JP2005111298A - 有機性廃棄物処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分含有量が著しく多いような有機性廃棄物であっても、好気性微生物による効率的な発酵を促進し、短時間に処理を行うことができる有機性廃棄物処理装置及び方法を提供すること。
【解決手段】有機性廃棄物処理装置1は、投入された有機性廃棄物及び菌床を攪拌し混合させる混合槽2と、混合槽2で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を移入させて醗酵させる発酵槽3と、発酵槽3から排出された残滓を攪拌して発酵させながら乾燥状態にし、有機性廃棄物に比較して水分含有量の少ない菌床として再生し貯蔵する菌床槽4と、菌床槽4で再生された乾燥状態の前記菌床を混合槽2に投入する菌床搬送手段5とを備え、水分含有量が著しく多いような有機性廃棄物であっても好気性微生物による効率的な発酵を促進し短時間に処理を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生ゴミ等の有機性廃棄物処理装置及び方法に係り、特に著しく水分含有量の多い有機性廃棄物を処理する有機性廃棄物処理装置及び方法に関する。
本出願人は特許文献1に示すように、好気性の微生物を用いて、生ゴミなどの有機性廃棄物を攪拌しながら発酵させるユニット式の有機性廃棄物処理装置を提案している。一般に嫌気性微生物に比較して、好気性微生物では有機性廃棄物の分解の速度が速い。この有機性廃棄物処理装置であれば、有機性廃棄物を処理する好気性の微生物の発酵に適した条件を攪拌によって作り出すとともに、処理量に応じた所望のユニット数で収容量を自由に調整できる。その結果、省スペース性の高いコンパクトな装置でありながら、減容率が97%を超える高効率の消滅型の有機性廃棄物処理装置とすることができる。
特開2001−386981号公報
しかしながら、例えば、飲食店や給食の残滓などでは、有機性廃棄物の水分含有量が90%を超えるような著しく水分が多いものがある。これらの水分は有機性の物質を多量に含んでいるため、そのまま下水等に廃棄することはできない。有機性廃棄物の水分含有量が著しく多いと、液体が底部に貯留したり、有機性廃棄物がペースト状になったりするため、攪拌しても内部に空気を混入することが困難になり、好気性の有機物が効率的に働くには酸素が不足するという問題があった。また、水分が多いとこれらの微生物が活発に活動する温度にまで上昇しにくいという問題もあった。これらの問題が相俟って、攪拌によっても、なかなか好気性の微生物による発酵に好ましい状態とできないという問題があった。そのため、最終的には大きな減容率となる処理ができるとしても、その処理に時間が掛かってしまうという問題があった。
本発明は、上述するような問題を解決するため、水分含有量が著しく多いような有機性廃棄物であっても、好気性微生物による効率的な発酵を促進し、短時間に処理を行うことができる有機性廃棄物処理装置及び方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る有機性廃棄物処理装置では、投入された有機性廃棄物及び菌床を攪拌し混合させる混合槽と、当該混合槽で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を移入させて分解させる発酵槽と、前記発酵槽から排出された残滓を攪拌して分解させながら乾燥状態にし、前記有機性廃棄物に比較して水分含有量の少ない菌床として再生し貯蔵する菌床槽と、前記菌床槽で再生された乾燥状態の前記菌床を前記混合槽に投入する菌床搬送手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1に記載の有機性廃棄物処理装置の構成に加え、前記混合槽は、容器と、当該容器の中心に設けられ駆動回転される第1の回転軸と、当該第1の回転軸に設けられた複数のブレードとを備え、前記駆動される回転軸とともに回転するブレードにより前記有機性廃棄物と前記菌床を破砕若しくは切断しつつ攪拌して混合することを要旨とする。
請求項3に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1又は請求項2に記載の有機性廃棄物処理装置の構成に加え、前記発酵槽は、箱状の本体と、当該本体内を複数の部屋に仕切る所定の高さの仕切と、前記本体内に水平に配設された駆動回転される第2の回転軸と、当該第2の回転軸に設けられた攪拌羽とを備え、前記駆動される第2の回転軸とともに回転する前記攪拌羽により、前記本体内の混合物に空気を混入させて好気性微生物による分解に好適な状態とするとともに、前記仕切は前記部屋の1つが所定量混合物で満たされたときにオーバーフローさせて次の部屋に混合物を移送させることを要旨とする。
請求項4に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置の構成に加え、前記発酵槽は、前記1又は複数の部屋単位で構成され、相互に着脱可能な複数のブロックから構成されたユニット式の発酵槽であることを要旨とする。
請求項5に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置の構成に加え、前記菌床搬送手段はスクリューコンベアにより構成されたことを要旨とする。
請求項6に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置の構成に加え、前記混合槽から前記発酵槽への移送、若しくは前記発酵槽から前記菌床槽への移送の少なくとも何れかを制御する移送制御手段を備えたことを要旨とする。
また、請求項7に係る有機性廃棄物処理方法では、投入された有機性廃棄物及び菌床を攪拌して混合させる混合槽と、当該混合槽で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を移入させて分解させる発酵槽と、前記発酵槽から排出された残滓を攪拌して分解させながら乾燥状態にし、前記有機性廃棄物に比較して水分含有量の少ない菌床として再生し貯蔵する菌床槽と、前記菌床槽で再生された乾燥状態の前記菌床を前記混合槽に投入する菌床搬送手段とを備えた有機性廃棄物処理装置において、前記混合槽に有機性廃棄物を投入する第1の工程と、前記混合槽に投入された有機性廃棄物に応じて前記菌床搬送手段により前記有機性廃棄物に対して比較的水分含有量の少ない菌床を前記混合槽に投入する第2の工程と、投入された有機性廃棄物及び菌床を混合槽で攪拌して混合させる第3の工程と、前記混合槽で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を発酵槽で分解させる第4の工程と、前記混合物の残滓を分解させて乾燥させることで菌床を再生させて貯蔵する第5の工程とを備えたことを要旨とする。
請求項8に係る有機性廃棄物処理方法では、請求項7に記載の有機性廃棄物処理方法の構成において、前記第2の工程は、前記混合槽に予め投入された有機性廃棄物の処理量に基づいて、前記菌床搬送手段により投入する菌床の投入量を決定することを要旨とする。
請求項9に係る有機性廃棄物処理方法では、請求項8に記載の有機性廃棄物処理方法の構成において、前記第2の工程は、前記投入量を混合物の水分含有量が所定範囲となるようにすることを要旨とする。
請求項10に係る有機性廃棄物処理方法では、請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理方法の構成において、前記第2の工程は、前記混合物の水分含有量を80重量%以下とすることを特徴とする。
本発明の有機性廃棄物処理装置及び方法では、水分含有量が著しく多いような有機性廃棄物であっても、効率的な発酵を促進し、短時間に処理を行うことができるという効果が ある。
特に、請求項1に係る有機性廃棄物処理装置によれば、混合槽を備えるため、水分含有量の多い有機性廃棄物であっても、予め発酵槽で発酵を中心とした分解をさせる前に混合槽で乾燥した菌床と混合させ過剰な水分を調整することができる。そのため、発酵槽では好気性の微生物の分解に好ましい状態とすることができる。その結果、効率的な発酵、消化等による分解を促進し、短時間に処理を行うことができるという効果がある。
また、発酵槽で処理を行った残滓は菌床として菌床槽に乾燥した状態で貯蔵され、新たな処理のために使用できるという効果がある。
さらに、菌床搬送手段を備えたため、このように貯蔵された菌床を人手によらず混合槽に、容易に混合できるという効果がある。
請求項2に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1に記載の有機性廃棄物処理装置の効果に加え、混合槽が複数のブレードを備えた第1の回転軸が駆動回転されるため、投入された有機性廃棄物と、菌床搬送手段により投入された菌床を効率的に混合することができる。そのため、菌床に付着した微生物が有機性廃棄物に均一に分散されるとともに、有機性廃棄物の水分も全体に均一に分散されるという効果がある。
請求項3に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1又は請求項2に記載の有機性廃棄物処理装置の効果に加え、発酵槽の箱状の本体が仕切で仕切られているため、分解の初期段階の混合物と分解の終了段階の混合物を分けて処理することができる。初期段階と終了段階では、活動する微生物が異なるため、適正な水分量、温度が異なり、また分解される対象も異なっているが、仕切で分けることでより適切な環境で分解を進めることができるという効果がある。
請求項4に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置の効果に加え、発酵槽がユニット式であるため、事業所の有機性廃棄物の排出量や、その内容の処理時間に応じてユニットを増減するだけで適正なサイズの有機性廃棄物処理装置とすることができるという効果がある。
請求項5に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置の効果に加え、菌床搬送手段をスクリューコンベアにより構成したため、運転時間を時間管理するだけで、容易に菌床を一定量測定して混合槽に投入することができるという効果がある。また、菌床の水分が何らかの理由で過多となった場合でも、粘土状、団子状の菌床を確実に混合槽へ搬送できるという効果がある。
また、開放的な構造のベルトコンベアなどに比較して閉鎖された構造とすることができるため、閉鎖的な構造とすれば外部への臭気の遺漏や汚染等の拡散を防止することができる。
請求項6に係る有機性廃棄物処理装置では、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置の効果に加え、混合槽から発酵槽、発酵槽から菌床槽への移送を制御する移送制御手段を備えたため、攪拌混合や発酵の処理に併せてこれらを次の段階に移送させることができるという効果がある。
請求項7に係る有機性廃棄物処理方法によれば、第3の工程で、水分含有量の多い有機性廃棄物であっても、予め発酵槽で分解させる前に混合槽で乾燥した菌床と混合させ過剰な水分を調整することができる。そのため、発酵槽では好気性の微生物の分解に好ましい状態とすることができる。その結果、効率的な分解を促進し、短時間に処理を行うことができるという効果がある。
また、第5の工程で、発酵槽で処理を行った残滓は菌床として菌床槽に乾燥した状態で貯蔵され、新たな処理のために使用できるという効果がある。
さらに、第2の工程で、混合槽に投入された有機性廃棄物に応じて菌床搬送手段により有機性廃棄物に対して比較的水分含有量の少ない菌床を混合槽に投入するため、このように貯蔵された菌床を人手によらず混合槽に容易に適量混合できるという効果がある。
請求項8に係る有機性廃棄物処理方法では、請求項7に記載の有機性廃棄物処理方法の効果に加え、第2の工程で、混合槽に予め投入された有機性廃棄物の処理量に基づいて、菌床搬送手段により投入する菌床の投入量を決定するため、混合物の量が変化しても、混合物の状態を一定にすることができるという効果がある。
請求項9に係る有機性廃棄物処理方法では、請求項8に記載の有機性廃棄物処理方法の効果に加え、第2の工程が、投入量を混合物の水分が所定範囲となるようにするため、投入された有機性廃棄物の水分含有量が変化しても、発酵処理する混合物の水分は一定とすることができるという効果がある。
請求項10に係る有機性廃棄物処理方法では、請求項9に記載の有機性廃棄物処理方法の効果に加え、混合物の水分含有量を80重量%以下とすることで、混合物を最も効率的に分解処理ができるという効果がある。
(第1の実施形態)
以下、本発明の有機性廃棄物処理装置及び方法を具体化した一実施形態である有機性廃棄物処理装置1(以下適宜「本装置1」と略記する。)及び、本装置1を用いた有機性廃棄物処理方法を、図1〜図10にしたがって説明する。
(全体構成)図1は、有機性廃棄物処理装置1の全体構成を示す斜視図である。図2は有機性廃棄物処理装置1の全体構成を示す正面図である。図3は有機性廃棄物処理装置1の全体構成を示す平面図である。本装置1は、混合槽2と、発酵槽3と、菌床槽4と、菌床搬送手段5と、制御部6との各装置から構成されている。以下、各装置について説明する。
(混合槽2)図4は、混合槽2の構成を示す斜視図である。混合槽2は、投入された有機性廃棄物及び菌床を攪拌して混合させるものである。混合槽2は、縦置きの円筒形の側面21aと、底部21bを有した有底の容器21を備える。底部21bは、円筒形の側面21aと同型の上部が開放した中空の半球状の形状で、側面21aと一体に形成されている。容器21全体は、例えば、素材がステンレススチールで形成される。底部21bには、容器21を支えるため、丸棒状の脚22aと脚22bが容器21の中心に対して対称な位置で鉛直に固着されている。脚22a、22bは、底部21bの下端を設置面より離間させる長さを有し、脚22a、22bの下端部は安定のため円盤状になっている。
底部21bの下端下側には第1のギヤドモータ23が駆動軸(図示を省略)が鉛直上方向に突出するように配置されており、その駆動軸は底部21bを貫通し、容器21内部に突出している。その駆動軸には、鉛直上方向にステンレススチール製の丸棒状の第1の回転軸24が連結されており第1のギヤドモータ23に駆動されて回転する。第1のギヤドモータ23は、図示を省略した配線により制御部6(図1)に接続されている。制御部6により給電が制御されて第1のギヤドモータ23の内部のモータ(図示を省略)が回転し、その回転は内部の減速機構(図示を省略)で回転数を減速するとともにトルクを高めて前記駆動軸を駆動する。
容器21の中心に垂直に設けられた第1の回転軸24は、およそ容器21の上端の高さ近傍まで延設されている。この第1の回転軸24には複数のブレード25が配置される。この実施形態では、まず、第1の回転軸24のおよそ上部5分の1の高さに、第1の回転軸24を中心に、水平に対向して同一直線状に配置された第1ブレード25a,25bが配置される。第1ブレード25a,25bは、丸棒状の形状で、先端は側面21aの内面の近傍まで延設されている。また、第1の回転軸24のおよそ上部5分の2の高さに、同様な構成の一対の第2ブレード25c,25dが第1ブレード25a,25bと平面視で直交するように設けられている。さらに、第1の回転軸24のおよそ上部から5分の3の高さに、同様な構成の一対の第3ブレード25e,25fが第2ブレード25c,25dと平面視で直交するように設けられている。そして、第1の回転軸24のおよそ下部5分の1の高さに、同様な構成の一対の第4ブレード25g,25hが第3ブレード25e,25fと平面視で直交するように設けられている。この第4ブレード25g,25hは、第1〜3ブレード25a〜25fと比較すると、底部21bの内面までの距離が側面21a内面までの距離より近いことから、やや短く構成されている。
なお、第1の回転軸24の下端には底面ブレード25i,25jが配設されるが、これらは第1〜4ブレード25a〜25hとは、やや構成が異なる。この底面ブレード25i,25jは、容器21の底部21b内面に存在する有機性廃棄物及び菌床を滞留しないように掻き出すように底部21bに沿った形状となっており、平面上のブレード面を持ち、その角度は回転方向に対して俯角を持っている。そのため、図4に示すように、平面視反時計回りに回転する底面ブレード25i,25jは、底面に滞留している有機性廃棄物及び菌床を上方に跳ね上げるようにして空気を吹き込み攪拌の効果を上げている。このような構成によって第1のギヤドモータ23により駆動される第1の回転軸24とともに回転する第1〜4ブレード25a〜25h及び底面ブレード25i,25jにより有機性廃棄物と菌床を破砕若しくは切断しつつ攪拌して混合することができる。
容器21の側面21aには、略中央の高さに、概ね直径の半分程度の長さを持つ横長の開口部である発酵槽移入口26が設けられている。この発酵槽移入口26と連通して、筒状の移入筒27が設けられる(図1、図3)。この移入筒27は、発酵槽3に設けられた移入口28(図3、図5)に連通している。この移入筒27には、図示を省略したソレノイド駆動のナイフゲートが設けられており、制御部6により開閉が制御されるようになっている。制御部6によりナイフゲートが開放されると、混合槽2の発酵槽移入口26から有機性廃棄物と菌床の混合物が進入し、移入筒27を通過して移入口28から発酵槽3に混合物が移入する。また、制御部6によりナイフゲートが閉鎖されると、その移入が規制される。この制御部6に制御されたナイフゲートが本発明の移送制御手段の一例に相当する。
(発酵槽3)続いて、発酵槽3について説明する。発酵槽3は、混合槽2で攪拌混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を移入させて醗酵を中心とした分解をさせる装置である。本発明における微生物による「分解」は、主に発酵を中心とした分解であるが、発酵に限らず動物性の微生物が産出する消化酵素などによる消化、生成熱による熱分解、酸化による分解、加水分解なども広く含む。なお本願において単に「発酵」といった場合でも、説明の便宜であってその他の分解を排除する趣旨ではない。図1〜3に示すように発酵槽3は、混合物の処理の上流側から、第1ユニット31a、第2ユニット31b、第3ユニット31c、第4ユニット31d、第5ユニット31eとから構成されている。ここで、図5は一番上流側にある第1ユニット31aの斜視図、図6は中間にある第2ユニット31bの斜視図、図7は一番下流側にある第5ユニット31eの斜視図である。
図3に示すように、発酵槽3は、全体で見ると、第1〜5ユニット31a〜eの5つのユニットからなる箱状の本体31を備える。そしてこの本体31内を複数の部屋32(32a〜32e)に仕切る所定の高さの仕切33(33a〜33h)を備える。また、この本体31内に水平に配設された駆動回転される第2の回転軸34と、この第2の回転軸34に設けられた攪拌羽35を備える。そして駆動される第2の回転軸34とともに回転する攪拌羽35により、本体31内の混合物に空気を混入させて好気性微生物による発酵に好適な状態とする。これとともに、仕切33は部屋32の1つが所定量混合物で満たされたときにオーバーフローさせて次の部屋32に混合物を移送させる。なお、図1〜3に示すように、本実施形態の発酵槽3は、それぞれが1つの部屋32を構成するブロックであるユニットで構成され、相互に着脱可能なユニット式の発酵槽である。
次に、各ユニットを詳細に説明する。図5に示すように、第1ユニット31aは、上部が開放した概ね逆かまぼこ形の箱状に形成されている。左側は、本体31の外郭をなす側面部36が配置される。側面部36は、下部が半円で、上部がこの半円の直径と同寸の横幅とこの半円の半径と同寸の高さを持った長方形の部分が連続して形成される。これと対向して右側には略同形の仕切33aが配置される。また、正面と背面は長方形の平面に形成され、半割円筒状の曲面から構成された底部と連続して形成されている。側面部36と仕切33aの下部の半円の中心に第2の回転軸34を構成する回転軸34aが回転可能に配置され、側面部36には、軸受け37が配設される。回転軸34aには、攪拌羽35a,35bが設けられる。攪拌羽35aと攪拌羽35bは、回転軸34aに直交した向きで対向して設けられ、且つ両者が左右方向にシフトした位置に配置される。なお、第1ユニット31aの正面側には、前述の移入口28(図3、図5)が開口され、移入筒27と連通するように形成されている。
上流側から2番目に配置される第2ユニット31bは、図6に示すように、概ね第1ユニット31aと同様の構成である第2ユニット31bにおいては第1ユニット31aの部屋32aが部屋32bに、仕切33aが仕切33cに、攪拌羽35a,35bが攪拌羽35c,35dに、回転軸34aが回転軸34bにそれぞれ対応している。一方、相違点は、側面部36に対して仕切33bとなっている点、軸受け37・移入口28を備えていない点である。
第3ユニット31c、第4ユニット31dは、詳細な図示を省略するが、図6に示す第2ユニット31bと同一の構造となっている。なお、図3に示すように第3ユニット31c、第4ユニット31dが第2ユニット31bと、部屋32c,32dが部屋32bと、仕切33b,33cが仕切33d〜33gと、攪拌羽35a,35bが攪拌羽34e〜35hに、回転軸34b,34cが回転軸34bとそれぞれ対応している。
最下流に配置される第5ユニット31eは、図7に示すように、概ね第1ユニット31aと概ね同様の構成である。なお、第5ユニット31eは第1ユニット31aとは、左右が逆転した構成で、部屋32eが部屋32aに、仕切33hが仕切33aに、側面部38が側面部36に、攪拌羽35i,35jが攪拌羽35a,35bに、それぞれ対応している。一方、相違点は、軸受け37に代えて第2のギヤドモータ39を配設した点と、正面側の移入口28に代えてやや低い位置に設けられた排出口40を備えた点である。
図3に示すように、第1〜5ユニット31a〜31eは、それぞれの仕切33a〜33hを当接させて、図示を省略したボルト及びナットで接続される。このとき、回転軸34a〜34eはそれぞれの端部が連結され、一体に回転するように構成されている。
(菌床槽4)図8は、菌床槽4を示す斜視図である。菌床槽4は、発酵槽3から排出された残滓を攪拌して発酵を中心とした分解をさせながら乾燥状態にし、有機性廃棄物に比較して水分含有量の少ない菌床として再生し貯蔵するものである。この状態であれば、臭気もなく、長期の保存にも耐えうる。菌床槽4は、概ね細長い逆かまぼこ形状の箱状の本体41を備え、その底部が横置きの半割円筒状になっている。本体41の内部には長手方向に配置された第3の回転軸42が回転可能に配置される。この第3の回転軸42の上流側(右手方向)には第3のギヤドモータ43が、下流側には軸受け46が配設され、第3の回転軸42を駆動可能に構成される。第3の回転軸42の全体に、攪拌羽44a〜44jが、第3の回転軸42の直交する方向に、且つ90°毎に角度をずらしながら略同間隔で略均等に配置されている。また、上流側(右側)背面には、前述の排出口40と連通するように、流入口45が開口されている。本体41には、これを覆う蓋体47が配置され、この蓋体47の上流側には、開口部があり正面側が揺動して開閉可能に軸着された菌床補充扉48が配設される。また、蓋体47下流側にも開口部があり、正面側が揺動して開閉可能に軸着された点検扉49が配設される。
(菌床搬送手段5)図8に示す菌床槽4の下流側には、菌床搬送手段5が配設される。菌床搬送手段5は、菌床槽4で再生された乾燥状態の菌床を混合槽2に投入する装置である。菌床搬送手段5は、図1〜3に示すように一端を菌床槽4の底部に貫入され他端が混合槽2の上方に配置されたスクリューコンベア51と、このスクリューコンベア51の上端に連通し、混合槽2内部に連通する投入筒52により構成されている。菌床槽4は、詳細には図示していないが、スクリューコンベア51の下端部に菌床が集中するように底部に傾斜を設けたり、或いは積極的にモータなどで菌床を掻き集めるような構成としたりしてもよい。また、スクリューコンベア51に搬送不能な異物が進入しないように、その下端部近傍に目の粗いスクリーンを設けてもよい。なお、点検扉49により蓋体47を外さなくても、スクリューコンベア51のメンテナンスができるようになっている。
図9はスクリューコンベア51の構造を示す部分断面図である。スクリューコンベア51は、円筒状の筒部53と、第4のギヤドモータ54(図2)により回転駆動されるスクリュー55とから構成される。スクリュー55は、軸部と、ここに突設された螺旋状の歯により構成され、制御部6により時間制御された第4のギヤドモータ54により図中の矢印方向に回転することで菌床を上方に搬送する。上方に搬送された菌床は、投入筒52により混合槽2に投入される。スクリューコンベア51は、定量的に搬送できるため、制御部6により時間制御することで投入量が制御できる。
なお、図示は省略したが、本装置1には、寒冷な環境で発酵の効率を高めるための保温・加温装置や、発生する臭気を消滅させるための脱臭装置、排水を処理する廃水処理装置、有機性廃棄物を投入するための投入装置などを備えることもできる。
(制御部6)図1に示すように、制御部6は、オペレータが操作可能な操作パネル61を備え、内部に備えたコンピュータ(図示略)により電源(図示略)を制御できるように構成されている。そして、混合槽2の第1のギヤドモータ23、発酵槽3の第2のギヤドモータ39、菌床槽4の第3のギヤドモータ43、菌床搬送手段5の第4のギヤドモータ54を制御する。制御方法は、オペレータによるマニュアル操作の他、各装置の内部に配置された光センサ(図示略)による内容物の検出によるフィードバック制御や、タイマーによる時間制御などを行う。また、温度センサ(図示略)による加温制御や、ガスセンサによる消臭制御を行うこともできる。
(第1の実施形態の作用)以下、このように構成された有機性廃棄物処理装置1による有機性廃棄物処理方法について説明する。ここでの処理は、第1〜5の工程からなる。第1の工程では、混合槽2に有機性廃棄物を投入する。第2の工程では、混合槽2に投入された有機性廃棄物に応じて菌床搬送手段5により有機性廃棄物に対して比較的水分含有量の少ない菌床を混合槽2に投入する。第3の工程では、投入された有機性廃棄物及び菌床を混合槽2で攪拌して混合させる。第4の工程では、混合槽2で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を発酵槽で醗酵させる。そして、第5の工程では、混合物の残滓を分解させて乾燥させることで菌床を再生させて貯蔵する。第5の工程で再生・貯蔵された菌床は第2の工程で利用される。
次に、図10は、本実施形態の有機性廃棄物処理方法を詳細に説明するフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて説明する。まず、図1に示す本装置1の制御部6の操作パネル61で電源を投入する(S1)。この手順により本装置1が稼働を開始する。続いて、混合槽2へ有機性廃棄物を投入する(S2)。この手順が第1の工程に相当する。有機性廃棄物は、発生する事業所の種類などで異なる。例えば、学校給食や飲食店の残滓であれば、比較的水分が多く、水分含有量が90重量%を超すことも多い。逆に、比較的乾燥した廃棄物である場合も多い。投入は、予め重量を量っておく。若しくは、混合槽2内部に表示された一定量を投入するようにしてもよい。
次に、スクリューコンベア51(菌床搬送手段5)により菌床を混合槽2へ投入する(S3)。この手順が第2の工程に相当する。スクリューコンベア51の下端は菌床槽4の底部に達しており、ここに貯蔵された乾燥した菌床を搬送する。スクリューコンベア51は、この菌床を単位時間に一定量を搬送するため、所定量の菌床を投入することができる。例えば、この所定量は、混合槽2に予め投入された有機性廃棄物の処理量に基づいて決定することができる。処理すべき有機性廃棄物の水分量が安定している場合は、予め量が測定されていれば、その量に対応した時間スクリューコンベア51を作動させる。或いは、有機性廃棄物の投入量が一定であれば、一定時間タイマーでスクリューコンベア51を作動させる。この場合は、例えば有機性廃棄物1立方メートルに対し菌床の量を1立方メートルと体積で決めてもよいし、100kgに対して50kgと質量で決めてもよい。
一方、有機性廃棄物の水分含有量のバラツキの大きい場合がある。また、菌床槽4の処理状況によっても菌床の水分含有量のバラツキが大きい場合がある。このような場合は、単純に、体積若しくは質量だけでは有機性廃棄物に対する適正な菌床の量とすることが難しい。また、菌床はその再生に時間が掛かるため、必要量を超えて菌床を消費すれば、処理できる有機性廃棄物の量を減少させることになる。あるいは、完全リサイクルのバランスが崩れ追加購入する菌床が多量になってしまう。そこで、本実施形態では、菌床の投入量を混合物の水分が所定範囲となるようにする。
一般に、飲食店の残滓などで水分含有量が90%を超すようなものがあるが、水分が過剰であると排水(ドレン)が発生する。このドレンは、有機性の成分を多量に含むため、そのまま下水に流すと、下水のCOD/BOD値などを上昇させるため好ましくない。一方、このように水分含有量が多いと、有機性廃棄物に十分に微生物が混入されても、内部に十分な酸素が行き渡らず好気性微生物の活動が活発化しない。そのため、処理時間が著しく長くなる。その上、発酵による温度上昇も生じずさらに処理時間を長引かせる。なお、嫌気性の微生物も存在するが一般に処理能力は好気性の微生物に比較すれば低い。
本発明者は、種々実験を重ねた結果、実用可能な処理を行うためには、水分含有量が少なくとも90%以下、好ましくは80%以下、迅速な処理であれば50%以下が好ましいことを見いだした。そこで、一般に熟成された菌床であると、その水分含有量が10重量%であり、処理対象となる有機性廃棄物の水分含有量が90%であるとする。ここで、混合物の水分含有量を80重量%と設定して菌床の消費量を抑えたい場合は、有機性廃棄物:菌床=7:1とすればよいことが分かる。同様に、混合物の水分含有量を50重量%と設定して迅速な処理を行うのであれば、有機性廃棄物:菌床=1:1とすればよいことが分かる。このように混合物としての水分含有量をコントロールすることで、本装置1の有機性廃棄物の時間当たりの処理量、菌床の消費量等をコントロールすることができる。そして、このバランスはスクリューコンベア51の作動時間でコントロールできることになる。
続いて、混合槽2に投入された有機性廃棄物と菌床を混合する(S4)。この手順が第3の工程に相当する。ここでは、混合槽2に備えられた第1の回転軸24に設けられたブレード25が制御部6により制御された第1のギヤドモータ23により回転駆動され、有機性廃棄物と菌床が混合される。ブレード25は、図4に示すような丸棒状のもので破砕するものの他、鋭利な刃先を持ったもの、粘着性の低いフッ素樹脂加工がされたものなど、処理対象に合わせて種々の形態とし、処理をすることができる。ここでは、比較的速い回転で、摩擦熱を生じさせ温度を上昇させて水分の蒸発を促進するとともに、混合物の温度を上昇させることで発酵を活性化するようにしてもよい。また、特に本実施形態では底面からすくい上げるように攪拌する底面ブレード25i,25j(図4)を備えたため、多量の水分を含む場合も、底面に溜まった水分が全体に分散され、且つ多量の空気が送り込まれるため、発酵槽3での発酵によい環境を与える。
混合槽2での混合が終了したら、混合物を発酵槽3へ移送する(S5)。この移送は、例えば、混合槽2で攪拌が進行するに従って、水分が低下し、粉砕された有機性廃棄物が飛ばされやすくなり、ブレード25により開口された発酵槽移入口26から自然に発酵槽3に移送する方法がある。また、本装置1では、移入筒27には、図示を省略したソレノイド駆動のナイフゲートが設けられており、制御部6の制御により所定時間混合槽2での混合が終了したらナイフゲートを開放し、混合物を発酵槽3に移入するようにしている。また、図示しないコンベアなどの搬送手段で積極的に発酵槽3へ混合物を移送するような構成としてもよい。
発酵槽3では一次発酵が行われる(S6)。この手順が第4の工程に相当する。ここで、本実施の形態の「菌床」について説明する。一般に消滅型の有機性廃棄物処理装置では、有機性廃棄物に菌床を混入して使用する。ここで「菌床」とは、微生物が働きやすいようにした分解基材に微生物が付着したもので、空気が混入しやすい例えばオガクズのようなものが一般に使用される。この菌床の内部で炭素・酸素・水素・窒素から構成される有機性廃棄物中が二酸化炭素と水、アンモニア等の低分子のものに分解され、理論的には無機質以外は完全消滅させるものである。また、この微生物は、動物の腸内微生物が好適で、これらが作り出す酵素・代謝物質を使った生物系分解方式では、土壌系微生物に比べ、分解に伴った水分の発生が少なく、加温等のエネルギーをかけずに体温的環境で略完全に分解させることができる。この過程では、発酵に限らず消化による分解も行われる。
発酵槽3での一次発酵は、まず糸状菌による糖分、アミノ酸等の分解から開始される。糸状菌は自然界のどこにでも存在する真菌類で、増殖速度が速いが、呼吸熱を発生し40度以上では分解能力下がる。このように温度が上昇してきた次の段階では、放線菌を中心とする高温菌が増殖する。放線菌などの高温菌は高温に強く、糸状菌では分解できなかったセルロースやセミセルロースを分解する。このとき呼吸熱だけでも60度以上になる。放線菌を中心とする高温菌による分解がすすみ分解する物質が減少すると、放線菌等の高温菌の増殖が低下し、温度が低下する。次の段階として、細菌(バクテリア)による分解が始まる。この段階では分解して柔らかくなったセルロースやセミセルロースなどの繊維組織を分解する。また、両性消化菌によって酸化と還元の相互発酵をし、有機物を水と二酸化炭素と窒素に分離する無機化が開始される。
本装置1の発酵槽3は、図2に示すように、第1〜5ユニット31a〜31eの5つのユニットからなるユニット式で、各部屋32は分離している。そして、一番上流側の第1ユニット31aから下流に向けて順に部屋32がオーバーフローすると仕切33を乗り越え次の部屋32に移送される。そのため、上記のような発酵の段階に応じて別の部屋32に移行するので、有機物の分解段階、温度環境などをその段階に適したものとすることができる。
次に、一次発酵の終了した混合物を発酵槽3から菌床槽4に排出する(S7)。本実施形態では、一番下流側の第5ユニット31eが一杯になり排出口40から、ここと連通する菌床槽4の流入口45から自然に移送される。ここでも、例えばナイフゲートのような開閉可能な移送制御手段により移送を規制したり、積極的にコンベアなど能動的な移送手段で移送してもよい。
そして、菌床槽4へ移送された混合物の残滓は、二次発酵される(S8)。この手順が第5の工程に相当する。二次発酵は、一次発酵の終了期に引続き主に細菌(バクテリア)により、分解して柔らかくなったセルロースやセミセルロースなどの繊維組織をさらに分解する。この段階では時間がかかるため菌床槽4において貯蔵した状態で行う。また、両性消化菌によって酸化と還元の相互発酵をし、有機物を水と二酸化炭素と窒素に分離する無機化もさらに行われる。
以上のような処理により、投入された有機性廃棄物は、無機物を除き略100%分解され、処理が終了する。二次発酵では、分解が進むため、水分含有量も10%以下になる。
このように有機性廃棄物と混合され、有機性廃棄物の分解が終了すると、基本的に菌床はそのまま再生され、再び有機性廃棄物の処理に用いることができる。従って、原則的にはメンテナンスなしで完全リサイクルを達成できる。なお、長期間使用すれば、分解できない無機質のものなどが増加したり、あるいは分解されて基材が減少したり、場合によっては微生物が死滅する。そのため、菌床補充扉48から適宜菌床を補充したり、必要に応じた交換等をしたりする。
(第2の実施形態)
次に、図11は、本発明を他の態様で具体化した第2の実施形態の有機性廃棄物処理装置101の平面図である。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の発酵槽3の構成を変更したのみであるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。第1の実施形態の有機性廃棄物処理装置1は、1列に配置された5つのユニットから発酵槽3が構成されているが、第2の実施形態の有機性廃棄物処理装置101では、発酵槽103が、上流側発酵槽103aと下流側発酵槽103bの2列から構成される。混合槽2から混合物が移入される上流側発酵槽103aでの処理が終わると、移送口103cから下流側発酵槽103bに移送される。下流側発酵槽103bでの処理が終了すると、菌床槽4に排出される。
このように構成することで、第1の実施形態の有機性廃棄物処理装置と比較して、より大量の有機性廃棄物を同時に処理することができる。さらに、上流側の発酵槽103aと下流側発酵槽103bのギヤドモータは別個に制御されるため、発酵段階に応じて異なる攪拌を行うようにしてもよい。また、第1の実施形態の有機性廃棄物処理装置と比較して、同じ処理量ならば全体としては排出するまでの時間が長くなるため、分解に時間がかかる対象物でもより分解を行うことができる。
上記実施形態の有機性廃棄物処理装置1、101と、有機性廃棄物処理方法によれば以下のような効果がある。
(1)上記実施形態では、著しく水分含有量が多い飲食店の残滓のような有機性廃棄物であっても、菌床を用いて混合物としての水分含有量を発酵に適した水分量に調整することができる。そのため、有機物を多く含む排水を排出することなく著しく水分含有量が多い有機性廃棄物を処理することができるという効果がある。
(2)また、水分を調整することで、混合物の中に混入できる酸素量を増加させ、微生物による発酵等に適した条件とすることができる。そのため、有機性廃棄物を迅速に処理することができるという効果がある。
(3)さらに、処理が終了した菌床はそのまま使用可能な状態に再生され、貯蔵されるため、随時使用でき、完全なリサイクルを達成できるという効果がある。
(4)特に、菌床搬送手段5により、処理すべき有機性廃棄物の量に応じて適当量の菌床を自動で混入することができるという効果がある。
(5)とりわけ、スクリューコンベア51を備えたため、人手によらず菌床を所定量正確に混合槽2に投入することができるという効果がある。かつ、スクリューコンベア51が密閉構造となっているため、外部に臭気、汚染物質等を発散しないという効果がある。
(6)そして、複数の仕切33により分解の段階毎に分離した処理を行うことができるため、全体としての処理効率を上げることができる。
(7)特に本装置1の発酵槽3は、ユニット式となっているため、処理する有機性廃棄物の量や内容によって、ユニット数を増減したり、あるいは1つ1つのユニットのサイズを変更したりすることができるという効果がある。
(8)また、本装置1の移入筒27と排出口40にナイフゲートなどの移送制御手段を設ければ、より適切な処理時間を制御することができるという効果がある。
(9)本装置1では、制御部6により菌床搬送手段であるスクリューコンベアを時間制御することで、処理すべき有機性廃棄物の量に応じて容易且つ正確に菌床を所定量投入することができるという効果がある。
(10)加えて、有機性廃棄物の含有水分量に応じて菌床を混入して水分を調整するため、処理時間を優先した設定や、菌床の完全リサイクルを達成する設定として処理を行うことができるという効果がある。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 例えば、混合槽2は、有機性廃棄物と菌床が混合できればよく、その混合の方法は問うものではない。また、混合槽2自体に滞留させて発酵を行うものでもよい。特に、加温して水分を蒸発させるような手段と付け加えることもよい。
○ 発酵槽3、103は実施形態に示した態様に限らず、ユニット形式ではない全体が1つの箱状のものであってもよい。この場合、内部に仕切を設けるが、特に小型のものであれば仕切は必須のものではない。
○ 逆に何らかの方法で発酵に適したものとすればよいので、全体が回転するドラム方式のものや、エアポンプで送出するものであってもよい。また、処理対象によっては常時攪拌しないで間欠的に攪拌するものや、まったく攪拌しないものであってもよい。そのた、形状・構成は種々選択できる。
○ 菌床槽4も、複数の部屋に仕切ってもよく、その形状・構成は問わない。
○ 混合槽2、発酵槽3,103、菌床槽4は、例えばステンレススチールなどが強度・耐久性、防食・防錆、耐熱等の特性から好ましいが、鉄・アルミニウムやその合金、FRPなどの素材を用いてもよい。
○ 菌床搬送手段は、スクリューコンベア51を例に説明したが、処理対象物によって、エアポンプやバケット、ベルトコンベア等菌床が搬送できる手段であれば、種々のもので代替できる。
○ なお、別途廃水処理装置を設け、有機性廃棄物からのドレンを予め処理したり、混合槽2に設けたドレン排出装置により混合と同時に排水を処理することも可能である。
○ 第1の回転軸24、第2の回転軸34、第3の回転軸42、スクリュー55は、それぞれ第1〜4のギヤドモータ23,39,23,54により駆動されているが、これらは電気の他、油圧、エア、エンジン駆動などで駆動することもできる。
有機性廃棄物処理装置1の全体構成を示す斜視図。 有機性廃棄物処理装置1の全体構成を示す正面図。 有機性廃棄物処理装置1の全体構成を示す平面図。 混合槽2の構成を示す斜視図。 一番上流側にある第1ユニット31aの斜視図。 中間にある第2ユニット31bの斜視図。 一番下流側にある第5ユニット31eの斜視図。 菌床槽4を示す斜視図。 スクリューコンベア51の構造を示す部分断面図。 本実施形態の有機性廃棄物処理方法を詳細に説明するフローチャート。 本発明を他の態様で具体化した第2の実施形態の有機性廃棄物処理装置101の平面図。
符号の説明
1,101…有機性廃棄物処理装置、2…混合槽、21…容器、24…第1の回転軸、25…ブレード、3,103(103a,103b)…発酵槽、31…本体、32(32a〜32e)…部屋、33(33a〜33h)…仕切、34…第2の回転軸、35(35a〜35j)…攪拌羽、4…菌床槽、41…本体、44(44a〜44j)…攪拌羽、5…菌床搬送手段、51…スクリューコンベア、6…制御部

Claims (10)

  1. 投入された有機性廃棄物及び菌床を攪拌し混合させる混合槽と、
    当該混合槽で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を移入させて分解させる発酵槽と、
    前記発酵槽から排出された残滓を攪拌して分解させながら乾燥状態にし、前記有機性廃棄物に比較して水分含有量の少ない菌床として再生し貯蔵する菌床槽と、
    前記菌床槽で再生された乾燥状態の前記菌床を前記混合槽に投入する菌床搬送手段と
    を備えたことを特徴とする有機性廃棄物処理装置。
  2. 前記混合槽は、容器と、当該容器の中心に設けられ駆動回転される第1の回転軸と、当該第1の回転軸に設けられた複数のブレードとを備え、前記駆動される回転軸とともに回転するブレードにより前記有機性廃棄物と前記菌床を破砕若しくは切断しつつ攪拌して混合すること
    を特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物処理装置。
  3. 前記発酵槽は、箱状の本体と、当該本体内を複数の部屋に仕切る所定の高さの仕切と、前記本体内に水平に配設された駆動回転される第2の回転軸と、当該第2の回転軸に設けられた攪拌羽を備え、前記駆動される第2の回転軸とともに回転する前記攪拌羽により、前記本体内の混合物に空気を混入させて好気性微生物による分解に好適な状態とするとともに、前記仕切は前記部屋の1つが所定量混合物で満たされたときにオーバーフローさせて次の部屋に混合物を移送させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機性廃棄物処理装置。
  4. 前記発酵槽は、前記1又は複数の部屋単位で構成され、相互に着脱可能な複数のブロックから構成されたユニット式の発酵槽であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置。
  5. 前記菌床搬送手段はスクリューコンベアにより構成されたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置。
  6. 前記混合槽から前記発酵槽への移送、若しくは前記発酵槽から前記菌床槽への移送の少なくとも何れかを制御する移送制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機性廃棄物処理装置。
  7. 投入された有機性廃棄物及び菌床を攪拌して混合させる混合槽と、当該混合槽で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を移入させて分解させる発酵槽と、前記発酵槽から排出された残滓を攪拌して分解させながら乾燥状態にし、前記有機性廃棄物に比較して水分含有量の少ない菌床として再生し貯蔵する菌床槽と、前記菌床槽で再生された乾燥状態の前記菌床を前記混合槽に投入する菌床搬送手段とを備えた有機性廃棄物処理装置において、
    前記混合槽に有機性廃棄物を投入する第1の工程と、
    前記混合槽に投入された有機性廃棄物に応じて前記菌床搬送手段により前記有機性廃棄物に対して比較的水分含有量の少ない菌床を前記混合槽に投入する第2の工程と、
    投入された有機性廃棄物及び菌床を混合槽で攪拌して混合させる第3の工程と、
    前記混合槽で混合された有機性廃棄物と菌床との混合物を発酵槽で分解させる第4の工程と、
    前記混合物の残滓を分解酵させて乾燥させることで菌床を再生させて貯蔵する第5の工程と
    を備えた有機性廃棄物処理方法。
  8. 前記第2の工程は、前記混合槽に予め投入された有機性廃棄物の処理量に基づいて、前記菌床搬送手段により投入する菌床の投入量を決定することを特徴とする請求項7に記載の有機性廃棄物処理方法。
  9. 前記第2の工程は、前記投入量を混合物の水分含有量が所定範囲となるようにすることを特徴とする請求項8に記載の有機性廃棄物処理方法。
  10. 前記第2の工程は、前記混合物の水分含有量を80重量%以下とすることを特徴とする請求項9に記載の有機性廃棄物処理方法。
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