても良い。
成分(C)は、本発明の口腔用組成物中に0.125〜200μmol/g、更に0.625〜150μmol/g、特に2.5〜100μmol/g含有させるのが好ましい。例えば、前記組成物(A)と組成物(B)の使用量を同量(質量換算)とし、組成物(A)中にのみ成分(C)を含有させた場合には、組成物(A)中にこれらのポリオールリン酸イオン供給化合物を0.25〜400μmol/g、更に1.25〜300μmol/g、特に5〜200μmol/g含有させるのが好ましい。
また、ポリオールリン酸カルシウムをカルシウムイオン供給化合物、かつ、ポリオールリン酸イオン供給化合物として含有する組成物(E)においても、前記組成物(E)と組成物(B)の使用量を同量(質量換算)とした場合には、組成物(E)中にこれらのポリオールリン酸カルシウムを0.25〜400μmol/g、更に1.25〜300μmol/g、特に5〜200μmol/g含有させるのが好ましい。
本発明の口腔用組成物には、使用時の混合物中濃度として10〜70質量%の糖アルコールを含有させることが好ましい。ここで、糖アルコールとしては、例えば、ラクチトール、イソマルチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール、イソマルトテトライトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール等が挙げられる。かかる糖アルコールはD体、L体のいずれであってもよく、またその混合物であってもよい。
また、これらの糖アルコール中には、キシリトールを含有するのが好ましく、当該糖アルコール中のキシリトール濃度は、好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは2〜20質量%である。
本発明の口腔用組成物において、組成物(A)、組成物(B)、成分(C)、及び成分(D)の全ては、口腔内で又は口腔内導入直前に混合されることが好ましい。さらに、本発明の口腔用組成物は、組成物(A)と組成物(B)とが非接触状態で容器に充填され、口腔内で又は口腔内導入直前に混合されることが好ましい。
また、本発明においては、組成物(A)と組成物(B)とを使用時又は使用直前まで非接触状態で保存し、多組成物系の形態をとることが好ましい。
多組成物系の形態とするためには、組成物(A)と組成物(B)とをそれぞれ別個の容器に充填してもよく、また組成物(A)と組成物(B)が非接触状態で一の容器に充填されていてもよい。非接触状態で充填するための容器としては、例えば、チューブ内に隔壁を設けたもの、チューブ内にチューブを挿入したもの、別々のチューブを口部で一緒になるように接合したもの等が挙げられる。
本発明においては、口腔用組成物に一般に用いられるアニオン界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシネート塩等のN−アシルアミノ酸塩等を含有してもよい。また、口腔用組成物に一般的に用いられている、無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等の研磨剤、グリセリン、ポリエチレングリコール等の湿潤剤、発泡剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン等の粘結剤、サッカリンナトリウム等の甘味剤、着色剤、パラオキシ安息香酸メチル等の保存剤、塩化ベンゼトニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、β-グリチルレチン酸、トコフェロール等の抗炎症剤、香料等を添加することができる。これらの成分は、組成物(A)及び組成物(B)の両方に配合してもよいし、いずれか一方に配合してもよい。
本発明の口腔用組成物は、粉歯磨剤、潤性歯磨剤、練り歯磨剤、液状歯磨剤、洗口剤等として用いることができる。
1.洗口液
(1)洗口液の調製
表1の組成に従い、それぞれ組成物(A)及び組成物(B)の二剤を調製し、各々等量で隔離された容器に充填した。
(2)測定方法
a.ハイドロキシアパタイト(HAP)への微粒子の吸着状態観察
表1に示されたそれぞれの実施例又は比較例の組成物A、組成物Bを等量で混合し、10gのHAP粉末(和光純薬)をそれぞれ前記混合液に3分間処理し、その後、イオン交換水で洗浄し、真空乾燥して粉末を得た。得られたHAP粉末へのフッ化カルシウムの吸着状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
HAP粉末へフッ化カルシウムがよく吸着されているものを「○」、やや吸着されているものを「△」、ほとんど吸着されていないものを「×」とした。
Figure 2005112841
b.HAPペレットへのフッ素吸着量の定量
HAPペレットを、それぞれ10mlの組成物Aで30秒間処理し、次に10mlの組成物Bで30秒間処理する。この処理を交互に3分間行った。このような処理によって、HAPペレット表面に吸着したフッ化カルシウム微粒子を塩酸で抽出し、HAPペレット表面に吸着したフッ素を、フッ素イオン電極(inplus-Fluoride(ORION社製)を用い、イオンアナライザー(Expandable ion Analyzer EA940(ORION社製))を使用して、定量した。
c.電位差滴定
HAP粉末(対照区)および表1に示す実施例1及び比較例1の組成物で処理したHAP粉末のそれぞれについて、0.1g精秤し、イオン交換水40ml添加し懸濁スラリーを調製した。京都電子工業製自動電位差滴定装置AT−300を用いてスターラー攪拌を行いながら、0.1N−塩酸を懸濁スラリーに0.5mlずつ滴下し、滴下後5分毎にpHを測定し、滴定曲線を得た。
d.フッ化カルシウム一次粒子のサイズの測定
HAP粉末および表1に示す実施例1及び比較例1の組成物で処理したHAP粉末試料を粉末X線回折法で(装置:理学電機 RINT2500VPC、Cu:Kα、40kV,120mA、発散スリット 1°、発散縦制限スリット 10mm、散乱スリット1.25mm、受光スリット0.3mm、スキャンスピード 1.000° /min)、2θを2.5〜75°
の範囲で測定した。
e.フッ化カルシウムの二次粒子の成分解析
表1に示す実施例1の組成で処理したHAP粉末試料を、Pt−Pdで蒸着処理し、EDS測定試料とした。SEM-EDS〔エネルギー分散型X線分析法〕(装置:HITACHI製S-4000、条件:電子ビーム10kV/堀場製作製 EMAX-3770)はUTWモードで測定を行い処理剤の存在を確認した。
また、実施例1および比較例1の組成で処理した各HAP粉末試料を、昇温脱離法〔TPD〕(装置:日本ベル社製TPD、試料0.1g、真空下、昇温速度10℃/min)にてMASS‐スペクトロメトリーによりフッ素(19F)をモニターした。
さらに、イオンクロマトグラフィーにより実施例1の組成で処理したHAP粉末試料中の各剤の同定・定量を行った。試料調製はHAP粉末試料をビーカーに0.1g精秤し、超純水を40ml投入し、0.01mol/l-HClを0.5ml添加し、1時間攪拌した。スラリーを45μm径のメンブランフィルターで濾過し、最初の5mlを破棄し、その後の溶液をイオンクロマトグラフ測定溶液とした。イオンクロマトグラフ測定は、ダイオネクス製DX-320(EG-40装備)を用いて、モノフルオロリン酸、グリセロリン酸の標準物質との保持時間の比較から同定を行い、検量線法によりピーク面積から定量を行った。
モノフルオロリン酸とグリセロリン酸の定量条件は、分離カラムIonPac AS-16、ガードカラムIonPac AG-16、溶離液 KOH (EG-40使用)、流量1.0 ml/min 、グラジェント 10 mmol/l−70mmol/l (0−20min)、サプレッサー ASRS (200mA)、検出器は電気伝導度検出器とした。
(3)結果
a.HAPペレットへのフッ素吸着量及び吸着状態
表1に示されたように、実施例1のグリセロリン酸カルシウム及びモノフルオロリン酸ナトリウムからなる組成物Aとフッ化ナトリウム配合の組成物Bの交互処理したHAPペレットへのフッ素吸着量は33mg/mであった。
つまり、実施例1の場合は、グリセロリン酸カルシウムの存在により、モノフルオロリン酸ナトリウムによって形成されたフッ化カルシウム微粒子(一次粒子)から二次粒子への形成が抑制され、その結果、一次粒子の状態にあるフッ化カルシウム微粒子が効果的にHAPペレットに吸着できたため、HAPペレットへのフッ素吸着量が33mg/mであった。
また、実施例2の組成物Aがグリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム及びモノフルオロリン酸ナトリウムである場合、組成物A,組成物Bの交互処理によるHAPペレットへのフッ素吸着量は28mg/mであった。
フッ化カルシウムの吸着状態については、実施例1、実施例2共にSEMの観察において、よく吸着されたことが確認できた「○」(表1)。
これに対し、比較例1のA剤が乳酸カルシウムである場合、組成物A,組成物Bの交互処理によるHAPペレットへのフッ素吸着量は20mg/mであった。
ここで、実施例2の組成物Aには、乳酸カルシウム0.5質量%しか配合されていないのに、HAPペレットへのフッ素吸着量が28mg/mであるのに対し、1質量%の乳酸カルシウムが配合されている比較例1の組成物Aと組成物Bの交互処理によるHAPペレットへのフッ素吸着量が逆に20mg/mであって、実施例2の場合より吸着量が低い値であった。
これは、実施例2の場合、組成物Aの乳酸カルシウムと組成物Bのフッ化ナトリウムによって形成されたフッ化カルシウム微粒子(一次粒子)が、0.5質量%グリセロリン酸の配合により、二次粒子の形成が抑制されたからである。グリセロリン酸の二次粒子の形成の抑制効果により、一次粒子であるフッ化カルシウム微粒子が大量に存在する状態になり、これらの微粒子(一次粒子)が効率よくHAPペレットに吸着し、その結果、フッ素吸着量が28mg/mという高い値を得ることができた。
これに対し、比較例1の場合、組成物Aが乳酸カルシウムのみであり、組成物Aの乳酸カルシウムと組成物Bのフッ化ナトリウムとが交互に処理されると、フッ化カルシウム微粒子(一次粒子)が形成され、その後、凝集が進行し粒子径の大きい二次粒子が抑制されることなく速やかに形成され、このような粒子径の大きい二次粒子は、HAPペレットへの吸着効率が悪くなり、その結果、フッ素吸着量が20mg/mとなり、実施例2より低い値となったものである。
また、比較例2のように、グリセロリン酸カルシウムのみの組成物Aとフッ化ナトリウムが配合される組成物Bとを交互処理した場合、フッ化カルシウムの一次微粒子の形成が遅く(図1)、その結果、HAPペレットへのフッ素吸着量が14mg/mとなった。
比較例3のモノフルオロリン酸ナトリウムのみである組成物Aとフッ化ナトリウムが配合される組成物Bの交互処理した場合、フッ化カルシウムの一次微粒子は形成されていることが認められなかった。
また、比較例1、比較例2のフッ化カルシウムの吸着状態は、表1のとおり、SEMの観察ではやや吸着され(「△」)、比較例3の場合は、ほとんど吸着されていない(「×」)状態が確認できた。
b.フッ化カルシウム微粒子のHAP粉末への吸着状態
図2に実施例1の組成物A,Bで処理したフッ化カルシウム微粒子の吸着状態がわかるHAP粉末のSEM写真を示した。図2から、棒状のHAP粉末に小さい顆粒であるが吸着されていることが確認できる。これは、フッ化カルシウム微粒子(主に二次粒子)である。
図3は、比較例1の組成物A,Bで処理したHAP粉末のフッ化カルシウム微粒子の吸着状態を示すものである。図3から、棒状のHAP粉末に実施例1(図2)より大きい二次粒子が確認できる。サイズの大きい二次粒子は、グリセロリン酸が配合されていないため、2次凝集が制御される(遅らせられる)ことなく急速に進行することによるものである。
図4は比較例3の組成物A,Bで処理したHAP粉末のフッ化カルシウム微粒子の吸着状態を示すものである。図4に示すとおり、比較例3のHAP粉末にはフッ化カルシウム微粒子がほとんど認められない。モノフルオロリン酸ナトリウムのみ配合(表1)の組成物Aとフッ化ナトリウムが配合される組成物Bの交互処理した場合、フッ化カルシウム微粒子がほとんど形成されないからである。
c.組成物Aと組成物B混合後の濁度の変化
図1に組成物A,Bの2剤混合後の濁度の変化を示した。ここで、濁度(600nmの吸光度)はフッ化カルシウム微粒子(二次粒子)の形成状態を反映している。図1に示したとおり、実施例1の場合、組成物Aと組成物Bとの混合直後に吸光度が急上昇してから徐々に低下することを示している。これは、フッ化カルシウム微粒子が急速に形成された後、粒子径が制御されていることを意味する。
これに対し、比較例1の組成物Aと組成物B混合後の濁度は、混合直後の10秒間、時間の経過と共に吸光度が上昇する傾向を示す。これは、通常のフッ化カルシウム微粒子の形成挙動が示されたものである。さらに、比較例2(特許文献2の組成物)の組成物Aと組成物Bの混合後約10秒間は吸光度の上昇がほとんど認められず、これはフッ化カルシウム微粒子の形成が阻害されること意味する。
d.フッ化カルシウム一次粒子(結晶子)径のX線回折による解析
CaF2( PDF# 35-0816)の回折ピークd=3.1546(111)、d=2.7314(200)、d=1.9316(220)のピークにてCaF2の存在を確認することができた。図5にd=3.1546付近のみのスペクトルを示した。最もヒドロキシアパタイトのピークと重なることなく分離が容易であるCaF2のd=3.1546(111)の部分に着目し、各種処理したHAP粉の回折ピークと未処理HAP粉(対照区)の回折ピーク強度を2θ=26.0°〜31.0°の範囲において、それぞれ差分をとりCaF2のみのピークを分離した(図5のS1、S2)。この分離ピーク(CaF2)の回折角、半値幅(ピーク高さの1/2における幅)を用いてScherrer式( D=Kλ/(B・cosθ))により結晶子サイズ(Å)を計算した。ここで、係数K=0.9、 CuKα λ=1.54056Å、B:ピーク半値幅(ピーク高さの1/2における幅(rad))、θ:回折角(ピークトップ位置)である。
その結果、実施例1の結晶子のサイズ(粒子径)は4nmで、比較例1の結晶子の粒子径は13nmであった。
e.フッ化カルシウムの二次粒子の成分解析
SEM-EDSの測定結果から、実施例1の組成で処理したHAP粉末試料には炭素が検出され、グリセロリン酸由来の炭素が吸着していることが確認された。
昇温脱離法〔TPD〕のMASS‐スペクトロメトリーによる19Fの測定結果から、実施例1の組成で処理したHAP試料粉末からは400℃付近以上でフッ素の分解脱離ピークが得られた。一方、比較例1の組成で処理したHAP試料粉末からは400℃付近以上にフッ素の分解脱離ピークが全く得られなかった。即ち、比較例1組成で処理したHAP試料粉末では、フッ化カルシウムは安定で分解が起こらないことが確認され、実施例1の組成で処理したHAP試料粉末から検出されたフッ素はモノフルオロリン酸由来のフッ素であることを確認した。
上記解析結果から実施例1の組成で処理したHAP粉末試料にはグリセロリン酸とモノフルオロリン酸の両方が吸着していることを確認し、イオンクロマト法による定量値は、モノフルオロリン酸が1.0質量%、グリセロリン酸が2.9質量%であった。
f.脱灰抑制効果
図6に電位差滴定結果を示した。歯からリン酸イオンやカルシウムイオンが溶出(脱灰)した場合、溶液中にリン酸イオンやカルシウムイオンの濃度が高くなり、塩酸の添加に対するpHの変化が小さくなる。歯からリン酸イオンやカルシウムイオンの溶出が抑制される場合は、溶液中にリン酸イオンやカルシウムイオンの濃度が低く、溶液のpH値が塩酸の添加により大きく変化することになる。洗口液の脱灰抑制効果の評価はこの原理を利用したものである。
図6に示すように、無処理のHAP粉末はpH約5.5以下で溶解していたが、実施例1はpH約4.5以下で溶解、比較例1はpH約5.1以下で溶解していた。これは、実施例1の組成物による処理は比較例1による処理よりも脱灰抑制効果が高いことを意味する。
2.歯磨剤
(1)歯磨剤の調製
表2及び表3の組成に従い、それぞれグリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムとを含有する組成物(A)及びフッ化ナトリウムを含有する組成物(B)の二剤を調製し、チューブ内に隔壁を設けた歯磨容器に、各々等量充填した。
Figure 2005112841
Figure 2005112841
表4及び表5の組成に従い、それぞれグリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムとを含有する組成物(A)及びフッ化ナトリウムを含有する組成物(B)の二剤を調製し、チューブ内に隔壁を設けた歯磨容器に、各々等量充填した。
Figure 2005112841
Figure 2005112841
グリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムとを含有する組成物(A)の歯磨剤(比較例5)、フッ化ナトリウムを含有する組成物(B)の歯磨剤(比較例4)、これらの2つの組成物からなる二剤型の歯磨剤(実施例3)を用いて、口腔内での歯の再石灰化試験を行った。
(2)口腔用組成物の評価
<1>再石灰化効果
A.材料および方法
1)脱灰歯の調製
被検歯として抜去したヒト臼歯を用いた。3×3mmのウインドウを形成した被検歯エナメル質切片をpH4.5の0.1M乳酸緩衝液に37℃、3日間浸漬し、人工的な表層下脱灰病変を形成させた。
2)ヒト口腔内における歯の再石灰化処理
30〜40歳の健常な成人10名の被験者の口腔内に、下顎頬側歯列弓に適合したレジン製ステントを用いて前記脱灰歯を固定した。
(i)歯の再石灰化処理に用いた歯磨剤
歯の再石灰化処理に用いた歯磨剤は、次のとおりである。実施例3の歯磨剤は、前記グリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムとを含有する組成物(A)及びフッ化ナトリウムを含有する組成物(B)をそれぞれ離隔された二層式の一体型容器に1:1に充填した二剤型歯磨剤を用いた。比較例5の歯磨剤は、表2の組成物(A)のみを充填した歯磨剤を用いた。比較例4の歯磨剤は、表3の組成物(B)のみを充填した歯磨剤を用いた。
(ii)歯磨剤の使用方法
比較例4、比較例5、実施例3の歯磨剤をそれぞれ被験者に使用させた。
図7に示したとおり、被験者の口腔に24日間前記ステントを装着し、それぞれ前記歯磨剤を1日3回通常通り使用させた。その後、口腔内からステントを外し、試料切片を取り外した。同一被験者で、上記の方法に従い、24日間を1サイクルとして、3サイクルを繰り返し行った。
3)Contact Microradiography(CMR)による歯の再石灰化測定
再石灰化処理後、各試料切片を切断し、厚さ約150μmの研磨切片を作製しCMRを撮影した。得られたCMR像(軟X線写真)を画像解析し、ミネラル喪失量(ΔZ)を測定した。ここで、ΔZは脱灰部位の濃度と表層からの脱灰深さの積(vol%・μm)である。
また、各歯磨剤使用群のミネラル回復率(%)は、次式により求めた。
(再石灰化処理前△Z−再石灰化処理後△Z)/再石灰化処理前△Z×100
ミネラル回復率(%)の値が高いほど再石灰化されたことを意味する。
B.結果
図8(a)に歯の断面を撮影したマイクロX線写真を示している。図8(a)から歯の表面とエナメル質の深部との間にグレーになっている部分が認められる。前記グレーの部分は色調が淡いほど歯のミネラル回復状態がよいことを意味する。図8(a)から実施例3のグレー部分の色調が最も淡いことが確認できる。これは、比較例4、5に対して、実施例3の再石灰化効果が最も高いことを意味する。
図8(b)に示すとおり、前記比較例4、比較例5、実施例3いずれの歯磨剤使用群も、初期の脱灰歯に比べ有意にΔZの減少(再石灰化の進行)が認められた。ΔZから計算したミネラル回復率は、比較例4の歯磨剤使用群22%、比較例5の歯磨剤使用群12%であり、実施例3の歯磨剤使用群41%であり、実施例3の歯磨剤使用群に用いられる本発明に係る口腔用組成物の再石灰化促進効果が最も高いことが認められた。
<2>残留歯垢によるpH低下に対する抑制効果
A. 材料および方法
実施例4の歯磨剤は、グリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムとを含有する組成物(A)と、フッ化ナトリウムを含有する組成物(B)を組み合わせた二剤型の歯磨剤であって、組成物(A)にさらにモノフルオロリン酸ナトリウムを含有させた歯磨剤を用いた。比較例6の歯磨剤は、フッ化ナトリウムのみを含有する組成物(B)のみを用いた。
2日間口腔清掃停止させた被験者に実施例4の歯磨剤約1gを1分間使用させ、その直後に歯垢を採取した。懸濁した5%スクロース水溶液1mlに採取した歯垢30mgを添加し、37℃で10分間保持した後、そのpHの変化を10分間隔で測定した。比較例6の歯磨剤を上記同様の方法で被験者に使用させ、採取した歯垢を上記の方法に従って、pHの変化の測定を行った。
B.結果
実施例4の歯磨剤の使用後歯垢のpHは6.8から10分経過後6.4に変化したのに対し、比較例6の歯磨剤の使用後歯垢のpHは6.8から10分経過後5.4に変化した。すなわち、実施例4の歯磨剤の使用後の残留歯垢のpHの変化は、比較例6の場合より小さく、実施例4の歯磨剤の使用によって残留歯垢のpHの低下が抑制されたことが実証された。前記残留歯垢のpH低下の抑制効果は、フッ化カルシウムの生成時に前記実施例4の歯磨剤由来のpH緩衝能を有するグリセロリン酸類がフッ化カルシウムの二次粒子中に複合化されたためであると推測する。
本発明の実施例と比較例の組成物A,Bの2剤混合後の溶液の濁度の変化を示した図である。 本発明の実施例1のHAP粉末への吸着状態を示した図である。 本発明の比較例1のHAP粉末への吸着状態を示した図である。 本発明の比較例3のHAP粉末への吸着状態を示した図である。 フッ化カルシウム一次粒子(結晶子)の大きさをX線回折による測定結果を示した図である。 本発明の実施例と比較例のHAPの滴定によるpHの変化を示した図である。 初期う蝕切片の装着状態を示した図である。 (a)歯の断面を撮影したマイクロX線写真である。 (b)本発明の実施例と比較例のミネラル回復率を示した図である。

Claims (11)

  1. 少なくとも次の組成物(A)と組成物(B)とを含む多組成物系であって、前記多組成物系には、更に次の成分(C)及び(D)を含有する口腔用組成物。
    (A)カルシウムイオン供給化合物を含有する第1組成物
    (B)フッ素イオン供給化合物を含有する第2組成物
    (C)ポリオールリン酸イオン供給化合物
    (D)モノフルオロリン酸イオン供給化合物
  2. 前記組成物(A)、前記組成物(B)、前記成分(C)、及び前記成分(D)の全ては口腔内で又は口腔内導入直前に混合される請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 前記組成物及び前記成分の全てを混合するとき、微粒子状フッ化カルシウムが生成される請求項2に記載の口腔用組成物。
  4. 次のいずれかの組み合わせを有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
    (1)前記成分(C)及び(D)が配合された前記組成物(A)と前記組成物(B)の組み合わせ
    (2)前記組成物(A)と前記成分(C)及び(D)が配合された前記組成物(B)の組み合わせ
    (3)前記成分(C)が配合された前記組成物(A)と前記成分(D)が配合された前記組成物(B)の組み合わせ
    (4)前記成分(D)が配合された前記組成物(A)と前記成分(C)が配合された前記組成物(B)の組み合わせ
    (5)前記成分(D)が配合された前記組成物(A)と前記組成物(B)と前記成分(C)が配合された組成物の組み合わせ
    (6)前記成分(C)が配合された前記組成物(A)と前記組成物(B)と前記成分(D)が配合された組成物の組み合わせ
    (7)前記組成物(A)と前記成分(D)が配合された前記組成物(B)と前記成分(C)が配合された組成物の組み合わせ
    (8)前記組成物(A)と前記成分(C)が配合された前記組成物(B)と前記成分(D)が配合された組成物の組み合わせ
    (9)前記組成物(A)と前記組成物(B)と前記成分(C)が配合された組成物と前記成分(D)が配合された組成物の組み合わせ
  5. 前記微粒子状フッ化カルシウムの一次粒子が0.3〜15nmである請求項3に記載の口腔用組成物。
  6. 前記微粒子状フッ化カルシウムの二次粒子には、モノフルオロリン酸類及び/又はポリオールリン酸類を含有する請求項3又は5に記載の口腔用組成物。
  7. 前記モノフルオロリン酸類の前記二次粒子における含有量は0.05〜20質量%であり、前記ポリオールリン酸類の前記二次粒子における含有量は0.05〜20質量%である請求項6に記載の口腔用組成物。
  8. 前記組成物(A)と前記組成物(B)とが、非接触状態で容器に充填されているものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  9. 前記カルシウムイオン供給化合物は、グリセロリン酸カルシウム、グルコース-1-リン酸カルシウム、グルコース-6-リン酸カルシウムから選ばれるポリオールリン酸カルシウムである請求項1乃至8のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  10. 前記ポリオールリン酸イオン供給化合物は、グリセロリン酸カルシウム、グルコース-1-リン酸カルシウム、グルコース-6-リン酸カルシウムから選ばれるポリオールリン酸カルシウムである請求項1乃至9のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  11. 少なくとも次の組成物(E)と組成物(B)とを含む多組成物系であって、前記多組成物系には、更に次の成分(D)を含有する口腔用組成物。
    (E)ポリオールリン酸カルシウムを含有する第1組成物
    (B)フッ素イオン供給化合物を含有する第2組成物
    (D)モノフルオロリン酸イオン供給化合物

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