JP2005110647A - 海洋深層水を利用した乳製品製造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 海洋深層水又はその濃縮した水を用いて、チーズ、発酵乳、酸乳飲料、バターの乳製品の製造を行うものである。また、海洋深層水中に含まれる豊富なミネラル成分により、乳酸菌の発酵が促進され自然の酸味が得られること。また、上記乳製品に微量要素を添加し、質の高い製品の製造が可能となる。
【選択図】 なし
Description
チーズは、良質のタンパク質やカルシウ厶を手軽に摂取できる健康食品として従来から知られている。しかしながら、このチーズ製造時に塩分として一般に使われているのはミネラルがほとんど含まれていない精製塩である。最近では、健康面から考えてミネラルが豊富に含まれている食品への関心が高まっており、天然塩が見直されている。しかしながら、世界的に表層海水は重金属や有機化合物の汚染が懸念されており、汚染のない塩分供給源が求められている。
それに対応して、海水から採取した天然塩は微量ミネラルが豊富なことから、最近では精製塩よりも天然塩への期待が高まっている。
しかしながら、表層海水は世界的に汚染が進んでおり、表層海水から得られた天然塩を食用に供すことは健康被害の危険がある。
そこで、本発明では、チーズに安全な微量ミネラルを添加するために、微量ミネラルを多く含みなおかつ清浄である海洋深層水を活用したチーズを得ることを目的とする。
具体的な製造手段として、原料乳に海洋深層水を2%添加し、75℃15秒殺菌後、32℃まで冷却し、乳酸菌スターターを添加、酸度の低下後レンネットを添加しカードを得る。カードを細切しホエーを分離させ、クッキングしながらカードを硬化させる。モールド等に詰めカードを成形し、塩分濃度20%に調整した海洋深層水中に塩漬し、熟成が必要な種類に関してはその後熟成させる方法をその実現手段としている。
原料乳に海洋深層水を2%添加し、75℃15秒殺菌する。海洋深層水の添加量は、乳酸菌の生育を阻害しないために、塩分濃度で1%以下となるように設定する。
32℃まで冷却後、乳酸菌スターターを0.5〜1%添加する。1時間発酵させ、その後凝集酵素としてレンネットを0.004%、凝集酵素の補助剤として塩化カルシウムを0.01%、発酵調整剤として硝酸塩を0.01%添加し、静置する。
カード凝固後、1cm角にカードを細切し、32℃で30分攪拌する。その後ホエーを半量排除し、1分間に1℃ずつ湯を入れながら昇温させ、最終的に38℃にして1時間30分攪拌する。
その後、モールドに型詰めし、5〜10kg/cm2で2時間加圧する。その後、10度以下の冷水に16時間つけ込む。そして、塩分濃度20%以上、pH5.2以下に調整した海洋深層水中に塩漬する。塩漬時間はカードの大きさによって変化させる。また、海洋深層水のpH調整剤としてはクエン酸を使用する。
塩漬終了後、10℃で1ヶ月から3ヶ月程度熟成を行う。
発酵乳は、良質のタンパク質やカルシウムを手軽に摂取できる健康食品として従来から知られている。しかしながら、微量ミネラルに関してはバランス良く含まれているとは言い難い。最近では、健康面から考えてミネラルが豊富に含まれている食品への関心が高まっており、ヨーグルトでも改善が求められている。
それに対応して、海水から採取した天然塩は微量ミネラルが豊富なことから、最近では精製塩よりも天然塩への期待が高まっている。
しかしながら、表層海水は世界的に汚染が進んでおり、表層海水から得られた天然塩を食用に供すことは健康被害の危険がある。
そこで、本発明では、ヨーグルトに安全な微量ミネラルを添加するために、微量ミネラルを多く含みなおかつ清浄である海洋深層水を活用したヨーグルトを得ることを目的とする。
具体的な製造手段として、原料乳に海洋深層水を2%添加し、75℃15秒殺菌後32℃まで冷却し、乳酸菌スターターを添加、42℃で4〜6時間発酵させる方法をその実現手段としている。
原料乳に脱脂粉乳4〜5%、精製糖6〜7%、海洋深層水を2%添加し、75℃15秒殺菌する。海洋深層水の添加量は、乳酸菌の生育を阻害しないために、塩分濃度で1%以下となるように設定する。
32℃まで冷却後、乳酸菌スターターを0.5〜1%添加する。4時間42℃で発酵させ、その後4℃間で冷却し冷蔵保存する。
酸乳飲料は、良質のタンパク質やカルシウムを手軽に摂取できる嗜好飲料として従来から知られている。しかしながら、微量ミネラルに関してはバランス良く含まれているとは言い難い。最近では、健康面から考えてミネラルが豊富に含まれている食品への関心が高まっており、酸乳飲料でも改善が求められている。
それに対応して、海水から採取した天然塩は微量ミネラルが豊富なことから、最近では精製塩よりも天然塩への期待が高まっている。
しかしながら、表層海水は世界的に汚染が進んでおり、表層海水から得られた天然塩を食用に供すことは健康被害の危険がある。
そこで、本発明では、酸乳飲料に安全な微量ミネラルを添加するために、微量ミネラルを多く含みなおかつ清浄である海洋深層水を活用した酸乳飲料を得ることを目的とする。
具体的な製造手段として、原料脱脂乳に海洋深層水を2%添加し、75℃15秒殺菌後32℃まで冷却し、乳酸菌スターターを添加、42℃で4〜6時間発酵させ、出来上がったヨーグルト状のカードに砂糖、香料、酸味料を配合する方法をその実現手段としている。
原料脱脂粉乳に海洋深層水を2%添加し、75℃15秒殺菌する。海洋深層水の添加量は、乳酸菌の生育を阻害しないために、塩分濃度で1%以下となるように設定する。
32℃まで冷却後、乳酸菌スターターを0.5〜1%添加する。4時間42℃で発酵させヨーグルト状のカードを得る。その後カード重量の100〜150%の精製糖、2〜5%のクエン酸、2%の香料(レモンエッセンス等)を添加し配合する。瓶詰め後80℃30分殺菌処理する。
バターは、良質の乳脂肪を多く含み、菓子・調理用として広く使われている。しかしながら、微量ミネラルに関してはバランス良く含まれているとは言い難い。最近では、健康面から考えてミネラルが豊富に含まれている食品への関心が高まっており、バターでも改善が求められている。
それに対応して、海水から採取した天然塩は微量ミネラルが豊富なことから、最近では精製塩よりも天然塩への期待が高まっている。
しかしながら、表層海水は世界的に汚染が進んでおり、表層海水から得られた天然塩を食用に供すことは健康被害の危険がある。
そこで、本発明では、バターに安全な微量ミネラルを添加するために、微量ミネラルを多く含みなおかつ清浄である海洋深層水を活用したバターを得ることを目的とする。
具体的な製造手段として、殺菌した原料生クリームに殺菌した海洋深層水を30%添加し、4℃16時間エージングし、チャーニング、生成したバター粒を水洗後加塩し、ワーキングを行い成形することを、実現手段としている。
殺菌した原料生クリームに殺菌した海洋深層水を30%添加し、4℃16時間エージングする。その後、10℃〜13℃でチャーニングを行いバター粒を得る。生成したバター粒を10℃の清水で数回水洗する。バター粒重量の2%前後の食塩を加塩し、ワーキングを行いバターの組織を均一にし水分量を15%程度になるように調整する。その後成形し、包装する。
海洋深層水中には、生態にとって必須の天然元素であるFe(鉄)I(ヨウ素)Cu(銅)Mn(マンガン)Zn(亜鉛)Co(コバルト)Mo(モブリテン)Se(セレン)Cr(クロム)Sn(スズ)V(バナジウム)F(フッ素)Si(ケイ素)Ni(ニッケル)As(砒素)が含まれていることが指摘されており、乳製品に海洋深層水を添加することによりこれら微量要素やミネラルの含有量を高めることが出来る。
また、海洋深層水をチーズや発酵乳、酸乳飲料の製造工程中に海洋深層水を導入することは、製造過程で重要な役割を果たす乳酸発酵を促進する効果が認められる。具体的には、海洋深層水を添加すると、乳酸菌数は早く増加する傾向が見られる他、pHの低下や酸度の上昇も若干早い傾向が見られる。
(図1、2、3)。
これは、海洋深層水中の微量要素やミネラルが、乳酸菌の発育に好影響を与えていると考えられる。
また、海洋深層水を発酵乳や酸乳飲料に導入すると、刺激的な酸味からまろやかな酸味となり、食味が改善される効果が見られる。
さらにチーズの熟成過程において、グルタミン酸、ロイシン及びアミノ酸総量共に、海洋深層水を添加すると増加する傾向が見られる(図4、5、6)。グルタミン酸などのうま味成分が増加することは、チーズの食味の改善に役立っていると考えられる。
(図の凡例)
・試験区A:▲1▼原料乳に海洋深層水2%添加。▲2▼ブラインに海洋深層濃縮塩水使用。
・試験区B:▲1▼原料乳に海洋深層水2%添加。▲2▼ブラインに通常塩水使用。
・試験区C:▲1▼原料乳は無添加で使用。▲2▼ブラインに海洋深層濃縮塩水使用。
・試験区D:▲1▼原料乳は無添加で使用。▲2▼ブラインに通常塩水使用。
以上のことから、乳製品にミネラルや微量要素を添加するだけではなく、チーズや発酵乳、酸乳飲料の発酵品質や熟成品質の向上が見られ、従来品とは栄養的バランスのみならず風味等の改善が見られる乳製品を供給することが可能となり、高品質な製品生産が可能となる。
Claims (4)
- 海洋深層水又はその濃縮した水及び脱塩した水を利用したチーズ製造
- 海洋深層水又はその濃縮した水及び脱塩した水を利用した発酵乳製造
- 海洋深層水又はその濃縮した水及び脱塩した水を利用した酸乳飲料製造
- 海洋深層水又はその濃縮した水及び脱塩した水を利用したバター製造
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JP2003380521A JP2005110647A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 海洋深層水を利用した乳製品製造 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009165434A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Fujikawa Bokujo:Kk | 牛乳100%単成分の固形食品 |
JP2012135242A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Uchibori Vinegar Inc | バターの製造方法及びバター |
JP2020061960A (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | 株式会社カネカ | 発酵バターおよびその製造方法 |
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2003
- 2003-10-02 JP JP2003380521A patent/JP2005110647A/ja active Pending
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JP2009165434A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Fujikawa Bokujo:Kk | 牛乳100%単成分の固形食品 |
JP2012135242A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Uchibori Vinegar Inc | バターの製造方法及びバター |
JP2020061960A (ja) * | 2018-10-16 | 2020-04-23 | 株式会社カネカ | 発酵バターおよびその製造方法 |
JP7258510B2 (ja) | 2018-10-16 | 2023-04-17 | 株式会社カネカ | 発酵バターおよびその製造方法 |
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