JP5715927B2 - 風味に優れたフレッシュチーズの製造方法 - Google Patents

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本発明は、従来にない独特で良好な風味を持つクワルクやクリームチーズなどのフレッシュチーズの製造方法に関する。より詳しくは、ナノ濾過(NF)処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体を原料とする、フレッシュチーズの製造方法に関する。
限外濾過膜(UF)処理により調製した脱脂濃縮乳(無脂肪濃縮乳など)へ、クリームを加えるなどして、ホエイタンパク質をプレチーズ(カード)へ効率的に取り込み、チーズ(製品)の歩留まりを向上するチーズの製造方法が知られている(非特許文献1)。この技術は、所定の期間で熟成するゴーダチーズやチェダーチーズなどのハードチーズや、クワルクやクリームチーズなどのフレッシュチーズにも適応できることとなっている。
一方、ナノ濾過(NF)処理により風味の改善された加工乳の製造方法が知られている(特許文献1)。ただし、何れの場合にも、ナノ濾過膜(NF)処理により調製した脱脂濃縮乳を原料とし、チーズの風味や食感の改良方法について実験的に検討した事例はなかった。
特開2002−253116 乳製品製造学、P.502〜505(2004):伊藤肇躬
本発明は、上記従来技術の課題点を鑑みてなされたものであり、従来にない独特で良好な風味を持つクワルクやクリームチーズなどのフレッシュチーズ及びその製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、香気成分や呈味成分を濃縮した乳原料を用いて、従来よりも乳風味を良好に感じるフレッシュチーズ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、従来のフレッシュチーズの製造工程において、ナノ濾過処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体を原料とすることにより、従来にない風味の優れたクワルクやクリームチーズなどのフレッシュチーズが得られるという知見を見出し、本発明を完成するに至った。
ナノ濾過(NF)膜では、限外濾過(UF)膜よりも細孔径(pore size)が小さく、ナトリウム、カリウム、塩素などの一価のイオンなどを、水分と同時に選択的に透過させて除去できる。このとき、脂肪、タンパク質、乳糖、マグネシウム、カルシウム、リンなどの二価や三価のイオンなどを濃縮させて回収できる。つまり、NF処理により、香気成分や呈味成分を濃縮しつつ、塩味を除去した乳や乳製品などを調製できることなる。本発明では、このNF処理により調製した膜濃縮乳を用いて、フレッシュチーズを製造する。
すなわち、本発明は、
[1] ナノ濾過処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体を原料とすることを特徴とする、フレッシュチーズの製造方法、
[2] ナノ濾過処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体へクリームを加えて、脂肪の含量を8〜16重量%とした流体を原料とすることを特徴とする、フレッシュチーズの製造方法、
[3] 前記原料のタンパク質の重量1に対するナトリウムの重量比が0.01以下であることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載のフレッシュチーズの製造方法、
[4] 前記原料から得られたフレッシュチーズの脂肪の含量が0〜2重量%及びタンパク質の含量が12〜25重量%であることを特徴とする、前記[1]又は[3]に記載のフレッシュチーズの製造方法、
[5] 前記原料から得られたフレッシュチーズの脂肪の含量が20〜40重量%及びタンパク質の含量が5〜15重量%以上であることを特徴とする、前記[1]〜[3] の何れかに記載のフレッシュチーズの製造方法、
[6] 前記[1]〜[5]の何れかに記載の製造方法を用いて製造したフレッシュチーズ
からなる。
本明細書において「フレッシュチーズ」とは例えば、クワルク、クリームチーズ、フロマージュフレなどであり、殆ど熟成しないか全く熟成しないナチュラルチーズを意味する。
本発明者らは、ナノ濾過(NF)処理した牛乳を含む流体を原料として様々なナチュラルチーズを試作し、それらのチーズの風味や食感などを官能検査により評価・解析した。これら風味や食感を評価・解析することにより、従来にない独特で良好な風味を持つナチュラルチーズの製造方法を見出した。例えば、所定の期間で熟成するハードチーズなどでは、熟成に伴う風味や食感の影響が全体的に大きいため、本発明に伴う風味の改善効果は僅かしかないか全くなかった。これに対して、殆ど熟成しないか全く熟成しないフレッシュチーズなどでは、熟成に伴う風味や食感の影響が小さいか全くないため、本発明に伴う風味の改善効果は大きかった。
本発明によれば、従来にない独特で良好な風味を持つクワルクやクリームチーズなどのフレッシュチーズ及びその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、香気成分や呈味成分を濃縮した乳原料を用いて、従来よりも乳風味を良好に感じるフレッシュチーズ及びその製造方法を提供することができる。
本発明のフレッシュチーズの製造方法は、ナノ濾過(NF)処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体を原料とすることを特徴とする。この製造方法では、乳及び乳製品の香気成分や呈味成分が効率よく濃縮されるため、従来よりも乳風味を良好に感じるフレッシュチーズを得られることとなる。NF膜の種類として、NF-3838/30-FF(Dow社製)などが例示できるが、NF膜は、ナチュラルチーズの種類や消費者の嗜好に合わせて適宜、選択すれば良いこととなる。NF膜は、ナトリウム、カリウム、塩素などの一価のイオンなどを、水分と同時に選択的に透過させて除去し、脂肪、タンパク質、乳糖、マグネシウム、カルシウム、リンなどの二価や三価のイオンなどを濃縮させて回収できるものが好ましい。
乳や乳製品をNF処理して原料の一部や全部とし、ナチュラルチーズ(製品)を製造する際には、NF処理の濃縮条件や、原料でのNF処理した乳や乳製品の含量(割合)などがチーズの風味や食感に影響する。例えば、牛乳や脱脂乳などではNF処理の濃縮倍率として好ましくは1.3倍以上、より好ましくは1.4倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上である。この濃縮倍率が小さいと、NF処理の前後で牛乳の風味や食感が殆ど変わらないため、それを原料として製造したチーズの風味や食感も従来と変わらないこととなる。一方、この濃縮倍率が大きいと、チーズの風味や食感が従来と大きく変わるが、NF処理の性能(能力)から考えると、牛乳や脱脂乳などではNF処理の濃縮倍率として上限は2倍程度である。また、原料でのNF処理した乳や乳製品の含量は、ナチュラルチーズの種類や消費者の嗜好に合わせて適宜、選択すれば良いこととなる。
膜分離法を応用した従来のナチュラルチーズの製造方法では例えば、チーズ(製品)の収率の向上を目的として、限外濾過(UF)処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体を原料とするものがあった。具体的には、(1)チーズの製造工程において、原料乳(標準化乳)をUF処理して、タンパク質を濃縮することで、チーズバットなどに仕込む容量(体積)を少なくし、さらにはホエイ除去(ホエイオフ)工程を省略する方法、(2)チーズカード形成工程で原料乳をUF処理して、ホエイタンパク質を濃縮し回収する方法、(3)遠心分離(セパレーター)工程で除去したホエイをUF処理して、ホエイタンパク質を濃縮し、チーズカード形成工程へ再添加する方法などである。
前記した通り、UF処理を応用したチーズの製造方法では、ホエイタンパク質を効率よく濃縮し回収して、チーズ(製品)の収率を向上させている。一方、本発明のNF処理を応用したチーズの製造方法では、乳風味を向上させており、UF処理の場合とは目的や作用・効果が全く異なっている。
本発明のフレッシュチーズの製造方法は、ナノ濾過(NF)処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体へクリームを加えて、脂肪の含量を8〜16重量%とした流体を原料とすることを特徴とする。この製造方法では、乳及び乳製品の香気成分や呈味成分が効率よく濃縮されるため、従来よりも乳風味を良好に感じる上に、クリーム(乳脂肪)に基づく濃厚感や食感(組織)の滑らかさを良好に感じるフレッシュチーズを得られることとなる。このとき、NF処理した乳や乳製品へ加えるクリームとして脂肪の含量を18重量%以上とすれば良いが、例えば、45〜48重量%としても良い。そして、この脂肪の含量が45〜48重量%のクリームをNF処理した乳や乳製品へ加える重量比として好ましくは0.2〜0.5、より好ましくは0.25〜0.45、さらに好ましくは0.3〜0.4などとなる。また、このようにして調製された原料では、それぞれの脂肪の含量として好ましくは8〜16重量%、より好ましくは10〜15重量%、さらに好ましくは12〜14重量%などとなる。実際には、これら原料での脂肪の含量(NF処理した乳や乳製品へ加えるクリームの重量比)が大きい程、チーズの濃厚感や食感の滑らかさが強くなることを考慮しながら、これら脂肪の含量(クリームの重量比)は、ナチュラルチーズの種類や消費者の嗜好に合わせて適宜、選択すれば良いこととなる。
本発明のフレッシュチーズの製造方法は、NF処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体を原料とするか、NF処理した乳及び/又は乳製品を一部又は全部で含む流体へクリームを加えて、脂肪の含量を8〜16重量%とした流体を原料とし、これら原料のタンパク質の重量1に対するナトリウムの重量比が0.01以下であることを特徴とする。この製造方法では、NF処理により脱水と同時に、ナトリウム、カリウム、塩素などの塩味成分を低減しつつ、香気成分や呈味成分などを増強した乳や乳製品を調製する。このとき、前記原料のタンパク質の重量1に対するナトリウムの重量比として好ましくは0.01以下であるが、0.0095以下であっても良く、前記原料のタンパク質に対するカリウムの含量として好ましくは0.04以下であるが、0.038以下であっても良い。一方、この乳や乳製品の脂肪分やタンパク質を適宜、調整した後に、カード形成、発酵、ホエイ除去することで、乳風味を良好に感じる、ナチュラルフレッシュチーズを製造する。
本発明のフレッシュチーズの製造方法は、さらに、前記原料から得られたフレッシュチーズの脂肪の含量が0〜2重量%及びタンパク質の含量が12〜25重量%であることを特徴とする。このようなフレッシュチーズとして例えば、クワルクがあり、その風味が特に優れている組成として脂肪の含量が好ましくは0〜2重量%、より好ましくは0〜1重量%、さらに好ましくは0〜0.5重量%であり、タンパク質の含量が好ましくは12〜25重量%、より好ましくは15〜22重量%、さらに好ましくは17〜20重量%である。これらの組成では、脂肪感が少なく爽やでスッキリとした風味と、適度な弾力性と歯応えのある食感を持つフレッシュチーズが得られることとなる。
本発明のフレッシュチーズの製造方法は、さらに、前記原料から得られたフレッシュチーズの脂肪の含量が20〜40重量%及びタンパク質の含量が5〜15重量%以上であることを特徴とする。このようなフレッシュチーズとして例えば、クリームチーズがあり、その風味が特に優れている組成として脂肪の含量が好ましくは20〜40重量%、より好ましくは25〜40重量%、さらに好ましくは30〜40重量%であり、タンパク質の含量が好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜13重量%、さらに好ましくは8〜12重量%である。これらの組成では、適度な濃厚感と食感(組織)の滑らかさを持つフレッシュチーズが得られることとなる。
一方、本発明のフレッシュチーズへ安定剤、食塩などを加えて、加熱溶融、均質化、冷却し、保存性を高めた上で、乳風味を良好に感じるナチュラルチーズなどを製造することもできる。また、本発明のフレッシュチーズへ乳化剤などを加えて、加熱溶融、冷却し、保存性を高めた上で、乳風味を良好に感じるプロセスチーズなどを製造することもできる。
本発明では、脂肪、タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルなどの供給源(素材)として具体的には、全脂乳、全脂濃縮乳、全脂粉乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、練乳、クリーム、バター、発酵バター、バターミルク、バターミルク粉、カゼイン、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、乳糖、ヨーグルト、ケフィアなどが例示できる。さらに、これらへは植物性や動物性の油脂、豆乳などの大豆系の食品、果汁や果肉などの果実系の食品、乳酸菌やビフィズス菌などの有用な微生物などを適宜、添加・混合などしても良い。
本発明では、上記した以外の任意の添加物を必要に応じて配合することができる。その添加物として具体的には、塩化ナトリウム(食塩)や塩化カリウムなどの塩味剤、全卵、卵白、卵黄、澱粉、ゼラチン、ガム質などの粘度調製剤、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、アジピン酸、フィチン酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸などの酸味料、ブドウ糖、ショ糖、糖アルコール、マンニット、ソルビトール、マルチトールなどの甘味料、コーヒー、抹茶、ピーナッツペースト、アーモンドペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、アミノ酸、核酸などの呈味料、酸化防止剤、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、フマル酸ナトリウムなどの酸味調製剤、色素剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、エチルアルコールなどの食品保存剤、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類などが例示でき、これらを単独もしくは混合して、本発明の目的に反しない範囲内で配合することができる。
本発明では、乳化剤、安定剤、ゲル化剤などを含んでいても良い。乳化剤として具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが例示できる。安定剤として具体的には、ローカストビンガム、グアーガム、キサンタンガム、タラガム、アラビアガム、デンプン、加工デンプンなどが例示できる。ゲル化剤として具体的には、寒天、ゼラチン、ペクチン、ジェランガム、カードランなどが例示できる。
以下、本発明に関して実施例を挙げて説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
[実施例1](クワルクの試作1)
未殺菌の脱脂乳をNF処理で1.4倍にした脱脂濃縮乳(脂肪 0.1重量%、タンパク質 5重量%、炭水化物 8重量%、灰分 1重量%、Na 45mg/100g、K 190mg/100g、Mg 15mg/100g、Ca 180mg/100g)3kgを水で1.5倍に希釈してから温度63℃、保持30分で殺菌した。使用したNF膜は、NF-3838/30-FF(Dow社製)である。この殺菌乳を温度31℃へ冷却し、乳酸菌スターター(前日から培養して調製したもの)5重量%、レンネット0.001重量%を加えて撹拌した。そして、この処理液を静置し、pHが4.6(温度31℃)になるまで保持した。カードが凝固した後に、撹拌しながら温度40℃へ昇温させ、2時間保持した。カードとホエイを分離して、クワルク(脂肪 0.3重量%、タンパク質 17.6重量%、炭水化物 2.8重量%、灰分 1.1重量%、Na 33mg/100g、K 136mg/100g)を得た。
[比較例1](クワルクの試作2)
未殺菌の脱脂乳(脂肪 0.1重量%、タンパク質 3.5重量%、炭水化物 5重量%、灰分 0.7重量%、Na 50mg/100g、K 150mg/100g、Mg 10mg/100g、Ca 100mg/100g)3kgを温度63℃、保持30分で殺菌した。この殺菌乳を実施例1と同じ製造方法で処理して、クワルク(脂肪 0.5重量%、タンパク質 16.7重量%、炭水化物 2.4重量%、灰分 1.1重量%、Na 59mg/100g、K 165mg/100g)を得た。
実施例1と比較例1で得たクワルクについて、専門パネリスト5名により官能評価試験を実施した。その結果を表2に示した。評価方法は評点法で、「よい」=+5、「やや良い」=+4、「普通」=+3、「やや悪い」=+2、「悪い」=+1の5段階とした。この結果からも明らかなように、NF処理した脱脂乳を使用して製造したクワルクは、通常の脱脂乳を使用して製造したものよりも、香味と風味が優れており、食感は同等であった。
Figure 0005715927
[実施例2](クリームチーズの試作1)
未殺菌の脱脂乳をNF処理で1.4倍にした脱脂濃縮乳20kgに、クリーム(脂肪 47.5重量%、タンパク質 2重量%、炭水化物 3重量%、灰分 0.4重量%、Na 30mg/100g、K 80mg/100g、Mg 5mg/100g、Ca 60mg/100g)8kgを加えて、脂肪の含量が14重量%になるように調整した。使用したNF膜は、NF-3838/30-FF(Dow社製)である。この調整乳を温度50℃、圧力150kg/cm2で均質化した後に、温度63℃、保持30分で殺菌した。この殺菌乳を温度31℃へ冷却してから、乳酸菌スターター(前日から培養して調製したもの)5重量%、レンネット0.001重量%を加えて撹拌した。そして、この処理液のpHが4.6(温度31℃)になるまで保持した。カードが凝固した後に、撹拌しながら温水(温度35〜55℃)を加えつつ、温度55℃まで2時間を掛けて昇温させた。カードとホエイを分離して、クリームチーズ(脂肪 31重量%、タンパク質 8.3重量%、炭水化物 4.9重量%、灰分 0.6重量%、Na 28mg/100g、K 68mg/100g)を得た。
[比較例2]
未殺菌の全脂乳(生乳)20kgに、クリーム6.6kgを加えて、脂肪の含量が14重量%になるように調整した。この調整乳を実施例2と同じ製造方法で処理して、クリームチーズ(脂肪 36.4重量%、タンパク質 7重量%、炭水化物 3.9重量%、灰分 0.6重量%、Na 30mg/100g、K 72mg/100g)を得た。
実施例2と比較例2で得たクリームチーズについて、実施例1や比較例1と同様に官能評価試験を実施した。その結果を表2に示した。この結果からも明らかなように、NF処理した脱脂乳を使用して製造したクリームチーズは、通常の全脂乳を使用して製造したものよりも、香味と風味が優れており、食感は同等であった。
Figure 0005715927
[実施例3](ホエイチーズの試作1)
未殺菌のホエイをNF処理で1.4倍にした濃縮ホエイ95g、ホエイタンパク分離物(WPI)5.2g、生クリーム13.5g、水道水40gをタンク内で撹拌しながら、常温で溶解した後に、クエン酸を少しずつ添加し、pHを6に調整した。この処理液を温度75℃、30分間で保持してから、カードとホエイを分離して、ホエイチーズを得た。使用したNF膜は、NF-3838/30-FF(Dow社製)である。
[比較例3](ホエイチーズの試作2)
ホエイ135g、ホエイタンパク分離物(WPI)5.2g、生クリーム13.5gを実施例3と同じ製造方法で処理して、ホエイチーズを得た。
実施例3と比較例3で得たホエイチーズを比較したところ、NF処理したホエイを使用して製造したホエイチーズは、通常のホエイを使用して製造したものよりも塩味が低減され、まろやかで良好な風味であった。
香気成分や呈味成分を濃縮した乳原料を用いて、従来よりも乳風味を良好に感じるフレッシュチーズ及びその製造方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. エイをナノ濾過処理し、1.3倍〜2倍に濃縮した濃縮ホエイを含む流体を原料とし、前記原料のタンパク質の重量1に対するカリウムの重量比が0.04以下であることを特徴とする、フレッシュチーズの製造方法。
  2. エイをナノ濾過処理し、1.3倍〜1.4倍に濃縮した濃縮ホエイを含む流体を原料とすることを特徴とする、請求項1に記載のフレッシュチーズの製造方法。
  3. 縮ホエイを含む流体へクリームを加えることを特徴とする、請求項1または2に記載のフレッシュチーズの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法を用いて製造したフレッシュチーズであって、脂肪の含量が0〜2重量%およびタンパク質の含量が12〜25重量%であることを特徴とする、前記フレッシュチーズ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法を用いて製造したフレッシュチーズであって、脂肪の含量が20〜40重量%およびタンパク質の含量が5〜15重量%であることを特徴とする、前記フレッシュチーズ。
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